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2014年08月30日

ジャパンエネルギーグループがメガソーラー向けのパネルユニット「エナジーパネル」(1kW)を発表、施工を大幅に省力化

「ジャパンエネルギーグループ」社が先日、メガソーラー向けユニット化した太陽電池パネル「エナジーパネル」を発表していました[1]。


(アカウント「株式会社ジャパンエネルギーグループ」さんの動画)

これはメガソーラーの施工コストダウンを狙いとした製品で、主な特長は下記の通り。

  • 太陽電池パネルのユニット化
    250Wの太陽電池パネル4枚を1枚(1kW、80kg)にユニット化している。
  • 金属製架台の不要化
    ・専用設計の固定金具「ジョイントブラケット
    ・パネルフレーム裏面の「スベリ樹脂
    等により、従来の金属製架台を不要化した。(縦方向のCチャンネルは必要)
  • 施工時間を大幅短縮
    上記の工夫により、基礎へのCチャンネル取り付け〜「エナジーパネル」4段の設置を、約10分(6人作業)で完了することができる。

XSOL社の「XSOL RACK」や、Hilti社の日本展開もそうですが、最近は特に(電力買取価格の引き下げを背景として)産業用太陽光発電設備の初期コスト低減に向けた取り組み・動きが活発化しているように感じられ、今回の「エナジーパネル」もその流れの中の一つと思われます。

個人的には

  • 一枚80kgのパネルを取り回す際の安全性(輸送時含む)
  • 設置後の強度(特に積雪など、上からの荷重)
といった点が気になりますが、一方で施工の大幅な省力化は間違いなく大きなメリットだと考えられるので、国内のメガソーラーにおいて実際の販売・導入がどれだけ進むことになるのか、強く注目したい製品です。


※参照・参考サイト:
[1]エナジーパネル - メガソーラー事業の導入コストを大幅に削減する世界初の画期的な製品の開発に成功!!(ジャパンエネルギーグループ社)
http://j-energy.biz/information/detail.php?id=1

Hilti社の地上設置用架台を紹介している「日経テクノロジーonline」の記事

「日経テクノロジーonline」の記事[1]で、欧州の「Hiltiヒルティ)」社が手がける地上設置用架台について詳しく解説されていました。

記事によると同社の架台は、一般プラント用の配管支持具が元になっているもので、

  • 横材の位置・角度調整能力(支柱上端の金具、杭打ち深さの調整)
  • 2種類の杭基礎工法(杭打ち工法、キャストイン工法)
により土地形状への対応能力が高く、メガソーラー建設コストの低減に寄与することから、架台で世界トップクラスのシェアを占めているとのこと。

そして記事後半では、欧州で同社製架台の評判を高めたというスペインのメガソーラー(350MW、2010年建設)が取り上げられ、日本市場では最近までその外観(波状に設置された太陽電池パネル)が受け入れられなかった、という状況も紹介されています。


記事に掲載されているメガソーラーの写真は、太陽電池パネルの巨大な帯が大きく波打っているダイナミックなもので、太陽光発電システムと言うと外観的にも静的、と思い込んでいた私には、ある種のカルチャーショックでした。

日本で当初理解が進まなかったというのは、文化・民族性の違いも強く影響していたものと思いますが、そのままの地形での施工ができるのであれば、コスト面だけでなく、例えば工事におけるエネルギー消費量の削減(整地に使う土木建設機械の燃料など)や、土地へのダメージ軽減といった点でも、メリットが非常に大きいものと考えます。

また現場での施工・組立のしやすさについても、相当に洗練されていることが伺えるものであり(下記動画)、電力買取価格が引き下げられ、また認定分と稼動分のギャップが大きい日本の産業用で、今後販売を伸ばしていく可能性は高いものと予想します。


(アカウント「Steflea Petru」さんの動画)

またHilti社は、地上設置用だけでなく建物屋根用の架台も取り扱っているようなので、日本の住宅用太陽光発電システムの導入ハードル(屋根を傷つける懸念など)を軽減するような製品が開発・製品化されることにも、ちょっと期待したいところです。


(アカウント「Hilti Group」さんの動画)

※参照・参考サイト:
[1]世界最大級の架台メーカー、建設費削減を武器に32円市場で拡大目指す(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140818/371119/?ST=pv&P=1
[2]EVERYTHING UNDER THE SUN(Hilti社)
https://www.hilti.com/solar
posted by 管理人 at 02:12 | Comment(0) | 架台

