【現在位置】トップページ

(スポンサード リンク)

2018年04月08日

ソーラーフロンティア社のCIS薄膜太陽電池が累計出荷量5GWを突破、今後も国内住宅向けを重視

ソーラーフロンティア社が2018年4月4日に、

  • 自社のCIS薄膜太陽電池累計出荷量が、5GWを達成した。
と発表していました[1]。

その中から、個人的に気になった内容をまとめてみました。


<CIS薄膜太陽電池の出荷量>

2007の商業生産開始から、累計で5GWを超えた


<今後の方針>

  • 重点市場:
    自社では
    • 電力自給自足への、消費者の関心の高まり
    • 政府が進めている、2020年のZEH標準化政策
    を受けて、国内住宅市場重要なターゲットと位置づけている。
  • 2018年:
    戦略商品「SmaCIS」の新ラインナップ「SmaCIS(Sタイプ)」を、1月に発売している。
    国内住宅向け市場の開拓を、更に進めていく。


商業生産を開始した2007年(※当時の社名は「昭和シェルソーラー」)から、約11年で累計5GWに到達、ということになります。

いっぽう海外大手メーカーでは

と、2017年の1年間だけで、優に5GWを超えるケースが現れています。

そのため、少なくとも出荷量の点では、極めて大きな差がついていると感じざるを得ません。


ただしソーラーフロンティア社は、昨年(2017年)から、国内市場に注力する姿勢を鮮明にしていました。

そして今回の発表では、世界市場で広く大規模に展開していく海外大手メーカーとは、はっきりと異なる事業路線を採ることを、更に強調しているように感じられます。

ソーラーフロンティア社は住宅向け以外にも、事業者向けの「初期投資ゼロ円」事業を開始しており、企業の倒産増加など停滞する日本国内市場に、少しでも新しい動きをもたらすことを、期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、累計出荷量5GWを達成(ソーラーフロンティア社、2018/4/4)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0404_press.html

※関連記事:

2018年04月07日

シャープ社が6インチの単結晶シリコンセルで変換効率25.09%を達成、「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を採用

シャープ社が2018年3月27日に、

  • 6インチ単結晶シリコン太陽電池セルで、変換効率の記録を達成した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


セルの種類 単結晶シリコン型
採用技術
  • 自社モジュール「BLACKSOLAR」のバックコンタクト構造
  • 表面にアモルファスシリコン膜を形成するヘテロ接合技術
を融合した「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた。
セルの大きさ 6インチ
セル変換効率 25.09
電気安全環境研究所(JET)が測定した。
開発の背景 NEDOのプロジェクト「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の一環として、シャープ社が開発した。


2015年の発表[2]によると、シャープ社は2014年時点で、同じ「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた単結晶シリコンセルで、変換効率25.1%を達成していました。

この数値は今回発表[1]を既に上回っていますが、ただしこの2014年の達成記録においては、セルの大きさが不明です。
(※これはNEDOの発表[3]でも同様、他社の成果ではセルサイズが明記されている)

その点、今回は「6インチサイズ」と明記されており、4年前よりも量産段階に近い条件で、達成されたセル変換効率かと思われます。


今回発表の前月(2018年2月)には、中国のTrina Solar社が、6インチのn型単結晶シリコン・裏面電極型セルで、変換効率25.04%を達成したと発表していました。

今回のシャープ社の発表は、そのTrina社の数値を上回っており、太陽電池メーカーとしてのライバル意識が、感じられる気がします。

奇しくも?測定した機関(JET)も同じなので、数値の比較としてはインパクトがあります。


ただしTrina社の発表では、「低コストな量産化に優れたIBCプロセス」を用いたと明記されています[4]が、シャープ社の発表のほうでは、「BLACKSOLAR」の名称以外に、量産技術と具体的に結びつく記述は有りません。

その点で量産化への距離は、Trina社のほうが近いのでは、という印象を受けてしまいます。


今回のセル開発が行われているNEDOのプロジェクトの機関は、2019年度まで[2]とのこと。

そのため、シャープが「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた太陽電池を製品化するのは、まだ先のことになりそうですが、それまでにどこまで性能を向上できるのか、今後の成果発表にも注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて世界最高の変換効率25.09%を達成(シャープ社、2018/3/27)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180327-a.html
[2]当社の高効率バックコンタクト型太陽電池の実用化に向けたテーマがNEDOに採択(同上、2015/6/16)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150626-a.html
[3]太陽光発電分野の技術開発成果を発表(NEDO、2015/10/26)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100476.html
[4]トリナ・ソーラー 大面積IBC単結晶シリコン太陽電池セルで 変換効率25.04%の世界新記録(Trina Solar社、2018/2/14)
http://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/wed-02142018-1800

