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2018年02月20日

IRENA発表のレポートで、2017年の発電電力のコスト(事業規模、2010年比)は通常の太陽光発電が73%減、いっぽうCSPは33%減

1ヶ月以上前になりますが、IRENA(International Renewable Energy Agency)が2018年1月13日に、再エネ発電のコストに関するレポートを発表していました[1][2]。

今回はその中から、事業規模(utility-scale)

  • 太陽光発電(solar PV)
  • CSP(Concentrating solar power)
に関する実績数値をまとめてみました。


<太陽光発電>

※発電電力のコストはExecutive Summary([2]内にリンクあり)のp4・p5から、導入コストは同p11から。

2010年2017
発電電力のコスト 0.36ドル/kWh 0.10ドル/kWh(2010年から73%)
設備の導入コスト 4394ドル/kW 1388ドル/kW(同68%)

<CSP>

※参照ページは前項と同じ。

2010年2017
発電電力のコスト 0.33ドル/kWh 0.22ドル/kWh(2010年から33%)
設備の導入コスト 7583ドル/kW 5564ドル/kW(同27%)

<その他>

※Executive Summaryのp4から。

  • 太陽電池モジュールのコスト:2017は、2009年から81

「CSP」については、当初は「集光型太陽光発電」を指すと思っていましたが、考えてみると「太陽熱発電」もあります。

しかし[1][2]では、その点について詳しい説明が無く、判断が付かないので、当記事では曖昧に「CSP」の表記のままとしました。


ともかく、太陽エネルギーによる発電のコストの下がり方は、他の再エネ(風力や地熱、バイオマス等)と比べても、群を抜いて急激です。

特に通常の太陽光発電は著しく、機器・設備(太陽電池モジュールやBoS)のコストダウンが、各国の政策(FIT等)や関連企業(太陽電池メーカー等)の努力を背景に、再エネの中でも(結果として)最も急進的に進んできたものと思われます。


いっぽうCSPのほうは、現時点ではコスト面のメリットは、通常のPVよりかなり劣るようです。

CSPは、発電効率の高さ等の長所を持つ筈ですが、設備・機能が複雑であることから、導入と運営管理のしやすさにおいては、(少なくとも現時点では)通常のPVにどうしても一歩譲るものと推測します。


とは言えいずれの発電方法も、コストダウンの勢い(グラフの右下がりの傾き度合い)に停滞感がみられないことには驚き、また将来性を強く感じるものです。

両者がどこまで低廉な発電方法となっていくのか、今後も期待を持って見ていきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]Onshore Wind Power Now as Affordable as Any Other Source, Solar to Halve by 2020(IRENA、2018/1/13)
http://www.irena.org/newsroom/pressreleases/2018/Jan/Onshore-Wind-Power-Now-as-Affordable-as-Any-Other-Source
[2]Renewable Power Generation Costs in 2017(同上)
http://www.irena.org/publications/2018/Jan/Renewable-power-generation-costs-in-2017
[3]太陽光発電の価格は2010〜2017年で73%減少、2020年以降は全ての再エネ技術が化石燃料より安価に(新電力ネット、2018/1/25)
https://pps-net.org/column/48460
[4]太陽光の発電コストは20年までに半減 化石燃料下回る(日本経済新聞、2018/1/17)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO25749260W8A110C1000000

2018年02月15日

2018年度の太陽光発電の電力買取価格案は、10kW未満が前年度から2円/kWhのマイナス、10kW以上2000kW未満は同3円/kWhのマイナス

今回は、調達価格等算定委員会(第36回、2018年2月7日に実施)の配布資料のうち、[3]から

  • 2018年度以降の、太陽光発電の調達価格・調達期間の委員長案
を抜き出してみました。(※W発電を除く。)


10kW未満>

※カッコ内は前年度比。(当ブログ管理人による)

出力制御
対応機器

の設置義務
2018年度 2019年度 調達期間
あり 28円/kWh
(2)
26円/kWh
(2)
10
なし 26円/kWh
(2)
24円/kWh
(2)

