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2016年08月29日

Canadian・Trina・Jinko・JA・Yingliの2016年2Qは全体として好調が際立つ、中国でのFIT見直し(6月末)も寄与

8月中旬〜下旬にかけて、大手モジュールメーカーの

  • Canadian Solar
  • Trina Solar
  • Jinko Solar
  • JA Solar
  • Yingli Solar

が、20162Q(20164-6月期)業績を発表していました。[1]〜[5]

今回はそれらの中から、主な数字や背景を抜き出してみました。

※カッコ内は前年同期比(一部は当ブログ管理人が計算)、または前年同期の実績値。


業績

売上高粗利益率営業利益純利益
Canadian Solar約8億ドル(26.6%増)17.2%(2p増)約4000万ドル(22%増)約4000万ドル(116%増)
Trina Solar約9.6億ドル(33%増)18.3%(1.7p)約8400万ドル(38%)約4000万ドル(1%)
Jinko Solar約9億ドル(86.1%増)20.4%(0.3p)約6700万ドル(88%増)約4200万ドル(267%増)
JA Solar約6.2億ドル(51.9%増)15.3%(1.1p)約2800万ドル(20%増)約2500万ドル(21%増)
Yingli Solar約3.8億ドル(7%)18.2%(11.9p増)約2400万ドル(約1.8億人民元の赤字)約1100万ドル(約6億人民元の赤字)

太陽電池モジュールの出荷量

モジュール出荷量うち自社の下流事業向け
Canadian Solar1290MW(59%増)
Trina Solar1658MW(35%増)約39MW(83%)
Jinko Solar1716MW(87.9%増)
JA Solar1134MW(58.1%増)152MW
Yingli Solar662MW(9%)51MW

背景(主な状況)

Canadian Solar
  • 事前予想を上回る業績だった。
  • モジュール事業とプロジェクト事業は強さが続いている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、米州47.6%、アジア39.5%、欧州その他が12.9%
  • YieldCoについては経営計画の見通し改善のため、立ち上げないことを既に決定している。
Trina Solar
  • 手堅い四半期だった。
  • モジュール出荷量の増加は主に、中国での駆け込み需要による。
    (※中国では6月30日に、補助金政策の調整が行われると予想されていた)
    ただし一方で、米国・欧州・日本・その他アジア向けの出荷量は減少した。
  • タイの新工場からの出荷量を増やしたことが、米国市場での競争力強化に寄与している。
    (反ダンピング税・相殺関税の影響を大きく減らした)
Jinko Solar
  • 好調な業績だった。
  • 2Qのモジュール需要は強く、出荷量では特に米国と中国向けが大部分を占めた。
  • 最近は業界が困難な局面にあるが、世界需要は今後も堅調が続くと予想している。
    今年後半には、南米・インド・日本向けの出荷量が急速に伸びると予想。
  • 中国においては大規模分野の市場減速に対応するべく、「Top Runner Program」と「PV Poverty Alleviation Program」のプロジェクトに参加している。
JA Solar
  • 業績は事前の期待に沿ったものだった。
  • 2Qは中国が最も強い市場だった。
    ただし販売努力では、中国以外のより強固な市場に焦点を当てている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、中国63.9%・APAC(中国除く)12%・欧州3.7%・米州9.3%・その他11.1%
Yingli Solar
  • 手堅い業績だった。
  • モジュールの出荷量では、中国向けの割合が高かった
    中国向け出荷量は、大規模顧客との関係を活用したことで、前四半期(1Q)から倍以上に増加した。
  • 海外では、日本が最重要市場であり続けており、2Qにはモジュール出荷量の20%以上を占めた。 (7四半期連続の120MW超え)
  • 米国はITCポリシーが延長されたことで、安定した需要が続いた。

今回はCanadian Solarプラス中国4社という顔触れですが、中国市場でFIT変更前の駆け込み需要があったとはいえ、全体として米2社(First Solar、SunPower)の業績よりも好調さが際立って感じられます。

ちょっと意外なのは、縮小が続いている筈の日本市場を重要視しているメーカーがまだ有る(Jinko、Yingli)ことですが、このあたりは世界市場での厳しい競争を背景に、価格競争力を高めてきた故と思われます。

