【現在位置】トップページ > 2013 年07 月

(このページ内の記事一覧)
(スポンサード リンク)

2013年07月30日

矢野経済研究所が「太陽電池・部材の世界市場に関する調査結果 2013」を発表、中国産カバーガラスの同国内シェアはほぼ100%

矢野経済研究所2013年7月29日に、レポート「太陽電池・部材の世界市場に関する調査結果 2013」を発表していました[1]。

このサマリーの中で、下記の数字が紹介されています。

  • 太陽電池セル・モジュールの世界市場規模(推計値):
    201231.97GW(前年比4.9増、メーカー出荷容量ベース)
  • 市場の動向
    中国
     国内部材メーカーの製品品質が高まっており、供給価格も安い。
     カバーガラスは、中国国内市場では国産比率がほぼ100%に達している。
     また世界市場でも、封止材やバックシートで中国メーカー製がシェアを高めている。

世界市場規模は、Solarbuzzによる需要調査(29.0GW)や、太陽光発電の新規導入量の調査(EPIA(31.1GW)Pew Charitable Trusts(31GW超))とほぼ同じであり、2012年はメーカー出荷・設備の新規設置ともに、30GW前後の規模であったことが伺えます。

中国企業については、何時までも価格競争力のみに頼るわけはないとは思っていましたが、カバーガラスで国内シェアが既にほぼ100%、ということには非常に驚かされます。

想像以上に中国製部材の持つ競争力が高まっているようですが、太陽電池パネルの二の舞を踏むことは避けてほしいものです。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池・部材の世界市場に関する調査結果 2013(矢野経済研究所)
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001128

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:29 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)

東北大学が、シリコンウエハーの太陽電池特性を短時間(数秒〜数分)で検査できる方法を開発

東北大学2013年7月26日に、

  • 太陽電池用シリコンウエハーの品質を、短時間(数秒〜数分)で判定できる検査手法を開発した。
と発表していました。

手法の概要は下記の通り。

  • 名称電流変調四探針抵抗率測定法(Current-Modulating Four-Point-Probe (CMR) Method)
  • 背景
    太陽電池用シリコンウエハーの品質を厳密に検査するには、実際に太陽電池を製造し、その変換効率を測定する必要があるが、それにはコストや時間がかかる。
    このためメーカー側では
    ・反射マイクロ波光導電減衰法(μ-PCD)
    ・表面光起電力法(Surface Photovoltage、SPV)
    を用いて、ウエハーの出荷・仕入の可否を判別している。
    ただしこれらの測定法では、
    ・測定値(少数キャリアのライフタイム値や拡散長値)の、平均値や最小・最大値
    ・太陽電池の変換効率
    の相関が得られず、ウエハーの太陽電池特性を予測することができない。
  • 測定方法
    シリコン結晶の抵抗率測定で一般的な「四探針抵抗率測定法」を応用。
    4本の探針を持つ測定装置を、ウエハーに接触させ、両端の探針間に変調電流(連続的に電流量が変化)を流す。
    これによりウエハーの「実効抵抗値」を計測でき、「結晶品質パラメータ」(抵抗値が一定の値に飽和する電流の範囲)が得られる。
    この「結晶品質パラメータ」と太陽電池の変換効率には
    ・パラメーター大:変換効率が高い
    ・パラメーター小:変換効率が低い
    との相関があるため、計測した結晶品質パラメータから変換効率を予測し、ウエハーの品質を判定することができる。
  • メリット
    ・測定装置のコストが低く済む。
    測定時間が短い。(数秒〜数分
    他の種類の基板(アモルファス基板、ドット型基板、ナノワイヤー型基板など)にも転用可能と考えられる。
  • 今後の方針
    実用化に向けて、
    ・実用サイズ基板の評価に最適な四探針プローブの開発
    ・変調電流・測定電圧の高精度化
    を進める。

検査対象のウエハーと(それを用いた)パネルで、結晶品質パラメータと変換効率の相関関係を予め掴んでおく必要があるとは思いますが、既存の測定装置を利用でき、かつウエハー検査の手間・時間が少なく済むメリットは、不良品排除の上で極めて大きいものと考えます。