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2018年04月04日

Canadian Solar社の2017年通期の太陽電池モジュール出荷量は過去最高の6828MW、進行中の大規模発電所プロジェクトでは新興国が目立つ

Canadian Solar社が2018年3月19日に、2017年4Qと同年通期の業績を発表していました[1]。

その中から2017年通期について、個人的に目に付いた数字などを抜き出してみました。


太陽電池モジュールの出荷量 過去最高の6828MW。(※前年は5232MW)
中国・インド・欧州・米国の強い需要に支えられた。
大規模発電所プロジェクトの
パイプライン
のうち、
後期段階のもの
(主に2〜4年以内に建設予定)
計約2.0GWp。
地域別では、
  • 米国:459MWp
  • メキシコ:435.7MWp
  • 中国:410MWp
  • 日本:362.2MWp
  • ブラジル:215.6MWp
  • インド:59MWp
  • 豪州:24.2MWp
  • チリ:18.4MWp
  • 英国:8.2MWp


太陽電池モジュールの出荷量は、7GWが目前という規模であり、JinkoSolar社の同期実績(9807MW)と同様に、世界の太陽電池需要の旺盛な伸びが、強く感じられます。

ただしモジュールの出荷先に関して、新興国に特段の言及が無い点は、「成長の最大の原動力」という表現があったJinkoSolar社とは異なっており、この点は販売展開の違いかと思われます。


もっとも、後期段階の大規模発電所プロジェクトの内訳を見ると、メキシコ・ブラジルが米・中・日に並ぶ・または次ぐ規模となっています。

加えてCanadian Solar社は、先月の末にも、アルゼンチンで97.6MWpのプロジェクトを獲得したことを、発表していました[2]。

こうして見ると、メーカー毎の状況は異なるものの、新興国での太陽光発電の導入が、過去に無いペースと地域的広がりとなりつつあること自体は、もはや間違い無いものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2017 Results(Canadian Solar社、2018/3/19)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2338614
[2]Canadian Solar Acquires a 97.6 MWp Solar Power Project in Argentina(同上、2018/3/29)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2340311

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年03月29日

JinkoSolar社の2017年通期は、太陽電池モジュール出荷量が9807MW(前年比47.3%増)、新興国市場が成長の最大の原動力に

JinkoSolar社が2018年3月22日に、2017年4Qと通期の業績を発表していました。[1]。

今回は、2017年通期2017/1〜12)業績の中から、個人的に気になった内容をまとめてみました。


<業績>

  • 太陽電池モジュールの出荷量9807MW(前年比47.3%増)
    ※うち、自社の海外下流事業向けは14MW。
    ※4Q(10〜12月)単独の総出荷量は2481MW。
  • 売上高:40億7000万米ドル(前年比23.7%増)
  • 粗利益率11.3%(前年は18.1%)

<背景、今後の見通しなど>

  • 粗利益率の低下
    • 太陽電池モジュールの平均販売価格の低下
    • OEMパートナーによる製造量の増加
      (特に2017年前半に、需要の急激な増加に対応した)
    • ポリシリコン価格の上昇
    が主な要因だった。
    (※2つめ・3つめの状況は、2018年には改善すると予想)
  • 生産能力・体制
    • 2017年末時点での太陽電池モジュール生産能力は、8MW/年だった。
    • 米国の南東部に、高度な太陽電池モジュールの製造施設を建設するための、投資計画を決定した。
      これは、地域市場の需要に対応するため。
  • 新興国市場
    同市場はJinkoSolar社にとって、成長の最大の原動力になりつつある。
    • 南米豪州の需要が、大幅に伸びた。
    • 今後は、中東とアフリカ市場の伸びが予想される。


JinkoSolar社の業績発表は久々にチェックしましたが、まず、いつの間にかモジュール出荷量が10GW/年の目前となっていることに驚きました。

過去を振り返ると、約10年前には

という規模であり、今となっては隔世の感があります。

そして2014年3Qには、Trina Solar社のモジュール出荷量が1GWを突破していました。

これがつい最近のことだと思い込んでいましたが、今回のJinkoSolar社は2017年4Q単独で出荷量約2.5GWであり、世界需要のハイペースな伸びが、今だに続いていることが伺えます。
(もちろん、JinkoSolar社自身の競争力アップも、大きな要因だと思います)

