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2015年04月28日

米国の住宅用PV供給大手「Vivint Solar」社が、「Trinasmart」モジュールの取り扱いを決定

もう1ヶ月半前になりますが、Trina Solar社が2015年3月10日に、

  • 米国住宅用太陽光発電システムの供給を手がける「Vivint Solar」社(業界2位)が、「Trinasmartモジュールを、顧客向けソリューションの一つとして取り扱うことになった。
と発表していました[1]。

同モジュールの概要は下記の通り。

  • モジュール単位での監視・制御が可能
    太陽電池モジュールのジャンクションボックスに、
    • 出力の最適化機能
    • 監視機能
    を搭載。
    これにより、太陽電池アレイの出力制御や監視を、モジュール単位で行うことができる。
    (※この制御・監視は、モバイル端末やパソコンにより、リアルタイムで行える)
  • システム導入の負担を軽減
    上記の機能集約により、
    • システム設置スピードの向上
    • BOSコストの削減
    が期待できる。
  • システムの安全性を向上
    電気的な不具合(アーク発生など)が起こった際は、影響を受けたモジュールを自動的にシャットダウンできる。
    また火災の発生時にも、発電を停止して高電圧を排除し、消防士の安全を確保する。
  • 保証
    トリナソーラーの
    • 10年間製品保証
    • 25年間リニア性能保証
    の対象になっている。
    また、NECの「690.12 Rapid Shutdown requirement」に準拠している。

「Trinasmart」は現状で、大手モジュールメーカーの中では他に類を見ない技術だと思いますが、今回米国での住宅用PV供給大手に採用されたことで、製品に対する評価を確実に積み重ねていることが伺えます。

Trina Solarは中国メーカーの1社として、米国では反ダンピング関税・相殺関税の対象。

加えて、急拡大を続けてきた米国の住宅用PV市場自体に、減速の可能性が出てきた[3]とのことで、Trina Solarの今後の米市場での展開も、決して楽観はできないと思われます。

その中での今回の提携であり、そこで「Trinasmart」技術が、(発表の中で述べられている通りに)従来よりも優れた価値(コストダウン、設置の容易化、安全性の向上など)を実際に顧客に提供できるか、というのは、Trina社にとって一つの試金石にもなるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]Trina Solar and Vivint Solar Announce Agreement to Install Trinasmart Modules in North America(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2024159
[2]Vivint Solar
http://www.vivintsolar.com/
[3]電力会社が住宅用太陽光の増加に警戒、ネットメータリング廃止へ(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20150417/414923/
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2015年04月25日

シャープが「BLACKSOLAR」の新機種を発表、パッシベーション膜の改良でモジュール変換効率を0.9ポイント向上

シャープ2015年4月21日に、住宅用単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」の新機種を発表していました[1]。

機種は

  • NQ-220AE<標準>
  • NQ-155AE<コンパクト>
  • NQ-101LE<コーナー>
  • NQ-101RE<コーナー>
の4種で、主な特徴は下記の通り。


変換効率を0.9ポイント向上

セル受光面・裏面のパッシベーション膜に、下記の新技術を採用した。

  • 受光面窒化シリコン膜(+に帯電して正孔を押し戻し、発電ロスを従来機種より90%低減)
  • 裏面酸化アルミ膜(−に帯電して電子を押し戻し、発電ロスを同75%低減)

これらにより、キャリア(電子・正孔)の再結合を従来よりも抑制。

標準機種(NQ-220AE)ではモジュール変換効率19.1(従来機種より0.9ポイント増)を実現した。


多様な屋根に対応

  • ルーフィット設計(コンパクト機種・コーナー機種も用意)
  • ワイドレンジパワコン(入力運転電圧の範囲が広い)との組み合わせ

により、多様なサイズ・形状の屋根で、発電容量を最大化できる。


厳しい独自試験に合格

  • 自然環境下より厳しい条件(高温・高湿)での「加速劣化試験」
  • IEC規格より厳しい「繰り返し風圧試験」「滑雪試験」

など独自の品質評価試験を行い、「Quality Test Standard of SHARP」に適合している。


シャープの太陽電池事業については、一時は堺工場売却の噂が出、それが否定された後も「社内では完全なお荷物事業」という報道[2]があるだけに、今回の新製品にはシャープの意地が表れているとも感じられます。

