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2017年11月20日

ソーラーフロンティア社が、太陽光発電所関連事業・海外向け太陽電池販売を別会社に移管する予定、経営資源の国内への集中を図る

ソーラーフロンティア社が2017年11月14日に、

  • 事業の一部を、新しく設立される別会社に移管する。
との方針を発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


移管先 RSリニューアブルズ」社
※昭和シェル石油の100%子会社。
移管する事業分野
  • 日本国外向けの、太陽電池販売事業。
  • 日本国内外における、太陽光発電所
    • 建設案件の開発・組成
    • 建設工事の設計・施工・監理
    • 維持管理及び運営管理に関する事業
    と、発電事業
背景・目的
  • 今回の事業分割は、昭和シェル石油のエネルギーソリューション事業における更なるシナジー創出を目的とした、グループリソースの最大活用施策の一環として行われる。
  • ソーラーフロンティアでは、今回の事業移管により、経営資源を主に国内市場に集中することで、競争力の強化を図る。
今後の予定
  • 2018年1月5日:事業を移管する予定。


ソーラーフロンティア社については、今年に入って国内住宅向けの戦略商品「SmaCIS」の展開を進めており、4-6月期業績では住宅メーカー向けのスペックインが順調に進み、 受注数量が計画通りに推移していると報告されていました。

しかし国内住宅向けが堅調な一方で、

と、他のカテゴリでは事業環境が厳しさを増しています。

実際に、日本の他の大手太陽電池メーカーの最近の業績発表(2017年度2Q累計期間)も、大部分が厳しい状況でした。


今回ソーラーフロンティア社から切り離されるのは

  • 海外向けの太陽電池モジュール販売
  • 日本と海外における、太陽光発電所関連のサービス・事業
とかなり幅広い範囲の事業であり、今後は日本国内の(住宅向けをはじめとする)分散型・小規模設備という狭いカテゴリに、更に注力していくと考えられます。

この決定(事業移管、経営資源の集中)が、どのような効果・結果をもたらすことになるか、という点は、国内の太陽光発電市場・産業の変化を追う意味でも、注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]弊社における一部事業の分割についてのお知らせ(ソーラーフロンティア社、2017/11/14)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/1114_press.html

※関連記事:

2017年11月10日

北海道・八雲町で蓄電池併設のメガソーラー(約102.3MW+約27.0MWh)が計画、SBエナジーと三菱UFJリースが携わり、指定ルール下でプロジェクトファイナンスを組成

SBエナジー」と「三菱UFJリース」の2社が2017年11月1日に、

  • 北海道・八雲町に、蓄電池併設メガソーラー(約100MW)を建設する。
との計画を発表していました[1][2]。

ここでは、その発電所の概要をまとめてみました。


名称 ソフトバンク八雲ソーラーパーク
建設場所 北海道の八雲町内
敷地面積 132ha
※「太平洋汽船」社と「太平洋農場」社が保有する土地に建設する。
規模
  • 太陽光発電:約102.3MW
  • 蓄電池:約27.0MWhのリチウムイオン電池
スケジュール
  • 2018年4月:着工
  • 2020年度内:運転開始
事業者 「北海道八雲ソーラーパーク合同会社」
※2017/1/4設立。
※SBエナジーと三菱UFJリースが、50%づつ出資している。
その他
  • 蓄電設備は、北海道電力が2015年4月に公表した「太陽光発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件」に基づいて設置する。
  • 今回の事業では、「指定電気事業者制度」による出力制御無補償の条件下で、プロジェクトファイナンスを組成する。


北海道電力の「技術要件」[4]によると、出力変動緩和対策の基準は

  • 全ての時間において、発電所合成出力(太陽光発電+蓄電池)の変化速度を「発電所定格出力の1%以下/分」
なので、今回の発電所では、出力変動を約1MW以下/分に抑えることが、条件になるものと推測されます。

太陽光発電の出力規模に対して、蓄電池の容量がどの程度あればこの基準を満たせるのか、というのは、専門家でない私には見当が付きません。

その点で今回のプロジェクトにおいて、稼動後に約1年必要という技術検証(合成出力のサンプリングデータをチェックする)で良好な結果が得られれば、本プロジェクトの数値が一つの目安とできるのでは、と期待するものです。


