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2014年11月29日

シャープがバックコンタクト型モジュール「BLACKSOLAR」の新機種で、電極・配線シートの改良により出力を約3.5%向上

シャープ2014年11月20日に、

  • バックコンタクト型の住宅用単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」において、出力3.5%高めた新機種を発売した。
と発表していました[1]。

このうち、電極に関わる部分の改良点は下記の通り。

  • セル裏面の電極配置面積を拡大
    堺工場において、ウエハーと電極の加工精度が向上。
    これにより、
    ・セルの横方向電極本数の増加(これまで無効エリアだったセル部分の約45%を活用)
    縦方向電極長さの伸長(同・約65%を活用)
    と、セル内の電極配置面積を拡大することに成功した。
  • 配線シートの銅配線面積を拡大
    銅配線の整形技術が向上したことで、配線シートの銅配線の面積を20%拡大。(配線間の幅半減
    これにより損失が低減される。

また製品仕様[2]を見ると、サイズと重量については、新モデル(NQ-210AD、148AD、095LD、095RD)と旧モデル(NQ-203AD、143AD、092LD、092RD)で全く変化がありません

パワコンやマイクロインバータによる制御(MPPT等)ではなく、セルや電極の実体的な構造を改良したことで、定格出力で1枚あたり3〜7Wの向上を実現している点には、結晶シリコン型モジュールの基本的な性能向上がまだ頭打ちになっていないことが伺えます。

他社ではハンファQセルズが先月、4本バスバー採用の新機種を発表していました[3]が、京セラが3本バスバーの特許保護姿勢をはっきり示したことが、結果的に結晶シリコン型の技術開発を促している面があるのかも・・・と考えます。

また、国内では電力会社による系統接続の回答保留や、住宅用モジュール出荷量の減少といった状況があり、世界市場でも中国メーカーの台頭が著しい中で、日本の老舗メーカーの一社であるシャープが、モジュールの明確な性能向上を実現したことは、久々に明るい話だと感じました。


※参照・参考資料:
[1]住宅用 単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」4機種を発売(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/141120-a.html
[2]太陽電池モジュール製品ラインアップ(同上)
http://www.sharp.co.jp/sunvista/lineup/module/index.html
[3]ハンファQセルズジャパン 多結晶太陽電池モジュールHSL 60S シリーズ/ HSL 72Sシリーズ販売開始
http://www.hanwha-solar.jp/_pdf/20141029.pdf
posted by 管理人 at 02:35 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2014年11月26日

REC Solarの2014年7-9月期のモジュール出荷量は、米国向けが前四半期比2倍超の急成長、いっぽう日本向けは減少傾向

ノルウェーのREC Solar社が11月23日に、2014年第3四半期の業績を発表していました[1]。
その中から、太陽電池モジュール販売に関する数字・状況を抜き出してみました。(※一部の数字は当ブログ管理人が計算)

モジュール販売

  • モジュールの売上高1億4910万米ドル(前年同期比4、Q2比9.3%減)
  • 地域別出荷量
    米国向け:34MW(前年同期比36%増、Q2比113%増)
    欧州向け:112MW(前年同期比40%増、Q2比17
    日本向け:47MW(前年同期比29、Q2比17
  • モジュール生産量248MW(前年同期比7.1%増)

地域別の状況

  • 米国
    住宅向け・発電事業向けの両方で、下記を含む長期契約(計約685MW)を獲得している。
    ・SunRun社:50MW
    ・SolarCity社:220MW
    ・US utility社:85MW
    ・Recurrent Energy社:300MW
  • 欧州
    Q3のモジュール出荷量(MW)の約53%を占めた。
    英国とドイツの2ヶ国が、REC社にとってのメイン市場。
    ただ英国での需要好調は、欧州全体での季節的要因による減少で一部が相殺された。
  • 日本
    競争激化と円安が、販売に影響した。

あくまで一メーカーの業績発表ではありますが、奇しくも日・米・欧と、先進国3市場の状況が浮き彫りになっているのが、非常に興味深いです。

米国需要は、産業用・住宅用を問わず好調のようですが、一時的・突発的なものではなく、持続的な市場成長が軌道に乗っているようにも感じられます。

日本については、太陽光発電協会による同期の出荷統計でも、産業向けの出荷量の伸びが(前四半期と比べて)鈍化しており、これはREC社の販売減と合致しています。
10月には電力会社数社が系統接続の回答保留を発表しており、REC Solar社の日本向け出荷も、第3四半期以降は更に減る可能性が考えられます。

欧州向けは、今回は季節的要因により前四半期比減にはなっていますが、市場縮小が指摘されてきた中で、意外に需要が堅調な印象です。
ただこれは、地元企業ならではの強さかもしれませんが。