世界でのモジュール販売価格の競争は、現在も相当に厳しいようですが、今回の5社はいずれも、その中で好調な業績を示しており、不調が続く日本メーカーが(残念ながら)海外大手に大きく水を開けられていることを、強く感じざるを得ません。

またYingli社については、売上高・モジュール出荷量こそ前年同期よりは減らしているものの、利益はきっちり黒字化しており、かつての苦境から立ち直りつつあることを感じさせます。

最後にもう一つ、Canadian SolarがYieldCoを立ち上げないことを決めたというのは、ちょうどSunPower社が同期決算内で「YieldCo環境における、市場の継続的な混乱」を挙げているのと辻褄は合います。

ただ個人的には、昨年2月にSunPowerとFirst Solarによる立ち上げ計画が発表されて以来、太陽光発電所の保有・運営を独立事業とする(そしてそれを投資有価証券にする)YieldCoが市場・産業に新しい流れを生むのでは、との期待もあったので、いま具体的にどのような不都合が生じているのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2016 Results(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2196174
[2]Trina Solar Announces Second Quarter 2016 Results(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2196792
[3]JinkoSolar Announces Second Quarter 2016 Financial Results(Jinko Solar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2197344
[4]JA Solar Announces Second Quarter 2016 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2195893
[5]Yingli Green Energy Reports Second Quarter 2016 Results(Yingli Solar社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2196776
[6]Solar Investment Tax Credit (ITC)(SEIA)
http://www.seia.org/policy/finance-tax/solar-investment-tax-credit

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | その他の太陽電池メーカー

First SolarとSunPowerの2016年2Qは売上堅調も利益は大幅減、各々に事業方針の転換あり

今回は、米国の大手モジュールメーカー2社(First SolarSunPower)の2016年第2四半期(2016/4-6)業績[1][2]から、主な数字や状況を抜き出してみました。

概要は下記の通り。


業績

※カッコ内は前年同期比(※当ブログ管理人が計算)または前年同期の実績値。

売上高営業利益純利益モジュール
生産量
First Solar約9.3億ドル
(4%増)
約890万ドル
(84%)
約1300万ドル
(86%)
約785MW
(39%増)
SunPower約4.2億ドル
(10%増)
約7500万ドルの赤字
(約3300万ドルの赤字)
約7000万ドルの赤字
(約650万ドルの黒字)

主な状況

First Solar
  • モジュール販売の好調
  • 発電所事業の収入
により、売上高は堅調だった。
ただ、TetraSunの結晶シリコン製品の生産終了決定に伴う税引前事業再編費用(8600万ドル)が、利益に大きな影響を及ぼした。
SunPower分散型分野(商業用・住宅用)・発電所セグメントともに好調だった。
しかし発電所セグメントでは
  • 投資税額控除の延長などにより、プロジェクト完成の緊急性が縮小
  • 多数の事業者の新規参入による、PPAの攻撃的な価格設定
  • 顧客のプロジェクトのIRR上昇
  • YieldCo環境における、市場の継続的な混乱
といった要因があり、2016年後半の業績に影響すると予想される。
このため今後は、分散型発電セグメントに投資をシフトしつつ、発電所セグメントの合理化を進める方針。
その他に、コア市場(主にアメリカ)に適応するための生産体制再編として、フィリピンのパネル組立工場を閉鎖し、メキシコ工場の設備を最新のものに換えていく。

両社とも売上高が堅調な一方で、利益は意外にも大きく減らしています。

もっともこれには各社固有の理由があり、まずFirst Solarのほうは、TetraSun製品の生産停止決定が特に響いた模様。

それにより営業経費では「Restructuring and asset impairments」が約8600万ドルとなっていますが、これを除いた営業経費は前年同期より縮小しているので、今回の利益の大幅減少は特殊な状況と思われます。

いっぽうSunPower社は、全てのセグメントが好調な筈ながら、前四半期に続いて大幅な赤字となっていますが、その理由はどうにも判りません。

ただ(今回は抜き出さなかった)セグメント別の売上高と売上原価を見ると、「Residential」「Commercial」は売上高と原価の両方が(前年同期比で)増加しています。

