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2021年10月18日

ソーラーフロンティア社がCIS薄膜型の汎用太陽電池パネルの生産終了を決定、「次世代型システムインテグレーター」への転換を図る

出光興産が2021年10月12日に、

  • 子会社ソーラーフロンティアにおける「事業構造改革

を発表していました[1]。

その主な内容・方針は次の通り。


<「次世代型システムインテグレーター」への転換>

熾烈な価格競争に陥っている汎用太陽電池パネルの研究・製造に投入している経営資源を、独自性が発揮できる成長分野にシフトする。

発電システム設計
・EPC事業
日本国内でのメガソーラーの適地が不足する中で、従来は太陽光発電設備を設置できなかった場所を開拓するべく、機器・システム・工法の開発を進める。
O&M事業、
発電所評価・リパワリング事業、
太陽電池パネルリサイクル事業
太陽電池パネルの品質評価結晶シリコン系も含む)により蓄積したデータや分析・解析能力を活用し、太陽光発電所をより長寿命化できる
  • O&M
  • 発電所評価
  • リパワリング
等のサービスを開発し提供していく。
また、2024年度には太陽電池パネルのリサイクル事業を開始できるよう、
  • マテリアルの用途開発
  • 必要な許認可の手続き
  • ビジネスモデルの開発
に取り組む。
エネルギーマネジメントシステム事業 太陽光発電をより安定的に使用可能とするべく、
  • オンサイト・オフサイトでの、自家消費用途の太陽光発電システムの開発
  • コーポレートPPA契約による電力供給
  • 太陽光発電設備と電力需要に、更にEVや蓄電池などを組み合わせるシステムの開発
  • 発電量と需要予測の精度向上
等に、既に取り組んでいる。
結晶型太陽電池パネルのOEM調達 汎用型CIS薄膜太陽電池の自社生産体制から、結晶シリコン系太陽電池のOEM調達に移行する。
これに伴い、宮崎県・国富工場におけるCIS薄膜太陽電池の生産を、20226月末を目途に終了する。
(※同工場は今後、次世代型システムインテグレーターに転換していく上での中核的拠点とする)
次世代太陽電池の研究開発 CIS薄膜太陽電池の研究開発を、「出光興産次世代技術研究所」に集約。
CIS型の高付加価値化を目指し、
  • CISの「高放射線耐性」を活かせる宇宙空間用途
  • 電動自動車や通信用ドローン等の移動体への搭載が期待される、タンデム型太陽電池への活用
等の研究開発を進める。


中国メーカーが主導してきた太陽電池パネルの急激な価格低下は、他国のメーカーにおいては強烈な圧力となり、2017年には老舗・独SolarWorld社の経営破綻も起こりました。

日本メーカーについても、近年の業績発表での(太陽電池事業に関する)言及の乏しさから、厳しい状況が想像されてはいましたが、独自技術でCIS薄膜型を手掛けてきたソーラーフロンティア社がその生産終了を正式発表したことには、やはり強く驚かされ、また極めて残念だと感じざるを得ません。

ただ最近はちょうど、太陽電池の素材の主流であるシリコンについて、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働による生産の疑いが出ており、その結果としてシリコン価格・ひいては太陽電池パネルの急激な価格上昇が起こっているとのこと。(例えば[2][3])

そんな状況があるので、シリコンを使わずに済むCIS薄膜型の汎用太陽電池パネルが、いつか復活する可能性もあるのでは・・・と想像しますが、果たしてどうでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア株式会社の事業構造改革について(ソーラーフロンティア社、2021/10/12)
https://www.solar-frontier.com/jpn/news/2021-1012-press.html
[2]ウイグルの強制労働疑惑、太陽光パネル関連工場でも浮上 ⇒ 京セラなど国内3社の対応は?(ハフポスト、2021/7/1)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60da8a30e4b04decb353f1c4
[3]ウイグル問題、太陽光発電に影 パネル主原料5倍に高騰(日本経済新聞、2021/7/4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21EG30R20C21A5000000/