2014年08月27日

Jinko Solarが、浙江省で計500MW・江西省で100MWの太陽光発電事業を計画

Jinko Solar社が今月、中国国内での大規模太陽光発電事業(100MW規模)の2計画を発表しています[1][2]。

いずれも子会社「Jinko Power」が手がけるもので、各事業の概要は下記の通り。

浙江省での事業(2014年8月13日発表)

  • 場所:麗水市の経済開発区
  • 発電容量:計500MW
    100MW(分散型60MW、地上設置型40MW)を5年間続ける予定。
    第1段階は2014年下半期中に、50MWを導入する。
  • 発電電力量:
    全て完成した場合、年5.6億kWhの見込み。(石炭20万tの節約に相当)
  • 投資額:計50億人民元
  • 公的支援:
    麗水市政府は
    建設プロセス
    系統接続
    をスピードアップするため、本事業を支援する。

江西省での事業(同8月22日発表)

  • 場所:横峰県
  • 発電容量:100MW
  • 発電電力量:1.1億kWhの見込み。
  • 投資額:8億人民元
  • スケジュール予定:
    2014年第3四半期:着工
    ・同第4四半期:完成
  • 公的支援:
    本事業は1.2元/kWhの補助を受ける予定。
  • その他:
    Jinko Powerは投資・EPC・O&Mと、事業の全体を担当する。

また[2]では、中国国内におけるJinko Solar社の太陽光発電事業について、Xiande Li会長による

  • 発電所の開発は、これまで北西部で進めてきたが、現在は南や東の海岸地域に移行しつつある。
    これは、地域的なバランスを取る狙いがある。
    (西部でのプロジェクト開発は毎年、寒く厳しい冬の影響を受けているが、東と南の地域の気候はより緩やか)
  • 地方政府との協力と、自社の開発力強化により、自社は大規模プロジェクトのパイプラインを構築した。
    自社の強固な財務基盤と技術的ノウハウは、1年を通してのプロジェクト建設を可能にする。
等の内容のコメントが紹介されています。


一つの事業者が、国内で100MW規模の事業を相次いで発表したことに驚きますが、国土が広大であり、かつ政府が現在積極支援を行っている中国ならでは、という気がします。

もし(Jinko Solarのみでなく)全体としてこのペースが続くのであれば、下半期に導入ペースが一気に加速するという見通し[5]は、十分に的中するものと考えます。

また今回の発表では、これまで内陸部中心だった大規模発電所建設について、他地域への展開も明確に示されているのが、新たな動きとして非常に興味深く、年間を通じての建設事業の効率アップに効果があるのであれば、Jinko Solar以外の事業者でも同様の方針にシフトしていく可能性が高いと考えます。

分散型については、麗水市の事業では計300MWに達すると見受けられますが、それだけの規模のパネルの設置場所となる多数の建物の屋根を、中国国内でどのような仕組みで迅速に確保していくのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考サイト:
[1]Jinko Power Signs Five-year 500 MW PV Project Development Agreement with Economic Development Zone of Lishui City, Zhejiang Province(JinkoSolar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle&ID=1958097&highlight=
[2]Jinko Power Signs Project Investment Agreement for 100 MW PV Power Plants with Local Government of Hengfeng County, Jiangxi Province(同上)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle&ID=1960333&highlight=
[3]麗水市 (浙江省)(ウィキペディア)
[4]横峰県(同上)
[5]今年、中国は新設の太陽光発電設備容量13GWの導入目標を達成(新華社)
http://www.xinhuaxia.jp/business/43361

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:21 | Comment(0) | 海外のメガソーラー