しかし「Power Plant」では、売上高が減りつつ売上原価は増えており、今年後半の業績に影響してくるとされている発電所セグメントのマイナス要因は、今回の2Q決算で既にその影響が出ているのではないでしょうか。

そしてそれを受けての分散型発電(DG)セグメントへのシフトですが、ちょうど今月には日本の三菱商事が米国で同分野を手がけるNexamp社への出資を発表しており、米国内ではこれから、分散型市場が活発化していくのかもしれません。

ともかく事情は異なるとはいえ、両社とも事業の小さくない転換を打ち出しているのは、海外市場の変化が伺えて興味深いです。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Second Quarter 2016 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=982733
[2]Earnings Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=903018&filekey=FD232B40-59A1-4008-BD0C-5EA221D5A01E&filename=Q216_Earnings_Call_Presentation_Final.pdf
[3]SunPower Reports Second Quarter 2016 Results(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2016-08-09-SunPower-Reports-Second-Quarter-2016-Results
[4]Q2 2016 Supplemental Earnings Slides(同上)
http://investors.sunpower.com/common/download/download.cfm?companyid=SPWR&fileid=904127&filekey=1A16FF5C-A508-440B-A98E-C87187256035&filename=Q216_Supplementary_Slides_Final.pdf

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2016年08月22日

JETが「太陽光発電システム保守点検認証事業(JET PV O&M認証)」を開始、事業者登録と報告書認証の二段構え

電気安全環境研究所JET)が2016年8月4日に、

  • 太陽光発電システム保守点検認証事業JET PV O&M認証)」を、2016年8月1日に開始した。
と発表していました[1]。

ここではその業務規定から、主な内容を抜き出してみました。


認証の対象となる機器・設備 非住宅用50kW以上)で直流1500V以下の太陽光発電システムにおける、
  • システムを構成する直流電気回路(太陽電池モジュール〜パワコン等)
  • システムを設置するサイト環境
認証の内容 上記の対象について「保守点検業者」が作成する「保守点検報告書」が、JETの
  • 太陽光発電システムの定期点検及び不具合調査に関するガイドラインについての報告書
で既定する要件に適合していること。
このガイドラインは、JETが設置した「太陽光発電システム監視・点検技術に関する調査検討会」でまとめられたもの。
(※管理人注:報告書は一部2000円(税別)で販売されている[2])
事業者・技術者の登録 この認証を利用する保守点検業者と保守点検技術者は、予めJETが定める「事業者等要件」に適合し、「登録事業者」「登録技術者」として登録する必要がある。(※この事業者等要件は、JETの「認証事業検証委員会」に諮り規定する)
測定機器の確認 事業者の登録においてはJETが、事業者が保守点検に用いる測定機器を確認し、その一覧表を作成して保管する。
(この一覧表の内容は、測定機器の変更・追加に応じて変更される)
登録の証明
  • 登録事業者には、JETから「登録書」が交付される。
  • 事業者の申請があった場合は、技術者に携行用の「登録証」が交付される。
登録の有効期間3(※事業者の申請による更新制)
登録者の公表 登録事業者の情報(事業者名、登録番号など)は、JETのホームページへの掲載などにより公表される。
(※公表を希望しない場合は、JETと事業者間で協議し決定)
立入調査
  • 保守点検業者の登録時・再登録時には、JETが立入調査を行う。
  • 保守点検報告書にガイドライン不適合があった場合、JETは登録事業者や保守点検の現場に対して、立入調査を行うことができる。
  • 立入調査で改善の必要性が確認された場合、登録事業者は改善報告書の提出を求められる。
審査
  • 登録事業者・技術者の登録
  • 報告書の認証
に対する審査は、JETの「太陽光発電システム保守点検認証評価員」が行う。
認証マーク 下記の書類には、登録事業者がJETの「太陽光発電システム保守点検認証マーク」を表示することができる。
  • 保守点検業者・技術者が本事業に登録されていることを示す文書
  • 本事業で認証された保守点検報告書
記録の保管
  • JETは、行った認証に関する記録を作成し、認証の有効期限満了日から10年間保存する。
    (※管理人注:認証の有効期限について、具体的な記載は見当たらず)
  • 登録事業者は、認証に係る業務の記録を、最低5年間保管する。
登録・認証の費用有料(金額は別途規定、管理人は未確認)