2021年04月30日

分散型の屋上設置向けに、Jinko Solar社が「Tiger Pro 415W」、JA Solar社が「DeepBlue 3.0 Light」の各新モジュールを発表、いずれも最高出力415W・外形約1.7m×1.1m

  • Jinko Solar
  • JA Solar

が各々、2021年3月26日

  • 分散型太陽光発電向けの太陽電池モジュールの新機種

を発表していました[1][2]。

それらの概要は次の通り。


<Jinko Solar社の「Tiger Pro 415W」>

出力 415W
(182mm角セルを54枚使用)
外形サイズ 1.71.1m
(人の身長、腕の長さ、屋根のサイズ等を考慮している)
その他の特徴
  • 安全性と信頼性:
    モジュール材料のアップグレードと、プロセス設計の最適化を実施。
    耐積雪荷重に優れ、高い積雪荷重や風圧力の地域にも適用できる。
  • 保証:
    15年の製品保証と、25年の出力保証を用意。

<JA Solar社の「DeepBlue 3.0 Light」>

出力 最大415W
外形サイズ、重量[3][4] 1722mm×1134mm×30mm21.5kg
※前年に出荷開始の「DeepBlue 3.0」は、出力550Wで2279mm×1124mm、28.6kg[4]。
認証 TUV SUDにより「IEC 61215」「IEC 61730」の認証を受けている。
その他の特徴 2020年10月に出荷開始した「DeepBlue 3.0」モジュールにおける
  • 182mm×182mmウエハー
  • 新世代のPERC技術「PERCIUM+」
  • Gaドープのシリコンウエハー
等の利点を継承しつつ、商業用・住宅用屋上設置システム向けに、
  • リーズナブルなサイズと重量、リーズナブルな電気的パラメータ
というマインドで設計。
  • より大きい設置容量
  • より低いBOSコスト
  • より高い投資収益率
を提供できるよう考慮している。


最高出力は同じ、外形サイズも奇しくも(?)ほぼ同等ですが、屋上や屋根への設置用として(設置コスト等も含めて)考慮した結果、現状では異なるメーカーでも似た回答(仕様)に到達した、ということかもしれません。

ちょうど今回の製品発表と同時期に、Trina Solar社とCanadian Solar社が600W超の新モジュールについて発表していましたが、Canadian社の製品は外形サイズが約2.4m×1.3m、重さは30s台〜約40kgという大型でした。
それと比べると、今回のJinko社とJA社の製品は確かに、格段にコンパクトです。

またJA社の先行機種「DeepBlue 3.0」と今回の「Light」の間でも、大きさ・重量にかなりの違いがあり、更に他を思い返すと、3月発表のシャープ社の住宅向け新モジュールでは、更にサイズが抑えられていました(259Wで約1.3m×1.1mm、10kg台半ば)。

また、やはり最近Trina Solar社が発表したリリース[5]でも、分散型発電向けとして、「小型で高出力」なモジュールが強調されています。

これらの状況からは、ひとくちに同じ「太陽電池モジュール」と言っても、用途に応じてかなり鋭く最適化が進んでいる感を受け、非常に興味深く感じるところです。


※参照・参考資料:
[1]新製品発表|ジンコソーラーTiger Pro415 Wモジュール、分散型太陽光発電事業に(Jinko Solar社、2021/3/26)
https://www.jinkosolar.com/jp/site/newsdetail/1504
[2]JA Solar Launches DeepBlue 3.0 Light Tailored for Distributed Solar PV Market(JA Solar社、2021/3/26)
https://www.jasolar.com.cn/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=399&id=93
[3]JA Solar unveils 415 W solar module with 21.3% efficiency(pv magazine、2021/3/29)
https://www.pv-magazine.com/2021/03/29/ja-solar-unveils-415-w-solar-module-with-21-3-efficiency/
[4]JA Solar’s 415-Watt Solar Panel For Residential Installations Unveiled(Solarquotes blog、2021/4/2)
https://www.solarquotes.com.au/blog/ja-solar-deepblue-mb1940/
[5][Q&A] トリナ・ソーラー製 Vertex分散型モジュールについて(Trina Solar社、2021/4/18)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/mon-04192021-1141

