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2017年05月29日

ヨルダンのシリア難民キャンプでメガソーラー(2MW)が稼動、2万人に電力供給

「AFPBB News」の記事[1](2017/5/25付)で、

  • ヨルダンシリア難民キャンプに、大規模太陽光発電設備が導入された。
と報じられていました。

その記事から、発電設備に関する数字などを抜き出してみました。


設置場所 Azraqアズラク)の難民キャンプ(2014年4月に開設[2])
※アズラクは砂漠地帯に位置し、仮設住宅の外の気温は40度に達する。
 キャンプに住む難民は、3万5000
設置者 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
発電容量 2MW
発電電力の用途 照明、冷蔵庫、テレビ、シーリングファン、携帯電話の充電、綺麗な水の供給など
(キャンプ内の約2万人に、電力を供給している)
総工費 900万米ドル
※資金は「イケア」社の基金が提供した。
稼動開始 2017/5/17
今後の予定 発電容量を5MWまで拡大し、残る1万5000人にも電力を供給する。


今回驚いたのは、一昔前は高額だった太陽光発電設備が、難民の方々の生活を明確に「支える」「改善する」役割を果たしている、ということです。

また1人あたりの供給電力は、単純計算で100W(2MW/2万人)であり、需要側でも、消費電力が低い最新の機器が使われていると推測されます。

太陽光発電のコストダウンと、家電などの省エネ(消費電力低減)の両方が、急速に進んできたことが、結果として双方の実用性を相互に大きく高めている、ということかもしれません。


ただ、建設費用は1MWあたり約450万ドル(約5億円)であり、例えば

といった最近のケースと比べると、かなりの割高です。

その要因として考えられるのは、一つは今回の設備の建設場所が、昼夜の寒暖差が非常に厳しい砂漠であり、そのために建設作業のコスト低減に限界があったのではないでしょうか。

また、長期に渡って住民の生活を支えることになる電源設備であるため、(記事には記載がありませんが)夜間にも電力を供給できるよう、蓄電設備が併設されている可能性もありますが、正確なところが不明なのは残念です。


もう一つ、今回の設備の費用を担ったのは、家具メーカーとして世界的に著名なイケア社ですが、同社は再エネへの投資・利用に積極的であり、また難民支援にも取り組んでいるとのこと[6][7]で、今回の出資も、その企業姿勢の延長として行われたものと思われます。

このあたりのスマートさは、簡単に真似できないことだとは思いますが、いっぽうで今後は世界の標準になっていくのでは、とも感じさせられます。


※参照資料:
[1]ヨルダンの難民キャンプに太陽光発電所(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/articles/-/3129000
[2]新たなキャンプ、新しい家: アズラック難民キャンプで生活するシリア難民(UNHCR JAPANのフォトギャラリー、2014/4/30付)
http://www.unhcr.or.jp/photogallery/index10.html
[3]気候(ウィキペディア「ヨルダン」内」)
[4]ザルカ県(ウィキペディア)
[5]Azraq, Jordan(英語版Wikipedia)
[6]環境と社会(イケア社)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/this-is-ikea/people-and-planet/index.html
[7]サステナビリティ・サマリー 2016(同上)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/pdf/sustainability_report/SUSTAINABILITY_SUMMARY_FY16.pdf

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 発展途上国での導入

2017年05月28日

仙台市「みんなで備えるMy発電補助金」の利用が2016年度は予算の約4割、対象機器の取り扱い店舗も増えず

河北新報の記事[1]で、

  • 宮城県の仙台市が実施している、小型太陽光発電+蓄電池向けの「みんなで備えるMy発電補助金」の利用状況
が報じられていました[1]。

今回はその中から、主な数字などを抜き出してみました。


<利用実績>

補助件数補助の総額
2016年度
(開始年度)
52件40万2000円
(※予算は100万円)
2017年度
(記事[1]の時点まで)
1件

<利用が伸び悩む背景>

  • 少ない対象店舗
    補助対象となる機器を販売する「展示協力店」が、現在10店に留まっている。
    「普段の生活で『機器があるといい』とまでなっていないため、取扱店が増えない」(市の担当者の方)


個人的には、小型の太陽光発電+蓄電池の機器を、災害時への備えとするのであれば

  • お日様の下で充電にかかる時間(晴れの日と曇りの日での違い等)
  • 置き場所の確保
  • 使用する機器による、蓄電池の利用可能時間(例えばLED電球1個を、何時間点灯できるか)
などの点を、普段から使うことで掴んでおく必要がある、と感じています。

ただ実際のところ、

  • 曇りの日では十分な充電ができない
  • 蓄電池の容量が(機器を気兼ね無く使えるほど)十分とは言えない
等、現在の製品は、日常生活の中で使うには若干ハードルがあることも、確かだと思います。