全体のモジュール売上高は減少しているとはいえ、新製品の発売にモジュール生産コストのダウン、米国需要拡大に応えるための生産能力増強(300MW)など、REC Solarの今後の成長可能性も感じられる業績発表ですが、翌日には香港「Bluestar Elkem Investment Co. Ltd.」に売却されることが発表されているのは、これまた非常に意外でした。

売却の背景となる事情は判らず、REC Solarのブランドの今後の取り扱いも不明ですが、中国企業による買収であることから、もう一つの巨大市場である中国で、REC Solar社の製品が販売される可能性が出てきたと考えると、同社にとってそれほど悲観的なことではないのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]REC Solar ASA : Third Quarter 2014 results(REC Solar社)
http://www.recgroup.com/view?feed=R/158783/PR/201410/1864830.xml
[2]REC Solar ASA: Announcement of agreement of sale of the business of REC Solar ASA to Bluestar Elkem Investment Co. Ltd. (Hong Kong)(同上)
http://www.recgroup.com/view?feed=R/158783/PR/201411/1873503.xml
posted by 管理人 at 02:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2014年11月25日

日本市場参入企業の2014年7-9月のモジュール出荷量は約2.6GW(前年同期比21%増)、国内向け出荷での海外メーカーシェアは今回も約3割

太陽光発電協会が11月20日に、2014年度第2四半期(2014年7-9月)の太陽電池出荷統計を発表していました[1][2]。

この中からモジュールについて、第1四半期[3]と比較しつつ、特に気になった状況をまとめてみました。


総出荷量は2割増、単結晶型の伸び幅が拡大

第2四半期第1四半期
総出荷量約2567MW(前年同期比21%増)約2008MW(前年同期比21%増)
海外出荷分約180MW(総出荷量の約7%)約126MW(総出荷量の約6%)


シリコン単結晶約952MW(前年同期比40%増)約778MW(前年同期比31%増)
シリコン多結晶約1396MW(同16%増)約975MW(同10%増)
その他約219MW(同3%減)約256MW(同38%増)

総出荷量の伸びは、奇しくも第1四半期と同じでしたが、種類別では意外にも、Q2には単結晶型の伸び率が多結晶型を上回っています。
しかし、出荷量では多結晶型がまだ大幅に上回っており(単結晶の約1.5倍)、多結晶型の優位性が揺らいだと見るのは、早計かもしれません。

海外出荷分は、総出荷量に対する割合はQ1とほぼ同程度(微増)であり、国内向け出荷が殆どを占める状況は、依然変わり無いようです。


「その他」モジュールは不調も、海外向けの割合が増加

好調な結晶シリコン型モジュールと対照的に、「その他」は前年同期比減に転じており、特に国内向け出荷量(約156MW)は同28%の大幅減。
ただし一方で「海外出荷」分は約63MWで、「その他」全体(約219MW)の1/3超に達しており、前四半期(同約1/6)から供給先に変化が生じていることが伺えます。

特に、日本企業の「その他」の海外向け出荷量は前年同期の4倍超、更にそのうち海外生産分は同6倍超。
そして仕向け先別では、欧州向けが前年同期の6.4倍に急増していることから、日本メーカーの海外の薄膜型生産拠点で、欧州市場向けの供給が大幅に増加したことが推測されます。

とはいえ、その(日本メーカーによる)欧州向けの「その他」モジュール出荷量は32MW程度であり、あくまで一時的な(しかも小規模な)需要増に留まっているとも思われます。

また、シャープがスペインでの薄膜モジュール製造の合弁事業から手を引くことを7月に発表していることもあるので、今後は「その他」の海外生産・海外向け出荷量が伸びることは難しいと考えます。


海外メーカー製品

モジュールの国内出荷量について、全体[1]から日本企業[2]を差し引いた数値が、海外メーカー製品の出荷量に当たると考えられるので、計算して表にしてみました。 (※%は前年同期比ではなく、[1]の同項目の数値に対する(=全体の数値に占める)割合)
種類国内生産海外生産国内出荷量
シリコン単結晶2744kW(0.6%)8万1645kW(16.7%)8万4389kW(9.3%)
シリコン多結晶313kW(0.09%)60万8788kW(61.3%)60万9101kW(45.9%)
その他0kW(0%)20kW(100%)20kW(0.01%)
合計3057kW(0.3%)69万0453kW(46.7%)69万3510kW(29%)

全ての種類において、日本国内で生産を行っている海外企業は、ごくごく僅かに留まっていることが伺えます。

種類別では、まず単結晶型は、海外生産品の割合も意外に小さく(2割に満たない)、変換効率が高い単結晶型では、日本メーカーの優位性が大きいことが伺えます。

いっぽう多結晶型は、海外メーカーによる海外生産が6割超にのぼっており、海外メーカーにおける日本向け製品の主流の座は、当面揺るがないように思われます。

「その他」はほぼゼロに近い水準であり、海外メーカーの薄膜型は現状で殆ど日本市場に入っていないことが伺えますが、First Solarは今年7月に日本市場へのCdTe型供給を発表しているので、第3四半期以降には変化が生じる可能性が考えられます。