10kW以上2000kW未満>

※カッコ内は前年度比。(当ブログ管理人による)

2018年度調達期間
税別18円/kWh
(3)
20

2000kW以上>

入札で決定する。



これらは当然、まだ正式決定の数字ではありませんが、買取制度の開始当初は

という額だったことを思い返すと、日本の太陽光発電もここまで来たのかという感慨が起きます。

買取価格の引き下げは、設備の初期費用や運営費用を考慮したものなので、これらの買取価格の差は、そのまま日本国内の太陽光発電のコストダウンを、象徴しているようにも思われます。


しかし一方で、例えば

との状況があり、国内太陽光発電産業の減速感が際立っています。


ちょうどソーラーフロンティア社の社長が、

  • 政府、電力会社、経済団体、事業者、消費者が、(再エネ導入について)同じ方向を向いているわけではない
  • この問題は「事業者の意欲をそいでいる」
と指摘しておられました[5]が、個人的にも、2014年の電力会社の受入限界の顕在化2015年の「指定ルール」開始を契機に、何か一気に気が抜け、普及の方向性が、全く曖昧になってしまったと感じています。

太陽光発電普及の方針(何を目標とするのか、どのような方向に進めるのか)を、特に政策において再び明確化しない限り、国内太陽光発電産業・市場の再びの上昇は、有り得ないと考えます。


※参照・参考資料:
[1]調達価格等算定委員会(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000015.html
[2]調達価格等算定委員会(第36回)‐配布資料(同上)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/036_haifu.html
[3]平成30年度以降の調達価格及び調達期間についての委員長案(同上)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/036_03_00.pdf
[4]太陽光発電買い取りに入札制度導入、初回が低調に終わった背景(ダイヤモンド・オンライン、2017/12/6)
http://diamond.jp/articles/-/151669
[5]ソーラーフロンティア:屋根や壁一体型パネルで米テスラと競合へ(Bloomberg、2017/12/12)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-12/P0SB2K6JIJUO01

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2018年02月12日

帝国データバンク社が「第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査」を発表、2017年は計88件(前年から21件増)

1ヶ月近く前になりますが、帝国データバンク社が2018年1月16日に、

  • 第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査
を発表していました[1]。

今回はその中(p4)から、地域別の倒産件数の年別推移を、表にまとめ直してみました。


地域別
北海道東北関東 北陸中部近畿 中国四国九州
20062 1 1
20074 1 2 1
20086 3 1 2
200911 16 12 1
20105 2 11 1
201112 8 11 2
201219 111 2 5
201316 123 42 121
201420 36 41 6
201538 514 113 14
201667 1524 11213 317
201788 1529 21314 4713
北海道東北関東 北陸中部近畿 中国四国九州


まず「計」を見ると、固定価格買取制度が開始された2011年以降は、倒産件数が2ケタで続いており、これは同年から国内市場がはっきり拡大したことの表れと思われます。

そして

あたりから、倒産件数が増加を開始。

その後は2017年まで右肩上がりが続いており、やはり上記の出来事が、国内の太陽光発電市場に(電力買取価格の毎年の引き下げ以上に)強力なブレーキをかけたと考えます。


地域別では、大都市圏である「関東」「中部」「近畿」と、日照条件が良い「九州」は、FIT開始以前から倒産が存在。

これらの地域の、太陽光発電市場の大きさが伺えますが、そのぶん2015年以降の倒産急増も、「計」と同様の動きとなっており、地域を問わない市場環境の急速な悪化が、伺えるものです。


今後については、2018年度の電力買取価格の案[2]が、

  • 10kW以上2000kW未満:税抜き18円/kWh(前年度から3円マイナス
  • 10kW未満:
    • 出力制御対応機器の設置義務なし:26円/kWh(同2円マイナス
    • 義務あり:28円/kWh(同上)
であり、産業用(10kW以上)はいよいよ20円/kWhを下回る見通し。

