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2015年08月29日

JinkoSolar社の2015年2Qは、売上高5億1620万ドル(前年同期比31.6%増)・モジュール出荷量823MW

JinkoSolar社が8月20日に、20152Q2015/4-6)の業績を発表していました。[1]。

今回は、(当ブログでチェックしていた分に限りますが)過去の四半期業績の数字と合わせることで、業績の推移も確認してみました。


業績と背景

※カッコ内は前年同月比。(以下同じ)

売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
20134-62億8760万ドル
(52.6%増)
17.7%212万7000ドル2540万ドル
20144-63億9000万ドル
(37.8%増)
22.6%378万9000ドル4056万ドル
(61.5%増)
10-124億7888万ドル
(35.8%増)
22.8%606万3000ドル3810万ドル
(9.8%減)
20151-34億4350万ドル
(36.5%増)
20.3%402万1000ドル3710万ドル
(13%増)
4-65億1620万ドル
(31.6%増)
20.7%642万5000ドル3820万ドル
  • 売上高の増加
    • モジュール出荷量の増加
    • 保有する発電所からの売電収入の増加
    が主因だった。
  • 下流事業の売上増
    自社の保有プロジェクトが、数・容量共に増加したことが主因。
  • 地域別
    • 米国
      製品出荷量は、前四半期比115%まで伸びた。
    • アジア太平洋
      タイでは市場シェアを拡大した。
    • 日本、英国
      駆け込み需要があった前四半期に比べると、出荷量は通常の水準に戻った。
      しかし今だ活発な市場であり、成長の兆候がある。

2013年2Qとその後を比べると、売上高・粗利益率・営業利益ともに差が歴然であり、先日調べたJA SolarCanadian Solarと同じく、着実に成長を重ねていることが見て取れます。

ただし20%台という粗利益率は、上記の2社を明らかに上回る水準です。

その要因を推測すると、まずモジュール等の生産コスト削減にも強く関わると思われる「R&D(研究開発)」の費用は、2013年から概ね売上高の1%前後で推移。

対して、例えばCanadian Solar社は1%未満であり、この研究開発への投資の差が、利益率の差につながっていることが考えられます。

また、Jinko社は下流事業において自社保有のプロジェクトが多く、そこでの利益率の高さ(後述)も大きく影響しているものと思われます。

自社保有の発電所事業

系統連系済み(累計)発電電力量売電収入粗利益率
20134-655MW
(※中国国内分)
20144-6252MW980万ドル
(1150%増)
10-12502.6MW1300万ドル
20151-3617MW115.27GWh
(149.1%増)
※下流事業全体
の売上高は
1650万ドル(111.1%増)
42.8%
4-6725MW203GWh
(201.9%増)
2860万ドル
※下流事業全体
の売上高は
2870万ドル
(191.6%増)
62.7%

各期の業績発表で記載の仕方が若干異なっているので、上記表では明記されていたものについて、カッコで付記しています。

名言されているわけではありませんが、自社保有のプロジェクトについては、各発表での記述内容から、殆どが中国国内でのものと思われます。

稼動済みプロジェクトは、2014年以降に右肩上がりで拡大しており、それに伴って売電収入も急速に増加。

利益面でも、粗利益率が今回(2015/2Q)は6割超まで高まっていることに驚かされます。

中国国内での電力買取価格は不明ですが、2015/2Qについて、売電収入(2860万ドル)を発電電力量(203GWh)で割ると約0.14ドル/kWh。

これは2015年1Q(※1650万ドルが全て売電収入と仮定して計算)もほぼ同じ数字になり、日本と比べると相当に安いだけに、高い利益率がもたらされる背景として他にどのような要因があるのかは、非常に気になるところです。

また2015年1Qと2Qの発電電力量については、発電容量の伸びよりも差が劇的に大きい(2Qは1Qの2倍弱)ですが、これは季節による日射量の変化(冬は少なく、春以降に増えていく)に依るものと思われます。

その意味では、今後更に自社保有の発電所が増えていった際、季節による発電量の変動が業績に及ぼす影響も、拡大していくことが予想されます。


モジュール出荷量

総量自社の下流事業向け
20134-6460.0MW
20144-6570.8MW
(24.1%増)
10-121078.3MW339.1MW
20151-3703.5MW
(35.8%増)
50.3MW
4-6823.0MW90.4MW

最後に太陽電池モジュールの出荷量ですが、基本的にはやはり、期が進むごとにどんどん伸びており、既に生産量で、Jinko社が世界のトップグループに入っていることが伺えます。

ただし自社下流事業向けの出荷量は、かなり変動が大きいようで、この点はやはり、大規模案件を扱う事業ならではの不安定さと思われます。


※参照資料:
[1]JinkoSolar Announces Second Quarter 2015 Financial Results(JinkoSolar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2080885

※関連記事:
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2015年08月27日

NEC等が太陽光発電の出力制御技術を開発、「信頼度つき発電量予測」や抑制量の最適配分・一括制御が可能

NEC社が2015年8月24日に、

  • 東京大学・東京農工大学の研究者と共同で、電力会社アグリゲータ(エネルギー管理サービス事業者)向けの太陽光発電の出力制御技術を開発した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


背景

  • 日本国内では再エネ発電の普及・導入が進む中で、余剰電力(需要を上回る供給)を防ぐために、発電出力制御システムの導入も進められている。
    ただし現状では、
    • 過剰な発電抑制を要求する傾向(正確な発電量予測が困難なため)
    • 発電抑制量の公平な分担の実現
    が課題となっている。

特徴

  • 新開発した「信頼度つき発電量予測」技術を採用
    太陽光発電の予測発電量に、独自手法で導き出す「当たる確率(予測確率)」を付加する。
    (この指標の算出には、数千個超の気象パラメータ(雲の量や気温など)を用いる)
    これにより電力会社等では、例えば
    • 「予測確率95%での発電量は、下限X[kW]〜上限Y[kW]」
    と、予測値のずれ幅を把握することが可能になる。
  • 抑制量の最適配分と一括制御を実現
    独自のアルゴリズムにより
    • 上記技術による発電量予測
    • 過去の出力抑制の履歴
    • 気候条件
    から、抑制量をきめ細かく決定する。
    これにより、電力会社やアグリゲータでは
    • 公平性の考慮
    • 過剰抑制の低減
    の両方を実現することができる。
    更に決定した抑制量は、制御対象の発電事業者に一斉伝達して制御できる。

効果

  • NECが、電力システムの運用シミュレーションを行い評価した結果では、
    • 従来よりも抑制日数は多くなるが、発電抑制量は低減できる。
    との有効性が検証されている。