大手家電量販店が参加していないあたりに、消費者の需要の弱さが表れていると感じますが、製品が日常生活における実用性・利便性で魅力に欠ける点が、補助制度の利用が伸びない最大の要因なのでは、と考えざるを得ません。


また、制度の対象店舗(「展示協力店」)が少ないことに加えて

  • 1つの店舗で販売されている、認定済み商品の種類が少ない(大部分の店舗が1・2種類のみ)
  • 制度利用に事前の申請が必要(購入後の申請は不可)
との点も、制度の利用が伸びない要因になっているのでは、と推測します。

補助制度を通じた地元経済への寄与、という狙いは価値のあることですが、他方で今は、ネット通販も多くの人が利用しており、補助制度の利用(そして機器の普及)を促すには、更に柔軟な対応も必要なのかもしれません。


とはいえ個人的な経験・感触として、小型でも太陽光発電+蓄電池は、いざと言うときに最低限の照明を確保できる点だけでも「あると心強い」ものなので、ぜひとも補助制度の利用が活発化し、機器の普及が少しでも進むことを願うものです。


※参照資料:
[1]伸びぬ小型太陽光発 補助制度利用低迷(河北新報、2017/5/23付)
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201705/20170523_11017.html
[2]みんなで備えるMy発電補助金に係る申請(仙台市)
http://www.city.sendai.jp/ondanka/download/bunyabetsu/kankyo/kankyohozen/hojokin/
[3]みんなで備えるMy発電補助金展示協力店の募集(同上)
http://www.city.sendai.jp/ondanka/jigyosha/kankyo/hozen/hatsudenhojo.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 独立電源(自作、DIY含む)

2017年05月27日

四国電力管内で2017/4/23の昼に、太陽光発電出力が電力需要の66%に到達

四国電力が2017年5月24日に、

  • 太陽光発電の出力が一時、電力需要6割超に達した。
と発表していました[1]。

今回はその中から、幾つかの数値を抜き出してみました。


<太陽光発電出力の最大日>

該当日と時間帯2017/4/2312〜13
(1)電力需要243万kW
(2)太陽光発電の最大出力161万kW
(2)が(1)に占める割合 66
前年度)の最大値は、
2016/8/2214〜15時19%。
(電力需要は540万kW)
安定供給のため
執った対策
  • 火力発電の抑制
  • 揚水発電所の揚水運転
  • 連系線の活用
により、需給バランスの維持を図った。

<四国電力管内の太陽光発電の導入量など>

2017/4時点の数値。

接続済み(導入量) 210万kW
契約申込済み(未接続) 78万kW


当ブログの過去記事を見返すと、同種の情報として、ドイツにおける

との記録がありました。

ドイツはFITにより、世界でいち早く太陽光発電の大量導入を進めた国であることから、当時は流石の実績だと思ったものです。

しかし、それから僅か数年程度で、日本で(一部地域とはいえ)上記のドイツの実績を上回るパーセンテージが現実に現れるとは、全く思いもしませんでした。


ただ、66%という数字は刺激的ですが、今回の該当日の電力需要(243万kW)は、昨年度(2016年度)における太陽光の割合ピーク時の、1/2弱です。

その当時の電力需要(540万kW)に対する、今回の太陽光発電の出力(161万kW)を計算すると、約30%。

今年これから、未稼動分(「契約申込済」分)の導入が幾らか進むとしても、電力需要が更に大きくなる夏に、太陽光発電が占める割合は、やはりまだ3割程度に留まるものと予想します。

とは言えそれでも、今回の四国電力の発表が、日本における(FITによる)再エネ導入の実績を示す、明確な数字の一つであることは、間違いないのではないでしょうか。


そしてこれだけの電力(または電力需要に対する割合)を、太陽光発電が実際に供給できる段階に来ているとなると、電力需給を如何にマッチングするか(=電力系統の安定を保つか)ということが、次の最大かつ早急に取り組まなければならない課題と思われます。

資源に乏しい国である日本が、太陽光から得られる電力を最大限有効に使える日が、遠からずに来ることを、いち太陽光発電ファンとして、強く願うものです。


※参照資料:
[1]太陽光発電の普及拡大に伴う今春の需給への影響について(四国電力)
http://www.yonden.co.jp/press/re1705/data/pr006.pdf
[2]四国電の電力供給、太陽光が一時6割超 来春に出力抑制も(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16808220U7A520C1LA0000/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 電力供給の実績

