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2017年03月20日

ソーラーフロンティア社が日本各地で、国内住宅向けの戦略商品「SmaCIS」の、代理店向け説明会を実施

ソーラーフロンティア社が2017年3月14日に、

  • 国内住宅向けの戦略商品「SmaCISスマシス)」の代理店向け商品説明会を、日本各地で開催する。
との方針を発表していました[1]。

概要は次の通り。


<「SmaCIS」の概要>

  • 想定需要先:日本国内の住宅市場
  • 名称の由来
    「Smartに設置できるCIS薄膜太陽光発電システム」という意味で命名した。
  • 特徴・メリット
    • 屋根への搭載量を増加
      日本の住宅屋根にフィットするサイズ・形状の太陽電池モジュールを用意。
      これにより、複雑な形状の屋根(寄棟屋根など)でも、搭載量を増やすことができる。
    • 施工時間を短縮
      新開発した施工方法により、施工時間を自社従来品比で約20%短縮できる。
    • 美観を向上
      外観を洗練しており、屋根との親和性を向上する。
  • 今後の予定
    2017年7月に、SmaCIS用太陽電池パネルの出荷を開始する。
    (※同年3月には、宮崎工場で生産を開始している)

<説明会の概要>

  • 内容:「SmaCIS」の概要・施工方法などの説明、質疑応答
    • 模擬屋根
    • 施工のデモ動画
    を用い、本商品の施工方法や仕上がりを実感できる内容とする予定。
  • 対象者
    ソーラーフロンティア社の販売代理店をはじめとする、日本各地の取引先
  • 開催期間2017年3月15日〜30日
  • 開催場所:東京、仙台、名古屋、大阪、岡山、福岡、鹿児島

ソーラーフロンティア社の正式発表ではないものの、先月には「昭和シェル石油が太陽電池事業を国内販売にシフトする」との報道[3]がありました。

今回行う「SmaCIS」の日本各地での説明会は、その方針に沿ったものと思われます。

今のところ同社のウェブサイトでは、この商品の更に詳細な内容(具体的な工法、モジュールの種類など)は紹介されていませんが、工法については、既存の「クロスワン工法」[4]を更に発展させたものかと想像します。

個人的に、特に既築住宅に関しては、屋根への太陽電池モジュールの設置は(屋根の強度の確認、雨漏り発生の懸念などから)かなりハードルが高い、というイメージが強いので、この「SmaCIS」がそれを軽減するものになれば、と期待します。

また、国内の住宅向けモジュール出荷量は減少が続いていますが、その中で(今回のSmaCISをはじめとして)国内住宅向けに注力するという方針が、どれだけ業績に寄与できるか、という点も注目したいところです。


※参照資料:
[1]高搭載・速い施工・美しい仕上がりを実現する国内住宅市場向け戦略商品「SmaCIS」の代理店向け説明会を開催(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0314_press.html
[2]ソーラーフロンティア、国内住宅市場に向けた戦略商品「SmaCIS(スマシス)」の発売決定(同上)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2016/C060584.html
[3]昭和シェル石油 太陽電池、国内販売に特化(化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/02/21-28278.html
[4]安心の設置工法(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/features/installation/index.html

※関連記事:

カナメ社が雪国向けの屋根一体型太陽電池「スノーソーラ−」を発売、落雪しやすく発電量の大幅アップが見込める

もう2ヶ月前になってしまいますが、カナメ社が2017年1月20日に、

  • 積雪地域での発電量の大幅アップが期待できる、屋根一体型の太陽電池「スノーソーラ−
を発表していました[1]。

概要は次の通り。


  • 特徴
    • 積雪が落ちやすい
      モジュール上の積雪が、僅かな気温上昇でも滑り落ちやすくなっている。
      これにより、積雪地域での年間発電量で、従来のモジュールメーカー予測値から3割増の実績をあげている。
      積雪が2mの地域にも対応。
    • 太陽電池と屋根材を一体化
      一体化した状態で工場から出荷し、現場での施工の手間を軽減する。
    • 低照度モジュールを採用
      日照が弱い雪国でも、十分な発電を行える。
  • 発売日2017年2月1日