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2021年04月29日

Trina Solar社が670Wの「Vertex」モジュール、Canadian Solar社が最大665Wの「HiKu7」・同655Wの「BiHiKu7」を、各々量産開始

  • Trina Solar
  • Canadian Solar

2021年3月〜4月に各々、

  • 出力600W超の太陽電池モジュール製品の量産を開始した。

と発表していました[1][2]。

今回はそれらの発表から、各製品の主な仕様・特徴をまとめてみました。


<Trina Solar社「Vertex」モジュールの最新機種>

モジュール1枚の出力 670W
外形サイズや重量 記述無し。
特徴
  • 認証:
    テュフラインランドの各種信頼性評価を合格し、IEC認証を取得している。
  • 210mmセルを採用:
    他の同セル採用モジュールと同じく、
    • ダメージレスカッティング(non-destructive cutting)
    • 高密度実装
    • マルチバスバー(MBB)
    等の技術を用い、信頼性と性能を高めている。
  • 機械的強度も確保:
    フレーム設計の最適化と適切な部材選定により、モジュール面積が拡大しても変形を抑える。
    これにダメージレスカッティングも加わることで、機械的強度は業界標準の正圧5400Pa、負圧2400Paに準拠している。
  • 輸送設置・施工の効率化にも配慮:
    新しい梱包方法により、コンテナへの効率的な積載を実現。
    また、
    • モジュール開梱用の補助ツール
    • 自動設置重機(※開発中)
    も提供する。
発売時期 記述無し。
(※既に量産体制に入っている


<Canadian Solar社の「HiKu7」と「BiHiKu7」>

シリーズ名 「HiKu7」[3] 「BiHiKu7」[4]
出力 640〜665W 635〜655W
外形サイズ 2384mm×1303mm×35mm
重さ 34.4s 39.4s
特徴
  • 認証:
    VDEにより、IEC61215とIEC61730が認証されている。
  • 210mmセルを採用:
    産業用・事業用の発電設備において、LCOEやBOS等のコスト削減に寄与する。
  • 独自技術による性能向上:
    独自のセル技術やモジュール設計(hetero-type ribbon含む)により、セル間の隙間を50%以上削減。
    また「Canadian Solar Advanced Regeneration 」(CSAR) により、光や高温による劣化(LeTID)を低減した。
発売時期 既に量産を開始
2021年4月には、最初の生産分の提供が行われる。

つい昨年(2020年)には出力500W超のモジュールの発表が多くのメーカーから行われていましたが、今回は600W超の製品について、少なくとも2社から既に量産開始が明言されており、モジュール1枚あたりの高出力化の進展の速さを、強く感じます。

ただ出力がここまで高まると、モジュール1枚の大きさや重さも果たしてどの程度まで増すのか、というのが気になります。

「Vertex」670Wシリーズと「HiKu7」「BiHiKu7」は、同じ210mmセルを用い、出力も近いことから、大きさ・重量もほぼ同程度かと思われます。
その「HiKu7」「BiHiKu7」は、大きさが約2.4m×1.3m、重さに至っては30s台半ば〜約40kgであり、架台への設置作業における(モジュール1枚あたりの)負担は、かなり大きそうです。

ただし一方では、モジュールの設置枚数を減らせるので、トータルでみると設置にかかる負担は減る、という見通しだと思われますが、ともかく現状ではやはり、最先端の高出力製品といっても、あくまで大規模設備や産業用設備向け(非住宅用)に限る、ということかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー モジュール変換効率21.6%の670W Vertexモジュールを発表(Trina Solar社、2021/3/15)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/mon-03152021-1624
[2]Canadian Solar Starts Mass Production of 210 mm Large Cell Modules of up to 665 W(Canadian Solar社、2021/4/12)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-starts-mass-production-210-mm-large-cell-modules
[3]HiKu7 Mono PERC(Canadian Solar社)
https://static.csisolar.com/wp-content/uploads/2020/10/19095023/Canadian_Solar-Datasheet-HiKu7_CS7N-MS_v1.6_EN.pdf
(※「https://www.csisolar.com/downloads/」内より、[4]も同じ)
[4]BiHiKu7(Canadian Solar社)
https://testsolar.csisolar.com/wp-content/uploads/2020/10/Canadian_Solar-Flyer-BiHiKu7_CS7N-MB-AG_EN.pdf

