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2017年07月25日

帝国データバンクの「第3回 太陽光関連業者の倒産動向調査」で、2017年上半期の倒産件数は50件(前年同期の2.2倍)

2週間ほど前になりますが、帝国データバンク社が2017年7月10日に、

  • 第3回 太陽光関連業者の倒産動向調査
を発表していました[1]。

この調査は、負債額1000万円以上の「太陽光関連企業」の倒産(2006年1月〜2017年6月)を対象に行われたもの。

今回はその中から、個人的に気になった数字を抜き出してみました。


倒産の件数
  • 2017年1-6月50件(前年同期(23件)の2.2
  • 2006年1月〜2017年6月251
負債の規模、業種
  • 負債額の上位20社に入った件数
    • 2017年1-6月:4
    • 2016年通年:6
      うち、4Q(10-12月)が3件。
  • 上記のうち製造業の件数
    • 2017年1-6月:3
    • 2016年4Q:2


調査対象期間11年半の倒産件数のうち、直近の僅か半年間(2017年1−6月)の件数は、実に約20%に相当。

加えて同期間(2017/1-6)の件数は、前年同期比でも2.2倍と、その増加幅が驚くほど拡大しています。

これらの数字を見ると、国内の太陽光発電市場の減速は、(落ち着くどころか)残念ながら勢いを増していると感じざるを得ません。


倒産件数のグラフ([1]の2p)を見てみると、2015年から伸びが顕著になっていますが、ちょうど同年には、顕在化した電力系統の受け入れ限界に対処すべく「指定ルール」が開始されています。

そして同じ帝国データバンク社が、「太陽光発電システム販売・施工」業者を対象に2014年に行った調査では、売上増・黒字確保の企業が大多数を占めており、FITを背景とした国内市場の好調さが伺えるものでした。

今回発表の調査とは、調査対象の業種が若干異なってはいますが、それでも2つの調査結果を比較することで、やはり2015年を境に、国内太陽光発電市場のトレンドが転換したことが、強く感じられます。


負債額の上位を見ると、11年半の上位20社のうち、今年上半期の件数(4件)がちょうど2割を占めています。

2016年通年との合計(計10件)では、50%にも達しており、倒産の件数だけでなく負債額についても、その規模が拡大傾向にあることが伺えます。

ただこれについては、FIT導入後の市場拡大に伴って、企業の事業規模も拡大していたことが最大の要因では、と推測します。


また負債上位に入った最近(2016年4Q以降)の倒産ケース(計7件)のうち、「製造業」(5件)は約7割を占めています。

[1]内では「産業構造に目に見える変化が生じつつ」あると記述されていますが、国内大手モジュールメーカーの減収減益も続いている中で、この傾向が今後も続くのか否かは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]第3回 太陽光関連業者の倒産動向調査(帝国データバンク、2017/7/10発表)
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p170702.html
[2]横浜の太陽光設備販売「グランツ」に破産開始決定(「不景気ドットコム」、2016/10/26付)
http://www.fukeiki.com/2016/10/grants.html


※関連記事:

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2017年07月24日

日立パワーソリューションズ社が「太陽光発電協調型風力発電システム」を開発、既設のPV設備に後付けして、連系枠の利用率をアップ

日立パワーソリューションズ」社が2017年7月12日に、

  • 太陽光発電設備の連系枠を活用する、「太陽光発電協調型風力発電システム」を開発した。
    また、このシステムを用いるソリューションサービスの提供を開始した。
と発表していました[1]。

サービスの概要は下記の通り。


<背景>

  • 日本国内では近年、FIT開始などにより、再エネ発電が電力系統に大量に連系された。
    これにより多くの地域で、新たな発電設備連系できない状況が生じている。
    その一方で太陽光発電には、その特性から
    • 送電線や変電所利用率低い
    という課題がある。
  • 日立パワーソリューションズ社では
    • 風力発電設備:300基超
    • 出力変動緩和制御型風力発電システム:7ヶ所
    の納入実績がある。
    また、風力発電の長期保守における実績・経験も豊富であり、全国8ヶ所の保守サービス拠点を活用した保守サービスを提供している。
  • 今回の新システムは、
    • 上記の実績やノウハウ・技術
    • 発電出力の予測技術
    を組み合わせて開発した。

<サービスの特徴・内容>

既設の太陽光発電に後付け 太陽光発電設備の連系枠内で、同じ連系点に、風力発電設備を追加設置する。
PVの出力に応じて、風力を制御 合成発電出力(太陽光+風力)の大きさにより、次のように風力発電の出力を制御する。
  • 太陽光発電設備の連系量より小さい場合:
    風力発電はフリー運転
  • 連系量を超えた場合:
    連系量内に収まるよう、風力発電の出力を抑える
発電環境を勘案してのシステム提案 独自の発電シミュレータを用いて
  • 風力発電を追加設置できる量
  • 顧客が求める事業性
  • 予定場所の風況(※風速が大きいほど効果的)
エンジニアリングし、システム提案を行う。
ソリューションサービス
  • 追加設置に必要な各種手続き(環境アセスメント、電力会社との協議、認可申請など)・業務サポート
  • 稼動後の監視・保守サービス
も、合わせて提供する。

