【現在位置】トップページ > 2015 年05 月

(このページ内の記事一覧)
(スポンサード リンク)

2015年05月30日

2014年度通期のシャープの「エネルギーソリューション事業」は、売上高38%減で営業赤字626億円、今後は地域ニーズへの対応で巻き返しを図る

シャープが5月14日に、2014年度通期の業績を発表していました。

今回はその公表資料[1]〜[4]の中から、太陽電池を含む「エネルギーソリューション事業」の状況を、抜き出してまとめてみました。

まず、業績とその背景は下記の通り。


業績

  • 2014年度通期
    • 売上高2708億円(前年度比38.3
    • 営業利益:626億円の赤字(前年同期は324億円の黒字)
  • 四半期ごと
    ※金額の単位は円。
    1Q2Q3Q4Q
    売上高690億739億536億742億
    (前年同期比54.2%減)
    営業利益+1億-4億-16億-607億
    (前年同期は+165億)
    営業利益率+0.3%-0.6%-3.0%-81.8%
    (前年同期は+16.5%)

背景

  • 売上減の減少
    太陽電池の販売減少が響いた。
  • 利益減少の要因
    • 米国太陽光発電182億円の損失
      ※Recurrent Energy社の売却は、同社が手掛ける太陽光発電プラントの開発・販売事業が
       ・開発の初期費用に、多額の資金が必要
       ・収益の変動性が大きい
       ことが理由。
    • 欧州事業(3Sun)の構造改革関連143億円の損失
    • ポリシリコンの長期契約単価差引当587億円の損失
      材料コストの負担が、慢性的な赤字体質につながっている。
    • 堺工場の減損処理92億円の損失
      収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった。

(これまでの業績発表では明示されていた)太陽電池モジュールの販売量は、今回は何処にも全く記載が有りませんでした。

売上高の約4割という減少幅、また国内住宅用PVのシェアトップをパナソニックに奪われた[5]ことを合わせると、モジュールの販売量減少が、相当に深刻であることが想像されます。

これに関することとして、ポリシリコンの不足感が強い時期に結んだ長期契約が、利益の圧迫にかなり尾を引いているようで、単なるモジュール販売だけで大手他社に張り合っていくのは、現状ではもはや無理なのかもしれません。

その状況の打開策だと思いますが、中期経営計画では、全社の事業が5つの社内カンパニーに再編されており、「エネルギーソリューション」もそのカンパニーの一つ。

そして、同カンパニーでは方針として「地域のニーズに合わせたソリューション事業への転換」が掲げられており、地域別の方針は下記の通り。


日本国内

PVと蓄電池をベースに、

  • HEMS
  • エコキュート
  • 省エネ家電
等を、クラウドで繋ぐソリューションを提案していく。


海外

下記のソリューションを展開していく。

  • アジア
    ・EPC事業
    PVディーゼルハイブリッド事業(ディーゼル発電機との組み合わせ)
  • 米国
    ピークカットシステム(需要ピーク時の電力消費を削減)
  • 欧州
    PVサーマルシステム(太陽熱も活用)

そしてこれにより、2017年度時点で

  • 海外事業の比率:3
  • ソリューション事業の比率:5
の達成を目指すとのことです。


ソリューション事業への注力については、ここ1年ほどの業績発表の中で毎回提示されていたものの、具体的な姿(他社とどう違うのか等)は良く見えませんでしたが、今回はかなり興味深い方針が示されたと感じます。

そう言えば米Recurrent Energy社の売却理由となった要因(プロジェクトで多額の初期費用が必要、収益の変動が大きい)は、大規模発電所で先攻するFirst Solar社やSunPower社の業績でも、良く伺えるものです。

個人的にはこれまで、シャープがソリューション事業の強化を掲げながら、Recurrent社を売却したことが腑に落ちませんでした。

しかし、自社グループの強みを生かそうとする今回の中期経営計画の内容を見ると、シャープとしてはRecurrent社の売却により、大規模発電所の分野で(先攻する大手他社と)正面から競争することを避ける選択をしたのでは・・・と感じられます。

自社の得意な分野に集中して活路を見出す、という意味では、屋根設置に注力するパナソニックと、実は同じ姿勢なのかもしれません。

今回示されている地域ごとの展開内容が、実際にどれだけ成功するのかは、勿論まだ判りませんが、日本メーカーの雄の一社であるシャープが、市場への強い対応能力を発揮してしたたかに生き残っていくことを、強く願いたいものです。


※参照資料:
[1]平成27年3月期 決算短信(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4pre.pdf
[3]特別損失の計上に関するお知らせ(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2015/150514-7.pdf
[4]2015〜2017年度中期経営計画(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/event/policy_meeting/pdf/shar150514_1_nt.pdf
[5]シャープの突き放しにかかるパナソニック、まずは太陽電池に新規投資(産経関西)
http://www.sankei.com/west/news/150519/wst1505190012-n1.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2015年05月28日