特にモジュール変換効率を1%弱アップしたのは、年間発電電力量の明確な増加という点で、ユーザーにとって非常に大きな魅力となるのではないでしょうか。

もっとも、フラッグシップモデルであるはずのこの「BLACKSOLAR」についても、海外調達が検討されている[3]とのこと。

もしそれが実現されれば、(技術力・製品開発力は別として)海外メーカーの製造技術が、日本のトップメーカーと同水準であることの証明になってしまう気もしますが、価格競争力を確保するためにはそれも止む無し、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]住宅用 単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」4機種を発売(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150421-a.html
[2]苦境のシャープ、なぜ太陽電池を続けるのか(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/65722
[3]シャープ、太陽電池事業で海外からのODM調達を検討−住宅向け製品にも拡大(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320150422bjaj.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2015年04月23日

First Solar社が豪州で102MW、SunPower社も南アで86MWのメガソーラープロジェクトを推進

First Solar社が2015年4月17日に、豪州大規模メガソーラー(102MW)で太陽電池モジュール設置完了したことを、発表していました[1]。

プロジェクトの概要は下記の通り。

  • 施設名:「Nyngan Solar Plant
  • 場所:豪州New South WalesのNyngan(ナインガン)
  • 発電容量102MWAC(※南半球で最大規模の見込み)
    うち約1/4は、3月に稼動を開始している。
  • モジュール設置数:136万枚
  • 地元への効果
    • 地元企業からの部品調達
      全調達支出の55%以上を占めた。
    • 雇用の創出
      建設時は、直接的には250名以上の雇用を生んだ。

また4月20日にはSunPower社が、南アフリカで大規模発電所(86MW)の建設を着工したことを発表していました。

こちらの概要は下記の通り。

  • 施設名:「Prieska Solar Power Plant
  • 場所:Northern Cape州のPrieska(プリースカ)
  • 発電容量86MW
  • 発電電力の用途:ESKOMに売電する。
  • 稼動開始時期:全面稼動は2016年内の予定。
  • 地元への効果
    • 雇用の創出
      建設時には、約700名の雇用が生まれる見込み。
  • その他
    • 3ヶ所目のメガソーラー:
      南ア政府の再生可能エネルギープログラム(REIPPP)の元で、SunPower社が手がけるプロジェクトでは3つ目となる。
      (※他は同州Douglasでの2プロジェクト(計33MW)で、2014年に完成済み。)
    • Oasis Power Plant technology」を採用:
      一軸追尾技術の導入により、太陽エネルギーの捕獲率を最大で25%まで高める。

いずれも新興市場でのプロジェクトながら、世界的にもトップクラスの規模であり、新興市場での展開における、米国大手メーカーの積極姿勢が強く感じられます。

2014年の業績ではFirst SolarSunPowerともに、地元市場(北米、米国)への依存の強さが今だ際立っていましたが、今回のような大規模プロジェクトの推進は、その状況(一部市場への著しい偏り)の改善に向けた具体的な取り組みと見受けられます。

また、このように海外メーカーが新興市場での競争力を強化しているとなると、例えばシャープがソリューション事業の海外展開強化を狙い通りに進めることができるのか、というのは非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]First Solar installs final module at Nyngan Solar Plant(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=907170
[2]SunPower Breaks Ground on 86-megawatt Prieska Solar Power Plant in South Africa(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-04-20-SunPower-Breaks-Ground-on-86-megawatt-Prieska-Solar-Power-Plant-in-South-Africa
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2015年04月21日

