インドの再エネ企業「Adani Green Energy Limited」が2024年4月4日に、自社によるインド国内での再エネ導入の実績などを発表していました。[1]
今回は、その中に挙げられている数字を、幾つか抜き出してみました。
稼働中のポートフォリオ
種類 | 規模[MW] |
太陽光 | 7,393 |
風力 | 1,401 |
ハイブリッド
(太陽光+風力) | 2,140 |
合計 | 10,934 |
今後の目標・予定
再エネの導入目標 | 2030年までに45,000MW |
次のマイルストーン | グジャラート州カッチ地区カヴダで、538km2の土地に、3万MWのプロジェクトを開発中。 |
感想など
日本の資源エネルギー庁のサイト[2]の掲載データ(2023年9月末時点の状況)から、「太陽光」の導入量の、住宅(10kW未満)・非住宅(10kW以上)の新規認定分・移行認定分を単純に合計すると、7181.7万kW(=71,817MW)でした。
Adani Green Energyのポートフォリオ内の(太陽光+風力のハイブリッドを含まず)「太陽光」だけに限っても、日本の導入量の10%超に相当する規模が、稼働済みということになります。
ただし、インドの中央電力庁による2030年時点の設備容量計画では、再エネ450GWのうち太陽光は280GW([3]の3ページ)。
Adani Green Energyの稼働済み分は、まだその1/40程度でしかなく、インドという国の規模の大きさを、改めて感じます。
いっぽう同国の電源構成(2020年末時点)([4]の2ページ)を見ると、設置容量ベースでは太陽光が10.4%を占めているものの、発電量ベースでは4.4%に留まっており、稼働率の低さという太陽光発電の宿命も、はっきり感じられます。
今後インドにおいて、太陽光発電の導入量が大幅に増していくことで、発電量に占める同発電の割合が果たしてどこまで高まり得るものなのか、非常に興味を惹かれるところです。
(参照資料・引用元)
- [1]アダニ・グリーン・エナジー、再生可能エネルギーが1万MWを超えたインド初の企業に(ビジネスワイヤ、2024年4月4日)
- https://www.businesswire.com/news/home/20240403992359/ja/
- [2]再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 情報公表用ウェブサイト
- https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfoSummary
- [3]インドのエネルギー関連政策及び企業動向と日系企業のビジネスチャンス(NEDO、2021年10月14日)
- https://www.nedo.go.jp/content/100938546.pdf
- [4]インドで進む再生可能エネルギーの導入―目標実現に立ちはだかる電力業界の構造問題―(三井物産戦略研究所、2021年4月)
- https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2021/04/15/2104c_giri.pdf