2017年05月25日

岡山県・美作市内で約257MWの「作東メガソーラープロジェクト」が建設開始、現時点で「国内最大級」

日揮」社が2017年5月12日に、

  • 岡山県内で計画されている国内最大級メガソーラー事業257MW)の、EPC役務を受注した。
と発表していました[1]。

今回は、発電事業者のサイト[2]やニュース記事[3][4]も含めて、この発電所に関する情報を抜き出してみました。


プロジェクトの名称 作東メガソーラープロジェクト
建設場所 岡山県の美作市内
発電容量 257.7MW
発電電力量 年間約29万MWhの予定
用地 山林やゴルフ場跡地など約410haを取得しており、うち236haを造成して太陽電池パネルを設置する。
太陽電池パネルの設置枚数 75万
スケジュール
  • 2015/3/16:FITの認定取得
  • 2017/4:建設開始
  • 20193Q:商業運転を開始する予定
その他 森林伐採により懸念される洪水・土砂災害への対策として、保水能力を高めるための調整池(21箇所、総容量27万1000m3)を設置する。


国内最大級のメガソーラーというと、個人的には長崎県・宇久島での計画(400MW超)が、非常に強烈なインパクトがありました。

ただ同プロジェクトは、2005年に九州電力から系統連系の承諾は受けている[5][6]ものの、海底ケーブルによる送電や農業との両立といった、これまでに無い課題を抱えているためなのか、着工したという情報はまだ確認していません。

そのため「稼働済み」または「建設中」のメガソーラーとしては、ニュース記事[3][4]に述べられている岡山県の「錦海塩田跡地」でのプロジェクト(約230MW)が、これまでの国内最大だったようです。


それを、今回の兵庫県・美作市でのプロジェクトが更新することとなりましたが、その岡山県と兵庫県はちょうど隣接しており、そして瀬戸内海に面しています。

また、瀬戸内海を挟んだ向かい・四国の徳島県では、日本製紙と三菱商事による210MWのメガソーラーが完成・稼動済み[8]。

これら200MW超のプロジェクト3件が、奇しくも近い場所に集まっていますが、これは偶然ではなく、日照条件の良さ+用地確保のしやすさ、という2つの条件を兼ね備えていたのが、瀬戸内海周辺だったということなのかもしれません。


もう一つ今回のプロジェクトは、単に「国内最大」というだけでなく、災害対策として「調整池」を多数設けるところがユニークです。

日本には多様な地形・環境があることから、大規模太陽光発電所の設置における周辺環境への配慮も、設置場所によって様々な独自性を持ってくると考えられるので、今後はその点にも関心を持って情報をチェックしていきたいと思います。


※参照資料:
[1]岡山で国内最大級のメガソーラー発電所建設プロジェクトを受注(日揮)
http://www.jgc.com/jp/DisplayHtml/view/193
[2]プロジェクト紹介(パシフィコ・エナジー社)
http://www.pacificoenergy.jp/project/
[3]美作に国内最大級のメガソーラー パシフィコ社建設 19年秋稼働へ(山陽新聞、2017/3/12付)
http://www.sanyonews.jp/article/500347
[4]国内最大・258MWのメガソーラー、日揮がEPCを受注(日経テクノロジーオンライン)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052007624/
[5]Ukujima Mega Solar Park(Photovolt Development Partners)
https://pvdp.eu/projects/ukujima/
[6]発電所(ウィキペディア「宇久島」内)
[7]宇久島メガソーラーの今後について(佐世保市)
https://www.city.sasebo.lg.jp/soumu/hishok/sicho_ikenn_575.html
[8]徳島県小松島市(日本製紙社有地)でメガソーラー稼働(日本製紙、2015/2/13発表)
http://www.nipponpapergroup.com/news/year/2015/news150213003022.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2017年05月23日

シャープ・京セラ・パナの2017年度通期の太陽電池事業は、減収減益が目立つが利益改善の兆しも

シャープ・京セラ・パナソニックが2017年4月末〜5月にかけて、2016年度通期2016/4-2017/3)の業績を発表していました[1]〜[5]。

その中から、太陽電池・太陽光発電に関係する数字や状況を抜き出してみました。(※一部数値の計算や四捨五入は、当ブログ管理人による)


<シャープ>

  • 「エネルギーソリューション」セグメントの業績:        
    2017年度4Q(2017/1-3)2017年度通期
    売上高 302億円(前年同期比30.5%) 1036億円(前期比33.9%)
    セグメント利益149億円(前年同期は107億円の赤字)22億円(前期は184億円の赤字)
  • 太陽電池関連の状況
    • 日本国内での住宅用・産業用太陽電池の需要低迷により、売上高は減少した。
    • ただし
      ・原材料価格の見直し
      ・コストダウン
      等により、利益は大幅に改善し、通期で黒字となった。

<パナソニック>

  • 「エコソリューションズ」セグメントの業績
    2017年度通期
    売上高1兆5457億円(前期比3%)
    営業利益625億円(18%)
  • 太陽電池関連の状況
    • 国内住宅用太陽光発電システム市場は縮小し、販売減。
      またそれが、セグメントの利益減少にも繋がっている。