長期稼動が求められる太陽電池パネルにおいて、その品質・寿命を高め、ひいては太陽光発電の経済性アップにもつながる手法として、早期の実用化を強く期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]Si結晶基板の品質と太陽電池特性を瞬時に判定!−電流変調四探針抵抗率測定法(Current-Modulating Four-Point-Probe (CMR) Method)の開発−(東北大学)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/07/press20130726-02.html
posted by 管理人 at 00:26 | Comment(0) | シリコンウエハー

欧州委員会が中国製太陽電池パネルのダンピング解消案を作成、EU・中国の双方にとって「友好的な解決策」

欧州委員会2013年7月27日に、太陽電池パネルへの反ダンピング措置を巡るEUと中国間の交渉について、「友好的な解決策に到達した」と発表していました[1][2]。

解決案の概要は下記の通り。

  • 目的:
    下記2点の両立を図る。
    ・ダンピングの除外(EU域内の太陽電池メーカーの保護)
    ・EU域内への安定した太陽電池パネル供給の確保(域内メーカーだけでは無理)
  • 作成の経緯
    中国側が提案した内容(多数の同国メーカーが署名)を、欧州委員会のKarel De Gucht委員長が受諾し、草案を作成した。
  • 措置
    輸入価格に最低額を設定する。(※金額は未公表)
    これに賛同する中国の輸出者は、反ダンピング課税を支払う必要が無くなる。
    一方、本案に賛同しない輸出者(中国の輸出の約30%を占める)は、税率47.6%分を支払う必要がある。
  • 採択の可否決定2013年8月2日の予定

EUと中国双方にとって「amicable」とされている以上、最低価格は反ダンピング課税による値上がり価格(約5割増し)に近い水準と思われますが、最終的な販売価格(ユーザーの購入価格)が同じであるなら、ペナルティー課税をEUに支払うよりも、自社の製品価格(自社が手にする額)を直接引き上げるほうが合理的と考えられ、その点では今回の中国側からの提案には合点が行きます。

程度はどうあれ値上げをする以上、中国製パネル(欧州市場でのシェアは現在80%とのこと)の販売量減少は避けられないと思いますが、それでも中国側が妥協したところには、縮小中とはいえ、いまだ太陽光発電市場としての欧州の存在が大きいものであることが感じられます。

ただ反ダンピング措置については、これまで欧州の太陽光発電関連企業1,000社以上EU加盟国の半数以上が懸念・反対を表明していますが、今回の発表ではパネルの需要者側への影響に冠する言及が少なく、本当に「amicable」な結果をもたらしうるものなのか、非常に気になるところです。


※参照・参考サイト:
[1]Statement by EU Trade Commissioner Karel De Gucht on the amicable solution in the EU-China solar panels case(欧州委員会)
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-13-730_en.htm#PR_metaPressRelease_bottom
[2]Commissioner De Gucht: “We found an amicable solution in the EU-China solar panels case that will lead to a new market equilibrium at sustainable prices”(同上)
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-13-729_en.htm

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:23 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2013年07月27日

中国が米・韓国製の多結晶シリコンに対し、反ダンピング税(2.4〜57%)の課税を仮決定

中国商務部2013年7月23日に、米国・韓国産の太陽電池向け多結晶シリコンに対する、反ダンピング調査結果の仮決定を公表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 背景
    国内ポリシリコン業界の請願を受けて調査を行ってきた。
    ※調査開始のアナウンス発表は2012年7月20日
    ※エレクトロニクス分野向けのシリコンは対象外。
  • 調査結果
    輸入シリコンのダンピングにより、国内産業が実質的に損害を受けていると判断した。
    (仮決定の発行は2013年7月18日)
  • 措置
    2013年7月24日以降は、該当製品を輸入する場合、税関に保証金を納付する必要がある。

