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2014年05月30日

フィリピンで初の商業用太陽光発電所「SAN CARLOS SOLAR ENERGY I」(計22MW)の第1フェイズ(13MW)が稼動開始

フィリピン2014年5月に、同国初商業用太陽光発電所「SAN CARLOS SOLAR ENERGY I」が稼動開始したとのことです[1][2]。


(アカウント「ThomasLloyd Group」の投稿動画)

施設の概要は下記の通り。

  • 場所Negros Occidental州のSan Carlos
  • 事業者San Carlos Solar PowerSacasol)社
    ・国内の再生エネ開発企業「Bronzeoak Philippines, Inc.」
    ・欧州の投資会社「ThomasLloyd Group」
    の2社によるジョイントベンチャーで、フィリピン政府が提携している。
  • 発電容量22MW
  • 発電電力量:年31.6GWhの見込み
  • 機器
    ・太陽電池パネル:
     ・メーカー:独Conergy
     ・設置枚数:8万8000枚
    ・インバーター:
     ・メーカー:独SMA Solar Technology
     ・台数:22台
  • 発電コスト:約9フィリピンペソ/kWh
    ※従来の発電方法(ディーゼル発電とバンカー発電)では、22フィリピンペソ/kWh。
  • 稼動期間(施設の寿命):25
  • 投資額190億フィリピンペソ(4500万米ドル)
  • スケジュール
    ・2013年5月:着工
    ・2014年5月14日:13MW分がまず稼動を開始。
    ・同年6月:残り9MWが稼動開始の予定。
  • 期待されるメリット
    Visayas(ヴィサヤ諸島)の電力網への電力供給強化
     主に
     ・Negros Occidental州
     ・Negros Oriental州
     ・Cebu州
     ・Iloilo州
     の電力需要を担う。
    電力需要のピーク時(昼間)における、ディーゼル発電への依存の低減
     2013年のVisayas電力網の発電容量は1678MW。
     対して平均ピーク需要は1390MW。
     (※同電力網では2016年までに、計591.60MWの多様な発電能力を追加する計画)
  • その他
    稼動開始の式典には、大統領(Benigno Aquino III)が参加した。

初の大規模太陽光発電所が(まだ全稼動で無いとはいえ)20MW超という規模であることにまず驚きましたが、それだけ現在の太陽光発電のコストが、新興国にも十分にメリットをもたらしうる水準に到達している、ということかもしれません。

発電容量のうえでは、既存の電力供給能力の1%ちょっとと微々たるものですが(しかも日照のある時間しか発電できない)、日照が豊富な地域であるだけに、昼の電力需要のピークカットにどの程度効果をもたらすのか、非常に興味を引かれるところです。

発電コストは約21円/kWh(※当記事の作成時点では1フィリピンペソ=約2.3円)と、日本の産業用の買取価格(32円/kWh)の約2/3であり、年間発電電力量の見込みが日本の1.5倍近くであることから、妥当な額という気がします。

既存のディーゼル発電などのコストが非常に高額(50円/kWh以上)なことにも驚かされますが、Visayasは海に囲まれた島々であり、(ニュージーランドの島嶼群Tokelauと同じく)軽油の輸送コストが相当にかさむものと推測され、その点でも燃料が要らない太陽光発電の導入メリットは、日本で考える以上に大きいことが想像されます。

また稼動記念式典でのアキノ大統領のスピーチでは、コスト削減や電力供給の安定化だけでなく、6ヶ月前に大きな被害をもたらした超大型台風(Yolanda)など、気候変動に対する危機意識も明確に示されています。

日本企業ではパワーバンク社が、養殖用エアレーションシステム「浮島」の実証試験を行っていましたが、気候変動を肌で感じている国であるだけに、フィリピンにおける太陽光発電の導入拡大は、規模の大小や設置形式を問わず、これから多様なかたちで推進・加速されていくものと予想します。