また個人的に、指定ルール(2015/1開始)と蓄電池併設については、これまで(太陽光発電所事業において)コスト的に著しく不利な条件、というイメージしかありませんでした。

そのため今回の事業で、それらの条件下(プラス、FITでの買取価格引き下げが続く中)で「プロジェクトファイナンスを組成します」と明言されていることには、非常に驚きました。

この点については近年、太陽電池モジュールパワコン蓄電池の値下がりが著しく進んでいることが、不利な条件下での事業化を可能にしつつある、ということなのかもしれません。


振り返ると今年(2017年)に入ってから、北海道内では他にも

と、蓄電池併設のメガソーラー事業が相次いで立ち上げられています。

かつてのFIT導入直後の活気が消え去った、国内の太陽光発電市場において、これらのような蓄電池併設のメガソーラーが新しい動きとなり得るかどうかは、期待を持ちつつ注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]北海道八雲町で国内最大規模の蓄電池併設型メガソーラー発電所を建設(SBエナジー、2017/11/1)
http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/press/2017/1101_150000.html
[2]北海道八雲町で国内最大規模の 蓄電池併設型メガソーラー発電所を建設(三菱UFJリース、2017/11/1)
http://www.lf.mufg.jp/investors/library/pressrelease/2017110104.pdf
[3]国内最大の蓄電池併設型メガソーラー、北海道八雲町(日本経済新聞、2017/11/6)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO23143340W7A101C1000000
[4]太陽光発電設備および風力発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件について(北海道電力)
http://www.hepco.co.jp/energy/recyclable_energy/fixedprice_purchase/solar_wind_power_pv_tec.html
[5]プロジェクト・ファイナンス(ウィキペディア)

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2017年11月05日

2017/4-9の国内大手3社(シャープ、京セラ、パナソニック)の業績発表は、太陽電池に関する記述が(1Q同様)著しく乏しく、厳しい状況に変化無し

シャープ、京セラ、パナソニックが2017年10月末に、2017年度2Q累計期間2017/4-9)の業績を発表していました[1]〜[3]。

その中から、太陽電池事業・太陽光発電事業に関する数値や記述をまとめてみました。


<シャープの2017/4-9の「スマートホーム」セグメント>

業績
  • 売上高:2906億円(前年同期比10.2%
  • 営業利益:204億円(同41.2%
太陽電池関連
の状況
  • エネルギーソリューション事業」では、EPC等底堅く推移した。
    これは、セグメント売上増の一因となっている。
  • 利益に関しては記述無し。

<京セラの2017/4-9の「生活・環境」セグメント>

業績
  • 売上高:約528億円(前年同期比14.6%
  • 営業利益:約3.7億円の赤字(前年同期は約7.4億円の赤字)
太陽電池関連
の状況
  • ソーラーエネルギー事業」において、米国事業を縮小した。
    これが、セグメント売上高の減少をもたらした。
  • 利益に関しては、明確な言及無し。

<パナソニックのの2017/4-9の「エコソリューションズ」セグメント>

業績
  • 売上高:7573億円(前年同期比4%
  • 営業利益:213億円(同1%
太陽電池関連
の状況
  • ソーラー減販した。
    (※ただし他事業の好調によって、セグメントの売上高は増加)
  • ソーラーで事業構造改革費用を計上した影響で、セグメント利益は減少した。
  • 今後については、
    • セル単体のデバイス販売:
      今年度(2017年度)中に開始する。
    • モジュール生産体制
      グローバルでの見直しを行う。
      滋賀工場の生産を2018年3月末で終息、など)


パナソニック以外の2社では、太陽電池に関する記述が著しく乏しく、シャープに至ってはもはや「太陽電池」「ソーラー」の単語さえ有りません。

もっともその点は、前四半期(2017/4-6)と同じであり、2Qも事業の状況は、全く変らなかったとみられます。


ここでもう一度思い返すと、2014年秋の電力会社による接続回答保留の発表と、2015年初めの「指定ルール」導入以来、

と、日本国内の太陽光発電市場は減速が際立っています。

加えて海外市場でも、モジュール価格の急速な低下が継続中。

このように、国内外で事業環境が極めて厳しくなっており、そしてその状況改善が全く見込めない中では、大手メーカーにおける太陽電池の存在感の希薄化は、今後更に進んでいくのかもしれません。


