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2019年02月01日

消費者庁が住宅用PVからの火災発生を注意喚起、屋根への延焼は「鋼板等なし型」モジュールに集中

消費者庁2019年1月28日に、

  • 住宅用太陽光発電システムによる住宅の火災事故についての注意喚起
を発表していました[1]。

この発表は、「消費者安全調査委員会」による調査報告書に基づいたもの。

今回は報道[2]〜[5]と合わせて、主なデータ等をまとめてみました。


<調査の要項>

  • 調査対象の火災事故等:72
    ※消費者庁「事故情報データバンク」に登録されている127(2008年3月〜2017年11月に発生)のうち、他の機関が調査している事案以外[3][4]。
    ※この72件の太陽電池モジュールは全て国産。[4]
  • 発生箇所:
    • モジュールやケーブル13
      ※うち、屋根側に延焼したのは7(神奈川、東京、千葉、愛知、広島、福岡で発生)。[3]
      ※発火したモジュールは、使用年数7年以上。[4]
    • パワコンや接続箱59[3]
      浴室付近に設置したパワコンに、水分(湿気)が入った可能性など。[4]
  • 火災の事例と推定原因:
    • モジュール付近での接触不良による発熱・発炎から延焼。
    • ケーブル小動物が噛んで被覆が損傷し、漏電が発生。
      そのスパークが堆積した落ち葉に着火し、出火した。
    • 施工時にケーブル架台に挟み込まれ、その箇所への荷重・振動・応力などにより絶縁劣化が進行。
      発電量の最大時に絶縁破壊し短絡回路(架台が経路)が形成され、過大電流により発熱・出火した。
  • 住宅用PVシステムの累積設置棟数237万4000棟(2018年10月時点)

<モジュールの種類と延焼の可能性>

[1]のp5〜6から。

分類設置形態構造住宅用PV
に占める割合
屋根への延焼
(今回調査)
「屋根置き型」 屋根材(瓦、スレート、金属屋根など)の上の架台に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • 建物側のルーフィング(※可燃物)
の間が屋根材で遮られている
94.8% 無し
「鋼板等敷設型」
  • 屋根材に組み込み
  • 屋根全面に設置
のいずれか。
モジュール直下のルーフィング表面に、不燃材料(鋼板など)を敷設。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間が鋼板で遮られている
※ただし「鋼板等付帯型」では、ケーブルの挟み込み等による発火・延焼のリスクが有る。
「鋼板等付帯型」 裏面に不燃材料(鋼板など)を付帯したモジュールを、ルーフィング上に直接設置。 0.7%
「鋼板等なし型」 裏面に鋼板が無いモジュールを、ルーフィング上に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間に遮るものが無い
4.5% 7件[3]

<対策>

  • 「鋼板等なし型」:
    「屋根置き型」「鋼板等敷設型」へ変更する。
  • 「鋼板等付帯型」:
    • モジュール下でのケーブルの挟み込み等を防ぐ。
    • ルーフィング上ケーブルを極力敷かない構造に変更する。
  • 地絡検知機能
    同機能を有しない製品を、有する製品へ変更する。
  • 点検の義務
    住宅用PVで売電する場合、事業者として点検等が義務づけられている。
    (※しかし所有者の7が、保守・点検をしていない[2])
  • パワコン、接続箱[3]:
    素材に安全対策が施されており、住宅火災に至る可能性は低い。
    水分が入らない措置などが必要。


約240万棟のうち、明確に発火が起こったのが約130件で、確率的には約1/2万。
更に屋根への延焼に至っては約0.0003%であり、少なくとも数字の限りでは、過剰に心配する必要は無いように思われます。


ただし実体的な構造として、まずモジュール・ケーブルと可燃物(ルーフィング)の間が不燃物によって遮られているかどうかが、火災リスクの有無に強く関わっていることから、その点はきっちり確認しておく必要がありそうです。

「鋼板等付帯型」については、モジュールと屋根の間は不燃物で遮られているものの、ケーブルは(そのままだと)ルーフィングに接することから、やはり明確な確認と対策が必要と思われます。

また、モジュール・ケーブルとルーフィングの間がちゃんと不燃物で遮られている場合でも、間に燃えやすい落ち葉が堆積すれば明らかなリスク要因となるので、この点も定期的なチェックが必須ではないでしょうか。


