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2011年08月31日

富士経済が、「2011年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望 上巻」を発表

富士経済」社が、調査レポート「2011年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望 上巻」を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・富士経済、太陽電池関連の世界市場の調査結果を発表(日経プレスリリース)
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=289942&lindID=4

上記URL先ページによると、今回の調査は2011年4〜6月に、太陽電池の関連企業を対象に行われたもので、個人的に気になった部分としては、

・太陽電池の世界市場規模(モジュール販売ベース):
 ・2010年:3兆4,162億円(前年比203.3%)
 ・2011年見込:4兆5,171億
 ・2030年予測:13兆3,140億円(2010年比389.7%)

・太陽電池の種類別の市場動向と予測:
 (結晶シリコン太陽電池
  ・市場規模:
   ・2010年:2兆9,000億円(前年比230.5%)
   ・2030年の予想:9兆円(2010年比310.3%)
  ・動向:
   原料・部材(ポリシリコン等)の低コスト化量産拡大などを背景に、価格が低下して導入しやすくなっている。
   また最近では、ビジネスの垂直統合化へのシフトによるコスト構造の見直しの動きが拡大している。
   (通常、結晶シリコン太陽電池のコスト削減においては、コスト構成比が大きいシリコン材料がポイントとされている)
 (薄膜シリコン太陽電池
  ・市場規模:
   ・2010年:2,000億円(前年比147.6%)
   ・2030年の予想:8,000億円(2010年比400.0%)
  ・動向:
   近年は、
   ・結晶シリコン太陽電池の大幅な価格低下
   ・販売路線が近いCdTe太陽電池・CIS(CIGS)太陽電池との競争激化
   により、事業展開で消極的な姿勢を示すメーカーや撤退企業も一部にみられる。
   しかし、レアメタルや有害物質を含まず、コスト低減余地も大きいことから、価格競争力が高まれば再度の台頭が予想される。
   また、変換効率が住宅・工場などのルーフトップでも利用できるレベルに向上すれば、結晶シリコン太陽電池にも対抗できると考えられる。
 (CIS(CIGS)太陽電池
  ・市場規模:
   ・2010年:670億円(前年比196.5%)
   ・2030年の予想:1兆6,000億円(2010年比23.9倍)
  ・動向:
   2009年以降に、主流の成膜方式と目されていた「セレン化/硫化法」により量産に成功するメーカーが増加しており、生産量も増加している。
   優れた量産技術が確立されたことで、薄膜系太陽電池の中では最も勢いがある品目となっており、
   ・結晶シリコン太陽電池の変換効率
   ・CdTe太陽電池の製造コスト
   に迫ることができた場合、存在感が一層高まると考えられる。
 (CdTe太陽電池
  ・市場規模:
   ・2010年:2,350億円(前年比120.5%)
   ・2030年の予想:8,000億円(2010年比340.4%)
  ・動向:
   これまで驚異的な製造コストの低さにより、太陽電池の価格設定の主導権を握り、価格競争で有利に展開してきた。
   しかし他方では、価格が他の太陽電池と同等となった場合に、カドミウムを含むデメリットが強調され、不利な立場となる可能性があることから、一層のコスト削減が最重要の開発事項となる。
   現在のところ、他の薄膜系太陽電池の量産規模が小さいため、太陽電池の中で結晶シリコン太陽電池に次ぐ構成比を占めている。
   ただし中長期的には、参入企業数が少ないことから、構成比の低下が予測される。
 (色素増感太陽電池
  ・市場規模:
   ・2010年:僅少
   ・2030年の予想:300億
  ・動向:
   現状では生産量は僅少であるものの、将来的には製造コストが最も低い太陽電池となる可能性がある。
   日照が弱くても発電でき、室内利用が可能なため、
   ・透明太陽電池
   ・カラー太陽電池
   の開発も期待される。
   現状では変換効率と耐久性の低さが、商用化における課題となっている。
   有望な用途としては、
   ・建材一体型太陽電池(BIPV)
   ・モバイル機器
   ・エネルギーハーベスト
   への適用が考えられる。
 (集光型太陽光発電システム
  ・市場規模:
   ・2010年:135億
   ・2030年の予想:5,000億円(2010年比37.0倍)
  ・動向:
   2009年に市場形成が始まり、2010年に開花した。
   日照条件を選び、案件規模が大きいことから、太陽熱発電との競合が予測される。
 (カーボン太陽電池
  耐磨耗性や・低摩擦特性に優れる非晶質の硬質薄膜「ダイヤモンドライクカーボン(DLC)」を用いる太陽電池。
  資源制約が殆ど無い炭化水素で構成され、比較的安価での製造が可能。
  現在は産学共同研究が進められている状況。
 (量子ドット太陽電池
  理論効率は75%と最高。
  しかし現在は、研究機関(大学など)での原理検証の段階であり、実用化までにはかなりの時間が必要と予想される。

