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2015年02月28日

第19回「調達価格等算定委員会」で2015年度の買取価格案が提示、出力制御機器の追加費用見通しも示す

経済産業省2015年2月24日に、第19回調達価格等算定委員会」の資料を公表していました[1]。

このうち太陽光発電について、まず2015年度買取価格の委員長案は下記の通り。

  • 10kW未満
    • 出力制御対応機器の設置なし:33円/kWh
    • 同・設置あり:35円/kWh
      ※4月以降に設置を義務付けている電力会社は、現時点では北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄。
  • 10kW以上
    • 2015年4月1日〜6月30日の認定分:29円/kWh(税抜き)
    • 同7月1日以降の認定分:27円/kWh(同上)

また今回の資料では「出力制御機器」に関して、太陽光発電協会から提出された各種数字(追加費用など)も示されており、主なものは下記の通り。

追加費用

  • 10kW未満
    • ソフト更新済みパワコンの市場投入(2015年7月予定)の前:計1万8800円/kW
    • モニターシステムにおいて、制御ユニットとモデムの交換のみで済む場合:1万円/kW
    • モニターシステムにおいて、電力計測ユニットも含めて交換する場合:計13800円/kW
  • 10kW以上
    • 10〜50kW未満:計1万7000円/kW
      (※ソフト更新済みパワコンの市場投入の前に設置する場合は2万600円/kW)
    • 50kW以上3100〜6400円/kW(同4000〜7600円/kW)

対応機器の市場投入の見込み時期

  • 10kW未満
    • パワーコンディショナ(ソフト更新済み):2015年7月〜(※早いメーカーは4月)
    • モニターシステム(通信機能付き制御ユニット):2016年10月
  • 10kW以上
    • パワーコンディショナ(ソフト更新済み):2015年10月
    • モニターシステム(通信機能付き制御ユニット):2016年10月
    ※設備設置者は、対応機器の発売前は既存の機器を設置しておき、将来に対応機器が市場投入された際に、追加支出をして導入することが必要となる。

次年度の買取価格案もさることながら、出力の遠隔制御について法令改正のみが先行している中で、ユーザー側の費用負担の見通しが示されているのは、注目すべき点だと思います。

住宅用(10kW未満)における、制御機器の有無による差(2円/kWh)は、1年で2000円/kW(※設備1kWの発電電力量を年1000kWhとする)、買取期間の10年では2万円/kWとなり、出力制御機器導入による負担分(最大1万8800円/kW)を十分にカバーできることから、妥当な設定だと考えます。

いっぽう産業用(10kW以上)では、50kW以上で段違いに安くなっていますが、基本的な機能にそれほど違いが無ければ、発電容量が大きいほど1kWあたりの追加費用が低くなるのは、当然のことかもしれません。

ただし、対応機器の市場投入時期は今年の秋以降であり、将来的に機器の入れ替えが必須となる点では、不利だとも感じられます。

いずれにせよ現時点で、具体的な対応機器の発売予定を示しているのは(私の知る限りでは)日新電機のみであり、出力抑制に関する不透明さがまだまだ拭えないことも確かです。


※参照資料:
[1]調達価格等算定委員会(第19回)‐配布資料(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/019_haifu.html

※関連記事:
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2015年02月26日

First Solarの2014年4Qは、売上高が前年同期比31%増・営業利益は230%増、大規模発電所プロジェクトでの収益が寄与

First Solar社が2月24日に、20144Qの業績を発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。(※四捨五入は当ブログ管理人が実施)

業績

  • 売上高:約10億ドル(前年同期比31%増)
  • 粗利益率30.6%(同6ポイント増)
  • 営業利益:約2億ドルの黒字(同230%増)
  • 四半期純利益:約1億9200万ドルの黒字(同194%増)
  • モジュール生産量509MW(同15%増)
  • モジュール変換効率(量産製品の平均)14.4%(同1ポイント増)

背景

  • 売上高は前四半期(約8億9000万ドル)から13%伸びており、これは
    • Solar Gen 2 project」の売却
    • Silver State South project」や他の建設中プロジェクトにおける初期収益の認識
    による。
    一方「Desert Sunlight」「Topaz」については、プロジェクトが完了したため、収益の認識は低くなった。