2014年11〜12月の太陽光発電導入量は安定の伸び、ただし新規認定量は非住宅が急減

「固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト」[1]で4月10日に、「2014年12月末時点」の数字が公開されていました。

この中から太陽光発電に関する数字を、その前の「11月末時点」とともに抜き出してみました。(※カッコ内は前月末比の増減。また一部は当ブログ管理人が計算)


導入容量の累計(新規認定+移行認定)

住宅非住宅
2014年11月末時点748万kW(8万kW増)1202万kW(71万kW増)
同12月末時点756万kW(8万kW増)1279万kW(77万kW増)

認定容量(新規認定)の累計

住宅非住宅
2014年11月末時点334万kW(8万kW増)6688万kW(122万kW増)
同12月末時点343万kW(9万kW増)6745万kW(56万kW増)

買取電力量(月ごと)

住宅非住宅
2014年11月4億5654万kWh(6948万kWh10億6686万kWh(1億299万kWh
同12月3億539万kWh(1億5115万kWh8億4044万kW(2億2642万kW

買取金額(月ごと)

住宅非住宅
2014年11月196億円(30億円443億円(44億円
同12月131億円(65億円348億円(94億円

導入容量では住宅・非住宅ともに、月ごとの増加量が一定しており、いずれでも設備の新規導入が堅調に進んでいることが伺えます。

しかし認定容量のほうでは、一定ペースを保つ住宅に、増加量が半減した非住宅と、はっきり状況に差が出ており、これは電力会社による連系協議の再開方針の発表が12月下旬であり、そのために非住宅では新規認定が急速に細っていったものと思われます。

もっともその後は(条件付とはいえ)認定作業が再開され、また4月認定分からは更に買取料金が引き下げられただけに、2015年1月以降に駆け込み認定がどどの程度出たかは、今後の発表データで注目していきたいところです。

買取電力量と金額については、住宅・非住宅ともに加速度的に減少しており、冬場の日照量減少の影響が良く伺えます。

またそれだけに、再エネの種類の分散(太陽光のみに偏らないこと)が必要であることも、改めて感じられます。


※参照資料:
[1]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:
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2015年04月18日

SunPowerとAppleが共同で、中国・四川省での太陽光発電プロジェクト2つ(計40MW)を推進

SunPower社が2015年4月16日に、

  • Apple社と共同で、中国国内で太陽光発電プロジェクト(計40MW)を推進する。
と発表していました[1]。

事業の概要は下記の通り。

  • 該当プロジェクト
    四川省アバ・チベット族チャン族自治州における、下記の2事業。
    • 「Hongyuan Huanju Ecological Energy Co., Ltd., (Hongyuan)」(紅原県、20MW)
      ※うち2MW分は、既に系統連系している。
    • 「Ruoergai Huanju Ecological Energy Co., Ltd., (Zioge)」(若爾蓋県、20MW)
  • 事業体制
    • SunPower社のプロジェクト開発子会社「Sichuan Shengtian New Energy Development Co., Ltd.,」
    • Apple社
    の2社で共同保有する予定。
    (※SunPower社は米国内では既に、Apple社の6プロジェクト(計90MW)に対するソリューションの供給実績がある)
  • 発電電力量:計8000万kWh/年の見込み。
  • 技術的な特徴
    • LCPV tracker」:
      ・一軸追尾技術
      ・放物面鏡の列
      の組み合わせにより、高効率な「Maxeon」セルに集光する。
    • light-on-land」アプローチ:
      世界で培ってきたプラント設置経験(2GW超)を、設計・建設に活用。
      これにより発電設備を稼動しながらも、牧草の育成が可能になる。(地域の生態系や環境を維持できる)
  • 完成時期2015年第4四半期の予定。(現在建設中)

