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2012年09月27日

STMicroelectronics社が太陽光発電向けSiCダイオード・MOSFETの技術革新について発表、既存のSiデバイスとの置き換えで効率アップ・コスト低減が見込まれる

STMicroelectronics社が「Solar Power International 2012」(米国、9月10〜13日)において、太陽光発電向けの

SiC(シリコンカーバイド)ダイオード
SiC MOSFET

技術革新について発表したとのこと。

(ニュース記事)
・ST、太陽光発電システム用SiCソリューションを発表(マイナビニュース)
 http://news.mynavi.jp/news/2012/09/26/011/

(STMicroelectronics社のサイト内ページ)
・STMicroelectronics Reveals Silicon Carbide Solutions to Solar Challenges at Solar Power International 2012
 http://www.st-japan.co.jp/jp/com/press_release/t3331.jsp

上記URL先ページによると、公表された内容は

SiCダイオード1,200V耐圧):
 ・既存デバイス(Siバイポーラダイオード)に対する優位点
  一般的なSiバイポーラダイオードと比べて、下記の面で優れる。
  ・スイッチング(導通・非導通の切り替え)の高速化が可能。
   また、スイッチング時に生じる逆回復電流の影響を低減し、電力損失を最大70%削減できる。
  ・幅広い温度範囲で高い効率を維持できる。
  ・システム動作周波数最適化を可能にする。
 ・出力電力品質アップ
  太陽電池モジュールの
  ・DC-DC昇圧コンバータ
  ・DC-ACインバータ
  に使用されている現行のSiダイオードと置き換えることで、低電圧の出力を、適正電圧で高品質なAC出力に変換することができる。
 ・太陽光発電システム効率アップ
  太陽電池モジュールでの試験的な使用(高負荷・高周波)では、インバーター全体2%の効率アップが確認されている。
  これは、家庭用太陽光発電システムや大規模発電所において、インバーターを寿命まで使った場合、MWh単位でのエネルギー節約につながる。

SiC MOSFET
 ・既存デバイス(シリコンIGBT)に対する優位点
  ・電力損失を、シリコンIGBTの場合と比べて50%削減できる。
  ・特別な動作回路が必要無い。
  ・高周波数で動作可能。
  ・設計者は、電力システムの他の部分を最小化でき、効率・コスト・サイズ低減できる。
 ・今後の見通し:
  ・STMicroelectronics社のSiC MOSFETは、世界最初の商業的なSiC MOSFETになる見通し。
  ・太陽光発電システムにおける、高電圧シリコンIGBTの代替品となることが期待される。

等となっています。


直流の発電電力を交流出力に変換する必要がある現在の太陽光発電システムにおいて、インバーターは常に稼動が必要な装置なので、そこでの効率アップは(設備の数・稼働時間が積み重なることで)非常に大きな効果として現れてくるのでは、と考えます。

それだけに、今回の発表技術の商用化(時期は示されていない)の早期実現に期待したいところです。

※参考サイト:
・[1]Solar Power International
 http://www.solarpowerinternational.com/2012/public/enter.aspx


※関連記事:
スイスのSTマイクロ社が太陽光発電用パワーモジュールの研究・開発にも重点を置く方針(2008/10/17)
シャープ・EGP・STMが、欧州での共同事業を発表(2010/01/21)
STMが、太陽電池の分散型MPPTを可能にするIC「SPV1020」を発表(2010/06/15)
STマイクロエレクトロニクスが、太陽電池パネルの発電能力向上に寄与するデバイス「SPV1001」を発表(2010/10/16)
STMicroelectronics社が「PV Japan 2011」に、コンセプト「smart junction box」等を出展(2011/12/06)
STマイクロ社が、電力損失や設計・導入コストを低減できる太陽電池用バイパススイッチ「SPV15 family」を発売(2012/09/06)
posted by 管理人 at 01:22 | Comment(0) | パワーコンディショナー

2012年09月26日

中国国内の太陽光発電産業の現状を解説している「朝日新聞」の記事

下記URL先ページでは、中国太陽光発電産業現状が解説されています。

(ニュース記事)
・太陽光発電業界でリストラ相次ぐ、天合光能は従業員30%削減か(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/news/xinhuajapan/AUT201209240085.html

