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2014年07月31日

京セラの2014年4-6月期のソーラーエネルギー事業は売上減、国内市場の成長は鈍化

京セラが7月31日に、2014年度第1四半期(2014年4-6月)の業績を発表していました[1][2]。

この中で、太陽電池に関する数字・状況は下記の通り。

「ファインセラミック応用品関連事業」(ソーラーエネルギー事業を含むセグメント)の業績

  • 売上高:約538億円(前年同期比12.5
  • 税引き前純利益:約28億円の黒字(同64.9

ソーラーエネルギー事業の状況

下記の要因などにより、売上高が減少した。

  • 公共・産業用の大型案件の減少(今年度分は第2四半期以降に集中)
  • 製品価格の下落

市場の動向

  • 国内:
    ・政府の住宅用補助金の終了
    消費税率引き上げ
    等により、成長が鈍化した。

例によって、太陽電池モジュールの販売額・販売量などの具体的な数字は記載されていませんが、「ファインセラミック応用品関連事業」の業績は昨年度同期(売上が前年同期比4割増・事業利益は同5倍弱)から一転しており、同セグメントの一部であるソーラーエネルギー事業についても、タイミング的な要因もあるものの、相当に減速したことが推測されます。

産業用については、今回はちょうど大規模案件が谷間の時期だったようなので、今後(次の四半期以降)は販売・供給量が再び拡大すると思われ、またFITにより国内需要が急拡大しているだけに、中期・長期的にはやはり伸び続けるものと考えます。

ただし一方で、もう一方の主要な需要先である国内住宅用の減速は懸念材料であり、今年度の販売目標1.4GW(前年度より0.2GW増)を達成できるかは、予断が許されない状況とも思われます。


※参照・参考サイト:
[1]2015年3月期 第1四半期 決算短信(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/rt140731.pdf
[2]カンファレンスコール資料(同上)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/cp140731.pdf

※関連記事:
posted by 管理人 at 22:53 | Comment(0) | メーカー:京セラ

神奈川県が「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」の選考結果を公表、6事業を選定

神奈川県2014年7月30日に、「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」の選考結果を公表していました[1]。

その中から、選考された6プロジェクトの内容をまとめてみました。

「ナイス鶴見中央3丁目マンションにおける薄膜太陽電池内蔵ガラス手摺りの導入」

  • 事業者:「ナイス」社(横浜市)、カネカ等
  • 設置場所:マンション(2015年度竣工予定)のバルコニーの手摺り
  • 太陽電池:薄膜シリコンハイブリッド型(カネカ製)
  • 発電容量:計10.1kW
  • 背景:
    神奈川県内では高層マンションが増えているものの、
    ・風圧による荷重の大きさ
    ・反射光の発生
    等の難点により、太陽電池パネルの導入が進んでいない。

「ナイス竃{社ビルにおける薄膜太陽電池の導入」

  • 事業者:ナイス社、三菱化学など
  • 設置場所:
    ナイス本社ビルでの、
    • 屋根防水シート等との一体設置
    • への設置
  • 太陽電池:
    • 防水シートと一体の薄膜型(三菱化学製)
    • フレキシブルな有機薄膜型(同上、2015年度に製品化予定)
  • 発電容量:計19.4kW
  • 背景:
    • 県内ではオフィスビルや大型商業施設などが増えているが、屋根のスペース確保の都合などにより、太陽光発電システムの導入は進んでいない。
    • ガラス窓に太陽電池パネルを設置する場合には、
      架台が不要
      ・外部足場などの仮設工事が不要(室内側から施工する)
      就業中の工事が可能
      といったメリットがある。