※参照資料:
[1]2018年(平成30年)3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ、2017/10/27)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2018/3/1803_2pre_nt.pdf
[2]2018年3月期 第2四半期 決算短信(京セラ、2017/10/30)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/rt171030.pdf
[3]2017年度 第2四半期 連結決算概要(パナソニック、2017/10/31)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/10/jn171031-4/jn171031-4.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2017年11月02日

ネクストエナジー社が中国法人を設立、成長見込みが大きい中国市場への進出を狙う、まずは現地の太陽電池メーカーに部材納入(日本メーカーと仲介)

ネクストエナジー・アンド・リソース社が2017年10月30日に、

  • 中国現地法人を設立し、活動を開始した。
と発表していました[1]。

今回はその概要をまとめてみました。


現地法人の名称 「奈克偲特(ネクスト)新能源科技(上海)有限公司」
設立の背景 中国と日本の太陽光発電導入量は
中国日本
通年累計通年累計
2015年実績15GW44GW11GW34GW
2016年実績34GW77GW8.6GW43GW
2020
(政府目標)
162GW63GW
であり、中国市場の大幅な伸びが見込まれる。
設立の狙い
  • 現地での製造委託品の品質アップ(現地法人が品質管理を行う)
  • 中国市場への進出の足掛かり
具体的な取組み まず現地法人の仲介機能を活用し
  • 中国国内の太陽光関連製品メーカーへの部材販売
  • 中国市場向け製品の開発販売
に取り組む。
第一弾として2017年9月から、「東洋アルミニウム」社の現地法人と取引を開始し、同社の部材を現地メーカーへ納入する事業を開始している。
スケジュール
  • 2017年8月22日:設立
  • 同年9月下旬:活動開始


中国の太陽電池メーカーは、余剰モジュールの大量供給により米国でのモジュール価格急落を引き起こした、言わば「張本人」であり、その後も同市場で価格下落が続いたことを考えると、部材に対するコスト面での要求も、相当に厳しいことが想像されます。

今回のネクストエナジー社の取組みは、敢えてその厳しい環境に飛び込むものですが、例え極めて薄利多売であっても、中国市場の成長見込みを考えると、メリットのほうが大きいと判断した、ということなのかもしれません。


また、中国市場への外資系企業の参入というと、ちょうど3年前(2014年)に米SunPower社が発電所事業に参入していましたが、これは現地企業との合弁企業を設立したうえでのことでした。

今回のネクストエナジー社の取組みは、現地企業との合弁などでは無いようですが、中国市場でどの程度自由に活動できるものなのかが、気になるところです。


最後に今回の中国進出は、日本市場の成長に限界を見ての判断と感じられますが、その一方で、中国の太陽電池モジュールメーカーの日本市場参入が相次いでいる、との報道もある[4]のは、何とも興味深いことです。

もっとも日本の場合は、メガソーラー分野において、固定価格買取制度(FIT)での認定量と実際の導入量のギャップが埋まり次第、メガソーラー向けのモジュール需要も急速に縮小していくと思われるので、中国市場とは全く状況が異なるとは思いますが。


※参照・参考資料:
[1]ネクストエナジー、中国現地法人を設立 自然エネルギー事業をアジア市場にも展開(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2017/10/30)
http://www.nextenergy.jp/sp/info/2017/info20171030.php
[2]ネクストエナジー 太陽光部材を中国で販売 東洋アルミと業務提携(日本経済新聞、2017/10/30)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22854850Z21C17A0TJC000/
[3]|製品紹介|太陽電池関連製品(東洋アルミニウム社)
http://www.toyal.co.jp/products/solar/index.html
[4]太陽光パネル、中国勢の波 低価格で圧倒(日本経済新聞、2017/10/28)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22848750Y7A021C1EA5000/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:アジア

2017年10月27日

南アの世界遺産「Robben Island」にマイクログリッドシステムが導入、太陽光発電の電力で島の需用電力量の約1/2を賄える見込み

Canadian Solar社が2017年10月23日に、

  • 世界遺産となっている南アフリカの「Robben Island」に、太陽光発電+蓄電池+ディーゼルエンジンのマイクログリッドシステムが導入された。
と発表していました[1]。