具体的には、

・生産状況:
 ・太陽電池メーカー「浙江金楽太陽能科技公司」の何イ莎董事長は、
  ・工場稼働率2012年上半期80%以上)は70%に低下している。
  ・自社は高すぎる業績ではなく、
   ・穏健なキャッシュフロー
   ・従業員の働き口
   を求める。
  と語っている。

従業員削減
 ・Suntech Power1万人前後まで減らした。(ピーク時の従業員数は約2万人)
 ・中小企業の「孚日光伏」「吉陽新能源」「九州方園」:50%削減した。
 ・「通威」:
  劉漢元董事長は、
  ・80%以上の人員削減を覚悟している。
  と語った。
 ・「英利」の苗連生董事長は
  ・欧州が中国に不利な裁決を下した場合、中国企業の大規模破綻が不可避となり、
   ・太陽光発電産業への深刻なダメージ
   ・数百万人の雇用喪失
   が生じる恐れがある。
  と語っている。

・中国国内の発電設備の状況:
 「中盛光電」の王興華董事長は、
 ・送電網の不備のため、西部の多くの太陽光発電所では、稼動維持できるのは1週間のうち3〜4日のみ。
 ・送電網整備への補助支給が遅いため、発電所は赤字状態にある。(8%以上の収益率は有り得ない)
 と語っている。

等の状況が紹介されています。


中国の太陽電池メーカーの悲痛な声が聞こえてくるような記事ですが、最大市場である欧州での需要縮小に加えて、米国で反ダンピング関税が仮決定され、欧州でもダンピング調査が開始されている現状では、政府の「十二・五計画」による国内市場の活性化が状況改善の最大の希望、ということでしょうか。

送電網の未整備による太陽光発電所の稼働率の低さについては、かつて風力発電でも似たような状況が報じられていました(※現在解消されているかは未確認)が、政府が「十二・五計画」の推進とともにこの課題(送電網の整備推進)にどう取り組んでいくのか、というのは、国内太陽電池メーカーの業績にも大きな影響を及ぼすことになる、と思われるので、今後の動向には注視していきたいところです。

また個人的には、日本・中国間での反発感情の高まりが、固定価格買取制度で盛り上がりを見せている日本市場において、同市場に進出している中国メーカーの業績にどのような影響を及ぼすことになるのか、という点も気になるところです。


※参考サイト:
・[1]Shandong Sunvim Solar Technology(孚日光伏)
 http://www.sunvim-solar.com/
・[2]Tongwei Group(通威)
 http://en.tongwei.com/
・[3]ET Solar(中盛光電)
 http://www.etsolar.cn/


※関連記事:
LDK Solarは2011年末以降に人員の約22%(5,000人以上)を削減、利ざやは同業他社と比べ最低水準(2012/05/01)
Trina Solar社が事業・組織の合理化を行う方針、太陽電池モジュールとシステムの事業分離など(2012/09/14)

米商務省が中国製太陽電池向けの反ダンピング関税課税を仮決定、税率は31.14〜249.96%(2012/05/20)
EUの欧州委員会が、中国製太陽電池のダンピング調査を開始(2012/09/08)

中国の国家能源局が「太陽エネルギー十二・五計画(2011〜2015年)」を発表、発電の目標規模は2,100万kW(太陽光2,000万kW、太陽熱100万kW)(2012/09/14)

中国「晶科能源」のCFOが、中国での太陽電池メーカーの淘汰により、生産能力が約75%削減・2013年4-6月期の生産能力は2,000万kW、等と予想(2012/01/25)
Suntech Power社CEOへのインタビュー内容を紹介している「東洋経済」の記事(2012/04/03)
posted by 管理人 at 02:40 | Comment(0) | 市場・業界の動向:アジア

リアルコムと日本プレミアムがメガソーラー事業で提携、投資先としてのメガソーラーのデューデリジェンス推進も目指す

リアルコム」社が2012年9月25日に、

メガソーラー案件の開拓・運用について、「日本プレミアム」社との協業を開始した。

と発表したとのこと。

(ニュース記事)
・ リアルコム、日本プレミアムと協業し、高品質メガソーラー開発能力を向上(ValuePress!)
 http://www.value-press.com/pressrelease/101838

