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2014年10月31日

京セラの2014年4-9月期のソーラーエネルギー事業は、産業用大型案件の売上が減少、また太陽電池価格の下落も響く

京セラが10月30日に、2014年度第2四半期2014年4-9月)の連結業績を発表していました[1]。

その中から、太陽電池に関わる内容は下記の通り。

  • 市場の状況
    国内太陽電池市場は
    ・消費税率アップ
    ・政府による住宅用システム向け導入補助金の終了
    等の影響を受け、成長率が大幅に鈍化した。
  • ソーラーエネルギー事業の状況
    公共・産業用大型案件の売上が前年同期比で減少し、太陽電池価格下落
    これらは「ファインセラミック応用品関連事業」セグメントの減収減益に影響した。
    ※同セグメントの業績は
    • 売上高:約1247億円(前年同期比2.2
    • セグメント利益:約58億円(同61.1

先に発表された米SunPower社の3Q業績でも、売上横ばいの一方で利益が減少しており、主要な販売地域が全く異なるはずの両社において、似た状況となっているのが興味深いです。

この点については、太陽電池モジュールの需給バランスが逼迫に向かいつつある中で、中国メーカーの攻勢が大きく影響していることが推測されますが、ただその中国大手の一社であるTrina Solarの2Q決算でも売上原価率が高まっていたので、Jinko Solarのような一部を除いて、大多数のモジュールメーカーでは製品価格下落の影響は避けられないのかもしれません。

加えて日本メーカーは現在、モジュール出荷量の大部分が国内向けとみられるだけに、消費税率アップ・住宅用補助金の終了に電力会社の回答保留発表といった、日本市場でのマイナス要因増加の影響も、非常に懸念されるところです。


※参照・参考資料:
[1]平成27年3月期第2四半期決算短信〔米国基準〕(連結)(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/rt141030.pdf

※関連記事:
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2014年10月30日

SunPower社の2014年3Qは利益が減少、日本向け出荷は総出荷量の28%を占める

SunPower社が10月29日に、2014年第3四半期の業績を発表していました。

その中から主な数字・状況を抜き出してみました。(※四捨五入や前年同期比は当ブログ管理人が計算)

業績(GAAP)

  • 売上高6億6270万ドル(前年同期比0.9%増) (地域別)
    • 米州5億1780万ドル(同17%増)
    • EMEA4463万ドル(同63
    • APAC1億30万ドル(同6%増)
    (カテゴリ別)
    • Solar power products(パネル、インバータ等の販売):2億986万ドル(同6
    • Solar power systems(発電施設の建設・開発):4億224万ドル(同6%増)
    • Residential leases(消費者向けの住宅用設備リース):3094万ドル(同2
    • その他(稼動済み設備の監視・メンテナンス、電力購入契約など):1969万ドル(同15
  • 売上原価1億851万ドル(前年同期比19%増)
    (地域別)
    • 米州4億1462万ドル(同36%増)
    • EMEA4603万ドル(同54
    • APAC9358万ドル(同63%増)
  • 粗利益率16.4%(前年同期は29.4%)
  • 純利益3200万ドル(同70

地域別の状況

  • 北米
    ・579MWacの「Solar Star Projects」(309MWは系統連系済み)
    ・135MWの「Quinto project」
    ・カリフォルニア大学の16MW設備
    等の商業設備が大きく貢献した。
    また住宅用の受注も好調。
  • EMEA
    分散型発電の進化への適応に取り組んでいる。
    今期は
    ・フランスでの発電所4プロジェクト(計41MW)の受注
    ・南アフリカでの85MWプロジェクトの建設開始
    があった。
  • APAC
    日本は今第3四半期の総出荷量28%を占めた。
    また中国では今年末までに、「SunPower C7 Tracker」の合弁企業を通じて、計30MW以上の発電設備導入が期待される。

売上高は前年同期比でほぼ横ばいの一方で、粗利益率は10ポイント以上低下、また純利益も7割と大幅減であり、製品・サービス全般において、価格低下の圧力が厳しいことが想像されます。

カテゴリ別売上では、発電所建設・開発が、太陽電池パネル等の機器販売の約2倍にまで達しており、既に太陽電池パネルが事業の主力とは言えない状況になっているのは意外でした。

しかしそれでも利益が減少しているのは、価格下落は太陽電池パネルだけでなく、発電所開発においても厳しさを増している、ということかもしれません。

地域別では、地元・北米を含む米州がSunPower社の主力市場であり続けている一方で、EMEAは前年同期から約半減であり、欧州市場の存在感の低下が強く感じられます。