中国で米国の2企業が発電事業を手がける(しかも片方は、全くPV専業ではないApple社)、というのは非常に意外でした。

ただSunPower社は既に、現地での合弁企業設立により発電事業を推進していることから、中国市場での展開に十分手応えを掴んでいることが考えられます。

発電電力の用途は不明ですが、もし全量売電ということであれば、中国内での発電事業で売電収入を急速に伸ばしているJinkoSolar社の例もあり、SunPower・Appleの両社ともに、高い収益性を期待しているものと思われます。

また設備の面でも、簡易追尾装置による発電電力量の大幅アップに、現在の環境を損なわないという設置方法と、かなりユニークで先進的な太陽光発電所になりそうなので、完成時の情報公開(現地の写真など)に強く期待したいところです。


※参照資料:
[1]SunPower's China Joint Venture Partners with Apple to Provide Solar Power to the Environmentally-Preserved ABA Region(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-04-16-SunPowers-China-Joint-Venture-Partners-with-Apple-to-Provide-Solar-Power-to-the-Environmentally-Preserved-ABA-Region
[2]アバ・チベット族チャン族自治州(ウィキペディア)

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米1366 Technologiesが日本のIHIとモジュール供給で提携、また中国「Haiyin Capital」からは500万ドルの出資

1366 Technologies社が2015年4月9日に、

  • 中国企業からの出資
  • 日本企業との提携
について発表していました[1][2]。

PVTECHの記事[3]と合わせて、概要は下記の通り。


中国企業からの出資

  • 出資者:Haiyin Capital
  • 出資額500万米ドル(出資済み)
  • 出資金の用途
    1366 Technologies社が計画している、米国での新工場(生産能力250MW)建設に用いる予定。
  • 背景:
    結晶シリコン型太陽電池の生産チェーンでは、世界的に
    • 品質変換効率の向上
    • 生産コストの低減
    を両立する新技術の模索が続いている。
    Haiyin Capitalでは、1366 Technologies社の「Direct Wafer」技術が一つの答えであり、中国と全世界における大きな可能性がある、とみている。

日本企業との提携

  • 提携相手:IHI Plant Construction
  • 提携の内容
    両社は長期の提携契約を結んでいる。
    1366 Technologies社がIHI社に代わって、同社が設置する太陽光発電設備向けの太陽電池モジュールの、調達を担当する見込み。
  • 背景
    IHIでは、劇的な
    • コストダウン
    • 変換効率アップ
    をもたしうる革新的な技術を持つ、太陽光発電ポートフォリオの拡大を志向している。
    1366 Technologies社の技術に対しては、
    • 従来型の設備設置
    • 限られた面積への設置
    の両方において、明確で説得力があるとみている。
  • 供給モジュールの用途
    パイロット設備(2015年2月下旬に稼動開始)に、20枚が用いられている。
    そのフィールド試験の終了後には、1MWの発電所が続く予定。

日本企業との提携では、提携先が(モジュールメーカーではなく)下流事業を手がける企業であるのが、非常に意外でした。

それだけ、サプライチェーンの末端ほどコスト・性能の革新に対する意識が強く、それは逆に考えると(本来真っ先にDirect Wafer技術に注目すべきである筈の)日本のモジュールメーカーの動きが鈍い、ということなのかもしれません。

今回は中国企業による巨額出資が同時発表されていますが、Direct Wafer技術が本格的な商業生産に適う物であった場合、日本メーカーが海外メーカーに完全に太刀打ちできなくなる可能性もあるのでは、と危惧します。


※参照・参考資料:
[1]IHI CORPORATION TO DEPLOY 1366 TECHNOLOGIES’ DIRECT WAFERS IN NEW SOLAR INSTALLATIONS(1366 Technologies社)
http://1366tech.com/ihi-corporation-to-deploy-1366-technologies-direct-wafers-in-new-solar-installations/
[2]1366 TECHNOLOGIES EXTENDS SERIES C FINANCING WITH $5M INVESTMENT FROM HAIYIN CAPITAL(同上)
http://1366tech.com/1366-technologies-extends-series-c-financing-with-5m-investment-from-haiyin-capital/
[3]China and Japan get interested in 1366 Technologies ‘Direct Wafer’ technology(PVTECH)
http://www.pv-tech.org/news/china_and_japan_get_interested_in_1366_technologies_direct_wafer_technology
[4]Haiyin Capital - The Capital for Frontier Technology
http://www.haiyindtfund.com/
[5]IHIプラント建設の太陽光発電所、米ベンチャーのウエハー直接形成技術を採用(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150410/413580/?rt=nocnt
[6]産業用太陽光発電システム(IHIプラント建設)
http://www.ipc-ihi.co.jp/solar.html