政府による夏季(8月)の電力需給見通しの推移を見てみた、2015年8月は太陽光発電が供給力と予備率を押し上げか

日本政府のサイト[1][2]で先日、2015年夏季(8月)の電力需給見通し(5月22日に取り纏め)が公表されていました。

掲載資料のいずれにも、再エネ(太陽光発電など)への言及は残念ながら一切ありませんが、いっぽうで日経新聞の報道[2]では、太陽光発電の増加が供給力増加・予備率上昇につながっていることが強調されています。

今回は、太陽光発電が電力供給においてどの程度の役割を果たし得るのか、ということを考えるうえで、目安の一つとする狙いで

  • 最大電力需要
  • 供給力
  • 予備率
の各電力会社ごとの数値を、過去年度の需給見通しデータも含めて、抜き出してまとめてみました。

※過去年度(2014年度以前)については、本来は実績値を見るべきだと思いますが、[2]でPDF資料を一括して参照できることから、「電力需給見通し」の数字を見ることにしました。
また、最初の発表後に見通しが改定された年度もありますが、煩雑になるのを避けるために、各年度の最初の発表データ(4月または5月の発表)で統一しています。


最大電力需要

※単位はMWに換算。

北海道東北東京中部関西北陸中国四国九州9電力の合計沖縄
2011/814,80060,000
2012/85,00014,34055,20026,48030,1505,58011,8205,85016,340170,760
2013/84,74014,41054,50025,85028,4505,46011,3105,62016,100166,4401,560
2014/84,72014,45053,20026,44028,7305,48011,3405,59016,710166,6601,550
2015/84,72014,45050,90025,97027,9105,45011,2805,49016,430162,6001,560

「最大需要」と言っても実績値ではなく、あくまで政府が事前に算定した見通しの数字である点は、注意する必要があります。

とは言えそれでも、これらの数値には、東日本大震災・そして福島第1原発事故の発生以降、全国的に取り組んできた節電の成果が、浮かび上がっているように思われます。

特に東電管内は、2015年は2012年から約9GWも減らしていますが、震災直後に大規模な計画停電を経験しただけに、危機意識が特段に高いのかもしれません。


供給力

※単位はMWに換算。
※電力間融通を行う場合の数値。


北海道東北東京中部関西北陸中国四国九州9電力の合計沖縄
2011/812,30056,200
2012/84,85014,75057,71027,85025,4205,78012,3505,87015,740170,320
2013/85,24015,20058,13028,17029,3205,74012,5005,95016,590176,8402,380
2014/85,16015,53056,12027,37029,6005,70011,8105,83017,220174,3402,160
2015/85,13015,24056,50027,25028,7505,80012,1706,16016,930173,9302,250

原発の全停止や、老朽化した火力発電所に頼らざるを得ない現状の表れなのか、電力供給力は一進一退の状況と見受けられます。

電力需要は経済成長とともに増加する・・・と昔習った記憶がありますが、今はその常識が当てはまらない、新たな成長の方向性を早急に見出すべき局面なのかもしれません。

それはともかく、9電力の合計供給力をみると、2015年度は(2012年度から)約3GWの増加。

いっぽう、FITにおける太陽光発電(※新規認定分)の稼動済み容量では、2014年1月末時点(住宅約2.1GW・非住宅5.3GW)と2015年1月末時点(住宅約3GW・非住宅約13.3GW)[4]の差は、計約9GWにも達しています。

そしてニュース記事[3]では、太陽光発電による供給力見込みは510万kW(=5.1GW)で「需要の3%を賄う」とされており、FITによる急速な導入の効果がいよいよ明確に出てきたとすれば、非常に嬉しいことです。


予備率

※電力間融通を実施・原発の稼動無しでの数値。
 (カッコ内は融通無しの場合)

北海道東北東京
2012/8-1.9%
(-3.1%)
3.8%
(2.9%)
4.5%
2013/810.5%5.5%6.7%
2014/89.2%7.5%5.5%
(6.6%)
2015/88.7%5.5%11.0%

中部関西北陸中国四国九州9電力の合計沖縄
2012/85.2%-14.9%
(-15.7%)
3.6%4.5%0.3%-2.2%
(-3.7%)
0.1%
(-0.3%)
2013/89.0%3.0%5.2%10.5%5.9%3.1%6.2%53.1%
2014/83.5%3.0%
(1.8%)
4.1%4.1%4.3%3.0%
(1.3%)
4.6%39.2%
2015/84.9%
(6.4%)
3.0%
(0.8%)
6.4%7.9%
(14.0%)
12.1%3.0%
(-3.3%)
7.0%
(6.6%)
43.7%

