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2023年05月04日

ネクストエナジー社が積雪150cmまで対応のソーラーカーポート「Dulight150」を販売開始、補強梁の追加や柱を増加し、両面発電モジュールを採用

ネクストエナジー社が2023年4月21日に、

  • 積雪150cmまで対応できるソーラーカーポートDulight150」を、同日から販売する。

と発表していました[1]。

「Dulight150」の主な特徴は次の通り。


耐荷重をアップ 太陽電池モジュールの大型化が進む中で、ネクストエナジー社の経験を活かし、モジュールの下(裏面発電に支障が少ない位置)に補強梁を追加。
さらにも、前後方向の本数(※従来製品は2本)を3本にし、カーポート全体の耐荷重性能も高めた。
両面発電の太陽電モジュールを採用 発電量を向上。
また積雪時にも、裏面(屋根の下面)で発電できる。
1台用」も用意 従来製品には無かった「1台用」を、ラインナップに加えている。
(※ラインナップは、1〜4台用の計4種)
発電容量 3.54kW(1台用)〜10.62kW(4台用)
(※太陽電池モジュール1枚の公称最大出力は590kW)


住宅の屋根用ではないとはいえ、一般住宅用の設備で、1枚約600Wの太陽電池モジュールが普通に採用されていることに、驚きました。
この出力の大きさは、両面発電型であることにもよるとは思いますが、モジュール大型化のトレンドが、垣間見える気がします。

また、最も小さい「1台用」(約5m×3.6m)でも3.54kW、という容量には、太陽光発電の設置場所としての、カーポートの持つポテンシャルが感じらます。

ひとつ気になったのは、屋根の前後方向に勾配が設けられていることです。

[2]に掲載の図面によると、「Dulight150」の1台用の場合、屋根の前後の端(水上と水下)の高さの差は、約40cm。
奥行約5mで0.4mの差であり、結構な勾配だと感じます。

この勾配だと、ある程度積雪がある場合に、(例えば晴れた日の昼間に)気温が少し上がってきた際、滑りやすい太陽電池モジュール上を、積雪がザーッと滑り落ちることがないか、というのは気になるところです。
(住宅や歩道、道路に近接して設置される設備なので、猶更)


※参照・参考資料:
[1]積雪150cmに対応したソーラーカーポート「Dulight150」を4月21日に販売開始(ネクストエナジー社、2023年4月21日)
https://www.nextenergy.jp/information/230421/
[2]Dulight 公式サイト
https://pd.nextenergy.jp/special/dulight/

※関連記事:

2023年03月13日

成田国際空港が2045年末までに計180MWの太陽光発電設備導入を計画、脱炭素化・競争力強化の一環

  • 成田国際空港株式会社NAA
  • 東京ガス

の2社が2023年2月20日に、

  • 成田国際空港内への、180MW太陽光発電設備の導入計画

を発表していました[1][2][3]。

その主な内容は次の通り。


<背景・目的>

  • 成田国際空港では
    • 航空需要の増大
    • 旅行者の増大
    • 国際的な空港間競争
    に対応するため、大規模な機能強化に取り組んでおり、
    • 空港施設で使用するエネルギーや業務用車両から排出するCO2を、2050年に実質ゼロにする。
    との目標を掲げている。
    この実現に向けた取り組みの一つとして、段階的に太陽光発電設備を導入する。

<太陽光発電設備の計画>

太陽電池パネル
の設置場所
空港内の
  • 滑走路のそばの土地
  • 建物の屋根・屋上
等。(設置ポテンシャルは約200ha)
太陽電池パネル
の導入量
  • 2030年度末まで:75MW
  • 2045年度末まで180MW
と、段階的に導入する。
発電電力量
の見込み
一般家庭約7万世帯分の年間使用量に相当。
(※成田市の世帯数は、2023年2月末時点で約6万4000[4])
事業者 株式会社「Green Energy Frontier」が担う。
同社は、NAAと東京ガスの出資により設立され、
  • NAAが保有するエネルギー供給設備(特高受電設備、熱源設備など)の引き継ぎ
  • 東京ガスグループが持つ
    • 大規模エネルギープラントの建設・運営ノウハウ
    • 脱炭素に関する技術(大規模太陽光発電、「e-methane」等)
    の活用
により、今回の脱炭素化事業に取り組む。