2014年秋に一部地域で系統連系の限界が顕在化し、それを受けて2015年1月にはFITに「指定ルール」(無補償での出力制御時間の上限撤廃)が導入されましたが、では実際にどのようなシステム・技術により、抑制量や抑制対象の設備・事業者を決定するのか、という点は全く見えないままでした。

今回の技術を、どの電力会社やアグリゲータが採用することになるのかは、現状では判りませんが、少なくとも抑制量の予測や割り当ての方法については、いち消費者として大幅にイメージしやすくなったと感じます。

恐らく他の企業でも現在、同様の用途の技術は開発されていると思いますが、発電量予測の信頼度アップと、適正な(過剰でなく公平な)抑制実現の2点については、開発者を問わず技術の核心部分になると思われるので、そこでどのような違い(手法など)が出てくるのかは、注目したいところです。


※参照資料:
[1]NEC、太陽光発電による余剰電力の抑制量を適切に配分する出力制御技術を開発(NEC社)
http://jpn.nec.com/press/201508/20150824_01.html
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2015年08月26日

東京アールアンドデー社が「千歳太陽光発電所」(出力497kW)を完成、太陽電池パネルの容量はパワコンの約1.4倍

東京アールアンドデー」社が2015年8月18日に、

  • 子会社「東京R&D太陽光発電」による北海道「千歳太陽光発電所」が完成し、発電を開始した。
と発表していました[1]。

発電所の概要は下記の通り。(※一部の数字は、当ブログ管理人が計算)


場所北海道千歳市「千歳臨空工業団地」内の社有地
発電出力497KW
発電電力量71万kWh/年の見込み。
(全量を北海道電力に売電)
太陽電池パネル
  • メーカー:ハンファQセルズ
  • 1枚の出力:260W
  • 設置枚数:2720枚
※パネルの合計出力は、260×2720=70万7200W=約707kW。
パワコン
  • メーカー:富士電機
  • 容量:500kW
  • 設置台数:1台
EPCJFEエンジニアリング社/JFEテクノス社
売電開始日2015年7月6日
その他 この事業で得られるノウハウを
  • 電気自動車の開発
  • 各種スマート業務プロジェクト
に反映することで、東京アールアンドデー社の開発業務の付加価値アップに繋げることを狙う。

太陽電池パネルの設置量(約707kW)は、パワコン容量(500kW)の実に約1.4倍。

売電量を拡大する狙いで、太陽電池パネルの出力をパワコンの定格容量より大きく取る手法は、私の知る限りではlooop社の低圧発電所キット[2]が最初の事例でしたが、今回のケースは、規模が段違いに大きい事業用発電所であり、この手法の有効性が(企業・事業者や、発電設備の容量を超えて)広く認められつつある、ということなのかもしれません。

また、今回の設備は積雪地域に設置されたものであり、そこでパネル容量を大きく取る手法が、年間でどの程度の効果を発揮しうるのか、というのは強く興味を引かれるところです。

北海道は「指定ルール」が適用済みの地域でもあり、同じ出力の発電設備でも、売電収入を(パネル設置で初期費用が増す分も十分カバーできるだけ)高められるようであれば、新規認定の減速が目立つ産業用に、ある程度プラスの影響を及ぼす可能性はあると考えます。


※参照資料:
[1]株式会社東京アールアンドデー・千歳太陽光発電所が完成し発電を開始しました(BusinessWire)
http://www.businesswire.com/news/home/20150818005667/ja#.VdR5xH3uMng
[2]株式会社東京R&D太陽光発電
http://www.tr-d.co.jp/solar/
[3]MY発電所キット76(looop社)
https://looop.co.jp/product/ground_type_76/
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2015年08月24日

Canadian Solar社の数年間の業績(2015年2Qまで)を眺めてみた、「total solutions business」の好影響は大きい

Canadian Solar社が8月18日に、2015年第四半期2015/4-6)の業績を発表していました[1]。

今回は、当ブログで過去に見てきた四半期業績(主に2012〜2015)の発表資料[2]〜[6]も見直して、特に気になる数字を抜き出し、表にまとめてみました。

2013年以前は抜けている期・数値がありますが、参照資料(そして手間)の都合上ということで、ご容赦ください。


業績

  • 金額の単位は米ドル。
  • 売上高と営業利益は、見通しを良くするため、1000万ドル未満を四捨五入しています。
  • TSBは、「total solutions business」を管理人が勝手に略したものです。
売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
総額TSBの割合
2012 1Q3.3億7.7%300万−0.1億
4Q2.9億12.8%5.0%310万−0.9億
2013 1Q2.6億19.2%9.7%240万0.2億
3Q4.9億20.4%300万0.6億
4Q5.2億19.5%320万0.5億
2014 1Q4.7億14.7%250万0.3億
2Q6.2億32.6%19.0%290万0.7億
3Q9.1億53.8%22.9%320万1.6億
4Q9.6億51.7%19.3%340万1.2億
2015 1Q8.6億35.9%17.8%390万0.8億
2Q6.4億30.6%15.2%430万0.3億

売上高は、2014年以降は2012年の2〜3倍程度まで拡大しており、業績の急成長ぶりが強く感じられるものです。

利益の面では、営業利益は2012年には赤字になっており、一ケタ台の粗利益率と合わせて、当時はモジュールの供給過多が重くのしかかっていたことが伺えます。

しかし2013年には徐々に回復し、2014年には一気に黒字が拡大。

これについては、(売上高も同様ですが)太陽光発電所を手がける「total solutions business」の売上高に占める割合が高まるほど、明らかに伸びが大きくなっており、これだけ業績に及ぼす影響が大きいのであれば、シャープからRecurrent Energy社を買い取ったことも、十分に頷ける話です。

そのRecurrent社の取得により、米国内での保有プロジェクト(後期段階)は一気に約1.2GWまで拡大しており、これらが今後の業績にどうプラスに働いてくるのかは、強く注目したいところです。

また今回は、研究開発(R&D)への投資額もチェックしてみました。

粗利益率が低く、営業利益も赤字だった2012年から、概ね一定水準の額(200万ドル台〜300万ドル台)が投じられており、これが2013年以降の黒字化・そして現在の競争力確保につながっているものと思われます。