(供給力−最大需要)を最大需要で割った「予備率」は、想像以上に年度ごとの変動が大きいことに驚きました。

それでも全体としては、予備率は少しづつ高まっていると見受けられ、一つは節電(需要の削減)の進展が効いているものと思われます。

また供給力のほうを見ると、9電力合計での予備率は(前年から)2.4%アップしていますが、最大需要(約163GW)の2.4%分は約3.9GW。

これは、先述の([3]で書かれている)太陽光発電の供給力(5.1GW)で十分カバーされるものであり、PVが予備率アップに明確に一役買っていると言っても、決して言いすぎでは無いように思われます。

再エネが電力供給源として(理想はさておき)実際にどの程度頼れるものなのか、という疑問は、こういうブログを書き続けていながら正直今でも持っていますが、FIT開始から3年目を前にして、いよいよ日本でも、有効性の一端が表れてきたのかもしれません。

もうひとつ、それとは別に気になるのは、昨年に接続申し込みの回答保留をいち早く発表していた九州電力で、予備率が低い水準に留まっていることです。

供給力が不足していながらも、民間での電源(PV)を積極導入する動きを止めなければならない、というのは理不尽であり、やはり蓄電手段(バッテリーや水素ガス等)の早急な進歩が、待たれるところです。


※参照資料:
[1]政府の節電ポータルサイト
http://setsuden.go.jp/
[2]電力需給に関する検討会合
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/electricity_supply/
[3]今夏も節電要請見送り 政府、太陽光の供給増で(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H5Y_S5A520C1EE8000/
[4]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2015年05月25日

国内向けを中心に、太陽電池モジュール出荷統計の推移(2012年4Q〜2014年4Q)を見てみた

太陽光発電協会が5月21日に、2014年度第4四半期と同・通期の太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

今回は2012年4Q以降(国内企業の出荷分が明記)のデータと合わせて、国内向け出荷を中心に、幾つかの項目について、太陽電池モジュール出荷量四半期ごとの推移をまとめてみました。


※一部の数値は、当ブログ管理人が計算しています。
※数値は見やすいよう、四捨五入してMW単位にしています。
※数値は極力気をつけて計算・記載してはいますが、誤りが無いとは言い切れませんので、ご了承ください。


国内企業の出荷先別

カッコ内は前年同期比での増減。

国内向け海外向け
2012年4Q1286336
2013年1Q1178114
2Q150177
3Q1436133
4Q1929(50%増)56(83%
2014年1Q1300(10%増)90(21%
2Q1693(13%増)133(73%増)
3Q1486(3%増)177(33%増)
4Q1790(7%97(73%増)

輸出を含む「海外向け」は、2013年以降は(国内向けと比べて)極めて小規模で推移しており、日本のFIT(2012年7月開始)が国内メーカーの販売先の比率を一変させたことが、改めて伺えます。

ただし、電力系統の受入れ限界などに伴い、2014年3Q以降には国内向けが減速。

他方で海外向けは、いまだ国内向けの1/10前後とはいえ、2014年2Q以降は(意外にも)前年同期比増が続いており、これが今後も続くかどうかは、非常に興味を引かれるところです。


国内向け出荷量の種類別(国内・海外企業の合計)

カッコ内は前年同期比での増減。

シリコン単結晶シリコン多結晶その他
2012年度4Q587908248
2013年度1Q588884182
2Q6711186217
3Q6391114289
4Q1072(83%増)1521(68%増)180(27%
2014年度1Q735(25%増)935(6%増)212(16%増)
2Q903(35%増)1328(12%増)156(28%
3Q696(9%増)1285(15%増)257(11%
4Q786(27%1796(18%増)127(29%

多少の波はあるものの、シリコン結晶型は基本的に右肩上がりであり、確立された技術のモジュールとして、需要の磐石さが感じられるものです。

ただ、対照的に「その他」は伸び悩んでおり、日本市場で薄膜型が苦戦していることが推測されます。

ソーラーフロンティア社や、日本市場に参入した米First Solar社の現在の販売状況がどうなのかが、気になるところです。


国内向けの用途別(国内・海外企業の合計)

カッコ内は前年同期比での増減。

住宅非住宅の合計非住宅・
500kW以上
非住宅・
500kW未満
2012年度4Q5631170408763
2013年度1Q5721080452629
2Q5401534747787
3Q5861456770686
4Q669(19%増)2105(80%増)926(127%増)1179(55%増)
2014年度1Q493(14%1388(29%増)657(45%増)731(16%増)
2Q529(2%1857(21%増)830(11%増)1027(30%増)
3Q459(22%1780(22%増)1108(44%増)671(2%
4Q492(26%2217(5%増)1185(28%増)1032(12%

住宅向けは、2013年度以前と2014年度以降で、見事に対照的な状況になっていますが、政府の補助金制度が2013年度で終了したことの影響が、如実に出ているものと思われます。

いっぽうで非住宅は、右肩上がりの伸びが続いており、FITの効果の大きさが伺えます。

「500kW未満」と「500kW以上」の比率は、意外にもほぼ同程度で来ていますが、FITのルール変更やメガソーラー適地の枯渇といった状況から、今後は「500kW未満」の割合が少しづつ高まっていくのでは・・・と予想します。


