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2014年09月30日

東北電力・四国電力も再生エネの接続回答保留を検討、との報道

つい先日に九州電力が再生エネの接続回答保留を発表したばかりですが、同様の動きが他の電力会社にも相次いでいるようです。

まず東北電力2014年9月25日の定例記者会見において、FITにおける接続申し込みの受付中断検討する方針を示したとのことで、[1]によるとその背景は下記の通り。

  • 東北電力管内での2013年夏季ピーク需要は、約1300万kW。
    しかし太陽光発電・風力発電の設備認定容量2014年5月末時点)は、約1074万kW(上記ピーク需要の82,6%)に達している。
  • このため、電力供給量が消費量を上回ることで、大規模停電の発生が懸念される。

ただし何故か、東北電力ウェブサイト内の発表[2]では、この件に関する記述は全く有りません。

また正式発表は無いものの、四国電力も同様の検討に入っているとの報道がされています[3][4]。


ここに来て唐突に、再生エネの受け入れ限界が浮上してきた感がありますが、それだけ今年3月(電力買取価格の引き下げ前)の認定申請の激増が、電力会社の見通し(再生エネの導入ペース予測)を遥かに上回るものだった、ということが推測されます。

単純に電力需要と認定設備容量の数字(kW)だけを見れば、すぐに受け入れできないことが非常に勿体無いと感じますが、実際にこのような状況になっている以上は、需要と供給を高精度でマッチングする必要がある、という電力の難しさを、国民全体が広く認識しておく必要があるとも考えます。

とはいえ、燃料消費が要らない電源を大規模導入する機会を、みすみす見逃す可能性もあるという意味では、非常に歯がゆいものがあります。


※参照・参考資料:
[1]東北電も再エネ受け入れ中断検討(ネットアイビーニュース)
http://www.data-max.co.jp/company_and_economy/2014/09/17738/0929_dm1345_2/
[2]9月定例社長記者会見概要(東北電力)
http://www.tohoku-epco.co.jp/news/press/1188224_1067.html
[3]再生エネ優遇見直し、政府検討 四国電も太陽光買い取り保留へ(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF26H2P_W4A920C1EE8000/
[4]電力買い取り抜本改定 各社契約中断受け(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=84321

※関連記事:

2014年09月25日

九州電力が九州本土での再エネ接続回答を保留、数ヶ月間で接続可能量を検討する方針

九州電力2014年9月24日に、

  • 九州本土での再生可能エネルギー発電の接続申し込みについて、接続可能量を検討する必要があるため、回答を暫く保留する。
との方針を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • FITにおける太陽光発電の<認定量・稼動済み量の双方で、九州は全国の約1/4を占めており、他地域と比べて突出している。
  • 九州電力への太陽光発電の接続申し込みは、2014年3月の1ヶ月間のみで約7万件(過去1年分の申込量に相当)に到達。
    それらの内容を確認したところ、
    • 2014年7月末現在の申込み量が全て接続された場合、太陽光発電・風力発電の接続量は、1260万kWに達する。
    • その全てが発電した場合、需要が少ない時期(春・秋の晴天時など)には、昼間の消費電力を供給電力が上回り、電力供給の安定維持が困難になる。
    との見通しが得られた。

対応

  • 九州電力では、
    • 昼間の揚水運転
    • 地域間連系線による九州の外への送電
    等、現状で可能な最大限の改善策をとった場合の、再生エネの受け入れ可能範囲を見極めるため、数ヶ月間検討を行う。
  • その検討期間の間、事前相談・接続検討・接続契約
    • 申込済みの発電事業者
    • これから申込み予定の発電事業者
    については、接続可否の回答を保留する。
  • 回答保留の対象となるのは、低圧・高圧・特別高圧
    家庭用の太陽光(10kW未満)などは、当面は対象外となる。
    また保留対象であっても、下記要件の全てを満たす案件については、個別協議を行う。
    • 九州電力が指定する期間・時間帯において、
      蓄電池の併設による、系統への電力流入の停止
      遠隔操作による、発電設備の停止・出力抑制
      等が行える設備・機能を備える。
    • 九電からの出力調整の要請に、無補償で応じる。
    • 発電設備の出力の調整実績などを記録する装置を備えて、九電の要請に応じて記録を提出する。