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2021年04月28日

2020年通期の太陽電池モジュール出荷量は、Jinko Solar社が18.8GW、Trina Solar社が15.915GW(世界3位)、Canadian Solar社が11.3GW(前年比32%増)

今回は

  • Jinko Solar
  • Trina Solar
  • Canadian Solar

の最近の業績発表[1]〜[3]から、2020年通期太陽電池モジュール出荷量をまとめてみました。

具体的な数値は下表の通り。


2020年の
太陽電池モジュール
出荷量
Jinko Solar社 18.8GW
Trina Solar社 15.915GW
(世界3
Canadian Solar社 11.3GW
(前年比32%増)


他に思い当たる海外大手メーカーの業績発表も見てみましたが、モジュール出荷量の実績を明記しているのは、上記の3社のみでした。
Trina社が第3位ということで、2位のメーカーは(過去の実績から)JA Solar社かと思いましたが、現状では同社から数値が公表されておらず未確認です。

トップのJinko社は、前年(2020年)の実績(14.3GW)から約3割の増加。
Canadian Solar社も、前年実績(8.6GW)からほぼ同等の割合で伸びており、限られたデータながら、世界の太陽電池需要の旺盛な伸び具合が推測されます。

Jinko社が年間出荷量10GWを明確に超えたのは2018年のことでしたが、このペースの伸びが続けば、早くも今年(2021年)には年20GW超えの達成が濃厚と思われます。
同社に限らず、海外メーカーのモジュール出荷量の急激な伸びには、ただ驚くばかりですが、それだけ世界の太陽光発電市場も急拡大を続けている、ということだと思われ、太陽光発電の導入・普及が世界的に加速しているのであれば、極めて喜ばしいことだと考えます。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Fourth Quarter and Full Year 2020 Financial Results(Jinko Solar社、2021/4/9)
https://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-announces-fourth-quarter-and-full-year-2020-financial
[2]世界トップ3のモジュールメーカー  トリナ・ソーラーが2020年の決算報告(Trina Solar社、2021/4/16)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/sat-04172021-1118
[3]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2020 Results(Canadian Solar社、2021/3/18)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-reports-fourth-quarter-and-full-year-2020-results

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2021年04月12日

シャープの住宅用新モジュール「NU-259AM」は横・縦置き両対応に「ハーフセル」「マルチワイヤ技術」等を採用、「NU-259HM」は垂直積雪量200cmまで対応

1ヶ月以上前になりますが、シャープ社が2021年3月5日に、

  • 住宅用単結晶太陽電池モジュールの新機種2種(「NU-259AM」「NU-259HM」)

を発表していました[1]。

主な特徴・仕様は次の通り。


<主な特徴>

  • 「NU-259AM」は横置き・縦置き両対応:
    • 横置き(モジュールの長辺が横方向)
    • 縦置き(同・縦方向)
    の両方に対応しており、屋根の形状に合わせたレイアウトで、設置容量を増やすことができる。
  • ハーフセル」「マルチワイヤ」等で出力・変換効率をアップ:
    • 太陽電池セルを半分にカットする「ハーフセル技術」で、セル表面の電極に流れる電流値を半減し、電力損失を低減。
    • 「マルチワイヤ技術」により、バスバー電極9本に増加。
      (※従来機種(2019年度モデル「NU-218AJ」、以下同じ)では5本)
      バスバー電極間のフィンガー電極が短くなることで、同電極の電気抵抗を減らしている。
      更にバスバー電極の断面形状円形(※従来機種では長方形)にしたことで、電極の反射光もセルに当てて発電に利用できる。
  • 温度上昇による変換効率低下を改善:
    従来機種比で、約12%改善した。
  • 「NU-259HM」は垂直積雪量200cmまで対応:
    モジュールの裏面に補強バーを追加している[3]。