ちなみに、通年の業績のほうは下記の通り。

  • 売上高:約34億ドル(前年比3%増)
  • 粗利益率:24.4%(同1.7ポイント
  • 営業利益:4億2400万ドルの黒字(前年より5570万ドルの増加)
  • 純利益:3億9700万ドルの黒字(同4390万ドルの増加)
  • モジュール生産量1846.1MW

地域別の売上高は記載されていませんが、「Porential Booking Opportunities」([2]の8p)では北米が半分近くを占めており、SunPower社と似た(地元・北米市場に大きく依存している)状況であることが推測されます。

また業績の伸びの要因には、今回も大規模発電所プロジェクトの動向のみが挙げられており、同分野が占める比重の大きさが強く伺えるものです。

ちょうど業績発表の前日には、SunPower社とのYieldCoの共同形成に向けて交渉中である旨が発表されていますが、現状で所有発電所の売電ではなく、EPCが収益のメインであるならば、YieldCoが実現した場合にも大きな変化は生じないものと予想します。

太陽電池モジュール製品の平均変換効率については、1年前から1%も高まっていることに驚きましたが、技術開発の成果が量産品の性能アップに上手く繋がっていることが伺えます。

モジュール生産量は、4Qには(横ばいが続いた前四半期までと比べて)明らかに伸びており、この生産ペースが2015年も続けば、年2GW到達も固いと思われます。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Fourth Quarter and Full Year 2014 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=898092
[2]Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=811527&filekey=ECE32482-712F-4A09-893C-EFD60B44685F&filename=Q414_Earnings_Call_Presentation.pdf

※関連記事:
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SunPower社の2014年4Qは、売上高が前年同期比82.4%増・純利益は504%増、アメリカ市場が牽引もAPACでは売上原価増大

SunPower社が2月24日に、2014年4Qと同・通年の業績を発表していました[1]〜[3]。

主な内容は下記の通り。(※四捨五入や一部数字の計算は、当ブログ管理人による)

第4四半期

  • 業績(GAAP)
    • 売上高:約11億6400万ドル(前年同期比82.4%増)
      地域別では、
      アメリカ:約10億ドル(同162%増)
      EMEA:約5300万ドル(同66
      APAC(アジア太平洋):約11億ドル(同8%増)
    • 粗利益率22.3%(前年同期は20.5%)
      地域別の売上原価は、
      アメリカ:約7億3700万ドル(同153%増)
      EMEA:約5100万ドル(同61
      APAC:約11億7000万ドル(同36%増)
    • 純利益:約1億3500万ドルの黒字(前年同期比504%増)
  • 背景
    • 北米:最も業績アップに寄与した地域。
      発電所分野
       カリフォルニア州での「Solar Star Projects」(579MWAC、「Berkshire Hathaway Energy」と「Southern California Edison」向けに建設中)は、412MW以上が系統連系済みで、残りは2015年2Q末までに完成の予定。
       また自社の「Quinto project」(135MW)は、2015年末に完成する見込み。
      産業分野:力強いリピート受注があった。
      住宅分野
       受注は、現金、ローン、リースの順に増加。
       自社で用意している資金調達オプションの幅広さが、顧客の評価を得ているとみられる。
      ・「Smart Energy」では
       ・Sunverge Energy社(住宅用蓄電池)
       ・Tendril社(エネルギー情報管理ソフトウェア)
       ・SolarBridge Technologies社(マイクロインバータ)
       と、幅広い投資を行った。
    • EMEA
      分散型発電(DG)分野
       販売量が伸び、価格も安定していた。
       欧州での事業体制の再構築(収益性アップが目的)は、完成に近づいている。
      発電所分野
       フランスでの強いポジションにより、受注の勢いと固さは続いている。
       南アフリカでは「Prieska project」(86MWAC)が建設中。
    • アジア太平洋:ポジティブさを維持した。
      日本
       効率・品質・信頼性の高いパネル技術により、屋根設置市場で先導的な立場を維持した。
      中国
       2つの合弁事業によって市場参加できており、2015年には250MWの導入と、4GW以上のパイプラインが見込まれる。