そして更に、2015年に入ってからは増額気味になっており、市場競争力の更なる強化のために、技術革新を重視する度合いが強まっていることも推測されます。


地域別の売上高

  • 金額は全て米ドルで、1000万ドル未満を四捨五入しています。
    また、カッコ内は総売上高に対する割合です。(前年同期比ではない)
  • 米州(the Americas)は、2013/1-3以前は北米(North America)のみ。
米州アジアその他欧州
2012 1Q1.5億(45.1%)0.4億(12.3%)1.4億(42.6%)
4Q0.6億(20.0%)1.2億(39.4%)1.2億(40.6%)
2013 1Q0.5億(17.9%)1.5億(57.4%)0.7億(24.7%)
3Q2.3億(46.9%)2.1億(43.6%)0.5億(9.5%)
4Q1.7億(32.1%)3.2億(62.4%)0.3億(5.5%)
2014 1Q2.0億(43.6%)2.3億(50.4%)0.3億(6%)
2Q3.5億(55.5%)1.9億(29.8%)0.9億(14.7%)
3Q6.6億(71.7%)1.9億(20.9%)0.7億(7.4%)
4Q5.9億(61.8%)3.1億(32.7%)0.5億(5.5%)
2015/td> 1Q4.2億(48.7%)2.9億(33.6%)1.5億(17.7%)
2Q3.0億(47.6%)3.0億(46.5%)0.4億(5.9%)

2012年には4割を占めていた欧州は、2013年以降は完全に割合が落ちており、かつての世界最大市場が、その位置を退いたことが改めて良く伺えます。

ただ、欧州売上高の割合低下とちょうど入れ替わるように、粗利益率の改善・営業利益の黒字化が果たされていますが、これは特に因果関係が思い浮かばないので、偶然に時期が重なったものと考えます。

「アジアその他」については、2012年4Qに金額・割合が一気に拡大しており、これは日本でのFIT開始が大きく影響したものと思われます。

ただ2014年秋(日本国内で接続申込への回答保留が顕在化)以降も、「アジアその他」は3億ドル前後と好調が続いており、どの地域・国がこれを支えているのかは、非常に興味を引かれるところです。

米州は(上記表では)2013年3Qに、総売上高に占める割合が急拡大。

2015年に入ってからの低下は、米国におけるアンチダンピング措置の影響が大きいと推測されますが、多数の太陽光発電所プロジェクトを抱えるRecurrent社を取得したこともあり、米州は今後暫くの間、極めて重要な市場であり続けるものと予想します。


太陽電池モジュールの出荷量

  • 数値の単位はMW。
  • 2013/2Q以降は、業績に認定された分のみの数字。
  • TSBのカッコ内は、総量に対する割合。(前年同期比ではない)
出荷量
総量TSB向け
2009 3Q101〜103
(※見通し)
2012 1Q3437(2.0%)
4Q40416(4.0%)
2013 1Q340
(日本向け
が24.5%)
23(6.8%)
3Q47860(12.6%)
4Q62141(6.6%)
2014 1Q50049(9.8%)
2Q64649(7.6%)
3Q770173(22.5%)
4Q897163(18.2%)
2015 1Q1030124(12.0%)
2Q80990(11.1%)

最後に、肝心のモジュール出荷量の推移を見てみました。

2009年、また2012年あたりと比べると、その後の劇的な伸びには、世界的なモジュール需要の拡大ぶりも良く伺えます。

自社の「total solutions business」向けも当然急速に伸びてはいますが、総量に対する割合は、一時期(2014年3Q・4Q)を除いて10%前後の水準で推移しており、やはり自社TSBだけでなく、外部顧客のモジュール需要自体が、ここ数年のうちにかなりのペースで伸びていることが推測されます。

・・・ということでここまで見てきて、あくまで(世界的大手とはいえ)一メーカーの業績の推移ではありますが、時系列で流れを見ることで、世界の太陽光発電市場の変動(激動)ぶりも、かなり鮮明に浮かび上がってくると感じるものです。


※参照資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2015 Results(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2080413
[2]Canadian Solar Expects 3Q 2009 Shipments to Exceed Prior Guidance; Company Raises Full Year 2009 Guidance(同上)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=1341505&highlight=
[3]Canadian Solar Reports First Quarter 2013 Financial Results(同上)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=1824337&highlight=
[4]Canadian Solar Reports Record Results for the Third Quarter 2014(同上)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=1988651
[5]Canadian Solar Reports First Quarter 2015 Results(同上)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2045190

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2015年08月18日

さくらインターネット社が「石狩太陽光発電所」を開設、売電せず自社「石狩データセンター」に直接給電

さくらインターネット」社が2015年8月10日に、

  • 北海道・石狩市で「さくらインターネット石狩太陽光発電所」(200kW)を開設し、同発電所から自社「石狩データセンター」への電力供給を開始した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


背景

  • 石狩データセンターが最終予定の全棟(計8棟)を稼動した場合、サーバーは約4000ラック分に達する。
    (※現在稼動しているのは2棟・1000ラック)
    この場合、再エネ発電電力の完全な自社利用ができると考えられることから、今回の太陽光発電所を新設した。
  • 同データセンターでは、2013年3月から「高電圧直流(HVDC)給電システム」が稼働しており、サーバーに直流電力を(交流に変換せず)直接給電している。

発電所の特徴

  • 直流のまま給電
    太陽光発電所の発電電力を、HVDCサーバへ直流のまま給電する。
  • 「優先制御」の採用
    「NTTデータ先端技術」社の技術「優先制御」を採用。
    給電状況を自動で判別し
    • 太陽光発電が行える場合:優先して給電
    • 太陽光発電ができない場合(天候などの都合):商用電力から給電
    • 停電時など:蓄電池から給電
    と、状況に応じて柔軟な電力供給を行える。
  • 「PVマキシマイザー」の採用
    「ニプロン」社の昇圧コンバーター「PVマキシマイザー」を採用し、発電効率を高めている。

電力の供給能力について考えると、まず需要側(データセンター)のサーバー1ラック分が受ける供給電力は、標準8kVA[2]とのことなので、現在稼動している1000ラック分だと、計8000kVA。

これを単純に8MWとして、いっぽうで太陽光発電所の発電容量は200kW=0.2MWであり、少なくとも今回のPVによる電力供給能力については、需要に対して微々たるものと見ざるを得ません。

とは言え、完全に自社設備向けの電力供給としているところには、大規模なデータセンターを擁する企業として、将来的な再エネによる電力の高度な(または完全な)自給を見越し、売電による目先の利益よりも、積極的なノウハウの蓄積を優先したことが推測されます。

もっとも売電しない点については、電力買取価格が引き下げられ、更に北海道電力管内が指定ルールの対象になっている(年間の出力制御時間が不透明である)ことも、要因の一つだとは思われますが・・・

ともかく、同じ分野で世界的な超大手企業であるGoogleAppleAmazonは既に、再エネ事業への大規模投資や、再エネからの電力調達に積極的に取り組んでいますが、今回のさくらインターネットの自社発電所(と電力供給)は、日本国内でようやく出てきた「芽」と言えるのかもしれません。