またニュース記事[2]によると、対象製品は米国・韓国企業6社の製品で、反ダンピング税率2.4〜57%とされています。


米国は既に

米国は既に中国製の結晶シリコン型パネルにペナルティー関税を課しており、中国側の今回の仮決定は、その報復の面もあると思われます。

を課しており、中国側の今回の仮決定は、その報復の面もあると思われます。

ただ、中国国内の太陽電池パネルメーカー(シリコンの需要者側)では、シリコン調達における輸入品の割合は

  • 2012年:80%以上[3]
  • 2013年上半期:約6割([4]の数字から管理人が計算)
と相当な高率であるだけに、今回の反ダンピング課税が中国製パネルの価格にどう影響するのか、非常に気になるところです。

海外製シリコンは価格競争力と品質の両面で優れている[4]とのことで、国内で国内シリコンメーカーがシェアを伸ばすには、メーカー側の努力が根本的に必要だと思いますが、その点で今回の措置(政府による保護)にどれだけの意味・効果があるのか、疑問も感じます。


※参照・参考サイト:
[1]MOFCOM Issued its Preliminary Ruling on Anti-dumping Investigation against Imports of Solar Grade Poly-silicon Originated from US and South Korea(中国商務部)
http://english.mofcom.gov.cn/article/newsrelease/significantnews/201307/20130700211531.shtml
[2]中国:米韓多結晶シリコンに対し反ダンピング措置を実施(チャイナプレス)
http://www.chinapress.jp/03_1/37523/
[3]中国、米・韓国製太陽光パネル材料に反ダンピング課税(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE96H07A20130718
[4]太陽光パネル材料の中国業界団体、政府に一段の輸入制限措置を要請(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0FV29V20130725

※関連記事:
posted by 管理人 at 16:06 | Comment(2) | 多結晶シリコン

米国で、住宅用太陽光発電の販売プロセス自動化・顧客獲得コスト低減に向けた取り組みが進む

「Bloomberg Businessweek」の記事[1]で、米国住宅用太陽光発電システムの販売方法に変化が生じていることが、報じられていました。

具体的には、現在「SolarCity」「Sungevity」「OneRoof」といった販売事業者が、インターネット技術などの利用により、販売プロセスの自動化・顧客獲得コストの低減を目指しているとのこと。

また記事では米国市場について、下記の状況・数字が紹介されています。

  • 住宅用太陽光発電産業の規模35億ドル
  • 太陽光発電システムの費用
    ・「Bloomberg New Energy Finance」:
     太陽電池パネル価格は、
     ・2010年11月2.10ドル/W
     ・2013年7月84セント/W
    ・「OneRoof」社CEO:
     太陽電池パネルの価格は、過去2年間で39%まで下がった。
     現在のシステム価格では、マーケティング許認可などにかかる費用が、半分以上を占めている可能性がある。
    ・「First Energy Finance」社CEO:
     パネルのコストは現在、70〜80セント/W。
     一方顧客獲得のコストは、80セント/W〜1.20ドル/W。
  • 顧客獲得にかかるコスト
    ・Sungevity社のCEO:
     住宅用システムの販売事業者では、これまで1顧客あたり約8,000ドルを費やしていた。
    ・SolarCity社のCEO:
     業界での現在のコストは、1顧客あたり2,000〜3,000ドル。
     最終的には同50〜100ドルまで下がることを期待している。
  • 住宅屋根設置の余地
    エネルギー省は、屋根への太陽電池パネル設置に適する住宅を2,500万世帯と推計している。
    (※全米の世帯数は1億

太陽光発電導入のソフトウェア部分については、2011年11月に米エネルギー省がコスト削減のための投資を方針を発表していましたが、主要機材である太陽電池パネルがその後大幅に値下がりしたことで、ハードウェア以外の部分でのコストダウンの必要性がより増している、ということが伺えます。

インターネット上のサービスだと、太陽光発電に関心があって自ら情報を調べている消費者を呼び込みやすいため、その点では飛び込みの訪問販売に比べて、大幅なコスト低減・効率アップを実現できる可能性は低くないと思います。

ただ、今回の記事では販売の省力化とコストダウンにのみ注目されていますが、実際の住宅屋根への設置では、トラブル(雨漏り発生など)のない施工品質の維持が必要であり、その点について米国の事業者はどのような取り組みを行っているのかが、かなり気になるところです。