設計・建設を担った南アの「SOLA Future Energy」社の発表[2][3]と合わせて、設備の概要をまとめてみました。


導入場所の背景
  • Robben島はかつて刑務所であり、例えばネルソン・マンデラ氏が18年間収容されていた。
    またそれ以外にも、らい病患者の収容所(19世紀)や、第二次世界大戦時の防衛設備として用いられた。
    アパルトヘイト撤廃後の同島は観光地となり、ユネスコの世界遺産に指定されている。
    また同島は、ペンギン等が生息し、生物多様性も高い。
  • 同島の電力源は、これまでディーゼルエンジンだったが、軽油の使用量は年60万リットルにも及び、島の管理コストに大きな負担となっていた。
    また、環境に対する影響も大きかった。
    今回のマイクグリッドシステム導入は、南ア周辺の重要なモニュメントにおいて、持続可能な観光を促進するために、南アフリカの観光省により委託された事業である。
設備の構成、規模
  • 太陽光発電システム666.4kW
    太陽電池モジュールは、Canadian Solar社の単結晶型「CS6U-340M」を1960枚使用している。
  • リチウムイオン電池837kWh、最大500kV
  • ディーゼルエンジン
    太陽光発電が出力できず(例えば夜間時)、また蓄電池も空となった場合に稼動する。
  • マルチプルコントローラー
    電力供給を途切れ無く行えるよう、上記3つの設備・機器を制御する。
見込まれる効果
  • 電力供給能力
    島の電力需要(年約200万kWh)の半分(約100万kWh)を賄う。
  • 軽油の使用量
    年間で23.5万〜30万リットル削減。
    (※記載の数値にバラつきが有る)
稼動年数 20年以上の予定


Robben島のことは今回初めて知りましたが、アパルトヘイト廃止を機に、その歴史的な役割を大きく転換した場所と見受けられます。

その地に、再エネ設備が実用的なものとして導入されたことは、別のカテゴリ(エネルギー供給)でも大きな変化が起こる可能性を、示唆しているようにも感じられ、非常に興味深いです。


[2]には、リチウムイオン電池の過去6年間(2010〜2016)における価格下落が示されていますが、2016年は2010年比で約73%ダウンと、その想像以上の値下がりに驚きました。

近年は太陽電池モジュールの価格下落が際立っており、またパワコンの価格低下も進んでいるとのこと。

更に蓄電池のコストも大きく下がっていることで、(通常の太陽光発電システムだけでなく)今回のようなマイクログリッドシステムについても、経済的な合理性が十分な水準に達してきている、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Robben Island, the Prison Where Nelson Mandela was Jailed for 18 Years, has Installed a Solar Power System With Canadian Solar Modules(Canadian Solar社、2017/10/23)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2310250
[2]The Robben Island solar microgrid shows the power of solar PV and batteries(SOLA Future Energy社、2017/10/18)
http://www.solafuture.co.za/news/robben-island-solar-microgrid-power-of-solar-pv-and-batteries/
[3]Robben Island's 666.4 kW solar PV and battery storage microgrid(YouTube、アカウント「SOLA Future Energy」さんの動画)
https://www.youtube.com/watch?v=c-ULxbjDnuA&feature=youtu.be
[4]Robben Island(Wikipedia)
[5]MaxPower Panels(Canadian Solar社)
https://www.canadiansolar.com/solar-panels/maxpower.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 発展途上国での導入

2017年10月23日

台湾の「Neo Solar Power」「Gintech Energy」「Solartech Energy」が合併する方針、垂直統合の旗艦企業「UREC」となり、ファウンダリからの脱却や台湾内の産業強化を狙う

台湾の太陽電池セルメーカー「Neo Solar Power」(NSP)社が2017年10月16日に、

  • 台湾の同業者である
    • Gintech Energy
    • Solartech Energy
    とNSPの各々の取締役会が、1社への合併を目指す意向表明書を実行することを、決議した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


<合併後の企業名>

  • United Renewable Energy Co., Ltd.」 (「UREC」)
    ※3社は対等の立場での合併を目指すが、台湾の法律に基づき、NSPを存続会社として、合併後に会社名を上記に変更する。