部材市場
 ・市場規模:
  ・2010年:2兆5,525億円(前年比198.3%)
  ・2030年:8兆903億円(2010年比317.0%)
 ・動向:
  構成比では、シリコンインゴット・ウエハーが最も高い(約7割)。
  2010年の同品目は、
  ・供給能力の増強
  ・原料であるポリシリコンの低価格化
  から、販売価格が低下した。
  その他、
  ・表面保護材(ガラス)
  ・バックシート
  ・封止材
  等の主要部材の価格も低下し、太陽電池の製造コスト低減に寄与した。

といった内容がありました。


過去の同レポートにおける市場規模の予測は、

・2008年版:
 2012年の太陽電池の世界市場規模予想は4兆6,751億円。
 種類別では、
 ・シリコン結晶型:3兆4,680億円
 ・薄膜シリコン型:5,595億円
 ・CI(G)S系:2,998億円
・2010年版:
 2010年の市場規模見込みは、
 ・太陽電池:2兆1,187億円
  種類別では、
  ・結晶シリコン:1兆6,000億円
  ・薄膜シリコン:2,052億円
  ・CI(G)S:840億円
  ・CdTe:2,100億円
 ・部材:1兆4,808億円

となっており、今回の実績・予想値と比べると、市場全体と結晶シリコン型太陽電池の市場規模については、現実が予想を大きく上回るペースとなっており、今だ各国の政策に大きく左右される市場であるものの、世界市場全体としては急速な成長を遂げていることが感じられます。

ただ、市場規模は拡大しているものの、製品価格の急速な低下がメーカーの利益急減につながっていることを考えると、産業が存続するには、事業体制の根本的な変革が必要となってくる(なってしまう)のでは・・・とも懸念します。

個人的には、国内での太陽電池生産が減少することは想像したくないので、技術の進歩が急速に進むことで、製品価格が低減されつつ、各メーカーが十分な利益を得られるようになることを、期待したいところです。

太陽電池の種類別では、CIS(CIGS)太陽電池の伸び(前年比196.5%)が大きいですが、日本ではソーラーフロンティア社が積極的な展開を見せているので、さも有りなん、という気がします。

とはいえ、現在主流である結晶シリコンの伸び(前年比230.5%)はCIS(CIGS)を上回っており、その強さには改めて驚きます。
(長年積み重ねられてきた製品・技術の実績と信頼・安定性は、他のタイプがそう簡単に追いつけるものではない、ということでしょうか?)