カナメ社はこれまでにも「PVグリップ工法」「カナメソーラールーフ」といった工法や製品をリリースしており、金属屋根メーカーの視点から、太陽光発電分野の独自製品を作っていることは、非常に興味深いです。

その中で今回の製品「スノーソーラ−」は、太陽光発電に向かないイメージの強い「雪国」向けに特化している点が、非常にユニークかつ魅力的だと思います。

そう言えば住宅用では無いですが、私(北海道在住)の身近な範囲でも、(モジュールの設置角度がかなり急な筈の)野立ての太陽光発電設備で、積雪が簡単に落ちないケースを、多く見ています。

今回の住宅向け「スノーソーラ−」が、ガラス表面に特殊な加工を施しているのか、それとも屋根材と太陽電池の間の隙間を(熱が伝わりやすいように)上手く工夫しているのかは不明ですが、産業用モジュールでもこのように落雪しやすい製品があれば、メリットが大きいのでは、と考えます。

もっとも今の日本国内では、積雪地域を管内とする北海道電力・東北電力北陸電力が、既に「指定ルール」(年間の出力制御時間が無制限)の適用となっており、産業用の需要自体が不透明なのが残念ですが。


※参照資料:
[1]雪国専用の太陽光「スノーソーラー」発表(カナメ社)
http://www.caname-roof.jp/topics/20170120/441/

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パナソニックが二色の浜工場を稼動再開との報道、「プリウスPHV」向け

産経新聞ウェブサイトの記事[1](2017/3/7付)で、

  • パナソニックが大阪の「二色の浜工場」で、太陽電池の生産を再開した。
と報じられていました。

主な内容は次の通り。


  • 背景
    • 二色の浜工場は、日本国内の太陽電池需要の低迷を受けて、2016年2月から稼動を停止していた。
    • パナソニックの太陽電池の国内工場は4ヶ所だが、車載・住宅向け製品を担う工場は、二色の浜工場のみ。
    • 日本国内では、(住宅向けを中心に)太陽光発電設備への投資意欲が減退している。
      しかし他方で、車載用電池は市場の拡大が見込まれている。
  • 生産品の用途
    トヨタ自動車
    • 日本国内向けの新型「プリウスPHV」(2017/2/15発売)
    • 欧州向け新型車2017/3以降に順次発売)
    への車載用。

ちなみにパナソニック社のサイトでは、当記事の作成時点(2017/3/15)で、二色の浜工場の再稼動に関する発表は掲載されていません。

ただ、新型プリウスPHVにおけるパナ社製品(太陽電池と蓄電池)の採用自体は、2月末に発表されています[2]。


パナソニックは2年前に屋根設置向けの需要獲得に注力する方針を発表していましたが、その後は国内需要の減退が続いており、最近の業績発表(2016年度3Q累計期間)でも販売で苦戦している旨が記載されていました。

確かに日本国内の住宅用については、最近の統計で

  • 太陽電池出荷量:2016/10-12で、約302MW(前年同期比25%減)[3]
  • FITの認定量:2016年9月分〜11月分で、新規認定は1ヶ月あたり70MW[4]
という状況であり、政策での新たな支援や、新しい需要の発生(自家消費意欲の急拡大など)が無い以上、現状で市場の拡大は極めて望み薄と考えざるを得ません。

その中で「プリウスPHV」向けの製品供給が、住宅用の販売減少を果たしてどれだけ補えるのかは不明ですが、少なくとも1年近く停止していた工場の稼動再開に繋がったことは確かであり、パナ社にとっては明るい材料と言えそうです。

車載向けの太陽電池は、車体の複雑な曲面に沿う加工をする必要があるとのことですが、かつては京セラがプリウス向けの太陽電池生産を手がけており、またシャープも三菱「i-MiEV」向けの太陽電池を試作