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2015年04月14日

兵庫県多可町でメガソーラー(約14.5MW)が建設着工、京セラ等による共同事業

京セラ等が2015年4月10日に、兵庫県多可町(たかちょう)でメガソーラー建設を開始したことを発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 事業者:「多可町安田郷メガソーラー発電合同会社
    • 京セラ
    • 東京センチュリーリース
    • 四電エンジニアリング
    • 三菱総合研究所
    が共同出資している。
  • 場所:多可町中区西安田
  • 事業用地:約62ha
    地元で有効活用が望まれていた土地だった。
  • 出力:約14.5MW
    太陽電池モジュールは約5万5000枚を使用。
    また、自営の送電線設備(約3km)も設置する。
  • 発電電力量:約1万6000MWh/年の見込み
    全量を関西電力に売電する。
  • スケジュール
    • 2013年5月:
      兵庫県が公表した候補地情報に基づいて、事業検討を開始。
      その後は
      ・多可町と地元の生産森林組合への提案
      ・法令関係の申請手続き
      ・設備の設計
      ・各種協議
      を進めてきた。
    • 2014年10月:「多可町メガソーラー」社を設立。
    • 2015年3月:林地開発許可を取得。
    • 同年4月:着工
    • 2016年11月:稼動開始の予定
  • 各社の担当
    • 東京センチュリーリース:ファイナンスとそのアレンジメント
    • 四電エンジニアリング:設計・施工
    • 京セラ:太陽電池モジュールと周辺機器の供給
    • 京セラソーラーコーポレーション:発電所の維持管理
    • 三菱総研:事業全体の統括・コンサルタント業務、「多可町メガソーラー」の運営業務

完成イメージ図では、山裾の不規則な形状の土地に、太陽電池パネルが細かく分けて設置されており、くぼ地に貯まった水のようにも見えるあたりには、太陽光発電の柔軟さが良く表れているように思われます。

また各社の発表からは、自治体や森林組合・地域住民らの理解を丁寧に得てきたことが伺え、太陽光発電所建設への反対運動さえしばしば起こっている現状において、貴重な事例とも感じられます。

もうひとつ、多可町では兵庫県森林組合連合会による「木製架台メガソーラー多可発電所」(1.33MW)が既に設置されており[5]、これらのメガソーラーが地域にどのようなプラスの影響を及ぼしうるのか、というのは強く興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]兵庫県多可町におけるメガソーラー発電事業について(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/news/2015/0402_rina.html
[2]同上(東京センチュリーリース)
http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1230102&code=8439&ln=ja&disp=simple
[3]多可町(ウィキペディア)
[4]中区 西安田(多可町)
http://www.takacho.jp/oraga/naka/oraga_naka_nishiyasuda.html
[5]木製架台(ソーラーパネルECO架台 FIT SOLARRWood)を導入したメガソーラーシステム 多可発電所(サンフォレスト社)
http://www.sunforest.jp/taka/index.asp
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2015年04月10日