<主な仕様>

NU-259AMNU-259HM
種類単結晶シリコン
公称最大出力259W
モジュール変換効率19.4%
耐積雪性能150cm200cm
質量15.5kg16.5kg
外形寸法1265mm×1055mm×46mm


シャープ社のプレスリリースで太陽電池モジュールの新機種を見るのは、かなり久しぶりだと思ったので、過去のリリースを確認したところ、前回は実に約3年前(2018年5月[4])でした。
それだけ今回の新機種では大きな変化があったということだと思いますが、従来機種の2019年度モデル「NU-218AJ」[5]と比べると、やはりハーフセルと9本バスバーの採用が、最大の特徴と見受けられます。

ただこれら2点は、例えばJinkoSolar社が約1年前(2020年5月)に発表した「Tiger Pro」 では既に採用されており、日本の大手モジュールメーカーでもようやく新しい構造・技術が積極的に取り入れられつつある、ということかもしれません。

また、2モデルとも外形サイズは同じでありながら、垂直積雪量200p対応の「NU-259HM」のほうは、横置き・縦置き両対応になっていませんが、これは裏面に補強バーを入れた都合上かと思われます。


※参照・参考資料:
[1]住宅用 単結晶太陽電池モジュール2機種を発売(シャープ社、2021/3/5)
https://corporate.jp.sharp/news/210305-a.html
[2]NU-259AM(シャープ社)
https://jp.sharp/sunvista/products/module/259am/
[3]NU-259HM(同上)
https://jp.sharp/sunvista/products/module/259hm/
[4]住宅用「クラウド蓄電池システム」ほかを発売(同上、2018/5/10)
https://corporate.jp.sharp/news/180510-b.html
[5]NU-218AJ(シャープ社)
https://jp.sharp/sunvista/products/module/218aj_feature.html

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2021年01月20日

amazon.comの再エネ(太陽光・風力)への投資規模が、2020年通年で計4GW以上、これまでの累計では6.5GWに到達

1ヶ月以上前になりますが、amazon.com社が2020年12月に、

  • 再エネ(太陽光、風力)への投資実績

を発表していました[1][2]。

主なデータは次の通り。


<amazon.comによる、太陽光・風力への投資実績>

容量件数その他
2020今回の発表 3.4GW26 投資先プロジェクトの所在地は、
  • 豪州
  • 仏、独、伊、スウェーデン、英
  • 南アフリカ
  • 米国
※仏、独、伊、南アは、今回がアマゾン初のプロジェクト。
通年 4GW以上35その他
これまでの累計 6.5GW127
  • amazonの自社事業に、年間1800万MWh以上の電力供給が可能。
  • 件数の内訳は、
    • 発電所規模のプロジェクト:59件
    • フルフィルメント・センターとソート・センターでの屋上太陽光発電システム:68台


2020年の前回発表は5月[4]でしたが、その規模は計615MW
つまり、それ以降の12月までの約7ヶ月間で、一気に計3.4GWへの大規模投資が実行されたことになります。

また累計(計6.5GW)に対しても、今回の新規発表分(3.4GW)だけで半分を優に超える規模。
これが元々の計画通りなのか、それとも異常気象や新型コロナ禍を受けて投資が加速したのかは判りませんが、とにかく驚くべきペースです。