「低環境負荷コミュニティの実現へ向けた薄膜太陽電池の新規設置用途開発と普及拡大」

  • 事業者:三菱化学エンジニアリング、元旦ビューティ工業など
  • 設置場所:
    • 屋根(折板、波型スレート、曲面屋根、防水シート等との一体設置など)
    • 道路・鉄道・遊休地の法面
    • 道路遮音壁(一体型)
    • 建物の外壁(カーテンウォール含む)、窓
  • 太陽電池:
    • 鋼板型のフレキシブルな薄膜型
    • 防水シート一体の薄膜型
    • フィルム型の薄膜型
    • 外壁材と一体の薄膜型
    • フレキシブルな有機薄膜型
    • 軽量ガラス採用の結晶シリコン型
  • 発電容量:計2988kW
  • 背景:
    アモルファスシリコン型は薄型・軽量で耐久性に優れることから、通常のパネルでは困難な、建物の壁面や曲面などへの設置が期待できる。

「CIS薄膜化合物太陽電池モジュール神奈川県普及促進プロジェクト」

  • 事業者:ソーラーフロンティア等
  • 設置場所:
    • 屋根(折板、波型スレートなど)
    • 道路・鉄道・遊休地の法面
    • 建物外壁(建材との一体設置など)
    • 農業用ハウスの上部
  • 太陽電池:CIS薄膜型(ガラスが薄い軽量タイプ)
  • 発電容量:計3046.4kW
  • 背景:
    ・フレームの不要化
    ・保護ガラスの薄肉化
    によるCIS薄膜モジュールの軽量化で、従来はパネルが設置できなかった工場屋根でも、比較的安価での設置が可能になっている。

「軽量太陽光発電システム普及拡大プロジェクト

  • 事業者:「トノックス」社(平塚市)など
  • 設置場所:トノックス社工場の屋根(折板、波型スレート等)
  • 太陽電池:フジプレアム社の軽量モジュール「
  • 発電容量:計1000kW
  • 背景:
    ・「希」の採用
    ・架台フレームの空洞化
    等により、結晶シリコン型ながら積載荷重10.00kg/m2を実現。
    これにより、これまでパネルを設置できなかった工場・倉庫などの屋根でも、比較的安価での設置が可能になった。

「塩害対応用薄膜太陽光発電システムの設置試験及び販売促進PRプロジェクト 」

  • 事業者:「萬世リサイクルシステムズ」社など
  • 設置場所:病院の窓
  • 太陽電池:
    化合物系の両面・片面ポリカーボネート圧着型(パワーバンクシステム社製、フレキシブル性あり)
  • 発電容量:計1kW
  • 背景:
    ポリカーボネートや樹脂素材のみで圧着したモジュールは、錆びる箇所がないため、沿岸地域・海上での設置に向く。
    また、分別・リサイクルも行いやすい。

また、これらのプロジェクトの着工は、2014年9月から順次行われる予定とのことです。


軽量タイプのモジュール(特にフレキシブルなシート型)では、価格が通常の結晶シリコン型より割高であるだけに、システムとしての初期コストをどれだけ低減できるか、という点が最大の課題になると思いますが、基本的にはモジュール以外の部分でコスト低減を進める他ないものと推測します。

ただ一方で、今回のプロジェクトにより、導入可能場所を拡大できれば、モジュール拡販の可能性も広がり、生産コストの低減にもつながるので、その点では今回のプロジェクトは、一地方自治体での取り組みながら、軽量型モジュールの国内普及における試金石になるかもしれません。

個人的には特に、ガラス窓への有機薄膜型の設置が興味深く、室内での施工ができるのであれば、産業用の建物のみでなく一般住宅においても、比較的負担が少なく太陽光発電を導入できる可能性が開けるのでは・・・と期待するものです。


※参照・参考サイト:
[1]薄膜太陽電池普及拡大プロジェクトの選考結果について(神奈川県)
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p823553.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 02:14 | Comment(0) | 地方自治体の取り組み

2014年07月30日

九州電力が離島6島で、再生エネ(住宅用太陽光も含む)の接続申込への回答を、約1年保留する方針

九州電力が2014年7月25日に、

  • 壱岐、対馬、種子島、徳之島、沖永良部島、与論島の各離島について、連携可能容量の都合から、再生可能エネルギーの接続申し込みに対する回答を1年程度保留する。
との方針を発表していました。