※参照・参考サイト:
[1](San Carlos Solar Power)
http://www.sacasol.com/news.html
[2]SAN CARLOS SOLAR ENERGY I
http://www.thomas-lloyd.com/en/projects/SAN-CARLOS-SOLAR-ENERGY-I
[3]ヴィサヤ諸島(ウィキペディア)
[4]ネグロス島(同上)
posted by 管理人 at 01:21 | Comment(0) | 海外のメガソーラー

2014年05月28日

東芝三菱産業システムズの2013年度のパワコン受注容量は前年度の1.8倍、出荷容量は約3.4倍

東芝三菱産業システムズTMEIC)が5月27日に、2013年度パワコン出荷実績を発表していました[1]。

主な数字は下記の通り。

2013年度

  • 受注容量:約2GW(前年度比約1.8倍)
  • 出荷容量:約1.6GW(同約3.4倍)

2009年からの累積

  • 受注容量:約3GW
  • 出荷容量:約2GW

伸び率はFIT元年の2012年度(受注は前年度の17.5倍、出荷は10倍)には流石に及ばないものの、2013年度の1年間だけで、累積受注量の2/3・同出荷量の8割を占めており、需要の急激な拡大振りにはやはり驚かされます。

ただその伸び率は、受注と出荷でかなり差がありますが、2012年度は(特に年度末に)FITの申請・認定が急増しただけに、それらの案件での需要が一気に次年度(2013年度)に出たものと想像します。
またこれについては、経産省による報告徴収の実施も影響したのかもしれません。

とはいえ受注容量のほうも前年度比2倍に迫る伸びであり、大規模産業用機種の需要がまだまだ拡大していることが伺える数字です。

住宅用〜50kW未満向けの機種については、つい先日にオムロンが生産能力倍増を表明しており、国内パワコン需要は2014年度も活況が続くものと予想します。


※参照・参考サイト:
[1]大容量太陽光発電用パワーコンディショナ 2013年度受注出荷実績(TMEIC)
http://www.tmeic.co.jp/news/pressrelease/2014/pdf/20140527_1.pdf

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:20 | Comment(0) | パワーコンディショナー

2014年05月27日

中国からの太陽電池製品輸出額で、アジア向けが2013年に約45%・2014年1Qは55.6%と急拡大

ニュース記事[1]で、中国からの太陽電池製品輸出額が報じられていました。

これは「中国機電製品輸出入商会」の副秘書長の方が公表したものとのことで、主な数字は下記の通り。

  • 2013年通年:約123億ドル(前年比18
    地域別の割合は、
    アジア向け:約45
    欧州向け:37%(従来は65〜70%)
    北米向け:15〜16
    豪州向け:約5
  • 2014年第1四半期:約35億ドル
    地域別の割合は、
    アジア向け:55.6
    欧州向け:20%以下

また、地域別比率の急激な変化について、

  • 欧米諸国が設置した貿易障壁が、主因となった
との内容のコメントも紹介されています。


北米向けの割合の変化は不明ですが、欧州向けについては(アジア向けと好対照に)割合がみるみる低下しており、市場縮小とペナルティー関税の両方が合わさった結果だと推測します。

アジア向け輸出のメインは日本市場だと思われますが、現在は両国の政治的対立が深刻化しているだけに、今後日本が何時まで主要な輸出先であり続けられるのか、というのは少し気になるところです。

個人的には、太陽光発電産業における両国のつながりが、対立を超える相互理解の一助としても機能することを、願いたいものです。


※参照・参考サイト:
[1]中国産の太陽電池製品、アジア市場を主な輸出先に 欧米向けの輸出難航が原因(新華ニュース)
http://www.xinhuaxia.jp/social/35675
posted by 管理人 at 00:45 | Comment(0) | 市場・業界の動向:アジア