<京セラ>

  • 「ファインセラミック応用品関連事業」セグメントの業績
    2017年度通期
    売上高約2252億円(前期比9.0%)
    セグメント利益約156億円(同4.6%)
  • 太陽電池関連の状況
    • 「ソーラーエネルギー事業」の売上は、
      世界的な製品価格の下落
      日本国内での、固定買取価格の引き下げ
      により減少した。
    • 2017年度からは、事業セグメント区分の変更により、太陽光発電システム関連製品は「生活・環境」セグメントに入る。


つい最近にはドイツの老舗・SolarWolrdが経営破綻を発表していましたが、日本の大手メーカーの2016年度も、製品価格の下落が続く中で、やはり厳しい販売状況は通期に渡って変わらなかったことが伺えます。

しかし今回は、シャープが通期の赤字も帳消しにするほど、4Qに一気に利益を回復。

同社は1Qには、ポリシリコンの長期契約の見直しに伴い追加評価引当金44億円を損失に計上していましたが、今になってみると、それだけの価値は十二分にあったようです。

また京セラは、今回こそ利益を減らしたものの、太陽電池パネルの製造拠点の再編を行ったことで、次(2017年度)の黒字化を見込んでいるとのこと[6]。

中国などの大手メーカーで2016年4Qの利益の減少が目立つ一方で、苦戦している筈の日本メーカーに利益改善の傾向が出ていることは、非常に意外であり興味深い動きです。

[5]によると、2016年度の太陽電池パネルの出荷量は

  • 京セラ:110万kW(前期比約8%減)
  • シャープ:70万kW(同約30%減)
と、やはり前年度から減少していますが、例えパネルの販売量は減らしても、利益率を高めていくことができれば、日本メーカーが生き残っていく道も見えてくるのでは・・・と考えます。

そのためにこれから、日本の各社がどのような方策を採っていくのか、現在は極めて重要な時期なのかもしれません。


※参照資料:
[1]平成29年3月期 決算短信(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2017/1/1703_4q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(ノート付き)(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2017/1/1703_4pre_nt.pdf
[3]2016年度[第110期](2016年4月1日から2017年3月31日まで) 年間決算(パナソニック)
http://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html#2016
[4]2017年3月期 通期 決算短信(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/rt170501.pdf
[5]もう宴は終わったのか?太陽電池大手4社、全社販売減。FIT開始後で初(ニュースイッチ)
http://newswitch.jp/p/9086
[6]京セラの太陽光、今期は黒字化、パネル製造拠点を集約(日経テクノロジーオンライン)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/050207424/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2017年05月17日

独SolarWorld社が経営破綻を発表、価格下落により今後の見通しが立たず

SolarWorld社が2017年5月10日に、

  • 自社が経営破綻した。
と発表していました[1]。

ここではその翌日の発表[2]と合わせて、主な情報を抜き出してみました。


倒産の背景 経営状況などについて、徹底的な見直しを行った結果
  • 進行している価格低下(the ongoing price erosion)
  • 事業の発展(the development of the business)
により、もはや今後に対してポジティブな見通しが持てず、過度の債務を負っている、との結論に至った。
動き
  • 2017/5/10(現地時間、以下同じ):プレスリリース[1]を発表。
  • 同11日:ボンの地方裁判所に、破産手続きを申請した。
  • 同12日:関連会社である
    • 「SolarWorld Industries Sachsen GmbH」
    • 「SolarWorld IndustriesThuringenGmbH」
    • 「SolarWorld Industries Deutschland GmbH」
    • 「SolarWorld Innovations GmbH」
    の4社が、同じ地方裁判所に、破産手続きを申請した。

ただし、破産申請が受理された後のこと(顧客サポートや事業の継続など)については、当記事の作成時点(5/17の1時ころ)では全く発表されていません。



思い返すと、SolarWolrd社は早いうちから(私が知る限りでは2011年から)、 中国製太陽電池パネルが不当な政府支援を受けていることを訴えていました。

そして実際にその後、欧州米国で、反ダンピング関税・相殺関税が導入されています。

しかし制裁措置が始まった後も、中国製パネルの勢いは止まらず。

2016年には、過剰生産により中国国内で余ったパネルが米国に流れ込み、急激な価格低下(40〜55セント/W)を引き起こす事態になっています。

SolarWolrd社は、今年2月にはその対策として、PERC単結晶シリコン型への集中などを発表していましたが、今回とうとう力尽きてしまった、ということのようです。

同社は、僅か約3週間前先月(2017/4/18)には、パネル内部の反射光も発電に利用する両面モジュール「Bisun」を発表していた[5]だけに、リリース[1]の淡白なタイトル・本文とともに、今回破綻を発表せざるを得なかったことの、無念さが想像されます。