他に太陽光発電に対する新たな支援政策も無い以上、国内市場の縮小は今後も続くと考えざるを得ませんが、この国が太陽光発電をいったいどのような方向に進めていきたいのか、明確な意志が全く見えないことが残念です。


※参照・参考資料:
[1]第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査(帝国データバンク、2018/1/16)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p180103.html
[2]平成30年度以降の調達価格及び調達期間についての委員長案(経済産業省、2018/2/7)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/036_03_00.pdf
※http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/036_haifu.html内。

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2018年02月02日

京セラ社が「宇久島メガソーラー事業(仮称)」の検討に関する進捗を発表、事業の権利を新設の合同会社に移転し、計画を再始動

京セラ社が2018年1月24日に、

  • 計画中の「宇久島メガソーラー事業(仮称)」の、検討に関する進捗
を発表していました[1]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


建設予定地 長崎県佐世保市宇久島
(島面積2493万m2、人口約2000人)
発電能力 480MW
発電電力量(予測) 51.5万MWh
参加企業 検討中。下記の8社となる予定。
  • 九電工
  • 京セラ
  • タイ国「SPCG Public Company Limited」
  • 東京センチュリー
  • 古河電気工業
  • 坪井工業
  • みずほ銀行
  • 十八銀行
事業の権利 当初の独「Photovolt Development Partners」社から、「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」に移転することで合意した。
(※この合同会社は、事業者が新たに設立した、発電事業のSPC)
これに伴い本プロジェクトは、新たな計画として再始動する。
設備など
  • 太陽電池モジュール
    全て、京セラ製の多結晶シリコン型を使用する。(約165万枚)
  • 海底ケーブル
    宇久島と本土の間に敷設する海底ケーブル(約64km)により、九州電力に売電することを想定している。
  • 営農との両立
    一部の土地では、支柱の上に太陽光発電設備を設置することで、発電所内での営農を可能とする。
事業スキーム等
  • 島内の農地・耕作放棄地などを、土地管理会社が借り受け、この土地を「宇久島みらいエネルギー合同会社」に転貸する。
    (※同社は、先述の「宇久島みらいエネルギーHD」の子会社)
    そして同社が、借りた土地で太陽光発電所の建設・運営を行う。
    営農併設型で環境ビジネスを創出し、宇久島の安定的な営農の継続・拡大を支援し、島の発展に寄与する方針。
  • 今後は、自治体・地元関係者などと協力しつつ
    • 事業スキーム
    • 自然環境に配慮した設置場所、方法など
    の実現に向けた検討も進める。
総投資額 2000億円程度の計画
スケジュール
  • 2018年度内:着工予定


宇久島メガソーラーについては、これまで

とのスケジュール目標が示されていました。

しかし、日本国内でこれまでに類を見ない規模の事業計画であるためか、その後は九州電力から系統連系の承諾は受けたものの、事業の具体的な進展は伝わってきませんでした。

今回は事業者が新体制となったことで、再び実現に向けて動き出したと見受けられます。


事業の権利がPVDP社から移転することになった背景・経緯は不明ですが、運営の主体が海外企業から国内企業メインに変ることは、国民による心情的な受け入れやすさという点からも、プロジェクトの実現にはプラスに働くのでは、と考えます。

本プロジェクトについては発表当初から、地元の自然環境などへの影響に対する懸念[4]が出ていましたが、その懸念を払拭するだけの、豊かな内容で合理性のある事業となることを、強く願うものです。


※参照・参考資料:
[1]長崎県佐世保市宇久島での太陽光発電事業の検討に関する進捗(京セラ、2018/1/24)
http://www.kyocera.co.jp/news/2018/0109_gfyt.html
[2]Solar parks Japan(Photovolt Development Partners社)
https://pvdp.eu/projects/solar-parks-japan/
[3]SPCG Public Company Limited
http://www.spcg.co.th/index.php/en/home
[4]小さな島が「自然エネルギー」で埋め尽くされようとしています。(日本自然保護協会、2013/7/1)
http://www.nacsj.or.jp/diary2/2013/07/post-385.html