JA Solarがイスラエルの国会議事堂「Knesset」への設置向けに、自社製モジュール450kWを供給

JA Solar社が2015年4月7日に、

  • イスラエルの国会議事堂「Knesset」の太陽光発電システム(屋根設置)に、自社製モジュールが採用された。
と発表していました[1]。

発電設備の概要は下記の通り。

  • モジュール容量450kW
  • 設置面積:屋根面積のうち4650m2
  • 省エネ効果
    建物の電力需要の約1/10を賄える見込み。
    (※他の省エネ策と合わせると、2015年末までに、電力消費量の1/3をカットできる見込み)
  • 担当企業
    • モジュール供給:JA Solar
    • 地域での販売者:Ralco
    • EPC:Solargreen
  • 稼動開始時期
    2015年3月29日に、運転開始の式典を実施した。

現在の「Knesset」は約50年前に完成した建物とのことですが、写真を見る限りでも、流石に国会議事堂という威容が伺えます。

そのような国を代表する建物のPV設備に、中国メーカーの太陽電池モジュールが採用されたことは、(失礼ながら)ちょっと意外でした。

それだけ、中国のトップメーカーが既に(価格競争力だけでなく)製品の性能・品質やサービス等、総合的に高い実力を備えているということであり、その意味でも今回のモジュール供給は、際立って象徴的で重要な出来事という気がします。

また、イスラエルでの太陽光発電の知名度アップ・普及推進という点でも、今回の事業による効果は相当に大きいのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]Israeli Parliament Solar Project Adopts JA Solar Modules(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2032585
[2]クネセト(ウィキペディア)
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2015年04月08日

米国が「Solar Ready Vets」プログラムで、退役軍人のPV業界への就職を推進

米国のオバマ大統領が2015年4月3日に、「Hill Air Force Base」(ユタ州)で行った演説で

  • 退役軍人の太陽光発電業界への就職を進める訓練プログラム「Solar Ready Vets」について、実施拠点を国内の10基地まで拡大する。
との方針を発表したとのことです[1][2]。

これとDOEのサイト[3][4]から、同プログラムの概要をまとめてみました。


背景

  • 米軍では今後数年間で、最低19万人が退役する見込みである。
    退役軍人が市民生活に戻るうえでは、職を見つけることが最大の課題の一つになっており、その対策として、国防総省(DOD)は「SkillBridge Initiative」に取り組んでいる。
  • 太陽光発電業界は、
    • 累計発電容量:2014年末時点で推定20GW。(2008年(1.2GW)の17倍
    • 雇用
      過去4年間86%増加。
      2014年には、国内の新規雇用78件につき1件が同業界によるものだった。
      また現在では、フルタイムの労働者は17万4000人近くに達している。
    と、米国で最も急成長している産業の一つになっている。
  • これらの状況を受けて、エネルギー省(DOE)と国防総省が共同で、2014年9月に「Solar Ready Vets program」を立ち上げた。
    これは「SunShot Initiative」及び「SkillBridge Initiative」の一環として、軍人が再エネ分野に就職するためのトレーニングを提供するものである。

プログラムの概要

  • 訓練内容
    受講者は
    • 太陽電池パネルのサイズ選定と設置
    • 電力系統への接続
    • 地域の建築基準法の解釈と準拠
    の方法などを学習。
    太陽光発電システムの
    • 設置者
    • 営業担当者
    • システム検査官
    等、PV業界のキャリアの広範囲をカバーする。
  • 指導者
    「Solar Instructor Training Network(SITN)」(SunShot Initiativeの取り組みの一つ)のマスタートレーナーが担当する。
  • 実施場所
    初期は
    • Camp Pendleton(カリフォルニア州)
    • Fort Carson(コロラド州)
    • Naval Station Norfolk(ヴァージニア州)
    • Hill Air Force Base(※2015年秋に開講予定)
    の4拠点でスタートし、今後10拠点まで拡充する予定。
    (※残り6拠点は現在未定で、
    • 退役軍人の人数
    • 周辺地域の太陽光発電市場の強さ
    • SITNの受入れ能力
     を考慮して決定する)
  • 企業の協力
    • Solar City
    • Vivint Solar
    • Sunrun
    • SunEdison
    • SunPower
    等、国内大手のPV関連企業が、就職に向けた卒業生との面接を行うことで同意している。
    (※企業側に卒業生を雇用する義務は無いが、2015年2月の卒業生(最初のクラスの20名)は、全員が就職のオファーを受けた。)
  • 受講対象者:数ヶ月以内に退役予定の軍人。
  • 訓練期間4〜6週間
  • 受講費用:無料。

