【現在位置】トップページ > 2014 年06 月

(スポンサード リンク)

2014年06月28日

上海超日太陽能科技(Chaorisolar)の破産が決定、裁判所が債務返済不可と判断

中国の太陽電池メーカー「上海超日太陽能科技Chaorisolar)」が2014年6月27日に、破産手続きに入ることが決定したとのことです[1]〜[3]。

主な状況は下記の通り。

経緯

  • 超日太陽は近年赤字が続いており、2014年3月にはデフォルト(債務不履行)状態になっていた。
  • 同社の取引相手(サプライヤー)の「上海毅華金属材料」は2014年4月に、上海市第一中級人民法院に同社の破産申請を実施。
    同裁判所は6月26日に、超日太陽が債務返済できないとみなし、上海毅華の申請を受理した。

今後の予定

  • 裁判所が指定した弁護士事務所と会計事務所が管財人になり、債務整理にあたる。

Solvisto誌のデータ[4]によると、超日太陽の日本市場での2013年のモジュール出荷量は、海外メーカーで5位の300MW(※世界出荷量は800MW)と、一定のポジションを築いているだけに、本社破綻によるユーザーへの影響(保証の継続可否など)が懸念されますが、日本法人と中国本社の間に資本関係は無く、また再保険会社にも加入済み[6]とのことなので、適切な対応がとられて混乱が起きないことを願いたいものです。

無錫サンテックの破産時と異なり、現在は中国国内需要も爆発的に拡大しているだけに、政府の認定メーカーに入っている[5]超日太陽が業績建て直しに至らなかったのは意外でしたが、競争が激化している中で、中国の太陽電池パネルメーカーにおいても明暗がはっきり分かれつつある、ということなのかもしれません。

超日太陽の今後については、中国パネルメーカー間で再編(買収、合併)が活発化している[7]との現状から、(ブランド名の存続はともかく)他社による買収・生産能力取得の可能性があるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]中国の太陽電池中堅が破産(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM27035_X20C14A6FF2000/
[2]上海超日の再編申請を裁判所が受理−中国企業破綻史の節目(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7TLBG6JTSEH01.html
[3]上海一中院受理?上首例民?上市公司破?重整案 上海超日太?能科技股?有限公司破?重整?入司法程序(上海市第一中級人民法院)
http://www.a-court.gov.cn/platformData/infoplat/pub/no1court_2802/docs/201406/d_2663156.html
[4]Solvisto誌 2014年3月号p27「海外メーカーの日本戦略」
[5]同誌 2014年5月号p50-51「中国政府に認定されたPV関連メーカー一覧」
[6]お客様各位 日本経済新聞に掲載されました内容について(日本法人「CHAORI SOLAR」)
http://www.chaorisolar.net/topics/2014/03/post-3.html
[7]Solvisto誌 2014年5月号4-8p「最前線 中国PV市場」

※関連記事:
posted by 管理人 at 22:05 | Comment(0) | 中国メーカー

日立化成が太陽電池用封止シート向けに「波長変換粒子」を発売予定

日立化成」社が2014年6月26日に、

  • 太陽電池用封止シート向けに「波長変換粒子」を発売する。
との予定を発表していました[1]。

製品の主な特徴は下記の通り。

  • 紫外線を可視光に変換
    封止材に混ぜることで、従来は太陽光発電に利用できなかった紫外線を、長波長の光(可視光)に変換できる。
    受光面側の封止シートに使用)
    これによりモジュールの発電能力は、従来の封止材採用品に比べ、(JIS C 8919に準じた屋外試験で)最大2.2%程度のアップが見込まれる。
  • アクリル樹脂を使用
    耐久性に優れるアクリル樹脂に、蛍光体粒子を含有させている。
    このため封止材に混合しても、太陽電池パネルの耐久性を損なわない。
  • 生産性の維持
    封止材の生産において、本粒子を混合させるためのプロセス変更が必要ない