ちなみに、JinkoSolar社の四半期出荷量が1GWを超えたのは2014年4Qでしたが、当時は3割が自社の下流事業向けであり、今回(下流事業向けは通年で14MWのみ)は完全に需要の構造が異なっているようです。


いっぽうで、粗利益率が大きく低下したのは、目に付きます。

ただし今回(2017年)は、価格競争の激化というよりは、特殊な状況(OEM調達の増加、シリコン価格の上昇)による部分が大きかったと見受けられるので、このような利益率の悪化は、中長期的に続く傾向では無いものと考えます。


地域別の市場の状況については、ちょっと前の2016年には中国・米国が新規導入量の2トップでした。

しかし今回のJinkoSolar社の業績発表では、それら2市場についての特段の言及は見当たらず、現在では両市場の勢いは既に落ち着いている、ということなのかもしれません。

その減速を補って余りあるだけの需要増が、新興国市場で既に生まれているとすれば驚きですが、この点は世界市場の新しい動きとして、ニュース等で今後注目していきたいと思います。


最後に、JinkoSolar社が米国内での太陽電池生産を計画しているのは、なかなか興味深いです。

トランプ米大統領は今年1月に、米国に輸入される太陽電池セル・モジュールに対するセーフガード関税を承認しており、これへの対処という面は、少なからずあるものと推測します。

米国内で生産する場合、生産コストは(新興国での生産に比べると)高くなると思いますが、その不利をカバーするべく、JinkoSolar社がどのような(付加価値の高い)製品を発表・展開していくのかは、注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Fourth Quarter and Full Year 2017 Financial Results(JinkoSolar社、2018/3/22)
http://ir.jinkosolar.com/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle&ID=2339283

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2018年03月20日

ソーラーフロンティア社の自立型「ソーラースタンド」が、東京都の府中市と国立市に計7基設置、災害時の非常電源としても期待

ソーラーフロンティア社が2018年3月15日に、

  • CIS薄膜太陽電池を用いた「ソーラースタンド」が、東京都の府中市と国立市で設置された。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


設置の背景 府中市と国立市は、太陽光発電の災害対応利用を検討していた。
今回は、両市に対するソーラーフロンティア社のソリューション提案が実を結んだ。
(※同社は今後も、全国の自治体や事業者に対し、CIS薄膜太陽電池を活用したソリューションを広く提案していく方針)
設備の特徴・機能
  • CIS薄膜太陽電池
  • LED照明機器
  • 携帯充電機器
  • 蓄電池ボックス
を組み合わせた、スタンドアローン(自立型)システムの街路灯である。
また災害時には、非常電源としての機能も期待される。
設置数
  • 府中市:3
  • 国立市:4
設置場所
  • 公園
  • 学校
  • 駅ロータリー
等、災害時に近隣住民の避難場所避難経路となる地点である。


経営資源を日本国内に集中する方針のソーラーフロンティア社として、今回のソーラースタンドも、先に発表された事業者向けの初期投資ゼロ円事業と同じく、日本国内での自社製品の導入拡大を図る取組みだと推測します。


太陽電池+蓄電池のソーラースタンドと言えば、シャープ社が既に先行しており、製品の種類もタワー型[3]の他に

がリリースされています。

いっぽう今回のソーラーフロンティア社の発表[1]には、タワー型と低い台型?の2種類の写真が掲載されており、こちらも設置環境や用途に応じた、複数種類の製品を展開をしていくものと思われます。


それらのような「ソーラースタンド」が新たな製品分野として確立し、一定規模の市場を築いていくことを、

という点から、期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティアが提案する蓄電池付の自立型「ソーラースタンド」、府中市と国立市の計7箇所に設置(ソーラーフロンティア社、2018/3/15)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0315_press.html
[2]移動可能型ソーラー充電スタンド<LN-CB1AA>を発売(シャープ社、2017/12/6)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/171206-a.html?_ga=2.110752005.1673588322.1521372024-1824089874.1380116465
[3]ソーラー充電スタンド<LN-CA2A>が香川県丸亀市に設置(同上、2018/1/24)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180124-a.html?_ga=2.110752005.1673588322.1521372024-1824089874.1380116465