登録事業者が行った保守点検ならば即認証、ということではなく、保守点検の報告書自体もJETの認証を受ける必要がある、という二段構えであり、そのぶん認証に対する信頼性は高くなるものと思われます。

思い返すとFITの導入当初に、土地や機器の確保状況を厳密に確認しないまま、大量の認定が行われた結果、認定量と(実際の)導入量の乖離が著しくなり、また「認定だけを先に受けておき、太陽電池パネル等の価格が下がるまで待っている業者がいる」との批判も招いているので、太陽光発電産業のイメージアップのためにも、このぐらいの認証体制のほうが丁度良いのかもしれません。

ただ、認証の規準となるガイドラインは無償公開されていないので、その簡単な概要(点検の項目、判断基準など)だけでも、JETがウェブサイト等で告知すること、または登録事業者が(保守点検を行う際に)顧客に対して説明する必要が、あるように思われます。

国内でも、例えば太陽光発電所に投資するファンドはまだまだ人気が高いようであり、今回のJETによる認証事業が、そのような太陽光発電事業の信頼性を引き上げるものとなっていくことを、強く期待したいです。


※参照資料:
[1]JET PV O&M認証を開始いたしました(2016.08.04)(JET)
http://www.jet.or.jp/new/new238.html
[2]「太陽光発電システムの定期点検及び不具合調査に関するガイドライン報告書」販売中(日本太陽エネルギー学会)
http://www.jses-solar.jp/information/1410.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 監視・メンテナンス

三菱商事が米Nexamp社に出資、米国で小規模分散型PV事業への進出を狙う

三菱商事2016年8月10日に、

  • 米国子会社「Diamond Generating Corporation(DGC)」を通じ、分散型太陽光発電事業を手がけるNexamp社に出資参画した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 米国では最近の数年で
    • 石炭火力発電所の閉鎖
    • ガス火力発電所の増加(シェールガスの採掘増による)
    が続いており、加えて再エネ発電の導入も、大規模集中型の風力・太陽光を中心に進んでいる。
  • 一方で同国では、小規模の分散型太陽光発電事業(遊休地や、住宅・商業施設の屋上を利用)が
    • 太陽電池パネルの価格低下
    • 連邦・州レベルの支援政策
    等も支えとなり、最終需要家(一般家庭を含む)の電力負担軽減を実現できるとして、成長分野として注目されている。
  • 米Nexamp社は、分散型PVの開発・建設・運転保守・資産管理を手掛けている。
    これまでの開発実績は、米国北東部を中心に約5万kWに達しており、今後も同分野での事業拡大を計画している。
  • 三菱商事はIPPとして、世界で発電事業の開発・運営を手がけており、事業環境の変化を捉えて、新しいビジネスモデルに取組んでいく方針である。

今後の方針

  • 三菱商事は今回の出資により、Nexamp社の筆頭株主となり、同社の経営に参画する。 そして米国分散型太陽光発電事業に取組みつつ、今後の
    • 事業拡大
    • 更なるビジネスモデルの変革
    による、事業価値の最大化を目指す。

今回の発表だけでは正直、具体的な事業内容がいまいち判りませんが、関係各社のサイトを見ると、ある程度の状況が浮かび上がってきます。

まずDGC社が保有している資産(発電施設)は、米国内のガス火力発電や風力発電であり[2]、これは今回のプレスリリース[1]で言及されている、米国内の近年の動向(ガス火力の増加、大規模風力の増加)に沿っています。

次にBloombergの記事[3]では、DGC社が米国市場において

  • Community solar
  • commercial and industrial projects
を、(住宅用や大規模発電所より成長が遅い分)事業機会が多い今後の有望市場と見ていることが、同社副社長のコメントの中で述べられています。