2014年08月23日

戸田建設・筑波技術研究所内の直流給電システムは、晴天時にLED照明の消費電力をほぼ自給可能

戸田建設2014年8月21日に、

  • 筑波技術研究所」内に、太陽光発電+蓄電池の「直流給電システム」を導入した。
と発表していました[1]。

これは「興和」「東京整流器」の2社と共同で行ったもので、概要は下記の通り。

  • システムの機能:
    • 直流電力をそのまま使用
      太陽電池パネルからの直流電力をそのまま、
      ・LED照明
      ・携帯電話の充電装置
      に供給する。
      これにより、直流-交流間の変換(従来システムでは2回必要)が不要になり、約10%の省エネが実現される。
    • 余剰電力の蓄電、夜間利用が可能
      晴天時の就業時間中には、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に蓄える。
      その電力を夜間などに使うことができ、LED照明では使用電力の殆どを賄える。
  • 導入時期:2014年2月
    ※本館に導入済みの太陽光発電システムと組み合わせている。
  • 今後の方針:
    戸田建設では直流給電システムを、国内ZEBにおける規格化・標準化に対応する技術として捉えており、
    • 事務所ビル
    • 生産施設
    等への導入に向け、研究を進める。

各設備の規模は記載されていませんが、[1]に掲載のグラフを見る限りでは、太陽光発電システムが約1.4kW、LED照明は最大700W程度(※最も使用頻度が高い状況で300W程度)。

また協力企業の取扱製品[2][3]から、蓄電池と直流電源関係は東京整流器、LED照明は興和が担当したものと推測します。

[1]のグラフはあくまで晴天時のものであり、また負荷もLED照明のみですが、それでも照明の消費電力を、太陽光発電設備の発電電力で殆ど賄っているのは、建物内での電力の自給自足を実現するうえでの、一つの明確な成果を示しているものと考えます。

直流給電向けの消費機器(家電など)が一般化していない現状では、このシステムの用途もかなり限定されてしまうとは思いますが、直流・交流の変換損失が無いのはやはり大きな利点なので、可能な範囲(照明など)だけでも、実用化は意外に早く実現する可能性があると予想します。


※参照・参考サイト:
[1]ZEB化に向けた直流給電システムを導入(戸田建設)
http://www.toda.co.jp/news/2014/20140821.html
[2]直流電源装置(東京整流器)
http://www.tohsei-kk.co.jp/CHOKURYU.HTM
[3]設備用LED機器・業務用機器(興和)
http://www.kowa.co.jp/products/precision.htm
posted by 管理人 at 23:47 | Comment(0) | 導入施設

三重県津市内で、木製架台「SOLA WOOD」採用の太陽光発電所(150kW)が稼動中

三重県のウェブサイトで、木製架台を用いた太陽光発電施設の見学会の模様が紹介されていました[1]。

この見学会は2014年7月に津市内で行われたもので、発電施設の概要は下記の通り。

  • 事業者:岐阜県の「塩見」社
  • 設置場所:津市美杉町竹原
  • 発電容量150kW
  • 稼動開始時期2014年5月(見学会時点では稼動から3ヶ月目)
  • 架台
    • 製品名:「大日本木材防腐」社の「SOLA WOOD
      価格50kW以下の施設の場合、アルミ製架台同程度
      今回の施設は発電容量が大きいが、発電事業者が製造時の環境負荷を考慮して、木製架台を選択した。
      (木材(製材)の製造時のCO2排出量は、アルミの約1/200と言われているとのこと)
    • 木材:地元・美杉産の杉材を乾燥させて、防腐・防蟻処理を施したものを用いている。
    • 設置数:75

記事の写真を見る限りでも、木製の架台は骨太ながら、やはり温かく親しみやすい雰囲気があります。

低圧設備以外では価格的に不利なようですが、発電設備の印象を和らげる役割から、特に地域の小規模な発電設備に用いられる場合にメリットが大きいのでは、と考えます。

また、素材製造時の環境負荷の小ささも非常に大きな魅力であり、その点でも太陽光発電設備との相性が良いものと考えますが、一方で気になるのは、実地での10〜20年の設置における耐久性(部材どうしの接合部の緩みが生じないか等)であり、その点の観測・検証も、今後この発電設備でなされることを期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]木製太陽電池アレイ架台見学会を実施しました(三重県)
http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2014080277.htm
[2]環境資材製品(大日本木材防腐)
http://www.d-m-b.co.jp/products/kankyo.html
[3]木製太陽電池アレイ架台『SOLAWOOD』(塩見)
http://www.shiomi.ne.jp/solar/sangyo/solawood.html
posted by 管理人 at 14:03 | Comment(0) | 架台