計180MWという規模に、最初にこの発表を聞いたときは率直なところ「本当に実現可能なのか?」と疑念を持ちました。

しかし今回のケースでは、太陽電池パネルはあくまで空港内に設置するものであり、また空港の利用増加による差し迫った「脱炭素化」(=競争力の強化)実現の必要性[3]という事情があることから、事業の推進と実現の可能性は低くないものと考えます。

ただし、空港内へのパネル設置(しかも滑走路の近くも多い)となると、航空機の運行に支障が起こらないように、太陽光の反射に対する対策が、極めて重要になると思われます。

その点において、約9年前(2014年)に導入済みの関西国際空港での太陽光発電設備(11.6MW)では、反射光を抑えた太陽電池パネル(ソーラーフロンティア社製)が採用されていました[5]が、今回の成田国際空港ではどのメーカー製のどのような製品を採用することになるのか、興味を引かれるところです。

ともかく、日本を代表する空港の一つに、大規模な太陽光発電設備が導入され、実際に空港の脱炭素化に大きく寄与することになれば、太陽光発電自体が一般の人々にとって更に身近な存在になっていくことにも繋がると思います。

また、空港がある成田市の全世帯の使用電力量を、明確に超えるだけの電力量を発電できる見込み、という点にも大きなロマンを感じるので、実現はまだ先のことですが、是非とも期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]「株式会社 Green Energy Frontier」の設立・事業開始について(成田国際空港株式会社、2023年2月20日)
https://www.naa.jp/jp/docs/20230220_jigyokaishi.pdf
[2]同上(東京ガス、同上)
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20230220-03.html
[3]Green Energy Frontier 設立記者会見(成田国際空港・東京ガス)(YouTube、アカウント「Travel Online News」の動画)
https://www.youtube.com/watch?v=jRKM12LnUOo
[4]人口・統計(成田市)
https://www.city.narita.chiba.jp/shisei/page060600.html
[5]太陽光の反射を抑えたメガソーラー、関西国際空港の滑走路脇に完成(スマートジャパン、2014年1月28日)
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1401/28/news017.html

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2023年02月14日

クレーンメーカー「タダノ」が多度津工場(香川県)に太陽光発電設備(606.8kW)を導入、年間消費電力量の32.2%を賄える見込み

建設用クレーン等のメーカー「タダノ」が2023年1月26日に、

  • 自社の多度津工場(香川県[2])において、Daigasエナジー社とのPPAによる太陽光発電設備を完成させた。

と発表していました[1]。

設備の概要は次の通り。


太陽電池パネルの容量 606.8kW
発電電力量の想定 年間約66.5万kWh
上記のうち自家消費量 年間約54.3万kWh
(※多度津工場の年間消費電力量の32.2に相当)
PPAの形態
  • Daigasエナジー:太陽光発電設備を設置・所有する。
  • タダノ:20年契約で発電電力を買い取り、工場で消費する。
発電開始時期 2023年1月


今回のタダノ社の発表[1]には記載されていませんが、この導入にあたっては、Daigasエナジー社の産業設備向けサービス「D-Solar」[3]を採用しているものと推測します。

このサービスでは、発電電力はあくまで自家消費をメインの用途としている模様。
今回の多度津工場でも、太陽光発電により消費電力量の約1/3を賄える見込みとなり、これにはなかなかのインパクトを感じました。

ただし、今回の設備によるCO2排出量の削減効果の見込みは、タダノ社の国内事業所全体では1.5%相当[1]とのこと。
そのため、全社の電力需要に占める(今回の太陽光発電設備による)電力自給の割合も、現状では微々たる規模だとは思われます。

しかし、電気料金が高騰している最近の状況もあるので、今回の設備の有効性(コスト削減の効果など)によっては、同様の方式による他の拠点への太陽光発電導入も、進められるものと想像します。

