【現在位置】トップページ > 2016 年03 月

(このページ内の記事一覧)
(スポンサード リンク)

2016年03月28日

トクヤマが太陽光発電電力による水素の製造・貯蔵システムを開発中、実証試験の第一段階

トクヤマ社が2016年3月8日に、新エネルギーに関する実証試験2つを開始していることを、発表していました[1]。

そのうちの1つは太陽光発電の電力を利用するもので、概要は次の通り。


  • 事業名
    「太陽光発電を利用したアルカリ水溶液の電気分解による高効率水素製造 システムの開発及び貯蔵・利用システムの検討」
  • 目的
    • 塩水の電気分解による苛性ソーダの製造技術(トクヤマ社が保有)
    • 太陽光発電の出力変動を制御するシテスム(長州産業製)
    を組み合わせて、効率の良い水素製造シテスムの開発を目指す。
    (このシステムは、再エネ等の余剰電力を水素に変換して貯蔵することを可能にする)
    今回の実証事業は、その第一段階である。
  • 実施場所:周南市の「徳山製造所」内
  • 事業期間:2015〜2017
  • その他:山口県による平成27年度「やまぐち産業戦略研究開発等補助金」の一つに採択されている。

電力の貯蔵手段としての水素製造は、随分前から注目されてはいますが、本格的な実用化はいまだ実現せず。

今回のトクヤマ社による実証試験も、まだ「第一段階」とのことであり、実用化の遠さを感じてしまいます。

とはいえ、もし安全で高効率な水素製造システムを実現できれば、発電できる時間が限られている太陽光発電の実用性能アップにもつながることから、トクヤマ社の取組みには強く期待したいところです。

またトクヤマ社は、太陽電池向けシリコンの製造を手がけていることから、この研究開発の取組みが実を結べば、巡り巡ってシリコン需要の拡大にもつながっていくのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]やまぐち産業戦略研究開発等補助金事業の実証試験開始について 報道公開のお知らせ(トクヤマ)
http://www.tokuyama.co.jp/news/release/2016/20160308.html
[2]平成27年度やまぐち産業戦略研究開発等補助金の採択を決定しました。(山口県)
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a16900/cluster/201404160001.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2016年03月26日

中村超硬が沖縄県内にダイヤモンドワイヤ工場を建設予定、太陽電池の需要拡大に対応

シリコンウエハー切断用のダイヤモンドワイヤを手がける「中村超硬」社が2016年3月18日に、

  • 沖縄県内ダイヤモンドワイヤ新工場を建設する。
との計画を発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 中村超硬のダイヤモンドワイヤは、コスト低減などにつながる固定砥粒方式であり、中国市場を中心に需要が急増している。
  • 今回は
    • 中国経済の今後に対する懸念はある一方で、太陽電池の世界需要の拡大傾向は変わっていない。
    • 生産拠点の分散化
    • 輸送経路の充実
    等の状況・目的を総合的に勘案し、沖縄県内における生産拠点の新設を決定した。

新工場の概要

  • 場所:沖縄県うるま市の国際物流拠点産業集積地域
  • 規模:敷地面積約1万2200m2、延床面積4770m2
  • 設備投資額:約18億円の予定
  • 生産開始時期2016年12月の予定

日本国内のメーカーと対照的に、中国の大手太陽電池メーカーの業績は近年好調が続いており、その点でも、ウエハー製造に必要なダイヤモンドワイヤの需要が急増していることは理解できます。

ただちょうど今月には、台湾の市場調査会社が、今の好調市場である中国と米国について太陽光発電設備導入のピーク時期が過ぎたと報告。

もちろん長い目(10〜数十年)で見ると、世界でPV市場が拡大していくことは間違いないと思いますが、上記の報告から、今後数年間では再び市場の急減速が起こる可能性も考えられます。

今回の新工場は地域経済の活性化にも貢献すると思われるので、市場の変化を乗り越える安定した生産拠点となることを、願いたいところです。


※参照資料:
[1]沖縄工場開設に関するお知らせ(中村超硬)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1337929
[2]国際物流拠点産業集積地域について(沖縄県)
http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kigyoritchi/kokusaibutsuryutokkunitsuite.html