ただ、中国の大手メーカーの2016年業績では、4Qの売上高・利益の減少が顕著。

また、一時は出荷量の世界トップだったTrina Solar社に至っては、いつの間にか上場廃止し、株式非公開企業になっていました。

これらのように、モジュール販売で強い競争力を持ち、出荷量で世界上位を占めている筈の中国メーカーが、安泰かと言えば、全くそうではない状況であることが伺えます。

中国メーカーが、数年前に軒並み赤字に陥った教訓を生かさず、生産過剰に走ったこと(そして結果として、自分達の首も絞めるような状況をもたらしていること)には、「一体何を考えているのか?」と強い疑問を抱きます。

ともかく、売電額が10セント/kWh未満の大規模発電所プロジェクトが登場してきていることもあり、(拠点の地域・国を問わず)モジュールメーカーにとっては、厳しい価格圧力が続く状況は、続かざるを得ないように思われます。


SolarWolrd社の事業の今後については全く判りませんが、米国では、カリフォルニア州の分散型市場でシェア2位に位置している[6]との報道もあり、高い品質へのこだわりが、一定の確かな評価を得ていることが伺えます。

同じドイツのQ-cells社は、経営破綻後に韓国のHanwha Groupによって買収され、その後もしっかり事業を継続しています。

今は極めて厳しい市場の状況とは思いますが、SolarWolrd社についても、何とか事業を継続する方向に行ってほしい、と願うものです。


※参照資料:
[1]SolarWorld AG: Insolvency(SolarWorld社)
http://www.solarworld.de/en/group/press/press-releases/corporate-news-ad-hoc/single-ansicht/article/solarworld-ag-insolvency/
[2]SolarWorld AG: Preliminary administrator / Insolvency of affiliated companies(同上)
http://www.solarworld.de/en/group/press/press-releases/corporate-news-ad-hoc/single-ansicht/article/solarworld-ag-preliminary-administrator-insolvency-of-affiliated-companies/
[3]ドイツSolarWorld AG社の経営破綻につきまして(ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション社)
http://www.e-solar.co.jp/news/news36.html
[4]独太陽電池大手がまた破綻 「最後の砦」が手続き開始(日本経済新聞)
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDZ11H8M_R10C17A5000000/
[5]New flagship leads SolarWorld´s module fleet(SolarWorld社)
http://www.solarworld.jp/index.php?id=7641&L=8&tx_ttnews%5Btt_news%5D=1977&cHash=b24733226210da88fefdf16e3e2910fa
[6]米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強(日経テクノロジーオンライン、2017/4/10付)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/040600045/

※関連記事:

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2017年05月13日

NEDO・奥地建産などが「水平型動風圧試験装置」による架台の耐風圧性能試験を開始、パネルや架台を破壊できる風圧が可能

NEDO奥地建産2017年4月26日に、

  • 大型の「水平型動風圧試験装置」を用いての、地上設置型太陽光発電設備の耐風圧性能の実証試験を開始した。
と発表していました[1][2]。

概要は次の通り。


<背景>

  • 固定価格買取制度の開始により、太陽光発電システムの導入量が増えているが、それに伴い、構造設計の不十分な設備などで、強風による損壊被害が発生するようになった。
    このため現在では、太陽光発電システムの「安全性」と「経済性」を両立させた設計ガイドラインが、必要となっている。
  • NEDO・太陽光発電協会・奥地建産の3者は、
    • 太陽光発電システムの自然災害・経年劣化に対して、安全性・経済性を確保する、評価・設計の手法
    を確立するために、設備の構造安全性の課題に関する、調査・研究・実証試験を進めている。
    (※プロジェクト名は「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト/太陽光発電システムの安全確保のための実証」、期間は2016〜2018年度)
    そしてこのプロジェクトでは
    • 地上設置型設備設計ガイドライン
    を、20192月末までに策定することを目指している。

<実証試験>

目的 強風(台風など)に対する、架台構造安全性を確認する。
ここで得られる知見を、設計ガイドラインの策定に生かす。
実験設備 「世界最大規模」の「水平型動風圧試験装置」を用いる。
この装置は、下記の特徴を備える。
  • 実際の設備を試験可能
    大空間(幅16m×奥行6m×高さ4m)を有しており、これに実際の太陽電池パネル+架台を設置して、試験を行うことができる。
  • 破壊可能な風圧
    太陽光発電設備のパネルや架台を破壊できるだけの、圧力を加えることができる。
    これにより、実際の台風などを超える条件で、試験することが可能。
実施場所 奥地建産の本社工場(大阪府松原市)
開始日 2017/4/26(※リリース[1][2]の発表当日)