九州本土での回答保留については、今月に入って報道が先行していましたが、結局は事実だったようです。

個人的にはまず保留云々よりも、現在の日本の相当規模の地域において、(あくまで特定の条件・時期に限られるとはいえ)再生エネの導入・稼動により、電力供給が電力需要を上回る可能性が明確に存在する、ということを電力会社が公式に発表したことに驚きました。

原発停止(それに伴う火力発電向けの燃料調達コストの増加)を根拠に電力料金の大幅値上げを申請した電力会社がある一方で、化石燃料の消費が原則として必要ない再生エネの導入・接続にブレーキをかけざるを得ない地域が出ている、というのは、何とも複雑な気持ちになります。

しかし、電力は(実体のある物質のように)貯蔵が容易でないことも事実であり、今回の回答保留の件についても、蓄電技術の進歩(初期コストのダウン含む)が十分でさえあれば事情は一変する(再生エネの発電電力を十二分に活かせる)・・・と思うと、非常にもどかしいところです。

ただ、日本国内での再生エネによる電力供給能力の可能性を示している出来事とも捉えられ、単純に全てがネガティブな状況でもないとも考えます。


※参照・参考資料:
[1]九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/press_h140924-1.html

※関連記事:

野鳥によるメガソーラーへの影響を扱っている、3つのニュース記事

偶然とは思いますが、野鳥によるメガソーラーへの影響を取り上げているニュース記事が、最近相次いでいました[1]〜[3]。

それらの内容から、実例・データを中心に下記にまとめてみました。

絶滅危惧種「チュウヒ」への配慮[1]

  • 背景:
    FIT開始(2012年7月)後、多数の自治体・企業が空き地の活用を狙い、メガソーラーに参入。
    しかしそれらの土地は、長年の放置により葦が生育しており、そこに餌となる小動物(鼠など)が住み着いていることで、チュウヒの営巣地になっている場合が多い。
  • 紹介されている事例:
    • 秋田県能代市内の県有地:2012頃にメガソーラー計画が浮上したが、チュウヒの生息が判明したため中止された。
    • 茨城県坂東市内の沼地(民有):メガソーラー設置に住民・環境保護団体が反発しており、現在地権者との協議中
    • 岡山県瀬戸内市の塩田跡地:メガソーラー事業の面積を2/3に縮小
    • 石川県・河北潟干拓地の土地改良区の国有地:メガソーラーの設置場所を変更する方針。
    • 木曽岬干拓地(丸紅による事業):
      保全区が設けられているが、「日本野鳥の会」によると、事業着工(2013年7月)以降はチュウヒが寄り付かなくなった
    • 堺市と関西電力による、大阪府有地のメガソーラー(稼働済み):
      開発開始以降、チュウヒの営巣確認されなくなった

「甲斐の国メガソーラーステーション」での糞害[3]

  • 発電施設の概要
    • 事業者:東京の「斉藤倉庫」社
    • 場所:山梨県甲府市内の倉庫の屋根
    • 発電容量:約1MW
    • 稼動開始時期:2013年6月
    • その他:
      あるストリング(パネル14枚)の出力が、他のストリング比で1割以上低下した場合には、エラーを通知する設定にしている。
  • 糞害の状況
    • 冬にストリングの出力低下が頻発
      ストリングでのエラーが冬に増加したので調べたところ、カバーガラス上の広範囲に、鳥の糞が残っているパネルが多数あった。
      その原因として、下記2点が考えられる。
      冬の気候
       パネル上の鳥の糞は、通常は雨である程度洗い流される。
       しかし、冬は乾燥する日が多く、また雨も少ないため、糞が残りやすい。
      糞の特性
       冬は水鳥や渡り鳥が、太陽電池パネル上で暖を取っているとみられる。(※設備の場所は、川や木々に近い)
       それらの鳥は甲殻類(ザリガニ、カニ)・などを食べており、その糞は鳩や烏よりも広範囲を覆う。
  • 対応
    • 防鳥用の網
      糞が多い場所(古い棟の北側)に網を設置し、鳥避けを図ったが、鳥はその場所を避け、別のパネル上に止まるようになった。
    • 費用対効果で苦慮
      糞対策の費用は、糞による売電額の減少分を超える場合が多いため、対応に悩んでいる。