ただ、建物屋根などを利用する分散型発電は、他の地域でもメガソーラー適地の枯渇につれて重要性が増していくと予想されるので、太陽光発電導入の先進地である欧州において、どのような進化を遂げていくのかは、強く注目する必要があると考えます。

日本向けは総出荷量の約1/4にまで上っており、電力会社による接続回答保留という不安要因があるとはいえ、FIT認定容量のうち未稼動分は大量に残っていることから、重要な販売・供給先としての日本市場の位置付けは、当面続くものと予想します。

一方で中国での発電所開発については、どれだけ外資系の参入余地があるのか疑問がありますが、今回の発表の中で(日本と並ぶ)アジア太平洋の主要市場と目されているだけに、SunPower社がどう事業展開していくのかは、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Reports Third-Quarter 2014 Results(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2014-10-29-SunPower-Reports-Third-Quarter-2014-Results

※関連記事:
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2014年10月26日

中国電力が再エネ導入状況を公表、現状では回答保留は不要も、今後の申込急増を警戒

中国電力2014年10月22日に、再生可能エネルギーの導入状況を公表していました[1]。

主な内容は下記の通り。

現状

  • サービス区域内の再生エネの量(同年9月末時点、FIT開始前の接続済み分含む):計433万kW(接続済み188万kW、接続申込済み245万kW)
    うち、太陽光発電計375万kW(接続済み151万kW、接続申込済み224万kW)。
  • 中国5県におけるFITの認定量(同年7月末時点):526万kW
  • 最小需要(2013年軽負荷期の13時の需要実績):
    • 年間最小需要:540万kW
    • 軽負荷期の少ないほうから31日目:630万kW
      (※年間30日まで要求できる出力抑制を考慮した数字と思われる)

対応など

  • 回答保留は行わず
    サービス区域内の再エネ量、また5県のFIT認定量の両方とも、30日抑制を考慮した最小需要を下回っている。
    このため中国電力では、現状では回答を保留する状況には無い。
  • ただし注意は必要
    太陽光発電が急増していること自体は、他の電力会社と同様である。
    また、他の5社の回答保留により、中国電力のサービス区域への申込み急増も想定される。
  • 局所的な制約の顕在化
    太陽光発電の適地を中心に、送電線の容量不足なども顕在化しつつある。

年間最小需要はFITの認定量とかなり近いですが、少ないほうから31日目の需要量では1GWほどの余裕があり、(再エネ導入可能量の確保における)30日抑制の効果の大きさが感じられます。

考えてみると、他社の回答保留の発表では30日抑制には明言されていませんでしたが、現実に(発電事業者への出力抑制の要請によって)電力供給の安定性を十分に確保しうるのか、ということと合わせて、この点はより詳細な検討が必要になると考えます。

また、全体の需要量と供給量の数字上では余裕がある一方で、設備の能力上での受入れ制約については、局所的に既に出始めているとのことなので、現実的な受入れ可能量は楽観できないようにも思われます。


※参照・参考資料:
[1]再生可能エネルギーの導入状況(中国電力)
http://www.energia.co.jp/elec/seido/kaitori/pdf/dounyu.pdf

※関連記事:

2014年10月25日

北陸電力が太陽光発電設備の導入状況などを発表、管内の供給力見込み(風力・水力・太陽光)は軽需要期の需要に匹敵

北陸電力2014年10月21日に、北陸3県(富山、石川、福井)における太陽光発電設備導入状況について、発表を行っていました[1]。

概要は下記の通り。

現状と懸念

  • 北陸3県の太陽光発電設備の認定量は、2014年7月末時点で約103万kW。(※同年9月末時点での系統連系済みは30万kW)
    これに
    • 風力発電設備の受入れ量(地域間連系線を活用しない分):約15万kW
    • 自流式水力発電の設備量(自社+他社受電分):約130万kW
    を加えた供給力は、計約250万kWになる。
  • 一方、2014年の軽負荷期の休日昼間における電力需要は250万kW。
    このため、太陽光発電の認定分が全て系統連系した場合、電力需要が少ない時期には供給量が上回る可能性がある。