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2018年01月27日

トランプ米大統領が輸入太陽電池に対するセーフガード関税を承認、1年目30%から毎年5%づつ下げて4年間、また各年とも最初の2.5GWは対象外

USTR(アメリカ合衆国通商代表部)が2018年1月22日に、

  • トランプ大統領が、輸入品の
    • 住宅用大型洗濯機
    • 太陽電池セル・モジュール
    セーフガード関税を課する(USTRによる)勧告を、承認した
と発表していました[1]。

これは、ITC(貿易委員会)による知見(輸入品が米国内の製造業に重大な傷害を与えている)を受けて、USTRがTPC(貿易政策委員会)と行った協議に基づき、大統領に行った勧告が、承認されたものとのことです。

その中から、太陽電池に関する数値や情報を抜き出してみました。


<税率など>

1年目 2年目 3年目 4年目
税率 30%2520%15%
免除される分 最初の2.5GW左に同じ左に同じ左に同じ

<輸入太陽電池を巡る動向・経緯>

  • かつて米国の国内産業は、中国から輸入する太陽電池に対し、40%の関税を課することに成功した。
  • しかし中国は、生産能力を維持しつつ生産地を他国に移し、米国による上記の措置を回避した。
  • 中国は今日、世界的なサプライチェーンを支配している。
    また、2017年上半期に発表された、全世界の生産能力拡大計画のうち、中国は70を占めている。


輸入太陽電池に対する制裁措置については、米SEIA(太陽エネルギー産業協会)が太陽光発電設備の設置業者などへのダメージを懸念し、昨年(2017年)12月に大統領に反対意見を提出していました[3]。

しかし結局、それは通らなかったようです。

ただし他方で、米Suniva社が提案していた救済措置案[4](セル・モジュールの最低価格を設定する)も、今回の発表には全く無く、こちらも受け入れられなかったものと思われます。


それはともかくとして、今回の発表では

  • 課税の開始月日
    (「1年目」が具体的にどの期間になるのか?)
  • 対象となる太陽電池セル・モジュールの種類
    (結晶シリコン型のみなのか、それともまさか化合物型モジュールも含むのか?)
  • 課税対象の生産国
    (中国メーカーだけでなく、米国以外の全ての国が対象地域なのか?)
といった点が見当たりません。

今回の発表の文面をそのまま受け取ると、(別に中国メーカー限定とは書かれていないので)例えば日本メーカー製の太陽電池製品もセーフガード関税の対象となってしまうので、実際のところどうなるのかが非常に気になるところです。

その点では、Suniva社の提案のように、最低価格を設定したほうが合理的だったような気もしますが・・・


また今回の発表では、課税から除外される量(Cells Exempted from Tarif)も示されていますが、これは実際にどのように適用されるのでしょうか。

まさか先着順となれば、各メーカーが我先にとなり、米国への出荷が短期間に殺到する事態になることも考えられますが、そのような事態を招かないようにどう運用していくのか、というのも気になるところです。


最後に、米国の太陽光発電導入量は、2016年は[5]で約13GW・[6]で14.7GWと示されています。

これが今後も同等の規模で続くと仮定すると、今回発表された課税対象外の量(毎年2.5GW)は、約1/6〜1/5に相当します。

この設定が、米国内の太陽光発電産業にどのように影響するのか、というのは判りませんが、もしかしたらSEIAの意見(国内産業へのマイナス影響)に対する幾分かの考慮なのでは、とも想像します。