国内向けの用途別(国内企業のみ)

カッコ内は、先の項目(国内・海外企業の合計)での値に占める割合。(前年同期比ではありません

住宅非住宅の合計非住宅・
500kW以上
非住宅・
500kW未満
2014年度1Q442(90%)858(62%)503(77%)355(49%)
2Q484(91%)1209(65%)598(72%)611(59%)
3Q427(93%)1059(59%)453(41%)605(90%)
4Q446(91%)1345(61%)588(50%)756(73%)

データが存在しているのは2014年度1Q〜のみでしたが、その限りでも、カテゴリーによる需要者の志向の違い(日本メーカー製と海外メーカー製のどちらを選択しているか)が、明確に現れていると感じます。

非住宅では、海外メーカー製が4割を占める計算になり、特に規模の大きい「500kW以上」では、価格競争力が優位性を発揮していると推測されます。

しかし住宅向けでは、日本メーカーが実にシェア9割を維持しており、海外メーカーが簡単に食い込めない現状が伺えます。

海外メーカーというと実は、当ブログを運営している中で、ある海外メーカー絡みで、掲載記事の一方的な削除依頼通知を受けたことがありました。
しかし、「事実無根」「名誉棄損」「信用棄損」といった文言を使っていながら、こちらから事実確認を求めたところ、その後の音沙汰はプッツリ無し。

他にも、発電設備ではありませんが、実際に販売されているのかすら疑わしい何処ぞの太陽電池パソコンのこともあり、このように雑で誠実さの無い(恥の掻き捨てとすら思える)仕事をしている海外企業が、例え極一部でも存在している限りは、「屋根」という重要箇所に設置する住宅向けPVで、海外メーカーが信頼を獲得していくのは、難しいのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]日本における太陽電池出荷量2014年度第4四半期及び2014年度(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h264q.pdf
[2]太陽電池の出荷統計(2012・2013年度)(同上)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

2015年05月21日

ソーラーフロンティア社が欧州「New Energy for the World」社と提携、英国で太陽光発電所(最大計100MW)を開発予定

ソーラーフロンティア社が2015年5月15日に、

  • 英国での太陽光発電所開発について、欧州の「New Energy for the World(NEW)」社との間で、最大100MWの開発・販売に関する契約を締結した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 背景
    2社は2014年に、英国内のバンウェルで、CIS薄膜太陽光発電所を共同開発していた。(※2015年に稼動開始)
    今回の合意は、その実績に基づいたものである。
  • 取り組み
    最初の開発案件が、2015年第3四半期に着工予定となっている。(敷地・系統接続は確保済み)

ソーラーフロンティア社は、3月には米国で計280MW規模の開発案件を取得していました。

今回の英国での開発契約はそれに続くもので、ソリューション事業の海外展開における、攻めの姿勢が伺えます。

ちょうど先日、パナソニックは屋根設置に特化する姿勢を示していましたが、温度変化に強い一方で、同面積での発電容量では一歩譲る薄膜型の専業メーカーとしては、異なる道を行くのは当然かもしれません。

パナソニックとソーラーフロンティアは、現在の国内モジュールメーカーでは珍しい、積極投資の姿勢を見せている企業ですが、注力するカテゴリーに大きな違いが生じているのは、非常に興味深いです。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティアとNEW社、英国で最大100MW規模のCIS薄膜太陽光発電所を開発(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2015/C045370.html
[2]New Energy for the World
http://www.ne4tw.de/en/home.html

※関連記事:

2015年05月19日

パナソニックがHIT太陽電池の生産能力を150MW追加予定、高性能モジュールによる屋根設置需要の獲得に注力

パナソニック社が2015年5月18日に、

  • HIT太陽電池の、日本国内での生産能力増強する。
との方針を発表していました[1]。

各種報道[2]〜[4]の情報・データと合わせて、概要をまとめてみました。


背景

  • 太陽光発電市場の中で、「屋根置市場」(住宅・非住宅)は
    • 日本国内(政府・自治体による普及推進)
    • 海外(欧州・米国・アジア諸国、住宅中心)
    の双方で、今後も成長が期待される。
  • パナソニックではこれまで、HITの特性を生かし、小面積で高い発電性能が求められる領域(500kW以下屋根設置案件)に特化して提案を進めてきた。
  • パナソニックでの太陽電池販売量
    • 2013年度:835MW
    • 2014年度:840MW
    • 2015年度(計画):850MW
    と横ばい(※モジュール販売の地域別比率は、日本国内9割・海外1割)
    ただしHITについては
    • 2014年度:700MW
    • 2015年度見込み:800MW
    と、着実な増加が見込まれている。
  • 住宅用PVにおけるパナソニックのシェアは、
    • 2013年度:20%程度(シャープとほぼ同等)
    • 2014年度:20%台後半(首位)
    と伸びている。