概要は下記の通り。

背景

  • 九州電力ではこれまで、
    • 再エネ申し込み量の多い壱岐・対馬・種子島・奄美大島への蓄電池設置(周波数調整用)
    など、再エネの導入拡大に取り組んできた。
  • しかし2013年度末の駆け込み申請などにより、今回対象となる6島については、既連系量今後連系予定量の合計が、連携可能容量(年間30日の出力抑制を踏まえた量)を超過している。
    具体的な超過分(2014年5月末時点)は下記の通り。(※管理人が計算)
    • 壱岐:約4600kW(連係可能容量の約72%に相当)
    • 対馬:約2000kW(同31%)
    • 種子島:約3700kW(同44%)
    • 徳之島:約2500kW(同57%)
    • 沖永良部島:約500kW(同19%)
    • 与論島:約300kW(同25%)

対応の内容

  • 対象となる離島:壱岐、対馬、種子島、徳之島、沖永良部島、与論島
    他の離島についても同じ状況になった場合、同様の対応を行う。
  • 対象となる事業者:特別高圧、高圧、低圧(住宅用も含む
  • 保留開始日2014年7月26日
  • 申込者への周知方法:プレス発表、説明会の開催、受付窓口での個別説明など

今後の方針

  1. 保留開始日以降に行われた新規接続契約の申込み(低圧連系含む)は、回答を1年程度保留する。
  2. この間に、再エネ出力のデータ分析などを行い、連係可能容量を拡大できるよう精査する。
  3. 上記の検討終了後に、接続契約申込みへの回答を再開する。
    連系可能量を越える場合は、申込者側でとるべき方策を付して回答する。
    ※この方策による出力抑制は、FITに基づく補償の対象外。

申込者側での方策の例(現時点で想定されるもの)

  • パワコンへのカレンダー抑制機能の搭載(土日の出力抑制)
  • 九州電力による指定期間の、再エネの出力停止
  • 蓄電池の併設による計画運転(昼間に充電、夜間に放電)

つい先日には沖縄本島で系統接続保留が報じられたばかりですが、今回対象の離島は電力系統の規模が小さく、調整能力の不足がより深刻であることが伺えます。

ニュージーランド領のトケラウ米国のグアム島フィリピンのヴィサヤ諸島といった海外のプロジェクトでは、太陽光発電の大規模導入による大きな効果(ディーゼル燃料費の大幅削減など)が見込まれているだけに、エネルギーに乏しいはずの日本で接続保留という状況が起こっているのは非常に残念ですが、分散型電源の本格導入における既存の電力システムの限界を、いち早く具体的に示しているケースであり、その点ではこの課題解決への取り組みは、一つの正念場になるのでは、とも考えます。


※参照・参考サイト:
[1]離島の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/press_h140725-1.html

※関連記事:

First Solarとエクソルが日本市場へのCdTeモジュール供給で締結、年100MWが目標

エクソルFirst Solarの2社が2014年7月28日に、

  • 「ファースト・ソーラー・ジャパン」(First Solarの日本子会社)が、エクソルにCdTe太陽電池モジュール供給することで合意した。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。

背景・目的

  • First SolarのCdTeモジュールは、
    • 高いエネルギー収量(高温・影の影響が少ない等)
    • 厳しい環境下でも優れた長期性能・耐久性(各研究機関で実証)
    • 製造時のエネルギー消費が小さい
    • リサイクル体制を確立済み
    • 美しい外観
    といった長所を持っている。
  • エクソルは太陽光発電システムのメーカー、システムインテグレーター、サプライヤーとして、日本全国で事業展開している。
    今回は、顧客の多様なニーズへの対応力を高めるため、将来にわたる極めて重要な戦略的選択肢として、First Solarとの契約を締結した。
  • First Solarは2013年に、日本国内でのメガソーラー開発に100億ドルを投資することを発表していた。
    今回のエクソル社との提携により、より小規模なプロジェクトへの技術供給が可能になる。

契約内容

  • モジュール供給量:年100MWを目標とする。

日本では結晶シリコン型(TetraSun社の技術を使用)のほうは、JX日鉱日石エネルギーが2015年4月まで独占販売権を持っていますが、今回エクソルとの提携が実現したことで、一般顧客へのCdTe型の供給体制ができ、First Solar社の日本展開が大きく広がることが予想されます。