(各社のサイト内ページ)
・リアルコム、日本プレミアムと協業し、高品質メガソーラー開発能力を向上(リアルコム)
 http://www.realcom.co.jp/info/news/20120925_realcom_nippon-pre.html
・リアルコム株式会社とメガソーラー事業の協業を開始します(日本プレミアム)
 http://nippon-pre.com/index.php?%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B%202012%E5%B9%B4#a20120925

上記URL先ページによると、提携の概要は

・主な方針:
 ・メガソーラー事業の開拓・運営能力の向上:
  ・案件候補地(オーナー)の収集選定能力の向上:
   日本プレミアム社の「マスターズネットワーク」(全国の税理士・社労士・行政書士などが登録)を活用する。
  ・迅速・スムーズなプロジェクト運営:
   メガソーラー建設における各種支援業務(提案〜保守、保険対応)を、日本プレミアムが包括的に請け負う。
  ・発電所建設の低コスト化
   リアルコム社と子会社「WWB」を通じての、高品質・低価格な太陽電池パネル及び太陽光発電システムを提供する。
 ・投資対象としての、メガソーラーのデューデリジェンスの推進:
  両社は、
  ・2〜3年後には太陽光発電所の保有株式を売買する投資家が現れ、その株式が証券化される時代になる。
  と想定している。
  そしてこの場合、メガソーラーが第三者の評価を受けていることは、投資家にとって
  ・資産価値の最大化
  ・投資のリスク低減
  における大きな意味を持つ、と考えている。
  これに対応するため、日本プレミアム社が繋がりを持つ第三者民間検査・認証機関に働きかけ、今後両社で企画・建設する太陽光発電所の全て認証発電所とする。
  これにより出資者を募りやすくして、開発スピードの向上に繋げる。

・受注目標:2013年3月までに10MW以上

等となっています。


電力買取価格が高いうちの計画認定や、発電設備の安定稼動が前提になるとは思いますが、メガソーラーが投資対象となることを想定して信頼性向上のために認証獲得を目指していく、というのは非常に興味深いです。

ただ、メガソーラーに対して具体的にどの機関がどのような基準で認証を行うのか、という点は全く不明なので、今後の更なる情報発表に注目したいところです。


※参考サイト:
・[1]WWB
 http://www.wwwb.jp/


※関連記事:
リアルコム社がWWB社を完全子会社化する方針、スマートグリッド市場への参入を図る(2011/09/29)
リアルコムとアドバンスの2社が、各種サービス(10年分)も初期費用に含めたパッケージ商品「発電貯金-野立パワー」を発売(2012/08/08)
posted by 管理人 at 02:38 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

北海道内でのメガソーラー建設計画は21社・38件、うち地場企業は11社

北海道2012年9月24日の道議会で、道内でのメガソーラー建設計画の現状を公表したとのこと。

(ニュース記事)
・北海道、21社がメガソーラー計画(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO46492610U2A920C1L41000/

上記URL先ページによると、主な内容は

・メガソーラー建設を計画している企業:21
 ・道外企業
  ・シャープ
  ・ソフトバンク
  ・国際航業ホールディングス
  ・三井物産
  等。
 ・地場企業11
  ・土屋ホールディングス
  ・コープさっぽろ
  ・伊藤組土建
  ・柳月
  等。

・立地数:38ヶ所
・立地場所:道東方面が多い。

等とのことです。


住宅物流施設屋根への設置が進まない一方で、野立てのメガソーラー事業計画が盛んというのは、良くも悪くも北海道での太陽光発電導入の特徴、ということでしょうか。

また、道内企業によるメガソーラー計画は意外に多い、と感じますが、地域に実際にどのような経済効果がもたらされることになるのか、というのも非常に気になるところです。


※関連記事:
シャープと北海道北見の「陽気堂クリエート工業」が、道内2ヶ所でメガソーラー建設を計画(2012/02/15)
ユーラスエナジーHDが、北海道白糠町でのメガソーラー事業(最大30MW)で同町と基本合意(2012/03/29)
ソフトバンクが北海道苫小牧市で111MWのメガソーラー建設を計画、2014年度に稼動予定(2012/07/02)
北海道江別市で「江別メガソーラー」(1.5MW)が建設予定、ソーラーフロンティアのCIS薄膜型パネルを採用(2012/07/06)
シャープが北海道の苫東でメガソーラー(計4MW)を計画、早ければ2012年9月に着工(2012/08/07)