オムロンがパワコン「KPシリーズ」の生産能力を倍増予定、住宅用・小規模産業用(50kW未満)の需要に対応

オムロン2014年5月26日に、

  • 太陽光発電用パワコン「KPシリーズ」の生産体制大幅増強する。
との方針を発表していました[1]。

主な内容は下記の通り。

  • 背景
    国内の太陽光発電市場は、FIT3年目の2014年度も堅調な伸びが続いており、特に
    50kW未満の小規模システム
    住宅用システム
    の普及が見込まれる。
    オムロンでは需要への対応力を高めるため、従来に続き、更なる生産能力の増強を図る。
  • 今後の予定
    今年6月に、従来比2の生産能力を実現する。
  • 対象機種
    KP□K2(屋内タイプ)3.0kW/4.0kW/5.5kW
    KP□M(屋外タイプ)4.4kW/5.5kW
    KP□R(屋外タイプ)4.8kW/5.9kW
    (※特に好評を得ている屋外タイプを中心に、安定供給を実現する方針)

増強後の具体的な生産能力は、オムロン社の発表には記載されていませんが、ニュース記事[2]では月産6万台と報じられています。


(マスメディアによる報道ではなく)メーカー自身による生産能力増強の発表は珍しい気がしますが、今回の対象機種は住宅用・小規模産業用(50kW未満)のいずれにも対応できる人気機種であり、産業用の電力買取価格が大きく引き下げられた今年度に入っても、その需要は衰えておらず根強いことが推測されます。

50kW以上の設備で認定が厳正化していることも、低圧連係設備の設置増加につながることが想像されますが、実際にどうなるかは経済産業省が今後発表する統計に注目したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]KPシリーズの増産について(オムロン)
http://www.omron.co.jp/press/2014/05/c0526.html
[2]オムロン、太陽光発電用電気変換装置の生産倍増へ=6月から、月産6万台に(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014052600455

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:43 | Comment(0) | パワーコンディショナー

旭硝子が太陽電池パネル「ライトジュール」を発表、強化ガラス「Leoflex」採用で重量を半減

旭硝子2014年5月23日に、

  • 重量を従来製品より半減した太陽電池モジュール「ライトジュール」を発売する。
との予定を発表していました[1]。

製品の概要は下記の通り。

主な特徴

  • 軽量化により設置のハードルを低減
    工場・倉庫・公共施設などの広面積な屋根において、荷重制限により太陽電池パネル設置が難しい場合は、
    ・設置するパネル数の削減
    ・屋根の補強工事
    との対策が必要となる。
    この点について、本製品は自社製の強化ガラスLeoflex」を採用したことで、大幅な軽量化を実現。
    これにより
    補強工事不要化
    ・追加費用無しでの、パネルの設置面積拡大
    設置作業効率の改善、設置コストの削減
    といったメリットが期待できる。

主な仕様

  • セルの種類:単結晶型
  • 公称最大出力225W
  • 外形サイズ:幅1482mm×奥行き985mm×厚さ35mm
    カバーガラスの厚さ(従来品3.2mm)は0.8mm。
  • 重量9.5s(従来品は17.0kg)
  • モジュール変換効率15.41
  • モジュール出力保証期間20
  • 発売時期2014年5月

部材メーカーであるガラスメーカーが太陽電池パネルを販売する、というのが非常に意外でした。
仕様はフジプレアムの先行製品「希」に似ており、同社からのOEM供給である可能性が考えられますが、実際にどうかは確認していません。

産業用施設の屋根へのパネル設置については、神奈川県が自治体での取り組みを打ち出すほど、荷重の削減が大きな課題として浮上していますが、今回の新製品は薄膜型ではないものの、その現状に一定の解決策をもたらしうるのでは、と考えます。

ただ一方でLeoflexは「化学強化特殊ガラス」であるだけに、(通常のパネルと比べて)PID発生の可能性がどう変化するのか、というのは気になるところです。

カバーガラス内のNaイオンは、PID発生の主因の一つ[3][4]とのことですが、「イオン交換法」で製造する強化ガラスでは表面のNaイオンをカリウムイオンに置換する[2]ため、ガラスにカリウムイオンも加わり、それがPID発生に及ぼす影響については、検証が必要になるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]超軽量ソーラーパネル「ライトジュール」を販売開始 〜化学強化特殊ガラス"Leoflex"でパネルの重量を約半分に〜(旭硝子)
https://www.agc.com/news/2014/0523.pdf
[2]強化ガラス(ウィキペディア)
[3]「PVeye」誌2014年3月号 p34-39「解き明かされたPID発生メカニズム」
[4]同誌2014年4月号 p22-23「50年の研鑽積んだシャープの品質管理」