CdTeモジュールの供給先は、(その特性から)あくまで産業用に限られると思いますが、エクソルは太陽光発電システム売上高で国内トップクラスの実績を持つ[3]だけに、First Solarにとっては、日本国内でのモジュール拡販における強力なパートナーを得たものと考えられます。

ただ日本はイタイイタイ病の記憶があるので、発電設備として稼動中の安全性は(実証済みということで)ともかくとして、モジュール廃棄時の対応(日本国内での回収体制の充実)も、イメージアップ・信頼獲得には重要になるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]ファースト・ソーラーとの供給取引契約締結のご案内(エクソル)
http://www.xsol.co.jp/news/?p=4293
[2]First Solar, XSOL Establish Supply Agreement in Japan(First Solar)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=862193
[3]Solvisto誌 2013年12月号p12-15「第2回 ソルビスト全国PV販売売上高ランキング」

※関連記事:
posted by 管理人 at 00:10 | Comment(0) | 海外メーカー:First Solar(米)

2014年07月25日

沖縄本島で新規の太陽光発電設備の系統接続が保留中、消費税率・売電価格変更前の駆け込み需要が影響

ニュース記事[1][2]で、

  • 沖縄本島で、新規設置の太陽光発電(住宅用含む)の系統接続ができない状態が続いている。
と報じられていました。

主な状況は下記の通り。

  • 背景:
    沖縄電力管内の太陽光発電導入量は、
    • 2013年3月末:約7万7000kW(約1万5000件)
    • 2014年3月末:約16万kW(約2万1000件)
      (※夏場の最大出力(約150万kW)の約1割相当)
    と、消費税率アップと売電価格引き下げによる駆け込み需要で、予想を上回るペースで急増した。
    これにより接続可能量を超過する可能性があることから、一時的に新規設備の系統接続を保留している。
  • 接続保留の対象2014年4月1日以降の申込分
    ※宮古島・石垣島・久米島は、その前から接続できない状態になっている。
  • 対応
    現在は経済産業省とともに、接続限界量を調査・検討中
    できる限り接続できるよう努めるが、結果次第では接続できない場合もある。

2014年度末の駆け込み需要は、全国的に相当なものでしたが(特に10kW以上)、電力系統が小さい沖縄では、それが裏目に出る結果となったようです。

現在の約160MWという規模は、昨年12月の経産省の発表[3]で示されていた接続限界の目安(57MW)を遥かに超えているので、接続保留の措置は止むを得ないとは思いますが、それでも小規模なはずの住宅用までが接続できない状況が、日本国内で実際に生じていることは、太陽光発電の普及を考えるうえで無視できないと考えます。

(※8/2追記:接続上限目安の「57MW」は「300kW以上」の設備が対象であり、「300kW未満」の扱いは別と思われる。)

昨年末に対策として発表された大型蓄電池の導入や送電網の制御・管理技術向上は、まだ実証試験の段階であり、他に有効な手立てが無いのであれば、接続保留は(非常に残念なことですが)今後も続かざるを得ない気がします。

いっそ現在の状況を逆手にとり、太陽光発電を主要な電源の一つに位置づけ活用できたら・・・と漠然とした空想が浮かびますが、ともかく現状では少しでも接続限界量を拡大できることを、願うほかありません。


※参照・参考サイト:
[1]太陽光の新規売電できず 沖電、接続超過を懸念(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229052-storytopic-4.html
[2]沖電、太陽光発電の接続保留 供給不安定の恐れ(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=77813
[3]沖縄本島における太陽光発電の接続についての対応を公表します(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2013/12/20131203002/20131203002.html

※関連記事:

シャープが伊3Sun社への出資持分全て(総出資額の33.3%)を、1ユーロでEGPに譲渡する方針

シャープと伊「Enel Green Power(EGP)」社が2014年7月23〜24日に、

  • 薄膜太陽電池モジュールを生産する合弁会社「3Sun」について、シャープの出資持分全て(総出資額の33.3%)を、EGPに譲渡することを決定した。
と発表していました[1]〜[4]。