カラスによるパネル破損[3]

  • ガラスの割れと配線の損傷
    宇都宮大学農学部の教授の方は、カラスによるメガソーラーでのパネル破損について、数社から相談を受けた。
    その内容は次の通り。
    • 石によるガラス破損:カラスが上空から落とした石により、ガラスが割れた。
    • 配線の損傷:パネル間の配線を、カラスがクチバシで突き、損傷した。
    ただしいずれのケースも、被害は設備の一部に留まっていた。
  • 近隣の畜舎による影響
    上記の相談ケースのうち、2ヶ所は酪農用の畜舎に近かった。
    畜舎において、家畜の餌の管理方法が粗雑な場合、近隣地域には野鳥(カラス等)が集まりやすいことがある。
  • 石落としは長く続かない
    カラスは様々な物を咥えて飛び、上空から落とす遊びをすることが、良く知られている。
    太陽電池パネルに石を落とす行動も、その延長と考えられるが、その行動は一定期間続くものの、その後は止まるとみられる。

今回の3記事だけでも、野鳥に絡んでかなり多様な状況が生まれていることが伺えますが、太陽電池パネルを大量設置する施設は、この1〜2年で急増してきたものであり、また鳥は特に移動スピードと行動範囲が大きいことから、際立って問題が顕在化してきているものと推測します。

そしていずれのケースも、大規模太陽光発電が社会インフラの一つとなっていく上で、解決・融和を図っていく必要がある課題だと思います。


長年の空き地が絶滅危惧種の営巣地になっている、というのは盲点でしたが、自然環境は人間の一方的な都合どおりには行かない、ということを改めて感じさせられます。

太陽光発電事業とどちらを優先するかという点は、一括りに結論を出せるものではなく、各々のケースで丁寧に実情(鳥の生育環境、地域経済の状況など)を調査し、完璧な答えは難しくとも、妥協点を見つけていくことが必要だと考えます。


鳥の種類(主食の内容)や、メガソーラーの周辺環境にも依るようですが、パネルへの糞の付着により、ストリングの出力が1割も低下することが頻繁にある、ということには驚きます。

対策としては、鳥がパネル上に来ること自体を防ぐか、または付着した糞をこまめに落とすか、のいずれかだと思いますが、記事[3]を読む限りでは、設備の長期稼動における維持の手間を考えると、(費用がかかるとしても)取り付け場所には鳥避け効果がある網をできるだけ設置していくのが、合理的という気がします。


糞害はカラスでもあると思いますが、より直接的な設備破損の被害を起こしている、ということには驚きました。

ただメガソーラーでは、発生場所・期間ともにかなり限られているようで、発電設備の設置から時間が経つことで(カラスが飽きて)自然に解消されるものならば良いのですが、カラスは広く多数が生息しているだけに、今後早期に実情が明確になってくるのでは、と予想します。


※参照・参考資料:
[1]メガソーラー阻む絶滅危惧種 野鳥チュウヒ飛来、開発縮小…撤回も(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140923/mca1409230500006-n1.htm
[2]チュウヒ(ウィキペディア)
[3]高温に積雪、鳥の糞害、幾多のトラブルを乗り越えた甲府の太陽光発電所(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/
[4]<第22回>「カラスが太陽光パネルに石を落すのは、遊びの一種」、宇都宮大・杉田教授(同上)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/
posted by 管理人 at 00:43 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