※参考サイト・ページ
・[1]富士経済
 http://newsofsolarcell.blog.shinobi.jp
posted by 管理人 at 01:18 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)

京セラが、国内住宅向けの屋根材一体型太陽光発電システム「新型HEYBAN」を2011年9月に発売予定、黒色バックシートや横向き配線によりデザイン性・美観を向上

京セラが、国内住宅向けの屋根材一体型太陽光発電システム「HEYBAN」を改良した「新型HEYBAN」を、2011年9月に発売する予定とのこと。

(ニュース記事)
・京セラ、住宅用太陽光発電システム「新型HEYBAN」を発売(NIKKEI 住宅サーチ)
 http://sumai.nikkei.co.jp/release/house/detail/289838/
・京セラ、黒バックシートの太陽電池モジュールを使用した太陽光発電システムを発表(エクール)
 http://www.ecool.jp/press/2011/08/kyocera11-0830.html
・京セラ、太陽光発電システムをリニューアル…屋根との一体感(レスポンス)
 http://response.jp/article/2011/08/29/161449.html

(京セラのサイト内ページ)
・黒バックシートを採用した太陽電池モジュールで屋根との一体感を向上
 住宅用太陽光発電システム『新型HEYBAN』発売
 http://www.kyocera.co.jp/news/2011/0805_grku.html

上記URL先ページによると、

・開発の背景:
 京セラの太陽光発電システム「HEYBAN」は、屋根材と太陽電池モジュールが一体化しており、新築住宅への設置を中心に展開してきた。
 新築住宅への太陽光発電システム導入を検討する顧客は、特に屋根に設置する太陽電池モジュールの
 ・デザイン
 ・外観の美しさ
 を重視する傾向が強い。
 現在はハウスメーカーでも、太陽光発電システムを標準搭載するエコ住宅の販売が加速しており、新築住宅への導入は増加している。
 今後も新築住宅への更なる導入が期待される中で、今回は顧客が求めるデザイン性を従来より高めた「新型HEYBAN」の開発に至った。

・主な特徴:
 ・屋根材一体型の太陽電池モジュールを用いており、通常の屋根置き型よりも屋根との一体感が高い
  また、太陽電池モジュール自体が屋根瓦となるため、モジュール設置用の架台が不要となり、屋根への重量負担を軽減できる。
 ・太陽電池モジュールの裏地となるバックシートに黒地を採用(通常は白地)し、セル間の目地を黒色に統一した。
  これにより、全体的に濃紺の統一感のある色調を実現し、屋根との一体感の向上・美しい仕上がりを実現している。
 ・太陽電池モジュール内の配置の向きを、従来より90度変更しており、
  ・電極線が横方向に一直線につながる
  ・上下のモジュールとの電極線のズレの解消
  を実現。
  外観の美しさを従来以上に高めている。
 ・モジュールの種類は出力39W・50W・61Wの3タイプを用意。
  従来の2タイプに、長サイズ(61W)を追加しており、レイアウトの自由度向上・モジュールの使用枚数削減などにつながる。

・モジュールの種類・仕様:
 ・「KJ61P-4AYCB」:
  ・出力:61W
  ・サイズ:幅1,833mm×長さ381.3mm×厚さ40.7mm
  ・重量:8.0kg
 ・「KJ50P-4AYCB」:
  ・出力:50W
  ・サイズ:幅1,527.5mm×長さ381.3mm×厚さ40.7mm
  ・重量:6.7kg
 ・「KJ39P-4AYCB
  ・出力:39W
  ・サイズ:幅1,222mm×長381.3mm×厚さ40.7mm
  ・重量:5.4kg

・発売日:2011年9月1日
 「京セラソーラーコーポレーション」を通じて販売する。

等となっています。


ソーラーフロンティア社のCIS太陽電池では、黒い外観が特徴の1つとなっていますが、結晶シリコン型で同様に黒い外観のものが製品化されたという点が、なかなか興味深いです。
(建材一体型ということで、黒一色だと普通の屋根との違和感が非常に小さい、というのは、個人的にも納得が行くことではあります)

今後は通常のパネルでも同様の変更が採用されるのか、また他メーカーでも同じような変更が行われることになるのか、というところにも注目したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]京セラ株式会社
 http://www.kyocera.co.jp/index.html
posted by 管理人 at 01:15 | Comment(0) | メーカー:京セラ