2016年03月21日

Caltex社がPV+蓄電池で稼動する給油所を豪州で運営中、僻地での給油に対応

海外の大手石油会社「Caltex」が2016年3月14日に

  • 豪州僻地において、太陽光発電の電力で1日24時間利用できる給油所
について発表していました[1]。

給油所の概要は次の通り。


  • 設置場所:西オーストラリア州・Pilbara地域のTom PriceとOnslow
    ※双方とも、州都Perthからは1300km以上離れている。
  • 特徴
    • 太陽光発電の電力で稼動
      発電電力をバッテリーに蓄電し、給油ポンプをどの時間でも稼動できる。
      電力系統には接続されていない。
    • 移動可能
      設備一式をトラックで運搬できる。
      これにより、設置地域で燃料供給の需要が無くなった場合にも、新たな場所に簡単に移動・設置が行える。
    • 支払いはカード式
      これにより、ユーザーは1日24時間このスタンドを利用できる。
    • サービスは限定的
      Caltex社の一般的な給油所と同等のサービス(例えば軽い飲食物の提供)は行わない。
  • 実用化の背景
    • Caltex社は豪州では、200の専用トラック停車場と、300のトラック向け給油所を運営し、同国内に給油ネットワークを構築している。
    • ただし僻地の給油所は利用者が少なく、給油ポンプを稼動するために発電機を動かし続けることは、非常にコストが高く効率が悪い。
      またPilbara地域では、従業員の出勤(最寄りの主要な街から)に多くの時間がかかることから、スタッフの配置が困難である。
    • 今回の給油所は、上記の課題に対応するため、豪州の豊富な太陽エネルギーの利用に着目したものである。

豪州では昨年秋に鉱山向けの太陽光発電設備(ディーゼル発電とのハイブリッド)が稼動を始めており、豊富な日照を背景に、僻地における有効な電源として、太陽光発電の利用が本格化しつつあるのかもしれません。

また今回の給油所については、PV+蓄電池による自立稼動だけでなく、運搬・移動も容易化している点が非常に興味深く、災害時の対応手段としても、可能性を持っているように思われます。

ともかく80年の歴史を持つCaltex社が、このような設備を実際に運用していることには、地域によっては太陽光発電が十分な実用性・メリットを発揮できる状況となっていることが伺えます。


※参照資料:
[1]Caltex looks to the sun in outback diesel supply world-first(Caltex社)
http://www.caltex.com.au/LatestNews/Pages/NewsItem.aspx?ID=13597
[2]オーストラリアの僻地に世界初の太陽光発電による給油所が登場(autoblog)
http://jp.autoblog.com/2016/03/18/world-first-solar-powered-gas-station-australian-outback/
[3]カルテックス(ウィキペディア)
[4]西オーストラリア州(同上)

※関連記事:

2016年03月19日

ソーラーフロンティア社のモジュールが、VDEの降雹試験(直径45mmの氷球を約110km/hで衝突)で高い耐性を確認

ソーラーフロンティア社が2016年3月14日に、

  • 独立試験機関「VDE Testing and Certification Institute」が行った試験により、自社のCISモジュールが、降雹に対して高い耐性を持つことが確認された。
と発表していました[1]。

試験の概要は下記の通り。


  • 試験の内容
    直径45mmの氷球を、110km/hのスピードで太陽電池モジュール表面に衝突させた。
    (※一般的な降雹の耐性試験では、雹球の直径は25mm・衝突スピードは約83km/hとのこと)
  • 結果
    氷球衝突後の目視検査・出力測定などで、モジュールの国際規格の要求品質を満たしていることが確認された。

また同社のモジュールは、これまでに

  • アンモニア高濃度地域(家畜飼育場や鳥が群生する地域)
  • 塩水飛沫地域(海岸線)
  • 砂嵐の頻発地域
等での耐久性認証を取得済みとのことです。


第3者機関の認証取得発表は、中国の大手メーカーでもしばしば見られますが、今回のソーラーフロンティア社の発表についても、太陽電池モジュールの新興メーカーとして、市場・ユーザーの信頼確保に積極的に努めている姿勢が、強く感じられます。

日本企業における日本市場での2015年度3Qのモジュール出荷量[3]では、全出荷量が前年同期比18%マイナスとなっている中で、「その他」だけが横ばい(同1%増)をキープしていますが、これも今回のようなソーラーフロンティア社の取組みが、需要の確保に繋がっている、ということなのかもしれません。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池 降雹(こうひょう)に対する耐性を国際試験機関が確認(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2016/C053575.html
[2]VDE Testing and Certification Institute
https://www.vde.com/en/Institute/Pages/Homepage.aspx
[3]日本企業における太陽電池出荷量 2015年度第3四半期(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_co_pv_forward_h273q.pdf