いっぽうでモジュールの設置場所は「屋根の上」という高所であり、素人には目視による点検でも危険が伴うと考えられます。

この障壁が、住宅用PVの保守・点検が一般化していない理由の一つと思われるので、何か気軽に依頼・利用できる専門サービスが、必要なのかもしれません。


発火したモジュールは、時期的にFIT開始(2012年)以前に設置されたものなので、その後はモジュール自体の安全性も向上していることが推測されます。

またFIT開始以前は、海外製モジュールは極めて少なかったと思われますが、海外製品が多く入ってきている現在では、国産モジュールと海外製モジュールに安全性の違いが存在するものなのかどうかが、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!(消費者庁、2019/1/28)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190128_0001.pdf
(※「https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/#190128」に掲載)
[2]「パネル近くは不燃性に」 太陽光発電の延焼対策呼び掛け(日本経済新聞、同上)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40570570Y9A120C1CR8000/
[3]太陽光発電で発火、10年で127件 住宅に延焼も7件(朝日新聞、同上)
https://www.asahi.com/articles/ASM1W6CTYM1WUTIL01T.html
[4]経年劣化・接続不良で発火=住宅用太陽光発電を調査−消費者事故調(リスク対策.com、同上)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/14813

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2019年01月23日

2018年設置のシステム費用の平均値は、事業用28.6万円/kW・住宅用34.1万円/kW(調達価格等算定委員会での提示)

経済産業省が2019年1月9日に、「第44回 調達価格等算定委員会」を開催していました。

今回はその資料[1]の中から、太陽光発電の「システム費用」(太陽電池パネル、パワコン、工事費など)に関する数値を抜き出してみました。(※p〜は参照ページ)


<2018年設置のシステム費用>

平均値前年比その他
事業用
(10kW以上)
(p21)
28.6万円/kW
(※中央値は27.4万円/kW)
1.4万円/kW(4.7%)の減 6年間(2012年比)で13.5万円/kW(32%)の減。(p9)
また平均値の内訳は、
  • 太陽光パネル:約50
  • 工事費:約20%
(p21)
住宅用(p28)新築32.2万円/kW
(※中央値は31.2万円/kW)
2.2万円/kW(6.4%)の減。 平均値の内訳は、
  • 太陽光パネル:約60
  • 工事費:約20%
(p28)
既築35.8万円/kW1.5万円/kWの減
全体34.1万円/kW2.0万円/kWの減 6年前(2012)から12.4万円/kW(27%)の減。(12p)

<価格目標>

事業用
(p9)
発電コストシステム費用の水準
14円/kWh20万円/kW
7円/kWh10万円/kW

住宅用
(p12)
売電価格システム費用の水準
家庭用電気料金並み30万円/kW
卸電力価格並み20万円/kW


システム費用は、事業用・住宅用の両方とも、6年間(2012年比)で3割前後の低減となっており、FIT開始後のコストダウンのスピードが伺えます。
また前年比の減少幅を見ると、コスト低下のペースは、まだまだ鈍っていない印象です。

システム費用の内訳では、太陽電池モジュールが半分超を占めており、海外で価格下落が急激に進んだとはいえ、やはり中心的な機器として、システム価格のカギを握っていることに変わりは無いようです。


価格目標との比較では、事業用が「14円/kWh」の必要水準にまだ距離がある一方で、住宅用が既に「家庭用電気料金並み」の必要水準にかなり近くなっているのが意外でした。

近年の太陽電池モジュール出荷量メーカーの業績発表などには、国内市場の縮小ぶりが強く現れていますが、いち消費者として今回の資料の数字を見ると、初期コストの低減によって太陽光発電の魅力が大きく高まっていることも感じます。

この状況が、需要の喚起・市場の活性化に少しでも繋がれば、と思うものです。


※参照・参考資料:
[1]資料2 平成31年度以降の調達価格等に関する意見(案)(経済産業省、2019/1/9)
http://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/044_02_00.pdf
(※「http://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/044.html」内)

※関連記事:

2019年01月21日

独SolarWorld Industriesが、全ての事業活動を停止

1ヶ月以上前になりますが、ヨーロッパソーラーイノベーション(ESI)社が2018年12月13日に、

  • 独「SolarWorld Industries GmbH」が全ての事業活動停止したことが、確認された。
と発表していました[1]。


ちなみにSolarWorld社の公式ウェブサイトは、「www.solarworld.de」も「http://www.solarworld-global.com/」も表示できなくなっており、少なくともウェブ上では、事業活動停止に関するメーカー直々の発表・情報を確認することはできないようです。



かつて専門誌上で、ESI社の社長の方が「ソーラーワールドのモジュールこそ世界最高のモジュール」[2]と極めて高く評価していたことで、私もSolarWorld社の動向に関心を持つようになりました。

しかし一方で同社は、太陽電池モジュール価格の急激な下落との戦いを続けており、

と様々な手を講じてきたものの、最終的にメーカーとして復活することができなかったのは、極めて残念です。


ちなみに米国子会社の「SolarWorld Americas」については、同じ米国のSunPower社が買収することで2018年4月に合意し[3]、特定の資産(Hillsboroの施設、200人超の労働者など)が取得されたとのこと[4]。