今回の数字は、あくまでamazon.comという巨大企業による取り組みのものではありますが、再エネへの投資の加速という点では、世界の趨勢を象徴しているのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]アマゾンが再生可能エネルギーの世界最大の法人購入者となり、2040年までのネットゼロ・カーボンを目指すクライメート・プレッジの誓約を推進(Buisiness Wire、2020/12/14)
https://www.businesswire.com/news/home/20201214005298/ja
[2]Amazon Becomes World’s Largest Corporate Purchaser of Renewable Energy, Advancing its Climate Pledge Commitment to be Net-zero Carbon by 2040(Amazon.com、2020/12/10)
https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazon-becomes-worlds-largest-corporate-purchaser-renewable
[3]Amazon Continues Renewable Energy Investments with Wind and Solar Projects in Australia, Europe, and the US(同上、2020/3/12)
https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazon-continues-renewable-energy-investments-wind-and-solar
[4]Amazon Announces Five New Utility-Scale Solar Projects to Power Global Operations in China, Australia, and the U.S.(同上、2020/5/21)
https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazon-announces-five-new-utility-scale-solar-projects-power

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2020年11月30日

2020/4-9の京セラ社の「生活・環境」セグメントは売上高が前年同期比25.1%減、「スマートエナジー事業」での太陽光発電システム等の販売減少が主因

今回は、京セラ社の2020年度2Q業績の発表資料[1][2]から、太陽電池・太陽光発電に関係する数字や情報を、抜き出してまとめてみました。


<2020/4-9の「生活・環境」セグメントの業績>

※このセグメントが「スマートエナジー事業」(以前の「ソーラーエネルギー事業」)を含む。

売上高 約283億円(前年同期比25.1%
事業損失 74億円(※前年同期は約51億円)
背景
  • スマートエナジー事業における太陽光発電システム等の販売減が、主な要因。([2]の16枚目)
  • ただし2Q単独(2020/7-9)では、スマートエナジー事業における太陽光発電システム等の販売は、1Q比で増加した。(同上)


太陽光発電関連の販売の減速度合いが強く感じられますが、ただ京セラ社全体の業績も、売上高が前年同期比12.9%減、営業利益は同60.1%減([1]の1枚目)というものでした。
そのため今回については、市場での競争力の低下ではなく、新型コロナウイルスの感染拡大による経済減速の影響が、最大の要因となったものと推測します。

2Q単独期間(7-9月)には、前四半期(4-6月)よりも太陽光発電システム等の販売が、いくらか盛り返した模様ですが、悪いことに現在は、国内での新型コロナの感染拡大が再び勢いを増しています(例えば[3])。
新型コロナの感染状況が、現在の太陽光発電システムの需要を左右する最大の要因になっているとすれば、次回(3Q以降)にはまだ業績の回復は見込めず、むしろ今回より悪化する可能性が高そうです。


※参照・参考資料:
[1]2021年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(京セラ社、2020/10/29)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY21_2Q_tanshin.pdf
[2]2021年3月期上期決算カンファレンスコール(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY21_2Q_cp.pdf
[3]<新型コロナ>東京都で新たに418人の感染確認、日曜日では過去最多 重症者は67人(東京新聞、2020/11/29)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/71292

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2020年11月09日

Tigo Energy社のMLPEがモニタリングする太陽光発電フリートの発電電力量が、2020年夏に、1日あたり1GWh以上に到達

2週間ほど前になりますが、Tigo Energy社が2020年10月23日に、

  • Tigo製MLPE(モジュールレベル・パワーエレクトロニクス)でモニタリングされたフリートの発電電力量が、2020年夏に、1日あたり1GWh以上に到達した。
と発表していました[1]。

フリートに関する主な情報は次の通り。


フリートの内容 1kWの住宅規模MWの電力事業規模まで、全7大陸・数万個の通信システムが含まれる。
背景 タイゴエナジー社の会長兼CEOのZvi Alon氏は、
  • 「これは当社チームと文字通り世界にわたるパートナーの素晴らしいネットワークによる長年の努力が結実した重要な成果です。」
と述べている。


1GWh/日がどのような規模かいまいちピンとこないので、ざっくり単純計算を試みます。

  1. 1日あたり1GWhの発電を1年間続けたと仮定した場合、年間の発電電力量は、1[GWh/日]×365[日]=365[GWh]。
  2. 年間の日照時間が1000時間(※日本での見積もり用の数字)と仮定した場合、365[GWh]/1000[h]=0.365[GW]。
    つまり、発電設備の合計容量は365MWとなる。
    また、年間の日照時間が2000時間(※豪州・米国台湾中東など、日照が豊富な地域でみられる数字)と仮定した場合は、365[GWh]/2000[h]=0.1875[GW]。
    つまり、発電設備の合計容量は187.5MWとなる。