※参照資料:
[1]さくらインターネット、北海道石狩市に太陽光発電所を開所(さくらインターネット社)
http://www.sakura.ad.jp/press/2015/0810_photovoltaic/
[2]石狩データセンター(同上)
http://ishikari.sakura.ad.jp/

※関連記事:
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2015年08月17日

2015年4月末時点での「太陽光発電」認定量に対する導入量の割合は、住宅・非住宅ともに上向き

今回は、FITにおける20154月末時点の認定量・導入量データ(7月30日公開[1])から、太陽光発電について、認定量に対する導入量の割合を計算してみました。

計算にあたっての注意事項は下記の通り。

  • 計算式は(導入量/認定量)×100で、当ブログで先に整理した数値(認定量導入量)を用いて算出しています。
    また、カッコ内は前回の数値からの増減(ポイント数)です。
  • 各地域の都道府県の内訳は、電力会社の管轄に概ね合うよう、下記の区分としています。
    北海道北海道
    東北青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
    関東茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
    北陸富山、石川、福井
    中部新潟、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知
    関西三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
    中国鳥取、島根、岡山、広島、山口
    四国徳島、香川、愛媛、高知
    九州福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
    沖縄沖縄
  • 2014年12月末〜2015年3月末の数字は、前回までの計算結果から引き継いで掲載しています。
  • 数値は検算や見直しを行い、正確さに極力気をつけてはいますが、ミス(項目の見間違い、数値の読み間違い等)が存在する可能性をゼロには出来ないので、その点はご了承ください。

全体

まず地域別の前に、全体の数字です。

住宅(10kW未満)非住宅(10kW以上)
2014/12末時点83.4%18.6%
2015/1末時点83.9%(+0.5)19.5%(+0.9)
2015/2末時点83.2%(-0.7)19.8%(+0.3)
2015/3末時点81.7%(-1.5)19.0%(-0.8)
2015/4末時点83.0%(+1.3)20.6%(+1.6)

今回は、前回からのポイント数の増減も記載してみました。

4月の非住宅は、認定量が前月からマイナスの一方で、導入量の伸び幅が3割近く拡大しており、それが1ポイント超という明確な伸びにつながったと思われます。

もともと導入ペースが安定している住宅のほうも、4月は2月以前(83%台で推移)に近い水準に回復しており、4月には全体としてPVの導入が進んだことが伺えます。


住宅用(10kW未満)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 75.0%86.0% 84.8%85.4%83.8% 84.8%86.5%84.0% 79.5%80.0%
2015/1末時点 76.9%
(+1.9)
86.0%
(0)
85.2%
(+0.4)
85.7%
(+0.3)
84.0%
(+0.2)
85.6%
(+0.8)
86.0%
(-0.5)
82.5%
(-1.5)
78.5%
(-1.0)
80.0%
(0)
2015/2末時点 78.5%
(+1.6)
83.7%
(-2.3)
84.9%
(-0.3)
86.0%
(+0.3)
84.3%
(+0.3)
83.6%
(-2.0)
84.1%
(-1.9)
82.9%
(+0.4)
78.6%
(+0.1)
80.0%
(0)
2015/3末時点 73.6%
(-4.9)
84.0%
(+0.3)
84.1%
(-0.8)
84.3%
(-1.7)
81.8%
(-2.5)
82.4%
(-1.2)
85.6%
(+1.5)
80.3%
(-2.6)
74.8%
(-3.8)
80.6%
(+0.6)
2015/4末時点 75.3%
(+1.7)
84.6%
(+0.6)
85.5%
(+1.4)
84.6%
(+0.3)
83.1%
(+1.3)
83.8%
(+1.4)
86.5%
(+0.9)
81.9%
(+1.6)
76.3%
(+1.5)
80.6%
(0)

住宅の地域別では

  • 東北
  • 北陸
  • 中部
  • 関西
  • 四国
  • 九州
と多くの地域で、前年度終盤(認定量が急増)に生じたマイナスから、まだ回復し切れていない印象です。

ただし1ヶ月前(3月末時点)と比べると、沖縄以外の全地域がプラスになっており、且つそれらの大部分が1ポイント以上の伸びであることから、次回(5月末時点)には殆どの地域が、以前の水準に戻っているものと予想します。


非住宅(10kW以上の全て)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 13.9%6.3% 19.7%25.6%24.5% 28.0%19.9%30.3% 17.2%27.7%
2015/1末時点 15.2%
(+1.3)
6.7%
(+0.4)
21.6%
(+1.9)
25.2%
(-0.4)
25.5%
(+1.0)
28.0%
(0)
20.4%
(+0.5)
32.7%
(+2.4)
18.1%
(+0.9)
27.8%
(+0.1)
2015/2末時点 16.6%
(+1.4)
6.7%
(0)
21.2%
(-0.4)
26.0%
(+0.8)
25.6%
(+0.1)
28.9%
(+0.9)
20.0%
(-0.4)
34.1%
(+1.4)
18.9%
(+0.8)
27.6%
(-0.2)
2015/3末時点 16.3%
(-0.3)
6.4%
(-0.3)
20.1%
(-1.1)
25.2%
(-0.8)
24.6%
(-1.0)
25.3%
(-3.6)
19.4%
(-0.6)
34.1%
(0)
19.5%
(+0.6)
29.1%
(+1.5)
2015/4末時点 17.3%
(+1.0)
7.2%
(+0.8)
22.0%
(+1.9)
26.4%
(+1.2)
26.4%
(+1.8)
27.3%
(+2.0)
20.7%
(+1.3)
36.6%
(+2.5)
21.0%
(+1.5)
32.6%
(+3.5)

年度末には、住宅より駆け込み需要の影響(=ポイント数の低下)が著しい、と思われた非住宅ですが、計算してみると意外にそうでもありませんでした。

そして新年度開始の4月には、東北以外が全て前回から1ポイント以上の伸びであり、2〜3ポイント伸びた地域も出現。

今年に入って、指定ルールの導入に電力買取価格の引き下げ等、発電事業にとっては不利な環境の変化が続いていることから、今後もこの傾向(導入量の増加が認定量の増加を上回る)が続く可能性は、高いものと考えます。