クレーンメーカーとして著名であり、「Tadano Green Solutions」[4]を掲げているタダノ社が、今後どこまで太陽光発電設備を導入することになるのか、興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]タダノ多度津工場で消費電力の30%をカバーする太陽光発電設備が完成(タダノ社、2023年1月26日)
https://www.tadano.co.jp/news/2023/230126.html
[2]生産拠点(タダノ社)
https://www.tadano.co.jp/company/productionsite/index.html
[3]太陽光発電(D-Solar)(大阪ガス社)
https://ene.osakagas.co.jp/product/power/services/dsolar.html
[4]Tadano Green Solutions
https://tadanoworld.com/en/tgs/

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2023年02月08日

東芝が住宅用太陽光発電システムの新規販売の終息を発表、アフターサービスはエクソル社に移管

東芝が2023年2月3日に、

  • 日本国内における東芝ブランドの住宅用太陽光発電システムの新規販売を、終息する。

等と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景・理由>

  • 東芝では2010年に、住宅用太陽光発電システムの販売を開始した。
  • 日本国内の太陽光発電市場は、2012年の固定価格買取制度(FIT制度)導入以降に急拡大。
    しかし多数のメーカーの参入により、競争も激化している。
  • 東芝では、今後の事業戦略を総合的に検討した結果、今回の決定に至った。

<住宅用事業の今後の予定>

  • 新規販売終息する。
  • アフターサービス業務
    2023年3月15日以降は、エクソル社に譲渡し、同社とその子会社がアフターサービスを継続する。

<その他、太陽光発電システム事業の方針>

今後は、下記の事業に注力する。
  • 産業用太陽光発電事業:
    太陽光発電所のワンストップソリューション(建設〜保守)を提供していく。   
  • 次世代太陽電池:
    • タンデム型太陽電池
    • フィルム型ペロブスカイト太陽電池
    の開発・実用化を目指す。


東芝のウェブサイトによると、同社の住宅用太陽光発電の納入実績は、10万戸以上[2]。

いっぽう資源エネ庁のコンテンツによると、日本国内における「太陽光・住宅用(10kW未満)」の「導入量」は、2022年6月末時点で約300万件[3]。

これらから、国内の住宅用太陽光発電の件数における東芝のシェアは、ざっくり約3%と考えられます。

振り返ると、同社の住宅用システム市場への参入前には

とのシェア目標が報じられていました。

しかし、米SunPower社製の高効率な太陽電池モジュールをもってしても、市場でコストダウンが急速に進む中では、高いシェアの獲得は、難しかったのかもしれません。

今後継続する事業分野においても、厳しい市場環境が続くものと思いますが、個人的にはタンデム型太陽電池について、電気自動車の使用電力をかなり賄える見込みが試算されている[4]ことから、EVの自給自足用電源というある種の夢を実現することができるか、是非とも期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システム事業のアフターサービス業務の移管について(東芝、2023年2月3日)
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2023/02/news-20230203-01.html
[2]太陽光発電(東芝)
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/renewable-energy/products-technical-services/solar-power.html
[3]再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 情報公表用ウェブサイト
https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfoSummary
[4]高効率・低コスト・高信頼性タンデム型太陽電池の実現に向け透過型Cu2O太陽電池の世界最高発電効率を更新(東芝、2022年9月27日)
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/22/2209-02.html

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2022年11月02日

シャープ社の屋内光発電デバイス「LC-LH」は、発電効率がアモルファスシリコン太陽電池の2倍、また液晶工場での生産が可能

シャープ社が2022年10月17日に、

  • 同社の屋内光発電デバイスLC-LH(Liquid and Crystal Light Harvesting)」が、「CEATEC AWARD 2022」の「経済産業大臣賞」を受賞した。