そして国内向けモジュール出荷量の全体において、海外メーカーが占める割合は約3割。
これは前四半期とほぼ同じ水準であり、海外メーカーのシェア拡大が思うように進まない状況が伺えます。

例えばTrina Solar社は、日本市場でのシェア(OEM含む)を少しづつ伸ばしているものの、日本向け出荷量ではメガソーラー向けが半分以上[4]とのことです。
産業用の多結晶型の供給が現状のメインと見受けられる海外メーカーが、今後シェアを拡大するには、(屋根設置への抵抗感が十分なくなるだけの)ブランドイメージの浸透と改善を進めることが、急務になるのではないでしょうか。


産業用は2割増も、住宅用は微減

  • 住宅用:約529MW(前年同期比2%減)
  • 非住宅:約1857MW(同21%増)
    • 発電事業(売電目的の500kW以上):830MW(同11%増)
    • 一般事業(商業・公共施設の建物、また500kW未満の地上設置も含む):1027MW(同31%増)

用途別では、まず住宅用微減ですが、第1四半期(前年同期比12%減)よりは減少幅が小さくなっており、現在は久しぶりに復調傾向にあるのかもしれません。

いっぽう非住宅は2割増とはいえ、第1四半期(同62%増)より伸び幅が明らかに小さくなっており、FITでの認定分と稼動分のギャップがいまだ巨大である中で、非常に意外です。
電力会社数社が系統接続の回答保留を正式発表したのは10月であり、今回(7-9月期)の出荷統計への影響はほぼ無いと思っていましたが、事前の情報や憶測などがモジュール需要に影響したんでしょうか?


※参照・参考資料:
[1]2014年度第2四半期 日本における太陽電池の出荷量(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h262q.pdf
[2]2014年度第2四半期 日本企業における太陽電池の出荷量(同上)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_co_pv_forward_h262q.pdf
[3]第1四半期の出荷量(同上)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h261q.pdf
[4]太陽電池で世界席巻、中国トリナの対日戦略(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/54043?page=2
posted by 管理人 at 02:49 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2014年11月23日

Canadian Solarの2014年Q3は売上高8割・純利益400%の増加、売上高の半分以上を「total solutions business」が占める

Canadian Solar社が11月12日に、2014年第3四半期7-9月)の業績を発表していました[1]。

主な状況は下記の通り。(※一部の数字は当ブログ管理人が計算)

業績

  • 売上高約9億1140万ドル(前年同期比86.3%増)
    地域別の割合は、
    • 米州71.7%(前年同期は46.9%)
    • アジア・その他20.9%(同43.6%)
    • 欧州7.4%(同9.5%)
    また「total solutions business」は、売上高全体の53.8%を占めた。(前四半期(Q2)は32.6%)
  • 粗利益率22.9%(前年同期は20.4%)
  • 純利益1億4020万ドルの黒字(前年同期(2770万ドルの黒字)比406%増)
  • モジュール出荷量770MW(前年同期(478MW)比61.1%増)
    うち「total solutions business」向けは173MW。(前年同期は60MW)
  • 背景:
    売上高・モジュール出荷量・純利益は、四半期で最高を記録。
    これは事業用ソーラーエネルギー事業の強さに導かれた。
    またモジュール事業も、世界的な需要増加と平均価格の安定により、予想以上の成果を挙げた。
    モジュール生産は、フル生産に近い水準が続いている。

発電所関連事業の状況

  • 2014年10月末時点で、携わっている後期段階の事業規模のプロジェクト(自社所有、合弁事業、EPCサービスでの提供)は計1.4GWDC
  • 地域別では、
    • カナダ
      第3四半期中には、5つのプロジェクトの売却を完了した。(計50MWAC、約3億カナダドル)
      オンタリオ州で現在進行中のプロジェクトは、計約386.9DC
    • 米国
      第3四半期末時点での後期段階のプロジェクトは、計84.1MWDC
      (※前四半期末時点では105.8MWDCで、このうち21.7MWDCが3Q中に完工された)
    • 日本:
      進行中のプロジェクトは、第4四半期までに計540MWDC超に達する予定。
    • 中国
      第4四半期には、幾つかのプロジェクト(計100MWDC)を着工している。
    • ブラジル
      第3四半期終了後に、Minas Gerais州で3つのプロジェクト(計114MWDC)を受注した。
    • その他の欧州・南米・アジア・アフリカ計200MW。(英国の40MWDCを含む)