<その他>

  • 提供開始時期2017年7月


日照が無ければ発電できない以上、太陽光発電設備の設備利用率・稼働率の低さは、宿命的なものと思われます。

今回発表されたシステムは、言わばその弱点を逆手に取って、風力発電の導入に利用するものであり、その点で非常にユニークな発想だと感じます。


ただこのシステムでは、あくまで太陽光発電の出力を優先するために、風力発電のほうの設備利用率は(単独設置した場合よりも)必然的に低くなると思われます。

そのことが、風力発電への初期投資の回収に支障をきたす可能性は無いのか、というのが、個人的には気になるところです。

もっとも、このシステムの「実現性」は実証試験で確認済みとのことなので、導入予定場所の環境を十分に吟味・検討することで、採算が取れない事態は避けられる、ということなのかもしれません。


そのぶん導入に適する環境は限られそうですが、再エネ導入の新しいかたちの一つとして、このシステムがどれだけ普及しうるのか、強く興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]日立パワーソリューションズが太陽光発電協調型風力発電システムを開発(日立パワーソリューションズ社、2017/7/12発表)
http://www.hitachi-power-solutions.com/news/data/news20170712.pdf
[2]稼働率(日経テクノロジーonline、2013/10/20付)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20131020/310001/

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2017年07月23日

東芝三菱電機産業システムが直流1500V・容量3.2MWのパワコン「SOLAR WARE 3200」を発売、米国市場向け

東芝三菱電機産業システム社が2017年7月18日に、

  • 直流1500V・容量3200kWの太陽光発電用パワコンを発売した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


商品名 SOLAR WARE 3200
開発の背景 米国市場では、太陽光発電の
  • 大容量化
  • コスト競争
が進んでいる。
今回の製品は、そのニーズに応えるべく開発された。
主な特徴
  • 世界最大クラスの容量:
    最新型のIGBTを用いることで、単機容量3200kWを実現した。
    これにより、
    • パワコンの設置台数の削減
    • 建設コストの低減(周辺機器の集約、工事工数の削減)
    との効果が期待できる。
想定市場 米国向け
設置環境 屋外


個人的には、直流1000Vの本格採用はつい最近のこと、というイメージがあったので、もはや次の1500V用のパワコンが製品化・発売されている(しかも日本のメーカーによる)ことには驚きました。


DC1500Vの太陽光発電所というと、約3年前にFirst Solar社とGE社が開発で提携していました。

私はその後の動きは追っていませんでしたが、TMEIC社のプレスリリース[1][2]を見ると、どうやら順調に実用化され、実際のプロジェクトでの採用も進んでいるものとみられます。


とは言え、TMEICにおける直流1500Vのパワコンは、最初の機種(SOLAR WARE 2500)の発売が今年の4月[2]であり、まだまだ新しいカテゴリとも見受けられます。

大規模太陽光発電所において今後、更に高電圧化が進むのかは判りませんが、当面は1500Vが主流となるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]世界最大クラスの太陽光発電システム用パワーコンディショナを販売開始(東芝三菱電機産業システム社、2017/7/18発表)
http://www.tmeic.co.jp/news_event/pressrelease/2017/20170718.pdf
[2]国内メーカー初の1500Vdc機種 2500kW屋外型パワーコンディショナを4月から販売開始(同上、2017/2/17発表)
http://www.tmeic.co.jp/news_event/pressrelease/2017/20170217.pdf
[3]太陽光発電システム用 1500V系パワーコンディショナを開発・販売開始(同上、2017/5/29発表)
http://www.tmeic.co.jp/news_event/pressrelease/2017/20170529_1.pdf
[4]屋外型大容量パワーコンディショナのラインナップを充実 1500Vdc-1250kW他、2機種を同時に販売開始(同上、2017/6/29発表)
http://www.tmeic.co.jp/news_event/pressrelease/2017/20170629.pdf
[5]1500V対応パワコンで変わる太陽光発電、コスト削減にメリット(スマートジャパン、2017/7/19付)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1707/19/news037.html

※関連記事:

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2017年07月18日

山形県の大石田町で100MWの太陽光発電所が計画、積雪対策を複数講じる予定

2017年7月13日の「河北新報」の記事[1]で、

  • 山形県大石田町内で、100MW太陽光発電所の建設が計画されている。
と報じられていました。

この記事の中から、発電所に関する主なデータ等を抜き出してみました。


建設場所 大石田町西部の次年子地区
敷地面積 計約485ha(うち400haは取得済み)
発電容量 100MW
※太陽電池モジュールは、上記敷地のうち約3割に設置する。
発電電力量 10万kWh/年の見込み。(全量を東北電力に売電)
開発
  • ソネディックス・ジャパン(米Sonnedix社の日本法人)
  • ユニバージー社
が共同で行う。
スケジュール予定
  • 2018年内:着工
  • 2020年:稼動開始
その他 積雪対策
  • 通常の除雪
  • 架台の高さ(約1.5mとする)
  • 太陽電池モジュールの角度20〜30度にする)
  • 自動で雪を落とす機器の設置
を検討している。
これらについては、次の冬から実証実験を行う予定。


485haという敷地面積の規模に驚きますが、個人的には静岡県・伊東市でのケース(市議会がメガソーラー計画(約50ha)への「断固反対」を決議)が記憶に新しいので、今回のプロジェクトに対して地元説明会で反対意見が特に出なかったというのは、非常に意外に感じました。

開発予定地の状況は判りませんが、(山林の大規模な伐採などが必要ない)あらかじめある程度開けた土地、ということなのかもしれません。


太陽電池モジュールの設置が、敷地面積の3割程度というのは、私(北海道在住)が普段目にしている野立ての太陽光発電所と比べると、かなり少ない印象です。

また1MWあたりの敷地面積を計算しても、約485[ha]/100[MW]=約4.85ha/MWであり、当ブログでこれまでチェックしてきた発電事業(1MWあたり1ha台の後半〜3ha)と比べて、やはり明らかに面積が大きいです。

建設予定の地域は、積雪が3mにも達するとのことなので

  • 雪の置き場の確保
  • 架台間の十分な間隔の確保(他モジュールへの日影の防止、除雪作業スペースの確保など)
といった、雪への対策を考慮した結果、必要な面積が膨らんだ、ということかもしれません。


Sonnedix社は東北地方で、他にも数十MW規模のプロジェクトを複数開発中[2]であるものの、稼動済みの設備はまだ無い模様[3]。

今回の大石田町で採用する積雪対策が有効であれば、他の東北でのプロジェクトにも用いられると思われますが、日本の「特別豪雪地帯」[8]で米国の事業者が関わる大規模メガソーラー事業において、果たしてどのような(コスト面の合理性も満たす)手法が確立されるのか、強く興味を惹かれるところです。

もっともコストの合理性については、[1]で記載されていない売電額(円/kWh)が幾らかによっても、大きく変わってくるとは思いますが。


※参照資料:
[1]<メガソーラー>100MW 国内最大級施設建設へ(河北新報、2017/7/13付)
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170713_53009.html
[2]建設中/各種準備手続中(Sonnedix社)
http://www.sonnedix.jp/power-plants/list-of-plants/%e5%bb%ba%e8%a8%ad%e4%b8%ad%e5%90%84%e7%a8%ae%e6%ba%96%e5%82%99%e6%89%8b%e7%b6%9a%e4%b8%ad/?lang=ja
[3]稼働中/設備導入完了(同上)
http://www.sonnedix.jp/power-plants/list-of-plants/%e7%a8%bc%e5%83%8d%e4%b8%ad%e8%a8%ad%e5%82%99%e5%b0%8e%e5%85%a5%e5%ae%8c%e4%ba%86/?lang=ja
[4]大石田町(ウィキペディア)
[5]北村山郡(同上)
[6]メガソーラー計画、事業者の説明まだ 大石田町長「話聞いて賛否判断」(山形日報、2017/6/7付)
http://yamagata-np.jp/news/201706/07/kj_2017060700117.php
[7]ユニバージー75合同会社の詳細(「法人.info」内)
https://www.houjin.info/detail/4013303002765/
[8]豪雪地帯(および特別豪雪地帯)の指定地域(ウィキペディア「豪雪地帯」内)

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2017年07月17日

パナソニック社の太陽光パネル事業が海外重視に方針転換、2019年度以降の販売比率の目標は海外:国内=9:1

2017/7/10付の「産経WEST」の記事[1]で、

  • パナソニック社の太陽光パネル事業今後の方針
が報じられていました。

この記事は、同社内「エコソリューションズ社」の副社長で「国内外の太陽光パネル事業の最高責任者」の方に、取材したものとのこと。

今回はその中から、主な情報を抜き出してみました。


<背景>

日本市場の縮小 日本国内ではFITの見直し等により、太陽光発電設備への投資意欲が減退し、市場が縮小している。
これにより、パナソニック社の太陽光パネル事業も、2017年3月期は営業利益が赤字に転落した。
海外での需要増や、新しい生産拠点 他方で海外では、下記の状況がある。
  • アジア(インド中心)・トルコ等における産業用での需要増:
    パナ社のHITパネルが持つ
    • 高い変換効率
    • 熱に対する強さ
    との長所による。
  • 米国での太陽電池工場の稼動予定:
    Tesla社との共同事業。