世界的にも類を見ないという規模の試験装置には驚きましたが、当ブログで記録している限りでも、奥地建産はこれまでに

と、非常にユニークな設置環境での実証試験に携わっていました。

そして同社の架台「sun catcher」の開発レポート[4]では、架台に関する(実際の環境に即した)豊富な知見や、きめ細かい性能追求の姿勢が伺えます。

その点で、今回の強力な「水平型動風圧試験装置」の導入も、自然な流れだったのかもしれません。

またガイドラインの完成は、予定通りでも約2年後とまだ先のことですが、日本国内の環境に基づいた明確な基準を確立することで、設計や施工のコストダウンが進むことが、期待できるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]NEDO:地上設置型太陽光発電システムの耐風圧性能試験を開始(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100757.html
[2]地上設置型太陽光発電システムの耐風圧性能試験を開始(奥地建産)
http://www.okuji.co.jp/news/20170426news.pdf
[3]産業用太陽光発電システム架台 sun catcher(同上)
http://www.okuji.co.jp/pv/suncatcher/index.html
[4]研究レポート01 sun catcher(同上)
http://www.okuji.co.jp/pv/randd_report01.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 架台

2017年05月12日

経産省が改正FITによる認定失効の推計値を発表、太陽光発電の失効見込み件数は認定の15%弱とみられる

  • 改正FIT法の施行により生じる、認定失効推計値(件数、kW)
を発表していました[1]。

今回はその中で、太陽光発電の状況を推測するため、関係する数値を抜き出してみました。(※単位の変更や一部の数値は、当ブログ管理人が計算)


<認定分に太陽光発電が占める割合>

認定分
(2016/6末時点)
太陽光発電
(左に同じ)
太陽光発電
の割合
件数315万2000件314万9000件99.9
容量1億649万kW8486万1000kW79.7

まず[2]の2pのデータから、「認定件数・容量において、太陽光発電が占める割合」を計算してみました。

認定分の数値は「2016/6末時点」と1年近く前のものですが、これは[2]での推定対象が「2017/4/1に認定失効する案件」であり、2016/7以降の認定分はこれの対象外となっているためです。

計算結果を見ると、「認定件数」では太陽光発電がほぼ全てを占めており、その勢いの凄まじさが改めて伺えますが、これは一般世帯に導入される「住宅用」の存在も大きいと推測します。

いっぽう「認定容量」では、太陽光発電は約8割に留まっているのが意外でした。


<失効見込み分が認定分に占める割合>

※太陽光発電だけでなく、再エネ全ての数値。

認定分
(2016/6末時点)
失効見込み分
(2017/4/1時点)
失効見込み分
の割合
件数315万2000件45万6000件14.5
容量1億649万kW2766万kW26.0%

次に、[2]の1pの数字を元に、再エネ全体において「失効見込みが認定に占める割合」を計算してみました。

このうち「件数」については、(前項の計算結果から)ほぼ全てが太陽光発電なので、上記表の「割合」も、太陽光発電の状況を殆どそのまま反映していると考えられます。
(※「容量」のほうは、ついでとして計算したものです)

そうすると認定を受けていた案件のうち、約15%が先月初めに失効した見込み。

2年前には「非住宅(10kW以上)」の認定量のうち、実際に導入済みなのは22.2%(※容量ベース)という状況でした(つまり、未導入が8割弱)。

比較する数値に、件数ベースと容量ベースの違いがありますが、それでもこの2年で、認定量と導入済み量のギャップが巨大だった状況は相当に改善された、ということが推測されます。


<電力会社ごとの失効見込み>

※太陽光発電だけでなく、再エネ全ての数値。

電力会社 認定分
(2016/6末時点)
失効見込み分
(2017/4/1時点)
認定に対する
失効見込み
割合
失効見込み容量×0.797
(※太陽光発電容量
の推測値
)
北海道4万9000件1万2000件24.5
3650MW1030MW28.2%821MW
東北21万8000件3万8000件17.4
18930MW3740MW19.8%2981MW
東京92万3000件12万5000件13.5
26270MW6690MW25.5%5332MW
中部56万2000件7万件12.5
12230MW2450MW20.0%1953MW
北陸4万4000件6000件13.6
1580MkW580MW36.7%462MW
関西41万4000件4万5000件10.9
8800MW2330MW26.5%1857MW
中国25万1000件3万2000件12.7
8510MW2400MW28.2%1913MW
四国12万9000件1万8000件14.0
3810MW1000MW26.2%797MW
九州52万7000件10万2000件19.4
22040MW7230MW32.8%5762MW
沖縄3万5000件6000件17.1
660MW200MW30.3%159MW

ここでは[2]の4pの数字を元に、各電力会社における失効見込みの割合を計算してみました。
(※「容量」における割合は、ついでとして参考程度に計算したものです)