2014年通年

  • 業績(GAAP)
    • 売上高:約30億2700万ドル(前年比20.7%増)
      地域別では、
      アメリカ:約23億2300万ドル(同39%増)
      EMEA:約2億8900万ドル(同36
      APAC:約4億1500万ドル(同9%増)
    • 粗利益率20.6%(前年は19.6%)
      地域別の売上原価は、
      アメリカ:約17億6000万ドル(同35%増)
      EMEA:約2億5100万ドル(同40
      APAC:約3億9200万ドル(同32%増)
    • 純利益:約2億4600万ドルの黒字(前年比157%増)

売上・利益ともに地元アメリカが大部分を占めている点は、(同様に地元市場向けがメインとなっている)現在の日本のパネルメーカーと一見似た状況。

ただし、発電所事業のスケールは全く異なっており、また対照的に住宅用の受注量・設置量はかなり小さく(4Qは約20MW受注、約14MW設置([2]の16p))、このあたりには、メイン市場の状況の違いが顕著に現れているとも感じられます。

ちなみに住宅用の平均設置規模も、8kW超(4Qは8.8kW)と日本の倍近くであり、家の大きさの差が伺えます。

業績の伸びは、やはりアメリカに支えられているところが大ですが、他方でアジア太平洋では、4Qの売上原価が明らかに売上高を上回っていることに驚きました。(※ただしNon-GAAPでは、APACの売上総利益は10.9%([2]の9p))

同市場について「We remain very positive」とは言っているものの、売上原価の急激な伸びは3Qから続いており、一体どのような事情が有るのかは、非常に気になるところです。(中国市場での展開と関係があるのだろうか)


※参照資料:
[1]SunPower Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2014 Results(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-02-24-SunPower-Reports-Fourth-Quarter-and-Fiscal-Year-2014-Results
[2]Q4 2014 Supplementary Earnings Slides(同上)
http://investors.sunpower.com/common/download/download.cfm?companyid=SPWR&fileid=811286&filekey=CBCABA4F-F11D-4233-9063-4FF29C90FB8B&filename=Q4%202014%20Supplementary%20Slides%20Final.pdf
[3]Q4 2014 Supplemental Data Sheet(同上)
http://investors.sunpower.com/common/download/download.cfm?companyid=SPWR&fileid=811287&filekey=09399D22-887A-4166-A955-DA819BEE4810&filename=Q4%202014%20Supplementary%20Metric%20Sheet%20Final.pdf

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SunPowerとFirst Solarが、売電収入を収益源とする投資有価証券「YieldCo」の共同形成に向けて交渉中

SunPowerFirst Solarの2社が2015年2月23日に、「Yieldco(イルドコ)」の共同形成を目指している旨を発表していました[1][2]。

「Yieldco」は、再エネ発電による売電収入を収益源とする投資有価証券[3]とのことで、今回の発表の主な内容は下記の通り。

  • 目的
    両社は今回のYieldCoが、(各社の資産の既存ポートフォリオから選択された)太陽光発電資産ポートフォリオに寄与することを期待している。
  • 現在の状況
    共同で「YieldCo vehicle(the YieldCo)」を形成するための交渉が、高度な段階にある。
  • 今後の予定
    主要な形成合意を実行したら、両社はUPO(新規株式公開)のために、証券取引委員会(SEC)に登録届出書を提出する予定。
    ただし、YieldCo vehicleの形成やIPOの実施、その他の取引が実現する保証はない

「Yieldco」は初めて聞いた言葉なので戸惑いましたが、日経新聞の用語解説[3]の助けを借りると、今回の提携では、太陽光発電事業を専業とする合同ベンチャー企業?を新設し、各社の発電事業を本社から独立させることで、投資家の投資を呼び込みやすくする狙いがあるものと思われます。

そう言えば2014年3QのFirst Solar社の業績は、発電所建設の有無による影響の大きさが伺えるものだったので、その点では、特に収益の安定性が高いと思われる発電事業を独立させることは、合理的なのかもしれません。

とはいえ2社は、米国の代表的な大手太陽電池メーカーであるだけに、どのような形であれ提携の話は非常に意外であり、合意実現の暁にはどのような体制や事業内容となるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]First Solar and SunPower Plan to Partner to Form Joint YieldCo Vehicle(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-02-23-First-Solar-and-SunPower-Plan-to-Partner-to-Form-Joint-YieldCo-Vehicle
[2]First Solar and SunPower Plan to Partner to Form Joint YieldCo Vehicle(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=897786
[3]イルドコ(Yieldco)(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/money/investment/toushiyougo.aspx?g=DGXLASFZ10H29_11102014K10600
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2015年02月24日