2011年08月30日

「環境NPOオフィス町内会」「キッズシティージャパン」「伊藤冷機工業」が、南相馬市内でのメガソーラー建設を計画、子供の就労体験での活用も想定

・東京都の「環境NPOオフィス町内会」(古紙リサイクルや森林間伐などに取り組んでいる)
・同「キッズシティージャパン」(子どもの就労体験テーマパーク「キッザニア」を運営)
・福島県南相馬市の「伊藤冷機工業」(冷凍・空調設備業を手がけている)

の3社が8月28日、南相馬市でのメガソーラー建設を計画していることを、発表したとのこと。

(ニュース記事)
・南相馬に太陽光発電所 来秋操業目指す(kfb福島放送)
 http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=201108297

上記URL先ページによると、事業の概要は、

・目的:
 ・発電電力の売電による収益で、福島県の復興を支援する。
 ・発電所内で、福島県内と県外の子どもたちが一緒に就労体験を行い、絆を強める。
・発電能力:約1,000kW
・用地:約15ha
・建設費:約4億円の見込み。
・今後の予定:
 3社で2011年9月中に、株式会社「福島復興ソーラー」を設立する。
 そして2012年3月までに、資金と用地を確保する。
 操業開始時期は、2012年10月を目標とする。

等となっています。


設置するメガソーラーについて、単に電力供給を担うだけでなく、就労体験サービスでの設備利用も想定しているというのは、震災被災地の経済活性化への寄与としても、非常に興味深い構想です。

再生可能エネルギー法の施行は2012年7月1日予定とのことで、電力買取価格はまだ決まっていませんが、同法を追い風として、今回の事業が成功することを期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]オフィス町内会
 http://www.o-cho.org/index2.html
・[2]キッズシティージャパン
 http://www.kidzania.jp/corporate/
・[3]伊藤冷機工業
 http://www.soma.or.jp/~itoreki/
posted by 管理人 at 00:49 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

大阪府が、太陽光発電システム設置の義務化構想について府民アンケートを実施、初期投資額200万円の場合の義務化には87.5%が反対

大阪府が、太陽光発電システム設置の義務化構想(橋下徹知事が提案)の基礎資料とする目的で、府民アンケートを行ったとのこと。

(ニュース記事)
・大阪府の太陽光発電義務化、200万円では9割が反対(復興ニッポン)
 http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20110826/552269/?ST=rebuild

上記URL先ページによると、アンケートの要綱は、

・調査対象者:府内在住の計4,000
・実施日:2011年7月22〜26日
・回収率:72.9

というもの。

大阪府は「関西広域連合」の8月19日の会合で、このアンケート結果を公表しており、その主な内容は、

原子力発電への依存について:
 ・「将来的に下げるべき」:41.9
 ・「将来的にゼロにすべき」:29.9
 ・「現在の程度に維持」:13.1
 ・「現在より高めるべき」:2.6

太陽光発電の義務化について:
 ・「(負担額が)いくらであっても義務づけるべきでない」:36.5
 ・「いくらであっても義務づけるべき」:6.7
 ・「設置費用がもう少し安ければ義務づけてもよい」:45.9
 ※太陽光発電導入の初期投資額が200万円(現在の構想における額)の場合は、
  ・義務化に賛成:12.5
  ・反対:87.5
 ※全回答者の賛否が半々になる負担額ポイント(統計的に算出)は、22万6,000円。

等となっています。


個人的にも太陽光発電システムの普及は強力に進めるべきだとは思いますが、想定負担200万円の設備の導入を義務付けるというのは、一般庶民の感覚からはかけ離れすぎている、と考えざるを得ません。

義務化するよりも、太陽光発電の導入によるメリット・デメリット(初期投資の回収期間の見通し等)を明確にして魅力を広く分かりやすくPRすることや、群馬県太田市や神奈川県のように、導入負担を軽減するための制度つくりといった、地に足の着いた取り組みを進めるべきではないでしょうか。