と発表していました[1]。

その中から「LC-LH」の概要をまとめてみました。


構造
  • 色素増感太陽電池
  • 液晶ディスプレイ技術
を組み合わせている。
特徴
  • 高い発電効率:
    一般的なアモルファスシリコン太陽電池(時計、電卓などに使用)の、2(照度500ルクスの屋内環境下)。
想定用途の例
  • 電子棚札やビーコン
  • ヘルスケアや環境関連のセンサ
  • 各種リモコンやモバイルバッテリー
  • 使い捨て電池からの置き換え(廃棄物の低減)
生産
  • 2023年度に開始予定(液晶工場の設備を活用)


単純に考えて、同じ環境下・使用条件下で発電電力が従来の2倍になる、ということであれば、小型機器用の太陽電池として、極めて大きい性能アップだと思います。

[3]に掲載されているCEATECでの写真を見ると、消費電力が少ないE-Ink使用のデバイスとはいえ、それほど大きくない「LC-LH」一つで、結構大きいディスプレイ(電子書籍端末ぐらい?)や、複数個のスーパー用棚札が動作しており、発電能力の高さが伺えます。

また生産については、液晶ディスプレイの工場・設備でそのまま行え、生産コストの大幅なダウンが見込まれる[2][3]とのことで、液晶におけるシャープの強みが、太陽電池デバイスの生産に直接的に生かされる、というのが非常に意外でした。

いっぽう太陽電池が色素増感型なので、耐久性や寿命がどの程度なのか、という点が気になりますが、直射日光や風雨・風雪に晒されない屋内専用ということであれば、十分実用に足る、ということかもしれません。

個人的には非常に久しぶりに、日本の太陽電池メーカーによる(海外をリードするような)先進的な技術・製品を見せられた思いがするので、生産開始後には是非とも広く普及し、利用・活用が進んでほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]屋内光発電デバイス『LC-LH』が「CEATEC AWARD 2022」の『経済産業大臣賞』を受賞(シャープ社、2022/10/17)
https://corporate.jp.sharp/news/221017-a.html
[2]CEATEC AWARD 2022 総務大臣賞・経済産業大臣賞・デジタル大臣賞・部門賞 決定(CEATEC、同上)
https://www.ceatec.com/ja/news/info_detail.html?id=35
[3]液晶の強みを活かしたシャープの新技術のCEATECで見た(週刊アスキー、2022/10/18)
https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/109/4109286/

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2022年09月26日

ネクストエナジー社のソーラーカーポート「Dulight」「TM2 Dulight」が「飛び火認定(DR認定)」を取得、建築確認申請を簡素化

ネクストエナジー社が2022年9月16日に、

  • 屋根材に両面発電の太陽電池モジュールを採用しているカーポート商品 「Dulight」「TM2 Dulight」で、飛び火認定DR認定)を取得した。

と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

  • 「Dulight」「TM2 Dulight」は、販売開始から約2年が経ち、
    • 住宅
    • 工場
    • 病院
    • 空港
    などでの需要を得ている。
  • 建築基準法では、建物が密集した地域の建築物に、一定の耐火性能を要求している。
    このためソーラーカーポートにおいては、建築確認申請の際、耐火特性に対する説明に、時間と手間がかかっていた。
  • ネクストエナジーは上記の申請手続きを効率化するため、昨年(2021年)に、カーポートのDR認定を取得していた。
    今回は更に、今後のモジュールの大型化も見据えて、飛び火認定(DR認定)を取得した。
  • 今回のDR認定取得により、建築基準法上の
    • 防火地域
    • 準防火地域
    • 第22条指定地域
    において、建築確認申請の簡素化が可能になった。

<その他>

DR認定の対象 カーポートの屋根材
(モジュール単体での認定では無い。)
認定の取得年月日 2022年8月25日


「飛び火認定」や「指定地域」については全く知らなかったので、検索してみたところ、下記の解説が見つかりました。

飛び火認定 [2]より引用。
「屋上防水に関連する建築資材は、隣家で発生した家事による延焼を防ぐ観点から、火の粉が飛んできた場合にも一定時間耐えうる 「飛び火」についての技術的基準が規定されています」
法22条区域 [3]より引用。
  • 「建物の屋根を不燃材料で造り、または葺かなければならない区域」
  • 「不燃材料は、加熱開始後20分以上のあいだ、燃焼しない、防火上有害な変型・溶融・き裂その他の損傷を生じない、避難上有害な煙・ガスを発生しないという要件を満たす材料」
  • 「防火地域・準防火地域についても、別途の規定に基づき、法22条区域と同様の制限が適用される」