2016年度の太陽光発電の電力買取価格は、住宅(10kW未満)が前年度から2円/kWhマイナス、非住宅(10kW以上)は3円/kWh減

経済産業省が2016年3月18日に、次年度(2016年度)のFITの電力買取価格(新規参入者むけ)などを発表していました[1]。

その中で、太陽光発電の金額は次の通り。


住宅(10kW未満)非住宅(10kW以上)
出力制御対応機器の
設置義務なし
あり
買取価格31円/kWh33円/kWh24円/kWh(※税抜き)
前年度から2円/kWhの減少3円/kWhの減少

また、消費者が負担する「賦課金」(再エネ全ての分)は2.25円/kWhで、標準家庭(電力使用量が300kWh/月)の場合は月額675円・年額8100円とのことです。


「住宅」の買取価格は、かつての余剰電力買取制度における価格(2009〜2010年度に48円/kWh)の2/3程度。

また「非住宅」も、FIT開始初年度(2011年度の42円/kWh)の6割未満であり、両カテゴリともに優遇制度による市場の急拡大に伴い、この5〜6年で導入コストが大幅に低下したことが伺えるものです。

しかしその一方で、毎年度の買取価格の引き下げに加えて、住宅用の導入補助金制度の廃止(2014年度)や、電力系統の受入れ制限の顕在化(2014年秋)といった条件の悪化が起きており、新規認定の容量は大幅に減速[2]。

そこに来て今回の更なる買取価格引き下げであり、日本における太陽光発電の新規導入スピードの更なる減速も、避けられないものと予想します。

また他方では、一般家庭の経済的負担も(実際に稼動する発電設備の増加に伴い)年度を追うごとに増しており、FITで認定を受けた発電事業者の責任も、増していくものと考えます。


※参照資料:
[1]再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価を決定しました(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160318003/20160318003.html
[2]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内の電力買取制度

オムロンが産業用向け屋外三相パワコン「KPT-A□」シリーズを発表、複数台設置で低圧〜高圧設備に幅広く対応

オムロン社が2016年3月16日に、産業用太陽光発電向けの屋外三相パワコン KPT-A□」シリーズを発表していました[1]。

今回発表されたのは

  • 定格出力9.9kW「KPT-A99」(2016年4月発売予定)
  • 10kW「KPT-A100」(同上)
  • 12.375kW「KPT-A123」(2016年6月発売予定)
の3機種で、主な特徴は次の通り。


  • 複数台設置で低圧〜高圧設備に対応
    低圧設備(50kW未満)では「KPT-A123」4台(計49.5kW)を用いることで、従来の主流タイプ(10kW機種を使用)よりもトータルコスト(導入・設置・保守など)を削減できる。
    また高圧設備(50kW以上)の場合も、従来の主流方式(セントラル型)に比べて
    • 設置の容易化
    • リスク分散(パワコン停止時の発電量損失の低減)
    とのメリットが得られる。
  • 商用トランスが不要
    高周波絶縁方式を採用しているため、商用トランスの別途設置が必要ない。
  • 将来的な出力制御に対応可能
    オムロン社が発売済みの「エナジーインテリジェントゲートウェイ」と組み合わせることで、出力制御にも対応できる。
  • 塩害に対応
    防塵・防水規格「IP65」を確保している。
    (※重塩害地域(海岸から500m以内)への設置には不適)
  • 回路数は最大7回路
  • 接続箱機能を内蔵。

個人的にオムロン社については、太陽光発電用パワコンにおいては住宅用の小型機種が専門、というイメージを持っていたので、今回の産業用機種への参入はかなり意外でした。

もっとも同社製品ではこれまで、住宅だけでなく低圧産業用にも対応できる「KPシリーズ」がFIT開始後に多くの需要を獲得

今回の新シリーズはそれを受けて、自社の経験・ノウハウを生かしつつ国内産業用市場の拡大に対応するべく、開発・製品化されたものと思われます。

ただしその日本国内市場では、

  • 太陽電池モジュール出荷量:2015年度3Qは前年同期比16%のマイナス[2]
  • FITにおける「非住宅(10kW以上)」の認定容量:月ごとの減少が継続[3]
と、かつての活況から一転して縮小傾向が顕著であり、その中で今回の新機種がどれだけ販売を伸ばせるのか、というのはちょっと気になるところです。


※参照資料:
[1]産業用太陽光発電に幅広く対応できる屋外三相パワーコンディショナ 「KPT-A□」の発売について(オムロン)
http://www.omron.co.jp/press/2016/03/c0316.html
[2]日本における太陽電池出荷量 2015年度第3四半期(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h273q.pdf
[3]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | パワーコンディショナー