また同記事では、nexamp社がマサチューセッツ州における「Community solar」の先駆者であることも紹介。

そして同社のサイト[4]では、その「Community solar」が強くPRされており、今回の三菱商事の発表にある「小規模の分散型太陽光発電事業」は、主にこのCommunity solarを年頭に置いたものと推測されます。

nexamp社が「Solarize My Bill」プログラムと銘打つCommunity solarのサービスでは、地域の住民や中小企業などが太陽光発電所を共有し、設備の建設・運営保守などはnexamp社が一手に担うとのこと。

そして共同保有者は、電力料金を15%削減できるとされており、これらはかなり魅力的なメリットに映ります。
(もちろん実際の経済的恩恵は、共同保有に参加する条件(支払額など)によるとは思いますが)

米国での住宅用PVに関しては、需要者が低負担で導入できる方策(設備のリースなど)が積極的に用いられていますが、中小規模の(日本で言うところの)非住宅設備についても、Community solarのような方法が提案されているのは非常に興味深いことです。

今回の出資参画を通じて、三菱商事が将来的に、米国以外でも小規模分散型PV事業を展開するかどうかは全く判りませんが、現在は縮小しつつある日本市場がいつか再び盛り上がる際に、Community solarの手法が一つのカンフル剤の役割を担うことも、淡くですが期待したいと思います。


※参照資料:
[1]米国分散型太陽光発電事業会社への出資参画について(三菱商事)
http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2016/html/0000030834.html
[2]Generation Assets(Diamond Generating Corporation)
http://www.dgc-us.com/assets4.htm
[3][Bloomberg] Mitsubishi’s Diamond Unit Buys Minority Stake in Solar Company(nexamp社)
http://nexamp.com/article/bloomberg-mitsubishis-diamond-unit-buys-minority-stake-solar-company
[4]Community Solar(同上)
http://nexamp.com/what-we-do/community-solar

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2016年08月15日

SMA Solarの2016年上半期は増収増益、ただしコスト構造改善のために、米国と南アの生産施設閉鎖を決定

パワコンメーカー「SMA Solar」が8月11日に、2016年上半期2016/1-6)の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


業績

売上高約4億9000万ユーロ(前年同期比15.1%増)
売上における海外の割合91.1%(前年同期から3.9ポイント増)
営業利益(EBIT)約3900万ユーロの黒字
(前年同期は約1500万ユーロの赤字)
販売したPVパワコンの出力合計3.9GW(前年同期比22.9%増)

背景、市場の状況

  • 収益の伸びを引っ張ったのは、大規模発電所セグメント(Utility)だった。
    また、商業向けシステム(Commercial)も好調だった。
  • 該当期間の市場環境では、価格圧力の強さが特徴的だった。(特に最近数週間での加速は、予想外のペース)
    2017年にはこれが更に強まると予想しており、コスト構造を改善するために、
    • 米国・デンバー
    • 南アフリカ・ケープタウン
    に有する生産施設を、閉鎖することを決定した。
    (これにより、中国とドイツでの生産能力の利用率を高める)

2014年には従業員の1/3超を解雇していたSMA社ですが、今回はパワコン販売を大きく伸ばしており、きっちり増収増益を達成。

海外売上高も9割を超えており、欧州市場の縮小という激変に上手く対応してきたことが伺えます。

しかし一方で、価格引き下げの圧力の強さにより、生産拠点を更に2ヶ所閉鎖するとのことで、厳しいリストラは今後も続かざるを得ないのかもしれません。

日本の大手モジュールメーカーでは業績の下降が続いており、今回のSMA社の発表内容とともに、(数字・文章の上だけでも)現在の太陽光発電市場における競争の厳しさが、ひしひしと伝わってくる気がします。


※参照資料:
[1]SMA Solar Technology AG Increases Sales and Earnings in First Half of 2016(SMA Solar社)
http://www.sma.de/en/newsroom/current-news/news-details/news/15888-sma-solar-technology-ag-increases-sales-and-earnings-in-first-half-of-2016.html

※関連記事:

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TMEICが「India Solar Week 2016」で「Rising Star Awards」を受賞、大規模システム用パワコンが評価される

東芝三菱電機産業システム(TMEIC)社が2016年8月9日に、

  • インドで開催されたPV関連イベント「India Solar Week 2016」(6月2〜3日、ニューデリー)において、自社が「ライジング・スター賞」を受賞した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