※参考サイト・ページ
・[1]大阪府
 http://www.pref.osaka.jp/
・[2]新しいエネルギー社会に向けて 「これからの電力供給のあり方」(橋本知事のメッセージ)
 http://www.pref.osaka.jp/koho/chiji/230801_ene.html
posted by 管理人 at 00:48 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

ギリシャが計2万haの太陽光発電プロジェクト「ヘリオス計画」を推進中、ドイツへの売電を予定

ギリシャの地元紙が、

・同国政府が、国内で計2万haの太陽光発電施設を整備しドイツに売電するプロジェクト「ヘリオス計画」を進めている。

と報じたとのこと。

(ニュース記事)
・ギリシャで太陽光発電計画=「脱原発」の独に販売―地元紙(asahi.com)
 http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201108280044.html

上記URL先ページによると、これは8月27日付のギリシャ紙「タネア」が報じたものを、AFP通信が伝えたもので、他には

・推計予算総額:200億ユーロ(約2兆2,200億円)
・雇用創出効果:6万人分を見込む。
・現在の状況:
 パパコンスタンティヌ環境相は
 ・「ドイツは投資に大きな関心を持っている」
 ・現在既に、資金調達に向けて国外銀行との協議を開始している。
 ことを公表した。

との内容が報じられたとのことです。


予算の推計額を見ると、まさに国家的プロジェクトという規模ですが、想定発電規模が書かれていないので、物凄く大雑把な推計をしてみると、三井化学・東芝・三井物産などが国内で計画している50MW規模のメガソーラーでは、予定用地は約80万m2とのことなので、1ha(=10,000m2)あたりだと50/80=0.625[MW]。

これに2万[ha]をかけると12,500MW=12.5GWとなり、やはり前代未聞の巨大プロジェクトだと感じます。

ただ、巨額の財政赤字を抱えているギリシャにどこまで実行力があるのか、また、コストが急激に下がっているとはいえまだまだ高価な太陽光発電を大規模に導入することで、十分な経済的効果が本当に得られるのか、という点が疑問ですが、とりあえずはプロジェクトが本当に具体化するのか、またその場合には大量の設備をどのように調達するのか等、続報に期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]ギリシャ(ウィキペディア)
・[2]TA NEA On-line
 http://www.tanea.gr/
posted by 管理人 at 00:45 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

東京製綱の太陽電池向けソーワイヤは、製造工程の大部分をタイヤコードと共有

下記URL先ページでは、「東京製綱」社の太陽電池向けソーワイヤ事業について詳しく解説されています。

(ニュース記事)
・東京製綱、強気投資の勝算、太陽電池向けワイヤで急成長 (1) (東洋経済)
 http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/6fc28b2aa0751da8e6ec9eae67eb4210/

この中で、ソーワイヤ製造のマザー工場となっている岩手県の北上工場について、

・設立時期は1970年(ラジアルタイヤが一気に普及した頃)で、元はタイヤコードの専用工場だった。
 その後タイヤコード事業は拡大され、他の場所にも工場を構えたが、価格下落などで採算が取れなくなり、国内工場は北上に集約された。
 現在はタイヤコードの他に、太陽電池向けワイヤソー、ソーワイヤ等を製造している。

・太陽電池向けソーワイヤは、最終伸線工程以外の製造工程を、タイヤコードと共有している。
 (両製品は大部分の製造工程を共有可能)

・タイヤコードやソーワイヤの原料となる線材(太さ4〜4.5mm)は、新日本製鉄の釜石製鉄所から、1日にトラック5台が2往復して供給している。
 (この線材は、長年にわたる共同開発により生まれたもの)