SolarWorld社の技術や知的財産がどうなるのかは不明ですが、優れた資産が少しでも残って生きていくことを、願うものです。



※参照・参考資料:
[1]SolarWorld Industries GmbH 破産に関する情報(ESI社、2018/12/13)
https://www.e-solar.co.jp/news/news181213.html
[2]独ソーラーワールドが創り上げた”長期信頼性”モジュールの魅力(PVeye誌 2014年3月号32p )
[3]SolarWorld Americas implements pre-integration management transition(SolarWorld Americas、2018/5/14)
http://www.solarworld-usa.com/newsroom/news-releases/news/2018/solarworld-americas-implements-pre-integration-management-transition
[4]SunPower Begins A New Chapter in American Solar Manufacturing(SunPower社、2018/10/1)
https://newsroom.sunpower.com/2018-10-01-SunPower-Begins-A-New-Chapter-in-American-Solar-Manufacturing
[5]SolarWorld(Wikipedia)

※SolarWorldの関連記事:

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2019年01月04日

ネクストエナジー社が、重量25%減と直流1500V対応の太陽電池モジュール(計4機種)を相次ぎ発表

ネクストエナジー社が2018年12月に、太陽電池モジュールの新機種として

  • 軽量化・低価格化した「LW660M-305PR」「LW660P-275」
  • 直流1500V対応の「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」
を、相次いで発表していました[1][2]。

各機種の概要は次の通り。


<軽量モジュール「LW660M-305PR」「LW660P-275」>

  • 特徴:
    • 軽量化・低価格化
      モジュール変換効率と品質は維持しつつ、軽量化かつ汎用性のある部材を採用し、モジュール重量を25%低減(同社従来製品比)した。
      これにより、
      ・従来は強度的に難しかった場所への設置
      ・設置作業の負担軽減
      が可能になる。
      また、価格も従来製品より引き下げている。
    • 高出力
      従来製品の
      PERC技術(※単結晶型の「LW660M-305PR」のみ)
      5本バスバー
      を引き続き採用。
  • 想定用途:
    • 設計段階で太陽電池モジュールを搭載荷重に見込んでいない建築物
    • 地震や雪が少ないベトナム等の東南アジア地域
  • 主な仕様:
    「LW660M-305PR」「LW660P-275」
    セルの種類単結晶PERC多結晶
    公称最大出力305W275W
    モジュール変換効率18.7%16.9%
    最大システム電圧1000VDC
    公称質量13.7kg
    公称サイズW992mm×H1640mm×D25mm
    セルの枚数60枚
    機械的耐荷重
    • 積雪荷重:3600Pa(表面、風圧荷重含む)
    • 風圧荷重:2400Pa(裏面)
    多雪地域への設置不可
    (設置可能な積雪量は50cm以下
  • 発売日:2018/12/13

<直流1500V対応モジュール「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」>

  • 特徴:
    • 直流1500Vに対応
      モジュールの耐電圧を、従来の1000VDCから強化。
      太陽電池モジュールの直列接続枚数が増えることで、
      ・初期投資の削減、維持管理費用の低減(接続箱の台数や送電ケーブルの本数などを削減)
      ・発電設備の発電能力の向上
      ができ、発電所の費用対効果の向上につながる。
    • 高い発電性能
      ・5本バスバー
      ・単結晶PERCセル(※「NER672M365-15V」のみ)
      を採用している。
  • 主な仕様:
    「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」
    セルの種類単結晶PERC多結晶
    公称最大出力365W330W
    モジュール変換効率18.8%17.0%
    最大システム電圧1500VDC
    公称質量23.0kg
    公称サイズW991mm×H1956mm×D45mm
    セルの枚数72枚
    機械的耐荷重
    • 積雪荷重:5400Pa(表面、風圧荷重含む)
    • 風圧荷重:2400Pa(裏面)
  • 発売日:2018/12/18


ネクストエナジー社はこれまでもユニークな太陽電池モジュールを発表してきました(下記関連記事)が、今回の新機種も、単結晶PERCと5本バスバーで高い発電性能を維持しつつ、各々はっきり異なる特徴と想定用途を持っています。

太陽光発電設備の低コスト化の需要に応えるためにも、このような太陽電池モジュール機種の(用途に応じた)細分化は、これからメーカーを問わず進んでいくのかもしれません。

ただその際には、ユーザー側が想定している設置環境を明確に確認して、適するモジュールを判断して購入することが、今迄以上に重要になってくると考えます。

特に今回の軽量モジュールは、多雪地域では(耐加重の低さから)設置不可とのことなので、同様に用途を絞った製品が将来的に増えていった場合には、購入時の判断の慎重さも、より求められることになりそうです。