そのため、国内大手メーカーはその技術を既に蓄積していると考えられ、車載向け需要がもし今後拡大していければ、国内太陽電池メーカーにとって幾らかの追い風になるのでは、と考えます。


※参照資料:
[1]パナが太陽電池工場を再開、プリウス向け受注 大阪・貝塚(産経WEST)
http://www.sankei.com/smp/west/news/170307/wst1703070043-s1.html
[2]新開発のHIT車載タイプがトヨタ自動車の 「新型プリウスPHV」 に搭載(パナソニック)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/02/jn170228-2/jn170228-2.html
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第3四半期(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h283q.pdf
[4]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

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住友電気・Looop・京セラ・オムロンが、住宅用の蓄電池・蓄電システムを相次いで発表、2019年以降の「FIT終了後」を見込む

2017年2月末〜3月中頃(※当記事の作成時点)にかけて、国内メーカーから、太陽光発電と連携可能な住宅用蓄電システムの製品発表が相次いでいました。

今回は、私が知り得た限りの製品[1]〜[6]について、製品の主なデータを(蓄電池を中心に)抜き出してみました。


メーカー
・製品名
住友電気工業
「POWER DEPOIII」
Looop
「Looopでんち
家庭用」
京セラ
「太陽光発電連係型
リチウムイオン
蓄電システム」
オムロン
「住・産共用
フレキシブル
蓄電システム:
KPACシリーズ」
蓄電池種類 リチウムイオン
容量 3.2kWh 4kWh 3.2kWh 6.5kWh
サイズ
(幅・奥行・高さ、cm)
53・30・65 53・30・65 約45・12・66
重量 約54kg 約54kg 約52kg
設置場所 屋内外 屋外? 屋内外 屋内
電力変換効率 充放電ともに
95.5%
充放電ともに
95.5%
価格 89万8000円
(税抜き、施工費など別)
150万円(税抜)
発売
スケジュール
2017/5下旬に
販売開始
2017/4/11に
先行予約開始
2017夏に
発売予定
その他特徴 高い稼働率が可能。
Echonet Liteに対応。
双方向通信で自動制御。
調査分析に基づいた容量。
他社製太陽電池が接続可能。
PVの売電優先・
蓄電優先を
選択可能。
Echonet Liteに対応。

個人的に、「住宅への蓄電池の本格普及は(蓄電池の価格がなかなか下がらない以上は)まだまだずっと先のことだろう」と思い込んでおり、蓄電池への関心・意識はめっきり弱くなっていました。

そのため、ここに来ていきなり、(パナソニックの「パワーステーションS」も含めて)まるで示し合わせたかのような住宅用蓄電システムの発表の連続となっていることには、かなり驚きました。

これについては、殆どのメーカー発表の中で言及されていますが、住宅用の余剰電力買取制度(2009/11開始)の最初の期間終了が、早くも2年後(2019年)に迫っており、それに伴って新たな市場の創出が見込まれることが、最大の要因かと思われます。

ただ今回の4社のうち、価格を明記しているのは2社だけであり、更に100万円を切っているのは1社(新興企業のLooop)のみと、一般普及するにはまだまだ高額だと感じざるを得ません。

その住宅用蓄電システムについては、中国企業も今年(2017年)の日本市場への投入を計画している[7]とのこと。

また日本での展開予定は不明ですが、米Tesla社の「Powerwall 2」という存在もあり、日本で予想される需要の本格化に向けて、果たしてどこまで低価格化が進み得るかが、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]小型・高効率の家庭向けリチウムイオン蓄電システムPOWER DEPORIIIの販売を開始(住友電気工業)
http://www.sei.co.jp/company/press/2017/02/prs019.html
[2]89万円の家庭用蓄電池、Looopが発売(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/030206550/
[3]30年のFITを拡充、オリジナルの蓄電池も見せたLooop(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1703/01/news013.html
[4]住宅太陽光で攻めるLooop、90万円を切る蓄電池と新料金プランを発表(同上)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1702/28/news029_2.html
[5]3.2kWhリチウムイオン蓄電システムの発売(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/news/2017/0301_rrch.html
[6]住・産共用フレキシブル蓄電システム「KPACシリーズ」の発売について(オムロン)
http://www.omron.co.jp/press/2017/03/c0313.html
[7]海外の太陽電池大手、日本の住宅用を攻めるワケ(ニュースイッチ)
https://newswitch.jp/p/8106
[7]Powerwall 2(Tesla Motors)
https://www.tesla.com/powerwall