オムロン・シャープ・住友電気工業がPV対応の住宅用蓄電システムを相次いで発表、システム構成や機能は各々個性的

ここ数日でオムロン・シャープ・住友電気工業の3社が、太陽光発電に対応した住宅用の小型蓄電システムを、相次いで発表していました[1]〜[3]。

各商品の概要は下記の通り。


オムロン「太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム KP48S-PKG64」

  • 発表日2015年2月23日
  • 構成機器
    • 蓄電池ユニット(屋内設置)
    • DC/DCコンバータ
    • ハイブリッドパワコン(屋外設置)
    • 計測・操作ユニット
  • 主な特徴
    • PV・蓄電池両対応の「ハイブリッドパワコン」
      PV用と蓄電池用の機能を集約。
      またPVの発電電力は、直流のまま蓄電し、損失が少なく済む。
    • 大容量・コンパクト・長寿命な蓄電池
      リチウムイオン電池は容量6.4kWhながら、家庭用空気清浄器なみのサイズと、60kgという軽量さを実現した。
      また充放電寿命は約8000サイクルで、10年以上の利用が見込まれる。
    • 軽量な機器
      機器の重さは
      ・ハイブリッドパワコン本体:約25kg
      ・DC/DCコンバータ:約13.5kg
      と軽量で、かつ壁掛け設置が可能。
    • 多様な運転モード
      ・「経済モード」:割安な夜間電力を蓄電して昼間に利用し、太陽光発電による電力は売電する。
      ・「安心モード」:災害などに備えて、常に50%以上の充電を維持する。
      ・「強制充電モード」:常に満充電状態を保つ(計画停電などへの備え)
      等を用意している。
    • PV電力を有効利用
      系統電圧の上昇により売電量を抑制しなければならない場合は、売電できない電力を充電できる。
      また、パワコンの出力容量をPVの発電容量が超えた場合も、余った電力を充電できる。
  • 発売時期:2015年春の予定
  • 価格:オープン

シャープ「クラウド蓄電池システム」

  • 発表日2015年2月23日
  • 構成機器
    • ハイブリッドパワーコンディショナ(約29kg
    • リチウムイオン蓄電池(※「メインユニット(約115kg)」「サブユニット(約110kg)」の2台構成
    • マルチエネルギーモニタ(約0.5kg
  • 主な特徴
    • パワコンの性能を向上
      ハイブリッドパワコンは、従来機種と同サイズで出力を30%アップ(5.5kW)。
      また、入力回路(従来機種は2つ)を3つ搭載したことで、太陽電池パネルの3面設置(寄棟屋根など)にも1台で対応できる。
    • 蓄電池の容量と施工性をアップ
      リチウムイオン蓄電池の容量は、従来機種のの2倍の9.6kWh
      また蓄電池本体をメインユニットとサブユニットで構成することで、設置工事の手間の低減が見込まれる。
    • クラウドと連携して災害時に対応
      クラウドHEMSと組み合わせることで、気象情報(大雨、暴風、高潮など)に基づいての、リチウムイオン蓄電池の充放電制御が可能。
      これにより、災害時の安定的な電源確保に寄与する。
  • 発売時期2015年5月26日の予定
  • 希望小売価格356万円(税抜き)

住友電気工業「家庭用蓄電池 POWER DEPOU」

  • 発表日2015年2月19日
  • 構成機器:本体のみ(容量3kWh・出力1kW、充放電回数6000回以上
  • 主な特徴
    • 小型で移動可能な本体
      ・高性能リチウムイオン電池
      ・高効率変換回路
      により、本体サイズをタワー型パソコン並みに抑えている。
      更にキャスター付き静音設計であり、室内の様々な場所での使用に向く。
    • 設置や使用が簡単
      家庭用コンセントに接続するだけで使用できる。(設置工事が不要)
      また本体前面のパネルでは、
      ・タイマー機能(夜間電力の利用など)の設定
      ・電池の残量や使用状況の確認
      が簡単に行える。
    • 太陽光発電システムと連携可能
      UPS機能
      ・機器の使用電力に応じ、充電電力を最適制御(※1kW以内)する機能
      を搭載。
      これにより、停電時にパワコンがコンセントから出力(自立出力)する電力も充電して、有効利用できる。
    • 充放電時の損失を半減
      独自の電力変換技術により、充放電時のエネルギー損失を従来方式比で半減している。
    • タイマー機能
      安価な夜間電力を蓄電して、ピーク時間帯に利用することができる。
    • 低価格
      システム設計で徹底的に無駄を省き、低価格を実現した。(※具体的な価格は記載無し)
  • 発売時期、価格:記載なし