  • 受賞カテゴリ:「Solar Inverter Company of the Year - Utility Scale
  • 受賞理由:大規模システム用パワーコンディショナの性能・実績が評価された。

各カテゴリの受賞者一覧[2]を見ると、正直私がまだ名前を知らない企業が、殆どを占めていました。

このイベントのスポンサーには、開催地であるインド国内のPV関連企業が名を連ねており[3]、また「India Solar Week Awards」は2014年開始[4]とまだ歴史が浅いことから、現状ではまだ、250超という参加者のうち、インドの企業・団体が多くを占めているものと想像します。

その中で、「Leadership Awards」の「Solar Module Company Of The Year - International Manufacturer」では

  • PV Crystalline Modules:中国のJinkoSolar社
  • HIT PV Modules:パナソニックの100%子会社「Anchor Electricals Private Limited」
の名前があり、両社の世界市場における存在感が伺えます。

また、TMEICは「Rising Star Awards」のほうでの受賞であり、大規模設備(Utility)の世界市場における、2014年以降の拡販の勢いが推測されます。

その2014年には、インドの新政権が2022年までに100GWという導入目標を掲げており、同国市場の今後の成長に伴い、「India Solar Week Awards」の世界的な知名度・注目度も、高まっていくのではないでしょうか。

そして日本企業であるTMEIC製のパワコンが、インドをはじめとする新興国市場でどれだけシェアを拡大していけるか、という点も、注目していきたいところです。


※参照資料:
[1]インドにおいて弊社製パワーコンディショナが評価され、「ライジング・スター賞」を受賞しました(TMEIC)
http://www.tmeic.co.jp/news_event/information/2016/20160809.html
[2]Award Winners(「India Solar Week 2016」のサイト内)
http://solarquarter.com/indiasolarweek/index.php/awards/award-winners-2015
[3]Sponsors 2015(同上)
http://firstviewgroup.com/indiasolarweek/index.php/sponsor-exhibit/sponsors-2015
[4]Awards(同上)
http://firstviewgroup.com/indiasolarweek/index.php/awards

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | パワーコンディショナー

科学技術振興機構が単結晶シリコンインゴットの新しい製造法「NOC法」を開発、高い生産性と歩留まり・太陽電池変換効率を実現

科学技術振興機構(JST)が2016年8月9日に、

  • 太陽電池用の単結晶シリコンインゴットを、新しい製造手法「NOC法」により、生産性の高いキャスト成長炉で製造し、現行の製造方法(CZ法)と同等の歩留まり変換効率を得ることに成功した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 現在の太陽電池市場の主流はシリコン結晶型であり、中でも多結晶型(キャスト成長炉で製造)は、単結晶型(CZ法で製造)より生産性と価格面で有利なため、市場シェアが高い。
  • しかし、多結晶型には
    • 変換効率(18%前後)が、単結晶型よりも1〜1.5%低い。
      (良質のテクスチャー構造が作れないことと、結晶品質が劣ることによる)
    • シリコンインゴットの歩留まりが悪い。(残留歪みが発生してしまうため)
    という課題がある。
  • このため太陽電池業界では現在、キャスト成長炉による高品質な単結晶シリコンインゴットの製造を目指し、技術開発が進められているが、
    • 太陽電池の変換効率や材料の歩留まりで、従来手法(CZ成長炉)による単結晶インゴットと同等の特性を得ること。
    が、大きな課題となっている。

新手法「NOC法」の特徴

成長炉に多くの工夫を加え、ルツボ壁に結晶を触れさせずに成長させることができる。

炉内の不純物を低減 全てのグラファイト冶具を、真空中で長時間高温空焼きし、主な汚染物質(鉄不純物)を除去する。
これにより、太陽電池における少数キャリアのライフタイム(発電性能に直接関わる)が、大幅に向上する。
シリコン結晶内の転位を低減 結晶の引き上げ速度と回転速度を極力遅くすることで、成長方向に凸型となるインゴットを作る。
これにより、インゴット内の転位(線状の格子欠陥)が成長するにつれて、結晶外で排出される。
インゴット内の酸素濃度を低減 インゴット単結晶とルツボの回転速度を引き下げ、また回転方向も結晶と同方向とした。
これによりシリコン融液内の対流を減らし、シリコン融液と石英ルツボ壁との溶解反応を抑え、酸素がシリコン融液に入るのを防止できる。