素材の写真を見ると(粉末状態のせいもあるとは思いますが)透明ではなく、封止材に混ぜて透明度が下がらないのか、という懸念が浮かびますが、実験データ的には、仮に多少透明度が落ちたとしても、紫外線を発電に利用できることのメリットが上回る、ということかもしれません。

ただ封止材においては、その内部で(加水分解により)発生する酢酸が太陽電池パネル劣化の主因になる[2]とのことであり、アクリル樹脂は対候性が高い[3]とはいえ、本粒子の混合がその過程にどう影響するのか、というのは、十分な検証が必要になるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池の変換効率向上に貢献する、波長変換粒子の販売開始(日立化成)
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2014/n_140626.html
[2]PVeye誌 2014年4月号p18-21「短期間で客観的に寿命を測れ 『複合加速試験でリアルかつ、より速い劣化を生み出す』」
[3]アクリル樹脂(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 01:37 | Comment(0) | 封止材・接着剤

旭硝子がベルギーでのカバーガラス生産停止を決定、事業の採算悪化が続く

旭硝子2014年6月27日に、

  • ベルギー子会社「AGC Glass Europe」における、太陽電池パネル用カバーガラス生産停止を決定した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 太陽電池用カバーガラス市場では、製品の供給過剰・価格低下が継続。
    これにより事業の採算が悪化しており、ベルギー工場の稼働による営業損失の発生は避けられないことから、生産体制の見直しに至った。

今後の予定

  • 閉鎖費用:約47億円の見込み
  • 雇用
    従業員(190人)は半数を解雇し、残りは別工場に配置転換する。
    (労働組合への説明・協議(2月10日から継続)は完了済み)

AGC Glass Europeは昨年9月に独Heliatekと建材一体型太陽電池の共同開発で提携していましたが、今回の生産停止により、成果を出さないうちの解消になるとみられるのは残念です。

旭硝子は2年前に米テネシー州のカバーガラス工場の生産を停止、また昨年秋には中国拠点での生産停止予定を発表していましたが、採算悪化はその後も改善できなかったとみられ、パネル需要が世界的には拡大する一方、市場競争は厳しさを増していることが伺えます。

ただ、同社は高強度・薄型の特殊ガラス「Leoflex」や、同ガラス採用の軽量太陽電池パネル「ライトジュール」を発表・発売しており、今後は付加価値や特殊性が高い製品に注力していくものと予想します。

また欧州からの生産撤退としては、つい先日にシャープのイタリアでの合弁事業撤退が報じられており、今回の旭硝子の拠点でも従業員の半分が解雇されるとのことで、これらの動きが欧州の太陽光発電産業にどの程度マイナス影響を及ぼすのか、というのは懸念されるところです。


※参照・参考サイト:
[1]欧州子会社工場の閉鎖に関するお知らせ(旭硝子)
https://www.agc.com/news/2014/0627.pdf
[2]旭硝子、欧州の太陽電池部品工場を閉鎖=供給過剰で採算悪化(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014062700515

※関連記事:

2014年06月26日

国内の太陽光発電コストは既に約20円/kWhの水準に到達、14円/kWh達成には初期コスト・運転維持費の低減や長期安定性のアップがカギ

ニュース記事[1]で、「AIST 太陽光発電研究・成果報告会 2014」でのトピック講演「PVシステムのコストの試算から見えてくる研究開発の方向性」の内容が報じられていました。