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ソーラーフロンティアとNEDOが、CISサブモジュール(30cm四方)で変換効率19.2%・ミニモジュール(7×5cm)で19.8%を達成

ソーラーフロンティア社とNEDO2017年2月27日に、

  • CIS系薄膜太陽電池サブモジュール・ミニモジュールにおいて、変換効率の世界記録を更新した。
と発表していました[1][2]。

概要は次の通り。


モジュールの大きさ変換効率(測定機関)用いた技術
30cm角のサブモジュール 19.2%
(産業技術総合研究所)
  • 光吸収層における製膜プロセスの改良による、品質改善
  • バッファ層の変更
等、NEDOとの共同研究による技術。
7×5cmのミニモジュール 19.8%
(独フラウンホーファー研究機構)
※上記サブモジュールと同じ技術によるかは明記なし。

また今回用いた技術については、今年(2017年)夏から国富工場で、量産製品への適用を開始する計画とのことです。


ソーラーフロンティア社は、0.5cm2セルでは変換効率の記録をこまめに更新していますが、面積が大きいサブモジュールについては、今回は意外にも約5年ぶりの更新でした。

しかしその分、前回の記録(2012年2月の17.8%)から一気に1.4ポイント高めており、セルのほうで積み重ねてきた技術が、今回のサブモジュールでの結果にも結びついているものと推測します。

また以前から、ソーラーフロンティア社におけるサブモジュールでの技術開発は、商業生産への適用を容易にする目的があるとのことでした。

その通りに今回用いられた技術も、数ヵ月後にはもはや商業生産に導入予定であり、この点(あらかじめ実用化への目処をつけておくこと)も、記録更新に時間がかかった一因なのかもしれません。

同社の太陽電池モジュールの出力は、現在165〜175kW[3]となっていますが、これが夏に量産開始する製品で何処まで高まるのかは、今から非常に興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティア、CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで世界最高変換効率19.2%を達成(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0227_press.html
[2]CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで世界最高変換効率19.2%を達成(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100724.html
[3]太陽電池モジュール(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/products/modules/index.html

※関連記事:

イビデン社がApple社向け製品の製造を100%再エネで行うことで、Appleと合意

Apple社が2017年3月8日に、

  • 日本の部品メーカー「イビデン」が、Apple社向け製品の生産再エネ100用いることで、Apple社と合意した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


<背景>

  • イビデンがAppleに供給している製品は、Apple製デバイスの内部で、集積回路とチップパッケージをまとめることに寄与している。
  • Appleでは環境保護を目的に、化石燃料から再エネへの移行を推進している。
    現在同社は
    • 23ヶ国で事業の100
    • 世界事業93
    を、再エネで賄っている。
  • またAppleとそのサプライヤーは、Apple製品の製造向けとして、2018年末までに、年間25億kWh超のクリーンエネルギーを発電する見込みである。

<イビデンの取組み>

Apple向け部品の製造に再エネ電力を100%用いることに合意したのは、日本企業で初となる。

  • 再エネへの導入規模12MW以上(Apple向け部品製造に必要な規模を上回る)
  • 具体的な投資先20以上の再エネ施設
    日本国内で最大規模の水上太陽光発電設備(名古屋付近、元は木材ヤードだった場所)を含む。

ただし当記事の作成時点(2017/3/17)では、イビデン社のウェブサイトに、この件に関する発表は掲載されていませんでした。


ちょうど最近の「日経テクノロジーonline」の記事(2017/3/13付)[3]が、Apple社の幹部の方(ケイティ・ヒル氏)が行った講演の内容を報じており、その中で同社の再エネ導入の方針・取組みが詳しく示されています。