<合併を目指す背景>

  • 3社は各々、台湾における、独自のニッチな太陽電池セルメーカーとして、10年以上営業している。
    またセル以外に、
    • シリコンウエハー
    • モジュール
    • 電力網
    • その他の太陽エネルギーのサプライチェーン
    の生産にも携わっている。
  • 太陽電池市場は競争が激化し、集中がますます進んでいる。
    この状況下で3社は、
    • 世界市場における高い競争力
    • 豊かな統合プラットフォーム
    を持つ旗艦企業を、台湾のメーカーが共同で形成すべきだと考えている。

<期待される効果>

1社への統合により、台湾のグリーンエネルギー産業の、新しいビジネスモデルを創出する。
これは、太陽電池セル技術での先導的な役割の維持だけでなく、

  • 国内外での、太陽電池モジュールへの投資の拡大
  • 自己保有の、高品質な太陽電池モジュールブランドの構築
  • 発電所開発事業への参入
により、台湾の産業を垂直統合する。
そして、台湾における
  • 太陽電池セル産業の、ファウンダリからの脱却
  • グリーンエネルギー産業の成長力の拡大
  • 関連する産業チェーン(素材、電気機械、その他関連サービス)の、共同開発の推進
をもたらす。


<政府機関との協力>

  • URECの競争力の強化
  • 3社による、産業のアップグレード計画
という狙いと、台湾のエネルギー政策の方向性の中で、3社は関連する政府機関との協力を開始している。
最初のコンセンサスは、適切な条件下における、「National Development Fund」や他の(政府から任命された)機関から、3社への投資である。
この出資は主に、3社の設備投資に用いられる予定。


<今後の予定>

  • 2017年12月末まで:法的拘束力のある合併契約を締結する。
    (※今回の意向表明書には、法的拘束力は無い)
  • 2018年3Q合併プロセスを完了する。
  • 今回のプラットフォームには、台湾の他の太陽電池企業の参加も、歓迎する方針。


台湾の太陽電池産業については、かつてのSolvisto誌の特集記事で取り上げられており[2]、それによると当時の台湾のセル生産能力は計約10GWでした。

いっぽう、今回の合併方針を報じた日経新聞の記事[3]によると、合併後の生産能力は計5GW程度とのこと。(※ただし、セルの生産能力との明記は無し)

この数値は、2014年と2017年で3年のギャップはありますが、それでも合併企業「UREC」は、台湾全体のセル生産能力の中で、非常に大きな割合を占めることが推測されます。

それだけに、今回の合併が実現すれば、台湾の太陽電池産業において、極めて大きな動きとなることは間違い無いと思われます。


このような重大事項ながら、NSP以外の2社のウェブサイト[4][5]では、今回の件に関する発表は掲載されていませんでした。(と言うより、英語サイトのプレスリリースの更新自体が止まっている)

ただ、Solartech社の「月間売上高レポート」[6]を見ると、2016年7月以降の「年間増加率」が、(2017年9月を除く)全ての月で、2ケタ%の大幅なマイナスとなっています。

2016年と言うと、米国に中国製の余剰モジュールが大量に流入し、モジュール価格の下落が加速した年でした。

その中で、今年になって米Suniva社独SolarWorld社が経営破綻していますが、今回の台湾3社の合併構想も、この市場の急激な変化を受けて、判断を余儀なくされた面が強いのでは、と想像します。


ただ、どのようなきっかけであれ、OEM供給元として技術力とシェアを高めてきた台湾のセルメーカーに、ファウンダリとしてのポジションから脱却しようという、明確な動きが出てきたことは確かです。

また、台湾の政府機関も支援するということで、「国策」として太陽電池産業を振興しようという側面も感じられます。

それらの意志や意図を背景として、「UREC」が実現した場合に、世界市場においてどのような存在となっていくのかは、非常に強く興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]Gintech, Solartech and NSP to Merge and Establish United Renewable Energy Co., Ltd. to Create a New Winning Model in Line with Taiwan’s Renewable Energy Policies(NSP、2017/10/16)
https://www.nsp.com/2017%e6%96%b0%e8%81%9e%e7%99%bc%e5%b8%83/gintech-solartech-and-nsp-to-merge-and-establish-united-renewable-energy-co-ltd-to-create-a-new-winning-model-in-line-with-taiwans-renewable-energy-policies?lang=en
[2]セル王国台湾で進む 高効率システム開発(月刊「Solvisto」誌、2014年7月号17〜21p)
[3]台湾の太陽電池大手3社が合併へ 新日光など(日本経済新聞、2017/10/16)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22317540W7A011C1FFE000/
[4]News Releases(Gintech)
http://www.gintechenergy.com/en/index.php/news-events/news-releases/news-releases-all
[5]広報及びイベント(Solartech Energy)
http://jp.solartech-energy.com/news/
[6]月間売上高レポート(同上)
http://jp.solartech-energy.com/invest/report-mon.aspx
[7]ファウンドリ(ウィキペディア)