2014年09月23日

米SunPowerの2014年のセル生産量は、約1300MWの見込み

SunPower社が2014年9月15日に、セル生産枚数累計10億を超えたことを発表していました[1]。

その中でセル生産に関する他のデータも示されており、主な数字・状況は下記の通り。

  • 2014年のセル生産量見込み:2つの生産施設(Fab)で計約1300MW分。
  • セル生産能力の増強
    現在、年産能力350MWのFabを建設しており、稼動開始は2015年早期の見込み。

SunPower社におけるセルとモジュールの生産量をだいたい同じと仮定すると、2013年(通期で1134MW[2])比では約1割の拡大になりますが、2014年第2四半期には北米向け出荷量がTrina Solarに抜かれており[3]、中国大手メーカーの生産・出荷の勢いがSunPower社を上回るものであることが推測されます。

ただしその中で、(モジュールのほうの対応は不明ですが)セルのほうでは大規模工場がもうすぐ生産を始める予定とのことで、これが地元市場におけるSunPower社のシェア巻き返しにつながる可能性はあると考えます。

また現在は、モジュールの需給バランスの逼迫も指摘されているので、新工場は結果として、良いタイミングでの稼動開始となるのかもしれません。(流石に偶然だとは思いますが)


※参照・参考資料:
[1]SunPower Achieves Production Milestone, Manufacturing its One-Billionth Solar Cell(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2014-09-15-SunPower-Achieves-Production-Milestone-Manufacturing-its-One-Billionth-Solar-Cell
[2]]SunPower Reports Fourth-Quarter and Fiscal Year 2013 Results(同上)
http://newsroom.sunpower.com/2014-02-12-SunPower-Reports-Fourth-Quarter-and-Fiscal-Year-2013-Results
[3]NPD Solarbuzz: Leading Chinese Solar PV Module Suppliers Continue to Increase Market Share, Despite Global Trade Disputes(Solarbuzz社)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/npd-solarbuzz-leading-chinese-solar-pv-module-suppliers-continue-increase-marke

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:44 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2014年09月20日

日本軽金属が、アルミ製架台「アルソルメガ」の傾斜地向けモデルを発売

日本軽金属」社が2014年9月12日に、

  • アルミ製の太陽電池パネル架台「アルソルメガ」において、傾斜地対応モデルを発売した。
と発表していました[1]。

製品の概要は下記の通り。

開発の背景

  • 平地用の「アルソルメガ」は、
    ・工場でのユニット化(施工現場での作業効率アップ・工期短縮に寄与)
    物件ごとの設計・コスト提案(施工地域の条件、顧客の指定条件に従って構造計算)
    により好評を得ており、販売実績は累計100MW以上に達している。
  • 今後は傾斜地への太陽光発電設置の増加が予想されることから、「アルソルメガ」が傾斜地にも対応できるように、改善・改良を加えた。

主な特徴

  • 設置の容易化
    起伏が異なる傾斜地でも、簡単に設置できる。
    また軽量(アルミ合金製)のため、重機が入れない場所でも設置しやすい。
  • ユニット工法
    平地用と同様に予めユニット化することで、現場での施工時間の短縮につながる。
  • 販売価格のダウン
    販売価格は、従来品と比べて2割程度引き下げている。

NEDOの「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」でも、対象分野(設置場所)の一つに「傾斜地」が挙げられており、今回のアルソルメガの新製品発表と合わせて、平地の適地減少が差し迫った課題となっていることが伺えます。

平地向けアルソルメガの元になったアルミ製架台「アルソル」[2]は、建物屋根への負荷軽減が特徴の一つになっていますが、その点では今回の傾斜地向け「アルソルメガ」も、アルミの軽量さが、設置後の安定性・安全性確保においてどう有利に働くのか、というのは興味を引かれるところです。

ただ基礎については、案件ごとに別途用意する必要があると見受けられるので、傾斜地での太陽電池パネル設置の拡大においては、基礎のほうの技術開発(強度確保と施工効率化の両立など)も進められる必要があるものと考えます。