※参照・参考サイト:
[1]Solar Sales Moving From Sofa to Websites to Speed Deals: Energy(Bloomberg Businessweek)
http://www.businessweek.com/news/2013-07-24/solar-sales-moving-from-sofa-to-websites-to-speed-deals-energy
[2]SolarCity
http://www.solarcity.com/
[3]Sungevity
http://www.sungevity.com/
[4]OneRoof
http://www.oneroofenergy.com/

※関連記事:
posted by 管理人 at 16:04 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2013年07月26日

ドイツの2013年の新規導入量は、FIT引き下げ効果で2,500〜3,000MW(前年の半分以下)の見込み、自家消費目的の設備も増加

ドイツ連邦環境省が7月8日に、最近の国内の太陽光発電導入状況を公表していました[1][2]。

主な内容は下記の通り。

  • 太陽光発電の導入ペース
    2013年は、6月までは月あたり300〜350MWのペースで来ている。
    通年では、2,500〜3,000MWとなる見込み。
    (※これまでの3年間は、1年あたり7,000MW以上に達していた)
  • FIT
    支払額は最近の数年間で、2/3程度ダウンしている。
    小規模設備15.07セント
    地上設置10.44セント
     今年秋には10セントを切る見込み。
    (※管理人注:明記は無いがkWhあたりの金額と思われる。)
  • 新規設備に支払われた費用
    2010年:22億ユーロ
    2012年:3億ユーロ
    2010年以降で、約85%ダウンしている。
  • その他
    上記のコスト低減は、最近まで制御できなくなっていた新規設備の導入スピードを減速するだけでなく、発電電力の自家消費を目的とする設備の増加をもたらしている。
    このため2013年の新規導入量による電力料金への上乗せ分は、0.1セント/kWh未満に留まる見込み。
  • 累積導入量34GW
    52GWに到達した時点で、新規設備向け補助金は期限切れとなるが、2017〜2018からは、FITが無くても太陽光発電市場が機能可能になる、と見込まれる。

今回の発表では、国内産業の雇用などには言及されておらず、本当にFIT改定の結果が「great success」と断言できるのかは判りません。

しかし発電電力を自家消費するケースが増えているというのは、もちろん近年の初期費用(モジュール価格など)の大幅低下が背景にあるとは思いますが、本来の目的である「エネルギーの自給自足の実現」に向けた動きが、FITを長年導入してきた国で実際に起こりつつある、という点で、非常に興味深い状況です。

ドイツでは今年4月に、一時的とはいえ太陽光+風力の出力が電力需要の50%以上を賄った実績もあるだけに、今後も地に足の着いた政策を進めることで、太陽光発電が主要な電源の一つになる時が来るのも、決して遠いことではないのかも、と感じさせられます。


※参照・参考サイト:
[1]Reform of photovoltaics support proves a great success(ドイツ連邦環境省)
http://www.bmu.de/en/bmu/press-and-speeches/current-press-releases/detailansicht-en/artikel/reform-der-pv-foerderung-erweist-sich-als-grosser-erfolg/
[2]ドイツ 昨年の太陽光発電買取補償額の改正は成功とする見解を公表(EICネット)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=30520&oversea=1

※関連記事:
posted by 管理人 at 02:33 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2013年07月24日

ソーラーフロンティアがモジュールの新製品2種と、新工法の住宅用架台を発表

ソーラーフロンティア社が2013年7月23日に、CIS薄膜太陽電池モジュール新製品2を発表していました[1]。

製品の概要は下記の通り。


「Solacis neo(ソラシス・ネオ)」:
  • 主な特徴
    大幅な薄型・軽量化
     最先端のCIS技術を駆使し、
     ・厚さ約6.5mm(スマートフォンと同等)
     ・重さ約8.0kg(従来比40
     を実現した。
    フレームレス
     ねじれに強いCIS技術を用いており、
     ・デザイン性
     ・屋根へのフィット感
     を高めている。
  • 生産拠点:宮崎第2工場
  • 展開市場:国内住宅専用。
  • スケジュール予定
    2013年10月:生産開始
    ・同年11月:出荷開始