これによると太陽光発電の発電コスト(kWhあたり)は、既に家庭用電力の市場単価(約20円/kWh)の水準に到達しているとのこと。

そして第2段階のグリッドパリティ(業務用電力の料金(14円/kWh)と同等)の達成に必要なものとして、下記の条件が記載されています。

  • 投資回収期間20年の場合:
    • 運転維持費6000円/kW・年(現在は年8000円/kW・年)の場合:
       初期投資可能限度額10数万円/kW(現在は30万円/kW)に抑えると達成可能。
  • 投資回収期間が30年の場合:
    • 運転維持費が6000円/kW・年の場合:
      初期投資可能限度額が20万円/kWを少し超えても、達成可能。
    • 運転維持費が4000円/kW・年の場合:
      現在の初期投資額(30万円/kW)でも達成可能。
  • その他:
    • 太陽電池パネルの劣化率1%/年を超える場合、初期投資可能限度額の条件が厳しくなる。(0.27%/年の場合の約2/3)
    • またメンテナンスの不備も、初期投資可能限度額への影響が大きい。

記事では特に言及が無いので、発電コストは住宅用・産業用ひっくるめての数字と思われますが、2011年時点の発電コストは約30〜46円/kWhであり、この2〜3年でのコストダウン進展の急激さが伺えます。

とはいえ現在は、太陽電池パネルの価格低下ペースが(以前と比べて)鈍っているとのことで、加えて中国国内でのパネル需要も爆発的に拡大しているだけに、次の目標(14円/kWh)達成には、パネル価格以外でのコストダウンをどれだけ進められるかが重要になると思われますが、最近では米Zep Solar社製の住宅向け架台の日本販売の発表もあり、施工における省力化・コスト低下の進展は、これから十分に期待できるものと考えます。

p>一方、特に気になるのはパネルの劣化率で、国内で実際に長期稼動しているパネルを対象とした産総研の調査結果(検体数309)では、平均劣化率は1.7%/年で、特に1995年以降に製造された太陽電池パネルの劣化率が高いとのこと[2]。

近年は特にコストダウンの圧力が高まっていることから、品質・耐久性が更に低下していることが懸念され、今回の見通しで示されている劣化率(0.27%/年)は楽観的すぎる気がします。

パネルの十分な性能維持は、保守・メンテナンスのコスト低減にも直接寄与すると考えられるので、単なる価格低下だけでなく品質維持との両立は、今後の大きな課題となってくるものと考えます。

※参照・参考サイト:
[1]発電単価・14円/kWhの達成は間近!? 産総研・研究者が太陽光発電のコストを分析(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140625/361160/
[2]PVeye誌 2014年4月号「年率1%未満の発電劣化はまれ!? 太陽電池の出力保証を疑え」のp16

※関連記事:

2014年06月25日

コスモ石油・昭和シェル石油などが「CSDソーラー日立太陽光発電所」を稼動開始、油槽所跡地で3ヶ所め

コスモ石油・昭和シェル石油・日本政策投資銀行の3社が2014年6月20日に、

  • 共同で建設を進めている太陽光発電施設の一つ「CSDソーラー日立太陽光発電所」が稼動を開始した。
と発表していました[1]〜[3]。

これは3社で2013年3月に設立[5]した「CSDソーラー合同会社」が進めている事業で、現在計画中の発電所は下記の計8ヶ所とのことです。

稼動済み

  • CSDソーラー日立太陽光発電所」(384kW)

稼動目前

  • CSDソーラー大分太陽光発電所」(7月稼動予定、573kW)
  • 「同・徳島太陽光発電所」(7月稼動予定、1229kW)

着工済み

  • CSDソーラー福井太陽光発電所」(2014年3月着工、1966kW)
  • 「同・谷山太陽光発電所」(同4月着工、1188kW)

計画中

  • CSDソーラー霞太陽光発電所」(2014年7月着工予定、4608kW)
  • 「同・扇島太陽光発電所」(同8月着工予定、7571kW)
  • 「同・大三島太陽光発電所」(同10月着工予定、6006kW)

そして全ての発電所で、太陽電池パネルはソーラーフロンティア製のCIS薄膜型を用いるとのことです。


CSDソーラーが計画する太陽光発電所の場所は、軒並み石油基地や油槽所の跡地[4]ですが、それらかつての重要拠点の遊休地化は、石油市場の縮小と輸送方法の変化が背景にある[6]とのことで、これまでエネルギーの代名詞だった石油産業が、大きな変化の途上にあることが伺えます。