生産能力の増強

  • モジュール
    中国計500MW追加を計画している。
    これは2015年1Q〜2Qに稼動開始の予定で、これにより全社の生産能力は3.5GWに達する見込み。
  • セル:2015年2Qまでに400MW追加する予定。
    これにより全社では1.9GWに到達する。
    また、蘇州の既存の生産設備もグレードアップを開始しており、平均セル変換効率18%超の達成を目指す。
  • インゴット、ウエハー
    洛陽のインゴット・ウエハー工場で、炉のアップグレードを計画している。
    ウエハー生産能力は、2015年には計400MWまで増強する予定。(従来の生産能力は260MW)

売上高と純利益の伸びが著しく、モジュール需給の逼迫を背景に、事業が非常に好調であることが伺えますが、売上では「total solutions business」の割合が既に半分を超えており、モジュールメーカーがソリューション事業に移行していくことの(売上・利益における)効果の大きさも感じられます。

また売上の増加だけでなく、粗利益率も前年同期から向上しており、モジュールの生産・販売コストの引き下げが着実に進んでいることも推測されます。

発電所関連では、1ヶ所で100MWを超えるような大規模事業は見受けられず、中小規模の事業を数多くこなすという意味では、100MW超の事業が珍しくないFirst Solarよりも、収益は安定しやすいとも考えられます。

とはいえCanadian Solarも、現在進行中の1.4GWのうち、一部地域(オンタリオ州、日本)が高い割合を占めており、今後は他地域の開拓も進めることが、業績成長には必須になってくるものと考えます。

生産能力については、モジュール出荷量の拡大に伴い、全般的に大幅増強するようですが、特にモジュールは1社で年産3.5GWに到達する見込みとのことで、2008年に初めて1GWを超えるメーカー(サンテックパワー)が出てきたことを思い返すと、僅か数年での太陽電池産業の成長の急激さを、強く感じるものです。

ただ年産能力3.5GWは、フル生産ではQ3の出荷量ペース(770MW)が1年続いても十分カバーできる規模であり、外注へのシフトを進める中国大手メーカー等と大きく異なる点ですが、これは(中国メーカーが欧州・米国で受けているような)ペナルティー関税が無いことも、影響しているのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Record Results for the Third Quarter 2014(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=1988651
posted by 管理人 at 19:27 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2014年11月22日

2014年1-6月期の工場立地動向で「電気業」が全地域で件数トップ、ただし北海道と沖縄は明確に減少

経済産業省や各地域の経済産業局が11月19日に、20141-6月期工場立地動向の調査結果(速報値)を発表していました[1]〜[10]。

この調査は、工場を建設する目的で該当期間内に1000m2以上の用地を取得した事業者を対象とするもの。

各発表資料から、「電気業(水力・地熱発電所を除く)」の数字をまとめてみました。
(※カッコ内は前年同期比。一部数字は当ブログ管理人が計算。また、[1][2]と[3]〜[10]では数字が異なりますが、ここでは各経済産業局の数字を優先しました。)

地域立地件数立地面積
全国696件(63.8%増)2940ha(32.3%増)
北海道26件(32%減301ha(7%減
東北52件(58%増)391.3ha(170%増)
関東280件(101%増)904ha(74%増)
中部49件(75%増)258ha(90%増)
近畿44件(110%増)160.5ha(92%増)
中国32件(3%減75.2ha(81%減
四国68件(112.5%増)117.5ha(4.5%減
九州145件(48%増)732.4ha(54%増)
沖縄県0件(前年同期は3件)0ha(前年同期は18ha)

また他に、次のような特徴的な状況がありました。

  • 立地件数では、どの地域も電気業がトップを占めている。
  • 近畿地方で、10万m2以上の立地5件のうち、太陽光発電目的は4件。
  • 九州地方の電気業には「太陽光発電向け」とのみ記載あり。(他の発電方式の記載なし)

電力会社が再エネ接続の回答保留を発表する前であったためか、殆どの地域で電気業の件数・面積が大幅に伸びており、FITを背景に産業用太陽光発電事業の活況が続いていたことが伺えます。

しかし一方で、接続限界が先んじて発表されていた北海道と4月以降に系統接続保留が実施されていた沖縄では、対照的に減少が顕著であることから、下半期には、東北・四国・九州でも同様の状況(電気業での立地急減)になることも予想されます。

地域別では、四国は件数が2倍超の一方で面積は微減になっており、適地の枯渇に伴い新規発電事業の小規模化が急速に進んでいると推測されます。

また中国地方については、立地面積の大幅減(約8割減)が目立ちますが、これは前年に錦海塩田跡地でのメガソーラー計画(230MW、250ha)があったことの反動と考えられます。