「件数」については、「認定」「失効見込み」ともに殆ど太陽光発電とみなすと、全ての電力会社で失効見込みの割合が1割を超えており、その中で最も高いのは北海道電力(約25%)。

北海道と言えば、FIT開始当初にメガソーラー計画が集中したため、いちはやく「30日ルール」の緩和が発表(2013年4月)されるほどでした。

ただ、当時のその緩和では「500kW未満」の太陽光発電は当面対象外となっており、今回失効見込みとなっているのは、2014年秋までに計画が立ち上げられた500kW未満の案件群なのかもしれません。

また、北海道に続くのは九州(約20%)、沖縄(約17%)、東北(同)ですが、いずれも(北海道と同じく)2014年秋に接続回答保留が発表された地域であり、その影響が大きく、かつ長く尾を引いた(=多くの事業が遂行不可となった)ことが推測されます。


最後に、上記表の一番右の項目は、失効見込みの「容量」のうち(前項で算出した)79.7%が太陽光発電と考えて、失効見込みの太陽光発電の規模を掴むために、MW換算で算出したものです。

最大は九州(約5.8GW)、次が東京(約5.3GW)で、他にも1GW超えが4地域ありますが、これだけの計画が立ち消えた見込みということには、良くも悪くも、FITがもたらした影響の巨大さを感じるものです。


※参照資料:
[1]改正FIT法の施行に伴う認定失効の見込みを取りまとめました(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170421003/20170421003.html

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2017年04月27日

Trina Solar社が「Fortune Solar Holdings」による子会社化で株式非公開に、今後は更に投資家コンソーシアムが買収する予定

既に1ヶ月以上前になりますが、Trina Solar社が2017年3月13日に、

  • Red Viburnum Company Limited」(※「Fortune Solar Holdings Limited」の完全子会社)との合併を完了した。
と発表していました[1]。

今回は、Trina社の過去の発表[2]〜[4]、またBloombergの報道[5]と合わせて、この合併に関して読み取れる主な情報を抜き出してみました。


<合併の経緯と予定>

2016/8/1 「Fortune Solar」「Red Viburnum」との間で合併契約締結した。
存続会社はTrina Solar。
この合併において、Trina社の普通株式1株は、現金0.232米ドルを受け取る権利と交換される。
同12/16 臨時株主総会を開催。
株主投票により、この合併計画の承認(議決権の2/3以上が必要)を求める。
(※Trina社の会長兼創設者であるGao氏は、議決権の約5.5%を保有している)
2017/3/13 合併契約完了した。
これによりTrina社は、Fortune Solarの完全子会社となり、上場会社ではなくなった。
その後の予定 合併後のTrina社は、投資家のコンソーシアムにより買い取られる計画。
これは全て、現金により行われる。(買取額は11億ドルの見込み)
投資家コンソーシアムのメンバーは、
  • Trina社の会長兼創設者Gao氏
  • 「Shanghai Xingsheng Equity Investment & Management Co., Ltd.」
  • 「Shanghai Xingjing Investment Management Co., Ltd.」
  • 「Great Zhongou Asset Management (Shanghai) Co., Ltd.」
  • 「Liuan Xinshi Asset Management Co., Ltd.」
など。
(※ただし、この買収が何時実施されるのかは、記載が無い。)

また、この非公開化を目指す背景・理由について、Trina社の発表[1]〜[3]には全く記載がありません。

ただしBloombergの記事[4]では、次のような内容の記述があります。


  • 今回の買収は、
    • 太陽電池パネルの設置は記録を更新しているが、メーカーの利益回復していない
    という状況を反映している。
  • Trina社は、何年も損失を出してきた。
    これは
    • 技術コストの高騰
    • 過剰供給
    の結果である。
  • Trina社は2013年に黒字化し、更に2014年にはYingli Green Energy社を追い越して、最大の太陽電池パネルメーカーになった。
  • 太陽電池パネルの価格は
    • 供給過剰
    • 低い参入障壁
    により、過去3〜4に渡って打撃を受けている


親会社となった「Fortune Solar Holdings」については、企業の公式サイトは見つからず。

Bloombergのサイト[5]でも、殆ど情報が掲載されておらず、非公開企業(Private Company)であることしか判りません。

ただ今回の合併において、Trina社については、最終的に投資家コンソーシアム(創業者を含む)の手に渡る予定とのこと。

そのため、Fortune Solar社が本格的・長期的に経営に関わったり、ましてやTrinaのブランドが変わる可能性は、ほぼ無いものと考えます。


株式の非公開化は、その企業にとってデメリットが大きいのでは?と思っていましたが、実際には米国では意外にも、売上高10億ドル超の大企業でも、非公開企業が多いそうです[6]。

