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2018年06月21日

Yingli社の「PANDA BIFACIAL」モジュールは、最大出力が前面のみと比べて最大約11%アップ、月間発電量は従来の多結晶型比で最大約19%プラス

Yingli Solar社が2018年6月7日に、

  • PANDA BIFACIAL」モジュールが、同日にTUV Rheinlandの認証を取得し、両面太陽電池モジュールとして世界で初めて
    • China General Certification Centre(2016年末に取得)
    • UL(2018年5月に取得)
    • TUV Rheinland
    の認証を受けた。
と発表していました[1]。

その中から、同モジュールの発電能力に関する内容を、まとめてみました。


最大出力 60セルのモジュール(前面の標準出力285W)は、ULとTUV Rheinlandのテストにおいて、最大出力315Wに到達した。
(※前面の標準出力比で11%プラス
発電電力量 最新の統計によると、「PANDA BIFACIAL」モジュールを用いている山西省・大同(Datong)でのプロジェクトでは、月間の発電量が、従来の多結晶型による同容量のプロジェクト比で、最大で19.02%上回った


裏・表の両面で発電できる太陽電池モジュール自体は、過去にも既に、幾つかの日本や海外メーカーが製品化していました。(例えば関連記事)

しかしその発電能力が、通常モジュール(片面のみで発電)と比べて実際にどの程度優れているのか、という点については、私はこれまで具体的な情報(数値など)を殆ど見たことがありませんでした。

そのため、今回のYingli社による発表は、非常に興味深いです。


まず、認証機関が測定した最大出力が、前面のみの場合と比べて約11%増というのは、正直思ったほど高くないと思いました。

いっぽう実際の大規模発電所においては、月間発電量で(最大で)2割に近いプラスとのこと。

比較対象が単結晶型でなく多結晶型(※「PANDA BIFACIAL」はn型単結晶)という点が、少し残念ですが、それでも両面モジュールの明確な優位性は、感じられる気がします。


両面モジュールについては、裏面でも発電できることから、積雪の白さで地面からの反射光が強くなる冬期間に、それ以外の時期と比べて(前面への積雪によるマイナスとの差し引きで)発電電力量が最終的にどう違ってくるのか、という点も、今後明らかになってくることを期待したいです。


※参照・参考資料:
[1]Yingli's PANDA BIFACIAL Module Became the World's First Bifacial Module Certified by CGC, UL, and TUV Rheinland(Yingli Solar社、2018/6/7)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2353651
[2]単結晶モジュール (同上)
http://www.yinglisolar.com/jp/products/monocrystalline/
[3]PANDA BIFACIAL 60CF(同上)
http://www.yinglisolar.com/en/products/monocrystalline/panda-bifacial-60cf/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年06月19日

SunPower社がEnPhase社にマイクロインバータ事業を売却、EnPhase社は事業を大幅強化、SunPower社はマイクロインバータ「IQ 7XS」の供給を受ける予定

SunPower社とEnphase社が2018年6月12日に、

  • SunPower社のマイクロインバータ事業を、Enphase社が買収することで合意した。
と発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


見込まれる
メリット
SunPower社
  • マイクロインバータの調達
    自社の「Equinox」ホームソーラーシステムを、「IQ」マイクロインバータのカスタムラインを用いることで強化できる。
    (AC太陽電池モジュールに使用)
Enphase社
  • 業績の引上げ
    2019年の後半に、粗利益率33〜35%で、年率換算の売上高6000万〜7000万ドルを追加できると見込んでいる。
  • 知的財産の強化
    IPポートフォリオに、140以上の特許を追加できる。
買収額 Enphase社は
  • 現金2500万ドル
  • 自社の普通株750万株
をSunPower社に提供する。
今後の予定
  • 2018年3Q末:事業の譲渡を完了。
  • 同4Q:「IQ 7XS」をSunPower社に供給開始。
    ※この製品は、SunPower社の「X」シリーズ・96セルモジュール(ピークAC出力320W)の専用として、設計されている。


振り返ると、SunPower社は2014年11月に「SolarBridge Technologies」社を買収し、自社モジュール向けのマイクロインバータの開発を開始する方針を発表していました。