価格は2メーカーが明記なしで、唯一記載のあるシャープ製品でも300万円台半ばであり、まだまだ高額さは否めない印象です。

また同じ住宅用の「蓄電システム」でありながら、蓄電池の軽量化や分割、またクラウドとの連携がある一方でコンセントに繋ぐだけ等、特徴や機能は三者三様。

その点にも、生まれたばかりの製品カテゴリであることが強く感じられますが、とりあえず

  • 小型・軽量化
  • 低価格化
  • 使いやすさ
  • PVとの連携
  • 夜間電力の有効利用
といった方向性は、今後の鍵になるものと考えます。

もう一つ、太陽光発電を設置する住宅がこれらの製品も導入する場合、制度変更されたFITでどのような扱いがされるのか、というのは現時点では良く判らず(と言うか私にはさっぱり判らない)、住宅用蓄電システム市場の本格化が予想される以上は、早急な明示が必要だと考えます。


※参照資料:
[1]太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム「KP48S」の発売について(オムロン)
http://www.omron.co.jp/press/2015/02/c0223.html
[2]「クラウド蓄電池システム」を発売(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150223-a.html
[3]太陽光発電システムの自立出力と連携できる高効率家庭用蓄電池 POWER DEPORUを開発(住友電気工業)
http://www.sei.co.jp/company/press/2015/02/prs011.html
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2015年02月22日

インドで100MW超のソーラープロジェクトが複数進行中

最近、インドでの100MW超ソーラープロジェクトに関する、複数の発表・報道がありました[1]〜[3]。

概要は下記の通り。


National Thermal Power Corporation(NTPC)

「RE-INVEST 2015」(2月にNew Delhで開催)において、10000MWのソーラープロジェクトを追加することで合意した。

既に

  • 4州(Andhra Pradesh、Madhya Pradesh、Telengana、Rajasthan)でのプロジェクト(各250MW
  • Andhra Pradesh州での単一プロジェクト(500MW
について、公開買付の通知を出している。

(※NTPCはインド各地において、8つのプロジェクト群(計110MW)を既に委託済み。
 その中で最大は、50MWの「Rajgarh Solar Project」(Madhya Pradesh州)。)


Solar Energy Corporation of India(SECI)

「RE-INVEST 2015」のカンファレンス(2月13日)において、「THDC India Limited(THDCIL)」の250MWのソーラープロジェクトに対し、自社のターンキーベースを提供することで、THDCILと覚書を結んだ。


Madhya Pradesh州のプロジェクト

  • 場所:Rewa地区
  • 発電容量750MW
    3セグメント(各250MW)に分割する。
  • 用地
    1500haは取得済み。
    残り300haの取得は継続中。
  • 期待される発電コスト5ルピー/unit
    これはインド国内のどのソーラープロジェクトよりも安い数字。
    (※管理人注:当記事の作成時点では1ルピー=約1.9円だったので、kWhあたりの金額かもしれません。)

先月の米Solarbuzzのレポートで、インドが太陽エネルギー導入の姿勢を一気に強めたことが報告されていましたが、今回見つけた情報{1]〜[3]の限りでも、大規模導入の動きが具体的に進んでいることが伺えます。

各ページでは「Solar Project」のみの記載であり、太陽熱も含まれる可能性がありますが、まずNTPCについては、既存プロジェクトの紹介ページ[5]で「Solar Energy」は「PV」のみなので、今回の新規追加分についても、全量が太陽光発電である可能性が考えられます。

それだけに、計1万MW(=10GW)という数字には正直目を疑いましたが、もともとNTPCはインド最大の火力発電会社(発電容量23万7000MW)[4]であり、インド国内での電力需要の拡大と、PVの初期コストが下がり続けていることを考慮すると、この規模の太陽光発電の新規導入も、十分に現実的な範囲なのかもしれません。