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2017年10月16日

北米トヨタの新本部の駐車場に、SunPower社製の太陽光発電カーポート(8.79MW)が設置、本部キャンパスの電力需要の1/3を賄える見込み

SunPower社が2017年10月11日に、

  • Toyota Motor North America」の新本部の駐車場に、8.79MW太陽光発電カーポートを設置した。
と発表していました[1]。

設備の概要は下記の通り。


設置場所 テキサス州Planoの「Toyota Motor North America」の新本部(100エーカー)にある、4ヶ所の駐車場。
規模 8.79MW
本部キャンパスの電力需要の約1/3を賄える見込み。
太陽電池モジュール E-Series」を2万枚以上使用。
(この「E-Series」は、最初の25年間のエネルギー生産量が、(同一面積の従来品と比べて)30%多く見込まれる)
その他 システムの設計はSunPower社が担当。
また設備には、同社のカーポートソリューションを用いた。


通常の建物屋根ではなくカーポートとは言え、野立て(地上設置)ではない太陽光発電設備で、8.79MWという規模を実現していることに、まず非常に驚きました。

また個人的にはこれまで、太陽電池モジュール設置のカーポートというと、戸建住宅用の小規模なものしかイメージに有りませんでした。

そのため、大型駐車場にピッタリ適合しているSunPower社のカーポートソリューション[3]にも、強いインパクトを受けました。

今回のプロジェクトでは、発電電力量が(従来製品より)格段に優れるという「Eシリーズ」モジュールの採用と合わせて、SunPower社が持つ強みが良く感じられる気がします。

中国製品の大量流入に端を発し、太陽電池モジュールが急激に値下がりした中で、世界有数の自動車メーカーであるトヨタが、このような大規模設備において、(高品質・高性能をアピールポイントとする)SunPower社の製品やソリューションを選択したことは、非常に興味深いです。


また今回のプロジェクトは、駐車場やカーポートが、太陽電池モジュールの設置場所として有力であることも、示しているように感じられます。

日本は、日照条件や駐車場の規模の点で(アメリカと比べて)不利とは思いますが、それでも国内で太陽光発電カーポートが増えていくことを、是非期待したいものです。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Completes 8.79-Megawatt Solar Project at Toyota Motor North America(SunPower社、2017/10/11)
http://newsroom.sunpower.com/2017-10-11-SunPower-Completes-8-79-Megawatt-Solar-Project-at-Toyota-Motor-North-America
[2]サンパワーEシリーズ 太陽光パネル(SunPower社)
http://www.sunpowercorp.jp/products/e-series-solar-panels/
[3]SunPower Solar Carports(同上)
https://us.sunpower.com/commercial-solar/products/solar-carport/

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2017年10月09日

明電舎が初の500kWパワコン「SP1000-500」を発売、DC1000V入力対応で変換効率98.7%、販売価格は250kW機比で約40%削減

2週間以上前になりますが、明電舎2017年9月21日に、

  • DC1000V対応の500kWパワコン「SP1000-500
を発表していました[1]。

ここでは[2][3]と合わせて、主な情報をまとめてみました。


<開発の背景>

国内のメガソーラーでは
  • 売電単価の見直し
  • 設備のメンテナンスの義務化(改正FIT法の施行に伴う)
等により、
  • 導入コストの低減
  • 変換効率の高いパワコン
に対する需要がある。
今回の新機種は、この需要を踏まえて開発された。

<主な特徴>

明電舎初の500kW機 また、DC1000V入力にも対応している。
(※従来機種「SP320」の入力電圧は最大750V)
高い変換効率 変換効率(98.7%)は「同容量の中では世界最高レベル」。
価格を大幅にダウン 従来機種(「SP320」の250kW機)を用いる場合と比べて、販売価格を40%削減している。