またメーカー側・販売側にも、判りやすい表示などに配慮していただくことを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]軽量太陽電池モジュール LW660M-305PR/LW660P-275 を12月13日(木)に販売開始(ネクストエナジー社、2018/12/13)
https://www.nextenergy.jp/information/20181213/
[2]太陽光発電設備の高効率化に対応した高電圧対応の太陽電池モジュールを12月18日(火)に販売開始(同上、2018/12/18)
https://www.nextenergy.jp/information/20181218/

※関連記事:

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2019年01月03日

東電と北電が「太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」を共同開催、一般公募で予測精度の向上を目指す

東京電力北海道電力2018年12月20日に、

  • 太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」を共同開催する。
と発表していました[1]〜[3]。

概要は次の通り。


<背景・目的>

  • 太陽光発電の発電量は気象条件に左右され、その発電量の正確な予測が、供給力として有効活用するために必要である。
  • これについて北海道電力と東京電力では、気象データ等に基づく予測手法を開発・導入し、実業務に活用している。
    しかし
    • 局所的な天候の変化
    • 冬季の太陽電池パネルへの降積雪
    が予測精度低下の要因となっており、更なる精度向上の取り組みが必要と考えている。
  • 今回は
    • 積雪寒冷な気象
    • 再エネ導入量の急拡大
    との条件がある北海道で、太陽光発電の発電量予測をテーマとするコンテストを行うことを決定した。
    優秀な提案は、実業務に取り入れることを目指している。

<コンテストの内容>

  • 課題:
    北海道エリア内の指定の太陽光発電所(15ヶ所・計407.3MW)について、発電量の合計値を予測する。
    (※指定の太陽光発電所は、
    • 発電出力が比較的大規模
    • 一定期間運転を継続している
    等を条件に選定。)
  • 予測する数値:
    対象期間(2018年1月1日0時〜2019年1月31日23時30分の13ヶ月分)の発電出力(MW)の平均値を、30分単位で予測する。
    前日((d-1)日)18:00までに入手可能なデータを組み合わせて、d日の発電量を求める。
  • 使用できるデータ:
    下記から自由に選択できる。
    (※ただし、極力少ないデータで予測できることは、実用性の評価に大きなメリットとなる。)
    • 主催者が提供:
      ・過去の発電量実績
      ・定格出力と設置位置、方位角と傾斜角
      ・独自に計測した全天日射量と計測位置
    • 参加者が各自で入手した情報(※ルールあり)
  • 審査の対象:
    • 予測精度
    • 予測手法の説明(レポート)
    • プレゼンテーション(5分以内のビデオ)
  • スケジュール:
    • エントリー:2018/12/20〜2019/2/8
    • 1次審査:
      ・提出物の提出:2019/2/12〜3/15
      ・結果の連絡:同4/15〜26
    • 最終審査:
      ・提出物の提出:同5/7〜5/24
      ・審査:同6月上旬の予定。
      ・入賞者の連絡・掲示:2019年6月下旬の予定。
  • 賞金:総額300万円


このような予測手法の研究というと、あくまで大学や電力会社が専門に行うものだと思っていたので、今回のコンテスト形式による一般公募は、かなり意外に感じました。

それだけに、降雪・積雪まで考慮しての太陽光発電の出力予測については、海外を含めても研究開発がまだまだ不十分、ということなのかもしれません。

在野からの申し込みが果たしてどの程度あるのかは判りませんが、ともかく発電量の予測精度が高まれば、電源としての太陽光発電の信頼性を高め、ひいては普及・導入の積極推進にも寄与していくと考えられます。

積雪地域では、雪雲と降雪による日照量の減少だけでなく、太陽電池モジュールへの積雪(更には晴天時・気温上昇時の落雪)による影響も大と思われるので、(雪が無い地域と比べて)予測の条件はより厳しいものと思われますが、そのあたりを打開する予測手法が登場するのかどうか、是非とも注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]「太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」の共同開催について(東京電力、2018/12/20)
http://www.tepco.co.jp/press/release/2018/1511781_8707.html
[3]同上(北海道電力、2018/12/20)
http://www.hepco.co.jp/info/2018/1234321_1753.html
[2]太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』(「TEPCO CUUSOO」内、2018/12/20)
https://cuusoo.com/projects/50369