との内容が記述されています。

その他、固定砥粒方式向けの製品(東京製綱では未製造)について、

2011年内を目処に発表する。

等の予定も紹介されています。


これまで長年にわたり手がけてきた製品製造の技術が、成長著しい新市場向けの製品製造にそのまま活用されているというのは、非常に興味深い事例だと感じます。

年内発売予定という固定砥粒方式での製品が、旭ダイヤモンド工業の「エコメップ」に対抗しうるものになるか・・・という点も、非常に気になるので、今後の製品情報の発表を待ちたいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]東京製綱株式会社
 http://www.tokyorope.co.jp/
・[2]ワイヤソー | 東京製綱
 http://www.tokyorope.co.jp/product/machine_material/wiresaw.html
・[2]北上工場
 http://www.tokyorope.co.jp/factory/introduction.html#03

宮城県・栗原市内で2011年秋に、有機薄膜太陽電池の実証実験が開始予定、モジュールはバスターミナルのバス乗降場の屋根に設置

宮城県の栗原市内で2011年秋に、有機薄膜太陽電池実証実験が開始される予定とのこと。

(ニュース記事)
・太陽電池、希望ともす 栗原の被災企業が今秋実証実験(河北新報)
 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/08/20110828t15007.htm

上記URL先ページによると、今回の実験の概要は、

・実施主体:
 ・「倉元製作所」(液晶ガラス基板の製造加工を手がけている)
 ・「イデアルスター
 の2社。(栗原市も全面支援を行う)
・実施場所:栗原市の「JRくりこま高原駅」前のバスターミナル
 太陽電池モジュールは、バス乗降場の屋根に設置する。
 宮城県北の「玄関口」である同駅で実験を行うことで、広くアピールする狙いがある。
・実験内容:
 独自の蓄電装置とLED照明を併設し、気象条件耐久性変換効率の関連などの調査を行う。
・使用する有機薄膜太陽電池:
 ・開発:イデアルスター社が、金沢大学の研究者と共同開発した。
 ・主な特徴:
  ・球状炭素分子「フラーレン」を発電層に採用。
   ガラスやフィルム等の基板に薄く塗布し、両面からの光で発電できる。
  ・結晶シリコン型より柔軟性・デザイン性が高く、
   ・大幅な軽量化
   ・製造・設置工事の/strong>簡略化
   が可能になる。
   これにより、カーポートの屋根や防音壁など、多様な場所への設置用が見込まれる。
  ・製造時の有害物質発生が少ない。
 ・課題:現在は、変換効率(2〜3%)と耐久性の低さが課題になっている。
・開始時期:2011年11月にも開始の予定。
・その他の取り組み:
 本実験と並行して、ガラス基板を用いるタイプの受注販売を開始する。(倉元製作所が製造)
 その後基板を、プラスチック、フィルム、繊維と改良していく。

等となっています。

また記事では、

(栗原市の市長の方)
・「震災で注目されたエネルギー問題にも寄与できる。
  被災地に希望の光が差すように、全面的に支援したい」

(倉元製作所の社長の方)
・「弊社も震災で13億円の被害を出し、やっと復旧に踏み出した。
  被災した東北の企業の力を合わせ未来志向の製品を実用化し、雇用創出など東北の復興に貢献したい」

とのコメントが紹介されています。


該当の塗布型有機薄膜太陽電池については、今月初めには空気中での製造が可能になった旨が報じられていましたが、変換効率や耐久性にまだ課題があるとはいえ、製造の容易化と幅広い設置が可能である点が、実証実験の実施と製品化につながった、ということでしょうか。

塗布型で両面での発電が可能と、太陽電池としてかなりユニークなので、実験により改良が進み、広い普及に対応できる製品となることを強く期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]イデアルスター
 http://www.idealstar-net.com/
・[2]倉元製作所
 http://www.kuramoto.co.jp/
・[3]くりこま高原駅(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 00:39 | Comment(0) | 有機太陽電池

2011年08月27日

太陽光発電協会が太陽光発電の新たな品質保証審査システムの新設を検討、車検のような定期点検システムを想定

太陽光発電協会(JPEA)」の片山幹雄代表理事(シャープ社長)が8月26日、記者会見において、「再生可能エネルギー特別措置法」が同日に国会で成立したことに関連し、業界の見通し等を語ったとのこと。