今後の予定

  • 「系統ワーキンググループ」への参加申請
    経産省の新エネルギー小委員会のWGにおいて、
    ・接続可能量の検証
    ・接続可能量を拡大する方策
    などが審議されるよう、参加を申し入れる。
    WGでの議論の結果が出た(12月中旬頃の予想)後には、速やかに太陽光発電の接続可能量を公表する。
  • 適時の情報提供
    系統連系を検討中の発電事業者などに、不便が生じることを防ぐため、太陽光発電設備の
    ・接続検討
    ・系統連系
    の申込状況の精査を進める。
    そしてその結果を、定期的に自社ウェブサイトで公開していく。

現時点ではまだ接続申込への回答保留は行わないようですが、今回示されている数字を見る限りでは(太陽光の未稼働認定分を含めた)供給量見込みが既に、最も少ない時期の需要の実績値と同水準に達していることは確かであり、このまま行くと、遅かれ早かれ回答保留の実施は避けられないように思われます。

供給量が需要を上回ってはダメという条件がある以上、(再生エネの導入を進めるのであれば)最終的には大規模な蓄電設備が絶対必要になると思いますが、北陸電力では現在揚水発電所は保有していないようなので[2]、WGでの議論がどうなるにしろ、対応に限界があることは覚悟しておく必要があると考えます。

それはさておき個人的には、FIT開始以前に、北陸電力が再生エネの可能性(電力供給能力)について強い疑念を示していたこと(下記の関連記事)を思い出しますが、それから僅か数年のうちに、今度は太陽光発電が多すぎて困ることになるとは、物事は全く判らないものです。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電設備の系統連系状況について(北陸電力)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/14102202.pdf
[2]発電所一覧(同上)
http://www.rikuden.co.jp/setsubi/hatsuden.html

※関連記事:

2014年10月24日

First Solarがチリで「Luz del Norte Solar Power Plant」(141MW)を建設中、南米最大規模の太陽光発電所となる見込み

First Solar社が2014年10月17日に、

  • 南米チリに建設中の大規模太陽光発電所「Luz del Norte Solar Power Plant」で、太陽電池パネルの設置セレモニーを行った。
と発表していました[1]。

発電所の概要は下記の通り。

  • 場所Atacama地区内・Copiapo市ら58km北
  • 出力141MWac
    南米で最大規模となる見込み。
  • 発電コスト
    地域内で競争力のある電力価格を実現できる予定。
  • 完成時期2014年12月の予定

1ヶ所で百数十MWという(太陽光発電所としては)大規模設備であるだけに、(日本で急浮上している問題でもある)電力の安定供給に及ぼす影響が気になるところですが、建設場所を含む「中央供給システム(SIC)」内の発電能力は2011年時点で1万2365MW[3]なので、今回の発電所は全発電能力の1%程度に留まります。

また、SIC内での発電電力量(2011年)の約98%を水力と火力発電が占めており[2]、加えてチリ国内で稼動済みの太陽光発電所もまだ微々たる規模に留まっている(2013年7月時点で約6MW[5])ので、出力変動のカバー能力については問題ないものと思われます。

今回の事業の発電コストについては、具体的な数字は示されていませんが、チリ国内での太陽光発電所の建設コスト(2500米ドル/kW)は石炭火力発電と同水準[5]とのことであり、更に太陽光発電は燃料の調達が要らないことを考えると、発電電力の価格では(発表内の表現どおり)十分な競争力を持ちうるものと推測されます。

チリ国内では銅工業での電力消費が増加しているものの、雨が少ないため水力発電の新設は難しく、また火力発電も環境悪化(大気汚染など)への懸念から停滞・頓挫が多い[3]とのことなので、日照が特に豊富な地域であることと合わせて、太陽光発電の優位性が発揮され、導入量が大きく伸びる可能性はあるかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Installs Inaugural Panel at South America's Largest PV Plant(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=876816
[2]チリの銅鉱業と電力供給(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
http://mric.jogmec.go.jp/public/current/12_74.html
[3]鉱山開発に影を落とすチリの電力問題(同上)
http://mric.jogmec.go.jp/public/current/13_15.html
[4]チリ:太陽光発電の本格的導入が間もなく始動か(日本エネルギー経済研究所)
http://eneken.ieej.or.jp/data/4812.pdf
[5]チリの太陽光発電導入の現状と課題(同上)
http://eneken.ieej.or.jp/data/5000.pdf