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2019年01月02日

国内の各電力会社が、FIT満了後の太陽光発電電力(主に住宅用)に関する大まかな方針を発表、新たな買取価格などは2019年4〜6月に公表予定

日本国内の電力会社が昨年(2018年)11月〜12月にかけて、

  • 固定価格買取制度(FIT制度)満了後2019年11月以降)の、太陽光発電(主に住宅用)電力の大まかな取扱方針
を発表していました[1]〜[9]。

その概要は次のとおり。


FIT満了後の方針 詳細の発表予定時期
北海道電力
  • 太陽光発電の余剰電力は、再エネを積極的に活用する観点から、引き続き買取する。
  • 買取以外の、顧客の要望に応えるサービスについても検討中。
2019年6月を目処
東北電力
  • 余剰電力の自家消費(蓄電・蓄熱機器を利用)
  • 売電先を自ら選択し、余剰電力を販売
等の顧客ニーズに応えるため、
  • 家庭用太陽光発電からの電力購入
  • 関連する新たなサービス
を開始する。
2019年6月頃を目処
中部電力 顧客参加型取引サービス「これからデンキ」(※2018年8月に開始済み)において、新たな買取プランを導入する。 2019年4月を目処
北陸電力 顧客の再エネ設備からの電力買取を継続する。
現在、顧客ニーズを踏まえたサービスを検討中。
2019年4月頃
関西電力 引き続き買取りを行う。
また、顧客に様々な選択肢を用意できるよう、検討を進める。
中国電力 再エネ電気の買取を続ける
電力買取に関連する新たなサービスも検討中。
22019年4月を目処
四国電力
  • 買取期間満了後も、新たな買取単価で電力購入を続ける。
  • 電力購入以外の多様なニーズに対応できる関連する新たなサービスを開始する。
九州電力 買取期間満了の再エネ電気を、新たなプランで引き続き購入する。 2019年5〜6月を目途
沖縄電力 買取期間満了後も、希望する顧客については、新たな買取条件(単価等)で買取りを行う。 2019年6月

ただし東京電力については、同様の発表は見あたりませんでした。



国内の電力会社については、2014年秋にいっせいに起こった接続回答保留、そして2018年10月にはとうとう九州本土での出力制御の実施と、太陽光発電の普及拡大に対しては極めて後ろ向き、という印象を受けていました。

そのため今回の発表全てにおいて、電力買取を続ける方針となっているのは非常に意外でしたが、電力自由化で新電力との競争が激しくなっている現状で、電力会社としては(消費者としての)顧客維持につなげたい狙いもあるものと想像します。

ただ、新しい買取価格などの詳細が全く不明な現時点では、どの電力会社の発表も、当たり障りのない「横並び」という印象であり、このぶんだと今年4月以降の詳細発表も、国内太陽光発電市場に大きなプラスの影響を与えるような、革新的なものは期待薄と考えます。

とはいえ、大手電力会社が示す新たな買取条件(価格など)は、今後本格化していく「FIT後」の太陽光発電の取扱を方向付ける、重要な先例になるとも思われるので、数ヵ月〜半年後の正式発表は、忘れずに注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]買取期間満了後の太陽光発電の電力買取について(北海道電力、2018/12/14)
http://www.hepco.co.jp/info/2018/1234021_1753.html
[2]FIT期間満了となる家庭用太陽光発電設備からの電力購入および関連サービスについて(東北電力、2018/11/29)
http://www.tohoku-epco.co.jp/information/1198972_821.html
[3]固定価格買取制度の買取期間満了後の新たな買取プランの概要と公表時期について(中部電力、2018/12/26)
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_oshirase/topics/3269571_21498.html
[4]再生可能エネルギー固定価格買取制度の買取期間満了後のお客さまからの電気の継続購入について(北陸電力、2018/11/15)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/18111502.pdf
(※「http://www.rikuden.co.jp/press/2018.html」内。)
[5]買取期間が終了する太陽光発電からの電力買取について(関西電力、2018/11/26)
https://www.kepco.co.jp/corporate/notice/20181126_1.html
[6]「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による買取期間終了後の再生可能エネルギー電気の買取りについて(中国電力、2018/11/26)
http://www.energia.co.jp/info/2018/11522.html
[7]再生可能エネルギーの固定価格買取期間が満了する住宅用太陽光発電からの継続購入について(四国電力、2018/12/12)
http://www.yonden.co.jp/press/re1812/data/pr005.pdf
(※「http://www.yonden.co.jp/press/page_30.html」内。)
[8]FIT制度の買取期間満了後も新たなプランで購入します−買取単価は2019年5〜6月に公表−(九州電力、2018/12/3)
http://www.kyuden.co.jp/press_h181203-1.html
[9]再生可能エネルギー固定価格買取制度の買取期間満了後の対応について(沖縄電力、2018/11/30)
http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2018/181130.pdf
(※「http://www.okiden.co.jp/press/index.html」内。)

※関連記事:

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2018年12月08日

ハンファQセルズ社が、中国・湖北省での太陽光発電所プロジェクト(計約150MW)に太陽電池モジュール100MWを供給予定

ハンファQセルズ社が2018年12月3日に、

  • 中国・湖北省での太陽光発電所プロジェクト向けに、100MW太陽電池モジュール供給契約を締結した。
と発表していました[1]。

プロジェクトの概要は次の通り。


建設場所 中国湖北省通山県
事業者 中国の「CGNニュー・エナジー」社。
※同社にハンファQセルズ社が供給した太陽電池モジュールは、計約400MWに達する。
合計出力 150MWの見込み。
うち100MW分が、Qセルズ製のQ.ANTUM「Q.PEAK-G5」。
発電電力量 145.76GWh/年の見込み。
スケジュール
  • 2018年11月2日:最初の30MW分のモジュールを納品、設置を開始。
  • 同年12月末系統連系開始の予定。


まず意外だったのは、中国国内での太陽光発電プロジェクトにも関わらず、中国以外のメーカーの太陽電池モジュールが採用されている点です。

と言うのも、昨年(2017年)には、中国の太陽光発電市場について「市場には中国メーカーばかり」「価格が安すぎて日本メーカーは参入できない」との情報がありました[2]。

また、(JinkoSolarなど)中国の太陽電池メーカーの近年の成長は著しく、極めて高い価格競争力を持っていることが推測されます。

そのため、(日本に限らず)中国国外メーカーによる中国市場への太陽電池モジュール供給は極めて難しい、と思っていました。

実際にどうなのかは判りませんが、このハードルを越えるだけのコスト低減を、ハンファQセルズ社が実現しているとすれば、驚異的なことだと考えます。


また今回の発電所では、合計出力約150MWに対し、年間の発電電力量見込みは約146GW(=約14万6000MWh)。

「湖北省は日射量が多い」にも関わらず、日本国内での見込み数値(発電容量×1000)と、ほぼ同じ水準になっています。

日照に恵まれた新興国での太陽光発電プロジェクトでは、海外メーカーはもちろんのこと、日本のシャープ社によるものでさえ、×1000よりもかなり大きい数字なので、今回の湖北省でのプロジェクトの見込みがどのような考えに基づいているのかは、興味を惹かれるところです。
(例えば、従来よりも堅実な推量をするように変ってきているとか?)


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズ、中国・CGNニュー・エナジー社向け 100MWの太陽電池モジュール供給契約を締結(ハンファQセルズ社、2018/12/3)
http://www.hanwha-japan.com/news/news-letter/overseas-news-letter/2018/1203/
[2]世界の太陽光発電、昨年は5割増。なぜFITがない米国が2位?(ニュースイッチ、2017/1/28)
https://newswitch.jp/p/7736

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2018年12月07日

京セラと米Hemlock社がポリシリコン長期購入契約で和解、京セラは511億円相当の損失計上も、市場価格との乖離を解消

京セラ社が2018年11月28日に、

  • Hemlock社と結んでいたソーラーエネルギー事業用ポリシリコン長期購入契約について、和解合意に至った。
と発表していました[1]。

今回は資料[2]37pの記述と合わせて、概要をまとめてみました。


背景
  • 京セラ社は2005〜2008にかけて、
    • 「Hemlock Semiconductor Operations LLC」
    • 上記子会社「Hemlock Semiconductor, LLC」
    との間で、ポリシリコン原材料の供給に関する長期購入契約を締結した。
  • 2018年9月30日時点で、上記契約に基づき2020年12月31日までに購入が定められている残高は、1199億3300万
    このうち、335億3200万円は前払いされている。
  • 契約上の未購入残高を、低価法に基づき評価した結果、前連結会計年度(2017年度)において、原材料の正味実現可能価額が、契約上の購入価格を下回った。
    (ソーラーエネルギー事業の収益性の低下に伴う)
    この差額を引当損失に計上しており、2018年9月30日現在における引当損失の残高は、308億8500万
和解の内容 京セラ社はHemlock社に対し、
  • 支払い済みの前渡金の放棄
  • 保有するポリシリコンでの代物弁済
  • 和解金の支払い
等を行う。
これにより京セラ社は、511億円相当の損失計上を行う。
和解によるメリット これまで生じていた、当該契約上の固定取引価格と市場取引価格との乖離解消される。

ただしHemlock社のウェブサイトでは、この件に関する発表は見当たりませんでした。



当初は「購入契約の和解」という表現の意味がよく判りませんでしたが、報道(例えば[4])も合わせてよく読むと、要は「長期契約を途中で停止・破棄する」ということのようです。