(ニュース記事)
・太陽光発電、品質保証の新認証システム必要=シャープ社長(ロイター)
 http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-22889920110826
・太陽光発電:品質審査の新制度を検討 安全性アピール(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/today/news/20110827k0000m020046000c.html

(JPEAのサイト内ページ)
・再生エネルギー特別措置法成立に関する代表理事コメント
 http://www.jpea.gr.jp/t110826_2.html

上記URL先ページによると、具体的には、

設備の品質保証について
・顧客の安心・安全の観点から、新たな品質保証審査システムが必要では、と考えている。
 現状では、太陽電池モジュールの性能を認証する「JET(一般財団法人電気安全環境研究所)認証」があるものの、これだけでは甘いだろうと認識している。
 新しい審査制度の設立は、健全な産業育成にもつながる。
・新制度では、車検のようなシステムを想定しており、定期点検により設備の品質を判断できるようにする。
・今後は半年程度を目処に、太陽光発電協会が産業総合研究所と連携しつつ、審査の制度作りを目指す。
 点検の費用負担のあり方などを今後詰め、制度の骨格を2012年7月までに構築する方針。
・ただし、日本独自の認証システムを設けた場合には非関税障壁と受け止められる可能性もある。
 このため、新システムは世界共通の仕組みとして捉えるべきであり、まず日本で制度をつくり、IEC(国際電気標準会議)あたりで議論してもらうのが望ましい。

全量買取制度の国会成立について
・制度の実施により、今後の太陽光発電産業は、相当早いうちに5倍、10倍に膨れ上がっていくとみている。
 また、同制度によって長期の資金が入ることは、産業活性化の上で重要である。
・ただし、具体的な買取価格(現状では未定)は、投資を期待できる設定が重要になる。
 欧州では、急激な制度変更による買取価格の引き下げ・買取停止により、業界が右往左往した。
 継続的に産業が発展していくためにも、過去の経験を生かして対応されることを希望する。

との内容が語られたとのことです。


今回は新たなシステムとして、設置済みの設備についても、自動車の車検のように定期点検を行うことが想定されている点が、非常に興味深いです。

太陽光発電システムはトラブル発生が少ないとされる一方で、(当ブログでチェックしている限りでも)設置後10〜12年以内での故障発生・設備交換が行われている、との調査結果が複数あるので、設備の性能を長年維持するためにも、定期点検を業界で共通化・システム化することの意義は非常に大きいのでは、と考えます。


※参考サイト・ページ
・[1]JPEA 太陽光発電協会
 http://www.jpea.gr.jp/
・[2]JET 一般財団法人 電気安全環境研究所
 http://www.jet.or.jp/
・[3]太陽電池モジュールの認証(JETPVm認証)
 http://www.jet.or.jp/products/solar/
・[4]系統連系保護装置の認証
 http://www.jet.or.jp/products/protection/
posted by 管理人 at 21:33 | Comment(0) | 試験・検査

再生可能エネルギー特別措置法案が可決・成立、買取価格は今後第三者機関が算定し、施行は2012年7月1日の予定

再生可能エネルギー特別措置法案」の採決が、2011年8月26日の参議院本会議で行われ、全会一致で可決・成立されたとのこと。

(ニュース記事)
・再生可能エネルギー特別措置法案が成立(エクール)
 http://www.kankyo-business.jp/news2011/20110826_a.html

(経済産業省のサイト掲載資料)
・電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法
 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/2011kaitori.pdf

上記URL先ページによると、法案の概要は、

・主な内容:
 ・大規模な太陽光発電や、風力・地熱・バイオマス等の再生可能エネルギーによる発電電力の全量を、電力会社が15〜20年間買い取る。(これにより、発電設備設置者の投資回収期間が短縮される)
 ・買取に要した費用は、企業・一般家庭の電気料金への上乗せが認められる。
  一方、鉄鋼・化学などのエネルギー多消費型産業(電力使用量が、産業界での平均の8倍超)に対しては、電気料金の負担を軽減する。
・電力買取価格:今後、第三者機関が算定して決定する。
・施行日:2012年7月1日の予定。