いっぽうSECIのほうは、サイトに太陽光発電と太陽熱発電の両方の写真が掲載されているので、THDCILのプロジェクトも太陽熱を含む可能性があります。
Madhya Pradesh州のプロジェクトについても、同じく太陽熱を含むことが考えられますが、仮にPVの割合が(低めにみて)半分だったとしても、規模の巨大さに変わりはありません。

今年1月には、米SunEdisonと印Adani Enterprisesが、太陽電池の大規模生産施設(投資額40億ドル)の建設を目指すことを発表していましたが、このような大規模プロジェクトが多数進行中ということであれば、インド国内での太陽電池モジュール需要が急拡大するという見通しも、妥当なものだと感じられます。

ただし、現政権は「Make in India」キャンペーンを展開しているので、海外メーカーにとっても有望市場と成り得るかは判りませんが。


※参照資料:
[1]NTPC Commits to Add 10K MW of Solar(National Thermal Power Corporation)
http://www.ntpc.co.in/en/media/press-releases/details/ntpc-commits-add-10k-mw-solar
[2]SECI signs MoU with THDCIL for Development of 250 MW of Solar Projects(Solar Energy Corporation of India)
http://www.seci.gov.in/upload/files/what_new/news/54e1d8a81eb81THDCILSECIMOUpressRelease.pdf
[3]At 750MW, Madhya Pradesh to get world’s largest solar power plant(Economic Times誌)
http://economictimes.indiatimes.com/industry/energy/power/At-750MW-Madhya-Pradesh-to-get-worlds-largest-solar-power-plant/articleshow/46259062.cms?imageid=31205800#slide8
[4]NTPC(ウィキペディア)
[5]Renewable Energy & Distributed Generation(NTPC)
http://www.ntpc.co.in/en/power-generation/renewable-energy-and-distributed-generation
[6]Solar Energy Corporation of India
http://www.seci.gov.in/content/
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2015年02月20日

三菱電機がPV設備向けの直流アーク対策の新技術を発表、アーク発生回路のみを0.25秒以下で遮断可能

三菱電機2015年2月17日に、太陽光発電設備におけるDCアーク対策の新技術を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 北米のPVシステムでは近年、DCアークによる事故が発生しており、検出器の設置が米国で規格化されている。
    またIECでも、DCアーク対策に関する規格の標準化活動が進められている。
  • しかし従来の検出技術では、DCアークの発生回路を特定できず、DC回路全てを遮断する必要があるため、
    • 発電量が急減する
    • 発生回路の発見・復旧時間を要する
    との課題がある。

特徴

  • アークの発生回路を特定可能
    • 電流波形の振動
    • 電流・電圧の変化
    を監視することで、DCアーク発生の有無だけでなく、発生した回路も特定できる。
  • 瞬時に検出・遮断
    故障回路の検出保護時間は0.25秒以下。(※従来技術では2秒以下)
  • 回路の選択遮断が可能
    DCアークの発生回路のみを遮断できる。
    これにより
    • 健全回路での発電継続
    • 故障回路の早期特定
    ができ、発電量の低下を最小限に抑えることが可能。
  • 新遮断技術「ARC SWEEPER」
    従来の遮断技術から、磁石による磁気作用を大幅に向上。
    これにより、小さいスペースで瞬時に、更に通電方向に関係なく、DC回路を瞬時に遮断できる。

最近は国内メガソーラーでもDC1000Vシステムに対する需要が高まっており[2]、また海外では更にDC1500Vシステムの開発も推進中と、大規模発電設備が高電圧化する流れが続いているので、今回のような直流アーク対策の技術も、その重要性をますます高めていくと考えられます。

今回の発表では、具体的な製品展開には一切触れられていませんが、検出保護時間を劇的に短縮し、更に発電停止範囲もストリング単位に留められることから、ユーザーの需要は非常に強いと思われるので、迅速な商用化を強く期待したいものです。


※参照資料:
[1]太陽光発電向けシステム安定性向上技術(三菱電機)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2015/0217-a.html
[2]遠隔出力制御(出力抑制)機能をパワコン全機種に搭載!DC1000V対応660kW機も新ラインアップで、幅広く再生可能エネルギー事業に貢献(日新電機)
http://nissin.jp/news/detail.php?newsId=155&year=2015
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2015年02月19日

