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2020年03月28日

2020年度のFIT買取価格(円/kW)は、住宅用21、事業用(税抜き)は50kW未満が13、50〜250kWが12、250kW以上は入札

経済産業省2020年3月23日に、

  • FIT制度2020年度買取価格など
を発表していました[1]。

今回は、その中の太陽光発電について、過去年度の買取価格と合わせて表にまとめてみました。
(※2019年度以前の数値は、当ブログの過去記事から引継ぎ)



FIT前(余剰電力のみ)
年度 住宅 非住宅
2009 太陽光のみ W発電 太陽光のみ W発電
48円 39円 24円 20円
2010 48円 39円 24円 20円
2011 42円 不明 40円 不明

FIT以後(住宅は余剰、非住宅は全量)
年度 住宅用
(10kW未満)
事業用
(10kW以上、税別)
2012 42円 42円
2013 38円 36円
2014 37円 32円
2015 出力制御対応機器の 接続契約締結が
  • 4-6月:29円
  • 7月以降:27円
設置義務あり 設置義務なし
35円 33円
2016 太陽光のみ W発電 太陽光のみ W発電 24円
33円 27円 31円 25円
2017 30円 27円 28円 25円
  • 2000kW未満:21円
  • 2000kW以上:入札
2018 28円 27円 26円 25円
  • 2000kW未満:18円
  • 2000kW以上:入札
2019 26円 24円
  • 500kW未満:14円
  • 500kW以上:入札
2020 21
  • 50kW未満13
  • 50kW以上250kW未満12
  • 250kW以上:入札


まず住宅用については、前年度(2019年度)には「太陽光発電のみ」「W発電」の区別が取り払われていましたが、今回(2020年度)は更に「出力制御対応機器の設置義務」の区別が無くなり、判りやすい一律の価格になっています。

ただ前年度比では、「設置義務あり」(前年度26円)で-5円であり、これは実は(FIT開始以後では)過去最大の下げ幅です。

システム費用(1kWあたり)の平均値のグラフ([2]38p)を見ると、2015〜2017年は前年比の値下がり幅が小さかった(2000円〜1万4000円)ですが、2018年・2019年はいずれも約2万円に拡大。

このシステム費用低下の再加速が、今回の買取価格の大幅値下げにつながったものと考えます。


事業用のほうは、入札の適用範囲(前年度は500kW以上)が「250kW以上」まで拡大。

コスト低減を加速するために、入札対象範囲は拡大していく方針([2]の25・26p)とされているので、次年度以降も更に、(システム費用低下の状況を見つつ)入札対象の下限は引き下げられるものと思われます。

そのいっぽうで、入札対象外のうち「50kW未満」の買取価格は前年比-1円、「250kW未満」でも-2円に留まっています。

システム費用の値下がり([2]の26p)は、継続的に順調に進んでいるので、この値下げ幅の小ささは意外でしたが、2019年度の下げ幅(前年度比-4円)が大きかったぶんの調整とも感じられます。


※参照・参考資料:
[1]FIT制度における2020年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました(経済産業省、2020/3/23)
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200323005/20200323005.html
[2]令和2年度の調達価格等に関する意見(同上、2020/2/4)
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20200204001_1.pdf
(※「https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/20200204_report.html」内)

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2020年03月26日

2019年のシステム費用の平均値(万円/kW)は、事業用(10kW以上)が26.6(前年比-2.0)、住宅用(新築・既築の全体)が32.1(同-2.1)

今回は、経済産業省・調達価格等算定委員会の発表資料[1]から、

  • 2019年設置の太陽光発電設備のシステム費用
に関する数字を、抜き出してまとめてみました。

※数値の単位は万円/kW、カッコ内の「p」は[1]の参照ページ。

平均値備考
事業用
(10kW以上)
(p26・27)
26.6(前年比-2.0)
(※中央値は25.0。)
  • 平均値の内訳
    • 太陽光パネル:14.1
    • 工事費:6.4
    • パワコン:4.1
    • 架台:2.8
    • その他:1.9
  • パネル国際市場価格
    • 単結晶シリコン:0.25ドル/W
    • 多結晶シリコン:0.21ドル/W
    (「Bloomberg NEF」の発表(2019/10)から。)
住宅用
(p37・38)
新築30.6(前年比-1.7)
(※中央値は29.8。)
平均値の内訳
  • 太陽光パネル:19.5
  • 工事費:6.5
  • パワコン:4.5
  • 架台:2.3
  • その他:0.3
既築34.6(同-1.3)
全体32.1(同-2.1)