それから約3年半を経て、同分野の専業メーカーへの事業売却となったようです。


100を超える特許を擁するまで育てた事業を、売却するというのは、発表を見た当初は意外に感じました。

ただ考えてみると、普通のパワーコンディショナーも、殆どが太陽電池メーカーと別の企業が手がけています。

その意味でマイクロインバータも、専業メーカーに任せたほうが(製品の開発、調達の点で)合理的、とSunPower社が最終的に判断されたとすれば、合点が行く気はします。


SunPower社の今回の発表[1]の副題?では

  • 「5-Year Agreement Expected to Accelerate Global Adoption of AC Modules as the De Facto Residential Solution」
    (住宅向けのデファクトソリューションとして、ACモジュールの世界的な採用の加速が期待される5年契約)
と、かなり野心的な内容が書かれています。

それだけにこの重要点について、リリース本文で詳しく言及されていないのは、いまいち良く判りません。
また「5年契約」が何を指しているのか、という肝心な点も、記載されておりません。(恐らく「IQ 7XS」の供給期間だとは思いますが・・・)


とは言え、太陽電池モジュールメーカーの世界的大手の一社が、パワコン無しで交流出力ができる「ACモジュール」を、住宅用の次世代製品として明確に位置づけている点は、非常に興味深いです。

「Equinox」システム[3]は、ACモジュール採用により設備が大幅にシンプル化される点が、(太陽光発電の住宅への導入ハードルを引き下げる点で)非常に大きな魅力と感じるので、これが本当に業界標準と成り得るのか、是非注目していきたいところです。


※参照・参考資料:
[1]Enphase Energy to Acquire SunPower’s Microinverter Business(SunPower社、2018/6/12)
http://newsroom.sunpower.com/press-releases?item=123214
[2]同上(Enphase社、2018/6/12)
https://enphase.com/en-us/blog/enphase-energy-acquire-sunpowers-microinverter-business
[3]SunPower Equinox Home Solar Systems(SunPower社)
https://us.sunpower.com/homeowners/equinox-home-solar-systems/
[4]Enphase Microinverters(Enphase社、「IQ 7X」の紹介あり)
https://enphase.com/en-us/products-and-services/microinverters/family

※関連記事:

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2018年06月13日

JPEA発表の2018年1-3月の太陽電池モジュール出荷量は前年同期比26%マイナス、シリコン単結晶以外は40%以上の減少、用途別では「発電事業」でも国内企業が海外企業を上回る

3週間ほど前になりますが、太陽光発電協会が2018年5月22日に、

  • 2017年度第4四半期2018/1-3
  • 同年度通期2017/4-2018/3
太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池モジュールの出荷量について、個人的に気になった項目を幾つかまとめてみました。

※出荷量のうちkWのものは、当ブログ管理人が四捨五入し、MWに換算しました。
※前年同期比(カッコ内)は、管理人により増減の値に変換しました。



<太陽電池モジュールの総出荷量>

※[1]の4pの記述、5p・7pの表から。

種類2017年度4Q
(2018/1-3)
2017年度通期
(2017/4-2018/3)
シリコン単結晶 628MW(23%)2020MW
シリコン多結晶 741MW(43%)3014MW
その他 81MW(43%)636MW
合計 1450MW(26%)5670MW(17%)

2018年度4Qは、「多結晶」「その他」が極めて大きな減少幅(約4割マイナス)であることに、強く驚きました。

いちおう「単結晶」が2割超の増加だったことで、「合計」の減少幅は抑えられたようです。

ただし、国内企業のみだと「単結晶」も含む全ての種類で減少しており([1]の6p)、日本メーカーは極めて厳しい状況に置かれていると思われます。



<2018/1-3のモジュールの国内出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 594MW(26%)
シリコン多結晶 718MW(44%)
その他 63MW(48%)
合計 1376MW(26%)