ともかく、電力会社の回答保留に、大規模発電事業の適地減少という2つの状況は、全体の工場立地動向にも、今後(マイナス方向の)大きな影を落とすことになるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]平成26年上期(1月〜6月期)工場立地動向調査結果(速報)を公表します(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/statistics/tii/ritti/result-2/h26kamikipresssokuhou.pdf
[2]平成26年上期(1月〜6月期)における工場立地動向調査について(速報)(同上)
http://www.meti.go.jp/statistics/tii/ritti/result-2/h26kamikisokuhou.pdf
[3]平成26年上期(1〜6月)北海道の工場立地動向調査結果(速報)(北海道経済産業局)
http://www.hkd.meti.go.jp/hoksi/ricchi/h260106/index.htm
[4]平成26年上期(1月〜6月)工場立地動向調査(速報)東北版(東北経済産業局)
http://www.tohoku.meti.go.jp/s_ki_richi/pdf/h26_1.pdf
[5]関東経済産業局管内 平成26年(1月〜6月)工場立地動向調査結果(速報) 〜件数、面積ともに全国を上回る伸び率となった〜(関東経済産業局)
http://www.kanto.meti.go.jp/annai/hodo/data/20141119ricchidoukou_26fykamiki.pdf
[6]中部経済産業局管内調査結果(中部経済産業局)
http://www.chubu.meti.go.jp/b51tisin/shisaku.html
[7]近畿地区工場立地動向調査(近畿経済産業局)
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sanritu/kojoritti.html
[8]工場立地動向調査結果[平成26年度上期 速報](中国経済産業局)
http://www.chugoku.meti.go.jp/info/press/h26/1119_2.pdf
[9]平成26年上期(1月〜6月期)工場立地動向調査結果(速報)(四国経済産業局)
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_b2/4_toukei/141119/141119.html
[10]平成26年上期(1月〜6月)九州の工場立地動向調査(速報)を公表します(九州経済産業局)
http://www.kyushu.meti.go.jp/press/1411/141119_1.html

※関連記事:
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2014年11月19日

SunPower社がSolarBridge Technologies社を買収、自社製パネル向けの次世代マイクロインバータを開発する方針

SunPower社が2014年11月10日に、

  • 太陽電池モジュール用マイクロインバータの技術を持つ「SolarBridge Technologies, Inc」を買収した。
と発表していました[1]。

主な内容は下記の通り。

  • 背景・目的:
    SolarBridge Technologies社の技術は、モジュールの製造段階でマイクロインバータを組み込むことで、各モジュール毎での交流出力を可能にするものである。
    SunPower社は買収したSolarBridge社の技術を用いて、自社の高効率パネル向けに、次世代マイクロインバータを開発する方針。
    これは自社製パネルとエレクトロニクスの統合の第一歩であり、これにより住宅用太陽光発電システムにおいて
    デザインの柔軟性の向上
    システムの信頼性の向上
    発電設備の導入、稼動開始後のメンテナンスの容易化
    等の効果が見込まれる。
  • 買収条件:非公表

またSolarBridge Technologies社のウェブサイト(例えば[2]〜[5])から、同社の技術「Pantheon Microinverter」の特徴やメリットをまとめてみました。

システム構成を簡略化

  • 太陽電池モジュールメーカーでのモジュール製造時に、マイクロインバーターも組み込むことで、太陽光発電システムの構成や配線を大幅に簡略化できる。
    (※モジュールはwork boxとcircuit breakerに接続するのみで、全て並列接続となる。
      このためストリング設計が不要であり、また後からのモジュール追加も容易になる。)
    現場での設置作業についても、システムの設置時間では20%以上、設置コストでは25%以上の削減が見込まれる。

モジュール単体でMPPTを実施

  • 個々のモジュールにおける
    ・影
    ・汚れ
    ・動作特性の個体差(工場出荷時に存在)
    により生じる、発電システム全体での出力損失最小化でき、出力電力量は従来方式(中央インバーターを使用)比で最大25%の向上が見込まれる。
    また、従来は(日影の発生などにより)太陽電池パネルの設置には適さないと判断されていた住宅屋根についても、設置の実現が期待できる。

信頼性の確保

  • 劣化しやすい電解コンデンサ、タンタルコンデンサやオプトアイソレータの代わりに、フィルムキャパシタを採用。
    これにより、長期稼動における信頼性を高めている。(保証期間は25年)

システムの安全性を向上

  • モジュール個々で交流出力を行うことから、高電圧や手で触れられる直流配線がほぼ無くなる。
    また、AC出力が遮断された際(火災やアーク発生時など)には、マイクロインバーターが出力を自動的に停止する。
    (消防作業時には、システム内の全出力を停止可能)

稼動状況の管理

  • モジュール毎のインバータの他に
    ・ゲートウェイ「SolarBridge Power Manager」(モジュールとの通信はPLC(電力線通信)を利用)
    ・ウェブベースの「SolarBridge Power Portal
    を用意しており、発電システムのリモート管理が行える。