北海道の物流業界で、太陽光発電導入の動きが非常に鈍いとのこと(2012/09/21)
北海道の太陽光発電の世帯普及率は振興局別では0.05〜1.7%、ただし自治体別のトップは7%以上(2012/09/24)
posted by 管理人 at 02:36 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

陸屋根向け工事の専門サイト「棟梁ドットコム」がオープン、「金属屋根防水」「マグネット工法」を提案

メディオテック」社が2012年9月24日に、陸屋根向けの太陽光発電システム設置工事の専門サイト「棟梁ドットコム」を開設したとのこと。

(ニュース記事)
・ 日本初!陸屋根の太陽光発電工事専門サイト【棟梁ドットコム】を公開(ゆかしメディア)
 http://media.yucasee.jp/r/detail/149610

(該当サイト)
・棟梁ドットコム
 http://taiyoko.touryo.com/rikuyane/index.html

上記URL先ページによると、このサイトでは

金属屋根防水
 元は屋上緑化用の防水加工技術。
 ステンレス鋼版表面保護膜加工を施したものを使用する。
 (30年間のノーメンテナンスが可能とのこと)

マグネット工法
 「着磁補強板」を太陽電池パネルの設置箇所に貼り付け、そこに強力な永久磁石40kg/基、1枚あたり4基)によってパネルを取り付ける。
 これにより、屋根への穴開けが不要となる。
 また、
 ・50m/秒(大型台風並み)の耐風試験
 ・300GALの耐震試験(大震災級)
 で安全性が確認されている。

の2種のオリジナル施工プランを中心に、陸屋根専門のオリジナルパッケージを提供していくとのことです。


「棟梁ドットコム」のサイトには分かりやすい施工事例の動画が掲載されており、金属板や接着剤、永久磁石などを用いる設置工法は、工事に対する通常のイメージを覆すもので、非常にユニークです。

強度が試験によりしっかり確認されているということであれば、施工の簡易さによる建物への負担の軽減は非常に大きな魅力であり、陸屋根への太陽光発電導入のハードルを大きく引き下げることになるのでは、と期待が高まります。
(ただ動画を見る限り、パネルの設置高さが低いので、冬に雪が積もる地域には向かないでしょうか?)

シャープがシースルー太陽電池モジュール「NA-B095AA」を発売予定、「太陽光発電」「適度な採光」「熱の遮断」を兼ね備える

シャープが2012年9月25日に、シースルー太陽電池モジュール「NA-B095AA」の発売予定を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・シャープ、窓ガラスやベランダの手すりに設置できるシースルー太陽電池モジュール(家電Watch)
 http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20120925_562105.html

(シャープのサイト内ページ)
・発電と採光を両立 新しいガラス建材としてご提案 シースルー太陽電池モジュールを発売
 http://www.sharp.co.jp/corporate/news/120925-a.html
・シースルー太陽電池モジュールを発売(発表会レポート)
 http://www.sharp.co.jp/corporate/report/glass_solar/index.html

上記URL先ページによると、製品の概要は

・主な特徴:
 ・ガラス建材のような取扱いが可能:
  金属フレームを無くして合わせガラス構造を採用しており、
  ・サッシ
  ・手すりの枠
  等に納めることができる。
 ・複数の省エネ機能
  セルに細かいスリットを設けることで、
  ・発電(モジュール変換効率6.8%)
  ・適度な室内への採光
  ・の遮断(遮蔽係数0.39
  との機能を併せ持つ。
 ・デザイン
  を基調としたスタイリッシュな外観としており、建物との調和に配慮している。