前年同期比の増減は、前項の総出荷量と非常に近い数値であり、全体として、国内需要の急速な縮小ぶりが伺えます。

シリコン単結晶のみ伸びたのは、後述する用途別において、中小規模の設備向けの一部が伸びたことと、対応しているものと推測します。



<2018/1-3のモジュールの海外出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 34MW(15%)
シリコン多結晶 24MW(25%)
その他 17MW(11%)
合計 75MW(17%)

海外向けの出荷量は、国内向けの僅か1/20〜1/30程度に留まっています。

ちなみに[1]の5p・6pの比較から、海外出荷量は全てが、日本企業による生産です。


太陽光発電の導入が、(コストダウンの進展を背景に)新興国にも急速に広がりつつある<中で、海外大手メーカーは出荷量を大きく伸ばしており、JinkoSolar社に至っては、2017年通期は10GWが目前という勢いでした。

そのいっぽうで日本メーカーは、日本国内以外での競争力をほぼ失ってしまったのではないか、とさえ感じてしまう、今回の数字です。


ただ、上記表には書き出しませんでしたが、「日本企業」における「海外出荷」のうち「国内生産」で、多結晶型は前年同期比2511%増という、極めて大きな伸びとなっています([1]の6p)。

この点は、日本政府の「二国間クレジット」を背景とした海外事業[2]向けに、低コストな多結晶型を出荷した結果では、と想像します。



<2018/1-3のモジュールの用途別国内出荷量>

※[1]の3p・5pの表から。

用途日本企業海外企業合計
住宅188MW(25%)86MW(8%)274MW(18%)
非住宅発電事業355MW(24%)334MW(44%)689MW(35%)
一般事業241MW(36%)172MW(76%)413MW(13%)
その他0.4MW(67%)
合計784MW(28%)592MW(24%)1376MW(26%)

非住宅の「発電事業」「一般事業」の両方で、出荷量は国内企業が海外企業を上回っています。

「一般事業」はともかくとして、大規模設備を含む「発電事業」においては、前年度(2016年度)通期に海外メーカーがシェア6割近くに達していたので、今回、同カテゴリで日本企業の出荷量が逆転したのは、非常に意外でした。

ただし、「発電事業」の合計出荷量じたいが35%ものマイナスとなっているので、国内の大規模事業でのモジュール需要が、急激にしぼんでいることが推測されます。


FITにおいて、例えば2015年6月末時点では、導入量は認定量の約1/5という、低い水準でした。

もっともこのギャップの大きさ(=導入見込み量の大きさ)は、国内でFITの新規認定が急激に減速した中で、暫くの間、国内市場にプラス方向の影響を及ぼしてきた筈です。

その効果がいよいよ無くなってきたとなれば、国内の太陽光発電産業は更に厳しい状況になっていくのでは、と強い懸念が浮かびます。


ちなみに上記表では、海外企業による「住宅」「一般事業」が、前年同期比増となっています。

これらのカテゴリにおいては、(設置面積が限られるため)発電能力の高いモジュールが通常要求されると考えられるので、先の項目(国内出荷量)における、単結晶型の国内出荷量増加分と対応しているのでは・・・と推測するものです。


※参照・参考資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(JPEA、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
[2]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年06月07日

ネクストエナジー社が、リユース太陽電池のみを用いた「PV Next 駒ヶ根市太陽光発電所」を完成、5種類・計1202枚のモジュールを使用

ネクストエナジー・アンド・リソース社が2018年6月4日に、

  • リユース太陽電池モジュールだけを用いた自社太陽光発電所を建設した。
と発表していました[1]。

今回は、その概要をまとめてみました。


建設の背景 ネクストエナジー社は、2005年に太陽電池モジュールのリユース事業を開始し、数万枚超の検査・評価実績を蓄積。
独自の選定技術「REBORNテクノロジー」を有している。
また2015年からは、同技術によるリユースモジュールを利用し、自社太陽光発電所の建設にも取り組んでいる。
発電所の名称 PV Next 駒ヶ根市太陽光発電所
場所 長野県の駒ヶ根市内
※同市の所有する「伊南清掃センター」(可燃物焼却場)跡地。
敷地面積 6749.1m2
太陽電池モジュール
  • 設置枚数:1202
  • 種類:5種類
  • 設置容量:280.78kW
    ※パワコンの出力は254.28kW。
特徴
  • 全てリユースモジュールを利用
  • 地域に根差した設備を目指す:
    • 災害時用のオフグリッドシステム
    • 地域防犯用のソーラー外灯
    も設置。
    今後は、見学施設として環境教育への利用も進める。
  • 自主環境アセスメントを実施:
    周辺環境に配慮し、周囲に植樹を行った。
スケジュール
  • 2018/5/30:稼動開始
  • 同6/3:竣工式を実施