概要は下記の通り。

背景・経緯

  • 3Sunはカターニア工場で、年間約200MWの薄膜モジュールを生産している。
  • EGPは2014〜2018の事業計画で、新興国の様々な地域(南米、南アフリカ等)で太陽光発電所を建設する方針。
    特に南アフリカでは2013年10月に、300MW超の供給契約を結ぶ権利を得ている。
  • もう1つの合弁相手であるSTMicroelectronics社は、EGPに1500万ユーロを支払い、3Sunへの出資持分全て(総出資額の33.3%)をEGPに譲渡することで、7月22日付けで同社と合意した。
    (これにより、STMicroelectronicsは、3SunとEGPに関するあらゆる義務から解放されることになる)
    この合意に伴い、EGPからシャープに対して、3Sunへの全出資持分をEGPに譲渡するよう要請があった。

今後の予定

  • 出資持分の譲渡は、イタリア当局などの承認が得られ次第、実行する。
    譲渡価額1ユーロ。
  • 譲渡後は3Sunは、EGPの100%子会社として事業を継続する。
    また、シャープによる3Sunへの薄膜太陽電池の技術供与継続する。

ほんの10日ほど前のシャープの発表[5]では、3Sunへの出資は続けるとされていたので、ずいぶん急に方針が変わったものです。

先に発表済みである、3Sunからのモジュール引き受け義務の譲渡では、シャープによるEGPへの配慮は9500万ユーロ[6]とされており、今回(STマイクロと比べて)支払額がゼロに等しいのは、そのぶんが考慮されたことによるものと想像します。

とはいえ、1000万ユーロ超とみられる出資持分を、たった1ユーロで譲渡することには驚かされますが、それだけ今は欧州に製造拠点を持つことの合理性が著しく低下しており、シャープとしてはこれ以上損が大きくならないうちに手を切ろう、ということかもしれません。

いっぽうEGPにおいては、新興国での太陽光発電所建設を大々的に進めるようなので、年産200MWの製造拠点を完全子会社化することの利点は大きく、今回のSTマイクロとシャープからの譲渡は、相当に得な条件かと思われます。(ただ、モジュールの供給先となる発電所建設が順調に行けば、の話ですが)

ともかくこれで、シャープは欧州でのモジュール生産からほぼ手を引くことになり、欧州が太陽光発電の最大市場だった時代に、区切りを付ける象徴的な出来事にも感じられます。


※参照・参考サイト:
[1]持分法適用関連会社の出資持分譲渡に関するお知らせ(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2014/140724.pdf
[2]ENEL GREEN POWER TO BUY 100% OF 3SUN FACTORY(Enel Green Power社)
https://www.enelgreenpower.com/en-GB/media_investor/press_releases/release.aspx?iddoc=1662193
[3]シャープ、太陽電池生産会社株を譲渡 伊の合弁相手に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ2407H_U4A720C1TJ2000/
[4]シャープ、イタリアの太陽電池事業から撤退(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FT1YS20140724
[5]欧州における太陽電池事業の構造改革に伴う特別損失発生に関するお知らせ(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2014/140711.pdf
[6]ENEL GREEN POWER AND SHARP REACH DEAL ON OFF-TAKE AGREEMENT FOR 3SUN FACTORY OUTPUT(Enel Green Power社)
https://www.enelgreenpower.com/en-GB/media_investor/press_releases/release.aspx?iddoc=1662138

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:34 | Comment(0) | メーカー:シャープ