まだまだ新しい技術であるためか、インバーター供給先のモジュールメーカーは(SunPowerを含めて)4社[6]のみですが、今回大手メーカーであるSunPowerが会社ごと買収したことには、SolarBridge Technologies社が持つ技術の価値や将来性を明確に認めたことが伺えます。

ただ、例えば蓄電池を太陽光発電システムに併設する場合には、モジュールの出力は直流そのままのほうが(変換時の損失を少なくできて)都合が良いはずであり、モジュールへのマイクロインバーター搭載が主流化するかどうかは、今後の蓄電池普及の趨勢にも大きく左右されるのではないでしょうか。

また交流出力ということで、
・系統接続時の出力波形の同期を間違いなく行えるのか
・停電時に(系統に逆潮流しないよう)自動的な出力停止はできるのか
・任意の力率設定は行えるのか
といった点は、明確な情報が欲しいところです。

もし日本市場向けに展開するとなれば、既存製品に対応機能を追加する必要があると思われますが、SunPower社が新開発するインバータで、ひょっとしたら対応する可能性があるのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Announces Acquisition of SolarBridge Technologies, Inc.(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2014-11-10-SunPower-Announces-Acquisition-of-SolarBridge-Technologies-Inc
[2]How AC Module Systems Work(SolarBridge Technologies)
http://solarbridgetech.com/learning-lab/how-acpv-works/
[3]SolarBridge Pantheon(同上)
http://solarbridge.wpengine.netdna-cdn.com/wp-content/uploads/2013/06/PantheonDataSheet_100211_WEB.pdf
[4]Introduction to AC Modules and Solar Power Electronics(同上)
http://solarbridge.wpengine.netdna-cdn.com/wp-content/uploads/2010/10/SolarBridge_ACModuleWP.pdf
[5]SolarBridge Management System(同上)
http://solarbridge.wpengine.netdna-cdn.com/wp-content/uploads/2012/10/sb-management-system.pdf
[6]How to Buy(同上)
http://solarbridgetech.com/products/how-to-buy/
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2014年11月18日

スイスCEMSが太陽電池パネルのカラー選択・セル不可視化技術を開発、可視光の選択反射と赤外光の発電利用を組み合わせ

csem-white-pv-s11.jpg

スイスの「Centre Suisse d'Electronique et Microtechnique SACEMS)」が2014年10月28日に、

  • 主にBIPV向けとして、太陽電池パネルで多様な色を実現し、内部のセルを見えなくできる技術を開発した。
と発表していました[1][2]。

技術の概要は下記の通り。

開発の背景

  • 殆どの太陽電池モジュールでは、太陽光の吸収量を最大化することを最優先しているが、一方では内部のセルと配線が丸見えになり、美観に劣る点が、建物への太陽光発電の統合が進まない要因となっている。
    この解決策として、モジュール表面を白くすることが模索されてきたが、それでは太陽光の大部分を反射することになるため、実現は不可能と考えられてきた。

特徴

  • 可視光を反射し、赤外光で発電
    赤外光を電力に変換できるセル技術
    ・可視光線のスペクトルを選択し散乱させるフィルター
    を組み合わせた新技術を開発。
    これにより内部セルが見えなくなり、またモジュール表面の色も任意に選択できる。
  • 既存のモジュールや生産工程に適用可能
    結晶シリコン型をベースにした太陽光発電技術なら、どれでもすぐ生産工程に導入可能。
    また、既存モジュールのトップにも適用できる。
  • モジュールの形状を選ばない
    平面・曲面いずれのモジュールにも適用できる。
    このため建物だけでなく、
    ・コンシューマーエレクトロニクス(ノートパソコン等)
    ・自動車産業
    等での需要も期待される。
  • モジュールの温度上昇を抑制
    モジュール表面を白くした場合、可視光が反射されることで熱に変化しないため、モジュール温度は通常モジュールより20〜30度ほど低くなることが見込まれる。
CSEMの新技術01

他の色ならともかく白い太陽電池モジュールとなると、果たして発電の用をなせるのかが疑問ですが、太陽光の組成では可視光線が約47%、赤外線が約46%[3]。

そのため、もし赤外線を十分に発電に利用できるのであれば、可視光を殆ど反射しても十分な(既存モジュールと同等の)発電量が得られるとは思われますが、今回の新技術の現状で、実際どの程度の発電能力が得られるのかは、非常に気になるところです。

ただモジュールの意匠性が劇的に増すことで、建物外壁などへの導入が加速することになれば、多少変換効率で劣るとしても、太陽光発電の導入量(発電量)拡大には大きく寄与できるとも考えられます。

また、最も実績・信頼性のある結晶シリコン型にそのまま適用できることも大きな利点であり、太陽光発電の導入可能性を拡大しうる技術として、早期の実用化を期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]White solar modules: a revolution for building integration(CSEM)
http://www.csem.ch/site/card.asp?pId=28474#.VGn6HWcpwxg
[2]同上
http://www.csem.ch/site/card.asp?shownav=no&pid=28469#.VGn6R2cpwxg
[3]太陽放射の組成(ウィキペディア「太陽放射」内)
posted by 管理人 at 01:46 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2014年11月16日