三協アルミが「太陽電池一体型目隠しルーバー」の新型「205タイプ」を発売、セルの大型化などで最大出力を3割以上アップ

「三協アルミ」社が2014年8月19日に、「太陽電池一体型目隠しルーバー」の新型「205タイプ」を発表していました[1]。

これは、視界の遮蔽に用いられるルーバーと、太陽電池パネルを一体化した製品で、概要は下記の通り。

特徴

  • 通常ルーバーとの統一性
    断面形状が同じ一般ルーバー(太陽電池無し)も用意しており、設備の外観を統一できる。
  • 設置対応力
    既存建物への取り付けができ、屋上・階段・壁面部への設置も可能。
  • 発電能力の確保
    • 従来製品「175タイプ」(2011年発売)から、本体や太陽電池セルのサイズを拡大。
      これにより発電容量を高めている。(モジュール1枚タイプでは、最大出力が35%アップ)
    • 太陽電池の傾斜角度は、従来製品と同じ83度(垂直より7度傾斜)。
      これにより発電電力量は、傾斜角度30度の場合の約78%を確保できる。(※垂直設置の場合は約65%)

種類・主な仕様

  • モジュール1枚タイプ
    • サイズ:見付205mm、長さ1535mm
    • 重量:7.5kg
    • 最大出力:38W
  • モジュール2枚タイプ
  • サイズ:見付205mm、長さ3050mm
  • 重量:14.5kg
  • 最大出力:76W
  • 発売日:2014年8月18日

ルーバーなだけに(太陽電池パネルとしては)細長い形状がユニークですが、建材一体型で結晶シリコンセルを用いているのは大林組の外装カーテンウォール一体型と同様であり、高い透過性の確保や格段の軽量化といった特殊な条件が無ければ、結晶シリコン型も建材一体型において十分にメリットを発揮できる、ということだと思われます。

また個人的には、垂直から10度未満の傾斜をつけるだけで、30度設置での発電量の約8割相当を確保できる、というデータに(今更ながら)驚きました。

今回の製品とは全く別のことですが、例えば小型独立電源の小型パネル(数十W程度)を室内の窓際に置く場合についても、少ない設置スペースで高い発電電力量を得られるということであれば、パネルの設置場所の悩みがかなり軽減されるように思われます。


※参照・参考サイト:
[1]新型「太陽電池一体型目隠しルーバー 205タイプ」発売(三協アルミ)
http://alumi.st-grp.co.jp/news/2014news/om20140819.html

2014年08月22日

2014年の中国からの「光電池」輸入数量は前年同期比約3割増、輸入金額は約9割増

日本貿易振興機構JETRO)が8月19日に、「2014年上半期の日中貿易」に関する統計資料を発表していました[1]。

この中に、中国からの「光電池輸入に関する記述もあり、その概要は下記の通り。

  • 輸入数量:前年同期比約3割増
  • 輸入金額:同約9割増
  • 背景:
    消費税増前に住宅用太陽光発電システムの駆け込み需要が発生。
    これにより、同システムに用いられる光電池の輸入が増加した。

「光電池」は「半導体等電子部品」のカテゴリに入っており、セルとモジュールのいずれを指すものなのか(或いは両方?)は不明ですが、JPEAによる2014年1-3月の国内出荷統計[2]では、海外生産セルの国内出荷量が前年同期比約7倍、同モジュールは1.9倍だったので、いずれにせよ今回の中国からの輸入数量(1-6月分)の伸びは、意外に小さい印象です。

気になるのは、数量が3割増の一方で、金額は9割増であることから、製品単価は(単純計算で)1.9/1.3=約1.46倍と、前年同期と比べて大幅な値上がりとなっていることです。

つい先日のBloombergの記事では、太陽電池パネルの需給バランスが逼迫しつつあるとの状況が報じられており、その点では製品価格の値上がりは理解できるものですが、一方で同記事では、需給逼迫でも価格は押し上げられないとの予測も示されており、今回の中国からの輸入実績を見る限りでは、既にその予測が外れる動きが出ているようにも思われます。

もう一つ、JETROの発表資料では、中国製「光電池」の輸入増について、住宅用太陽光発電システムでの需要急増が要因として挙げられていますが、2013年度末時点の再生エネ発電の認定・稼動状況では、住宅用よりも非住宅のほうの稼動設備の伸びが明らかに大きいので、JETROの発表内容については疑問を持つものです。