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:39 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2014年05月23日

ミサワホームが自社製住宅オーナー向けに買電サービスを提案開始、エナリス社がプレミアム付き(1円/kWh)で買い取る

ミサワホーム社が2014年5月21日に、

  • 自社製住宅の顧客を対象に、住宅に設置された太陽光発電システムによる発電電力を、プレミアム価格で買い取るサービスの提案を開始する。
と発表していました[1]。

サービスの概要は下記の通り。

  • スキーム
    1. 対象顧客から、エナリス社がプレミアム付きで電力を買い取る。(顧客はエナリス社と直接契約)
    2. エナリス社は買い取った電力を、優先的にミサワホーム社(新電力の届出済み)に売る。
    3. ミサワホーム社はその電力を、自社のグループ会社に供給・活用する。
  • 適用対象:下記の両方を満たす顧客。(※新築・既築は問わない)
    10kW以上の太陽光発電システムを搭載した、ミサワホームの戸建または賃貸住宅(「Solar Max」シリーズ等)を建築
    ・固定価格買取制度の全量売電を選択
  • 買電価格
    経済産業省が定める買取価格に、1kWhあたり1をプレミアムとして上乗せする。(例えば2014年度は33円(税抜き))
    ※ただし買取単価は、電力会社の動向と連動し、経済情勢の大きな変動に伴い変動の可能性がある。
  • 買電期間:最大20年間
    サービス申込者は、この20年間で計約20万円の収益追加が見込まれる。
  • 対象エリア:北陸電力・沖縄電力管内を除く全国。
  • サービス開始日2014年5月22日
    ※中国電力管内は、同年10月に開始の予定。

住宅メーカーが電力買取サービスを提案する、というのが非常にユニークですが、買電自体はエナリス社が行うということで、基本的にはエナリス社と組むことで、自社製住宅のアピール力拡大を狙った取り組みだと推測します。

ただ今回のサービスでは、その電力の用途(ミサワホーム社が買い取り、自社グループで使用する)がまたユニークで、それだけ太陽光発電による発電電力が、(諸々の状況を勘案して)需要者側にとり魅力的なものになってきている、ということかもしれません。

またエナリス社が関わるケースは、当ブログでチェックしている限りでも4件めになりますが、今後どのような分野の企業と組んでいくのか、というのも注目したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]太陽光発電の全量売電を選択するお客様を対象に 電力買い取りサービスを提案(ミサワホーム)
http://www.misawa.co.jp/misawa/news_release/misawa/pop-up/release-pages/2014_05_21/index.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:36 | Comment(0) | 戸建住宅

Trina Solarの2014年1Qは売上高が前年同期比7割増・出荷量は42%増、中・日・米での需要増が牽引

中国のTrina Solar社が5月21日に、2014年第1四半期の業績を発表していました。

主な数字・状況は下記の通り。(※一部は管理人が計算)

業績

  • 売上高4億4480万ドル(前四半期(2013/4Q)比15.3、前年同期(2013/1Q)比70.9%増)
  • 出荷量558.0MW(前四半期比27.5、前年同期比42.1%増)
  • 純利益2650万ドル(前四半期比73.5%増、前年同期比9020万ドルの増益)

背景

  • 川下事業への注力
    当期出荷量のうち23.8MWは、英国自社が手がける発電所向けだった。
    また同期には、甘粛省に建設した発電所(50MW)の売却に成功しており、現在は更に中国国内で幾つかのプロジェクトを着工している。
    2014年内には、川下領域で400〜500MWのプロジェクト開発を目標としている。
  • 売上高と出荷量の増減
    前四半期(2013/4Q)比減は、
    中国での季節的な需要減
    EUへの出荷減(中国-EU間での最小価格設定が影響)
    による。
    一方、前年同期(2013/1Q)比増の大部分はキー地域、特に
    中国
    日本
    アメリカ
    での需要増に牽引された。