非住宅・50kW未満

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 11.9%13.2% 19.8%25.0%26.6% 28.8%25.0%30.4% 17.3%30.9%
2015/1末時点 12.3%
(+0.4)
14.0%
(+0.8)
20.9%
(+1.1)
26.2%
(+1.2)
27.4%
(+0.8)
29.7%
(+0.9)
25.8%
(+0.8)
31.6%
(+1.2)
18.2%
(+0.9)
31.3%
(+0.4)
2015/2末時点 13.0%
(+0.7)
14.6%
(+0.6)
21.4%
(+0.5)
27.6%
(+1.4)
28.1%
(+0.7)
30.5%
(+0.8)
26.1%
(+0.3)
32.5%
(+0.9)
19.0%
(+0.8)
30.7%
(-0.6)
2015/3末時点 13.0%
(0)
15.5%
(+0.9)
22.1%
(+0.7)
28.2%
(+0.6)
28.1%
(0)
30.7%
(+0.2)
27.3%
(+1.2)
33.3%
(+0.8)
19.9%
(+0.9)
31.0%
(+0.3)
2015/4末時点 13.2%
(+0.2)
17.3%
(+1.8)
24.1%
(+2.0)
30.8%
(+2.6)
30.4%
(+2.3)
33.0%
(+2.3)
29.5%
(+2.2)
35.4%
(+2.1)
21.2%
(+1.3)
32.0%
(+1.0)

非住宅・50kW以上

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 14.4%5.2% 19.7%25.9%22.8% 27.6%17.2%30.2% 17.1%17.5%
2015/1末時点 16.0%
(+1.6)
5.4%
(+0.2)
22.0%
(+2.3)
24.5%
(-1.4)
23.8%
(+1.0)
27.1%
(-0.5)
17.6%
(+0.4)
33.4%
(+3.2)
18.1%
(+1.0)
17.4%
(-0.1)
2015/2末時点 17.6%
(+1.6)
5.4%
(0)
21.0%
(-1.0)
25.6%
(+1.1)
23.5%
(-0.3)
28.0%
(+0.9)
17.0%
(-0.6)
35.2%
(+1.8)
18.7%
(+0.6)
17.9%
(+0.5)
2015/3末時点 17.2%
(-0.4)
5.2%
(-0.2)
18.9%
(+2.1)
24.0%
(-1.6)
21.9%
(-1.6)
22.9%
(-5.1)
15.8%
(-1.2)
34.5%
(-0.7)
19.2%
(+0.5)
23.1%
(+5.2)
2015/4末時点 18.3%
(+1.1)
5.8%
(+0.6)
20.8%
(+1.9)
24.7%
(+0.7)
23.5%
(+1.6)
24.8%
(+1.9)
16.9%
(+1.1)
37.4%
(+2.9)
20.9%
(+1.7)
34.6%
(+11.5)

非住宅を規模別で見ると、50kW未満では6地域が2ポイント以上アップしており、1ポイント超は1地域(北海道)以外の全地域。

いっぽう50kW以上では、1ポイント以上アップが8地域にのぼるものの、2ポイント以上は1地域だけであり、全体として低圧案件のほうが、認定分の消化ペースでは勝っていることが伺えます。

とはいえ、いずれの規模でも40%を超えている地域は、いまだ何処にも無い状態であり、非住宅は全ての規模・地域において、認定案件の遂行がもっと進む必要があると考えます。

現状で一番数字が高いのは四国ですが、沖縄は今回、50kW以上で実に11.5ポイントもアップしており、非住宅全体でも四国に次いで30%台に突入。

電力系統の規模が限られる同地域で、新規認定の大幅な増加は考え難いことから、初の50%超えを果たすのは沖縄の50kW以上(それも年内)では、と予想します。


※参照資料:
[1]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:
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JA Solar社の2015年2Qは、中国需要の強さに支えられた

JA Solar社が8月10日に、2015年第2四半期(2015/4-6の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、幾つかの項目について、前四半期[2]のデータと合わせて見てみました。


業績と背景

※カッコ内は前年同期比。
また2014年については、逆算が簡単な粗利益率だけを記載しました。

売上高粗利益率営業利益
2014/1-316.7%
2014/4-615.2%
2014/10-1215.5%
2015/1-33億8770万ドル(+5.6%)16.1%2414万ドル
2015/4-64億3679万ドル(+11.8%)16.4%2518万ドル
  • 出荷量
    幾つかのキー市場で需要が強かったことが、事前の予想を上回る出荷量につながった。
    特に今回は、中国需要に依るところが大きく、同国については、下半期も産業用での強い需要の継続を期待している。
  • 生産能力の増強
    マレーシアでは、新しいセル工場の設立に向けた取組みを続けている。
  • 今後の展開
    現在は、新興市場での展開(特にインドと米州)に注力している。
    • 市場シェアの拡大
    • 下流事業でのプロジェクトの開発継続
    は、今後の数四半期の間、成長の主要な原動力になると見込まれる。

売上高は、前四半期比・前年同期比ともに1割以上伸びていますが、中国経済には不安材料が少なくない(成長スピードの減速、公共投資の停滞、最近起こった株価の暴落など)だけに、中国需要に支えられたままでは、リスクが大きいと考えざるを得ません。

また日本市場も、FITの制度変更などで今後の需要拡大は考え難いだけに、他市場(新興市場)での需要獲得は、喫緊で最重要の課題なのかもしれません。

粗利益率は、モジュールの価格競争が激しい中にも関わらず、少しづつ向上が続いており、生産コスト削減の努力が推測されます。

一つ気になるのは、マレーシアでのセル工場新設ですが、同国では中国メーカーに対する目が厳しくなっている節があるだけに、モジュールではなくセルの生産拠点とはいえ、新設には時間がかかる可能性があると考えます。


出荷量(合計と製品別)

まずは、合計と製品別の出荷量です。
※単位はMW。また、数値は1MW未満を四捨五入しています。

合計
(モジュール+セル)
内訳
モジュールセル
2014/1-3638388250
2014/4-6682446236
2014/10-1295388073
2015/1-368258497
2015/4-679171773

[1][2]の掲載数字のみを抜き出したため、2014/7-9のデータは記載していません。

そのため、セル出荷量がどの四半期に激減に転じたかは不明ですが、2014年12月には米商務省が中国製・台湾製の結晶シリコン太陽電池における、ダンピング幅・補助金幅の最終調査結果を発表しており、これを前にして何らかの大きな動きが起こったものと推測します。

いっぽうでモジュール出荷量は、四半期ごとにほぼ順調に増加しており、大手中国メーカーの一社として高い競争力を維持・向上していることが感じられるものです。


出荷量(地域別)