※参照・参考サイト:
[1]2014年上半期の日中貿易(双方輸入ベース) ‐輸出入ともに増加に転じる。対中貿易赤字は約4割増‐(日本貿易振興機構)
http://www.jetro.go.jp/news/releases/20140819742-news
[2]日本における太陽電池出荷統計 平成25年度第4四半期および平成25年度(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h254q.pdf
posted by 管理人 at 01:20 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2014年08月20日

太陽電池パネルの需給バランスが逼迫に向かっている、とのBloombergの記事

Bloombergの記事[1]で、現在の太陽電池パネル需給状況について、非常に興味深い内容が書かれています。

その中から、主な数字などを抜き出してみました。

世界の太陽光発電導入量

  • Bloomberg New Energy Financeによると
    • 2014年:52GW
    • 2015年:61GW
    の見込み。(※2013年実績は40GW)

太陽電池産業の生産能力

  • BNEFの推定値:約70GW/年
  • 古い(収益性が無い)・または廃止された生産設備を除いた推定規模:約59GW/年(IHSのアナリストによる数値)

メーカーの状況

  • Canadian Solar社:
    GCL-Poly Energyと合弁で、中国で新しいセル工場(初期の年産能力300MW)の建設を着工した。
  • REC Solar社:
    「意味があり稼動中の工場のみで考えると、需給はほぼ肩を並べている」(上級副社長)
  • SunPower社:
    今年7月に、年産能力700MW以上の新工場(2017年に稼動開始予定)の建設を着工した。
    「我が社のパネルが供給不足の状況にある、と言うことはフェアだろう」(CEO)
  • 製造装置メーカーの独Manz AG:太陽電池の需給ギャップは、2014年末に閉じると予想する。

需要者側の状況

  • 住宅用システムを手がけるSolarCity社:
    (今年6月に行った太陽電池パネルメーカーの買収について)メーカーとの供給契約が無ければ、自社が必要なパネルを保有できない、と考えたため。

製品価格の見通し

  • Recurrent Energy社:
    パネルが不足しても、(他の産業のように)価格は押し上げられないだろう。
    これは、高い価格ポイントでの自然な需要が起こっていないためである。
    もし価格が上がりすぎた場合は、顧客は他(例えばガス、風力)に移動する。

最近の数年間は、太陽電池パネルの供給過剰が多数報じられてきたので、ここに来てはっきり需給が逼迫しつつあるというのは意外な印象でしたが、それだけ業界の再編が進んだことも伺えます。

実際に、相当規模の生産能力増強に着手した海外メーカーもあるとのことで、生産コスト低減のために、最新の製造装置に対する需要も高まると考えられ、パネルのダブつきに合わせて長く低迷が続いてきた製造装置市場についても、今後は一気に活況に転じる可能性が考えられます。

ただ日本メーカーについては、例えばシャープは海外生産事業からの撤退OEM調達へのシフトを同時に推進。
また、他メーカーについても積極的な生産能力増強の動きは聞こえてきておらず、国内メーカーは総じて保守的な姿勢を取っているものと想像されますが、太陽光発電市場は現状では政策に大きく左右される以上、その慎重姿勢も一理あるとは思われます。

気になるのは、需給の差が縮まりつつもパネルの価格は上がっていないという点ですが、これは逆に見ると、供給過剰による急激な下落で、ようやく一般的な需要者に受け入れられる(製品の機能に対しての)価格水準に到達できた、ということであり、最低でも現在の価格水準を維持することが、太陽光発電の導入・普及を更に進めるうえでの必須条件、ということだと考えます。

また、需給バランスに見合った価格上昇が起きていない、というRecurrent社CEOのコメントには、太陽電池パネルがまだ「必需品」にはなっていない(他で代わりが効く)現状が伺え、電力の調達手段として、太陽光発電システムの性能アップとコストダウンはまだまだ進む必要があることを、再確認させられるものです。


※参照・参考サイト:
[1]Solar Boom Driving First Global Panel Shortage Since 2006(Bloomberg)
http://www.bloomberg.com/news/2014-08-18/solar-boom-driving-first-global-panel-shortage-since-2006.html
posted by 管理人 at 01:45 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)