太陽電池における効果

今回はp型の単結晶シリコンのインゴットを作り、そのインゴットの全領域からウエハーを均等に切り出して、太陽電池を作製した。
その結果、平均変換効率19.0の太陽電池を、極めて高い歩留まりで実現することに成功した。
これは、同じ構造・プロセスの太陽電池で、p型CZウエハーを用いた場合(平均変換効率19.1%)と同等である。
また太陽電池特性については、現在高い市場シェアを占めている「ハイパーフォーマンス(JP)キャスト成長法」で作られる多結晶シリコンによる特性を、大幅に上回っている。


今後の方針

製造するインゴットの大容量化を目指す。
(※現在既に、直径がルツボ径の90%に相当するインゴットを実現している)


歴史が長いことから進歩(発電性能の向上、生産コストのダウン)の余地が少ない、とされる結晶シリコン型太陽電池ですが、今回の発表では、その製造過程の最上流といえるシリコンインゴットの製造で、コストダウンの可能性が示されているのが、非常に興味深いことです。

結晶シリコン型については近年では、インゴットを経由せずウエハーを直接製造する技術の開発も進められており(例えば米1366 TechnologiesのDirect WaferCrystal Solar社のエピウエハー等)、意外にも製造過程の上流におけるこれらの取組みが、結晶シリコン型太陽電池のコストダウンを更に進める上での、大きな鍵なのかもしれません。


※参照資料:
[1]メガソーラ向けの高効率太陽電池用シリコンインゴット単結晶の作製に新規成長法を用いて生産性の高いキャスト成長炉で成功(科学技術振興機構)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1204/

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2016年08月08日

東京商工リサーチが2016年上半期の「太陽光関連事業者」の倒産状況を発表、過去最多のペース

東京商工リサーチが2016年8月2日に、20161-6における「太陽光関連事業者」の倒産状況を発表していました[1]。

今回はその中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


  • 倒産件数:31件
    過去最多だった2015年(年間54件、上半期25件)を上回るペース。
    また、2013年・2014年の通年は各々28件だった。
  • 負債総額:約176億円(前年同期比18.6%増)
    2015年(通年で約214億円)を上回る可能性が高い。
  • 最も割合が多い負債額:「1億円以上5億円未満」(構成比45.1%)
    同期の全ての企業倒産(4,273件)では、最も多いのは「1千万円以上5千万円未満」(構成比53.6%)。
    太陽光関連事業者において、設備等への先行投資などが、負債額の大規模化に影響しているとみられる。
  • 原因の上位
    • 「販売不振」:構成比51.6%
    • 「事業上の失敗」:同22.5%
    同期の全ての企業倒産では、「事業上の失敗」は4.9%に留まる。
    このため太陽光関連事業者においては、注目市場に安易な事業計画で参入した結果、倒産するケースが多いとみられる。

当ブログでチェックしている限りでも、つい最近には国内モジュール大手3社の販売減少パナソニック社の工場停止と、国内PV市場の減速感が著しいものでした。

そこに来て今回の調査結果であり、やはり指定ルールが導入された2015年以降に、市場全体に急激なマイナスの変化が起こっていることが伺えます。

かつて「FITは劇薬」との言葉をよく目にしましたが、こと国内市場に関しては、電力網の受入限界の唐突な露呈、そしてそれによる採算見通しの不透明化がネックという、他国で例を見ない特異な状況であり、倒産を全て事業者の責任と断ずるのは、合理的ではないと考えます。


※参照資料:
[1]「太陽光関連事業者」の倒産状況(東京商工リサーチ)
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160802_01.html

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英国での太陽光発電による発電電力量が、2016年5月・7月に石炭火力を上回る