サニックスの2014年度3Qの「SE事業部門」は売上7割増だが赤字化、回答保留などの影響で固定費(人件費など)の増加分を吸収できず

サニックス社が2月12日に、2014年度第3四半期の業績を発表していました[1][2]。

このうち、太陽光発電を取り扱う「SE事業部門」の状況は下記の通り。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)

  • 業績(※3Q累計)
    • 売上高:約518億円(前年同期比69.9%増)
    • 営業利益:約31億円の赤字(前年同期は約22億円の黒字)
  • 背景
    • 産業用の施工件数は大幅増加
      これが売上高の伸びにつながった。
    • 営業赤字の原因
      下半期に向けて施工件数が増えると見込み、施工人員を大幅に増員。
      (※2014年4-12月には平均2706名で、これは前年同期の約4倍
      しかし実際には
      ・一部工事案件での、系統連系に係る回答の長期化
      ・電力会社の回答保留措置
      といった外部環境の悪化により、売上高の伸びは予想を下回り、固定費(人件費など)の増加を吸収しきれなかった。
  • 今後の見通し・方針
    • 今年1月のFIT改正
    • 2014年度中の設備認定取得の期限(1月30日まで)
    により、(顧客である)発電事業者における採算性が見通しづらい。
    その一方で、東京・中部・関西の各電力会社管内は、(サニックス社の主要商品である)低圧設備が出力抑制の対象外であるため、今後主要な営業地域になることが見込まれる。
    このため第4四半期中に、
    • 人員の再配置(九州・四国地区から関東・中部・関西地区への配置替え)
    • 採算性の改善部材・物流費などの低減、固定費の全面的見直し等)
    を実施する予定。

電力会社による回答保留の影響が、PV販社の業績に明確に現れており、発電事業者側に起こった不安を考えると、これを「風評被害」[3]と見るのは楽観的過ぎるように思われます。

更に今後はFITの改正も加わるので、年間の発電抑制時間の見通しを明確に示す等の措置が講じられない限りは、新規案件の減少は避けられないものと考えます。

太陽光発電協会によるモジュール出荷統計で3Qの国内向け出荷量は堅調(前年同期比10%増)だったものの、この分だと今後遠からず、横ばいまたは減少に転じる可能性もあるのではないでしょうか。

ともかく(大手販社とはいえ)あくまで一企業の業績発表ではあるものの、日本の太陽光発電市場が転換期の只中にあることを示しているとも感じます。


※参照資料:
[1]平成27年3月期 第3四半期決算短信(サニックス社)
http://sanix.jp/ir/release/news/pdf/27-2a.pdf
[2]説明会資料(同上)
http://sanix.jp/ir/release/news/pdf/27-2b.pdf
[3]<第25回>「『接続保留』による混乱は風評被害」。回答再開後を楽観する3つの理由。太陽光発電協会(日経BP)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20141020/383641/?ST=msb&P=1

※関連記事:
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2014年度3Qのモジュール国内出荷量は約2.2GW(前年同期比10%増)、ただし住宅向けは22%減、また海外メーカーシェアは3割のまま

太陽光発電協会が2月17日に、2014年度第3四半期(2014年10-12月)における太陽電池の国内出荷統計を発表していました[1]。

その中からモジュール出荷量について、気になった数字を抜き出してみました。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)

2014年度の四半期別の総出荷量

  • 1Q:2008MW(前年同期比20.7%増)
  • 2Q:2566MW(同21.5%増)
  • 3Q:2461MW(同19.3%増)

モジュール出荷量の内訳

総出荷量は約2461MW(前年同期比19%増)。
  • 出荷先別
    • 国内向け:約2239MW(同10%増)
      用途別では、
      • 住宅:約459MW(前年同期比22
      • 非住宅:約1780MW(同22%増)
        ・発電事業(売電目的の500kW以上):約1108MW(同44%増)
        ・一般事業(商業・公共施設、500kW未満の地上設置):約671MW(同2
      • その他:約0.39MW(同26
    • 海外向け:約222MW
      うち国内生産品(約53MW、前年同期比161%増)の仕向け先別では、
      北米:約4.3MW(前年同期比299%増)
      欧州:約41MW(同919%増)
      その他:約8MW(同47
  • 種類別
    • Si単結晶:約737MW(同15%増)
    • Si多結晶:約1361MW(同21%増)
    • その他:約363MW(同21%増)
      ただし国内出荷量(約257MW)は同11
  • その他の内訳
    • 日本企業:外国企業68:32
    • 国内生産品:海外生産品35:65