※数値の単位はMWで、一部(著しく小さい場合)を除き、1MW未満を四捨五入しています。
またカッコ内は、合計出荷量に占める割合です。

中国アジア太平洋
(中国除く)
欧州米州その他
2014/1-3166(26.0%)337(52.8%)94(14.8%)26(4.1%)15(2.3%)
2014/4-6177(26.0%)321(47.1%)95(13.9%)76(11.2%)12(1.8%)
2014/10-12391(41.0%)355(37.3%)122(12.8%)42(4.4%)43(4.5%)
2015/1-3146(21.4%)368(53.9%)154(22.6%)6.8(1.0%)7.5(1.1%)
2015/4-6358(45.3%)252(31.9%)117(14.8%)4.7(0.6%)59(7.4%)

業績発表で記載されているのは各地域の割合(%)だけだったので、ここでは見通しを良くするべく、管理人が具体的な出荷量の数字(MW)に換算しました。

先述の通り2014年3Qは不明ですが、少なくとも同年4Qには中国向けが一気に伸びており、下半期に中国需要が急激に拡大したことが伺えます。

ただしその後、2015年に入ってからは出荷量は増えておらず、今後の(維持はともかくとして)成長の余地という点では、中国市場には思ったほど期待できない雰囲気もあるので、その点でもやはり、他の新興市場が重視されていることには納得が行きます。

ちなみに2015年1Qについては、春節(旧正月)[3]を含む期間であり、これが中国での需要減の季節的要因になっていると推測されます。

中国以外の「アジア太平洋」は、今回(2015年2Q)は以前より30%程度(100MW前後)も減少。

この地域では日本が主要市場だと思われますが、一メーカーでの出荷量減少とはいえ、4月に伸び幅が拡大した日本国内のPV導入量に、今後どう影響してくるのか、というのはちょっと気になるところです。

成長市場であるはずの米州向けは、今年に入り激減していますが、これはやはり、米国でのアンチダンピング税・相殺関税が大きく響いているものと推測します。

欧州向けは増減はあるものの、一定の規模(100MW前後)をキープしており、主要市場の一つとして存在感は失われていないことが伺えます。

今後についてはやはり、中国需要が好調なうちに、同市場への依存をどれだけ縮小できるか(=他の市場の開拓)が、最も重要な課題になるものと考えます。


※参照資料:
[1]JA Solar Announces Second Quarter 2015 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2078667
[2]JA Solar Announces First Quarter 2015 Results(同上)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2048979
[3]春節(ウィキペディア)

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2015年08月15日

2015年4月末時点の太陽光発電の導入量(新規認定分)は、住宅・非住宅ともに伸び幅が拡大

「固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト」[1]で7月30日に、20154月末時点導入量データが掲載されていました。

今回もその中から、太陽光発電の導入量(※新規認定分のみ)について、前回(3月末時点)からの差分を、規模別・地域別に計算してみました。

計算にあたっての注意事項は下記の通り。

  • 計算結果は「新規認定分」のみを対象にしており、「移行認定分」は入れていません。
  • 数値(%)はMW単位に換算しており、1MW未満は四捨五入しています。
    また、カッコ内は前回の数値からの増減です。
  • 各地域の都道府県の内訳は、電力会社の管轄に概ね合うよう、下記の区分としています。
    北海道北海道
    東北青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
    関東茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
    北陸富山、石川、福井
    中部新潟、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知
    関西三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
    中国鳥取、島根、岡山、広島、山口
    四国徳島、香川、愛媛、高知
    九州福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
    沖縄沖縄
  • 地域別の2014年12月末〜2015年3月末の数字は、前回までの計算結果から引き継いで掲載しています。
  • 数値は検算や見直しを行い、正確さに極力気をつけてはいますが、ミス(項目の見間違い、数値の読み間違い等)が存在する可能性をゼロには出来ないので、その点はご了承ください。

全体

地域別の前に、全体の数字は次の通り。

住宅(10kW未満)非住宅(10kW以上)
2014/12末時点287612532
2015/1末時点2951(+75)13308(+775)
2015/2末時点3023(+72)14049(+741)
2015/3末時点3097(+74)15011(+962)
2015/4末時点3188(+91)16223(+1212)

今回(4月)は年度が変わった直後ですが、住宅・非住宅ともに、前回までよりも伸び幅がはっきり拡大しており、前年度末の急増の反動が著しく表れた認定量と全く違う状況になっているのは、非常に興味深いです。

この伸び幅の拡大が、次回(おそらく5月末時点)以降も続くかは判りませんが、今回については認定量の伸び(住宅がプラス50MW、非住宅はマイナス209MW)を大幅に上回っており、特に非住宅においては、認定量と実際の導入量の巨大な乖離を少しでも埋める上で、好ましいことだと考えます。


住宅(10kW未満)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 48215 79341548 469218110 41124
2015/1末時点 50
(+2)
221
(+6)
813
(+20)
42
(+1)
561
(+14)
481
(+12)
222
(+5)
113
(+3)
424
(+12)
24
(+0.08)
2015/2末時点 51
(+1)
226
(+5)
832
(+19)
43
(+1)
576
(+14)
491
(+10)
227
(+5)
116
(+3)
437
(+13)
24
(-0.005)
2015/3末時点 53
(+2)
231
(+6)
853
(+21)
43
(+1)
590
(+14)
501
(+10)
232
(+5)
118
(+3)
451
(+14)
25
(+0.2)
2015/4末時点 55
(+1)
237
(+6)
877
(+24)
44
(+1)
606
(+16)
517
(+16)
237
(+5)
122
(+4)
468
(+17)
25
(+0.2)

住宅用を地域別に見ると、特に三大都市圏(関東・関西・中部)と九州で、前回(3月末時点)より伸び幅が拡大しています。

もっとも、各地域ごとでは数MW増した程度ですが、それらが積み重なることで、全国では伸び幅の明確な拡大となったことが伺えます。

ただし残りの地域については、伸び幅は前回と同程度であり、地域により導入のスピードに差が生じている可能性も考えられますが、それは次回以降のデータを見て判断したいと思います。


非住宅(10kW以上の全て)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 385692 26682351910 18291012743 2911148
2015/1末時点 422
(+38)
739
(+47)
2890
(+221)
244
(+9)
2000
(+90)
1913
(+90)
1063
(+51)
804
(+61)
3083
(+172)
150
(+3)
2015/2末時点 462
(+40)
790
(+51)
3027
(+139)
265
(+22)
2117
(117)
2031
(+118)
1122
(+60)
848
(+45)
3233
(+150)
152
(+2)
2015/3末時点 474
(+12)
896
(+106)
3202
(+175)
288
(+22)
2286
(+169)
2147
(+115)
1187
(+64)
920
(+72)
3450
(+217)
161
(+9)
2015/4末時点 491
(+16)
1002
(+106)
3516
(+314)
302
(+14)
2465
(+179)
2316
(+169)
1268
(+81)
991
(+70)
3693
(+243)
180
(+19)