コストダウンの金額の幅は、前回2018年分(事業用-1.4、住宅用-2.0)と概ね同程度であり、システム費用の低下が停滞していないことが伺えます。

もっともその影では、パナソニック社の自社モジュール生産の停止など、国内メーカーの劣勢という状況があるので、複雑な気分ではありますが・・・

現実的に太陽光発電のコストダウンが進むには、熾烈な競争は止むを得ないようです。


システム費用の半分以上を占める太陽電池モジュールの、国際市場価格([1]・p27のグラフ)は、これまで順調に低下が続いてきたとはいえ、2018/10頃からはほぼ横ばい状態となっています。

ただ一方で今回のデータでは、システム費用におけるモジュール費用(事業用14.1万円/kW、住宅用19.5万円/kW)と、モジュールの国際市場価格(多結晶2.3万円/kW、単結晶2.8万円/kW)のギャップが大きすぎるので、ここにシステム費用低下の大きな余地が残っているものと考えます。


ところでモジュールのコストを振り返ると、かつて2009年にはAMAT社が生産コストで1ドル/W切りの目標を掲げ、また2011年にはようやく市場価格で1ドル/Wが見えてきた、という状況でした。

それらからすると、市場価格0.2ドル/Wという現在には隔世の感があり、また、つくづく現実というのは予想が付かないものだ、と感じるものです。


※参照・参考資料:
[1]調達価格等算定委員会「令和2年度の調達価格等に関する意見」について(経済産業省、2020/2/4)
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/20200204_report.html

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2020年03月23日

パナソニック社が米バッファロー工場での太陽電池セル・モジュール生産を停止予定、太陽電池モジュールは今後は協業パートナーから調達

3週間以上前になりますが、パナソニック社が2020年2月26日に、

  • 米国バッファロー工場での太陽電池セル・モジュール生産停止し、同工場から撤退する。
と発表していました[1]。

その中から、主な方針・予定を抜き出し、まとめてみました。


<太陽電池セル・モジュールの生産停止>

背景・目的 ソーラー事業のグローバルな合理化の一環として行う。
同事業の開発・生産体制を最適化して創出した成長リソースにより、
  • HEMS
  • 太陽電池モジュール
  • 蓄電池
  • エコキュート
  • EV充電
等を組み合わせたエネルギーソリューション事業を強化していく。
スケジュール
  • 2020/5末:生産停止
  • 同9末:工場から撤退。
従業員への対応 再就職先(テスラ社、他社)の支援などを行っていく。
今後のモジュール調達・販売
  • 今後は協業パートナーから調達して、グローバルでの販売を継続する。
  • 米国での自社ブランドの太陽電池パネル販売も継続する。

<テスラ社側>

自社事業には影響なし 今回のパナソニック社の件は、自社のソーラー事業成長計画全く影響ないとみている。
人員確保の意向 今後、バッファロー工場で推進中の
  • ソーラー製品
  • エネルギー製品
の生産に必要となる、新たな人員を雇用する予定。
(テスラ社は、できるだけ多くのパナソニック従業員を雇用したいと考えており、両社による現地での就職説明会を開催予定)
パナ社との提携は継続 米ネバタ州「ギガファクトリー」での電気自動車用電池の生産は、継続する。


パナ社は2017/2に、バッファロー工場での太陽電池生産などを担う米国子会社を設立していましたが、それから僅か3年での、今回の生産停止・撤退ということになります。

同工場での太陽電池生産能力は、2019年までに1GW/年に到達予定とされていました。

しかしその前年には、JinkoSolar社の年間モジュール出荷量が11GW超に到達しており、規模の経済という点では、海外のトップメーカーに遠く及ばなかった、ということかもしれません。


パナソニック社の近年のモジュール生産体制の再編を振り返ると、2018年春には日本国内での生産を終了(※車載用除く)