今回の太陽光発電所では何よりも、太陽電池モジュールが全てリユース品という点に驚きました。

「REBORN」テクノロジーの紹介ページ[2]を見ると、中古モジュール1枚1枚について

  • シリアルナンバーの付与
  • I-V出力測定、EL検査
  • トレーサビリティの確保
と、周到な再製品化の体制が、既に確立されていることが伺えます。

将来的に大量の使用済みモジュールの排出が予想される中で、破損したモジュールは仕方が無いとして、十分に構造・機能が保たれているモジュールについては、このように積極的に再利用する取組みが、どんどん進んでほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]リユースモジュールを利用した自社太陽光発電所を建設(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/6/4)
https://www.nextenergy.jp/info/2018/info20180604.php
[2]太陽電池モジュール リユース(同上)
https://www.nextenergy.jp/service/reuse.php

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2018年06月05日

昭和シェル石油の2018年1-3月の太陽電池事業は、ルーフトップ市場への集中とコスト削減を推進、「エネルギーソリューション事業」は減収も損失は改善

1ヶ月近く前になりますが、昭和シェル石油が2018年5月9日に、2018年度1Q2018/1-3)の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。


<太陽電池事業での取り組み>

新事業戦略(2016年末〜)
に基づく取組み
  • 国内住宅向けを中心としたルーフトップ市場へのフォーカス
  • 早期黒字化達成のための、更なるコスト削減
    (原材料コストの削減、国富工場への生産集約など)
国内住宅向け 高出力品(1枚180Wまたは185W)に「SmaCISコンセプト」(高搭載・簡易施工・高意匠)を適用した「SmaCIS(Sタイ プ)」を、2018年1月に販売開始した。
生産体制

  • 2017年9月:東北工場の生産を休止
  • 同12月:宮崎工場の生産を停止
し、国富工場へ生産を集約した。


<「エネルギーソリューション事業」セグメントの業績>

※含まれるのは「太陽電池事業」と「発電事業」。

売上高 212億円(前年同期比4.6%)
営業利益 24億円の損失(同6億円の増益)


太陽電池事業単体での売上高や利益は不明ですが、発電事業が(上には書き出しませんでしたが)堅調だったとみられるにも関わらず、「エネルギーソリューション事業」セグメント全体では減収となっていることから、太陽電池事業の売上も少なからず下がったものと推測されます。


ソーラーフロンティア社は昨年11月に、国内市場への経営資源の集中を表明していました。

しかし、例えば太陽光発電協会による「太陽電池モジュールの月次出荷速報」では、モジュール出荷量の減少が2018年1-3月も全く変らず続いています。

国内市場じたいが縮小し続けている状況下では、やはり売上を伸ばすのは難しいものとみられますが、ただし一方でセグメントの損失は改善しており、この点は市場の選択とコスト削減の成果なのかもしれません。


国富以外の2工場(東北、宮崎)での生産休止・停止については、昨年(2017年)の4-6月期業績で記述されていました。

しかし東北工場については当時は、次世代モジュールの商業生産に向けて準備する、とされていましたが、今回(2018/1-3)の発表ではそのような記述は全く無く、国内需要の縮小の深刻さが、表れている気がします。

東北工場では元々、生産における先進的な取組みが進められる筈だっただけに、同工場の位置づけがどうなるのかは、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]2018年度 第1四半期決算について(昭和シェル石油、2018/5/9)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/050902.html

※関連記事:

2018年05月29日

シャープ・パナソニックの2017年度通期業績で太陽電池事業の存在感なし、京セラでは「生活・環境」セグメントの減収減益の主因に

今回は、シャープ・パナソニック・京セラ2017年度通期2017/4-2018/3)業績の発表資料[1][2][3]から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。(※「太陽電池」と明記の無いものを含む)


<シャープ>

  • 「スマートホーム」セグメント内の「エネルギーソリューション事業」では、海外EPC事業などが堅調だった。
    ([1]のp6)

<パナソニック>

  • 「ソーラー事業」では、従来からの太陽電池モジュール販売に加えて、セル単体のデバイス販売を開始した。
    またモジュール生産体制では、滋賀工場の生産終息などの見直しを行った。
    ([2]のp12)

<京セラ>

  • 「生活・環境」セグメントの業績([3]のp4):
    • 売上高:約1122億円(前年度比24.8%
    • セグメント利益:約550億円の赤字(前年度は約13億円の黒字)
  • ソーラーエネルギー事業」の状況([3]のp3):
    • 米国事業の縮小
    • 主要市場である日本国内での売上減
    により、同事業を含む「生活・環境」セグメントは売上減となった。
    また同事業において、ポリシリコン原材料の長期購入契約等に係る引当損失(約502億円)を計上したことが主因で、セグメント損失となった。


シャープとパナソニックは、全体の業績がかなりの増収増益となっていますが、太陽電池事業による寄与については全く言及されていません。
そのため、セグメント業績は今回は書き出しませんでした。

少なくとも業績の数字においては、太陽電池事業の存在感が極めて小さくなっていることを感じます。


その中でシャープは、海外でのEPC事業が堅調とのことですが、これに関しては、ニュースイッチ(日刊工業新聞)の4月の記事[4]の内容が、ちょうど該当していると思われます。

ただ、日本政府の「二国間クレジット」による導入費用補助を利用しての成果ということであれば、海外メーカーと価格競争の直接勝負で渡り合っている訳ではなく、手放しで堅調とは言えないようにも思われます。


パナソニックの今回の業績発表における記述は、昨年(2017年)9月に発表されたソーラー事業の構造改革の内容と同じであり、同事業の具体的な状況(国内外での販売状況など)がどうだったのかは、残念ながら不明です。

米Tesla社との協業は、2017年夏に開始の予定だった筈ですが、こちらもその後どうなっているのかが気になるところです。


そして京セラは唯一、「ソーラーエネルギー事業」の状況が詳しく書かれていますが、同事業の低迷がセグメント業績の減収減益の主因となっており、プラスの要素が全く無いところに、現在の同事業の状況の厳しさが伺えます。


全体として、JikoSolarCanadian Solarといった海外の大手メーカーの2017年業績と比べると、その勢いに極めて大きな差がついてしまっている印象です。


※参照・参考資料:
[1]2018年(平成30年)3月期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/4/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2018/1/1803_4pre_nt.pdf
(※http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/内)
[2]2017年度 説明会資料(ノート付き)(パナソニック社、2018/5/10)
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/2017_full/financial_results_note_j.pdf
(※https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html内)
[3]2018年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2018/4/26)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY184Q_tanshin.pdf
[4]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

※関連記事:

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2018年05月25日

四国電力管内で2018/5/5の12-13時に、太陽光発電の出力が電力需要の80%に到達

四国電力が2018年5月21日に、

  • 太陽光発電の出力が電力需要に占める割合が、最大で80%に達した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


該当の日・時間帯 2018年5月5日12〜13
太陽光発電の最大出力 177万kW
電力需要に占める割合 80
対処
  • 火力電源の抑制
  • 揚水発電所の揚水運転
  • 連系線の活用
により、電力の需給バランスを維持した。


[1]に掲載されている当該日の需給バランスのグラフを見ると、最大出力の瞬間に限らず、日照のある時間帯の大部分で、太陽光発電の出力が(電力需要に対して)かなり大きな割合を占めており、既に太陽光発電が電源として大きな存在となっていることを感じます。

そしてその分だけ火力発電での化石燃料の消費が減る筈なので、本来これは大いに歓迎すべき状況だと思いますが、少なくとも今回の発表では、電力会社がこの状況をポジティブに捉えている雰囲気が全く感じられないのが、残念です。