高出力モジュール SF170-S」:
  • 主な特徴
    過去最高の出力
     自社製品で最高出力となる、170Wの実現に成功した。
  • 生産拠点:国富工場
  • 展開市場:国内住宅向けに先行販売する。
  • 出荷開始時期2013年7月に開始済み。

また今回は、新工法「クロスワン工法」採用の住宅用架台も発表。

この新架台では、

  • 屋根への取付金具
  • モジュール固定機構

を工夫することで、従来方式の安全性・信頼性を確保しつつ、屋根への負担を軽減。
また設置時間も、従来比で40%短縮できるとのことです。

宮崎第二工場での新型モジュール生産予定は今月初めに発表済みだったものの、どのようなモジュールかは不明でしたが、厚さ・重量が大幅に引き下げられていることには驚かされます。

その分、従来製品との価格差がどの程度になるのかは気になりますが、設置条件(屋根の強度など)を緩和することで、既築住宅への設置促進につながると思われます。

「SF170-S」の出力は、従来モジュール(165W)より5Wのアップですが、既に商業生産ラインで約180Wのモジュール製造に成功していることから、今後も更なる出力向上が期待できそうです。


※参照・参考サイト:
[1]ソーラーフロンティア、独自のCIS技術で薄型軽量および過去最高出力となる太陽光パネルを発売(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2013/C022570.html

※関連記事:

カネカが薄膜モジュールの新製品を発表、1層追加で出力・開放電圧を大幅アップ

カネカ社が2013年7月24日に、新しい薄膜太陽電池モジュールを発表していました[1][2][3]。

製品の概要は下記の通り。


主な特徴
  • 3層構造化
    従来製品の2層(アモルファスシリコン層と薄膜多結晶シリコン層)の間に、新たにアモルファス系シリコン層追加
    自社保有の透明中間層技術と合わせて、吸収できる太陽光量を拡大した。
  • 出力を向上
    上記の3層構造化により、自社従来製品(1,420mm×1,100mm、量産品)と比べ、初期出力10W以上7%)アップした。
  • 電圧を大幅アップ
    3層構造化により、開放電圧
    ・単位電池あたり:2.0V(従来製品の1.5倍
    ・パネルあたり:280V程度
    にアップした。

適用製品
  • 瓦一体型モジュール「ヴィソラ
  • スレート瓦専用モジュール「ソルティレックス
  • 据置型「グランソーラ

また本格販売の開始時期は、2013年7月とのことです。


特定の一機種に留まらず、建材一体型など様々なタイプの製品の発電能力を底上げする技術であるのが、大きな魅力です。

もちろん、従来製品との価格差にもよるとは思いますが、国内の住宅用太陽光発電では1軒あたりの容量の拡大が進んでおり、今回の技術も、その傾向を更に進めるものとなりそうです。


※参照・参考サイト:
[1]薄膜三層型太陽電池モジュール商用生産開始(カネカ)
http://www.kaneka.co.jp/service/news/130724
[2]カネカ、大幅に出力を向上させた薄膜三層型太陽電池モジュールの生産を開始(マイナビニュース)
http://news.mynavi.jp/news/2013/07/23/209/
[3]カネカ、発電効率向上させた薄膜三層型太陽電池を発売(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820130724caag.html
posted by 管理人 at 18:34 | Comment(0) | メーカー:カネカ

2013年07月23日

有害・希少元素を含まない半導体ナノ結晶でサイズ・構造の制御に成功、塗布で作った薄膜での光電流発生も確認

科学技術振興機構(JST)が2013年7月23日に、

  • オーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学の日本人研究者らが、低コストでかつ毒性が少ない半導体ナノ結晶の開発に成功。
    また、塗布で作った薄膜への光照射による電流発生を確認した。
と発表していました[1]。