東芝と川崎市が、再生エネ+水素の「自立型エネルギー供給システム」の共同実証事業で合意

東芝2014年11月13日に、

  • 川崎市との間で、再生エネと水素を組み合わせる自立型エネルギー供給システム共同実証事業を、同市内で行うことで合意した。
と発表していました。

事業の概要は下記の通り。

  • 実施場所
    • 川崎市港湾振興会館」(災害時における帰宅困難者の一時滞在施設にも指定されている)
    • 東扇島中公園」(川崎マリエンに隣接)
    の2ヶ所。
  • 実証内容
    • 平常時における水素エネルギーマネジメントシステムの実証
    • 災害時向けの水素BCPシステムの実証
  • 導入システム
    • 主な設備
      太陽光発電システム
      水電解水素製造装置ユニット
      水素貯蔵タンク
      燃料電池ユニット:自社製「エネファーム」がベースの純水素型
      蓄電池:自社製リチウムイオン電池「SCiB」
    • 主な機能・特徴
      ピークシフト・ピークカット
       平常時にはエネルギーマネジメントシステムにより、太陽光発電や蓄電池などを制御する。
      自立稼動
       水と太陽光のみで稼働できるため、災害時にライフラインが寸断された場合でも、電気・温水を供給できる。
      運搬・移動が可能:トレーラーでシステム自体を運搬することができる。
  • 性能
    災害時にライフラインが寸断された場合でも、避難者300名に対し、約1週間分の電気と温水を供給できる見込み。
    ・発電出力:太陽光発電が最大25kW、燃料電池+蓄電池が30kW。
    ・温水供給量:60L/時
    ・水素の最大貯蔵量:275Nm3
    ・水素電力貯蔵量:350kWh
  • 実施期間2015年4月〜2021年3月末
  • 担当
    • 川崎市:実証試験の環境提供
    • 東芝:使用設備の設計・建設・保守

水素によるかなりの容量の電力貯蔵機能がありながら、蓄電池も使用するのが意外ですが、非常時向け電源としてだけでなく、平常時におけるEMSの機能も備えることから、基本的には(応答速度の速い)蓄電池が主に平常時の出力調整用であり、一方で大容量の水素貯蔵のほうは、主に(災害など)自立稼動が必要なとき向け、ということだと推測します。

また、「エネファーム」の稼動には外部からの電力供給が必要であり、その点でも(燃料電池を組み込んでいる)今回の設備が蓄電池を備えることは、合理的な措置だとも感じられます。

ただ、最近では電力会社による系統接続申請への回答保留が相次いでおり、今回の実証実験はそれへの対応策を探る面もあると思われるので、個人的には(蓄電池よりも)低コストで大容量の充放電能力が期待できる、水素貯蔵のほうの日常利用(昼間の貯蔵・夜間の出力など)と検証が重点的に行われることを、強く期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]川崎市と東芝、再生可能エネルギーと水素を用いた自立型エネルギー供給システムを共同実証(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_11/pr_j1301.htm
[2]施設マップ(川崎マリエン)
http://www.kawasakiport.or.jp/map/index.html
[3]東扇島中公園(川崎市)
http://www.city.kawasaki.jp/580/page/0000041705.html
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2014年11月14日

オランダの自転車用道路で「SolaRoad」のパイロット実証試験が開始、強化ガラス・結晶シリコンセル・コンクリ製土台をモジュール化

オランダ2014年11月12日に、道路の路面に太陽光発電機能を持たせる技術コンセプト「SolaRoad」[3]の実証試験が開始されたとのことです[1]〜[3]。

その概要は次の通り。

技術開発の背景

  • オランダ国内の道路の総距離は約14万km(うち自転車専用道路は2万5000km)に達しており、その総面積(400〜500km2)は建物屋根の合計を遥かに超える規模である。
    (※仮に国内全ての建物屋根で太陽光発電を行った場合でも、電力供給量は国内電力需要(年間11万GWh)の約25%相当に留まる見込み)
    「SolaRoad」の開発は、この状況に着想を得て開始された。

実証試験

  • 場所Krommenieにある自転車専用道路
  • 目的
    「SolaRoad」の実用化に向けたパイロット事業として行われる。
    (期間中も並行して研究開発を継続する)
  • 発電設備
    太陽電池セル(通常の結晶シリコン型)を
    • コンクリート製のベース(2.53.5m)
    • 強化ガラス(表面に滑り止め加工を実施)
    で挟み込みモジュール化。
    これを地面に多数枚敷設することで、道路の路面を形成している。
    ※太陽電池を設置したレーンの隣のレーンでは、モジュール表面(透明層)の改善を目的として、多様なソリューション敷設試験も行っている。
  • 敷設距離:全長70m
    ※近いうちに、もう30mを追加する予定。
  • 発電電力
    今回の実験では電力網に供給している。
    (将来的には、道路の電気設備(街路灯、信号)への供給も想定)
  • 実施期間3年間の予定
  • 発電実績:稼動後16日間で、140kWhを発電した。