それによると現在のAppleの取組みは、主に

  • 購入電力を切り替える。(化石燃料から再エネへ)
  • 自社で発電を行う。
  • 取引先(調達先、製造委託先など)での再エネ活用をトラッキングする。
の3つに分類されるとのことで、今回のイビデン社は、丁度この3番目のケースに当たるようです。

太陽光発電は当然、発電できる時間帯が限られるので、「100%再エネ」と言っても、リアルタイムで需給をマッチするのではなく、最低でも使用電力量と同量を再エネで発電する(そして余剰時は電力系統に送り、不足時は電力系統から供給を受ける)、ということだと思われます。

そのような条件付きであっても、大量の電力を消費する製造業で、(あくまで特定の企業向けの製品のみであっても)再エネ電力を「100%」用いるというのは、個人的にはコスト的にまだまだずっと先のことと思っていました。

そのため記事[3]を読んで、Apple社の取引先でも「100%再エネ」の公約が、想像以上のスピードで広がっていることには、強く驚かされました。

これが(Apple社に限らず)今後の世界の趨勢となっていくならば、それに伴って日本でも、 産業用太陽光発電(屋根設置やメガソーラー等)に対する需要が、再び拡大する可能性があると考えます。

ただその場合、再エネ活用が製造コストにどれだけ影響するかが懸念であり、その点はケイティ氏も「現在の日本では、コストが2〜3倍高くなる可能性がある」と、明確に指摘されています。

太陽光発電自体の更なるコストダウンの推進は勿論として、今後の世界市場で日本企業が競争力を維持する・またはより高めるために、政策の大胆な舵取りが必要な局面に、今まさしく直面しつつあるのかもしれません。


※参照資料:
[1]Apple takes supplier clean energy program to Japan(Apple社)
http://www.apple.com/newsroom/2017/03/apple-takes-supplier-clean-energy-program-to-japan.html
[2]アップル向け製品を「100%再エネで製造」、イビデンが国内初(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/030906648/?i_cid=nbptec_sied_rel
[3]アップルが語る「再エネ100%を実現するために、日本に望むこと」(同上)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/031306708/?rt=nocnt

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2017年03月13日

JinkoSolar+丸紅のコンソーシアムが、アラブ首長国連邦で1177MWの太陽光発電プロジェクトを手がける

JinkoSolar社と日本の丸紅2017年3月1日に、

  • 2社によるコンソーシアムが、アラブ首長国連邦における1GW超の太陽光発電プロジェクトについて、アブダビ水力発電会社(ADWEC)との間で電力買取契約(PPA)を締結した。
と発表していました[1]。

プロジェクトの概要は次の通り。


  • 名称Sweihan Photovoltaic Independent Power Project
  • 事業の体制
    下記3者が出資する特別目的会社が、建設・運営・メンテナンスを担う。
    • JinkoSolar:20%を出資
    • 丸紅:同上
    • アブダビ水電力省(ADWEA):60%を出資
  • 建設場所:アブダビ市の約120km東
  • 発電容量1177MWDC
  • 発電電力の用途
    25年間にわたり、全量をADWECに売電する。
    (※ADWECは、ADWEAが完全に所有している)
  • 商業運転の開始時期2019年4月の予定。

当ブログの開設から約10年目にして、実際に「ギガソーラー」のプロジェクト立ち上げを見聞きすることになるとは、全く思いもしませんでした。

肝心なPPAの具体的な金額は、2社の発表には書かれていません。

しかし「日経テクノロジーonline」の記事[3]には、本プロジェクトの応札の結果が掲載されており、全ての事業者が4セント/kWh以下を提示していたことには、強く驚かされます。

もっとも今回のように莫大な規模のプロジェクトだと、1kWhあたりの売電価格の差はほんの少しに見えても、事業期間トータルでの売電額では相当大きな差になる(=初期コスト・運営コストにも相応の差がある)と考えられます。