三菱電機が「フルSiC-IPM」採用の住宅用パワコン「PV-PN44KX」を発表、変換効率は最大98.4%

三菱電機2014年7月24日に、国内住宅用パワコンの新機種4種を発表していました[1]。

その中の1つ「PV-PN44KX」(定格4.4kW)は、パワー半導体素子すべてにSiCを採用した機種で、概要は下記の通り。

主な特徴

  • 高い変換効率
    主要部品のパワー半導体モジュールに「フルSiC-IPM」(自社で2011年に開発)を採用。
    これにより変換効率は、出力1.6〜4.4kWで最大98.4%(定格時98.0%)を実現しており、日射量の少ない環境(朝夕、曇り等)での発電量増加も期待できる。
  • 独自の高速MPPT制御
    新開発した制御技術により、MPPT効率(パワコンが実際に取り出した直流電力と、太陽電池パネルが発電可能な直流電力の比)は定格出力時99.8%(従来機種より3.1%アップ)を実現。
    これにより、日射の変動に迅速に対応できる。
  • 2種類の自立運転回路
    自立運転用の出力回路を2つ搭載しており、出力箇所も
    自立運転用コンセント(本体下面)
    自立出力端子(配線工事により、本体外へのコンセント増設可能)
    の2つを用意。
    これにより停電時には、計2.2kVAの出力電力が使用できる。
    (※1回路あたりの最大出力は1.5kVA。)
  • 配線工事の作業性向上
    ・電源電線の入線口(従来は本体右上)を、本体右下に配置
    ・従来比約2倍の入線口スペース
    ・本体側面の入線口カバーが取り外し可能
    との改良により、配線工事の作業性を高めた。
  • 進相無効電力制御
    出力抑制機能が働く時間を遅らせることで、売電機会の損失を低減できる。
  • 電圧上昇抑制機能をディスプレイ表示
    電圧上昇抑制機能が働いた場合、本体のLEDディスプレイに表示する。
    これにより、系統電圧上昇の発生状況などをチェックできる。
  • 多数台連系認証に対応
    電力会社との連系協議で複数台連系試験成績書が不要になり、工期短縮に寄与する。

主な仕様

  • 本体サイズ:幅460mm×奥行き150mm×高さ240mm
  • 本体質量:17.7kg
  • 設置場所:屋内
  • 入力回路:1回路
  • 定格入力電圧:DC310V
  • 運転時騒音:30dB(反響の少ない無響室での測定値)
  • 希望小売価格(税抜き):44万
  • 発売予定時期:2015年1月

SiCを全面採用した住宅用パワコンは、オムロンが2月に発表していましたが、正式な製品発表は今回の富士電機が先となったようで、変換効率もそのオムロンの開発品(97.3%)を上回っており、次世代パワコンとしてメーカー間での開発競争が活発化していることが推測されます。

またSiCとは関係ないですが、個人的には自立運転時の出力をある程度高めている点が、小さくない魅力だと感じます。
どうせなら本体にコンセントを2つ付けても良い気がしますが、それはコストや構造面での都合なのかもしれません。

一方で気になるのは、やはり価格が割高な点ですが、同時発表の3機種(Si半導体採用)を定格で2ポイント上回る変換効率が、太陽光発電システムの長期稼動においてどの程度のメリット(売電収益の増加など)をもたらすのか、という点が明確になれば、販売拡大が十分に期待できるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]国内住宅用太陽光発電システム向けパワーコンディショナ新商品発売(三菱電機)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2014/0724.html?cid=rss

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:43 | Comment(0) | パワーコンディショナー

2014年07月23日

ハンファQセルズジャパンが京セラによる「3本バスバー電極構造」訴訟への見解を発表、対象製品はハンファソーラーワンの過去製造品の一部のみ

ハンファQセルズジャパン社が2014年7月18日に、京セラによる「3本バスバー電極構造」に関する特許侵害訴訟についての見解を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

訴訟の内容

  • :対象製品:
    ハンファソーラーワン社の過去製造品の一部のみが対象になっている。
    • ハンファソーラーワンが現在製造中の製品
    • Q-Cells社の製品
    対象外
  • 請求:差し止めの請求は何もなされていない

ハンファQセルズジャパンの立場

  • 技術について:
    「3本バスバー電極構造」は、遅くても1990年代には研究論文等により公表されていた公知の技術であり、京セラの主張は一方的なものと考えている。
    (※管理人注:京セラの特許出願は2004年、特許取得は2012年[2]。)
  • 顧客への配慮:
    • 京セラによるウェブサイトでの公表内容は、(他社を含めて)3本バスバー電極構造の太陽電池パネルのユーザーに心配をかける行為であり、非常に遺憾。
    • 自社では、自社の顧客に迷惑が及ばないよう万全の措置を講じていく方針。