※参照・参考資料:
[1]傾斜地対応仕様『アルソルメガ』の発売について(日本軽金属)
http://www.nikkeikinholdings.co.jp/news/news/post-26.html
[2]アルミ製ソーラーパネル架台(日軽形材)
http://www2.nikkeikin.co.jp/nkt/manufactured/index11.html
[3]アルミ製メガソーラーパネル架台 『アルソルメガ』(住軽日軽エンジニアリング)
http://www.sne.co.jp/products/alproducts/alsol.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 03:28 | Comment(0) | 架台

ALSOK社がメガソーラー向けに、飛行ロボットを用いる管理支援サービスを発表

警備会社の「ALSOK」が2014年9月12日に、

  • 飛行ロボットを用いるメガソーラー向け管理支援サービス(2015年に正式開始予定)について、プレサービスを開始する。
と発表していました[1]。

サービスの概要は下記の通り。

背景

  • ALSOKではメガソーラー向けでは、既に
    ・リスクコンサルティングサービス
    ・機械警備サービス
    を提供しており、メガソーラー施設の警備サービスではシェア約70%に達している。
  • メガソーラーの増加は続くと考えられるが、 事業者においては、広大な施設の維持管理の効率化が課題となっている。
    ALSOKではその対応策として、飛行ロボットを用いる管理支援サービスの開発を進めており、これまでの実証試験では、飛行ロボット活用の有効性(コストの低減、短時間での情報取得)が確認されている。

プレサービス:

  • 内容:
    • 用地選定の支援
      飛行ロボットの空撮画像から、3D地形データを生成して提供する。
    • 工事進捗管理の支援
      飛行ロボットにより定期空撮を行い、画像を提供する。
    • 太陽電池パネルの点検(ホットスポットの探査)
      発電設備の稼動開始後に、飛行ロボットの空撮画像(可視カメラ/赤外線カメラ)により、ホットスポット発生の疑い箇所を報告する。
  • 提供の対象:既存の契約先
  • 提供開始時期:2014年10月1日
    正式サービス2015年4月開始の予定。

日本ではまだ、飛行ロボットへの馴染みは薄いと思われますが、例えば海外メーカー「Aeryon」[2]の製品は、既に商業用や軍用・公共の安全対策に広く用いられているとのことで、サイトを見る限りでも撮影能力が非常に高いことが伺えます。

ALSOK社が今回のサービスで、どのメーカーの飛行ロボットを採用するのかは不明ですが、既にメガソーラーの警備で実績を挙げている企業が認めたものということで、相応の性能・信頼性を備える機種を用いることが推測されます。

今年度はまだ、既存契約先向けのプレサービスであり、実際の運用での有効性はその中で検証されていくものと思いますが、果たして飛行ロボットが、メガソーラーのO&Mコストの引き下げに大きく貢献するものとなるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ALSOK、飛行ロボットで空からメガソーラー発電施設をみまもり(ALSOK社)
http://www.alsok.co.jp/company/news/news_release_details.htm?alpc_news.news_detail[id]=2644
[2]Aeryon Labs Inc.
http://www.aeryon.com/
posted by 管理人 at 02:36 | Comment(0) | 監視・メンテナンス