※関連記事:
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2014年10月23日

九州電力が再エネ接続の回答保留のうち、低圧案件(9月24日までの申込分)を解除

九州電力2014年10月21日に、

と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 九州電力では回答保留に関して、個人の事業者(特に住宅用太陽光発電の導入者など)から、早期接続や回答保留解除についての意見などを多数受けている。
    また国からも、それらの要望に対し、電力の安定供給に支障無い範囲で極力対応を検討するよう、要請を受けている。
    一方、再エネ受入れ上限については検討中だが、その結果は国の専門委員会で検証される方針であり、結果の提示にはまだ時間がかかる。
  • 今回は、できるだけ多数の申込みを受け入れるため、
    • 現時点で、安定供給への影響比較的小さいと考えられる範囲
    等を勘案し、一部の解除を決定した。

措置

  • 解除対象
    2014年9月24日までに申込まれた低圧案件のうち、回答保留分(九電から系統連系承諾通知書が送付されていない案件)。
    ※ただし、下記の場合は対象外。
    • 敷地分割
    • 9月24日時点の申請内容からの変更
  • 解除対象の件数・規模(※[3]より。一部数字は当ブログ管理人が計算):
    • 容量:計32万1000kW(従来の回答保留分(計1185万6000kW)の2.7%)
    • 件数1万1129件(同(6万6688件)の16.7%)
  • 適用開始日2014年9月25日

今回の件については経産省からも発表がされており[2]、政府が回答保留を重要な問題と捉えていることが伺えます。

ただ、そもそも最初の発表内容が、電力の安定供給への影響を考慮して決定されたはずですが、(外部からの意見が大きかったとはいえ)1ヶ月も経たずにその一部が解除されるとなると、当初の発表内容の信憑性にも疑念が浮かんできます。

もっともそれについては、経産省のワーキンググループが検証するとのことなので、今後より厳密な結果が出ることは期待できると思われます。

解除分の容量が回答保留分全体に占める割合は小さいものの、件数では約17%に達しており、(他地域に比べ)九電管内では特に多いという、10kW以上の住宅用太陽光発電の導入(売電収入の住宅ローン返済への充当など)への影響[4][5]は、かなり軽減されるのではないでしょうか。

ただそれでも、9月25日以降の申請分は保留解除の対象外であり、再エネ導入が急減速する懸念は、根本的には何ら変わっていないと思われます。


※参照・参考資料:
[1]九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留の一部解除について(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/press_h141021-1.html
[2]九州電力の再生可能エネルギー発電設備の接続に関する回答保留の一部解除について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2014/10/20141021003/20141021003.html
[3]九電、再生エネ再受け入れ 小規模太陽光など(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC2100E_R21C14A0EA2000/
[4]再エネに冷や水浴びせる電力会社の契約中断(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/50377
[5]“エコ住宅”売電、外れた当て 受け入れ中断、施主引き受け拒否も(ビジネスジャーナル)
http://biz-journal.jp/sankeibiz/?page=fbi20141012016

※関連記事:

2014年10月21日

Trina Solarの2014年第2四半期はモジュール出荷量・売上高は増加、ただし利益は前四半期から減少

もう1ヶ月以上前になりますが、Trina Solar社が9月11日に、2014年第2四半期の業績を発表していました[1]。

主な数字・状況は下記の通り。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)

  • 太陽電池モジュールの出荷量943.3MW(前四半期(558.0MW)比69.1%増、前年同期(646.6MW)比45.9%増)
  • 売上高5億1940万ドル(前四半期(4億4481万ドル)比16.8%増、前年同期(4億4073万ドル)比17.9%増)
  • 売上原価4億3920万ドル(前四半期(3億5330万ドル)比24.3%増、前年同期(3億8951万ドル)比12.8%増)
  • 粗利益8020万ドル(前四半期(9150万ドル)比12.3、前年同期(5120万ドル)比56.6%増)
  • 営業利益1570万ドル(前四半期(3825万ドル)比59.0、前年同期は2386万ドルの赤字)
  • 純利益1030万ドル(前四半期(2647万ドル)比61.1、前年同期は3365万ドルの赤字)
  • 背景
    • モジュール販売
      中国・海外での販売が劇的に好転した。
      特に米国では、長期に渡る多数の顧客から、旺盛な需要を引き続き受けた。
      中国は前四半期には比較的低調だったが、第2四半期には目覚しく伸びた。
    • 出荷量・売上高の増加
      前四半期比増の主な要因は、中国・米国での需要増加。
      また前年同期比増の主因は、主要地域(特に中国・日本・米国)での需要増加。
    • 粗利益の前四半期比減
      中国向け売上高の割合増加(※他の市場は価格設定が比較的高い)
      ポリシリコン原価の僅かな値上がり
      が主な理由だった。