京セラの発表では、メーカーだけでなく販売店・発電事業者への訴訟提起も仄めかされていたので、今回ハンファに対して特に差止請求がないというのは意外でしたが、京セラとしてもユーザーに混乱が及ぶことはできるだけ避けたい、ということかもしれません。

Solvisto誌の調査[3]によると、ハンファQセルズは2013年には、日本市場で海外パネルメーカーの出荷量トップだっただけに、訴訟対象の「過去に製造していた製品の一部のみ」が日本でどれだけ販売されたのか、というのは非常に気になるので、今回表明されている「迅速に事実を情報発信」していくという姿勢に則り、具体的な状況が公表されることを期待したいところです。

京セラが次にどう動くかも気になるところですが、ちょうど昨日には、サンテックパワージャパンが4本バスバー採用のモジュールを発表しており[4]、他メーカーにおいては、脱・3本バスバーの動きが加速する可能性が高いと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]京セラによる特許権侵害訴訟提起について(ハンファQセルズジャパン)
http://www.hanwha-japan.com/pdf/HQJ-kyocera_2010718_HP.pdf
[2]「3本バスバー電極構造」セルを採用した太陽電池モジュールの特許を取得(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/news/2012/0901_teys.html
[3]Solvisto誌 2014年3月号p27「海外パネルメーカーの実力診断 大手17社、13年度日本国内で総出荷量3GW超45%シェア」」
[4]セル面積を拡大し4バスバーを採用した住宅用単結晶太陽光発電モジュールを発売 「STP270S-20/Wem」(サンテックパワージャパン)
http://www.suntech-power.co.jp/news/2014/0722142.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:15 | Comment(0) | 他の海外メーカー

加Solar Power Network社が、コメリの店舗屋根を借りての太陽光発電事業(計12MW)を計画

カナダの「Solar Power NetworkSPW)」社が2014年7月18日に、

  • 日本のホームセンター「コメリ」の店舗の屋根借り、太陽光発電事業を行う。
との計画を発表していました[1]。

事業の概要は下記の通り。

  • 対象店舗数:14
  • 発電容量:計12MW
  • 発電電力の用途:
    FITにより全量を売電する。
    また災害時には、一部を非常用電源として使用する。
  • 完成時期:2015年末までに全施設が完成する予定。
  • その他:
    降雪地帯の設備には「積雪モニタリング設備」を備える。

カナダ企業というと一向に発送されないノートPC「SOL」の件があるので、個人的には正直イメージダウン気味ですが、それはさておき。

SPN社の施工方式[2]では、太陽電池パネルを低角度で設置することで屋根への穴開けを不要にし、また屋根への静荷重も低く抑えているとのことで、「屋根借り」向けとして相当に洗練・効率化されていることが伺えます。

設置角度が水平に近いことにより、強風に対する安全性はかなり保たれると思わる一方、積雪地域の場合には、日光の入射角度、また積雪が自然落下しない点(今回の事業ではSPNが雪下ろしを担う[3])で不利ですが、その点はカナダの企業ということで織り込み済みと推測します。

コメリ社は既に、複数の店舗・流通拠点の屋上に太陽光発電設備を設置している[4]ので、初期費用や稼動後の発電実績、冬場の維持管理などについて、既存設備とSPN社の設備で比較がなされたら面白いと思います。


※参照・参考サイト:
[1]SPNがコメリの14店舗の屋上に太陽光発電所を展開(Solar Power Network社)
http://solarpowernetwork.co.jp/2014/blog/spn%E3%81%8C%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%81%AE14%E5%BA%97%E8%88%97%E3%81%AE%E5%B1%8B%E4%B8%8A%E3%81%AB%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%82%92%E5%B1%95%E9%96%8B/
[2]設置工事の流れ(Solar Power Network社)
http://solarpowernetwork.co.jp/leasing-your-roof/installation-process/
[3]雪が積もったら? もちろん下ろします――12MWの屋上太陽光(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/23/news078.html
[4]コメリ太陽光発電パネル設置事例(コメリ社)
http://www.komeri.bit.or.jp/environment/eco/solar/index.html
posted by 管理人 at 23:10 | Comment(0) | 導入施設

