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2014年01月23日

米Pecan Street Researchが、西向きのパネル設置がピーク需要の削減効果が高い、等の調査結果を公表

米国の「Pecan Street Research Institute」が昨年11月に、太陽光発電設置住宅夏季発電電力・消費電力についての調査結果を公表していました[1]。

主な内容は下記の通り。

調査の要綱

  • 対象地域:テキサス州オースティン
  • 対象住宅:1戸建て住宅約50戸(試験に参加した175戸から、ランダムに選定)
  • 太陽電池パネルの設置向き
    南向き:24戸
    西向き:14戸
    南向きと西向きの組み合わせ:14戸
  • 対象期間2013年6月1日〜8月31日
    この期間は
    ・日照時間
    ・電力需要(空調向けが増加)
    の点で、他の季節と需給動向が大きく異なっている。

主な結果

  • ピーク需要時間帯午後3時〜7時)の電力需要の引き下げ割合(逆潮流分を除いた数字):平均58
    ・南向きシステム:54
    ・西向きシステム:65
  • 発電電力のうち自家消費分の割合
    ・ピーク需要時間帯:平均80%(発電電力の20%は電力網に送電)
     ・南向きシステム:73%(同22%)
     ・西向きシステム:84%(同16%)
    ・1日:64%(同36%)
  • 消費電力に占める太陽光発電電力の割合(逆潮流分を除いた数字):36
    そのうち約1/3(32%近く)が、ピーク時間帯に発電されている。

日経新聞の記事[2]に掲載されているグラフでは、1日の発電電力量(グラフで囲まれた面積)は西向きと南向きで概ね同等ですが、発電のピークは西向きが(南向きより)明らかに後ろに移動しており、その分需要のピークにより近くなっている(=ピークを相殺する効果がより高い)のが見て取れます。

実証実験や調査がまだまだ必要だとは思いますが、パネルの設置施設(電力の自家消費場所)の需要ピーク時間帯がはっきり判っており、またそれが長期に渡って変化する見込みが無い場合に、発電電力のピークが需要ピークにできるだけ近づくようにパネルの設置向きを決める、というのは、太陽光発電を有効利用する一つの方法と成り得るのかもしれません。

また住宅用以外にも、例えばメガソーラー内でパネルの設置向きを変えた場合(1/3づつ東・南・西など)、出力の平準化にどのような効果をもたらすのか等、いろいろ興味を刺激される調査結果だと思います。


※参照・参考サイト:
[1]Report: Residential Solar Systems Reduce Summer Peak Demand by Over 50% in Texas research trial(Pecan Street Research Institute)
http://www.pecanstreet.org/2013/11/report-residential-solar-systems-reduce-summer-peak-demand-by-over-50-in-texas-research-trial/
[2]南より西向き有利 米国発、太陽光発電の「意外な事実」(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1600E_W4A110C1000000/
posted by 管理人 at 01:27 | Comment(0) | 戸建住宅

パナソニックとエプコが共同で「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」を開始予定

パナソニックと「エプコ」社が2014年1月21日に、

  • 合弁会社「パナソニック・エプコ エナジーサービス」を設立し、共同で「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」を手がける。
との方針を発表していました[1][2]。

事業の概要は下記の通り。

背景・目的

  • パナソニックは
    ・住宅業界でのリレーション
    ・住宅用太陽光発電システムの納入チャネル
    ・家庭の電力消費を統合的に低減する技術・商品(HEMS搭載の分電盤など)
    に強みを持つ。
    一方エプコ社は、
    ・住宅用・産業用太陽光発電設備の設計(年間約14万件)
    ・コールセンター(顧客約100万戸を管理)
    ・HEMSアプリ、家庭向けの電力売買取引システム、電力ビッグデータ処理システム
    を手がけている。
  • 政府が計画する電力システム改革では、家庭向け電力小売全面自由化(2016年予定)により、7.5兆円の新市場開放が見込まれる。
    パナソニックとエプコは合弁会社において、住宅向けのエネルギーソリューションを提供する予定だが、まず全面自由化の前に実現可能な事業として、住宅からの小規模電力を購入・集約して販売するビジネスモデルを展開する。
    (合弁会社は、特定規模電気事業者(新電力)の届出をする予定)

事業内容

  • 太陽光発電システムを設置している住宅について、エネルギーマネジメント(発電量予測など)を行い、発電電力を買い取る。
    そして社外の様々な電力需要先(新電力、需要家など)に、電力の販売(卸売・小売)を行う。
    また住宅向けに、多様なアプリケーションサービス(省エネ等)の提供も行う。
  • 住宅所有者側には、
    ・FITの電力買取価格にプレミアムを上乗せしての買取
    ・アプリ活用による、電力に関する家計の改善
    とのメリットが見込まれる。

今後の予定

  • 関東・関西地域で実証実験を通じ、オペレーション体制を確立。
    一般顧客向け事業は、2014年夏頃から随時、地域別に本格展開する。

昨年末の楽天の住宅用「プレミアムパッケージ」に、電力売買などに関するエナリスとグリムスの包括提携、そして今回のパナソニック・エプコによる共同事業と、(住宅用太陽光発電に絡んだ)電力小売の完全自由化を見据えた動きがここに来て相次いでいるのは、非常に興味深いです。

太陽光発電の発電コストの急速な低減が、これらの動きが起こっている背景にあると思いますが、導入先進地であるドイツでさえFIT縮小により新規導入量が半減したことを考えると、住宅での発電電力の売買が明確に経済的メリットを生み出すようになるには、初期コストの低減がまだまだ大きく進む必要があるとも思われます。

今回の発表では、電力買取でのプレミアム価格上乗せに言及されていますが、ただでさえ通常の電力料金より割高な買取価格に、更に上乗せをするとなると、その差額を何処から得る計画なのか、というのは非常に気になるところです。(太陽光発電由来だからと言って、一般需要家にどこまで高値で販売できるものなのか)
(1/24追記:FITによる付加金は、新電力も対象に含まれるとのことなので、買電価格設定での事業者側の負担は、ある程度は押さえられるものと思われる)

とはいえ、一般家庭での売電収益確保の選択肢が広がる可能性がある、という点では、革新的な取り組みであることは確かであり、将来につながる事業体制を確立されることを、強く期待したいものです。


※参照・参考サイト:
[1]家庭用太陽光発電アグリゲーション事業に関する合弁会社設立について(パナソニック)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/01/jn140121-3/jn140121-3.html
[2]同上(エプコ)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material&sid=26514&code=2311
[3]パナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社(同上)
http://www.epco.co.jp/pe.shtml
posted by 管理人 at 01:20 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内