出荷量・売上高・利益ともに、前年同期から大きく増加しており、Jinko Solar社の業績と同様に、モジュール需要が増加に転じている現状が強く感じられるものです。

ただしTrina社のほうでは、利益が前四半期から大きく減少しており、販売価格が安い中国国内での販売増が、必ずしも良い面だけではないことも伺えます。

もっとも、主要市場の一つだった日本が接続回答保留で大きく揺れていることを考えると、例え利益が少なくなるとしても、自国内で確実な販売先を確保できていることは大きなプラス要因という気もします。

もう一つ気になるのは米国での今後ですが、Trina社へのアンチダンピング関税の税率[2]は確かに(他社と比べて)大幅に低いものの、それでも26%超であり、これが販売にどの程度影響するかは、非常に気になるところです。
(ただ課税の最終決定は来年1月とのことなので、今年いっぱいは懸念の必要は無いとは思いますが)


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー、2014年第2四半期の業績を発表(Trina Solar社)
http://www.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_667.html
[2]米、中国・台湾製太陽電池にアンチダンピング関税を仮決定(PVeye web)
https://www.pveye.jp/news/view/1118
posted by 管理人 at 02:46 | Comment(0) | 中国メーカー

Trina Solarの単結晶型60セル「ハニーモジュール」が、ピーク出力335.2Wを達成

Trina Solar社が2014年10月14日に、

  • 自社の「ハニーモジュール」が、P型単結晶シリコン太陽電池モジュールのピーク出力における世界記録を達成した。
と発表していました[1]。

モジュールに関わる数値などは下記の通り。

  • 太陽電池セル
    Trina Solar社の太陽光発電技術国家重点実験室で開発されたもの。
    ・種類:単結晶シリコン型
    ・1枚のサイズ:156mm×156mm
    ・モジュール1枚の使用枚数:60枚
  • モジュールのピーク出力の記録335.2W
    ※従来の記録は、同じくTrina Solar製ハニーモジュールが今年4月に記録した326.3W。

現在の同社の市販製品(単結晶型)の出力は約270W[2]であり、今回の記録を達成した技術が市販モジュールに反映されるには、まだ時間を要するとは思いますが、中国メーカーの武器が価格競争力だけではなくなりつつある(技術力の向上も著しい)ことを、強く感じさせる発表であることは確かです。

ただTrina Solar社は設立(1997年)からまだ20年経っておらず、例えばバスバーを細くすることが、(試験ではなく)複雑な条件が重なり合う実際の設置環境での長期設置(10年以上)で、モジュールの性能維持にどう影響するかというのは、慎重に判断する必要があるとも考えます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー 高効率単結晶ハニーモジュール 出力335.2Wの世界記録更新(Trina Solar)
http://www.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_689.html
[2]DC05A Honey M モジュール(同上)
http://www.trinasolar.com/jp/product/Mo_Honey.html
[3]PVeye誌 2014年4月号p14-24「太陽電池の出力保証を疑え」
posted by 管理人 at 02:43 | Comment(0) | 中国メーカー

住友商事が使用済みEV用蓄電池+太陽光発電の実証事業を行う予定、蓄電池の低コスト調達により、再エネ導入の持続的支援を目指す

住友商事が2014年10月15日に、

  • 再生可能エネルギーと使用済み電気自動車(EV)用蓄電池を組み合わせる離島向け実証事業について、鹿児島県・薩摩川内市と共同で取り組むことで同市と合意した。
と発表していました。

概要は下記の通り。

背景・目的

  • 小規模な電力系統(離島など)への再エネ導入においては、出力変動の大きさが課題である。
  • 薩摩川内市の甑島(こしきしま)は「エコアイランド化」を掲げ、
    ・EVレンタカーの導入
    ・超小型EVモビリティの導入実証事業
    等を進めてきた。
  • 今回の実証事業では、
    ・蓄電システム導入の低コスト事業モデルの確立(EV用蓄電池を再利用)
    自治体主体による、蓄電池システムの設置・再エネ利用環境の整備
    という「自治体モデル事業」の構築・検証を行う。
    (事業の経済性を確立することで、再エネ導入環境の拡大を持続的に促進することを狙う)