上記の計算から、Tigo製MLPEが導入されているフリート全体の現在の容量は、大雑把に200MW弱〜400MW弱という範囲の規模だと推測されます。

いっぽう太陽電池モジュールメーカーのモジュール出荷量は、例えばJinkoSolar社の2020年通期が14.3GW
そこから考えると、Tigo社製品の普及の余地は、まだまだ大きいものと思われます。

[1]に掲載の地図によると、現状で導入済みの地域は、既に世界の極めて広い範囲にわたっています。
それらの地域での稼働実績を今後も着実に積み重ねていけば、Tigo製MLPEの性能・信頼性の証明となり、更なる導入拡大につながっていくのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1] タイゴのソリューションが世界で毎日1GWhの太陽光発電を最適化してモニタリング(BusinessWire、2020/10/22)
https://www.businesswire.com/news/home/20201022006292/ja

※関連記事:

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2020年11月05日

ネクストエナジー社が低重心の置基礎架台「UNIFIX」を発売、低いモジュール配置と整流ブロックにより、風速70m/sで10秒間安定

ネクストエナジー・アンド・リソース社が2020年10月22日に、

  • 強風にも耐えられる低重心置基礎架台UNIFIX」を発売した。

と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景
  • 近年は地球温暖化の影響で、日本では台風が大型化している。
    例えば2019年の台風15号では、千葉市での最大瞬間風速が、過去最高の57.5m/s(3秒間平均風速)となった。
    (※同市の基準風速は36m/s(10分間平均風速)だが、瞬間的にはこの1.5〜2倍となる)
  • 本州(富士山除く)での最大瞬間風速の観測史上最大値は、2004年の台風22号での67.6m/s(静岡県南伊豆町)。
特徴
  • 風速70m/s(※試験設備での最大値)で、10秒間の安定を実現:
    太陽電池モジュールを床面に敷き詰めるように低く配置。
    また外周整流ブロックで囲い、モジュール裏面への風の侵入を防ぐ。
    これらにより、
    • 地表面粗度区分:II〜IV
    • 基準風速:38m/s以下
    • 高さ:60mまで
    の条件内での、陸屋根への設置を可能としている。
  • 重量を抑制:
    屋根への負荷は60kg/m程度(※太陽電池モジュールのレイアウトにより異なる)で、屋根の補強工事が必要ない
    また、構成部材の重量25kg以下であり、人力で施工できる。
  • 容易な設置:
    置くだけで設置できるため、屋根防水層を傷つける必要がなく、設置後の移動も可能。
    また、太陽電池モジュール2枚で1ユニットとしており、屋上屋根の形状に合わせて自由にレイアウトできる。
発売日 2020年10月20日


[1]の掲載動画を見ると、モジュールのほぼ真横からの吹き付けで、風速70m/s以上に優に1分以上は耐えています。
空力を上手く利用しているとはいえ、人が飛ばされる可能性があるほどの強風に対して、単なる置基礎で、このような耐性を実現できることには、やはり驚かされます。

床面に対する太陽電池モジュールの傾斜角度は、かなり水平に近いので、日本の緯度における発電能力という点では(傾斜のきつい)通常の架台に劣るかと思いますが、それでも設置の簡便さや建物へのダメージの少なさは、非常に魅力的に思われます。