※参照・参考資料:
[1]President Trump Approves Relief for U.S. Washing Machine and Solar Cell Manufacturers(USTR、2018/1/22)
https://ustr.gov/about-us/policy-offices/press-office/press-releases/2018/january/president-trump-approves-relief-us
[2]アメリカ合衆国通商代表部(ウィキペディア)
[3]トランプ大統領に「最後の要請」、米SEIAが太陽電池・関税問題で(日経テクノロジーオンライン、2017/12/25)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/122100070/
[4]保護措置で米国が世界で最も太陽電池の高い国に!?(同上、2017/6/1)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/052900050/
[5]太陽光発電システム2016年世界導入量は75GW、 2017年も同水準の市場規模との見通しを発表
(「DREAM NEWS」掲載の、株式会社資源総合システムによるプレスリリース、2017/1/20)
http://www.dreamnews.jp/press/0000146047/
[6]世界の太陽光発電業界はどうなってる? 2016年国別導入量ランキング
(IEAのレポート内容を紹介する「ソーラーパートナーズ」の記事、2017/5/11)
https://www.solar-partners.jp/pv-eco-informations-53753.html

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2018年01月22日

Tigo Energy社の「TS4プラットフォーム」に「TS4-F(火災安全性)」が追加、「SunSpec Alliance」準拠の電力線通信を用い、また迅速遮断ソリューションのコスト効率を向上

Tigo Energy社が2018年1月8日に、

  • 太陽電池モジュール用のジャンクションボックスカバー「TS4プラットフォーム」に、新たに「TS4-F火災安全性)」を追加した。
と発表していました[1][2]。

この「TS4-F」は、電力線通信(PLC)に関する規格「SunSpec Alliance」の信号仕様をサポートしており、また迅速遮断ソリューションコスト効率を高めた製品。

提供開始時期は、2018年第1四半期とのことです。

今回は発表[1][2]の中から、同様の迅速遮断機能を持つ既存の「TS4-S(安全性)」との違いに関する情報を、まとめてみました。


既存の「TS4-S追加された「TS4-F
通信方法 Tigo社のCCAとゲートウェイを用い、無線信号により動作する。 「SunSpec Alliance」の仕様に準拠するinitiator(開始装置)と連動し、PLCにより動作する。
(※複数のインバータメーカー(SMA等)との適合性を試験済みであり、今後も適合対象を拡大していく予定)
長所 迅速遮断の機能に加えて、モジュールレベルのモニタリング機能も持つ。 迅速遮断ソリューションとして、(TS4プラットフォームの中で)最もコスト効率に優れる
(※最適化やモニタリングの機能は持たない)


「TS4-S」の持つ機能は「ダイオード」「モニタリング」「安全性」であり、TS4プラットフォームの中でも機能が絞られているほう、という印象でした。

しかし今回の「F」は、PLCを利用する「SunSpec Alliance」への準拠と、モニタリング機能を省いたことで、更にコスト低減を図ったものと感じられます。


迅速停止の機能・性能面で、「S」「F」に具体的にどのような違いが有るのかは判りません。

ただ、米国では安価な海外製太陽電池モジュールによる国内製造業へのダメージから、海外製モジュールへの新たな対抗措置が課される可能性が生じています[6]。

そのため、太陽光発電設備の初期コストの上昇を極力抑えつつ、最低限の安全機能を確保しよう、というニーズが日増しに強くなっており、それが「TS4F」リリースの要因の一つとなったのでは、と想像するものです。


個人的には、もし仮に今後、日本でも迅速遮断機能の搭載が義務化される場合、無線通信とPLCのどちらが合理性が高いのか、というのが気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]Tigo Releases New TS4 Product as the Most Cost-effective Rapid Shutdown Solution with Powerline Communication(Tigo Energy社、2018/1/8)
https://www.tigoenergy.com/ja/about-tigo/press-releases/91/
[2]タイゴが電力線通信機能付きの最もコスト効率に優れた迅速遮断ソリューションとしての最新TS4製品をリリース(ビジネスワイヤ、2018/1/9)
http://cts.businesswire.com/ct/CT?id=ftfLlWd9aZbF2NXfwppam3Bd664=&newsLang=ja&newsId=20180109005926&div=2033916367
[3]TS4(Tigo Energy社)
https://www.tigoenergy.com/ja/ts4/
[4]リモコン技術記事 RFリモコンの電波干渉対策4(SMK社、CCAについての解説あり)
https://www.smk.co.jp/products/remote_control_units/technology/0808EMC_RC4/?version=en
[5]素朴な疑問◆Q&A - ゲートウエイって何ですか(ITpro、2006/3/2)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060228/231013/?ST=spleaf
[6]トランプ大統領に「最後の要請」、米SEIAが太陽電池・関税問題で(日経テクノロジーオンライン、2017/12/25)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/122100070/