とはいえ、大手石油会社が共同で(他のエネルギー分野である)太陽光発電事業に取り組んでいる点はやはり意外ですが、石油価格の高騰(過去4年間で4倍)は世界的なエネルギー需要の増加により今後も続く、との非常に厳しい予測があり[7]、昭和シェルとコスモ両社が関わるこの発電事業も、今後のエネルギー市場を見越して、石油から再生可能エネルギーへの事業のシフトを模索する取り組みの一つなのかもしれません。
(昭和シェル子会社のソーラーフロンティアは言わずもがな)

また太陽光発電所を自前で構えるという点では、将来的には(電力小売の完全自由化後に)新電力として、または新電力に売電する発電事業者として展開する可能性も考えられ、これらの発電所をどう生かしていくのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考サイト:
[1]CSDソーラー合同会社に関する太陽光発電所営業運転開始のお知らせ(コスモ石油)
http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_140620/index.html
[2]CSDソーラー合同会社 太陽光発電所営業運転開始に関するお知らせ(昭和シェル石油)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2014/0620.html
[3]CSDソーラー合同会社に関し、太陽光発電所営業運転開始について(日本政策投資銀行)
http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000016153.html
[4]大規模太陽光発電(メガソーラー)事業を目的とした合弁会社設立に関するお知らせ(コスモ石油)
http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_130116/index.html
[5]再生可能エネルギー事業(同上)
http://www.cosmo-oil.co.jp/reenebusiness/index.html
[6]石油から太陽光発電へ、コスモと昭和シェルの共同事業が動き出す(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/24/news014.html
[7]PVeye誌 2014年6月号40-41p「核廃棄物と大気汚染のない世界へ 2020年までに再エネ発電比率100%は実現可能 ユーイグループ マティアス・ヴィレンバッハーCEO」

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:03 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2014年06月24日

シャープが欧州での太陽電池生産・太陽光発電所建設事業から撤退する方針、との報道

ニュース記事[1]で、シャープ欧州での太陽電池合弁事業から撤退する方針と報じられていました。

概要は下記の通り。

  • 太陽光発電所建設会社の株式売却
    Enelグループとの共同出資会社(※管理人注:「Enel Green Power & Sharp Solar Energy S.r.l.(ESSE)」と思われる)について、シャープの保有株式を同グループに売却する交渉に入っている。
    売却額は数十億円の見込み。
  • 太陽電池生産会社の株式売却
    ・Enel社
    ・スイスの半導体メーカー(※管理人注:STマイクロエレクトロニクスと思われる)
    と共同設立した生産会社について、将来的に、保有株式の売却・太陽電池の引取停止をする方針。

ただし現時点では、シャープのウェブサイトでこの件に関する公式発表は掲載されていません。


Enel社・STマイクロ社との合弁による薄膜太陽電池生産会社の設立は約4年前のことで、その後一時は米国への輸出計画も浮上していましたが、欧州での電力買取価格引下げによるメガソーラー計画の急減、また薄膜型のトップ企業である米First Solar社との競合が、欧州生産事業からの撤退方針に転換した背景にあるものと推測します。

太陽光発電所建設からの撤退についても、欧州市場の縮小が続いていることから、遠からずこうなる気はしていましたが、世界トップクラスの太陽電池メーカーの一つであるシャープが本格的な撤退に着手していることは、欧州が既に最大市場では無くなっていることを改めて示す、象徴的な出来事であるように思われます。

ただし、海外事業からの撤退は欧州だけでなく米国(Recurrent Energyの売却)も同様であり、OEM調達へのシフトと合わせて、シャープが太陽電池事業自体の大幅な変革を進めていることも伺えます。