いち消費者としては、ただ「需給が不安定になって大変です」「お客様のご負担が増えます」というのではなく、再エネ導入の国内における先進地域を目指すぐらいの、意欲的・野心的な姿勢を見たいものではあります。
(もっともこの点は、他の電力会社や政府についても全く同様ですが)


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電の普及拡大に伴う今春の需給への影響について(四国電力、2018/5/21)
http://www.yonden.co.jp/press/re1805/data/pr009.pdf

※関連記事:

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2018年05月22日

JinkoSolar社がP型太陽電池モジュールでピーク出力370Wp、N型モジュールで同378.6Wを達成

JinkoSolar社が2018年5月18日に、

  • 60PバージョンのP型N型の各太陽電池モジュールで、ピーク出力の記録を更新した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


モジュール出力の記録
  • P型:370W
  • N型:378.6W
認証機関 TUV Rheinland (Shanghai) Co., Ltd.
用いた技術
  • P型:
    • 自社の高効率セル
    • 低電力損失技術(モジュールの内部抵抗を低減、曲線因子を改善)
    が組み合わされている。
  • N型:
    両面ガラスモジュールで、パッシベーティングコンタクト技術の向上によって効率が高まり、前面のピーク電力が378.6Wに到達した。


記録を達成したモジュールの「60P version」がどういう意味なのか、残念ながら今回の発表だけでは判断しかねました。

セル枚数とすると、今回到達した出力は、現行の「Eagle PERC 60」モジュール(最大315Wp[2])を約2割上回り、更にセル72枚の「Eagle PERC 72」(同360Wp[3])さえも超えています。

個人的には俄かに信じ難いですが、(量産段階ではなく)研究開発段階であれば達成し得る数字、ということなんでしょうか。

セル枚数を増やさずに、将来的に400W到達も有り得るのかどうか、今後の発表にも注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Breaks World Records for both P-type and N-type PV Module Power(JinkoSolar社、2018/5/18)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-breaks-world-records-both-p-type-and-n-type-pv-module
[2]Eagle PERC 60(同上)
https://www.jinkosolar.com/product_detail_274.html?lan=en
[3]Eagle PERC 72(同上)
https://www.jinkosolar.com/product_detail_279.html?lan=en

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2018年05月21日

アスクル社が物流施設4つにネクストエナジー社の電力プラン「グリーナでんき」を導入予定、グループ全体の電力使用量の約25%が再エネに

3週間ほど前になりますが、ネクストエナジー・アンド・リソース社とアスクル社が2018年5月1日に、

  • ネクストエナジー社提供の電力プラン「グリーナでんき」を、同日からアスクル社の物流センター「大阪DMC」に導入する。
と発表していました[1][2]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

アスクル社は2016年7月に、

  • 事業所から排出するCO2配送に関わるCO2を、2030年までにゼロにする。
との目標「2030年CO2ゼロチャレンジ」を発表。
そして2017年11月には、この取組みを進めるため「RE100」「EV100」への加盟を発表した。
(※「RE100」には、
  • 100%再エネによる事業運営
を目標とする世界の企業が参加している)


<「グリーナでんき」の導入計画>

GREENa RE100 プラン」(グリーン電力証書の活用により、100%自然エネルギーの電力を提供する)を、下記4つの物流センターに導入していく。

  • 2018年5月1日:大阪市の「大阪DMC
  • 6月1日:宮城県の「仙台DMC」と、愛知県の「名古屋センター
  • 7月1日:福岡県の「ASKUL Logi PARK 福岡

これにより、アスクル社のグループ全体の電力使用量(本社、物流センター、子会社含む)の25%が、再エネになる。



海外では、日本国内での想像を遥かに超えて、企業における再エネの導入・利用が進んでいるようで、例えばアップル社では今年4月に、世界の全事業所の事業電力が、100%再エネになったとのこと[4]。