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2018年01月19日

ソーラーフロンティア社が「建材一体型」太陽電池パネルの発売を計画中、2019年後半の発売を目指す

1ヶ月以上前になりますが、ニュース記事(2017/12/12付)[1]で

  • ソーラーフロンティア社が、建材一体型の太陽電池パネルの発売を計画している。
と、同社社長へのインタビュー内容を紹介しつつ、報じられていました[1]。

その中から、製品に関する情報を(少ないですが)抜き出してみました。


特徴
  • 建材一体型で設置コストを抑制
    ソーラーフロンティア社の太陽電池パネル自体が、従来の建材(屋根、壁など)の機能を置き換えられるようなものになる。
    これにより、設置コストの抑制が可能となる。
  • アルミ基板を採用か?
    太陽電池の基板(一般的にはガラス)を、アルミの基板に変更すると
    • 薄さ・軽さの実現
    • 割れにくい製品
    が可能になる。
発売時期 2019年後半の販売開始を目指す。


当記事の作成時点(2018/1/18時点)で、ソーラーフロンティア社のウェブサイトに、この件に関する情報は掲載されていませんでした。

しかしニュース記事[1]では、同社社長の名前が出ていることから、建材一体型製品が計画されていること自体は、確かなことかと思われます。


ただ同ニュース記事のタイトルでは、米Tesla社の製品と競合するような表現になっていますが、ソーラーフロンティア社は日本国内市場に経営資源を集中する方針を、公式に発表済みです。

そのため競合するとするならば、Tesla社が日本市場に「Solar Roof」(※パナソニック製セルを採用)を投入する場合になりますが、その可能性がどの程度あるものかが気になるところです。


また個人的には、今回の報道で、太陽電池との一体型となる建材の一つとして「壁」が挙げられているのが興味深いです。

かつては例えば、建材メーカーが開発した外壁パネルとの一体型製品もありましたが、現在では、壁材一体型で展開を継続している製品は(私の見聞きする限りでは)ありません。

そのため、国内の大手太陽電池メーカーの1社であるソーラーフロンティア社が、壁材一体型モジュールで果たしてどのような「答え」を出してくるのかというのは、非常に興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア:屋根や壁一体型パネルで米テスラと競合へ(Bloomberg、2017/12/12)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-12/P0SB2K6JIJUO01

※関連記事:

2018年01月08日

シャープが太陽光発電関連事業の大部分を、子会社「シャープエネルギーソリューション」に集中させる方針

シャープ社が2017年12月26日に、

  • エネルギーソリューション事業」の一部を、子会社「シャープエネルギーソリューションSESJ)」に、吸収分割により承継させることを決定した。
と発表していました[1]。

今回はその中から、主な情報をまとめてみました。


背景
  • シャープでは2016年8月に新経営体制が発足して以来、構造改革を続けている。
  • 今回の事業承継には、創エネ・蓄エネ・省エネ分野での更なる競争力強化のために
    • 自社の「エネルギーソリューション事業本部」
    • 子会社「SESJ」(太陽光発電システム等の販売を担当)
    を一体化することで、効率的な事業体制を構築する狙いがある。
期待される効果
  • 今回の承継によりSESJ社は、太陽光発電システムの国内・海外すべての、販売・施工〜アフターサービスを手掛けることになる。
    この強みを生かし、売上拡大を図る。
  • また、
    • 組織の簡素化
    • 重複業務の合理化
    等を加速することで、収益性を向上させる。
SESJ社が承継する権利義務 効力発生日における
  • シャープ社「エネルギーソリューション事業」に属する資産・負債
  • それらに付随する権利義務
を、吸収分割契約書に定める範囲において承継する。
ただし、
  • 堺事業所での太陽電池製品製造
  • 奈良事業所での化合物太陽電池製造
に関する事業は含まれない
SESJ社の事業内容
  • 承継前:  
       