出荷量は第1四半期トップのシャープ(750MW弱)を確かに下回っていますが、中国需要は(今回は季節的に鈍化したものの)基本的には急拡大が続いているだけに、第2四半期以降は、中国メーカーが出荷量トップに返り咲く可能性は高いと考えます。

モジュール価格の競争激化で、中国メーカーも長く赤字が続いてきましたが、Trinaの純利益は2013年3Qには黒字に転換しており[2]、政府主導による中国需要増加の恩恵が、顕著に表れていることを感じます。

また同社は川下分野(発電所建設)にも注力しているとのことで、これはTrina社の方針である垂直統合型の事業体制が更に一歩進んだもの、ということかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]Trina Solar Announces First Quarter 2014 Results(Trina Solar)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=1932988&highlight=
[2]月刊PVeye誌 2014年4月号31p(「成長か死か 中国メーカー最後の賭け」内)

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:35 | Comment(0) | 中国メーカー

2014年05月21日

2014年2月末時点の太陽光発電の認定容量は約39GW、非住宅・メガソーラー急増も稼動済みとのギャップは拡大

経済産業省が5月16日に、2014年2月末時点での再生可能エネルギー発電の認定・稼動状況を発表していました[1]。

このうち、太陽光発電FIT開始後)の状況は下記の通り。(※前回(2014年1月末)比は管理人が計算)

容量(2012年7月〜2014年2月

  • 認定容量
    • 住宅(10kW未満):約2529MW(2014年1月末時点より約159MW増)
    • 非住宅(10kW以上):約3万6516MW(同約7742MW増)
      うち、メガソーラーは約1万9691MW(同約3654MW増)
  • 稼動済み容量
    • 住宅:約2190MW(2014年1月末時点より約88MW増)
    • 非住宅:約5756MW(同約444MW増)
      うち、メガソーラーは約1791MW(同約158MW増)

件数(2012年7月〜2014年2月)

  • 認定件数
    • 住宅:約58万件(2014年1月末時点より約6万800件増)
    • 非住宅:約40万5300件(同約15万400件増)
      うち、メガソーラー4884件(同1373件増)
  • 稼動済み件数
    • 住宅:約48万件(2014年1月末時点より約3万8100件増)
    • 非住宅:約11万件(同約1万7600件増)
      うち、メガソーラー982件(同169件増)

住宅用の認定容量・件数は前回より大きく伸びており、電力買取価格引き下げ前の駆け込み申請が出ているものと思いますが、買取価格の引き下げ幅が小さいはずの住宅用としては意外でした。

駆け込みとみられる認定増は、非住宅では輪をかけて大きく、特にメガソーラーの認定容量の伸びは非住宅のそれの半分を占めていることに驚きます。

しかしそれと比較して、稼動済み容量の伸びは前回と同程度(むしろ微減)で、認定済みとのギャップは更に広がっており、認定の条件が厳正化されている中でどれだけが稼動に漕ぎ着けられるのか、というのは非常に気になるところです。

また、土地・設備の確保期限(6ヶ月)が明確化されているだけに、今後は機器(太陽電池パネル、パワコン等)の需要が、一時的に急激に拡大する可能性も考えられ、市場の需給状況には、今後しばらく注目する必要があると思われます。


※参照・参考サイト:
[1]再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表します(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2014/05/20140516005/20140516005.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:13 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

証券取引等監視委員会が「おひさまエネルギーファンド」の資金管理の不適切さを確認、ただし悪質な状況(資金消失・実体なき運用など)は無し

証券取引等監視委員会2014年5月16日に、

  • おひさまエネルギーファンド」社が運営する自然エネルギー事業向けのファンドを検査したところ、法令違反など>の事実が認められたことから、金融庁などに対し行政処分を行うよう、勧告を行った。
と発表していました[1]。