現在の太陽電池パネル市場に目を向けると、製品価格の低下が著しく、他の大手メーカーでも利益率の低下が顕著な状況。

そのため今回のTrina社の動きについても、株主への配慮(短期的な業績アップ)が必要な株式上場の継続は、企業の長期的な運営・存続を目指すうえでデメリットのほうが大きい、と判断されたものと推測します。


最後に、Bloombergの記事で一つ気付くのは、パネル価格が「打撃を受け」始めたのは3〜4年前(2013〜2014年)ですが、これはちょうどTrina社がメーカー首位になった年(2014年)と重なります。

かつてのSuntech PowerQ-cellsの事例もありますが、太陽電池パネル市場において、生産量・出荷量が世界トップとなることは、一般的な(1位が良いという)イメージとは反対に、どうやら決して良いこととは言えないようです。

また、(販売規模や価格競争力を追い求めるのではなく)得意分野や付加価値などで独自のポジションを築いていくことが、長期的に日本メーカーが生き残っていく道なのでは・・・とも考えさせられます。


※参照資料:
[1]Trina Solar Limited Announces Completion of Going-Private Transaction(Trina Solar社、2017/3/13発表)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2253566
[2]Trina Solar Enters into Definitive Agreement for Going Private Transaction(同上、2016/8/1発表)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle_print&ID=2191453
[3]Trina Solar Announces Extraordinary General Meeting of Shareholders(同上、2016/11/7発表)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle_print&ID=2219967
[4]Trina Takes Biggest Solar Maker Private in $1.1 Billion Deal(Bloombergの記事、2016/8/1付)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-08-01/trina-solar-to-go-private-in-1-1-billion-deal-led-by-chairman
[5]fortune solar holdings ltd(Bloomberg)
https://www.bloomberg.com/profiles/companies/1430124D:US-fortune-solar-holdings-ltd
[6]米国における非公開企業と非公開化の動向(日本政策投資銀行、2006年3月)
http://www.dbj.jp/reportshift/area/newyork/pdf_all/mini0603.pdf

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2017年04月23日

福岡市の太陽電池モジュールメーカー「ZEN POWER」が倒産、欧州取引先の倒産などで売上が急減・事業停止状態に

東京商工リサーチが2017年4月に、

  • 福岡市の太陽電池モジュールメーカー「ZEN POWER」が倒産した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景・経緯
  • ZEN POWER社は、2013年10月に現在地(福岡市内)に移転。
    主に太陽電池モジュールの組立・販売を手掛け、日本国内・海外に販売していた。
    (※工場は福岡県久山町に開設)
  • 業績は2014年まで好調だったが、
    • 資金繰りの悪化(大口取引先のドイツ企業に、多額の不良債権が発生)
    • 欧州での太陽電池モジュール価格の下落
    • 日本国内での再エネ買取価格の引き下げ
    等、市況が急激に悪化し、2015年は売上が急減。
    同年末までに社員を解雇し、事実上の事業停止状態になっていた。
  • 売上高は、
    • 平成26年(2014年)12月期:約74億円
    • 平成27年(2015年)12月期:約5500万円
負債総額 約52億円
破産開始の決定日 2017/4/5


九州の地場モジュールメーカーの経営破綻と言えば、2012年のYOCASOL社を思い起こします。

ただ、同社の負債額は25億円弱で、今回のZEN POWER社はその2倍以上。

またYOCASOL社の破綻では、他の太陽光発電関連企業が事業資産の買取・雇用の維持に名乗りを上げていました

しかし今回のZEN POWER社は、既に1年以上前に社員を解雇し、事業が停止状態とのことであり、何らかの形で後につながる見込みが考えづらいのが、残念です。


売上高を見ると、2014年度と2015年度の落差の巨大さに驚かされます。

メインとしていた欧州市場での取引先の倒産というのは、特有の事情ですが、他にもモジュール価格の下落に、日本市場の縮小と、国内外での一般的なマイナス要因が重なり、文字通りの「弱り目に祟り目」となってしまったことが想像されます。


世界全体としてはモジュール需要は伸びていると思われますが、市場環境は悪化が続いており、メーカーでは国内大手の販売減が続き、出荷量を伸ばしている海外大手も、製品価格の低下により明らかに利益率が低下しています

その中で、例えばソーラーフロンティア社は付加価値を高め、国内販売に重点を置く方針とのことですが、もはや単なる大量生産・コストダウンの追及ではなく、そのような生き残りのための大胆な方針の転換が、太陽電池メーカーには必要となっているのかもしれません。


※参照資料:
[1](株)ZEN POWER(東京商工リサーチ)
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20170418_01.html
[2](株)ZEN POWERの謎 なぜ販路はヨーロッパ(Net IB News)
http://www.data-max.co.jp/290420_dm1504/

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