<今後の方針・目標>

海外重視に転換 海外での売上を伸ばすため、
  • アジア・中東・欧米の事業体制(営業拠点、人員)の強化
  • マレーシア工場(アジア・中東向け等を生産)の生産効率アップ
に取り組む。
これにより、国内:海外の販売比率(2015年度は9:1)を、2019年度以降は1:9に逆転させる。
国内拠点は「最大限活用」 日本国内の生産拠点(4ヶ所)は、当面は移転・閉鎖する予定は無い。
「最大限活用する方法を考える」


この件はパナ社の正式発表ではありませんが、記事[1]では取材先の方の氏名・役職が明記されているので、確実な情報と思われます。


同社は2年前(2015年5月)には国内外の両方での、住宅・非住宅の「屋根置市場」の伸びを予想し、国内2工場の増強さえ発表していました。

しかしその後、日本国内では太陽電池モジュールの需要減少が止まらず、2016年7月には二色の浜工場の生産再開延期を示唆

そして2016年度は、国内住宅用の市場縮小を受けて、「エコソリューションズ」セグメントは売上高が前期比3%減、営業利益が同18%減となっています。

JPEAの出荷統計(2016年度4Q)で唯一横ばいとなっている「一般事業(500kW未満)」向けを除いて、国内の「屋根置市場」についてのパナ社の読みは、完全に外れたものと感じられます。


いっぽう海外では、(中国メーカーを中心に)モジュール価格の低下が著しく、例えば米国では2016年に中国製パネルの価格が40〜55セント/Wという水準。

その中でパナ社の製品が、果たして目論見どおりに販売を伸ばしていけるのか、というのはやはり気になるところです。


ただし米国カリフォルニア州の「分散型用」では、2016年のモジュールシェアの1位・2位が、高性能・高品質を長所とするメーカー(米SunPower、独SolarWorld)だったとのこと[3]。

このように販売地域や用途によっては、単なる低価格優先になっていないことから、パナソニックが自社製品の長所を活かすことで、シェアを拡大していける可能性は、あるのかもしれません。


※参照資料:
[1]パナソニック、太陽光パネル事業を海外で強化 販売比率9割に 平成31年度以降(産経WEST、2017/7/10付)
http://www.sankei.com/smp/west/news/170710/wst1707100024-s1.html
[2]役員一覧(パナソニック社)
https://panasonic.co.jp/es/company/board/
[3]米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強(日経テクノロジーオンライン、2017/4/10付)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/040600045/?ST=SP

※関連記事:

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2017年07月10日

静岡県の伊東市議会が、市内でのメガソーラー計画(約50ha)に対し「断固として反対」を決議、自然破壊に対する地域の不安が払拭されず

静岡県・伊東市の議会が2017年7月4日に、

  • 市内の八幡野区で計画されている「伊豆高原メガソーラーパーク発電所(仮称、敷地面積約50ha)」に対し、断固として反対する。
等と決議したことを発表していました[1]。

ここでは、その中で挙げられている反対の理由を抜き出してみました。


土地の保水力低下 広大な森林・草地を伐採するため、保水力が低下し、
  • 土砂災害の発生リスクの上昇
  • 降雨時の泥水による川・海の汚染(漁業やダイビングスポットへのダメージ)
が懸念される。
地域の気候への影響 太陽電池パネルで覆われた土地については、
  • パネルからの反射光により、都会以上に温度が上昇し、ヒートアイランド化が進む。
と言われている。
動植物の生息環境への影響 森林・草地の開発によって、動物(猿、猪、鹿など)の人里への侵入(それによる農作物への被害など)が懸念される。
「伊豆半島ジオパーク」の認定への影響 建設予定地はジオサイトに近接しており、伊豆半島全体で目指している「伊豆半島ジオパーク」の世界認定に及ぼす影響が、懸念される。


この件について私は、事業者側・反対者(住民)側のどちらにも賛同するつもりはありません。

ただ反対運動のサイト[3]を良く見ていくと、地域の外から来ている事業者が、その地域に長く住んで深く馴染んでいる住民から、このような大規模事業への賛同を得ることは、極めて難しいことだと強く感じます。


これが例えば、既に開発済みであるゴルフ場の跡地などを利用するものであったり、或いはずっと小さい規模の事業計画であったなら、さほどの反対は無かったのかもしれません。

しかし今回の計画は、深い山の中で50haもの森林を新たに伐採して切り開くものです。

この規模だと、よほど建設予定地域の環境を熟知していて、開発により生じる影響・変化を精確に見切れない限り、事業者が十分な説得力を発揮して、地元住民の理解を得ることはできないのではないでしょうか。