法令違反の主な内容は下記の通り。

  • 資金管理の未分別
    ・ファンドの契約書などにおいて、
     ・営業者の固有財産
     ・ファンド資金
     の分別管理実施が確保されていない。
    ・ファンドへの出資金であることを(名義により)明確に確認できる預貯金口座が、開設されていない。
     (出資者からの出資金は、営業者名義の預貯金口座に振り込まれている)
  • 利益未発生のファンドでの現金分配
    社長の業務多忙により個別のファンド収益の算出が困難として、立ち上げ直後でまだ利益が発生していないファンドにおいて、現金分配(当初計画・目標に概ね沿った額)を行っていた。
    (※契約締結前交付書面などでは、立上げ直後で事業利益が発生していない計算期間などにおいては、現金分配を行えないことが記載されている)
    この現金分配に伴い、一部ファンド間で資金の貸借が行われていた。
  • 改善なしでの勧誘継続
    上記の状況発生後も、資金の管理態勢を見直さずに、出資の勧誘が続けられていた。
  • 虚偽報告
    上記の状況があるにも関わらず、関東財務局長への報告において、
    ・ファンドの分別管理は適切に行われている。
    としていた。

ただし一方で

  • 資金の消失、私的流用
  • 実態のない運用
といった悪質な状況は、確認されなかったとのことです。


市民からの出資を募る「おひさまファンド」は、固定価格買取制度の開始以前から運営されているだけに、資金管理が未熟だったことは意外でしたが、現状では自転車操業にはなっていないとのことで、その点では運営の適切さも伺えます。

現在のこの種のファンドは、国の制度(固定価格買取制度)を背景とすることから、事業の収益確保に関するリスクは比較的小さいと思いますが、収益の根幹をなす発電・売電状況の確実な監視を含めて、今回の検査・勧告が、ファンド運営の厳正さや信頼性を高める機会になれば良いのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]おひさまエネルギーファンド株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(証券取引等監視委員会)
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2014/2014/20140516-1.htm
[2]おひさまエネルギーファンド(株)の報道に関して(おひさま進歩エネルギー)
http://www.ohisama-energy.co.jp/cn55/pg518.html
[3]おひさまエネルギーファンド(株)の検査結果に関して(同上)
http://www.ohisama-energy.co.jp/cn55/pg519.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:10 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2014年05月20日

韓国ソウル市がマンションベランダ用のミニ太陽光発電施設の導入補助制度を開始、1世帯最大30万ウォン(設置費の半額相当)を補助

ニュース記事[1]で、

  • 韓国のソウル市が、マンションベランダに設置できるミニ太陽光発電施設の設置補助制度を開始した。
と報じられていました。

制度の概要は下記の通り。

  • 補助額:1世帯あたり最大30万ウォン
    ※発電設備の設置費(同60万ウォン)の半分に相当する。
  • 対象枠8000世帯
  • 条件
    ・マンションのベランダが南向きであること。
    ・また
     ・一つの団地の30世帯以上が、団体で申請
     ・エネルギー自立村やエネルギー節約優秀マンション
     の場合は、優先して選定される。
  • その他5年間の無償修理サービスが受けられる。
  • 申請期限2014年6月20日まで。

発電設備の詳細が不明なのは非常に残念ですが、1世帯分の設備費用が約6万円(現在1ウォン=約0.1円)と低価格であることから、電力系統には接続しない独立電源タイプであり、更にメリットの説明で冷蔵庫への電力供給が例示されているので、それを十分に実現できるだけの、容量の大きい鉛蓄電池やインバーター等も含まれるものと推測します。

導入世帯の電気料金の節約額見込みは平均1万3310ウォン/月とのことで、それが本当なら補助無しでも4年程度、仮に半分でも約8年で初期費用を回収できることになり、この点ではソウル市の説明は上手いと感じます。

個人的には、これが(高額な戸建住宅の屋根設置設備ではない)新しい市場を創出する糸口となれば、と期待しますが、それには機器・設備の信頼性(安定した動作)や、日常での使いやすさが十分なことが前提であり、その点でどのような設備になっているのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考サイト:
[1]ベランダのミニ太陽光、ソウル市が設置を支援へ(東亜日報)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2014051908788

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:43 | Comment(0) | 独立電源(自作、DIY含む)