個人的にはこれまで漠然と、「太陽電池モジュールはかなり燃えやすいのでは?」というイメージを持っていました。

そのため、飛んできた火の粉への耐久性能はまだしも、炎で直接焙られた場合に太陽電池モジュールがどれだけ耐えられるものなのか?(=モジュールは「不燃材料」に認められ得るのか?)という疑問が湧きました。

そこで、東京消防庁が2014年に発表していた「PVモジュール燃焼実験」の結果[4]を見返したところ、最も条件(火の強さ、加熱時間の長さ)が厳しい「大火災」でも、可燃物(バックシート、封止材)の燃焼が終わると、横方向への延焼は起こっていませんでした。

加えてこの燃焼実験は、通常の太陽電池モジュール(裏面がバックシート)を用いたものであり、カーポート「Dulight」「TM2 Dulight」に用いられている両面発電型モジュール(裏面もガラス)では、更に格段に燃え難いことが想像されます。

また[4]では、太陽電池モジュール自体から発火する可能性は小さいことにも言及されており、火災に対する太陽電池モジュールのこれらの一般的な特性が、「Dulight」「TM2 Dulight」が認定された耐火性能にも繋がっているのでは、と考えます。

ともかく、「太陽電池モジュールは非常に燃えやすい」という私のイメージは、間違いだったようです。
(火災時の消火活動で水などをかけた際の、感電の危険性と混同していた模様)


※参照・参考資料:
[1]屋根材一体型カーポート「Dulight」「TM2 Dulight」の飛び火認定(DR認定)を取得(ネクストエナジー社、2022/9/16)
https://www.nextenergy.jp/information/220916/
[2]飛び火認定番号とは何でしょうか?(アーキヤマデ社)
https://www.a-yamade.co.jp/support/qa/detail/138
[3]法22条区域(建築基準法22条指定区域)(三井住友トラスト不動産)
https://smtrc.jp/useful/glossary/detail/n/3905
[4]太陽光発電設備に係る防火安全対策の検討結果 第5章〜第6章(東京消防庁)
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-yobouka/sun/repo_03.pdf
(※「https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-yobouka/sun/index.html」内。)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 火災

2022年06月14日

シャープ社の住宅向け新モジュール「NU-375KH」は、セル大型化とマルチワイヤ技術で出力375W、また「スマートラック ジャイロック」採用で設置できる屋根材を拡大

シャープ社が2022年5月25日に、

  • 切妻屋根に適した住宅用太陽電池モジュール「NU-375KH
を発表していました[1][2]。

その中から、個人的に興味を持った特徴・仕様をまとめてみました。


シャープの
住宅向けモジュール
で最大規模
  • 太陽電池セルの大型化と、
    • バスバー電極の本数増加(電気抵抗の低減)
    • 円形の電極断面形状
    により(マルチワイヤ技術)、モジュール出力を約14%増(従来機種比)。
高島社の架台
スマートラック
 ジャイロック

を標準採用
  • シャープ社の住宅用モジュールで初採用。
    これまで採用していたDC立平架台と合わせて、設置可能な屋根材の種類が広がった。
出力、サイズ等
  • セルの種類:単結晶シリコン
  • 公称最大出力:375W
  • 質量:21.5kg
  • 外形寸法:幅1755mm×奥行1038mm×高さ40mm


シャープ社の住宅用モジュールでは、約9か月前(2021年8月)の「BLACKSOLAR ZERO」[3]以来となるプレスリリースでした。

ただ9本バスバーについては、その「BLACKSOLAR ZERO」で既に見受けられます。

またハーフセル技術(同じく「BLACKSOLAR ZERO」で採用済み)も、今回の「NU-375KH」の画像から用いられていることが見受けられますが、プレスリリースや製品紹介ページ[2]で全く言及がありません。