増強計画

  • 対象拠点:下記の2工場。
    • 島根工場(セルの生産拠点)
    • 滋賀工場(モジュール生産拠点)
  • 設備投資額95億
  • 追加される生産能力:年150MW
    ※供給先は殆どが国内向け。
    ※これにより全社でのHITモジュールの年産能力(現在900MW)は、2016年度に1050MWに達する予定。
  • 生産開始時期2016年3月

その他

  • HITに注力
    今後は太陽電池生産能力の殆どを、HITに充てる考え。
  • グループ内の他製品との連携
    特に国内では、グループの総合力により、
    ・エコキュート
    ・蓄電池
    ・省エネ家電
    等と連携させて「スマートHEMS」の拡大を図る。

報道ではシャープとの対比が目立っていますが、欧米事業を売却し、更に一時は国内の堺工場さえ売却の噂が立った同社とは、確かに対照的な状況・姿勢だと感じられます。

また、海外の大手他社では近年、利益率が高いソリューション事業(発電施設のEPC、自社所有など)の拡大傾向がみられますが、パナソニックはそれらと一線を画して、面積あたりの発電能力の優位性を生かす姿勢を採っているのは、非常にユニークで興味深いです。

国内でのPVの認定容量をみると、住宅用は産業用より格段に規模が小さく、住宅用のみのシェアを拡大しても、流石に成長には限界があるように思われます。

ただし、産業用でも「50kW未満」の割合が意外に高く、ましてや「500kW未満」だと更に割合が高まるので、パナソニックにおいては今後、このカテゴリー(中小規模の産業用・屋根設置)での販売拡大が、住宅用と並ぶもう一つの鍵になってくるのでは・・・と考えます。


※参照資料:
[1]太陽電池の生産体制強化に向けた設備投資について(パナソニック社)
http://news.panasonic.com/press/news/data/2015/05/jn150518-2/jn150518-2.html
[2]パナソニック、国内太陽電池工場に約100億円を投資(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPKBN0O309Z20150518
[3]シャープの突き放しにかかるパナソニック、まずは太陽電池に新規投資(産経関西)
http://www.sankei.com/west/news/150519/wst1505190012-n1.html
[4]「狭い屋根でたくさん発電」が好調、パナソニックが太陽電池を増産へ(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1505/19/news044.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:パナソニック

2015年05月18日

2015年2月末時点でのFITの認定容量を、地域別に見てみた

「固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト」[1]で、5月17日付けで、2015年2月末時点認定量データが掲載されていました。

今回はその中から、住宅用(10kW未満)・産業用(10kW以上)の太陽光発電の新規認定分(FIT開始以降の累計)について、過去のデータとともに、地域別の数字を計算してまとめてみました。

※数値の単位はMWで、MW未満を四捨五入しています。(元が1MW未満の場合は除く)
カッコ内は前回からの増減(MW)。
また各地域(北海道・沖縄以外)の都府県の内訳は、電力会社の管轄に概ね合うよう、下記の通りとしています。

  • 東北:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
  • 関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
  • 北陸:富山、石川、福井
  • 中部:新潟、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知
  • 関西:三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
  • 中国:鳥取、島根、岡山、広島、山口
  • 四国:徳島、香川、愛媛、高知
  • 九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島

住宅用(10kW未満)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 64250 93548654 553252131 51730
2015/1末時点 65
(+1)
257
(+7)
954
(+19)
49
(+0.7)
668
(+14)
562
(+9)
258
(+5)
137
(+5)
540
(+23)
30
(+0.3)
2015/2末時点 65
(-0.2)
270
(+13)
980
(+26)
50
(+0.9)
683
(+15)
587
(+24)
270
(+13)
140
(+4)
556
(+17)
30
(+0.1)

産業用(10kW以上の全て)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 277010907 135209187784 653350962452 16929535
2015/1末時点 2775
(+4)
11024
(+117)
13395
(-125)
970
(+52)
7857
(+73)
6827
(+294)
5222
(+126)
2459
(+7)
17030
(+101)
540
(+5)
2015/2末時点 2778
(+4)
11729
(+705)
14279
(+884)
1020
(+49)
8283
(+425)
7029
(+201)
5599
(+377)
2486
(+27)
17146
(+116)
551
(+1)

昨年9月の九州電力での回答保留今年1月の新ルール導入という大きな環境変化の中で、実際に地域別で太陽光発電の認定状況がどうなっているのか・・・を知るべく、今回の表を作ってみましたが、想像以上に地域ごとでの差が大きいことに驚きました。

まず住宅用では、北海道・北陸・沖縄の認定容量が100MWにも届いておらず、かつ月ごとの伸びが極めて低くなっており (北海道に至っては、2月末には増加どころかマイナス)、日本の北と南で自然環境が大きく異なれど、住宅へのPV普及に大きな壁が存在しているのは、共通しているのかもしれません。