    • 太陽光発電システムの販売  
    • 空調・電気設備工事  
  • 承継後:  
       
    • 住宅用太陽光発電設備・蓄電池・HEMS等の企画・開発・販売・サービス  
    • 産業用太陽光発電設備の設計・施工監理・メンテナンス  
    • メガソーラーIPP事業  
    • その他エネルギーソリューション事業  
今後のスケジュール
  • 2018/1/9:契約締結の予定
  • 同4/1効力発生の予定


シャープ社の太陽電池・太陽光発電事業の体制が、これまで本社と子会社に分かれており、整理されていなかったということには驚きました。

ちょうど今回の発表と同時期には、

  • ハンファQセルズ社が、トルコで年産能力500MWの太陽電池モジュール工場を着工した
ことが報じられていました[5]が、四半期単独でのモジュール出荷量が1GWに達している海外メーカーも有るいっぽうで、日本メーカーが勢いを失っている(生産能力の縮小など)理由は、このようなところにもあったのでは・・・と考えてしまいます。


ともかく、シャープ社の太陽光発電関連事業の合理化・効率化が、(製造事業が対象外とはいえ)今回の事業承継で進むことは確かだと思われます。

これが厳しい市場環境の中で、少しでも国内大手メーカーの競争力アップに繋がっていくことを、強く願うところです。


※参照・参考資料:
[1]会社分割(吸収分割)による子会社への事業承継に関するお知らせ(シャープ社、2017/12/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2017/171226-1.pdf
[2]太陽電池、日本勢テコ入れ急ぐ シャープは販売子会社に移管:(日本経済新聞、2017/12/26)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO25048780V21C17A2TJ1000
[3]シャープエネルギーソリューション社
http://www.sharp-sesj.co.jp/
[4]エネルギーソリューション事業本部(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/recruit/newgraduate/businesses/energy.html
[5]ハンファQセルズ、トルコで年産500MWの太陽光パネル工場(日経テクノロジーオンライン、2017/12/26)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122610309/?ST=SP

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2018年01月05日

SolarWorld社がモルディブの離島(面積6万m2)の太陽光発電所向けに、太陽電池モジュール150kWpを供給、高効率+耐久性のニーズに応える

SolarWorld社が2017年12月22日に、

  • モルディブの離島のハイブリッド発電所向けに、自社の太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1][2]。

今回は、その発電設備に関する情報を抜き出してまとめてみました。


場所 MaldiveのEllaidhoo島
太陽電池モジュールの量 150kWp
発電電力の用途 島内のホテル「Ellaidhoo Maldives Hotel」が供給を受ける。
(※他の電力供給先は不明)
設置環境
  • 島の面積6万m2)が小さい。
  • 設置場所が海に近接している。
※これらの条件により、高効率と耐久性が太陽電池モジュールに要求された。
このため契約は、SolarWorld社のパートナーである「Alpha Solar Energy SystemsSolarTherm)」社に発注された。
(PERC技術を用いたSolarWorld社のモジュールは、長寿命・高品質との評価を受けている)

また今回の発表の中では、

  • SolarWorld社は2016年には、南アジア地域で計75MWのモジュールを供給した。
との実績も紹介されています。



SolarWorld社は2016年に経営破綻しましたが、その後にカタールの企業による出資を得たことで、無事に事業を継続していると見受けられます。


Ellaidhoo島の6万m2という面積は、長方形であれば200m×300mであり、確かにかなり限られた広さであることが判ります。

そうなると、如何に高性能モジュールであっても十分な設置場所が確保できたのか、という疑問が起こりましたが、[2]の写真を見ると建造物の屋根設置である(野立てでは無い)模様。