2013年度決算では、収益回復のためにエネルギーソリューション事業への転換を急速に進める方針が示されており、シャープの太陽電池事業は今後も(数十年蓄積してきた生産・品質管理の技術は別として)大きく姿を変えていくのかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]伊エネルに保有株売却へ シャープの太陽光発電会社(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014062301002530.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 02:16 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2014年06月19日

2014年3月末時点の太陽光発電の認定容量は約65.7GW、1ヶ月間で非住宅は73%・メガソーラーは90%増

経済産業省が6月17日に、2014年3月末時点での再生可能エネルギー発電認定・稼動状況を発表していました[1]。
このうち太陽光発電(FIT開始後)の状況は下記の通り。(※前回(2014年2月末)比は管理人が計算)

容量(2012年7月〜2014年3月

  • 認定容量
    • 住宅(10kW未満):約2688MW(2014年2月末時点より約159MW(6%)増)
    • 非住宅(10kW以上):約6万3038MW(同約2万6500MW(73%)増)
      うち、メガソーラーは約3万7509MW(同約1万7800MW(90%)増)
  • 稼動済み容量
    • 住宅:約2276MW(2014年2月末時点より約86MW(4%)増、また2013年度は1307MW)
    • 非住宅:約6439MW(同約684MW(12%)増、また2013年度は5735MW)
      うち、メガソーラーは約2126MW(同約335MW(19%)増)

件数(2012年7月〜2014年3月)

  • 認定件数
    • 住宅:約61万6000件(2014年2月末時点より約5万5000件(6%)増)
    • 非住宅:約58万3000件(同約17万8000件(44%)増)
      うち、メガソーラー8780件(同3896件(80%)増)
  • 稼動済み件数
    • 住宅:約49万9000件(2014年2月末時点より約1万9000件(4%)増)
    • 非住宅:約12万件(同約1万件(9%)増)
      うち、メガソーラー1110件(同128件(13%)増)

前回(2月末時点)と比べて産業用・メガソーラーの認定容量の増加分があまりに大きいので目を疑いましたが、それだけ電力買取価格引き下げ前の駆け込み申請が膨大だった、ということだと思われます。

また、認定容量の伸び(%)は認定件数のそれを上回っており、1案件あたりの規模が大型化したことが伺えます。

環境省が先日発表した太陽光発電事業参入の手引き[3]では、2MW以上の事業の場合「特別高圧送電線への連系コストの負担を吸収できる収益を得られる規模」は「10MW程度以上が目安」とされており、今回メガソーラーの認定分が急増した中で、採算性確保のために規模の大型化が進んだことが推測されます。

また今回の急激な伸びは、6ヶ月ルールの適用期間(2014年4月1日以降)に入る直前だったことも影響したと思われますが、一方で稼動済み容量の伸びは非住宅が1割ちょっと・メガソーラーが約2割と、認定分との差が更に大きく広がっています。

今回の認定急増分についても、果たしてどれだけが実際の稼動に漕ぎ着けられるのかが懸念されますが、逆に各案件が着実に遂行される場合は、太陽電池パネルやパワコン等の需要好調が当分続くことが予想されます。

一方の住宅用は、認定容量・件数ともに伸びは小さいものの、稼動済みの伸びも同程度であり、その点では地に足が着いた導入状況とも言えそうです。


※参照・参考サイト:
[1]再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表します(平成26年3月末時点)(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140617003/20140617003.html
[2]再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表します(平成26年2月末時点)(同上)
http://www.meti.go.jp/press/2014/05/20140516005/20140516005.html
[3]「地域における再生可能エネルギー事業の事業性評価等に関する手引き(事業者向け)〜太陽光発電事業編〜」について(環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18156

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:25 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