・主な仕様:
 ・種類:薄膜型
 ・本体サイズ(端子ボックス除く):幅1,402mm×奥行き1,001mm×高さ9.5mm
 ・重量:約33kg
 ・公称最大出力:95W
 ・公称最大出力動作電圧:42.2V
 ・公称最大出力動作電流:2.19A
 ・公称解放電圧:55.2A
 ・公称短絡電流:2.68A

・想定設置場所:
 ・
 ・手すり
 ・カーテンウォール
 ・ひさし
 等。(業務用建材として展開)

・希望小売価格:オープン
・発売日:2012年10月1日
・生産数:完全受注生産

等となっています。


半透明の太陽電池というと、個人的には色素増感型のイメージが非常に強いので、ここにきてシャープが薄膜型のものを発表してきたことに驚きました。
(建材との融合タイプということで、住生活グループとの提携が製品開発に関係しているんでしょうか?)

シャープの薄膜シリコン型太陽電池事業は現在、堺市の工場売却との噂が出るほど苦戦しているようですが、今回の製品が新たな需要を開拓し、現状に一石を投じることになるのか、今後の販売動向に注目したいところです。


※関連記事:
シャープと住生活グループが、省エネ住宅向け機器・建材の開発などにおける提携で基本合意(2011/04/15)

シャープが堺市の薄膜太陽電池工場を売却する方針、との報道(2012/08/16)
シャープは、国内住宅向け太陽電池(ブラックソーラー等)の国内生産を続ける方針とのこと(2012/08/28)
posted by 管理人 at 02:32 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2012年09月24日

北海道の太陽光発電の世帯普及率は振興局別では0.05〜1.7%、ただし自治体別のトップは7%以上

2012年9月23日の北海道新聞朝刊で、北海道内での太陽光発電設置普及度が掲載されていました。

(ニュース記事)
・道東、太陽光けん引 普及度1位小清水、2位浜中… 北電・本紙調べ 少雪で日照長く(北海道新聞)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/406230.html

これは、

北海道電力がまとめた各市町村の設置件数(2012年3月末時点)
2010国勢調査の市町村別世帯数

から北海道新聞が算出したもので、上記のウェブ版では具体的な数字が少ないですが、本紙(1面トップ)ではかなり詳しい数字が掲載されています。

そのデータから、振興局ごとの太陽光発電の世帯普及率を計算してみると、

・オホーツク(約13万世帯):1.7
・十勝(約15万世帯):1.37
・根室(約3万2,000世帯):1.09
・釧路(約11万世帯):1.02
・胆振(約18万世帯):0.46
・上川(約23万世帯):0.40
・石狩(約110万世帯):0.38
・渡島(約19万世帯):0.34
・空知(約14万世帯):0.32
・日高(約3万2,000世帯):0.31
・後志(約10万世帯):0.15
・檜山(約1万8,000世帯):0.14
・宗谷(約3万2,000世帯):0.11
・留萌(約2万3,000世帯):0.05

と、全体としてかなり低い状況。

また、北海道全体では

・設置件数:約1万3,000
・合計出力:約6万2,000kW
・世帯普及率:約0.5

という状況とのことです。

ただし、自治体別の上位10位は

・小清水町:約7.4
・浜中町:約5.7
・佐呂間町:約4,7
・鶴居村:約4.6
・大空町:約3.9
・剣淵町:約3.6
・別海町:約3.3
・湧別町:約3.0
・和寒町:約2.9
・訓子府町:約2.7

と、普及率はいずれも1ケタ台となっています。


2008年に報じられていた北海道での住宅用太陽光発電の普及率は0.33%でしたが、4年が経過しても一向に普及が進んでいない状況が良く伺えます。

固定価格買取制度でのメガソーラーの認定件数は全国上位である一方で、物流拠点も含めて、建物屋根への設置が停滞しているのは、発電条件だけでなく、冬には積雪で屋根への負担が大きくなるだけに、既築住宅の屋根への設置に対する抵抗感が大きいためでは、と個人的には考えます。(今回の調査でも、雪が少ない道東での普及率が高くなっている)