シャープ社製住宅用モジュールにおける、これら2技術の採用発表は、「BLACKSOLAR ZERO」の前の(2021年3月発表の)「NU-259AM」「NU-259HM」が最初だったと思いますが、もはや当たり前の技術になっている、ということかと思われます。

また、セルの大型化を含めて、海外メーカーが先行してきた技術に、シャープ社もきっちり追いついている、ということかもしれません。


また「スマートラック ジャイロック」については、シャープ社はなく他社の技術ですが、製品紹介サイト[4]の内容(実際の作業手順など)が非常に詳しくて興味深く、また説得力を感じます。


※参照・参考資料:
[1]設置面積の大きい切妻屋根に適した大型・高出力モデル 住宅用単結晶太陽電池モジュールを発売(シャープ社、2022/5/25)
https://corporate.jp.sharp/news/220525-a.html
[2]太陽電池モジュール NU-375KH(同上)
https://jp.sharp/sunvista/solar/module/375kh/
[3]住宅用太陽電池モジュール「BLACKSOLAR ZERO」4機種を発売(同上、2021/8/20)
https://corporate.jp.sharp/news/210820-a.html
[4]スマートラック ジャイロック(高島社)
http://www.smartrack.jp/

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2022年06月07日

オランダの住宅用太陽光発電(12kWp、屋根5面に設置)が、Tigo energy社の製品により、発電電力量を約30%増加

もう2ヶ月ほど前になってしまいますが、Tigo energy社が2022年4月8日に、

  • 自社製品の導入により、住宅用太陽光発電の発電電力量を30%増加できた事例

を発表していました[1]。

設備などの概要は次の通り。


<太陽光発電設備>

パネルの設置場所 オランダの北ホラント州の住宅屋根
向きが異なる5面に設置。
 各面が1アレイで、パネルの枚数も異なる
設置者 「NL HDG Energie Advies」のエネルギーコンサルタントの方。
(住宅所有者であり、設計・設置も自身で担当)
発電容量 12.1kWp

<導入したTigo社の製品と機能>

  • タイゴTS4-A-Oオプティマイザー
  • クラウド・コネクト・アドバンスト(CCA)データロガー
  • タイゴ・アクセス・ポイント(TAP)アンテナ
を組み合わせており、
  • 緊急遮断
  • モジュールレベルの発電状況の可視化
  • 回収エネルギーの最適化
を実現している。

<発電の実績>

  • 2018年に設置し、その後2年間で5MWhを発電した。
    うち1.5MWhが、TS4-A-Oオプティマイザーにより得られたもの。


[1]の写真ではっきり見て取れるのは、屋根の4面ですが、そのうち3面は日本の寄棟屋根のような形です。(パネルを設置しているのは、南と東・西の面でしょうか?)

また1面は、陸屋根のような場所で、これが最もパネルの設置枚数が多いようです。

ともかく、確かにパネルの設置枚数や方角(陸屋根と寄棟屋根では角度も)は、屋根面によって大きく異なっており、素人目に考えても、システム全体での発電電力量の(時間経過に伴う)変化は、かなり複雑なものになっていそうです。

これだけ挑戦的に思える設備を設計・設置したのは、エネルギーコンサルタントという職業の能力を生かしての意欲的な試み、ということかと想像します。


発電電力量が3割増しとのことですが、よく記事[1]を読むと、それは例えばTigo社製品を導入しない状態での実際の発電実績と比較してのものなのか、明記は残念ながらされておりません。

ただ仮に、通常の発電量予想の数値との比較、ということであっても、30%増は極めて大きなメリットだと思われます。


これだけ顕著な恩恵が、どのような太陽光発電設備でも得られるものなのかどうかは判りませんが、特殊な条件やシステム構成であるほど、Tigo社の製品のようなモジュールレベルでの制御システムは高い効果を発揮する、ということなのかもしれません。