帝国データバンクがレポート「『太陽光発電システム販売・施工』5665社の経営実態調査」を発表、増収増益が大多数

帝国データバンク2014年7月22日に、レポート「『太陽光発電システム販売・施工』5665社の経営実態調査」を公表していました[1]。

これは、国内で「太陽光発電システム販売・施工」を手がける5665社(主業・従業を問わない)を対象に行った調査結果。

その中から、主な数字を抜き出してみました。(※一部は管理人が計算)

売上が増えた企業

※集計対象は、2期連続で売上高が判明した企業のみ。

  • 2011年:2987社(集計対象(4913社)の60.8%)
  • 2012年:3163社(同(5125社)の61.7%)
  • 2013年:2276社(同(3382社)の67.3%)

黒字の企業

※集計対象は、各年度に当期純損益が判明した企業のみ。

  • 2011年:3751社(集計対象(4792社)の78.3%)
  • 2012年:3902社(同(4762社)の81.9%)
  • 2013年:2335社(同(2728社)の85.6%)

企業規模

  • 年商10億円未満が3998社(全体の70.6%)。
  • 従業員数50人未満が4637社(全体の81.9%)。
    • 10人未満:2414社(同42.6%)
    • 10〜20人未満:1102社(同19.5%)
    • 20〜50人未満:1121社(同19.8%)

都道府県別の企業数

地域別では、

  • 北海道:177社(全体の3.1%)
  • 東北:374社(同6.6%)
  • 関東:1606社(同28.3%)
    うち東京都が611社(全国1位)。
  • 北陸:198社(同3.5%)
  • 中部:936社(同16.5%)
    うち愛知県が354社(全国3位)。
  • 近畿:852社(同15.0%)
    うち大阪府が464社(全国2位)。
  • 中国:406社(同7.1%)
  • 四国:191社(同3.4%)
  • 九州(沖縄含む):925社(同16.3%)
    うち福岡県が318社(全国4位)。

売上・損益のデータはFITの開始年度(2011年度)以降のものなので、増収増益の企業が大部分を占めること自体は、容易に予想がつきましたが、それでも増収が6割〜7割弱・黒字が8割弱〜8割強にのぼり、しかもいずれも年毎に増している点には、国内太陽光発電市場の活況が改めて強く感じられます。

ただFIT開始以降には、それまで住宅用メインだった販売業者が、より利益率の高い小規模産業用にシフトした状況がある(例えば[2][3])とのことで、黒字企業の割合増加の影に、住宅用の導入ペースの減速があるとすれば、単純に良い状況とは受け止められない気がします。

いずれにしろ電力買取価格が引き下げられていくことで、設備導入の初期費用低減の圧力も高まっていくので、増収増益企業の割合も年々徐々に低下していくことが予想され、大多数を占める中小企業においても、品質維持とコストダウンの両立が課題として重要さを増してくるものと考えます。

地域別の数字は私が計算しましたが、販売施工企業は全国に存在するとはいえ、やはり大都市圏(関東・近畿・中部)や日照条件の良い地域(九州)が多く、反面で積雪地域(北海道・東北・北陸)が少ない、という偏りは否めず、地域による太陽光発電システム需要の偏りの存在も想像されるものです。


※参照・参考サイト:
[1]特別企画 : 「太陽光発電システム販売・施工」5665社の経営実態調査(帝国データバンク)
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p140705.html
[2]Solvisto誌 2013年11月号 p4-5「PV価格低下を牽引、住宅用補助金の終焉」
[3]PVeye誌 2014年5月号 p38-39「住宅太陽光 混迷一段と」
posted by 管理人 at 01:31 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内