2018年03月19日

ソーラーフロンティア社が横浜市で、初期投資ゼロ円で太陽光発電設備を導入できる事業者向け事業を開始、契約期間(17年)後は無償譲渡の予定

ソーラーフロンティア社が2018年3月6日に、

  • 横浜市内において、事業者向けに、初期投資なしで太陽光発電システムを導入できる事業を開始した。
と発表していました[1]。

今回は、その事業についての主な情報をまとめてみました。


背景
  • 今回の事業は、横浜市地球温暖化対策推進協議会による「横浜太陽光発電普及キャンペーン2020」の一環である。
事業の仕組み
  • 太陽光発電システムの設置、メンテナンスと故障対応:
    ソーラーフロンティア社が担う。
    ※設置工事・点検・メンテナンスには、地域事業者を登用する。
  • 契約期間:17
    ※契約終了時には、発電設備を事業者に無償で譲渡することを予定している。
  • 発電電力の扱い:
    システムの設置を受けた事業者は、上記の契約期間内、その発電電力を購入する。
    また余剰電力は、ソーラーフロンティア社がFITにより売電する。
  • その他:
    資金調達においても、地元金融機関からの融資を検討している。
適用事例 第一号の案件は、横浜市内の「大川印刷」社で、約90kWの設備を設置する。
(本社工場に、2018年6月に設置予定[4])
今後の予定 本事業の検証を行った上で、横浜市内だけでなく、国内他地域への展開も検討していく。


ソーラーフロンティア社は昨年(2017年)11月に、経営資源を日本国内に集中する方針を示していました。

同社は、住宅向けでは既に戦略商品「SmaCIS」を展開していますが、今回の事業は産業用設備が対象であり、日本国内での導入・販売拡大の可能性を探っているものと推測します。


海外においては結構前に、同様のサービスを幾つか見かけた記憶がありますが、日本国内ではまだまだ珍しい取組みだと思います。

本事業におけるソーラーフロンティア社の収益源は、設置設備による(事業者向けとFIT利用を合わせた)売電と見受けられますが、それだけ太陽光発電設備の導入コストが、日本においても(このような事業を成立できるほどに)下がってきている、ということなのかもしれません。


他の地域で同事業を展開する可能性は不明ですが、「初期投資ゼロ円」はやはりインパクトがあります。

また、国内の太陽光発電関連業者で倒産が増加している中で、今回の事業が地元企業の仕事を増やす可能性も考えられるので、まずは日照条件に恵まれている地域でだけでも、展開が拡大していったら面白いと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、横浜市で初期投資「0円」の事業者向け自家消費型太陽光発電システム設置事業を開始(ソーラーフロンティア社、2018/3/6)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0306_press.html
[2]横浜市地球温暖化対策推進協議会
https://www3.hp-ez.com/hp/npo2017
[3]「事業者向け初期投資「0」円太陽光発電設置モデル事業」開始(同上、2018/3/5)
http://yokohama.ontaikyo.org/pdf/20180305_yokohama-city_press-release
[4]事業者向け初期投資「0円」太陽光発電システムを導入、再生可能エネルギー100 パーセント印刷会社へ(大川印刷、2018/3/6)
https://www.ohkawa-inc.co.jp/2018/03/06/%e5%a4%aa%e9%99%bd%e5%85%89%e7%99%ba%e9%9b%bb%e3%82%b7%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%a0%e3%82%92%e5%b0%8e%e5%85%a5%e5%86%8d%e7%94%9f%e5%8f%af%e8%83%bd%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%bc100/

2018年03月13日

Yingli Solar社が「12本バスバー」の太陽電池モジュールを発表、銀ペーストの使用量削減や変換効率アップ、セルの耐久性向上をもたらす

Yingli Green Energy社が2018年3月1日に、

  • 新世代の製品となる12本バスバーの太陽電池モジュールを、「PV expo Japan 2018」で発表した。
と発表していました[1]。

その発表[1]から、同モジュールについての主な情報をまとめてみました。


特徴
  • 12本バスバーによるメリット:  
    • 銀ペーストの使用量の削減
    • セル変換効率の向上
    • セルのマイクロクラックやフィンガー破損のリスク低減(製品の耐久性向上
  • ガラスに、特殊な反射防止コーティングを採用
    (セルに到達する光を増加)
セル
  • 種類:多結晶シリコン型
  • 枚数:60
モジュール出力 量産品で、最大285Wが見込まれる。(自社従来品から5〜7W増加)
認証 TUV SUDにより、耐アンモニアと耐PIDの試験と認証を受けた。
用途 分散型発電(DG)プロジェクトで理想的な製品である。
発売時期 不明。
ただし、世界中の顧客がすぐに利用できる、との記述がある。