政府がFITの見直しに着手、電気料金の上昇抑制のため総量規制などを検討

ニュース記事[1]で、政府が固定価格買い取り制度見直しに着手したと報じられていました。

これは電気料金の上昇抑制を狙いとするもので、現在の主な状況は下記の通り。

背景

  • 未稼働の太陽光発電設備(約5700万kW)は、稼働済み設備の6倍強に達している。
    これが今後順次稼働した場合、電気料金に上乗せされている買取原資(2014年度は6500億円)が1兆円を超え、家計負担(同年度は年2700円)も年間数千円に膨らむ可能性がある。

見直し案(一部)

  • 総量規制
    高めの買取価格(政府が決定)の対象となる電力量に、上限を設定する。
    それを超えた分の価格は、自由に決定できるようにする。
  • 太陽光発電のみの対策:
    買取価格の大幅引き下げ
    価格改定の頻度アップ(年に複数回)
    を検討する。

スケジュール

  • 総合資源エネルギー調査会の作業部会(有識者で構成)が、6月17日に初会合を実施した。
    今後は海外の実情を調査した上で、今年秋に結論を出す方針。

一度認定された発電設備は、固定価格での電力買取が20年間続くだけに、今後の導入設備の発電コストが大幅に低下していったとしても、買取価格が高い制度開始初期の認定分が消費者への負担としてのしかかってくるのは、FITの大きな課題である気がします。

ドイツでは、2013年度にはFITの賦課金が電気料金のうち22%に達している一方で、太陽光発電のコストダウンも劇的に進んでいるとのことで(大規模太陽光発電の発電コストは既に新設火力発電を下回っている、との意見もある)、FITのメリット・デメリットは、(化石燃料の価格上昇継続などの)長期に渡る先を見通して、慎重に判断する必要があると考えます。

一消費者としては、電気料金の上乗せ負担により再生エネの容量が拡大することで、電力供給にどの程度のメリットがもたらされているのか(例えばドイツでのピークカット実績のような事例)が明確化されれば、ある程度の負担増は理解できるので、再生エネ導入拡大が始まって数年の現状ではまだ無理だとしても、将来的には十分なデータの収集・整理と広い情報公開により、国民全体が再エネ導入推進の是非を検討・判断できるようにすることが必須になるとも考えます。


※参照・参考サイト:
[1]再生エネ固定買い取り、総量規制 政府検討(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1700U_X10C14A6EA2000/
[2]PVeye誌 2014年5月号12-27p「苦境の再エネ大国ドイツ 賭けの脱FIT宣言」
[3]同誌 2014年6月号32-41p「太陽光発電の将来像 ドイツの挑戦」
posted by 管理人 at 03:38 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

丸紅が米Zep Solarと提携、同社の住宅用太陽電池パネル架台を日本で独占販売

丸紅2014年6月17日に、

  • 米「Zep Solar」社製の住宅向け太陽電池パネル架台の、日本での独占販売について、同社との間で契約を結んだ。
と発表していました[1]。

背景・目的は下記の通り。

  • 日本の住宅向け・小規模産業向け太陽光発電では、電力買取価格の引き下げや施工の人手不足により、
    施工コストの削減
    ・施工の時間短縮、簡便化
    が課題となっている。
  • Zep Solarの製品ではレールを使わずにパネルを設置でき(独自開発のアルミフレームと取付用架台を組み合わせる)、
    ・施工時間の大幅短縮
    ・施工コストの削減
    を実現できる。

またニュース記事ではこの提携に関して、下記の数字が記載されています。

  • Zep社製品による施工時間:従来の半分以下
  • 販売目標3年間で2万5000
    住宅メーカーや施工会社と連携する。

導入コスト低減の取り組み「Rooftop Solar Challenge」が進められている米国の製品が、いよいよ本格的に日本市場に進出するとのことで、減速している既築住宅向け需要を少しでも上向かせるものとなりうるのか、非常に興味を引かれるところです。

販売目標を単純に年平均にすると約8000戸ですが、これは2013年度の既築住宅での補助金申請件数(約15万件)の約6%にあたり、達成されれば、日本市場でZep社製品が一定のポジションを確保することになると思われます。