等となっています。


「全量買取」とはいえ、住宅向け太陽光発電の買取対象は従来どおり余剰電力のみなのが個人的には残念ですが、それでも法案が成立したことで、国内の太陽光発電普及に向けて着実な前進とは感じます。

ただ、法案は可決したものの施行は約1年後と、個人的には正直遅いという印象がありますが、国民・企業の負担増と自然エネルギーの産業発展・導入促進を天秤にかけることになると思うので、今後は欧州での制度実績の検討などを積み重ねて、産業や電力供給体制の将来を見通しつつ、日本に合う合理的な設定がなされることを強く期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]経済産業省
 http://www.meti.go.jp/index.html
・[2]なっとく!再生可能エネルギー
 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/index.html
・[3]再生可能エネルギーの全量買取制度に関する検討状況
 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/whole.html
posted by 管理人 at 21:29 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

GT Advanced TechnologiesがConfluence Solarを買収、太陽電池向けシリコンインゴットの高効率製造法「HiCz」による効果を狙う

GT Advanced Technologies」社が8月25日、太陽電池向けシリコンインゴット高効率製造法「HiCz」を開発した企業「Confluence Solar」を買収したことを、発表したとのこと。

(ニュース記事)
・GTアドバンスト・テクノロジーズが革新的な連続的チョクラルスキー法を開発したコンフルエンス・ソーラーを買収(Business Wire)
 http://www.businesswire.com/news/home/20110825006561/ja/

上記URL先ページによると、買収の概要は、

・背景:
 ・太陽電池製品メーカーは、太陽エネルギーのコスト低減のため、セル効率の改善への注力度合いを高めている。
 ・「HiCz」は、結晶ソーラーインゴットの高効率生産を可能とする「連続的チョクラルスキー(CCz)成長技術」であり、生産コストの低減に寄与することが期待されている。
・買収額:
 ・取引完了時点では6,000万ドルが、コンフルエンス・ソーラー社の株主に現金で支払われた。
 ・今後はアーンアウト方式により、GTアドバンスト・テクノロジーズ社の2013年度の財務的・技術的基準の達成状況に応じて、更に2,000万ドルが支払われる。
・買収で見込まれる効果:
 ・GTアドバンスト・テクノロジーズ社の太陽電池製品群に、革新的な技術追加される。
  これは、次世代の結晶成長ソリューションの革新・開発に取り組む同社の戦略と一致している。
 ・コンフルエンス・ソーラー社が開発したHiCz技術には、
  ・従来のチョクラルスキー法よりも、単結晶ウエハーの製造コスト低減する。
  ・次世代のセル構造に用いられる、先端材料柔軟な生産を可能にする。
  との役割が期待される。
 ・今回の買収では、CCz製品の市場投入までに必要となる時間短縮のための
  ・研究開発費
  ・設備投資
  の追加額を含めて、2013年度下半期の業績への貢献が見込まれる。
  (従来、20122013年度に計画していた一部の事業拡大費用が不要になる)

等となっています。

またGTアドバンスト・テクノロジーズ社では、2013年度のCCz単結晶装置の市場投入を予定しているとのことです。


「HiCz」が、既存の製造法と比べて具体的にどの程度優れているものなのかが分かりませんが、GT社にとっては8,000万ドルを投じても十分にメリットが期待できる技術、ということなんでしょうか。

ともあれ今回の動きが、太陽電池モジュールのコスト低減に具体的な効果をもたらすものであることを、個人的には期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]GT Advanced Technologies
 http://www.gtat.com/
・[2]Confluence Solar(※現在は、サイト内容がGT Advanced Technologiesのものになっている)
 http://www.confluencesolar.com/
・[3]チョクラルスキー法(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 21:28 | Comment(0) | シリコン:その他