ただし今回の発表に、新モジュールの写真は掲載されていません。
また、Yingli社サイトの新製品紹介ページ[2]にも、(2018/3/11時点で)12本バスバーモジュールの情報は掲載されていませんでした。



現時点のYingli社の新製品[2]は、いずれも5本バスバーになっていますが、その倍以上となる12本バスバーというのは、どんな外観なのかいまいち想像がつきません。

それだけに、製品の写真を見つけられなかったのが残念ですが、12本バスバーモジュールに関しては、昨年11月のプレスリリース[4]内で、既に言及がありました。

具体的には、中国国内での貧困撲滅プロジェクト向けに、Yingli社が供給する太陽電池モジュール(38.4MW、14万枚以上)のうち約1万枚に、12本バスバーモジュールが含まれるというもの。

また同プロジェクトで建設される太陽光発電所は、2017年4Qに系統連系の予定とされており、(プロジェクトの実際の進捗はともかくとして)12本バスバーモジュール自体は、量産化に(最低でも)極めて近い段階にあるものと思われます。


果たしてどんな製品なのか、遠からず姿を現す日を、楽しみにしたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]Yingli Announced Multi-crystalline 12 Busbars Panel on PV expo Japan 2018(Yingli Green Energy社、2018/3/1)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2335512
[2]New Products(同社の日本語サイト内)
http://yinglisolar.co.jp/new_products/
[3]中国インリー、「貧困撲滅」に向け太陽光パネル38MWを供給(日経XTECH、2017/11/6)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/110609730/
[4]Yingli Supplies All Solar Panels for a 38.4 MW PV Poverty Alleviation Project in China(Yingli Green Energy社、2017/11/3)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2314198

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2018年03月12日

東洋アルミニウム社が、PERC単結晶型の太陽電池モジュール「『HANE』モジュール」を開発、重さは従来から半減

東洋アルミニウム社が2018年2月27日に、

  • 重さを従来から半減した太陽電池モジュール「『HANE』モジュール」を開発した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


特徴
  • 軽量・高出力
    設置場所への重量負荷と工事負担が軽減でき、従来は設置が困難だった場所にも、導入可能になる。
    例えば
    • 倉庫や工場の屋根
    • ビルや大型施設の壁
    等が期待される。
セル
  • 種類:PERC単結晶型
  • 数:48
出力 230W
モジュール変換効率 17.4%
サイズ 994mm・長さ1327mm・厚さ26mm
重量 従来品と比較して半分
(※具体的な数値や、比較対象の製品は記載無し)
展開など 本モジュールを搭載したカーポートを、自社で開発した。
これは、ゼロ・エネルギーハウスや電気自動車の充電の促進を狙いとしている。
また、災害時の非常電源にもなる。
自治体などからは、
  • バス停
  • タクシー乗り場
など、駅前広場の公共施設への設置・展開にも注目されている。


シャープと京セラの、縦横がほぼ同サイズのモジュールの仕様を見ると、重さは17kg[3]や16.5kg[4]なので、「HANE」モジュールの重さは8kg台と推測します。

またモジュールの厚みは、[3]の46mm・[4]の36mmと比べると、「HANE」モジュール(26mm)は大幅に薄くなっており、このあたりに、大幅な軽量化を成した主因がありそうです。


今回の太陽電池モジュールは、太陽電池の部材メーカーが開発した、という点もユニークです。

モジュールメーカーとしては新規参入とはいえ、太陽電池の現在の主流である結晶シリコン型モジュールにおいて、「重量が約半分」になったことのインパクトは、小さくないと思います。

かつての神奈川県による取組みでは、工場や倉庫の屋根への太陽電池設置において、モジュールの重量が大きなネックとなっていることが、明らかになっていました。

今回の新モジュールが、その有効な打開策の一つとなることを、期待したいです。


※参照・参考資料:
[1]超軽量太陽電池パネル「HANE」モジュール開発のお知らせ(東洋アルミニウム社、2018/2/27)
http://www.toyal.co.jp/whatsnews/180227_2.html
[2]太陽電池関連製品(同上)
http://www.toyal.co.jp/products/solar/index.html
[3]NQ-256AF(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/sunvista/products/module/256af_spec.html
[4]エコノルーツ タイプR(京セラ社)
https://www.kyocera.co.jp/solar/pvh/prdct/econoroots-type-r/detail.html#ta