2014年08月16日

福島県いわき市内の傾斜地(30度)で太陽光発電設備の実証試験が開始、奥地建産の工法を採用

ニュース記事[1][2]で、

  • 福島県いわき市内で、傾斜地における太陽光発電設備の実証試験が開始された。
と報じられていました。

事業の概要は下記の通り。

  • 背景:
    傾斜地は建設用重機の進入などが困難であるため、太陽光発電設備を設置する場合、整地などの費用がかさむ。
  • 実施者:「奥地建産」と「いわき明星大学」の2者
    NEDOによる「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」の委託事業の一つ。
  • 発電設備:
    • 設置場所:いわき明星大の敷地内の、南向き斜面(斜度30度)
    • 発電容量:49.14kW
    • 太陽電池パネルの設置枚数:252
    • 設置面積:673m2
  • 施工の工夫:
    • 小径鋼管杭工法
      細い特殊パイプでを打ち、そこに架台を組み立てる。
      また架台フレームは、工場で組み立て済みのものを用い、現場での作業負担を軽減。
      更に使用する鋼材量も、従来比で2割減らしている。
      (※将来的には、施工コストを一般家庭用と同等まで引き下げることを目指す)
    • 架台の位置調整が可能
      位置調整用の部材を追加したことで、地面が隆起している場合も、架台をバラつきなく設置できる。
  • スケジュール:
    2014年6月17日に発電開始。
    2015年2月末まで、稼動データ(発電量、耐久性など)を蓄積していく。

傾斜30度というと相当な急斜面ですが、[1][2]の写真を見る限りでも、やはりかなり急峻であり、施工の負担も(平地に比べて)格段に大きくなることが容易に想像できます。

実験設備に用いられた工法は、組立済みの架台フレームに軽量化といった点から、基本的には「サンキャッチャー・フィールド」[3]と類似の方式と推測しますが、なにしろ施工場所が平地ではないだけに、基礎となる杭をどのように施工して強度を確保するのか(大きい機械を使わず、どうやって十分深く打ち込むのか等)は、非常に興味を引かれるところです。

また実用化においては、地すべりが起きる可能性についての(施工前の)調査・確認や、(稼動開始後の)保守・メンテナンス作業向けの足場確保といった点も必要になると考えられ、それらについても今回の実証実験で何らかの知見が得られることを、期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]傾斜地で「太陽光発電」 いわき明星大で実証試験始まる(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/topic/140813/topic1.html
[2]急斜面に太陽光発電設置 実証試験を開始 いわき明星大 奥地建産と共同研究(福島民報)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014081317437
[3]サンキャッチャー・フィールド(奥地建産)
http://www.okuji.co.jp/pv/suncatcher/field.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:12 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2014年08月15日

JinkoSolarが、南ア・ケープタウンで太陽電池モジュール工場(年産能力120MW)を完成

JinkoSolar社が2014年8月11日に、南アフリカ太陽電池モジュール工場を完成したことを発表していました[1]。

同国における海外メーカーのモジュール工場は、今回が初とのことで、その概要は下記の通り。

  • 場所:ケープタウン内の「Epping Industrial 1」
  • 敷地面積5000m2
  • 生産能力:年120MW
    中国での最先端の生産設備をモデルにしている。
  • 投資額:約750万米ドル
  • 雇用人数250人の見込み

またJinkoSolar社では2012年以来、南アフリカ市場でのモジュール供給実績が300MWに達しているとのことです。


Jinko Solarは約1年前にも大規模発電所向けの供給契約(94MW分)を発表しており、南アフリカ市場での展開で先行している印象ですが、今回の現地工場新設についても、それだけ同市場でのモジュール需要に手応えを掴んでいる、ということだと推測します。

中国の太陽電池メーカーとしては、(FITでの認定分・稼動分の差が莫大な)日本市場はともかく、かつての最大需要先である欧州市場が急速に縮小し、更に最近は米国向け輸出も急減速しているだけに、他市場開拓の必要性がより増していると思われますが、その中で南アフリカが(Jinko Solarに限らず)新しい有力市場の一つになるのか、強く注目したいところです。

また新工場の立地場所であるEppingは、海に近い工業地域であり[2]、南ア国内向けだけでなく、他地域への輸出用としても、Jinko Solar社の重要拠点になる可能性があるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]JinkoSolar Opens Solar Module Factory in Cape Town, South Africa(JinkoSolar社)
http://www.jinkosolar.com/press_detail_969.html
[2]Epping, Cape Town(Wikipedia)

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:01 | Comment(0) | 中国メーカー