太陽光発電システムの設置可能性を広げる、という意味で、興味深い事例だと考えます。


※参照・参考資料:
[1]タイゴエナジー、オランダの住宅用太陽光発電システムで発電量を30%増加させる(ビジネスワイヤ、2022/4/6)
https://www.businesswire.com/news/home/20220406005037/ja
[2]北ホラント州(ウィキペディア)
[3]NL Energie Advies
https://nlenergieadvies.nl/
[4]TS4-A-O(Tigo energy社)
https://ja.tigoenergy.com/product/ts4-a-o
[5]TAP(同上)
https://ja.tigoenergy.com/product/tigo-access-point
[6]CCA(同上)
https://ja.tigoenergy.com/product/cloud-connect-advanced

2022年01月29日

米Sunpower社は2021年4Qに住宅向け事業が急拡大、買収などで販売可能性を拡げ、受注残は過去最大

Sunpower社が2022年1月20日に、2021年第4四半期の暫定結果を発表していました[1]。

今回はその中から、住宅向け市場に関する情報を抜き出してみました。
具体的には下記の通り。


  • Sunpower社は同四半期に、
    • 事業の買収
    • 顧客獲得マーケティング
    • 設備の設置範囲の拡大
    を通して、新しい市場により深く拡大した。
  • その結果同社は、同四半期にサービス可能市場における世帯数33%増加した。
    一戸建て住宅は1330万戸増加し、機会の合計は5330万戸となった。
  • 住宅需要の強さは続いており、2022年に入ってSunPower社の受注残は、同社史上で最大となっている。
    レトロフィット顧客が約1万3000新築顧客のパイプラインが6万6000


データの対象となる地域は記述されていませんが、Sunpower社が昨年(2020年)発表していたMaxeon Solarとの分社計画の内容から、北米市場(米国とカナダ)における数字と考えられます。

カナダは判りませんが、米国については2020年の総世帯数が1億2680万[2]なので、住宅向けのサービス可能市場における合計機会5330万戸という数字は、北米全体でみても、結構な割合を占めているものと想像します。

Sunpower社は昨年10月に、米Blue Raven Solar社の買収を発表しており[3]、これにより米国北西部や中部大西洋岸地域など、これまでSunpower社の浸透が少なかった地域での販売が、かなり強化された模様です。
具体的には、Blue Raven社は14の州で同社の販売・設置の90%以上を行っている一方で、同地域でのSunPower社の売上は同社全体の約5%に留まっていたとのことで、買収による事業強化の効果の大きさが想像されます。

とは言え、米国での新築住宅着工件数は2021年10月に152万件[4]であり、これをSunpower社の新築顧客の現在のパイプラインの規模(6万6000件)と比較すると、販売拡大の余地は相当に大きいものと推測します。

加えて今回の発表では、(上記には書き出しませんでしたが)住宅事業に投資を集中するべく、CIS事業の売却を追求しているとも述べられており、上述のデータと合わせて、住宅向けに注力するSunpower社の姿勢を、強く感じました。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Announces Preliminary Fourth Quarter 2021 Results(Sunpower社、2022/1/20)
https://newsroom.sunpower.com/2022-01-20-SunPower-Announces-Preliminary-Fourth-Quarter-2021-Results
[2]2020年米国勢調査分析、過去10年で世帯数の伸び鈍化、米シンクタンク調査(JETRO、2021/10/15)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/875dbaa97e4a5614.html
[3]SunPower Acquires Blue Raven Solar, One of the Fastest Growing Residential Solar Providers in the U.S.(Sunpower社、2021/10/5)
https://newsroom.sunpower.com/2021-10-05-SunPower-Acquires-Blue-Raven-Solar,-One-of-the-Fastest-Growing-Residential-Solar-Providers-in-the-U-S
[4]米住宅着工・許可件数(21年10月)…着工件数は前月から減少、市場予想も下回る一方、許可件数は前月、市場予想を上回る(幻冬舎 Goled Online、2022/1/28)
https://gentosha-go.com/articles/-/38872