そしてその翌年(2019年)には、中国GS-Solar社と太陽電池事業での協業で合意し、その一環としてマレーシア工場を同社に譲渡。

その結果、住宅用・産業用の太陽電池モジュール生産は米バッファロー工場のみとなっていましたが、それも今年(2020年)で生産停止・撤退ということで、実にたった約3年のうちに、パナ社の自前でのモジュール生産が次々と消えていった(いく)、ということになります。


かつてHIT太陽電池を手がけていた三洋電機は、約9年前(2011/4)にパナソニックの完全子会社に

その後、HIT太陽電池のブランド名も欧米を皮切りに「Panasonic」に切り替わっていきましたが、10年経たずにそのパナソニック社での太陽電池モジュール生産じたいが消滅することになるとは、全く思いもしませんでした。

また、日本の太陽電池メーカーが競争力を失っていくさまを、ありありと見せ付けられているように感じられ、何とも寂しい限りです。


※参照・参考資料:
[1]米・バッファロー工場における太陽電池の生産停止について(パナソニック社、2020/2/26)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/02/jn200226-7/jn200226-7.html

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2020年02月01日

JinkoSolar社が北海道釧路町の蓄電池併設メガソーラーに、92MWのハーフカットセル「Cheetah」モジュールを供給

JinkoSolar社が2020年1月8日に、

  • 北海道・釧路町での蓄電池併設型メガソーラー向けに、92MWの太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1][2]。

発電所の概要は次の通り。


用地の面積 163ha(遊休地)
太陽電池モジュール ハーフカットセルの「Cheetah」シリーズ
蓄電池 リチウムイオン電池
(※容量は記述なし)
発電電力量 1億550万kWh/年の見込み。
運転開始時期 2020年初頭の予定。


昨年(2019年)11月にはJA Solar社が、標津海岸でのメガソーラー+蓄電池プロジェクトに32MWのモジュールを供給したと発表していました。

今回のJinkoSolar社の供給先も、北海道東部での蓄電池付き大規模発電所であり、これが偶然なのか、それともこの地域で大規模メガソーラーの建設が活発化しているのかは、判りません。

ただ[1]の文中には「this milestone project」とあるので、実地での設置・稼働環境の厳しさに挑むという点も、JA Solar社の先のケースと同じであるようです。

個人的にはいずれの発電所も、是非とも長期の安定稼動を実現してほしいところです。


※参照・参考資料:
[1]Jinkosolar Supplies 92MW Cheetah Modules for the Largest-scale Battery-equipped Solar Plant in Hokkaido(JinkoSolar社、2020/1/8)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1915.html?lan=en
[2]ジンコソーラー 日本北海道最大級蓄電池併設型メガソーラーに92 MW Cheetahモジュールを供給(同上、2020/1/7)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1901.html?lan=jp
[3]Cheetah Mono PERC HC(JinkoSolar社)
https://www.jinkosolar.com/product_484.html?lan=en
[4]釧路町(ウィキペディア)

※関連記事:

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2020年01月31日

JinkoSolar社が両面発電太陽電池モジュールで、最大変換効率22.49%を達成

JinkoSolar社が2020年1月20日に、

  • 両面発電bifacial)太陽電池モジュールで、最大変換効率22.49%を達成した。(TUV Rheinlandによる検証)
と発表していました[1][2]。

この中で、同社が量産モジュールの変換効率を改善した方法として、下記の技術が上げられています。
(ただしこれらの技術と、今回の両面モジュールの記録更新との関係は、明記されていません)


  • 新開発された
    • 「ARC」
    • 高度な金属化技術
  • 実証済みの高効率セル設計
  • 新しいタイリングリボン技術:
    セル間のギャップが解消され、高効率と信頼性を確保。
    また、モジュールの外観も改善した。


「ARC」の詳細は不明ですが、リリースの日本語版[2]では「不動態化技術」が該当するので、結局PERCと同じ意味かと思われます。

そのPERCは「Passivated Emitter and Rear Cell」の略称なので、ARCのRCもRear Cellのことだと思われますが、Aは判りません。


Jinko社の現行製品の両面モジュール[3]の変換効率は、60セルで最大19.40%、72セルで同19.72%。

これらと比べると、今回達成した記録(22.49%)は、確かにかなりの更新です。

ただ個人的には、両面で発電できるモジュールなら既に24〜25%ぐらいに達しているのでは、という思い込みがあったので、今回の数値も意外にまだ低いと感じてしまいました。