ただ他の地域も、伸び幅は大きいところで20MW台に留まっており、住宅用PVの普及自体が、総じてスローペースになっていると感じられます。

産業用では、いちはやく接続限界が問題化した北海道沖縄が、(住宅用と同様に)殆ど伸びが止まっているのが目に付きます。

2012年11月末時点では、北海道での産業用PVの認定容量は全国の17.3%を占めていましたが、メガソーラーの適地とされていた一時の面影は、もう遠い過去のこととさえ思えます。


産業用・50kW未満

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 5731572 53542963544 23221729954 6860398
2015/1末時点 575
(+2)
1611
(+39)
5459
(+105)
301
(+5)
3632
(+88)
2375
(+53)
1776
(+46)
974
(+20)
6881
(+20)
403
(+5)
2015/2末時点 571
(-4)
1656
(+44)
5685
(+226)
304
(+2)
3752
(+120)
2459
(+84)
1853
(+77)
997
(+23)
6894
(+13)
417
(+15)

産業用・50kW以上(※「全て」から「50kW未満」を引いた値)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 21979336 81666224240 421233671498 10069137
2015/1末時点 2199
(+2)
9413
(+78)
7936
(-230)
669
(+48)
4225
(-14)
4452
(+240)
3447
(+79)
1485
(-13)
10149
(+80)
138
(+0.3)
2015/2末時点 2207
(+8)
10074
(+660)
8594
(+658)
710
(+47)
4530
(+305)
4570
(+117)
3746
(+299)
1489
(+4)
10252
(+103)
134
(-4)

産業用(10kW以上)については、「50kW未満」と「50kW以上」も個別に算出してみました。

地域別では、東北で「50kW以上」の割合が特に高くなっており(9割近く)、発電設備の規模が大きい傾向が伺えます。

またFITの制度変更があった中でも、北海道・沖縄などを除く殆どの地域で、新年度(買取価格引き下げ)前の駆け込みとみられる認定増が生じているのは、ちょっと意外でした。

特に、今年1月時点で「指定ルール」が適用済みのはずの東北で、2月に600MW以上がプラスされているのが非常に意外であり、無補償期間が上限無しの中で、新規プロジェクトでの採算見通しがどのように考えられているのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

2015年05月16日

プレミア期間内(2015年6月30日まで)のFIT認定について、5月29日到達までの申請書にも可能性あり

経済産業省2015年5月12日に、FITにおける太陽光発電設備の認定申請・審査に関する発表を行っていました[1]。

概要は下記の通り。

  • 背景
    固定価格買取制度の運用見直しに伴い、経産省では
    • 2015年6月30日までの認定を希望する場合は、同5月1日までに申請書が到達するように提出すること。
    と案内していた。
  • 措置
    2015年5月29日までに到達した申請書については、可能な範囲で、同6月30日までの認定に向けた処理を行っていく。
    (※5月1日までに到達した申請件数を鑑みての措置)
    ただし
    • 今後、申請数が急増した場合
    • 到達した申請書に不備があると認められる場合
    は、6月30日までの認定は事実上困難となる。

太陽光発電の2015年度の買取価格は、6月末(※発電事業者の利潤に配慮した「プレミア期間」の期限)までに接続契約を締結した場合、7月以降(27円/kWh)よりも2円/kWh高い金額(29円/kWh)とされています。

ただし現在の新ルールでは、買取価格の決定時期(※以前は接続契約の「申込時点」)が「契約締結」時点であるため、50kW以上(電力会社の接続検討に2〜3ヶ月かかる)は4〜6月の価格を取得できない、との問題点が指摘されていました。

この点について改善措置がなされたかどうかは不明ですが、いずれにしても、ちょうど電力会社での「指定ルール」導入や、買取価格自体の引き下げも重なっているだけに、今回の発表では「到達した申請件数に鑑み」と濁した表現であるものの、産業用太陽光発電の新規認定申込が、勢いを失っていることは間違いなさそうです。


※参照資料:
[1]平成27年度の固定価格買取制度における太陽光発電設備の認定申請及び審査の状況について(経済産業省)
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/kigen/150512_announce.pdf
[2]PVeye誌 2015年1月号「激変!PVマーケット」
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

2015年05月15日

Canadian Solar社の2015年1Qは、モジュール出荷量と売上高が予想を上回る

Canadian Solar社が5月7日に、2015年第1四半期1-3月)の業績を発表していました[1]。

概要は下記の通り。(※一部の数字は、当ブログ管理人が計算)