2014年09月16日

埼玉のPLAN社が高品質・低価格の太陽電池パネル「こむぎっちソーラー」を発表、国内製「PLAN 300W」は1枚3万3000円

埼玉県の「PLAN」社が、高品質・耐久性と低価格を同時に追求した太陽電池パネルこむぎっちソーラー」を発表していました[1]〜[4]。

この製品では、国内製「PLAN」と海外製「WORLD」の2タイプが用意されており、概要は下記の通り。

「こむぎっちソーラーPLAN」

  • 主な特徴:
    • 国内自社工場で製造
      埼玉県上里町の自社工場で製造する。
    • 全製品をEL検査
      出荷前にマイクロクラックの有無を確認して、不良品の混入を防ぐ。
    • 国内メーカー製の部材を採用
      下記のような日本メーカー製部材を用いることで、品質・耐久性の確保に努めている。
      ・導電ペースト:
       低温(160度)でのハンダ付けができ、セルの反りや割れ発生を軽減する。
      ・EVA:
       トッパン社製。
       封止材の体積抵抗値(絶縁性)を高めることで、PID発生を抑制する。
      ・バックシート:
       同じくトッパン社製。
       設置後20年での検査実験をクリアした製品を用いている。
    • モジュール強度の確保
      カバーバラスには、4mm厚の強化ガラスを採用。
      またパネルの裏面には、サポートバーを備えている。
    • 低価格を実現
      「産地直送」により、流通の中間マージンを大幅に削減する。
    • 楽天市場で販売
      2014年10月上旬に発売開始の予定。
      製品の認知度アップと、注文のしやすさを狙う。
  • 製品の種類:
    • 産業用こむぎっちソーラーPLAN 300W」:
      ・セルの種類:多結晶型
      ・公称最大出力:300W
      ・外形サイズ:1956mm×990mm×50mm
      ・保証期間:
       施工IDの有無により異なる。
       ・施工IDを取得している販売店・施工会社:20年
       ・施工IDを取得していない販売店・施工会社・個人:1年
      ・価格(税、送料別):
       メーカー・施工会社・個人のいずれにも、同価格で販売する。
       ・1枚:3万3000円
       ・1パレット(20枚セット):61万2000円

「こむぎっちソーラーWORLD」

  • 主な特徴:
    • 海外製パネル全品を国内検査
      中国の大手メーカーが製造したパネルを全品、PLAN社の日本国内工場で検査。
      マイクロクラックや輸送時の破損などをチェックし、不良品の出荷を防ぐ。
    • 保証はPLAN社が対応
      故障や不具合があった場合は、製造メーカーではなくPLAN社が保証する。
  • 製品の種類:
    製品名用途セルの種類公称最大出力モジュール変換効率外形サイズ価格(税・送料別)
    中国製こむぎっちソーラーWORLD 300W産業用多結晶300W15.46%1956×992×40mm販売会社・施工会社・個人を問わず同額。(以下同じ)
    ・1枚:2万7000円
    ・1パレット(20枚):51万円
    同「200W住宅用単結晶200W15.67%1580×808×35mm・1枚:1万8000円
    ・1パレット:1枚あたり1万7000円
    同「100W住宅用単結晶100W18.3%・1枚:9000円
    ・1パレット:1枚あたり8500円

PLAN社は元々は製本会社とのことで、文字通り「異業種」からの、(競争が激しい)太陽電池パネル市場への新規参入ですが、発表を見る限りでは、品質と価格の両方で、かなりの訴求力を持つ製品だと感じます。

同社は自社設備に設置した太陽光発電システムで、工場の使用電力量の70%相当を発電しているとのことなので、今回の新製品には、「良い製品をより安く」という、ユーザーとしての理想が込められているとも感じられます。

地域の太陽電池パネルメーカーでは、約2年前に福岡県「YOCASOL」社が経営破綻していましたが、今回のPLAN社は(少なくとも今回の発表内容からは)国内向けのみの展開と見受けられ、製品の生産・供給を安定させることができれば、日本の消費者・ユーザーの需要に的確に応える製品として、一定のポジションを築く可能性はあると考えます。

太陽光発電の新規認定に減速感が出てきた中で、更なる初期コスト低減をもたらす意外な伏兵となるのか、まずは10月の発売開始を待ちたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]こむぎっちソーラーPLAN(PLAN社)
http://www.kamiwaza.jp/hp-module/module-top.html
[2]中国製こむぎっちソーラーWORLD(同上)
http://www.kamiwaza.jp/hp-module/world-module.html
[3]上里町ご当地ソーラーパネル登場!楽天市場にて『太陽電池モジュール こむぎっちソーラーPLAN』日本で検査した海外製も同時に10月上旬発売予定!(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140916/prl1409161110031-n1.htm
[4]製本会社が太陽電池モジュール製造に参入(進建ハウジング)
http://www.s-housing.jp/archives/58984