(当ブログが継続的な更新を始める前の)2005〜2007年あたりのことは良く知りませんが、2008年には海外の太陽電池メーカーが生産量・生産能力を大きく伸張

それに伴って太陽電池メーカーではシリコンの安定調達が課題になっており、京セラ・Hemlock間の長期購入契約も、当時のシリコン不足が背景だったものと思われます。


しかしその後、市場の急変(太陽電池モジュールの供給過剰など)により、急成長を続けてきた中国メーカーは軒並み赤字に転落。

ポリシリコン価格も、例えば2011年10月には年初から半減という急落振りでした。

そしてその後も、太陽電池モジュールの価格下落は大きく進んでいます


このように僅か10年程度の中で、太陽電池市場の状況は激変しており、10年前に契約した固定取引価格が完全に合理性を失ったことは理解できます。

ただ一方で、変化の激しい市場において長期契約を結ぶことの怖さも、今回の件は示していると感じます。


今回は約511億円という巨額の損失計上ですが、それでも残り約2年間での購入残高(約1200億円)の半分以下であり、そのまま契約に従って購入すれば約309億円の損失が出る見込み。

そう考えると、支払済みの前払い金(約335億円)に200億円弱(※ポリシリコン現物による弁済含む)の追加負担をして、今のうちに「損切り」するほうが得策、ということなのかもしれません。

京セラのソーラーエネルギー事業は売上減が続いていますが、今回の和解合意(長期契約の解消)が、同事業の業績改善に果たしてどのような効果をもたらすのか、注目していきたいところです。


※参照・参考資料:
[1]ヘムロック社との長期購入契約の和解のお知らせ(京セラ、2018/11/28)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/181128_wakai.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[2]2019年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/181128_yosou.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]有価証券報告書等 2019年3月期 四半期報告書 第2四半期(京セラ、2018/11/9)
https://www.kyocera.co.jp/ir/financial/pdf/FY19_2Q_qr.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/library/yuho.html」内。)
[4]京セラ、511億円の損失計上へ 米ヘムロックとの和解合意で(ロイター、2018/11/28)
https://jp.reuters.com/article/kyocera-idJPKCN1NX0MN
[5]Global Scale and Reach: Polysilicon(Hemlock Semiconductor社)
http://hscpoly.com/polysilicon.html

※関連記事:

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2018年11月20日

京セラの2018/4-9のソーラーエネルギー事業は売上減、昭和シェルの2018/1-9のモジュール出荷量は前年同期比90%程度

今回は、

  • シャープ
  • 京セラ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
の最近の業績発表[1]〜[5]から、太陽電池・太陽光発電に関わる情報をまとめてみました。


シャープ
2018年度上期
(2018/4-9)
エネルギーソリューション事業では、海外EPC事業が堅調だった。([1]の7p)
(※「太陽電池」「太陽光発電」の語句は全く無し。)
京セラ
2018年度上期
(2018/4-9)
ソーラーエネルギー事業売上は減少した。([2]の5p)
昭和シェル石油
2019年3月期3Q累計
(2018/1-9)
  • 太陽電池事業では、国富工場(2017年末から生産集約)において、
    • 製品高出力化の推進
    • 原材料コストの更なる低減
    を進めている。
    営業面では
    • FIT案件への確実な納入
    • 住宅市場シェアの向上
    • 低圧・産業用における新しい販売手法の推進
    • 商品・サービス戦略の強化
    に取り組んでいる。([3]の4p)
  • 3Qの太陽電池パネル出荷数量は、ほぼ前年同期並み。
    3Q累計期間では、前年同期比90%程度
    国内にフォーカスした販売を継続している。
    パネル製造での一部のコスト低減策に遅れが生じているが、太陽電池事業の赤字額は、3Qまでの累計では前年同期比で縮小した。([4]の12p)
カネカ
平成31年3月期2Q累計
(2018/4-9)
PV & Energy management」事業では、高効率太陽電池の新製品販売が拡大した。
これと構造改革の進展により、収益力が改善した。
窓・壁との一体型太陽電池を、住宅・ビル向け素材として展開しており、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく方針。([5]の4p)


シャープと京セラは、今回も記述が極めて乏しく、具体的な数値も全く無しであり、太陽電池事業の厳しさが変っていないことが伺えます。


いっぽう昭和シェル石油は、モジュール出荷量は3Q累計では前年同期比10%程度のマイナスも、3Q単独ではほぼ横ばいとのことで、まだプラスになってこそいないものの、改善の雰囲気が感じられます。

国内モジュール出荷量の減少が際立つ現状では、(コスト削減の取組みを含めて)かなりの健闘なのではないでしょうか。

また意外だったのは、「国内にフォーカス」としながら、再エネによる海外EPC事業への参入を検討中([4]の15p)とあることです。

ソーラーフロンティア社はちょうど1年前(2017年11月)に、経営資源を主に国内市場に集中する方針を発表していましたが、やはり縮小が続く日本市場のみでは、限界があるということかもしれません。