限られた森林を(用地確保のために)伐採しなくて済む、という点でも、非常に合理的な判断だと感じられます。

今回の設備を受注したSolarTherm社[3]は、(モルディブと同じインド洋にある)スリランカの企業であり、現地の環境・条件に適した設計や施工がなされたものと思われます。


[2]に掲載されている現地の写真は、私の目には別天地にも写るものであり、先日取り上げた豪州のByron Bayに続いて眼福です。

低コスト化が進む太陽光発電が、これらのような地域で導入・普及が進んでいき、環境保護で大きな役割を担う存在となっていくことを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]SolarWorldがモルディブのエライドゥ島に太陽光発電モジュール供給 (共同通信PRワイヤー、2017/12/22)
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201712229365/
[2]Solar powered Paradise(SolarWorld社)
http://www.solarworld.de/en/press/solarpoweredparadise
[3]SOLARTHERM
http://www.solartherm.lk/
[4]モルディブ(ウィキペディア)

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2018年01月04日

エコスタイル社が、「屋根借り」で行う「エコの輪太陽光発電ファンド18号」を出資募集開始

エコスタイル社が2017年12月25日に、

  • 施設屋根を借りて行う「エコの輪太陽光発電ファンド18」への、出資を募集開始した。
と発表していました[1]。

今回は、同ファンドに関する主な情報を、抜き出してまとめてみました。


発電設備
  • 場所:埼玉県春日部市
  • 発電容量:634.48kW
  • 屋根面積:2万3037.26m2
  • 太陽電池モジュール:
    ISOFOTON社製「ISFM-280P60」(出力280W)を2260枚。
  • パワコン:
    Huawei社製「SUN2000-40KLT-JP」(出力40kW)を13台。
  • 売電価格:24円/kWh
募集総額 1億2300万円(1口10万円)
※うち、匿名組合が8610万円、営業者(エコスタイル社)が3690万円。
資金の運用
  • 運用期間:1
  • 目標利回り:5.0(税引き前)
  • 目標分配率:105.0%(同上)
スケジュール
  • 募集期間:2017/12/22〜2018/1/31
  • 事業開始日:2018/2/1の予定。


私が過去に利用請求してみた同社のファンドでは、運用期間が5年だったので、今回の「18号」が1年と大幅に短縮されていることには驚きました。

そのぶん運用期間においては、以前のファンドよりも出資しやすくなっている印象ですが、その点は「太陽光投資に対するハードルを低く」するという狙いの、具体的な表れかと思われます。


また個人的に、屋根設置は野立てよりも高コスト、というイメージが強かったので、今回の発電設備が屋根設置型であることにも驚きました。

設備の設置コストは不明ですが、単純に募集総額を発電容量で割ると、1億2300万円/634.48kW=約19万3860円/kWと、1kWあたり20万円を切っています。

毎度ですがやはり、太陽電池モジュールパワコン等の価格低下が進んでいることが、最近の認定価格(※24円/kWhは2016年度)でも、屋根設置型での収益確保を可能にしている、ということなのかもしれません。


今回のファンドが該当しているのかは不明ですが、エコスタイル社では先んじて「屋根貸し太陽光発電」の新しい事業スキームも発表しており[2]、これから日本国内でどれだけ導入を進められるのか、新たな市場活性化に向けた動きの一つとして、注目・期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]エコの輪太陽光発電ファンド18号が募集開始(エコスタイル社、2017/12/25)
https://www.eco-st.co.jp/archives/15679
[2]太陽光:0円で屋根に太陽光発電を設置、無料リフォームと賃料も提供(スマートジャパン、2017/12/12)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/spv/1712/12/news027.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内