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:11 | Comment(0) | 他の国内メーカー

2014年09月13日

2014年上半期の中国の太陽電池モジュール生産量は15.5GW(前年同期比34.8%増)、世界の60%超を占める

ニュース記事[1]で、2014年上半期中国の太陽電池産業の状況が報じられていました。

この中で「工業情報化部電子情報司基礎処」の処長の方が示したものとして、下記の数字が紹介されています。

  • 中国の太陽電池モジュール生産量15.5GW(前年同期比34.8%増)
    世界の60%超に相当。
  • 国内に新設された発電設備の容量5.5GW
    ※累計では24GWに達している。

米Solarbuzzのレポートでは大手中国メーカーの2014年第2四半期のモジュール出荷量は約6.6GWとされており、それと今回の数字(中国メーカー全体での1-6月の生産量15.5GW)は概ね辻褄が合っていますが、ただ中国メーカーでは(反ダンピング関税・相殺関税の回避策などとして)外注へのシフトを強めている動きもあり、その分が今回の数字にどう考慮されているのか、というのは気になるところです。

中国国内での新設容量については、こちらもモジュール生産量の1/3弱であり、Solarbuzzのレポートの数字(大手中国メーカーの総出荷量のうち、国内向けが約1/3)と整合性があると感じられます。

中国の(少なくとも)大手メーカーについては、出荷先地域が一部に偏っていないことから、今後不意・突然に、ある地域で市況の変化が起こった場合でも、現在の生産・出荷のペースをある程度保てるのでは、と考えます。


※参照・参考資料:
[1]上半期の太陽電池主要製品の輸出15.9%増―中国メディア(新華社)
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/394759/

※関連記事:
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2014年09月12日

Hanwha SolarOneとHanwha Q-Cellsの2014年第2四半期は、モジュール出荷量は伸びるも営業利益が大幅減

ニュース記事[1]で、Hanwha SolarOne社とHanwha Q-Cells社の2014年上半期1-6月)の業績が紹介されていました。

これと各社の公表資料[2]〜[4]から、業績の主な数字をまとめてみました。

Hanwha SolarOne

  • 2014年第1四半期(1-3月)
    • 売上高1億8310万ドル
    • 営業損益350万ドルの黒字
      2011年1Q以来の黒字転換だった。
    • モジュール出荷量323.6MW
    • 販売価格の平均0.69ドル/W
  • 同第2四半期(4-6月)
    • 売上高1億7850万ドル
    • 営業損益640万ドルの赤字
    • モジュール出荷量339.5MW
      地域別の割合は、
      ・アジア太平洋:70
       ・日本:53
       ・韓国:9
       ・中国:6
      ・欧州とアフリカ:12
       ・英国:9
      ・北米:18
       ・カナダ:7
    • 販売価格の平均0.67ドル/W
    • 背景:
      欧州(販売価格が高い)での販売減少(特に、インセンティブの見直しがあった英国
      中国(販売価格が安い)での販売量増加
      により、出荷量が増えながらも減収減益となった。

Hanwha Q-Cells

  • 2014年上半期(1-6月)
    • モジュール出荷量539MW(前年度比68%増)
      欧州メーカーではトップ。
  • 同第2四半期
    • 営業損益79億ウォンの黒字(前四半期比61

また[1]では、サムスン証券の研究員による

  • 「中国の低価格メーカー各社は設備投資額が韓国企業の30−50%程度と価格競争力がある」
とのコメントが紹介されています。


[1]を読んだ時点では、(第2四半期の減収減益が強調されていることから)中国メーカーが出荷量を大きく伸ばした一方で、2社が割を食ってモジュール出荷量を落としたのでは・・・と思っていましたが、実際には出荷量自体は伸びているのが非常に意外でした。

それだけ、第2四半期は販売価格の低下が大きく影響したことが伺えますが、中国の低価格メーカーの設備投資額が韓国企業の3〜5割ということには更に驚かされます。

その「低価格メーカー」の具体的な企業名は判りませんが、仮に有名ではないメーカーで、品質が落ちる代わりに製品価格が安いとしても、同じカテゴリーの製品を作っている企業として、設備投資額の少なさはちょっと異常という気もします。

欧州米国での中国製モジュールに対するペナルティー措置の議論では、中国メーカーが政府補助により不当な価格競争力を得ている、と指摘されていましたが、それは現在も形を変えて続いているのでは・・・と疑念を持ちます。