KrommenieでのSolaRoad導入については、3年前に2012年からの予定と報じられていましたが、実際の導入は2年遅れの今年であり、研究所段階での研究開発に想定以上の時間がかかっていたことが推測されます。

ただ、SolaRoadについてのFAQ[4]では

  • 衝撃によるガラスの破損
  • ガラスの汚れ対策
  • 樹木の根による路面の破壊
  • 渋滞による発電性能への影響
等、実用化が実現した際に考えられる多様なケースについても(殆どが検討中・または今後の解決課題とはいえ)言及されており、その点では夢想的なコンセプトではなく、地に足が着いた取り組みがなされていると感じられます。

個人的には特に、いくら強化ガラスでカバーするとはいえ、発電部分に通常の結晶シリコン型セルを用いていることが非常に意外でしたが、セル下の土台(この技術では厚みのあるコンクリート)が強靭であれば、結晶シリコンセルでも想像以上に外力に耐えられる、ということなのかもしれません。

とはいえ、例えば経年で地盤の沈下・(通常のアスファルト舗装で)路面の歪みが起こるような場所(泥炭地など)に敷設した場合には、モジュール自体の変形破損は起こらないとしても、モジュール間の継ぎ目がずれたり外れることは懸念され、その意味では地盤が固く安定していることが、本技術導入の必要条件になるようにも思われます。

またやはり、太陽電池セルと強化ガラスを用いることで、導入コストがどの程度になるのかは非常に気になるところですが、モジュール部分は現場工事の前に製造しておける(プレハブ化)ことから、部材のコスト低下が進み、かつ安定した量産体制の構築が実現できれば、意外に安くできる可能性もあるものと考えます。


※参照・参考資料:
[1]世界初、太陽光発電する道路が開通 オランダ(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3031665?pid=14784058
[2]世界初の太陽光発電ロード、オランダに開通(CNN)
http://www.cnn.co.jp/tech/35056515.html
[3]SolaRoad
http://www.solaroad.nl/en/
[4]FAQ(同上)
http://www.solaroad.nl/en/faq/

※関連記事:

2014年11月13日

東海カーボンが中国でファインカーボン事業の合弁会社を設立予定、同市場で太陽光発電向けの展開拡大を図る

東海カーボン社が2014年11月11日に、

  • 中国企業「山東偉基炭科技有限公司」との間で、同国内でファインカーボン事業合弁会社を設立する基本方針に合意した。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。

背景・目的

  • 山東偉基は、中国におけるファインカーボン製品の大手メーカーであり、特に太陽光発電用炭素材分野で強い販売網を持っている。
    同社と東海カーボンは、10年以上取引実績がある。
  • 中国国内では引き続き、ファインカーボン製品の需要拡大が見込まれる。
    東海カーボンは今回の合弁事業により、中国市場において
    新しい加工拠点の獲得
    販売網の拡充
    を図る。

合弁会社

  • 所在地:山東省済南市
  • 事業内容:ファインカーボン製品の加工・販売
    炭素原料を日本から輸入し、中国で加工する。
    新工場(加工能力は山東偉基の既存設備の2倍以上)も建設する予定。
  • 資本金4300万元の予定
    出資比率は、東海カーボン49%・山東偉基51%。
  • 設立時期2015年春の予定

ここ2年ほどは太陽電池モジュールの供給過剰に伴い、製造用の装置・部材市場も低迷が続いていたので、今回の事業拡大方針はかなり意外に感じましたが、それだけ昨年来の中国国内での太陽光発電需要の急増により、現在は状況が大きく変わりつつある、ということかもしれません。

製品の種類や事業内容は異なりますが、中国では米SunPower社も新たな合弁会社を設立予定であり、外資系が(合弁事業により)同市場に参入する動きは、今後更に活発化していく可能性が考えられます。

ただ今回の東海カーボン社のケースでは、合弁相手と既に長期の取引実績があり、海外企業が参入するには、現地の良いパートナー企業を見つけられるかどうかが、大きな鍵となるようにも思われます。


※参照・参考資料:
[1]中国におけるファインカーボン事業の合弁会社設立について(東海カーボン)
http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?template=announcement&sid=20672&code=5301
[2]拓??素?易(上海)有限公司(同上)
http://www.tokaicarbon-cn.com/jp/about02.asp
[3]山??基炭科技有限公司
http://www.sdweiji.com/index.asp
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