カネカについては、今回の4社のうち唯一「販売が拡大」と明記されています。

ただ、例えば同社の瓦一体型の高効率太陽電池は2年前(2016年)に市場投入されたばかりであり、まだ結晶シリコン型の販売規模が小さいためと思われます。


ちなみにパナソニックについては、今回[6]は太陽電池に関する言及が全く無し。

同社は最近、7月に海外重視への転換方針が報じられ、9月に日本でのモジュール生産終了を発表と、事業方針や体制の大幅変更が相次いでいました。

太陽電池事業についての報告が無かったのは、事業再編の真っ最中である故かと思われますが、それが果たしてどのような効果・結果をもたらすのか、今後の業績発表に引き続き注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/10/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/3/1903_2pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内。)
[2]2019年3月期 第2四半期 決算短信(京セラ社、2018/10/30)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_2Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]2018年度 第3四半期決算(2018年1月1日〜2018年9月30日)(昭和シェル石油、2018/11/14)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.html」内)
[4]2018年度(2018年1月〜2019年3月) 第3四半期決算説明資料(同上)
http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material_2018c.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material.html」内。)
[5]2019年3月期 第2四半期決算短信(カネカ社、2018/11/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2018/11/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F-%E7%AC%AC2%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1.pdf
[6]2018年度 第2四半期 連結決算短信・補足資料(パナソニック社、2018/10/31)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2018/10/jn181031-3/jn181031-3.html

※関連記事:

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2018年11月19日

ハンファQセルズ社が英ロンドン市の住宅用PV普及策向けに太陽電池モジュールを供給、「一括購入」により1パッケージ(モジュール10枚)あたり約1400ポンドを削減

もう1ヵ月半ほど前になりますが、ハンファQセルズ社が2018年10月5日

  • 英「Solarcentury」社と提携し、ロンドン市による住宅用太陽光発電の普及促進策向けに、市場価格から平均35%引き太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1]。
(※オリジナルの海外向けリリースは、更に2週間ほど前の2018年9月21日に発表)

その概要は次の通り。


背景 今回の英ロンドン市のプロジェクト「Solar Together London」は、エネルギー政策「Energy for Londoners Programme」の一環であり、同市における
  • 全土の電気代削減
  • 太陽光発電導入目標(2030年までに1GW)の実現に向けた加速
が目的である。
入札方式 最安価格の提案者を選択する「リバース・オークション制度」を用いた。
対象となる住宅保有者 市内自治区のうちブレント区・イーリング区・キングストン区・マートン区・サットン区に居住し、太陽光発電の屋根設置に関心を持つ600世帯
設置規模 計約1.5MWの見込み
採択された事業者 Solarcentury社とイケア社が共同。
提案したパッケージ ※モジュール以外のパワコン・架台などについては記述無し。
  • 太陽電池モジュール:
    Q.PEAK DUO-G5」ハーフセル太陽電池モジュールを10枚セット
  • コスト:
    モジュールの一括購入により、1400ポンドの削減に成功した。
    設置時のモジュール枚数に応じて、市場価格の10〜41%引き(平均35%引き)の価格が適用される予定。


オリジナルの英文リリースは約2ヶ月前と、かなり時間が経っている発表ではあります。

しかし、最近は太陽光発電に関する報道・発表じたいがめっきり少なくなっていること、また本件では具体的な規模や数字がある程度示されていることから、今回取り上げた次第です。


600世帯で1.5MW(1500kW)ということなので、単純計算では1世帯あたり2.5kW。

日本の平均(2013年度には既築住宅が4.81kW)を下回る規模なのが意外でしたが、景観への配慮(今回の採用モジュールは景観に調和するデザインとのこと)と、既築住宅の屋根強度を考慮して、無理の無い規模にしているものと想像します。


また、団体購入による1パッケージの削減コスト(約1400ポンド)は、日本円で約20万円(2018/11/18時点で1ポンド=約145円[3])。

実際の設備設置における正確な適用は不明ですが、仮に2.5kWでこの値引き額とすれば、10年前(2008年度)の日本の住宅向け導入補助金(1kWあたり7万円)さえも上回る金額であり、団体購入による値引きの威力に驚かされます。

日本では住宅用のモジュール出荷量も減少が著しい状況ですが、たとえFITの買取価格が下がっているとしても、政府または自治体が積極姿勢で「Solar Together London」のような施策を講じれば、住宅用太陽光発電の導入促進はまだまだ可能なのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズ、 ロンドンの1.5MW住宅用太陽光発電プロジェクトで 「ソーラーセンチュリー社」と提携(ハンファQセルズ社、2018/10/5)
http://www.hanwha-japan.com/news/news-letter/2018/1005/
[2]Solar Together London(ロンドン市)
https://www.london.gov.uk/what-we-do/environment/energy/solar-together-london
[3]イギリス ポンド(Yahoo!ファイナンス)
https://m.finance.yahoo.co.jp/stock?code=GBPJPY=X