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の国内メーカー

2018年02月26日

TDK社がアモルファス太陽電池の変換効率を、2018年中に従来比1.3倍(約10%)まで高める予定

3週間前になりますが、ニュース記事[1]で

  • TDK社が、自社製アモルファス太陽電池の変換効率を、従来比1.3に高める予定
であることが報じられていました[1]。

その中から、新開発する太陽電池に関する主な情報をまとめてみました。


太陽電池の種類 フィルム基板の、非晶質(アモルファス)シリコン太陽電池
特徴
  • 変換効率を向上
    光学設計や材料の改良により、電力吸収の性能を高め、変換効率(現在7%)を10%程度までアップする。
    実験では46mm×30mmの太陽電池で、従来比1.3倍の変換効率を実現している。
  • 薄型・フレキシブル
    太陽電池の厚さは0.2mm以下
    またフレキシブルのため、湾曲部にも取付でき、形状の加工も可能。
製品化の時期 2018年内の予定
生産拠点 山梨県の甲府工場

ただし現時点(2018/2/25)で、TDK社のウェブサイトに、この件に関する発表・情報は掲載されていませんでした。



個人的なことですが、てっきり数万円はするものと思い込んでいたソーラー電波腕時計が、数年前にホームセンターで2000〜3000円程度の製品が普通に販売されているのを見て、驚いたものです。

[1]のタイトル等では、腕時計向け太陽電池における、TDK社の国内シェアの高さに言及されていますが、ソーラー電波時計の低価格化には、TDK社の太陽電池も一役買っているものと想像します。


その変換効率を、今年(2018年)中に一気に1.3倍に高めるとのことで、予定通りに実現されれば、実に急進的・革新的な性能の向上だと思います。

その新しいアモルファス太陽電池が、腕時計などの従来からある身近な電子機器に、どのような変化を及ぼすのか。

また、IoT機器・ウェアラブル機器といった新しい分野に、どのような製品の登場を可能にするのか、楽しみにしたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]実は腕時計向け太陽電池が国内シェア6割、意外な実力企業の次世代技術(ニュースイッチ、2018/2/5)
https://newswitch.jp/p/11934
[2]太陽電池(TDK社)
https://product.tdk.com/info/ja/products/solar-cell/index.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2018年02月24日

Trina Solar社が、6インチのn型単結晶シリコン・裏面電極型セルで変換効率25.04%を達成、従来からの製造プロセスを使用

Trina Solar社が2018年2月14日に、

  • 6インチの単結晶シリコン太陽電池セルで、実効変換効率25.04%を達成した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


セル
  • 種類:n型単結晶シリコン
  • 電極:裏面電極型(IBC、Interdigitated Back Contact)
  • 大きさ:6インチ(243.18cm2)
  • 製造方法:
    従来の大面積のn型Cz基板上に、低コストな量産化に優れたIBCプロセス(従来から用いている、チューブ拡散技術と電極の印刷技術)によって形成した。
実効変換効率 25.04%
※セルの全面積を測定対象とした。
測定・認証 JET(日本電気安全環境技術研究所)が行った。


実用面積と同等のセルとしては、カネカ社が2016年にヘテロ接合型セル(180cm2)での変換効率26.33%を発表していましたが、今回のTrina社の成果により、単接合型セルでもいよいよ、セル変換効率25%台に突入したようです。

また今回のセルは、その製造に目新しい手法は全く用いていない模様であり、その点で、単なる数値の記録の更新だけでなく、早期の量産段階への適用も、期待できるのではないでしょうか。

もう一点、今回の記録の測定・認証は(欧州ではなく)日本の機関が行ったのが、珍しい印象ですが、これは日本市場におけるイメージや信頼性、親しみやすさのアップを図る狙いも有るのでは、と想像するものです。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー 大面積IBC単結晶シリコン太陽電池セルで 変換効率25.04%の世界新記録(Trina Solar社、2018/2/14)
http://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/wed-02142018-1800
[2]技術解説 ブラックソーラー(シャープ、2011/12)
http://www.sharp.co.jp/corporate/rd/38/pdf/103_06.pdf
[3]半導体Si基板の高品位化に関する基礎研究(岡山県立大学)
http://www-apl.c.oka-pu.ac.jp/kenkyunaiyolink2.html
[4]チョクラルスキー法(ウィキペディア)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | セル