伸び幅は関東・関西・九州での拡大が目立ちますが、特に関東が、前回から8割近くの拡大と際立っています。

また沖縄については、意外にも伸び幅が倍増していますが、電力系統の規模が小さい同地域において、前回(3月分)以降、既に認定されている案件の消化が加速してきた、ということなのかもしれません。

対照的に北海道は伸びが芳しくなく、私自身(札幌近郊に在住)の生活での実感と合わせて、太陽光発電の普及が既に勢いを失っていることが、痛感されるのは残念です。


非住宅・50kW未満

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 68207 106274944 668432290 1187123
2015/1末時点 71
(+3)
226
(+19)
1143
(+81)
79
(+6)
994
(+50)
705
(+37)
458
(+26)
308
(+18)
1249
(+62)
126
(+3)
2015/2末時点 74
(+3)
241
(+15)
1219
(+76)
84
(+4)
1055
(+61)
750
(+45)
484
(+27)
324
(+16)
1311
(+62)
128
(+2)
2015/3末時点 76
(+2)
260
(+20)
1295
(+76)
89
(+5)
1116
(+61)
795
(+45)
514
(+29)
342
(+18)
1368
(+57)
130
(+2)
2015/4末時点 77
(+1)
290
(+30)
1414
(+119)
97
(+8)
1206
(+91)
861
(+66)
551
(+37)
365
(+23)
1441
(+73)
134
(+3)

関東・中部・関西では、伸び幅は前回の約1.5倍に到達。

他の地域も、北海道と沖縄を除いて伸び幅が拡大しており、小規模産業用の導入が全国的に勢いづいていたことが伺えます。


非住宅・50kW以上(※「全て」から「50kW未満」を引いた値)

北海道東北 関東北陸中部 関西中国四国 九州沖縄
2014/12末時点 317485 1606161966 1162580453 172424
2015/1末時点 351
(+34)
513
(+28)
1746
(+140)
164
(+4)
1006
(+40)
1208
(+47)
605
(+25)
496
(+43)
1834
(+110)
24
(+0.17)
2015/2末時点 388
(+37)
549
(+36)
1808
(+62)
182
(+17)
1063
(+56)
1281
(+73)
638
(+33)
524
(+29)
1922
(+88)
24
(-0.001)
2015/3末時点 398
(+10)
636
(+86)
1907
(+99)
199
(+17)
1170
(+108)
1352
(+70)
673
(+35)
578
(+54)
2082
(+161)
31
(+7)
2015/4末時点 413
(+15)
712
(+76)
2102
(+195)
205
(+6)
1258
(+88)
1455
(+103)
717
(+44)
626
(+47)
2252
(+169)
46
(+15)

50kW以上の伸び幅は、関東が前回から倍増しており、関西も5割の増加ですが、一方で中部は約2割減っています。

他の地域も増減の幅が結構出ていますが、これは1件あたりの規模が大きい案件(メガソーラー等)を含むゆえの波と思われます。

また沖縄では、3月・4月と伸びが加速しており、小規模よりは中小規模の案件で、建設・稼動が進んでいることが伺えます。


最初のほうでも書きましたが、全体としては導入スピードが明確に増した月であり、果たしてこの傾向(導入ペースの加速)が継続的なものなのかどうかは、次回以降に強く注目していきたいところです。


※参照資料:
[1]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:
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2015年08月11日

SunPower社の2015年2Qは、「Residential」と「Power Plant」セグメントの売上高が近い水準

SunPower社が7月28日に、2015年第2四半期2015/4-6)の業績を発表していました[1]。

その中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


業績(GAAP)

※売上高は100万ドル未満を四捨五入しています。

売上高粗利益率
2014/4-65億800万ドル18.5%
2015/1-34億4100万ドル20.6%
2015/4-63億8100万ドル18.6%

粗利益率は前年同期からは横ばいですが、前四半期からは2ポイント低下。

売上高が(前年同期比・前四半期比ともに)減少したことが、粗利益率の低下につながったものと推測しますが、それに関わることとして、公表されていないモジュール出荷量がどう変動したのかは、気になるところです。


セグメント別の業績

  • 売上高
    ※カッコ内は総売上高に占める割合。(前年同期比ではありません
    ResidentialCommercialPower Plant
    2014/4-61億5600万ドル(31%)8500万ドル(17%)2億6700万ドル(53%)
    2015/1-31億5500万ドル(35%)4900万ドル(11%)2億3600万ドル(54%)
    2015/4-61億5200万ドル(40%)6300万ドル(17%)1億6600万ドル(44%)
  • 売上原価
    ResidentialCommercialPower Plant
    2014/4-61億2500万ドル7500万ドル2億1400万ドル
    2015/1-31億2300万ドル4700万ドル1億8000万ドル
    2015/4-61億1700万ドル5900万ドル1億3400万ドル
  • 粗利益率
    ※{(売上高-売上原価)/売上高}×100で、上記の表から当ブログ管理人が計算しました。
    ResidentialCommercialPower Plant
    2014/4-619.9%11.8%19.9%
    2015/1-320.6%4.1%23.7%
    2015/4-623.0%6.3%19.3%

分野別に見ると、売上高では住宅用(Residential)は横ばいで推移していますが、「Power Plant」は大幅に低下しており、また金額が小さい「Commercial」も変動の大きさが目立ちます。

日本市場では産業用の市場縮小を見越して、住宅用に重点を移すメーカーが出てきていますが、需要の規模は大きいが不安定な産業用と、需要に派手さは無いが安定感がある住宅用、というのは、他国の市場もそう違わないのかもしれません。

今回(2015年2Q)は、「Residential」と「Power Plant」の売上高が近い水準になっており、対照的な2分野(住宅用と大規模発電所開発)が、SunPower社の事業の柱となっていることが伺えます。

また粗利益率では、その「Residential」「Power Plant」が2割前後をキープしている一方で、これも少なくない実績[2]を重ねているはずの「Commercial」が一ケタ台に留まっているのは、非常に意外でしたが、それだけ同分野(産業・商業施設での屋根設置)において、コスト競争が特に激化していることも推測されます。


背景(主な出来事)