これについては、当ブログの過去記事を見返すと

という数字だったので、少なくとも製品仕様のうえでは、両面発電だからといって劇的に数値が高まるわけでは無いようです。

これが周囲からの反射光が強い設置環境、例えば冬の積雪がある場所で、発電電力量が(通常の片面モジュールに比べて)どのぐらい変わるのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Breaks World Record for Bifacial Modules Conversion Efficiency(JinkoSolar社、2020/1/20)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1923.html?lan=en
[2]ジンコソーラー両面発電モジュールの効率 世界記録を更新(同上)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1925.html?lan=jp
[3]Swan Dual Glass HC(JinkoSolar社)
https://www.jinkosolar.com/product_686.html?lan=en
[4]PERC - セル背面のパッシベーション処理(WINAICO)
http://www.winaico.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81/perc%E6%8A%80%E8%A1%93/

※関連記事:

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2020年01月30日

TrinaSolar社が210mmシリコンウエハを用いた「210モジュール」を完成、マルチバスバー技術と1/3カットデザインを採用

TrinaSolar社が2020年1月23日に、

  • 自社開発の210mmシリコンウエハを用いた最初の「210モジュール」が、生産ラインで完成した。
と発表していました[1]。

この中で、同モジュールに関する主な情報は次の通り。


モジュールの特徴
  • マルチバスバー(MBB)技術
  • 1/3カットデザイン
を採用。
  • 高出力
  • 歩留まり
  • 製造上の難点
  • ホットスポット発生リスク
  • 出力電流パフォーマンス
  • ジャンクションボックスの安全性
等の潜在的な課題を、総合的に考慮してデザインした。
研究開発の開始時期 2019
今後の見通し 大型モジュールの市場投入までの時間が、大幅に早められることになる。

また、TrinaSolar社のエンジニアリング技術研究開発の責任者によるコメントの中で、

  • 当社のチームは現在、PV業界をモジュール出力500ワットの時代へと導く先駆者として、最新の研究開発の成果を大量生産化するための製品開発を迅速に進めています。

との記述があります。



モジュールの写真や、主な仕様(出力、サイズ、重量など)については、今回の発表では全く情報が無いのが残念です。

「市場投入までの時間が大幅に早められる」との文言があるので、今回は生産ライン上で完成したと言っても、実際の商品として大量生産する段階にはまだ至っていない、ということかと思われます。


ただ「210ミリ」という数値だけでも、一般的な太陽電池セル(1辺5インチ(127mm)または6インチ(152.4mm))と比べて、一足飛びの大型化であることに驚きました。

またこの「210モジュール」は、開発開始から1年以内で生産ライン上での完成を実現した、ということになり、その研究開発のスピードには、メーカーの勢いが感じられる気がします。


今回の発表では他に、今後の業界の見通しとして「モジュール出力500ワット」と明記されており、やはりモジュール1枚で500Wが、一つの目標となっていることが伺えます。

当ブログでチェックしてきた限りでは、他社製モジュールではこれまで

が出力400Wを超えており、このぶんだと500Wへの到達も、(どのメーカーが最初かはともかくとして)そう遠くはないものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラーの210モジュール第一号完成(TrinaSolar社、2020/1/23)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/fri-01242020-1400
[2]インチ(ウィキペディア)

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2020年01月14日

SunPower社から「Maxeon Solar Technologies」が2020年2Qに分社予定、「Maxeon 5」の展開の大規模化や、北米以外での事業展開を担当