業績

  • モジュール出荷量(※売上に認められた分)1.03GW(前四半期(2014年4Q)比14.8%増、前年同期(2014年1Q)比106%増)
    うち、自社「total solutions business」での使用分は124MW(同23.9%、153%増)。
  • 売上高8億6090万米ドル(前四半期比10.0%、前年同期比84.6%増)
    • うち「total solutions business」の割合:35.9%(前四半期比15.8ポイント
    • 地域別の割合:
      米州:48.7%(前四半期比13.1ポイント、前年同期比5.1ポイント増)
      アジア・その他:33.6%(同0.9ポイント増、16.8ポイント
      欧州:17.7%(同12.2ポイント増、11.7ポイント増)
  • 粗利益率17.8%(前四半期比1.5ポイント、前年同期比3.1ポイント増)
  • 営業利益:約7870万ドルの黒字(前四半期比32.1%、前年同期比196%増)
  • 四半期純利益:6130万ドルの黒字(前四半期比19%、前年同期比1513%増)
  • 背景
    • 予想を上回る実績
      モジュール出荷量と売上高は、ガイダンスでの予想を上回った。
      また粗利益率も、同予想における最高値となった。
    • 好調なモジュール出荷
      モジュール需要は
      日本
      中国
      欧州
      南米
      で強く、出荷量は四半期ごとで最大となった。
    • 粗利益率の変
      前四半期比での低下は、
      ・モジュールの平均販売価格(ASP)の低下
      カナダでの「total solution business」の利益率低下
      が主な要因だった。
      ただしモジュール生産コストの継続的な削減が、ASP低下による影響の一部を相殺した。
    • 「Recurrent Energy」社の買収効果
      買収完了(3月末)により、プロジェクトパイプラインは計約8.5GW(うち約2.4GWが後期段階)に拡大。
      また、プロジェクトの開発〜売却において豊富な履歴を持つ従業員も確保できた。
      これらは、YieldCo戦略の推進に寄与することが期待される。

大規模プロジェクトの地域別状況

  • カナダ
    発電所3つ(計30MWAC)の売却を完了した。
    Ontario州では現在、計約184.2MWDCのプロジェクトが進行中。
  • 米国
    後期段階のプロジェクトは、2015年1Q末時点で計約1.0GWDC
    Recurrent社の買収により取得した7プロジェクトのうち、6つは認可取得を完了、5つは機器調達を完了。
    そして3つは、次の3ヶ月のうちに建設開始が見込まれる。
  • 日本
    2015年1Q末時点で、開発中は計720MWDC
    うち262MWDCは系統連系承諾書を得ており、また100MWは近日中に建設開始の予定。
    認可遅れの結果、それらのうち2015年内に完成・接続するのは、45MWと見込まれる。
    その他に現在、最低120MWのプロジェクト拡張を目指して交渉を続けているが、いくつかは系統連系の不許可により頓挫する可能性がある。
  • 中国
    以前から開示している通り、現在は計340MWDCが開発中であり、2015年内には320MWDCが接続する見込み。
  • ブラジル
    Minas Gerais州のVazanteで、3プロジェクト(計114MW)の開発権利を獲得済み。
    系統連系は2016年の見込み。
  • 英国
    2015年1Q末時点で、4プロジェクト(計40.2MW)が接続完了している。
    また現在、後期段階のプロジェクトは計52.5MWであり、2015年中に接続する見込み。

モジュール出荷量の伸びは確かに堅調ですが、その反面で売上高は、前四半期から1割の減少。

発電所プロジェクトを手がける「total solutions business」の割合が大幅に低下していることから、同事業での売上がかなり減ったものと推測されます。

ただ、似た状況はSunPower社の同期にもあったので、大きな割合を占める北米市場で、何らかの時期的要因があった可能性も考えられ、この点は今後、他社の業績でも見ていきたいと思います。

業績全体としては、前四半期比では下降が目立つとは言え、前年同期比ではどの数字も大幅に伸びており、継続的なコストダウン・技術開発の成果か、地に足の着いた成長を続けているのではないでしょうか。

また「total solutions business」は、今回は振るわなかったものの、かつてのシャープ子会社・Recurrent Energyの買収が完了したことで、今後どこまで規模を拡大し、収益源として成長していくのか、注目したいところです。


※参照資料:
[1]Canadian Solar Reports First Quarter 2015 Results(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2045190

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2015年05月11日

サニックス社がソーラーエンジニアリング事業部門で、希望退職者の募集(約600人)・西日本地区での店舗統廃合(20ヶ所)を行う方針

サニックス社が2015年5月7日に、

  • SE(ソーラーエンジニアリング)事業部門において、
    • 希望退職者の募集
    • 西日本地区での店舗の統廃合
    を行う。
との方針を発表していました[1]。

これは同日の取締役会で決議されたもので、概要は下記の通り。


希望退職者の募集

  • 背景・目的
    太陽光発電事業における経営環境の急激な変化(系統接続の問題など)に対応するべく、既に
    • 九州・四国地区での人員体制の適正化
    • 関東・関西・中部地区(市場規模が大きい地域)の体制強化
    による、固定費の削減・収益構造の改善に取り組んでいる。
    今回は、中期的な経営環境に対応して持続的な成長を図るため、更に踏み込んだ経営合理化が必要と判断した。
  • 対象者:技術職・事務職
  • 募集数:約600
  • 優遇処置
    • 特別退職金の支給
    • 再就職支援(※希望者)
    を行う。
    (※費用は約3億円の見込み)
  • スケジュール
    • 2015年5月14〜29日:希望退職者を募集
    • 同6月22日:退職日