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2021年10月18日

ソーラーフロンティア社がCIS薄膜型の汎用太陽電池パネルの生産終了を決定、「次世代型システムインテグレーター」への転換を図る

出光興産が2021年10月12日に、

  • 子会社ソーラーフロンティアにおける「事業構造改革

を発表していました[1]。

その主な内容・方針は次の通り。


<「次世代型システムインテグレーター」への転換>

熾烈な価格競争に陥っている汎用太陽電池パネルの研究・製造に投入している経営資源を、独自性が発揮できる成長分野にシフトする。

発電システム設計
・EPC事業
日本国内でのメガソーラーの適地が不足する中で、従来は太陽光発電設備を設置できなかった場所を開拓するべく、機器・システム・工法の開発を進める。
O&M事業、
発電所評価・リパワリング事業、
太陽電池パネルリサイクル事業
太陽電池パネルの品質評価結晶シリコン系も含む)により蓄積したデータや分析・解析能力を活用し、太陽光発電所をより長寿命化できる
  • O&M
  • 発電所評価
  • リパワリング
等のサービスを開発し提供していく。
また、2024年度には太陽電池パネルのリサイクル事業を開始できるよう、
  • マテリアルの用途開発
  • 必要な許認可の手続き
  • ビジネスモデルの開発
に取り組む。
エネルギーマネジメントシステム事業 太陽光発電をより安定的に使用可能とするべく、
  • オンサイト・オフサイトでの、自家消費用途の太陽光発電システムの開発
  • コーポレートPPA契約による電力供給
  • 太陽光発電設備と電力需要に、更にEVや蓄電池などを組み合わせるシステムの開発
  • 発電量と需要予測の精度向上
等に、既に取り組んでいる。
結晶型太陽電池パネルのOEM調達 汎用型CIS薄膜太陽電池の自社生産体制から、結晶シリコン系太陽電池のOEM調達に移行する。
これに伴い、宮崎県・国富工場におけるCIS薄膜太陽電池の生産を、20226月末を目途に終了する。
(※同工場は今後、次世代型システムインテグレーターに転換していく上での中核的拠点とする)
次世代太陽電池の研究開発 CIS薄膜太陽電池の研究開発を、「出光興産次世代技術研究所」に集約。
CIS型の高付加価値化を目指し、
  • CISの「高放射線耐性」を活かせる宇宙空間用途
  • 電動自動車や通信用ドローン等の移動体への搭載が期待される、タンデム型太陽電池への活用
等の研究開発を進める。


中国メーカーが主導してきた太陽電池パネルの急激な価格低下は、他国のメーカーにおいては強烈な圧力となり、2017年には老舗・独SolarWorld社の経営破綻も起こりました。

日本メーカーについても、近年の業績発表での(太陽電池事業に関する)言及の乏しさから、厳しい状況が想像されてはいましたが、独自技術でCIS薄膜型を手掛けてきたソーラーフロンティア社がその生産終了を正式発表したことには、やはり強く驚かされ、また極めて残念だと感じざるを得ません。

ただ最近はちょうど、太陽電池の素材の主流であるシリコンについて、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働による生産の疑いが出ており、その結果としてシリコン価格・ひいては太陽電池パネルの急激な価格上昇が起こっているとのこと。(例えば[2][3])

そんな状況があるので、シリコンを使わずに済むCIS薄膜型の汎用太陽電池パネルが、いつか復活する可能性もあるのでは・・・と想像しますが、果たしてどうでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア株式会社の事業構造改革について(ソーラーフロンティア社、2021/10/12)
https://www.solar-frontier.com/jpn/news/2021-1012-press.html
[2]ウイグルの強制労働疑惑、太陽光パネル関連工場でも浮上 ⇒ 京セラなど国内3社の対応は?(ハフポスト、2021/7/1)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60da8a30e4b04decb353f1c4
[3]ウイグル問題、太陽光発電に影 パネル主原料5倍に高騰(日本経済新聞、2021/7/4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21EG30R20C21A5000000/