SunPower社が2020年1月6日に、

  • SunPower社から分社予定の「Maxeon Solar Technologies」の、最高財務責任者(CFO)が決定した。
と発表していました[1]。

「Maxeon Solar」の分社化については、昨年11月に発表されており、その主な内容は次の通り。


SunPowerMaxeon Solar
事業内容
  • カナダ米国での分散型発電サービス(住宅用、小規模商業用など)
  • Maxeon Solar社が製造する製品(「Maxeon5」など)の、米国・カナダにおける販売
  • 先端技術を用いる太陽電池パネル(「Maxeon5」など)の、展開の大規模化
  • Performance Series」モジュールの世界販売
    (※同モジュール製造の合弁会社(Huansheng Photovoltaic [Jiangsu] Company、Ltd.)の、20%の所有権を維持する)
拠点、体制
  • シリコンバレーの本社
  • 米国・カナダでの従業員・投資・ディーラー網
  • オレゴン州Hillsboroの施設での「Performance Series」モジュールの製造
を維持・継続。
シンガポールに本社を置き、
  • フランス
  • マレーシア
  • メキシコ
  • フィリピン
太陽電池製造施設を所有・運営する。
米国・カナダ以外でのR&D、マーケティング、販売拠点を維持。
協力
  • Maxeon Solar社の製造製品の、米国・カナダでの販売
    両社は複数年の独占供給契約を結ぶ。
  • 次世代太陽電池パネル技術開発・商業化
    • SunPower社のシリコンバレー拠点の研究開発グループによる、初期段階の研究
    • Maxeon Solar社による、展開中心の革新とスケールアップ
    により協力する。
他企業からの投資 シリコンウエハー供給の長期パートナーである「天津中環半導体有限公司」(TZS)が、2億9800万ドルを株式投資する。
これは、マレーシア工場の「Maxeon 5」製造能力拡大などに用いられる予定。
(※SunPower社とTZSは2012年以来、複数のジョイントベンチャーや開発プロジェクトで協力している)
普通株式の保有比率(スピンオフの基準日時点)は、
  • TZS:約28.848%
  • SunPower社の株主:約71.152%
となる予定。
分社の完了時期 20202Qの予定。


個人的には、米国企業であるSunPowerと中国企業は激しいライバル関係、というイメージを勝手に持っていたので、SunPower社とTZS社が既に8年も密接な協力関係を続けてきたというのは、ちょっと驚きました。

もっとも当ブログでチェックしていた限りでも、SunPower社は2014年にはTZS社などの間で、中国国内での太陽光発電所事業(最低計3GW)のための合弁企業設立を契約しており、SunPower社と中国企業・市場との間には、それほど壁は無いのかもしれません。


分社される「Maxeon Solar」が米国外に拠点をおくのは、米国企業が中国企業からの出資を直接受けることを避ける、という目的があると推測します。

これは、昨今の貿易紛争に、米国政府によるファーウェイ社への圧力といった、米中間での(政治的な面での)対立の深刻化が、強く影響しているものと考えます。

その一方で、(四半期単独でモジュール出荷量3GW超のJinkoSolarなど)中国の大手モジュールメーカーの規模に対抗するべく、高性能製品「Maxeon 5」の製造・販売をスケールアップするには、TZS社による出資が現時点で最適だった、ということではないでしょうか。


近年は世界的な気候変動が顕在化しており、太陽光発電が担い得る役割もますます増していくことと思われるので、その中で今回の米中企業のタッグが、(政治的な対立を尻目に)世界の太陽光発電市場の成長・拡大に大きく寄与していくことを、強く期待します。


※参照・参考資料:
[1]CFO Named for Maxeon Solar Technologies(SunPower社、2020/1/6)
https://newsroom.sunpower.com/2020-01-06-CFO-Named-for-Maxeon-Solar-Technologies
[2]SunPower To Create Two Independent, Industry-Leading, Publicly-Traded Companies(同上、2019/11/11)
https://newsroom.sunpower.com/2019-11-11-SunPower-To-Create-Two-Independent-Industry-Leading-Publicly-Traded-Companies
[3]Performance Series Solar Panels(SunPower社)
https://us.sunpower.com/solar-panels-technology/p-series-solar-panels

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2020年01月05日

シャープ子会社とベトナムNSN社が合弁会社「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC」を設立、EPC事業の強化・拡大や、顧客ニーズに合うソリューションを提供

シャープ社が2019年12月20日に、

  • 子会社「シャープエネルギーソリューション」(SESJ)が、ベトナム企業「NSN CONSTRUCTION AND ENGINEERING JSC」(NSN社)との間で、合弁会社設立に関する契約を締結した。
と発表していました[1]。