<仕様の比較>

新機種
(SP1000-500)
従来機種
(SP320-250T)
入力最大入力電圧 1000V 750V
入力回路数 8回路
(※オプションで最大16回路)
最大2回路
出力定格出力 500kW(500kVA) 250kW(250kVA)
定格出力電圧 350V 420V/440V(50Hz/60Hz)
定格出力電流 825A 344A/328A(50Hz/60Hz)
変換効率 98.7%以上(最大時) 96.5%以上(定格運転時)
大きさ寸法 2300×高さ1950×奥行700mm
(突起部を除く)
  • 「N」:1200×1950×1000mm
    (ファン部を除く)
  • 「G」:1300×2730×1200mm
    (天井奥行き1700mm)
概算質量 1400kg
  • 「N」:2000kg
  • 「G」:2650kg

また販売開始日は、2017年10月1日とのことです。



個人的に最も驚いたのは、価格を従来機種(250W機)の使用時と比べて約4割も引き下げた、ということです。

どのようにして大幅なコストダウンを実現したのか、という点は記述されていませんが、新機種では定格出力電圧・電流が引き下げられています。

また概算質量も(出力が2倍にも関わらず)かなり縮小しており、これらの点は、コストダウンと大きく関わっているものと推測されます。


米国のNRELの調査によると、同国のメガソーラーの設置コストは、2017年1Qには前年同期比29%減だったとのことで[4]、その要因の一つに

  • 太陽電池モジュールとパワコンのコスト低下
が挙げられています。(もう一つの要因は、人件費の低下)

今回の明電舎の新製品は、あくまで日本国内向けと思われますが、発電設備の初期コスト低減に対するニーズは、国内も海外も同様の筈です。

そして機器のコストダウンというと、太陽電池モジュールばかりを注目しがちですが、約40%ダウンという今回の数字からは、パワコンでも価格低下が急速に進んでいることが、推し量られる気がします。


加えて今回の機種では、(質量・価格を大幅に減らしつつ)入力回路数が格段に増やされており、発電所の設計・デザインにおいて(従来より)高い柔軟性が求められていることも、伺えるものです。


※参照資料:
[1]太陽光発電システム用パワーコンディショナ500kW機を
10月から販売開始(明電舎、2017/9/21)
http://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1224554_2469.html
[2]パワーコンディショナ(SP1000シリーズ)(明電舎)
http://www.meidensha.co.jp/products/energy/prod_05/prod_05_01/prod_05_01_03/index.html
[3]パワーコンディショナ(SP320シリーズ)(同上)
http://www.meidensha.co.jp/products/energy/prod_05/prod_05_01/prod_05_01_02/index.html
[4]米国で太陽光発電のコストが下落、エネルギー省の目標を3年早く達成(Wired.jp、2017/10/7)
https://wired.jp/2017/10/07/solar-now-costs-6-per-kilowatt-hour/

※関連記事:

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2017年10月06日

ネクストエナジー社が5本バスバーの単結晶PERC太陽電池モジュール「NER660M300」を発売、出力(従来機種295W・200W)は300Wに向上

もう1ヶ月前になりますが、ネクストエナジー・アンド・リソース社が2017年9月6日に、

  • 5本バスバーを採用した、単結晶PERC太陽電池モジュールの新製品「NER660M300」を発売した。
と発表していました[1]。

ここでは同社の製品紹介ページ[2]の内容と合わせて、従来機種からの主な変化(または変わっていない点)をまとめてみました。


<従来機種との比較>

新機種
(NER660M300)
従来機種
NER660M295NER660M290
セルの種類・サイズ・枚数PERC単結晶型の6インチセルが60枚。
バスバーの本数 5
(セル内の抵抗が低減し、変換効率が向上)
4本
公称最大出力300W295W290W
モジュール変換効率18.3%18.0%17.7%
最大システム電圧1000V
公称サイズ幅991mm×高さ1650mm×厚さ40mm
公称質量18.2kg19.0kg
機械的耐荷重表面の積雪荷重
(風圧荷重含む)
5400Pa6500Pa
裏面の風圧荷重2400Pa
補強バー(標準仕様)無し有り