そのアップル社は、2016年に「RE100」に加盟しており[5]、再エネの導入・利用が、ここ数年のうちに急激に、世界の趨勢となってきたことを感じます。


アスクル社での再エネ100%達成の目標時期は、まだ10年以上先ですが、日本企業の中では、極めて積極的な姿勢と取組みだと思います。

同社の埼玉県の倉庫で昨年2月に発生した火災では、屋根の太陽電池モジュールが消火活動の妨げとなっており、大規模な太陽光発電設備の直接導入によるマイナス点の一つが、浮き彫りとなった印象でした。

今回の「グリーナでんき」導入では、その心配は無く、このようなかたちでの再エネ利用は、企業にとって合理性が高いのかもしれません。

その意味で、同様のケースが今後増えていくのであれば、再エネ発電の電力を確保するべく、停滞している国内での太陽光発電の導入拡大に、(太陽光発電の急速なコスト低下も追い風として)再び弾みが付く可能性もあると考えます。


※参照・参考資料:
[1]5月1日よりアスクルにグリーナでんきを供給開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/5/1)
https://www.nextenergy.jp/info/2018/info20180501.php
[2]アスクル、ネクストエナジー社の「グリーナでんき」を本日より導入開始(アスクル社、2018/5/1)
http://pdf.irpocket.com/C0032/axM2/kXcE/pJ1Z.pdf
[3]電力小売/グリーン電力証書(ネクストエナジー社)
https://www.nextenergy.jp/service/green_electricity.php
[4]【アメリカ】アップル、世界全事業所で再エネ100%達成。サプライヤー9社も100%宣言(Sustainable Japan、2018/4/10)
https://sustainablejapan.jp/2018/04/10/apple-100-percent-renewable/31413
[5]アップルが“再生可能エネルギー100%クラブ”へ、部品メーカーにも要求(スマートジャパン、2016/9/21)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/21/news025.html

※関連記事:

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2018年05月17日

シャープが新しい「住宅用『クラウド蓄電池システム』」を発表、急速充電で充電時間を半減、自立運転の出力も2.0kWに拡大

シャープ社が2018年5月10日に、

  • 住宅用クラウド蓄電池システム JH-WBP67A/JH-WBP70A
を発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


特徴
  • 急速充電に対応
    満充電の所要時間を、2.5時間従来機比1/2)に短縮した。
    (※入力電力4.0kWで充電した場合。実際は電力使用量や天候などにより変動する)
    これにより、晴れ間が短い場合でも、効率よく蓄電できる。
  • 自立運転時の出力を拡大
    「ハイブリッドパワーコンディショナ JH-42JT2/JH-55JT3」では、自立運転時の出力(従来機種1.5kW)を、最大2.0kWに拡大した。
    これにより停電時には、生活必需機器(照明、冷蔵庫など)の他に、電気ケトルや扇風機なども同時に使用できる。
公称容量 8.4kWh
希望小売価格 291万円(税別)
※リチウムイオン蓄電池「JH-WB1821」、ハイブリッドパワコン「JH-42JT2」、モニタ、電力センサ、ケーブル等を含めた価格。
機器の組み合わせにより価格は異なる。
大きさ・質量
大きさ質量
蓄電池
「JH-WB1821」
幅700mm×奥行360mm×高さ605mm
(突起部含む)
約135kg
パワコン
「JH-42JT2」
「JH-42JT3」
幅666mm×奥行201mm×高さ429mm
(取付金具含む)
約24kg
発売日 2018年7月6日より順次。
月産台数 250台


蓄電池の充電時間の半減に、自立運転時の出力を約1.3倍に拡大という2点が、やはり個人的に最もインパクトがありました。

家庭用の電源として、平常時・非常時ともに、使い勝手の大幅な向上を図ったことが伺えます。

ただし一方で、希望小売価格は(組み合わせの一例とは言え)一式で300万円近くであり、まだまだ購入者を選ぶ、高額な商品だと感じざるを得ません。

生産ペースは、1年で3000台ということになりますが、現在の日本国内で実際にどの程度の需要が有るものなのかは、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用「クラウド蓄電池システム」ほかを発売(シャープ社、2018/5/10)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180510-b.html

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