それはともかくとして、英国では第1四半期に大規模設備でROCs(再生可能エネルギー証書)のプレミアム引き下げ前の駆け込み設置があったことから、反動による第2四半期の需要減速は仕方が無いものと思われますが、同国政府は産業用太陽光発電について屋根設置推進にシフトする方針を公表済みであり、太陽光発電の導入姿勢には特に陰りが見られないことから、第3四半期以降も英国市場は(第1四半期以前よりは落ちるものの)一定の需要を維持し続けるのでは、と予想します。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電:韓国企業、中国・欧州市場で苦戦(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/09/10/2014091002641.html
[2]Hanwha SolarOne Reports Second Quarter 2014 Results(Hanwha SolarOne社)
http://investors.solarfun-power.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=868105
[4]Hanwha Q CELLS Increases Production Capacity to 1.5 GW by the End of the Year(Hanwha Q-Cells社)
http://www.q-cells.com/en/company/press/article/Hanwha-Q-CELLS-Increases-Production-Capacity-to-15-GW-by-the-End-of-the-Year.html
[3]ハンファQセルズ、2014年度末までに生産設備を1.5 GWまで拡大予定(同・日本語サイト)
http://www.q-cells.jp/pdf/20140813.pdf
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2014年09月10日

First Solar社がCdTe薄膜セルで変換効率21.0%を達成、CIGS型・多結晶シリコン型の記録を上回る

もう1ヶ月ほど前になりますが、First Solar社が2014年8月5日に、

  • 研究段階のCdTe薄膜太陽電池セルで、セル変換効率の新記録(21.0%)を達成した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • セル変換効率21.0
    ※前回の記録は、2014年2月の20.4%。
    ※今回の数値は、
     ・CIGSセル20.9%)
     ・多結晶シリコンセル20.4%、2004年に記録)
     の各記録を上回る
  • 認定機関:「Newport Corporation」のTechnology and Applications Center PV Lab
    また今回の数値は、米NREL(国立再生可能エネルギー研究所)のチャート表「Best Research-cell Efficiencies」に掲載されている。
  • 作製場所:Ohio州Perrysburgの製造工場と研究開発センター
    製造工程と素材は、商業規模の生産向けに設計されたものを用いている。

また発表では、First Solar社のCTOの方による

  • 今回の数値は、単接合の薄膜太陽電池セルにおける変換効率の最高記録というだけでなく、長年の大量生産により証明されている、商業規模の生産工程や素材に基づくものである。
  • 競合技術においては、緩やかな性能向上のために、高価な素材や製造工程をより多く使うようになっている。
    一方自社では、製造工程の改善と同時に、業界を先導するエネルギー密度への迅速な道筋を確立している。
等の内容のコメントも紹介されています。


同じ化合物薄膜型であるCIGSはともかく、現在の主流技術の一つである多結晶シリコン型のセル変換効率をCdTe型が上回った、というのは確かに驚きですが、一方でモジュール変換効率では、2014年第2四半期の生産品の平均が14.0%と、(製品にもよるが)結晶シリコン型モジュールにまだ及んでいません。

ただそのモジュール変換効率(量産品)も、前年同期(13.0%)・前四半期(13.5%)から確実に向上しており、こちらもそう遠くない将来に、結晶シリコン型に匹敵する水準に到達する可能性が高そうです。

それと関連しますが、First Solar社の記録発表においては、(従来もそうでしたが)商業生産との共通性が強くアピールされており、その両者のギャップの小ささは、中国メーカーがモジュール出荷量上位を占めつつある中で、差別化を図り生き残っていくための、武器の一つになるのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Builds the Highest Efficiency Thin Film PV Cell on Record(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=864426
[2]Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=773467&filekey=f4d156e1-1b55-46dd-8539-f3361256476a&filename=Q2_2014_Earnings_Call_Presentation.pdf

※関連記事:
posted by 管理人 at 23:43 | Comment(0) | 海外メーカー:First Solar(米)