奇しくもこの製品発表(9月6日)の約1週間前(8月28日)には、サンテックパワージャパン社が同様の5本バスバーモジュールを発表していました。

両社の製品とも、従来機種から公称最大出力と変換効率が明らかに向上しており、5本バスバー化による出力アップの効果は、確かであるようです。


ただし用途については、サンテック社のほうは「産業用」、今回のネクストエナジー社は「戸建住宅や狭小地などに最適」とあり、大きく異なっています。

この点は、後者が更にPERCセル採用(=単位面積あたりの発電量を向上)であるためかと思われます。


また積雪荷重は、新機種(5400Pa)は旧機種(6500Pa)から引き下げられており、これはちょっと意外でした。

ただし、ネクストエナジー社の他のモジュール(PERC型以外)も全て5400Paであり、今回はコストも考慮して、実用上はこの強度で十分と判断されたのかもしれません。

また新機種の質量が減っているのは、その耐加重の変更(=補強バーの削減)に因るものと推測します。


今回の新機種は、(私の知る限り)日本メーカーでは初の5本バスバーモジュールですが、他の国内メーカーもこれに続いていくことになるのかは、注目したいところです。


※参照資料:
[1]変換効率18%超のPERCセル太陽電池モジュール300W製品を発売(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2017/9/6)
http://www.nextenergy.jp/info/2017/info20170906.php
[2]太陽電池モジュール(同上)
http://www.nextenergy.jp/products/solar_cell_module.php

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の国内メーカー

2017年10月01日

ソーラーフロンティア社が、総務省の勧告(太陽光発電設備の廃棄処分など)を受けて対応を発表、セレンは「十分に溶出基準以下」

ソーラーフロンティア社が2017年9月26日に、

  • 総務省の「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査の結果に基づく勧告」(2017年9月8日発表)を受けて、自社が行っている・もしくはこれから行う対応
を発表していました[1]。

ここではその中から、使用済みの自社製太陽電池モジュールの取り扱いに関する主な内容を、抜き出してみました。


使用済みモジュールの取扱方法 原則として、一般産業廃棄物としての処理を推奨している。
  • アルミフレーム:アルミ原料にリサイクル可能
  • 端子箱やケーブル:金属部をリサイクル可能
  • パネル本体:粉砕処理後にガラス骨材として、建材原料(コンクリート、煉瓦など)に再利用できる。
粉砕埋め立てによる処分も可能。
(※ソーラーフロンティア社の事業所から排出される廃棄モジュールは、全て上記のリサイクル処理を行っている)
有害物質の溶出 自社のCISモジュールは、セルにセレンを含有している。
ただし、産業廃棄物の埋立処分の判断基準として一般的に用いられる溶出試験では、自社製モジュールが十分に溶出基準以下であることを確認している。

また今回の発表では、(上記を含む)勧告全体への対応として、

  • 自らの情報公開を進める。
  • 業界団体とも連携しながら対応する。
との方針も示されています。



他の国内大手モジュールメーカーのウェブサイトを見た限りでは、9/30時点で、総務省の勧告に関する対応の発表は、全く見あたりませんでした。

その点でソーラーフロンティア社の今回の発表は、国内メーカーでの先駆けですが、この対応の早さは、(結晶シリコン型に比べて)市場投入からまだ歴史が浅いCIS型モジュールを取り扱っている故の、消費者・ユーザーの信頼獲得に努めようという意識の強さの表れでは、と想像します。

ただ「一般産業廃棄物」という定義は、法律上は無いようですが、モジュールのリサイクル用途(金属、ガラス)を見ると、あくまで健康や生活環境に被害を及ぼさないという意味での、「一般的な産業廃棄物」という意味合いかと思われます。


総務省の発表を読んで、個人的に特に気になっていたのは、ソーラーフロンティア社のモジュールでセレンの溶出がどの程度なのか、という点でした。

今回は、メーカー自らが「基準以下」と明言し、また廃棄モジュールの処分・リサイクル方法の例も簡潔ながら示したことで、安心感は高まったように感じます。

国内の他メーカーについても、総務省の勧告への対応を明確に公表することが、海外メーカーとの差別化の一つになるのでは・・・と考えるので、今後の丁寧な対応を期待したいところです。


※参照資料:
[1]総務省「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査の結果に基づく勧告」を受けて(ソーラーフロンティア、2017/9/21)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0921_press.html
[2]産業廃棄物(ウィキペディア)
[3]一般廃棄物(同上)

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