そしてそれは、極めて困難なことだと考えます。


海外では、数十〜数百MW規模の太陽光発電所が多数あり(例えばFirst Solar社が関わるもの)、更に今では中東で1GW超のプロジェクトまで出現しています。

しかし日本国内の環境において、海外と同じような「規模の追求」を進めていくのは、非常に大きな無理が生じると考えざるを得ません。


最後に、今回の反対理由の一つに挙げられている、パネルの反射光による「深刻なヒートアイランド化」への懸念ですが、FITにより国内でメガソーラーが多数稼動している現在では、調査を行えば正確な実態が判明するのではないでしょうか。

これは個人的にも強く気になる点なので、何らかの形で調査が行われ、明確なデータや知見が示されることを、期待したいところです。


※参照資料:
[1]伊豆高原メガソーラーパーク発電所(仮称)建設計画等伊東市における太陽発電所建設に伴う開発行為に対する反対決議(伊東市)
http://www.city.ito.shizuoka.jp/gikai/html/(29.6)ketsugi-megasorahatsudensisetuhanntai.pdf
[2]伊東・大規模太陽光発電計画 市議会が反対決議可決(静岡新聞)
http://www.at-s.com/sp/news/article/politics/shizuoka/377013.html
[3]伊東メガソーラー建設の中止を求める会
http://ito-ms.chu.jp/
[4]伊豆半島ジオパーク(ウィキペディア)
[5]伊東市(同上)

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2017年07月07日

「Direct Wafer」採用の太陽光発電施設(500kW)が商業運転を開始、設備のエネルギーペイバック期間は1年未満まで短縮

米「1366 Technologies」社が2017年6月29日に、

  • 自社製「Direct Wafer」を用いた太陽光発電施設(日本国内、500kW)が、商業運転を開始した。
と発表していました[1]。

施設の概要は下記の通り。


場所 兵庫県内
発電容量 500kW
建設 日本のIHIの子会社「IHIプラント建設」が行った。
太陽電池モジュール
  • 中国のTier 1メーカーが製造し、IEC認証を受けている。
  • 「Direct Wafer」は12万枚以上(1366社のデモ施設で生産したもの)を使用した。
その他
  • 「Direct Wafer」の採用により、設備のエネルギーのペイバック期間は、1年未満まで短縮される。
  • 今回の発電所は、米国・ドイツ・日本の試験サイトにおける成功を、基盤としている。
  • 完成セレモニーは、IHI社と1366社が東京で行った。


今回の発電施設の着工は今年3月に発表されていましたが、完成時期も当初の予定通り(2017年2Q内)であり、新技術を導入しながら、建設自体は順調だったことが伺えます。


インゴットを作らずに、溶融シリコンから直接ウエハーを作る「Direct Wafer」では、

  • 製造に用いるエネルギー:従来方式から66%削減
  • 製造にかかるコスト:同・半減
とされています[2]。

いっぽう、通常の結晶シリコン型太陽電池のEPT(エネルギーペイバックタイム)は、2013年時点の情報[3]で「約2年(1.8年)」とのこと。

今回の施設のEPT(1年未満)には、「Direct Wafer」の製造エネルギーの少なさ(従来方式の1/3)が、最も大きく寄与していると考えられます。


建設コストについては、今回の発表では言及されていませんが、これは今回の太陽電池モジュールが正式な製品(量産品)ではないためでは、と推測します。

ウエハーの製造コストが従来方式の1/2となれば、「Direct Wafer」採用のモジュールが製品化された場合、低下が著しい太陽電池モジュールの価格を、更にどの程度引き下げ得るのか、というのは非常に興味を惹かれるところです。


ただし今回の発電施設については、非常に革新的な技術を用いているにも関わらず、IHI社のサイトに発表などが全く掲載されていないのが意外です。

これについてはモジュールと同様に、「Direct Wafer」を用いた商用の発電施設が、(実環境におけるセルの耐久性など)まだ実証試験的な段階と見られているためでは、と推測します。

「Direct Wafer」の本格的な実用化には、まだ年数がかかりそうですが、日本の地でその有効性が実証・確認されていくことを、強く期待するものです。


※参照資料:
[1]1366 Technologies and IHI Corporation Mark Completion of First Commercial Solar Installation to Feature Direct Wafer Products(1366 Technologies社、2017/6/29発表)
http://1366tech.com/2017/06/29/1366-technologies-ihi-corporation-mark-completion-first-commercial-solar-installation-feature-direct-wafer-products/
[2]Technology(同上)
http://1366tech.com/technology-2/
[3]太陽電池の製造に掛かった電力は何年で取り返せる? (スマートジャパン、2013/4/26の記事)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/26/news033_2.html
[4]産業用太陽光発電システム(IHIプラント建設)
https://www.ipc-ihi.co.jp/solar.html

※関連記事:

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2017年07月04日

JinkoSolarが北海道・苫小牧の太陽光発電プロジェクト(38.4MWp+蓄電池10MWh)に太陽電池モジュールを供給、FIT売電額は40円/kWh

JinkoSolar社が2017年6月22日に、

  • 北海道・苫小牧での大規模太陽光発電プロジェクト(蓄電池併設)に、太陽電池モジュールを供給する。
と発表していました[1][2]。

ここでは事業に参加する他社の発表[3]〜[5]と合わせて、発電所に関する主な情報を抜き出してみました。


建設場所 北海道・苫小牧市の美沢
敷地面積 78ha
発電容量 38.4MWp
年間の発電電力量 3700万kWhと想定。
FITでの売電額 40円/kWh
その他の設備 10MWhの蓄電システムも設置する。(出力変動への対応用)
担当企業
  • 投資:
    • 独「Aquila Capital」
    • 「日本グリーン電力開発」
    など。
  • 太陽電池モジュール:JinkoSolar
    2017年7月〜11月に供給する。
  • リチウムイオン電池:LG化学
  • EPCや主要な電気品:富士電機
  • アセットマネジメント:「GI capital management」が担う。
スケジュール
  • 2016年10月:着工
  • 2018年8月:完工、系統連系の予定。


北海道では他に、韓国電力公社などによるメガソーラー(28MW+蓄電システム13MWh)が完成間近ですが、日照条件がそれほど有利とは思えない北海道で、大規模太陽光発電所+大容量蓄電池の組み合わせが相次いで報道・発表されたことには驚きます。
(もっとも各々のプロジェクト自体は、かなり前から動いていたようですが)


北海道での大規模太陽光発電と電力系統の関係を見返すと、用地の豊富さから、早くもFIT初年度(2012年度)にメガソーラー案件が集中し、翌2013年度の早々(2013年4月)には、経産省が対応策(「30日ルール」の緩和、変電所への蓄電池導入の検討)を発表するほどでした。

そして「指定ルール」が始まった2015年には、北海道電力は(当然のごとく)最初から適用対象の事業者となっており、特に早くから、蓄電池を併設する必要に迫られていた地域と言えそうです。


気になるのは経済的に成り立つのか、という点ですが、今回のプロジェクトの売電額は40円/kWhとのことで、税込であれば2013年度の認定分かと思われ、大規模出力の認定権利を、事業者が上手く取得したことが伺えます。

先述の韓国電力公社などによるプロジェクトもそうですが、条件の良い売電の権利を得たことが、大容量蓄電池の導入実現にもつながっているものと推測します。


また太陽電池モジュールの価格を見ると、JinkoSolar製品では1Wあたり60円を切っているケースが、日本国内で(インターネット検索でさえ)簡単に見つかります[7]。

これでは、日本メーカーのシェアが低下する(500kW以上の事業向けで40%台)のは、無理も無いと考えざるを得ません。


もう一点、FITを巡ってはこれまで、「事象者が先に有利な価格の認定を受けておき、モジュール等の価格が下がるまで待つケースが多い」との批判が多く見られましたが、今回のケース(40MW近くのプロジェクトに、約4年前の認定を適用)を見ると、その批判は(残念ながら)かなり当っていたと思わざるを得ません。


以上のように今回のプロジェクトは、国内の太陽光発電産業・市場で浮き彫りになっていた幾つかの重要な問題を、図らずも照らし出しているように感じられます。

とは言えプロジェクトの内容自体は、大規模かつ先進的な取組みであり、完成後は長期に渡って安定運用することで、北海道の電源の一部として有効に機能することを、心から願うものです。


※参照資料:
[1]JinkoSolar to Supply 38.4 MW of PV Modules to Solar Plant in Hokkaido(JinkoSolar社、2017/6/22発表)
https://jinkosolar.com/press_detail_1336.html
[2]ジンコソーラー、北海道の太陽光発電プロジェクトに38.4MWのモジュールを提供する(同上)
https://jinkosolar.com/press_detail_1339.html?lan=jp
[3]国内最大の蓄電池付きメガソーラーを苫小牧市に着工(日本グリーン電力開発、2016/10/5発表)
http://www.gpdj.jp/news/119
[4]大型メガソーラーの実物資産運用事業を本格化(GIキャピタル、2016/12/6発表)
http://www.gicamltd.com/news/470
[5]Aquila Capital completes divestment of second photovoltaic project in Japan(Aquila Capital、2017/4/11発表)
http://www.aquila-capital.de/en/company/press/presse-article/aquila-capital-schliet-erfolgreich-die-entwicklung-eines-weiteren-photovoltaik-projekts-in-japan-ab
[6]国内拠点(富士電機)
http://www.fujielectric.co.jp/about/corporate/organization/network.html
[7]googleショッピングで「ジンコソーラー」を検索した結果