研究の概要は下記の通り。

  • 背景
    コロイド状半導体ナノ結晶は、塗布型印刷プロセスによる太陽電池製造に利用できるため注目されている。
     しかし、これまで作られた同結晶の主な種類は、毒性の高い元素(カドミウム、鉛など)を含むものに限られていた。
    ・EUが2006年に発布した「RoHS指令」では、鉛、水銀、カドミウムなどの毒性物質の使用が禁止されている。
     また、同様の規制は他の国にも広がっている。
     このため、より毒性が低く、かつ希少・高価な元素(インジウム等)を使用しない半導体ナノ結晶の開発が待たれている。
  • 成果
    ・安価な素材である銅・アンチモン・硫黄を含む、
     ・安四面銅鉱(Cu12Sb4S13
     ・ファマチナ鉱(Cu3SbS4
     の2種類の半導体ナノ結晶について、合成時に
     ・サイズの制御
     ・構造の制御
     が可能であることが判明した。
    ・上記のナノ結晶コロイドを用いて、塗布法により薄膜を簡単に作製できることを確認。
     またその薄膜に光を当てることで、安定的に光電流が生じることも判明した。
  • 太陽電池分野での今後の展開
    溶液塗布プロセスにより実際に太陽電池を作製し、光吸収材や電荷輸送層としての有効性を検討。
    安価な太陽電池の作製を目指す。

安価で毒性の少ない素材を用い、また薄膜の作成も簡単なプロセス(塗布)で行えるだけに、実用化された場合にもたらされるメリットは非常に大きいのでは、と考えます。

勿論、現在はまだまだ基礎的な研究の段階とは思いますが、今回の研究成果が将来的に、化合物型の太陽電池に新たな革新をもたらすものになることを、密かに期待したいと思います。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池に適した低コストで毒性が少ない半導体ナノ結晶の合成に成功(JST)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info973/
posted by 管理人 at 20:37 | Comment(0) | 研究・開発の動向

センチュリースバルソーラーが中国国営メーカー「寧夏銀星」「国電光伏」のパネルを日本販売、2013年度に計4万kWが目標

東京の「センチュリースバルソーラー」社が2013年7月22日に、中国の太陽電池メーカー2社のパネルを日本国内販売することを、発表したとのことです[1]。

事業の概要は下記の通り。

  • 取り扱いメーカー
    寧夏銀星能源(Ningxia Yinxing)
    国電光伏(GD Solar)
    (※2社は中国国営の太陽電池メーカーとのこと)
  • 製品の納期:受注後1ヶ月
    2社の潤沢な生産能力を活用する。
  • 販売目標2013年度に2社合計で4万kW。

センチュリースバルソーラーのサイト[2]では、現時点で本件に関する発表は掲載されていませんが、2社の製品情報は既に掲載されています。


サンテックやインリー等の民間大手に続き、中国国営メーカーが日本市場に参入したことには、米国欧州がペナルティー関税を実施している中で、民間・国営問わず有望市場の開拓に乗り出している、ということが伺えます。

また、1社で2つの中国メーカーの製品の取り扱いを同時に始める、というのもかなり意外です。
(センチュリースバルは既に「Rectellace Solar」の製品を扱っており、計3ブランドの製品を扱うことになるとみられる)

日本のパネルメーカーはフル生産状態が続き納期が遅れているとも聞くので、製品の信頼性が十分であり且つそれが市場に認知されれば、納期の早さを生かすことで、需要獲得の可能性はあると思いますが、それは日本市場での(国内・海外メーカーの)信頼の差を短期間で(価格差により追いつく程度に)越えることができるか、という点にかかっているとも思われます。

GD Solarについては、中国国内で産業用発電設備の建設実績が多いとのことで、またSolarbuzz社の2011年の調査では好調な国内モジュールメーカーの3位に入っており、日本の産業用市場でそれらの実績を生かしてどれだけ販売を伸ばすことができるか、注目したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]センチュリースバルソーラー、中国国営社製の太陽光パネルを日本投入−短期間で拡販(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520130723bjbh.html
[2]センチュリースバルソーラー
http://www.c-s-s.co.jp/
[3]Ningxia Yinxing Energy Photovoltaic Equipment Manufacturing
http://www.yxnysolar.com/en/
[4]国電光伏
http://www.gdsolar.net/
posted by 管理人 at 20:34 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内