店舗の統廃合

  • 背景・目的
    西日本地区でのSE事業部門の店舗は、これまでHS(ホーム・サニテーション)事業部門の店舗網をベースにしていた。
    今回は経営合理化・経費圧縮を図るため、それら店舗の一部を統廃合することを決定した。
  • 対象となる店舗:下記の計20ヶ所。
    • 九州地区:全24ヶ所のうち11ヶ所
    • 中国地区:全10ヶ所のうち3ヶ所
    • 四国地区:全9ヶ所のうち3ヶ所
    • 関西地区:全16ヶ所のうち3ヶ所
    (※中京地区の6ヶ所は対象外)
  • 措置:上記店舗を廃止して、近隣店舗に統合する。
    • 13ヶ所:事務所などの賃借を解除する。
    • 7ヶ所:HS事業部の営業所として継続営業する。
  • 統廃合の時期2015年6月中に完了する見込み。

最近は、国内の太陽光発電に関する報道・発表が、以前と比べるとめっきり減った感がありますが、今回のサニックス社のリストラ計画は、国内PV市場・産業の退潮ぶりを、具体的に示すものとも感じられます。

SE事業部門の施工人員は、前年4-12月には平均2706名(前年同期の約4倍)にまで増強されていましたが、今回の退職者募集数は、その1/4超に相当。

九電での接続回答保留(昨年9月)「指定ルール」の導入(今年1月)など、一連の環境激変が事業に及ぼした影響が、甚大なものであることが伺えます。

店舗の再編も、九州地区が最多(約半減)ですが、奇しくも今回の発表のちょうど同日には、九電が種子島で、全国初となる出力制御指示を行ったことを発表

接続済み+接続承諾済みが8GW超に達している同管内で、事業環境は更に厳しくなると考えられるだけに、体制の大幅再編(九州地区での大幅縮小)は自然な判断とは思われます。

とはいえやはり、PV産業での大量解雇発生は非常に残念であり、例えば退役軍人の有望な再雇用先として目されている米国とは、対照的な状況になりつつあるのかもしれません。


※参照資料:
[1]希望退職者の募集及び店舗統廃合に関するお知らせ(サニックス社)
http://sanix.jp/ir/release/news/pdf/20150507-b.pdf

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2015年05月09日

種子島でGW中に出力制御が実施、晴天のため1事業者・1MWを1日制御

九州電力が2015年5月7日に、

  • 種子島でゴールデンウィーク中に、再エネ発電の出力制御の指示を行った。
と発表していました[1]。

マスコミの報道[2]〜[5]と合わせて、概要は下記の通り。

  • 制御の対象日時5月5日9〜16時
    旧ルール(年間計30日まで無補償)に則って指示が行われた。
    (※FITに基づく出力制限の実施は、今回が全国の電力会社で初とのこと)
  • 制御指示の理由
    種子島は離島であり、電力系統が九州本土と結ばれていない。
    該当日は晴天の予報であり、太陽光発電の発電量が増え、島内の電力供給が需要を上回る可能性があった。
  • 制御対象
    • 事業者:再エネ事業者8社(島内で500kW以上の発電設備を持つ)のうちの1社
    • 出力1MW
    • 設備:太陽光発電と思われる。
      (※[5]では未公表とされているが、[2][3]では晴天による発電量増加に言及されている)

電力系統の規模が限られる離島とはいえ、系統の安定を妨げる可能性が実際に生じるほど、再エネ発電設備が稼動済みである点で、FITによる太陽光発電などの導入促進成果を、端的に表す事例だと考えます。

とはいえ、1MWの設備を丸1日停止したのは事実であり、島内の安定供給を脅かしうるだけの発電能力を、みすみす停止しなければならないのは、やはり非常に勿体無いことだとも感じます。

もっとも、九電はちょうど今月1日に、スマートグリッド実証試験を2年延長する方針を発表しており[6]、電力会社側での早急で有効な対策は望み薄。

それだけに、既に接続上限に到達している(そして日照が豊富な)九電管内で、今夏に出力制御がどれだけ実施されることになるのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]種子島におけるゴールデンウィーク期間中の再エネ出力制御実績について(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/press_h150507-1.html
[2]九電、種子島で再生エネ発電の出力制限実施 5日、全国で初(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H24_X00C15A5PP8000/
[3]九電、再生エネ事業者に送電停止要請 種子島で全国初(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASH573T85H57TIPE007.html
[4]九電、種子島の再エネ事業者に出力制御を指示、全国初(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150508/417344/
[5]九州電力、種子島でFITに基づく初の出力制御−計1000kWを実施(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150508agay.html
[6]スマートグリッド実証試験の延長について(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/press_h150501b-1.html