実証事業

  • 実施場所:川内市甑島
  • 設備:下記2ヶ所に設置する。(※防災設備としての役割も想定)
    • 指定避難所隣接地
      ・蓄電池:約600kWh(EV36台分)
      ・太陽光発電システム:約100kW
    • 老人福祉センター
      ・蓄電池:約17kWh(EV1台分)
      ・太陽光発電システム:約10kW
  • 担当
    • 設備の設置:
      住友商事が「EVリユース蓄電池システム」のノウハウを生かし、一式の設置を担う。(2015年度上半期に完成予定)
    • 蓄電池:「フォーアールエナジー」(住友商事と日産自動車の共同事業会社)から供給を受ける予定。
    • その他:
      薩摩川内市が九州電力にサポートを要請し、技術的側面からの助言などを受ける予定。
  • スケジュール予定
    • 設備の完成:2015年度上半期
    • 稼動開始:同年9月

リユース蓄電池によるコスト低減効果は記載されていませんが、今回の正式発表前の報道([2]、10月14日付)では、実用化が進めば市販の蓄電池比で最大1/10、という見通しが示されており、それが本当であれば、実用化が実現した場合のインパクトは相当に大きいと思われます。

また、使用済みということで気になる蓄電池の性能については、日産「リーフ」の蓄電池の5年後の残存容量は80%程度[3]とのことであり、今回の試みが実用化できれば、EVの普及と利用拡大がそのまま、再エネへの蓄電池併設の推進につながることも考えられます。

ただしリーフの販売台数は、世界全体でも今年1月時点で10万台[4]という規模であり、国内の産業用太陽光発電の認定容量が約65GW(今年3月時点)に達している現状では、まずEVの普及台数を大幅に拡大することが、今回の事業モデル確立の必須条件になるようにも思われます。


※参照・参考資料:
[1]薩摩川内市甑島における、EVリユース蓄電池導入による共同実証事業について(住友商事)
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=28065?tc=bx
[2]住商、EV蓄電池を再利用 太陽光設備費用 最大10分の1に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ09HK4_U4A011C1TJ2000/
[3]EV用電池の二次利用市場を創出(住友商事)
http://www.sumitomocorp.co.jp/business/article/id=263
[4]電気自動車「日産リーフ」 世界での販売台数10万台達成(NISSAN EV blog)
http://blog.nissan.co.jp/EV/2014/EVNEWS/257.html

※関連記事:

2014年10月18日

Solarbazzが2014年4Qの太陽光発電導入量を約20GWと予測、中・日・米で約7割を占める

Solarbazz社が2014年10月6日に、世界太陽光発電導入量についての予測を発表していました[1]。

主な数字は下記の通り。

  • 2014年第4四半期の導入量19.5GW超
    下記の3ヶ国で約7割を占める。
    • 中国7GW超(前年同期比10%以上の増、前四半期の2倍以上)
    • 日本、米国:各々数GW
  • 同期末時点の累積導入量200GWに到達

あくまで予測値ではありますが、約20GWという規模は累積導入量予測の約1割分に当たり、第1四半期の実績(9GW超)との比較と合わせて、世界需要の伸びの加速が際立って感じられます。

中国については、下半期に入ってから導入が加速しているとの分析[2]がありましたが、今回のSolarbuzzの予測も、それを反映したものと思われます。

ただ懸念されるのは電力系統の受入れ能力で、先に大規模導入が進んだ風力発電では、約5年前に系統連系の制約により最大4GWが稼動停止している可能性が、海外の大手証券会社により指摘されていました。(※現在の状況は未確認)

太陽光発電は分散型に重点を置く方針が示されているので、大規模設備が主体の風力発電よりは幾らかマシになるとは思いますが、それでも急速に導入される太陽光発電設備から逆潮流するとなれば、既存の電力網の強化はやはり必須になると考えられ、その点の対策がどう進められているのか、というのは非常に気になるところです。

日本は新規導入計画については、系統連携の回答保留の影響が懸念されますが、認定分と実稼動分のギャップは以前巨大であり、それらの案件が着実に消化されるうちは、導入量自体は当面大きな伸びを続けるものと思われます。

一方、英国は第1四半期に需要の伸びが著しかったですが、その後は(今回を含めて)全く名前も挙がっておらず、これは春に政府方針が転換されたものの、産業施設屋根への導入は思ったほど進んでいない、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Global Solar PV Demand Hits Quarterly High, Pushing Cumulative Deployment to 200 GW, According to NPD Solarbuzz(Solarbazz社)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/global-solar-pv-demand-hits-quarterly-high-pushing-cumulative-deployment-200-gw
[2]今年、中国は新設の太陽光発電設備容量13GWの導入目標を達成(新華社)
http://www.xinhuaxia.jp/business/43361

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posted by 管理人 at 01:39 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)