この点で何らかの解決策が見出されなければ、既設建物の屋根への設置・普及のスピードアップは望めないのではないでしょうか。(無理に設置しない、という方針もありかもしれませんが)


※関連記事:
北海道の物流業界で、太陽光発電導入の動きが非常に鈍いとのこと(2012/09/21)

太陽光発電の住宅普及率は「西高東低」(2008/11/17)
北海道電力が2020年までに太陽光発電能力を5000kWまで増強する方針(2009/01/07)
posted by 管理人 at 22:32 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

固定価格買取制度の2012年8月末時点での認定件数は7万2,660件・認定出力は約130万kW

下記URL先ページでは、2012年8月末時点での固定価格買取制度認定状況が紹介されています。

(ニュース記事)
・再生エネ買い取り制度「設備認定」 県内は2142件、全国11位(信濃毎日新聞)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20120923/KT120921ATI090033000.php

記事によると、これは経済産業省のまとめによるもので、具体的には

全国
 ・認定件数7万2,660
  都道府県別の上位は
  ・愛知県4,458
  ・埼玉県3,971
  ・東京都3,423
  (いずれも、10kW未満の住宅用太陽光発電が主)
 ・認定出力:約130万kW
 ・内訳:
  ・太陽光:約103万kW
  ・風力:約26万kW
  ・バイオマス(生物資源):5,700kW
  ・水力:888kW
  ・地熱:0kW

長野県
 ・認定件数:2,142件(全国で11位)
  住宅用太陽光発電が9割以上を占める。
 ・認定出力:約1万4,700kW(同27位)
 ・内訳:全て太陽光発電

との数字が挙げられています。


全国の認定件数・出力は1ヶ月前(7月末時点)の2倍前後で、既に年間認定見込み(250万件)の半分に到達しており、爆発的なペースと感じられますが、このペースが今年度いっぱい続くことになるのか、というのが非常に気になるところです。
(電力料金への影響には注意したい)

長野県については、全国に対する割合を計算すると、認定件数(約3%)に対して出力(約1%)が小さいですが、この点については住宅用と産業用のどちらがメインとなるか、という地域ごとの特徴・傾向に大きく左右される、ということでしょうか。


※参考サイト:
・[1]固定価格買取制度の開始後の状況について(8月末時点)
 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/dl/setsubi/201208setsubi.pdf


※関連記事:
固定価格買取制度での経済産業省による発電設備の認定件数は44件、うち太陽光発電は43件(2012/06/30)
2012年7月25日時点で固定価格買取制度に認定されている発電計画は計40万8,000kW・2万4,764件、殆どが太陽光発電とのこと(2012/08/11)
固定価格買取制度の開始後1ヶ月での認定件数は3万3,695件・発電出力は約56万4,000kW、太陽光発電は3万3,686件で住宅用の余剰電力買取が3万2,659件(2012/08/25)

東北電力の2012年6月末時点での太陽光発電の電力購入契約は、累計出力が約27万3,000kW(前年同月末比34%増)・累計契約数は約6万8,000件(同30%増)(2012/08/22)
鳥取県内での固定価格買取制度の認定件数(2012年7月末時点)は267件、全てが太陽光発電(2012/09/05)
2012年7月の青森県での固定価格買取の新規認定は181件・800kW、岩手県は358件・2,652kW、東北6県では2,515件・3万1,623kW(2012/09/13)

長野県茅野市内の住宅用太陽光発電の導入者(補助金利用)のうち、「満足」は約40%・「おおむね満足」は50%弱に到達(2012/08/05)
posted by 管理人 at 22:29 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

東大の研究グループが、色素増感太陽電池の電解液の新しい封止方法を開発、LCDの技術「滴下注入(ODF)」を応用

東京大学の研究グループ(内田聡特任教授、瀬川浩司教授ら)が、色素増感太陽電池電解液の新しい封止方法を開発したとのこと。

(ニュース記事)
・東大、色素増感太陽電池の基板張り合わせ技術(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120924eaaj.html

上記URL先ページによると、技術の概要は

・背景:
 色素増感太陽電池は、基板2枚(封止剤で貼り合わせる)の間に電解液を満たす構造となっている。
 この構造の作製においては現在、基板を貼り合わせた後にを開け、電解液を注入する手法が主流となっている。