JinkoSolar+丸紅の応札価格は、2.42セント/kWhとなっていますが、これは2016年の新興国でのプロジェクトの最安価格(チリでの2.91セント/kWh)を優に下回っており、急速なコストダウンが一体どこまで進み得るのか、空恐ろしくもあります。

またこうなると、太陽光発電のコストに関するこれまでの一般的な認識は、少なくとも大規模事業においては、世界を見るときには、もう完全に改める必要があるように思われます。

そしてその真っ只中に、日本企業が中国の大手モジュールメーカーと組んで参加していることは、非常に興味深く、これも太陽光発電市場の急速な変化の一つなのでは、と感じるものです。


※参照資料:
[1]JinkoSolar and Marubeni Corporation Enter Into Power Purchase Agreement for Sweihan Photovoltaic Independent Power Project in Abu Dhabi(JinkoSolar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle&ID=2250474
[2]アラブ首長国連邦・スワイハン太陽光発電プロジェクトの長期売電契約締結について(丸紅)
http://www.marubeni.co.jp/news/2017/release/20170301.pdf
[3]太陽光でコスト最安の「ギガソーラー」、アブダビで建設へ(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/030206542/?rt=nocnt
[4]アブダビ(ウィキペディア)

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Yingli社が新モジュール「Hotspot Free Module」を発表、全てのセルを個別に「バイパスダイオードで保護」するコンセプト

Yingli Green Energy Holding2017年3月3日に、

  • 新製品「Hotspot Free Module」を、日本の「PV Expo 2017」(3月1〜3日開催)に出展する。
と発表していました[1]。

その中から、同製品の特徴を抜き出してみました。


  • 全セルを保護
    「全てのセルを各々、バイパスダイオードで保護する」というコンセプトに基づいている。
    あるセルの電流が、ストリングの残りの部分にマッチしない場合(例えばあるセルが日陰になった場合)、バイパスダイオードが働く。
  • セルの発熱を防止
    上記の機能により、
    • 他のセルの正常な機能を維持する
    • 熱によるセルへの影響を防ぐ
    という効果が期待できる。
  • モジュールの寿命アップ
    熱の低減は、素材へのストレス軽減にもつながり、モジュールの寿命向上が期待できる。

本当に文字通り、太陽電池モジュール内のセル1枚1枚にバイパスダイオードを設けるとするならば、構造が(通常のモジュールより)複雑になり、

  • モジュール製造にかかる手間やコストの上昇
  • 裏面(バックシート側)での、ダイオード部分の凸の発生
といった難点が生じることが考えられます。

ただ、バイパスダイオード云々については「based on a concept〜」とあるので、実際には通常のダイオードをそのまま用いる(組み込む)わけでは、無いのかもしれません。

当記事の作成時点(2017/3/8)で製品の写真などは一切見当たらず、また出展が予定されていた「PV Expo 2017」は既に終了していますが、モジュールの実物が一体どのようなものだったのか、非常に興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]Yingli Announced Hotspot Free Module at PV Expo Japan 2017(Yingli社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2251489

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2017年03月06日

米SunPower社とFirst Solar社の2016年4Qは、利益率が急激に低下

SunPower社とFirst Solar社が2017年2月中旬〜下旬に、

  • 2016年第4四半期2016/10-12
  • 同・通期
の業績を発表していました[1]〜[4]。

今回はその中から、第4四半期に起こった変化を見るべく、売上高と粗利益率の数字を抜き出してみました。

※一部の数字の計算や四捨五入は、当ブログ管理人が行った。


SunPower社の2016年4Qと通期業績(GAAP)

実績値前四半期(3Q)比前年同期比
2016年4Q売上高 約10億ドル41%増174%増
粗利益率 3.1%の赤字20.8ポイント8.5ポイント
2016年通期売上高 約26億ドル62%増
粗利益率 7.4%8.1ポイント