ウェブサイト「Carbon Brief」が2016年6月7日に、自身による英国についての調査結果として

  • 英国内での太陽光発電による発電電力量が、2016年5月には石炭火力を初めて上回った
と報じていました[1]。

また同記事では8月1日に、新しい数字(7月実績)が追記されています。

今回はこの記事の中から、幾つかの数字や状況を抜き出してみました。


太陽光発電が石炭火力を上回った月

PVの発電電力量石炭火力との比較
2016年5月1336GWh50%上回った
7月1273GWh64%上回った

この結果は、

  • 石炭火力の出力低下
  • 日照時間の長さ
が組み合わさったことによる。


英国の電力需要に占める、PVと石炭火力の割合

太陽光発電石炭火力
2016年1月0.9%16.9%
5月5.9%3.9%
7月5.6%3.4%


これらの結果については、石炭火力の発電能力(設備)自体が減少していることも大きく影響しているようですが、それでも先進国の1つである英国において、太陽光発電が明らかに電源の一角を占める存在となっていることには驚かされ、また太陽光発電の実力も感じられます。

ただしその一方で、1月と5月・7月の差では、PVの出力には季節的な変動が非常に大きいことも示されています。

また、石炭火力は縮小しているとはいえ、風力発電の低下分を補うように出力が増した時期(6月初め)があり、再エネ発電の出力の変動を補完する重要な役割は、変わらないことも伺えます。

太陽光発電の導入量拡大を巡っては、その出力変動を緩和するための手段(火力発電など)がセットで必要となることも、よく指摘されていますが、その点について英国がどう対応していくのかというのは、日本での更なる導入拡大の可能性を探るうえでも、注目したいところです。


※参照資料:
[1]Analysis: Solar beats coal over a whole month in UK for first time(Carbon Brief)
https://www.carbonbrief.org/analysis-solar-beats-coal-over-a-whole-month-in-uk-for-first-time
[2]英国、月間発電量で太陽光が石炭火力を上回る(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO05718140V00C16A8000000/

※関連記事:

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パナソニックが二色の浜工場の生産再開延期を示唆、国内市場の低迷が続くと予想

日本経済新聞のニュース記事[1](2016/7/30日付)で、

  • パナソニック社が「二色の浜工場」(太陽電池生産を停止中)について、生産再開時期(当初は2016年11月)を、2017年度に延期する可能性がある。
と報じられていました。

これは2016年4−6月期決算の記者会見(6/29実施)において、専務の方が明らかにしたものとのことで、同社のサイトに正式発表は有りませんが、確かな情報と見受けられます。

ここではその記事から、主な数字やコメントを抜き出してみました。


  • (二色の浜工場の生産再開時期について)「需要次第で来年度に延びることもあり得る」
  • 「ソーラーの国内需要は20%以上減っている。価格も下がり競争も激しく、非常に厳しい」
  • 2016年4−6月期の住宅用太陽光発電事業の売上高は、前年同期比4〜5割減とみられる。
    「需要そのものが縮んでいる」
  • 「ソーラー市場の低迷は続く。収益確保へ合理化を進める

国内大手3社の2016年度1Q業績では、いずれも太陽電池販売の減少が顕著であり、国内市場の縮小振りが推測できましたが、今回の記事はそれを(残念ながら)明確に裏付けるものとなってしまっています。

また、今回の記事のほんの数日前(7/26)には、日刊工業新聞で

  • パナソニックは2016年度の海外向け太陽電池販売で、10万kW超(前年度実績の約2倍)を目指す。
  • 海外向けの引き合いが、足元では30万kW(マレーシア工場の年産能力に相当)を超えた。
と報じられていました[2]が、海外での受注拡大も、国内工場の再稼動が必要になるまでには及んでいない、ということだと思われます。

二色の浜工場の生産停止(今年2月〜)にしろ、今回の再開時期延期の可能性にしろ、パナソニック社のサイトでは公式発表が全く見当たらず面食らいましたが、それだけに深刻な状況だと推測され、国内大手メーカーの1社における今後の「合理化」がどのようなものになるのか、先行きの暗さを感じざるを得ません。


※参照資料:
[1]パナソニック、太陽電池の主力工場 来年度に再開延期検討(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05454960Z20C16A7LDA000/
[2]太陽電池でFITの後遺症に苦しむパナソニック。苦境の国内を海外で補えるか(ニュースイッチ)
http://newswitch.jp/p/5492

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:パナソニック