ところで私の居住地域(北海道の札幌市近郊)は、冬には吹雪で近くの道路が頻繁に通行止めになり、また外の飼い犬が吹雪への恐怖でロープを引きちぎって逃げ出したという話もあるので、これまでかなり風が強い地域だと思っていました。
しかし[3]で基準風速を確認すると、私の地域は「32」。
いっぽう千葉市は36m/sとのことで、また国内の他地域[2]と比べても、風速の点では私の地域はそれほど厳しくはなかったのが、ちょっと意外でした。
もっとも実際の体感の面では、周囲の地形や、建物・森・林の量といったもの(これらの条件を表すのが地表面粗度[4]ということか?)も、大きく影響するのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]低重心置基礎架台「UNIFIX」を10月20日に販売開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2020/10/22)
https://www.nextenergy.jp/information/201022-2/
[2]基準風速一覧表(ビニフレーム工業)
https://www.vinyframe.co.jp/aim/housing/brawnybright-kaze.html
[3]地表面粗度区分・基準風速V0(北海道)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/kijun/fuusokuVo.pdf
(※「http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/list.htm#6」内)
[4][説明]地表面粗度区分(YKK AP社)
https://www.ykkap.co.jp/search-b/sekkei/huatu/setumei_sodo.html
(※「https://www.ykkap.co.jp/search-b/sekkei/huatu/sansyutu.html#」内)

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2020年10月27日

ソーラーフロンティア社と千葉銀行がビジネスマッチング契約を締結、顧客ニーズに応える脱炭素化へのトータルソリューションを提案

ソーラーフロンティア社が2020年10月9日に、

  • 同月に千葉銀行との間で、ビジネスマッチング契約を締結した。

と発表していました[1]。

千葉銀行側の発表[2]と合わせて、概要は次の通り。


背景
  • 千葉銀行は「ちばぎんグループSDGs宣言」(2019/5公表)において、
    • 持続可能な環境の保全に貢献すること
    を、マテリアリティ(重要課題)の一つに掲げている。
    今回の契約は、その取組みの一環である。
提携の内容
  1. 千葉銀行が自社の取引先企業から、再エネ導入による
    • 環境経営の推進
    • 収益貢献
    といったニーズのある顧客を、ソーラーフロンティア社に紹介する。
  2. ソーラーフロンティア社は、紹介された顧客の要望に基づきシミュレーションを作成。
    そして顧客の課題・ニーズに適する、脱炭素化に向けたトータルソリューション(太陽光発電など)を提案する。


該当すると思われる千葉銀行のSDGs宣言[3]を見ると、同行の他に、国内の幅広い地域にまたがる8つの地方銀行が、名を連ねています。
海外企業においては、つい最近にも「PVH Europe」社の倉庫での大規模ソーラールーフ(18MW)導入が発表されており、再エネ導入への相当な積極さが伺えますが、その点で遅れ気味のイメージがあった日本国内でも、その機運は着実に高まっているようです。

また千葉銀行は現状でも、融資先企業の環境配慮の度合いによって融資の条件を変えるサービス[4][5]を実施しており、金融機関からの働きかけという点からも、今後は日本企業における環境配慮の取り組みが、加速していくことが予想されます。

ただ太陽電池モジュールでは海外メーカーの躍進が著しく、日本国内でも非住宅(産業用)を中心に日本企業のシェア縮小が目立っていますが、今回発表のような提携・サービスでは、日本国内企業の考え方や文化に応じた(受け入れやすい、納得できる)ソリューションの提案が大切になると思われるので、その点で日本の太陽電池メーカーは、有利さを発揮できるのではと考えます。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、千葉銀行とビジネスマッチング契約を締結(ソーラーフロンティア社、2020/10/9)
https://www.solar-frontier.com/jpn/news/2020/1009_press.html
[2]ソーラーフロンティア株式会社とのビジネスマッチング契約の締結について[PDF:247KB](千葉銀行、2020/10/9)
https://www.chibabank.co.jp/data_service/file/news20201009_01_001.pdf
[3]「TSUBASA SDGs宣言」の制定について〜「TSUBASAアライアンス」連携施策〜(千葉銀行、2019/5/22)
https://www.chibabank.co.jp/data_service/file/news20190522_02_001.pdf
[4]環境格付融資制度(ちばぎんエコ・ステップ)(千葉銀行)
https://www.chibabank.co.jp/hojin/finance/finance18/
[5]環境配慮型企業サポートローン / ビジネスローン・エコ(同上)
https://www.chibabank.co.jp/hojin/finance/finance07/