NSN社の発表[2]と合わせて、概要は次の通り。


背景[2]
  • ベトナムでは2017FITが開始され、太陽光発電設備の開発が急進。
    その後わずか2年で、系統連系した多数の設備(特に日射量の多い高温地域)が、発電量を能力の10〜50%超まで抑えなければならなくなり、投資家の財政問題に大きな影響を与えている。
    また2019年には首相が、太陽光発電プロジェクトのFIT価格をオークションに移行することを決定し、投資家に新たな課題が提起された。
  • いっぽう屋上太陽光発電プロジェクトは、
    • 送電線に圧力をかけない
    • 設置に別個の場所を必要としない
    ことから、安定したFIT価格による再エネ開発政策において、まだ開発の優先事項である。
    また、今後数年間における長期的な投資トレンドでもある。
  • NSN社は
    • ベトナム
    • カンボジア
    • ミャンマー
    • フィリピン
    で16年以上の経験を持ち、多くの国内外の顧客(特に日本、欧州、米国)に、国際品質の建設サービスを提供している。
    SESJとは2年以上協力しており、
    • 「TTC Phong Dien」(48MWp)
    • 「TTC Ham Phu 2」
    の2つの太陽光発電プロジェクトを完成させている。
合弁会社
  • 社名:「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC
    「NSN ENERGY SOLUTION JSC」(NSN社などが2019年3月に設立)の発行済株式の60%を、SESJが20203に取得して子会社化し、社名を上記に変更する。
  • 方針:
    この合弁会社の設立により、太陽光発電所の建設における設計・調達・建設を一貫提供する体制を構築し、
    • 顧客ニーズに応じたエネルギーソリューションの提供
    • ベトナムにおけるEPC事業の拡大
    を図る。
    また、今後更なる設置拡大が見込まれる、工場や商業ビル等での「屋根置き」タイプの太陽光発電システムの提案を強化する。


日本では2014年に送電網の受入限界が顕在化しましたが、それはFIT開始(2012年)から2年後のことでした。

奇しくも今回のベトナムの件(FIT開始から2年後に出力抑制の必要)も「2年」であり、この数字自体は深い意味は無い偶然だと思いますが、「劇薬」と呼ばれることもあるFIT制度の効果の強烈さを、示していることは間違いないように思われます。

当ブログでチェックしていた限りでも、ベトナムに関しては2018年には

とのモジュール供給(またはその予定)が発表されており、このペースでは出力抑制もむべなるかな、という感じです。


合弁会社では「お客様のニーズに応じたエネルギーソリューションをご提供する」とのことなので、今回の発表の中に具体的な記述は全く有りませんが、既存の地上設置設備を対象に(出力抑制への対策手段として)蓄電システムの提案を進める可能性もあるのでは、と考えます。

もっともこれは、蓄電システムの製品ラインナップやコスト如何だとは思われますが。


※参照・参考資料:
[1]ベトナムに太陽光発電所の建設を担う合弁会社「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC」を設立(シャープ社、2019/12/20)
https://corporate.jp.sharp/news/191220-a.html
[2]Vietnam Japan Joint Venture Sharp - NSN, the handshake for the new direction of Solar Power(NSN社、同上)
https://nsn.vn/en/2019/12/20/vietnam-japan-joint-venture-sharp-nsn-the-handshake-for-the-new-direction-of-solar-power/

※関連記事:

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2020年01月04日

Canadian Solarが台湾で同社初のメガソーラー(1.98MWp)を運転開始、初期段階パイプラインは43MWpを管理

Canadian Solar社が2019年12月23日に、

  • 台湾メガソーラーの商業運転を開始した。
と発表していました[1]。

プロジェクトの概要は次の通り。


プロジェクト名 The Hualien Rongkai solar project
Canadian Solar社では台湾で最初ののプロジェクト。
容量 1.98MWp
発電電力量の見込み 2505MWh/年
発電電力量の用途 20年間のFIT契約により、0.16米ドル/kWhでTaiPower Inc.が買取する。
太陽電池モジュール
  • Canadian Solar社が、現地のモジュール工場で生産した。
  • 設置数:6384枚
商業運転の開始日 2019年12月13日