ただ、各金具などを取り付ける大本の土台になる部品は、(ハゼ折部をクランプする方式を除き)やはり屋根材に穴を開けて屋根に固定する方式と見受けられ[3]、長期設置において雨漏り発生の可能性がどの程度なのか、というのは明確にする必要があると考えます。


※参照・参考サイト:
[1]米国Zep Solar社と住宅向け新型太陽電池用架台の独占販売契約締結(丸紅)
http://www.marubeni.co.jp/news/2014/release/zepsolar.pdf
[2]紅、住宅向け太陽電池架台で米社から販売権(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ17077_X10C14A6TJ2000/
[3]Products(Zep Solar)
http://www.zepsolar.com/index.php/products

※関連記事:
posted by 管理人 at 03:30 | Comment(0) | 架台

2014年06月18日

伊豆の国市内の農地に、手動でパネルの角度調整ができるソーラーシェアリング「ソーラーパネル回転システム」が設置

静岡県・伊豆の国市内の農地で2014年6月に、パネル角度を手動で調整できるソーラーシェアリング設備「ソーラーパネル回転システム」が、稼動を開始したとのことです[1]〜[4]。

設備の概要は下記の通り。

  • 機器
    • パネル回転機構:ソーラーカルチャー社の「ソラカルシステム
    • 太陽電池パネル:発電マン社のオリジナル製品(1枚115W、縦1470mm×横500mm)
  • 特徴
    • パネル角度を変更可能
      パネルを手動で回転させ(水平軸まわり)、角度を調整できる。
      これにより、
      ・作物の生育に応じた、光の量の調節:
       例えば稲作では、6〜7月の成長期に、田への日射量を増やすことができる。
       (※平常時の遮光率は35%で設計)
      季節ごとの適正な角度変化:発電電力量を高める。
      強風・積雪への対応:水平で風圧を避け、垂直で積雪を落とす。)
      パネル洗浄の容易化:パネルを立てて、地上から高圧洗浄・ブラシ洗浄が行える。
      等のメリットが見込まれる。
    • 低コストで高い柔軟性
      架台などには、単管パイプやクランプ等の汎用資材を用いている。
  • 設置場所と規模
    水田(各約1000m2)に、44kWずつを設置した。(計88kW)
    水田では稲作、畑ではサトイモを育てる。
    (静岡県農業委員会の許可は、2013年11月に取得)
  • 施工:発電マン社
  • 売電収入:年約400万円の見込み

0.1haで44kWと、当然ながら通常の地上設置型よりは(土地面積あたりの)設置容量は大幅に小さいですが、一方で売電収入見込みの400万円を37.8円/kWh(2013年度の売電価格)で割ると、約106万kWh。

これは一般的な年間発電量の見込み(88kW×1000h=88万kWh)の1.2倍であり、あくまで見込みとはいえ、パネルの角度調整による発電電力量アップの効果が伺える数字です。

太陽電池パネルは細長の特別品のため、パネルの性能低下や故障が生じた際の対応(交換用パネルの十分な確保など)が気になるところではあります。

しかし他方で、架台はもちろんのこと、パネルの回転軸も汎用の単管パイプを使っていると見受けられ[6]、その点での資材の入手のしやすさは、非常に大きな魅力であり、普及拡大の可能性は十分に高いのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]パネル回転し、農作物と太陽光を分け合う新システム(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1600V_W4A610C1000000/
[2]日本初!田んぼにソーラーパネル回転システムを設置(発電マン社)
http://www.hatsudenman.co.jp/article/15080121.html
[3]田んぼでソーラーシェアリングが完成しました!(同上)
http://www.hatsudenman.co.jp/article/15080145.html
[4]静岡でソラカルシステムが完成(ソーラーカルチャー社)
http://solarculture.jp/index.php/news/archives/6
[5]サービス(同上)
http://solarculture.jp/index.php/service
posted by 管理人 at 01:17 | Comment(0) | 農業