まず4Qでは、売上高は前四半期比・前年同期比ともに大きく伸びている一方で、粗利益率は大幅に低下。

4Qが赤字にまでなっていることには驚かされますが、中国製モジュールの大量流入による価格急落が、大きな影響を及ぼしたことを、強く感じられる数字です。

2016年通期で見ても、売上高が前年より6割超も伸びているものの、粗利益率は逆に8ポイントほども低下。

4Q単独と同様の傾向ではあるものの、「売上高の伸び」と「粗利益率の低下」のギャップは4Qのほうが大きく、4Q(10月〜12月)に生じた市場の変化が、特に急激だったことが伺えます。


First Solar社の2016年4Qと通期業績(GAAP)

実績値前四半期(3Q)比前年同期比
2016年4Q売上高 約4.8億ドル30%49%
粗利益率 13.2%13.9ポイント11.4ポイント
2016年通期売上高 約30億ドル18%
粗利益率 23.9%1.8ポイント

売上高は(SunPower社と対照的に)低下していますが、これは複数のプロジェクト開発が4Q中に完了したことが主因、とのことで、この点はSunPower社と事情がかなり異なるようです。

ただ、粗利益率はやはり大きく下がっており、好調だったというモジュール販売も、価格急落の影響を免れ得なかったことが推測されます。

それでも粗利益率の数値自体は、4Q・通期ともにSunPower社を大きく上回っており、特に通期では2割超をキープしたことに驚かされます。

この点は、CdTe型モジュールが持つ(結晶シリコン型に対する)コスト面の優位さ、ということかもしれませんが、やはり非常に興味深い数字です。


2016年4Qの主な動向

  • SunPower社:
    • 業界の環境は困難だったが、その中でも収益計画達成し、営業キャッシュフロー目標を上回った
      (※近い将来のキャッシュフローの最大化には、2017年に入ってからも重点を置いている)
    • ソリューション販売は、3つのエンドセグメント全てで、堅調な推移が続いた
      米国市場では「Residential Business」でシェア2位、「Commercial Business」では1位だった。
    • 生産体制では「Fab 2」を閉鎖し、生産能力を削減した。
  • First Solar社:
    • 複数のシステムプロジェクトが完了したことで、売上高が前四半期(3Q)より大幅に減少した。
    • モジュールの販売数は、前四半期から増加した。

少なくともモジュール販売については、2社とも決して不調ではない(むしろ堅調)様子であり、それだけに、SunPower社が生産施設を1ヶ所閉鎖したことは際立ちます。

そう言えば先月のSolarWorld社の発表の中で、モジュールメーカーの生産量削減については言及されていましたが、SunPower社の措置がちょうどその一例だったと考えられます。

ちなみに閉鎖されたという「Fab 2」は、2007年にフィリピンに開設されたもので、当初の生産能力は330MWとのこと[5]。

設置場所的に、生産コストの面ではまだまだ優位性がありそうなイメージですが、それでも閉鎖せざるを得なかったところには、昨年後半以降の価格急落が、極めて深刻だったことが伺えるものです。

もっとも他の生産施設を見ると、「Fab 1」は同じフィリピン(2004年開設)、「Fab 3」はマレーシア(生産能力1.4GW)であり、必要な生産能力とコスト競争力は十分に維持できる、ということかもしれません。


※参照資料:
[1]SunPower Reports Fourth Quarter 2016 Results(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2017-02-15-SunPower-Reports-Fourth-Quarter-2016-Results
[2]Q416 Suplementary Slides(同上)
http://investors.sunpower.com/common/download/download.cfm?companyid=SPWR&fileid=928184&filekey=076E771E-889A-451E-9621-BAC7E77DFE9D&filename=Q416_Suplementary_Slides_Final.pdf
[3]First Solar, Inc. Announces Fourth Quarter & Full Year 2016 Financial Results
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=1012810
[4]View Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=929052&filekey=361B125B-7401-4BDC-8CAB-6D23E33E954A&filename=Q416_Earnings_Call_Presentation_Final.pdf
[5]History(SunPower社)
https://us.sunpower.com/company/history/