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2017年06月29日

NEDOが太陽光発電のBOSコスト低減・システム効率向上のため、新たな研究開発テーマ4つを採択、住宅の建材一体型や非住宅の壁面設置など

NEDO2017年6月26日に、

  • 太陽光発電における
    • BOSコスト(太陽電池モジュール以外の初期コスト)の低減
    • システム効率向上(発電量を増加させる)
    を目的とした、計4テーマの研究開発を実施する。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


<背景>

  • 太陽光発電のコストの更なる低減が求められている中で、経産省の「調達価格等算定委員会」は
    • 2019年度(平成31年度)の10kW未満(住宅用):
      ・調達価格の目標:24円/kWh
      ・上記の実現に必要なシステム価格の想定値30.8万円/kW(2016年12月に提示)
    等の目標数値を示している。
  • NEDOは、5年計画(2014〜2018年)で「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」を進めている。
    その中で、上記の目標値を追加した公募を行った結果、今回の4テーマを採択した。

<研究開発のテーマ・内容など>

実施期間は2年。

  • BOSコストの低減
    下記のシステム価格を実現する技術を開発する。
    • 住宅用(10kW未満):2019年に30.8万円/kW以下
    • 非住宅用(10kW以上):2020年に20.0万円/kW以下
    テーマ内容委託先
    長寿命モジュール対応の低コスト太陽光発電システムの開発、実証 住宅屋根設置用の建材一体型を志向した、長寿命モジュールを開発する。
    そしてこのモジュール向けに、低コストの架台施工技術を開発する。
    三洋電機
    新建材一体型モジュール+高耐久化によるBOSコストの削減 記載無し カネカ社

  • システム効率の向上(発電量の増加)
    現状のBOSコストで、システム全体の発電量10%以上アップする技術を開発する。
    テーマ内容委託先
    内部反射型効率向上・規格化壁面設置太陽光発電システムの開発 壁面設置型垂直設置、両面発電)のモジュール向けに
    • 太陽光の効果的な入射
    • 建築物の内外壁面への、低コストでの設置
    を可能にする工法を開発する。
    カネカ社
    多雪地域用非常電源機能付き太陽光発電システムの高効率化・低コスト化 記載無し 「公害技術センター」社


「三洋電機」の名前にはちょっと驚きましたが、検索してみたところ、金属のプレス加工などを手がけている同名の企業様[3]がありました。

そのため流石に委託先は、パナソニックに吸収された(HIT型太陽電池を手がけていた)三洋電機のほうではないと思われます。

もっとも[3]の企業様は、主事業が自動車向け部品の製作などであり、今回の委託先かどうかは確認していません。

しかし保有技術の点では、太陽電池モジュール用架台の開発・製造とも、適合するように見受けられます。


また「公害技術センター」様のサイト[4]もありましたが、同社が今回の委託先企業と同じかどうかは、やはり未確認です。

ただ[4]の企業の本社・支店は、降雪地域である長野県内であり、また環境関連の事業を手がけておられることから、こちらも「多雪地域用」太陽光発電というテーマとは、合っているように感じます。


それはひとまず置いて、「BOSコスト低減」のシステム価格の目標値と、昨年度・今年度のシステム価格(調達価格等算定委員会の発表資料[2]内)を照らし合わせると

住宅用
(10kW未満)
非住宅用
(10kW以上)
2016年度35.3万円/kW25.1万円/kW
2017年度33.6万円/kW24.4万円/kW
2019年度
の目標値
30.8万円/kW
以下
2020年度
の目標値
20.0万円/kW
以下
となります。

住宅用は(2016年度・2017年度比で)約3万〜4万円/kWのダウン、非住宅は4〜5万円のダウンであり、これはかなり大きな引き下げ目標という印象です。

しかし今回の研究テーマは、

  • 建材一体型の住宅屋根設置
  • 非住宅の壁面・垂直設置
  • 多雪地域向けの非常電源付き
と、適用範囲がかなり限られており、これで上記のコスト引き下げ幅を実現できるものなのか、個人的には疑問を抱きます。


また今回は、(個人的に最も関心がある)既築住宅への導入コスト引き下げの取組みが、全く入っていないのは残念でした。

もっともNEDOは以前から、太陽光発電の進歩に向けた取組みを幅広く手がけており(関連記事)、今回の新テーマもあくまでその大きな流れの一部、ということだとは思われます。


※参照資料:
[1]太陽光発電コストのさらなる削減を目指す研究開発4テーマを新たに開始(NEDO、2017/6/26発表)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100785.html
[2]調達価格等算定委員会(第28回)‐配布資料(経産省、2016年12月13日更新)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/028_haifu.html
[3]技術と製品(三洋電機)
http://www.sanyo-dss.co.jp/page4.html
[4]株式会社公害技術センター
http://www.kotec.jp/index.html

※関連記事:

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2017年06月28日

リンテックの米国子会社が太陽電池用バックシート事業から完全撤退する方針、フェローテックも太陽電池関連事業の縮小を進める

太陽電池向け製品を手がけるリンテック社とフェローテック社について、

  • リンテック:米国子会社がバックシート事業から完全撤退する。[1]
  • フェローテック太陽電池関連事業構造改革縮小する。[3]〜[5]
と発表・報道されていました。

ここではそれらの中から、主な情報を抜き出してみました。


<リンテック子会社のバックシート事業からの撤退>

対象の子会社 Madico
背景・経緯
  • Madico社は米国で、機能性特殊フィルムの製造・販売を行っている。
    (生産拠点はマサチューセッツ州とフロリダ州)
    その中で太陽電池用バックシートが、同社の業績を牽引してきた。
  • しかし近年、同製品が急速にコモディティ化
    • 受注の減少
    • 価格の大幅下落
    が発生。
    このため2012年から、大幅な営業損失が続いている。
  • Madico社はこれまで経営合理化に取り組んできたが、大きな効果は得られなかった。
    今回は抜本的な経営合理化の一つとして、太陽電池用バックシート事業から撤退することを決定した。
今後の方針 太陽電池用バックシート事業からは、完全撤退する。
同事業を行っているマサチューセッツ州の拠点は、人員を削減し、新製品のための研究開発拠点に変更する。
(※具体的な時期などは記載無し)

<フェローテック社の太陽電池関連事業>

2016年度(2016/4〜2017/3)の
「太陽電池関連事業」
セグメントの状況
  • 中国太陽電池セル価格暴落が発生。
    (※年央のFIT終了に伴う駆け込み需要の反動)
    フェローテック社も在庫処分を行い、収益が圧迫された。
  • 結晶製造装置について、先に販売していたユーザーの回収不能額が確定した。
  • セグメント業績は
    • 売上高:187億7300万円(前年度比1.4%増)
    • 営業利益:11億8400万円の赤字(前年度は16億9200万円の赤字)
業績改善のための措置
(2016年度)
  • 単結晶製造装置石英坩堝は、半導体用途への転換が進んでいる。
  • その他の不採算製品では、
    • 事業の縮小
    • 設備の除却
    等の事業構造改革を続けている。
日経新聞の最近の報道[5]
  • 部材製造・販売を行う中国の子会社5について、株式を売却し子会社から外す
    これは、2019年3月期を目処に行う。
  • 太陽電池関連事業の営業赤字は、2016年度まで5年連続。


太陽光発電の世界の導入量は2016年(76.6GW)が前年比50%増であり、世界全体での機器・部材の需要も急速に拡大している筈です。

しかしそれにも関わらず、今回の発表・報道であり、老舗モジュールメーカーの独SolarWorld社の経営破綻などと共に、太陽光発電市場・産業の変化も極めて急激なものであることの、表れかもしれません。


太陽電池用バックシートと言えば、モジュールの長期耐久性に関わる重要部材であり、メーカーの技術力の高さが優位点となっていた筈ですが、その部材でも既にコモディティ化が進んでいるということに驚かされます。

もっとも、太陽電池モジュールの急激な価格低下の背景に、このような部材のコモディティ化や価格下落があるとすれば、合点が行くことでもあります。


フェローテック社が手がけている太陽電池用の素材・部材は、結晶シリコンのインゴットにウエハー、セルと、結晶シリコン型モジュールの中心とも言える部分です。

それらの製品は、同社「太陽電池関連事業」の2016年度売上高の実に85%を占めており([4]の26・27p)、それだけに、太陽電池モジュールの価格低下が急速に進む中で、セグメントが営業損失から抜け出せないのは、(残念ながら)無理も無いことと感じられます。


今後、新興国での太陽電池需要が拡大していくのであれば、(アブダビでの世界最大の太陽光発電プロジェクト(1177MW、売電額2.42米セント/kWhで契約)が象徴的だと思いますが)コストに対する要求や競争も、厳しさが増しこそすれ、緩むことは無いと思われます。

技術力や品質を強みとしてきた老舗の素材・部材メーカーが、この状況に如何に対応していくのか、という点は、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]米国連結子会社における経営合理化に関するお知らせ(リンテック、2017/6/22発表)
http://www.lintec.co.jp/topics/ir/pdf/20170622_2.pdf
[2]Madico, Inc.
http://www.madico.com/
[3]平成29年3月期 決算短信【日本基準】(連結)(フェローテック、2017/5/19発表)
https://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2017/20170515153103.pdf
[4]2017年3月期決算説明会資料(同上、2017/5/25発表)
https://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2017/20170525174101.pdf
[5]フェローテク、太陽電池を縮小 19年3月期めど(日本経済新聞、2017/6/22付)
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLZO17951260R20C17A6DTA000/
[6]グローバルリンク 中国(フェローテック)
http://ferrotec-global.com/globallink.php#china

※関連記事:

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