  • 「8point3 Energy Partners」の立ち上げ
    First Solar社との合弁で、YieldCo vehicleとして立ち上げた。
    これは
    • 資本の優位性における、重要な長期的コストの供給
    • 将来のキャッシュ・フローにおける、規模と予測可能性の拡大
    をもたらすと期待される。
  • 発電所開発案件の取得
    Infigen Energy」社から、米国内の開発パイプラインを取得した。
    (※これでInfigen Energy社が得ると見込まれる収入(税や取引費用を除いたもの)は、約2950万ドル[2])
    これにより、SunPower社が北米で有するパイプラインは、計1.5GWまで拡大した。
  • 発電所開発の進捗
    • Quinto solar project」(135MW):
      8point3社に売却済みの本案件は、今年第4四半期に商業運転を開始する予定。
    • Solar Star projects」(579MWac):
      「Berkshire Hathaway Energy」と「Southern California Edison」向けの本案件は、既に全てが系統連系している。
    • その他:
      米国以外では、南アフリカ・日本・チリ・中国で、発電所ポートフォリオの構築を継続している。
  • 商業部門
    2Qも堅調に推移し、パイプラインは計10億ドルを超えている。
  • 住宅用
    • SunPower社の分散型発電事業において、最大の割合を占めている。
    • 北米での需要は非常に強く、米国における2Qの受注は、前年同期から120%以上増加した。
      最近は同国内で、3つの事業者との間で、住宅用設備の展開における契約を結んだ。
      これはNew Jersey州やNew York州の市場向けとして、DominionConEdison Solutions社を含んでいる。
    • その他の地域については、日本はSunPower社にとってのキー市場であり続けている。

First Solar社と共同での8point3社の設立に、大規模発電所の開発案件の取得、そして住宅用のチャネル拡大と、「Residential」と「Power Plant」での動きが大きいところには、やはり両セグメントが現在のSunPower社において、重要な位置を担っていることが感じられます。

「commercial」セグメントも、積極展開を続ける雰囲気は伺えますが、(他セグメントと比べて)低い利益率をどう改善するか、というのが最大の課題かと思われます。

米国の住宅用については、ConEdison Solutions社との提携では、New York州でのリース提供を行うとのこと。[4]

いっぽう「Dominion」については、サービス提供地域がぴったり適合する「Dominion Energy Solutions」社[5]がありますが、同社は天然ガス供給と「Home Protection Programs」が主要事業。

同社サイト内に、住宅用PVの取扱に関する情報は見当たりませんが、地域に密着して実績を重ねてきた企業であれば、SunPower社との提携により、需要が見込める商品・サービスの取り扱いを新たに始める可能性は、十分にあると思われます。

ともかく米国内の太陽光発電市場については、これまで南部(カリフォルニア州など)がメイン市場というイメージが強かったので、今回の発表の中で、大西洋岸の州が住宅用のキー市場と見込まれているのは非常に興味深く、米国市場もこれから新たな展開を迎えるのかもしれません。


※参照資料:
[1]SunPower Reports Second Quarter 2015 Results(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-07-28-SunPower-Reports-Second-Quarter-2015-Results
[2]Leading Energy Buyers Choose SunPower(同上)
http://us.sunpower.com/commercial-solar/large-enterprise-businesses/
[3]Completion of US Solar Development Pipeline Sale(Infigen Energy社)
http://www.infigenenergy.com/investors/asxreleases/completion-of-us-solar-development-pipeline-sale.html
[4]CON EDISON SOLUTIONS AND SUNPOWER LAUNCH RESIDENTIAL SOLAR POWER LEASING PROGRAM IN NEW YORK STATE(ConEdison Solutions社)
http://www.conedsolutions.com/News/newsview/15-07-28/CON_EDISON_SOLUTIONS_AND_SUNPOWER_LAUNCH_RESIDENTIAL_SOLAR_POWER_LEASING_PROGRAM_IN_NEW_YORK_STATE.aspx#.VciUj7XuMng
[5]Service Area Map(Dominion Energy Solutions社)
https://www.dominionenergy.com/en/about-us/service-area-map

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2015年08月10日

First Solar社の2015年2Qは増収増益、大規模プロジェクトの業績認可が主因

First Solar社が8月4日に、2014年第2四半期(2014/4-6の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


業績

※前年同期(2014/4-6)・前四半期(2015/1-3)の数字と合わせて表にしています。

売上高粗利益率営業利益
2014/4-65億4440万ドル17.0%190万ドル
2015/1-34億6920万ドル8.3%7010万ドルの赤字
2015/4-68億9620万ドル18.4%5710万ドル

背景

  • 売上高の増加
    前四半期からの伸びは、
    • 「Silver State South project」における売上高の認可の増加
    • 「North Star project」「Lost Hills-Blackwell project」における持分の売却
    が主因だった。
  • 「8point3 Energy Partners」社の設立
    SunPower社との合弁事業であるこの会社は、6月にIPOを実施した。
    First Solarの所有分は31%。

前四半期(2015年1Q)から売上高・利益の伸びが著しいですが、その前四半期には大規模プロジェクトの遅延がありました

今回(2Q)はそれらプロジェクトが進捗し、まとめて業績として認められたことが、大幅な伸びの最大の要因となったと推測されますが、大規模太陽光発電所の開発事業が、業績に極めて大きな波をもたらすことを、改めて感じる数字です。

シャープ社はその点(巨額な初期投資、収益の変動性)を理由として、Recurrent Energy社をCanadian Solar社に売却しましたが、発電所の取得・運営を専業とする「8point3 Energy Partners」社の設立は、その課題に対してFirst Solar社(とSunPower社)が導き出した対応策なのかもしれません。

今回First Solar社が持分を売却している「North Star project」「Lost Hills-Blackwell project」は、8point3社の保有事業に入っており(※出資比率は100%では無い)[2]、8point3社の運営がこれから軌道に乗っていけば、First Solar社(とSunPower社)にとっては、開発プロジェクトの売却先の安定確保につながる可能性もあると考えます。

もっとも8point3社としては、あくまで投資先としての採算性を考慮するものであり、出資者相手だからといって無条件での発電所購入は無いとも思われますが。


モジュールの生産状況など

モジュール生産量量産品の
平均変換効率
2014/4-6447.1MW14.0%
2015/1-3540.3MW14.7%
2015/4-6562.8MW15.4%

モジュール出荷量モジュール受注量
2014/1-123.7GW
2015/1-61.3GW1.3GW

前四半期の業績で、発電所開発に比べて利益率が低いことが明示されたモジュール販売ですが、それでも生産量・変換効率ともにしっかり伸びを続けているのは、やはり事業の(必須不可欠な)核ということだと思われます。

特に量産品の平均変換効率については、(私が知る限り)他メーカーでは類を見ない公表データですが、前年同期から悠に1ポイント以上高まっており、継続的な技術開発が、量産段階に明確に影響するだけの成果を出していることは、First Solar社の大きな強みの一つと感じられます。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Second Quarter 2015 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=925673
[2]Projects(8point3 Energy Partners社)
http://www.8point3energypartners.com/projects/

※関連記事:
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