・手法:
 LCDの作製に用いられている技術「滴下注入(ODF)」を応用。
 一方の基板上に電解液を滴下し、真空環境下で対向基板を貼り合わせる

・メリット:
 従来手法と比べて、
 ・デバイスの信頼性向上
  (気泡が入りにくく、電解液の漏れも防ぎやすい)
 ・単位時間あたりの作製個数の増加
 が見込まれる。

というもの。

現在は、色素増感太陽電池の実用化に取り組んでいる企業への採用提案が行われているとのことです。


薄膜型太陽電池については、製造工程にFPDとの共通点が多い[1]とのことですが(例えばソーラーフロンティアの国富工場は、日立のプラズマディスプレイパネル工場を転用)、色素増感型太陽電池にLCDの製造手法が応用できる、というのはかなり意外でした。
(考えてみれば、どちらも液体を封入している点は似ている)

ディスプレイパネルと太陽電池は、種類を問わず全般的に、技術的な共通点が多い、ということなんでしょうか?

ディスプレイ向けのODFについて解説されているサイト[2][3]を見ると、設備の縮小や時間の短縮に寄与しているとのことなので、今回の太陽電池製造への適用においても、製造コストの低減につながることを期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]半導体と共通点の多い太陽電池のビジネス(Semiconpottal)
 https://www.semiconportal.com/archive/blog/chief-editor/post-17.html
・[2]これが中小型ディスプレイの全貌(Semiconductor Japan Net)
 http://www.semiconductorjapan.net/serial/display/06.html
・[3]ODF(液晶滴下) (武蔵エンジニアリング社)
 http://www.musashi-engineering.co.jp/case/case_015_00004.html


※関連記事:
東大の研究グループが、色素増感太陽電池セル(4mm四方)で変換効率12.5%を達成、弱い光では13.3%(2012/09/08)
posted by 管理人 at 22:28 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2012年09月23日

神奈川県小田原市のJ・システム社が「屋根貸し制度」の利用に参入する方針、10〜50kWの太陽光発電システムが設置できる施設が対象

神奈川県小田原市の「J・システム」社が、

オフィスや倉庫の屋根を借りて太陽光発電を行う「屋根貸し制度」に参入する。

との方針を決めたとのこと。

(ニュース記事)
・自己負担ゼロで太陽光発電(タウンニュース)
 http://www.townnews.co.jp/0607/2012/09/22/158796.html

上記URL先ページによると、

・対象施設:
 法人・個人が所有しており、
 ・10kW以上50kW未満の太陽光発電システムの設置
 ・20年の貸与
 が可能な、
 ・オフィス
 ・倉庫
 ・アパート
 ・病院
 等の屋根。
 (10kW以上のシステムを搭載できる個人住宅も可能。)

・サービスの内容:
 ・現地調査
  ・日当たり
  ・屋根の形状
  等の調査は、無料で行う。
 ・費用負担
  ・太陽光発電システムの設置費用
  ・上記システム設置後の運営・管理費
  等は、J・システム社が全額を負担する。
 ・建物所有者への謝礼
  ・屋根の形状
  ・発電量
  に応じて支払われる。

等とされています。

また記事では、J・システム社の社長の方による

・「クリーンなエネルギーのために、できるだけ多くの屋根に太陽光発電を普及させたい」

とのコメントが紹介されています。

ただし現時点で、同社のサイト[1]では、この件に関する情報は掲載されていませんでした。


ちょうど先日に行われたソフトバンク社長の参入表明では、一般住宅が対象とされているようですが、今回のJ・システム社では10kW以上が設置可能な施設が対象ということで、同じ太陽光発電の「屋根貸し」でも事業者により設置先のターゲットが異なってくるというのが興味深いです。

個人的には、1箇所に設置できる容量が大きい分、商業施設などを対象とするほうが採算性に優れるのでは・・・と予想しますが、実際にはどのような結果となるのか、日本での新しい太陽光発電の普及方法として強く注目したいところです。


※参考サイト:
・[1]J・システム
 http://www.jsystem.info/
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