カリフォルニア州のように日射量が豊富な(=発電電力量が多くなる)地域があること、また導入促進策がFITメインで無い[5]ことが、市場の不安定さを軽減していると推測され、その点で日本が安易に真似ることはできないとは思います。

そして「Solar Ready Vets」自体も、まだ端緒についたばかりですが、それでも世界最大の大国・米国において、太陽光発電産業が、退役軍人の有望な就職先の一つとして認められつつある、ということには驚かされます。

元軍人とPVという組み合わせも一見ユニークですが、例えば日本の自衛隊でも、在任中に多様な資格(溶接や重機の運転など)の取得機会が多いと聞いており、その意味では軍で身につける職業的なスキルと、分散型電源を幅広く設置していくPV産業は、意外に相性が良いのかもしれません。

もう一つ、([1]で言及されている)PV導入が国の「防衛」(エネルギーの安全保障の向上)につながる、という考え方は、First Solar社の日本市場参入時の発表[6]にもあったもので、これは日本も見習うべきだと考えます。


※参照資料:
[1]Solar Ready Vets: Preparing Our Veterans to Join the Growing Solar Workforce(米エネルギー省)
http://energy.gov/articles/solar-ready-vets-preparing-our-veterans-join-growing-solar-workforce-0
[2]米、退役軍人の太陽光発電業界就職を後押し(WSJ)
http://jp.wsj.com/articles/SB12451244521881693796604580561233902428118
[3]Solar Ready Vets(米エネルギー省)
http://energy.gov/eere/sunshot/solar-ready-vets
[4]Frequently Asked Questions About Solar Ready Vets(同上)
http://energy.gov/eere/sunshot/frequently-asked-questions-about-solar-ready-vets
[5]再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の見直しは可能か(国際環境経済研究所)
http://ieei.or.jp/2013/09/special201204036/
[6]First Solar to Invest $100 Million in Japan(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=707290&filekey=61e79562-418a-44c8-99bc-6103adce24e2&filename=First_Solar_to_Invest_in_Japan-_FINAL_JP11122013.pdf
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2015年04月05日

ソーラーフロンティアが「東北工場」の稼動を開始、今後は商業生産開始に向けて立ち上げ推進

ソーラーフロンティア社が2015年4月2日に、「東北工場」(宮城県)の稼働開始を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 年産能力150MW
  • 生産技術
    モジュール生産では
    • 変換効率15%以上が目標
    • システム設計自由度アップ(電圧・電流の仕様を見直し)
    • 配線部材(ケーブル等)の配置を工夫
    と、国富工場(宮崎県)で実現した生産技術を発展させている。
  • 今後の予定
    商業生産開始に向けて、立ち上げを進める。
    その中で、今後のソーラーフロンティアの海外展開を視野に
    • 新しい量産技術の、オペレーションレベルでの確認
    • 将来の生産体制に向けた、新たな知見の蓄積
    に努める。

年産能力は最大拠点である国富工場(900MW)の1/6なので、同工場設立時ほどの周辺での動き(物流体制の増強、他社の拠点設立など)は無いものと推測します。

ただし、生産技術の面ではモデル工場の役割を担うこと、またシャープ堺工場の買収の線が無くなったことと合わせて、ソーラーフロンティアの今後の事業展開における(国富とはまた異なる)重要拠点と成りゆくものと考えます。

商業生産の開始時期については、国富工場では一部ライン稼動フル生産開始まで約半年かかっていましたが、今回はそこでの経験を生かすことで、より短縮される可能性もあるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティア、第4の太陽電池工場となる「東北工場」が稼働開始(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2015/C044371.html

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