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2017年02月27日

アスクルの倉庫火災の長期化は屋上の太陽電池モジュールが一因、感電の危険性で放水の妨げに

通販企業「アスクル」の倉庫火災についての記事[1](2017/2/20付)の中で、

  • 屋上に設置された太陽電池モジュールが、消防活動が長期化する一因になっている。
との旨が報じられていました。

まずその記事から、火災の概要を抜き出してみました。


建物

場所 埼玉県内
階数 3階建
延べ床面積 約7万2000m2
構造、保管品
  • 1階:トラックの商品積み込みスペース、通用口
  • 2階・3階:商品の大部分を保管
    ※商品の種類は約7万種類(コピー用紙、文房具など)。

消防活動の経緯(※2/20まで)

2月16日
  • 午前中に通報があり、消防が火災を覚知。
    出火場所は1階の段ボール
  • 消火活動の開始後、早い段階で、1階・2階の天井の一部が崩壊。
    火が建物全体に燃え広がった。
    更に、屋上の太陽電池モジュールにも引火した。
2月17日 2階・3階に窓が殆ど無いため、重機により穴を開け、内部への放水を開始。
2月18日 夜には一旦、2階の火を消化できた。
2月19日 日付が変わった直後に、3階で爆発が2回発生。
(スプレー缶に引火したとみられる)
これにより、火が再び強まった。
2月20日時点 約4万5000m2(全体の6割以上)が焼けた。
ただ、火は徐々に収まっているようで、消防隊員が様子を確認しつつ内部に進入し、消火活動を行っている。

※その後24日時点で、まだ完全な鎮火に至っていない[3]。


消火活動が長期化した理由

  • 放水が困難
    • が2階・3階に殆ど無く、外からの放水が難しい。
    • 屋上に太陽電池モジュールがあり、水をかけると消防隊員が感電する危険性がある。
      このため、屋上に直接放水することができなかった。
  • 建物内部の高温化
    内部の温度は、一時500度に達した。
    この熱で壁の歪み等が起き、倒壊の危険性が生じたため、慎重に活動する必要があった。

私が見た新聞記事では、倉庫上空からの写真が掲載されており、穴が開いて大きく歪んだ屋上に、確かに太陽電池モジュールらしきものが並んでいましたが、我ながら能天気なことに、実際に放水の妨げになっていたとは夢にも思いませんでした。

消防活動における感電の危険性は、産業用の施設(倉庫など)だけでなく、住宅の屋根設置においても、変わらないことなのではないでしょうか。

2011年のFIT導入以降、国内で太陽光発電の導入が飛躍的に進んだことから、設備規模の大小はともかく、今後も同様の問題(火災時に消防活動の障害になること)は、幾つも起こってくるものと予想します。

そのため、まず既存設備で安全に消火活動が出来る手段・方策(モジュール表面を何かで覆いつくし、発電を停止させる等)を、早急に確立・普及する必要があると考えます。

また、今後屋根に設置する設備においては(特に今回のような規模の建物では)、モジュール各々が非常時に出力を停止できる機能(例えばTigo Energy社の「TS4プラットフォーム」)を付加することを、義務付ける必要があるのかもしれません。

個人的にそのような方策は、屋根設置設備だけでなく、津波の到来が予想される場所の野立て設備にも必要と考えますが、とにかく太陽電池モジュールの価格低下が進む中で、災害時にモジュールを取り扱わざるを得ない人間の安全を確保することも、十分に考慮する必要があるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]アスクル倉庫火災 再び爆発 消火活動難航 鎮火めど立たず(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170220/k10010883451000.html
[2]アスクルの倉庫火災と、太陽光発電システムにおける災害リスク(ブロゴス)
http://lite.blogos.com/article/211311/
[3]アスクル火災、3階でまだ炎…残り火に放水続行(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170224-OYT1T50203.html
[4]月刊「Solvisto」誌 2014年4月号30-32p「日本太陽エネルギー学会 『太陽光発電システムの火災リスク』セミナー開催」

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