2014年度はこれまで、(消費税率アップや電力買取価格見直しを前にした)駆け込み需要の反動や、電力会社の回答保留がありましたが、それでも1Q〜3Q全てが前年同期比増で、とりあえずはモジュール需要の成長の底堅さが感じられるものです。

しかし、国内向けが殆どを占める偏り具合が続いているだけに、今後FITのルール改正がどう影響してくるか、というのは懸念されます。

用途別では、住宅用(2割以上の減少)は非住宅と対照的であり、また非住宅の中でも規模の小さい「一般用」は微減。
中小規模設備の分散設置を推進したいのであれば、ここで何らかの積極的な対策(補助金制度など)を講じる必要があるのではないでしょうか。

一方の海外出荷は、伸びこそ大きいですが、これはあくまで出荷量自体の小ささに因るとみられ、プラス材料とは言い難いと思われます。

モジュールの種類別では、需要の成長を示すように全種類の出荷量が伸びていますが、その中で「その他」の国内出荷量は減っており、ソーラーフロンティア社の出荷状況がどうなっているのかは気になるところです。

海外製品の動向については、海外生産のモジュールが総出荷量の2/3を占める一方で、海外メーカーのシェアは今回も約30%に留まっており、シェア拡大が思うように進んでいないことが伺えます。

ただし、中国のトップメーカーは技術向上の取り組み(Trinaの自社研究所のの認証取得など)を進めているだけに、将来的に地道な信頼獲得が結果を出す可能性はあると考えます。


※参照資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2014年度第3四半期(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html

※関連記事:
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2015年02月18日

オムロンがパワコン「KP□Mシリーズ」の重塩害対応機種を発表、海岸近くでの設置ニーズに対応

オムロン社が2015年2月17日に、パワコンKP□Mシリーズ」(2012年発売)の重塩害対応機種を発表していました[1]。

主な特徴は下記の通り。

特徴

  • 重塩害地域に対応
    オムロン社の従来機種では、塩害地域(海岸線から500m以内、または潮風が直接当たる場所)への設置が困難だったが、今回の新機種は設置が可能。
    これにより昨今特に高まっている、海岸線近くへの設置ニーズに対応できる。
  • 防水性と施工性を両立
    パワコン本体の防水コネクタと、ケーブルのPF管を接続するジョイントを新開発。
    これにより、
    ・施工性(固定性、作業効率)の改善
    ・保護性能の向上(防塵・防水規格IP65
    を実現している。
  • 防錆性能をアップ
    高性能塗料を採用したことで、防錆性能を従来機種から大幅に向上している。
  • KP□Mの機能を踏襲
    機能・仕様は、好評を得ている従来機種を踏襲。
    多数台連系時単独運転防止技術「AICOT」も搭載している。

また、機種は「KP55M-SJ4」「KP44M-SJ4」の2種類で、いずれも発売時期は2015年6月予定とのことです。


他メーカーでのいち早い対応発表があった遠隔出力制御機能については一切言及なしですが、制御の仕様が不透明な現状で、オムロン側としては対応に慎重な姿勢をとっているのかもしれません。

ただ「KP□Mシリーズ」については、昨年に機能の追加(進相無効電力制御、FRT制御機能など)が行われており、今回重塩害対応タイプが発表されたことからも、オムロン社のパワコンにおける重要商品であることが伺えるので、遠隔制御への対応も、間違いなく講じられるものと考えます。

また塩害についてはちょうど、(こちらは野立て設備ですが)木製架台がその利点(耐性)から、ソーラーフロンティア社が関わるメガソーラーの一部に採用されたことが発表されており、FIT導入から3年目を迎えた島国・日本において、太陽光発電設備の塩害への対応強化は、差し迫った課題になっているのかもしれません。


※参照資料:
[1]「KP□Mシリーズ」の重塩害対応タイプ発売について(オムロン社)
http://www.omron.co.jp/press/2015/02/c0217.html

※関連記事:
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