またCanadian Solar社は現在、台湾では43MWpの初期段階パイプラインを管理しているとのことです。



世界的な大手モジュールメーカーとはいえ、1企業が台湾内で、計43MWという規模のプロジェクトを抱えていることに驚きました。

ただ、台湾の面積は日本の九州と同じくらい[2]とのことなので、山が多いものの、メガソーラーを設置する余地は意外にある、ということなのかもしれません。

またCanadian Solar社は、台湾現地にモジュール工場を擁しているとのことで、それは市民の理解を得る点で、メガソーラー開発にもプラスに働いているものと推測します。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Achieves Commercial Operation on 1.98 MWp Project in Taiwan(Canadian Solar社、2019/12/23)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-achieves-commercial-operation-198-mwp-project
[2]地理(ウィキペディア「台湾」内)
[3]花蓮市(ウィキペディア)

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2020年01月03日

JA Solar社がヨルダンの太陽光発電所2ヶ所に、PERC両面ガラスモジュールを計134MW供給、砂漠の過酷な環境に耐え得る製品

もう1ヶ月半ほど前になりますが、JA Solar社が2019年11月19日に、

  • ヨルダンの太陽光発電所向けに、134MWPERC両面ガラス太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1]。

主な内容は次の通り。


<発電所に関する情報>

対象の発電所 Mafraq I」と「Empire」の2つ。
※これらは中東地域における、両面ガラスモジュールを用いた最初のプロジェクトセットに含まれる。
  • 太陽電池モジュール容量:いずれも67MWDC
  • 発電電力量の見込み:計2.6億kWh/年
  • 稼動状況:既に系統連系ずみ。
開発事業者 Fotowatio Renewable Ventures」(FRV)
※JA Solar社は2016年から、FRVと良好な関係を結んでおり、GW規模の太陽光発電所の建設で協力している。
発電所がおかれている環境
  • 砂嵐
  • 高温
  • 乾燥
  • 昼夜の温度差が大きい
という極端な環境条件。
このため、太陽電池モジュールに求められるパフォーマンス要件は高くなる。
供給された太陽電池モジュールの特徴
  • 優れた
    • 温度係数
    • 機械的負荷抵抗
    を備える。
  • 他に
    • 摩耗
    • 風と砂
    • 耐候性
    等の属性においても、優れたパフォーマンスを発揮する。

<中東地域におけるJA Solar社の現状>

  • ヨルダンでは、ソーラー市場の30%を占めている。
  • 出荷量は、最近の数年
    • アラブ首長国連邦
    • エジプト
    • サウジアラビア
    等で成長している。


「Mafraq I」の写真[2]を見て、まず使われている太陽電池モジュールの薄さに驚きました。

セル枚数やモジュール縁の状態から、「JAM72D09/BP」[3]が該当する製品かと思われますが、スペックを見るとその厚さは6mm(プラマイ1mm)とのことで、両面ガラス化によりフレーム無しでも十分な機械的強度を保てる、ということなのかもしれません。


またモジュールの架台も、日本でよく見るものと違い、部材が一見して非常に少ないことに驚きました。

「Mafraq I」は一軸追尾型とのことで、支柱が少ないぶん、横に渡した梁?を、強固な部材としているようです。

ただ、それにしても架台の部材が少ないですが、これは(砂漠地域なので)上からの積雪荷重が無いことも、影響しているものと考えます。


JA Solar社については、北海道・標津海岸のメガソーラーに、ヨルダンなど中東地域へのモジュール供給と、設置環境が過酷な地域・市場に、積極的に進出している印象を受けます。

実際の設置環境で、製品が期待通りの性能を維持・発揮し続けられるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JA Solar Supplies 134MW of High-efficiency PERC Double-glass Modules for Solar Plants in Jordan(JA Solar社、2019/11/21)
http://www.jasolar.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=57
[2]Mafraq I(Fotowatio Renewable Ventures)
https://frv.com/en/projects/jordan-i/
[3]JAM72D09/BP(JA Solar社)
http://www.jasolar.com/uploadfile/2019/0812/20190812040309404.pdf
(※「http://www.jasolar.com/html/en/2018/en_bmpd/2.html」内)
[4]FRV inaugurates two 50 MW photovoltaic solar plants in Jordan(FRV、2019/10/31)
https://frv.com/en/frv-inaugurates-two-50-mw-photovoltaic-solar-plants-in-jordan/

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