2016年03月17日

日本エコシステムが「じぶん電力」の申込受付を開始、PVを顧客宅に無償設置して売電

日本エコシステム社が2016年3月16日に、

  • 戸建住宅向けの電力卸売事業「じぶん電力」で、申込受付を開始した。
と発表していました[1]。

今回は同サービスのサイト[2]と合わせて、サービスの主な特徴を抜き出してみました。


  • 太陽光発電システムを無償設置
    日本エコシステムがユーザー宅にPVを無償で設置し、ユーザーはその発電電力を購入する。
    (太陽電池パネルは、ソーラーフロンティア社製のCISパネル)
    発電電力が余剰の際は、日本エコシステムが電力会社に売電する。
  • 発電設備は日本エコシステムが所有
    PVシステムとその発電電力は、契約期間(20年)中は日本エコシステムが所有する。
    (保守・メンテ、災害時などの損壊への対応も、日本エコシステムが行う)
    契約期間の満了後には、設備はユーザーに無償で譲渡される。
  • 発電できない時間帯もカバー
    PVが発電できない時間帯などには、新電力大手「エネット」社から電力を供給する。
    このエネット社の供給電力は、大部分が天然ガス発電によるもの。
  • 非常用電源として活用可能
    停電時にはユーザー宅では、設置された太陽光発電システムの発電電力を、無料で使用できる。(※発電できる時間のみ)
  • 主な条件
    対応住宅は戸建住宅(築20年未満または新築予定の、2階建て以下)のみで、発電・蓄電設備が未設置であること。
    また、
    • 北海道
    • 青森県、秋田県、岩手県、山形県
    • 新潟県、富山県、石川県、福井県
    • 沖縄県
    は対象エリア外。

米国では同様の方式(発電設備を第三者が保有)が主流とのことで、それについては私も確かに、これまで幾つかのニュース記事で見聞きしており、ユーザー側の導入負担の小ささが羨ましいと思っていたものです。

住宅用PVの普及がスローペースな日本でも、その方式はできないものなのか・・・と思っていたので、今回の新サービス開始の報にはかなり驚きました。

米国より日照時間が少ない日本において、この種のサービスを安定して運営するには、政策(FITの買取価格など)による優遇条件が必要かもしれませんが、それでも今回の「じぶん電力」が、国内での住宅用PVの導入を加速する呼び水になってくれれば、と期待します。

もっとも私が現在済んでいる住宅は、残念ながら条件外ですが。


※参照資料:
[1]国内初 太陽光発電主軸の電力小売事業『じぶん電力』の受付開始(PR Times)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000005040.html
[2]じぶん電力
http://www.jibunden.com/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2016年03月16日

台湾TrendForce社が世界の太陽電池需要の減速を指摘、米・中も減速か

台湾のTrendForce社が2016年3月10日に、最近の太陽光発電市場の動向に関するレポートを発表していました[1]。

その中から、市場の現状を示す主な記述・数字を抜き出してみました。


  • 世界の太陽電池需要
    中国の旧正月後に減速している。
    その要因は
    • 日本・米国で、導入のピーク時期が過ぎたこと
    • 中国での需要低下(太陽光発電所の系統連系に関する業務が、2016年6月までに終了予定であることに伴う)
  • セルの供給過剰
    2015年のセル不足は、殆どが中国における導入ラッシュによるものだった。
    現在は太陽電池の需要減少に伴い、次のようにセル価格の下落が起こっている。
    • 台湾製セルの平均価格:過去2週間で、0.342米ドル/W以上から、0.335〜0.338ドル/Wあたりまで下落。
    • 中国製セルの平均価格:旧正月前の2.45人民元/Wから、3月は2.3人民元/Wに下落。
  • 中国市場の減速
    • 補助金政策の変更
    • 電力系統の受入れ限界(太陽光発電の発電電力の「捨てられる」割合が増えている)
    により、2016年の導入量は当初予想(20GW)を大きく下回る見込み。
    更に、深刻な供給過剰が予想される。(多くの生産者が生産能力の拡大を行っているため)

最近は中国と米国が太陽電池の成長市場という雰囲気だったので、その減速を指摘している今回のレポートには衝撃を受けました。

特に中国需要の減速が事実であれば、好調が続いていた国内メーカー(Trina・Jinko・JASolar等)の業績にも、これから(マイナス方向の)激変をもたらす可能性が考えられます。

その一方でまさに現在、中国メーカーにおける生産能力増強の動きも報じられており[3]、近い将来の大きな混乱が懸念されます。

米国については、地に足の着いた(単純に政策頼みでない)需要成長を続けていると思っていたので、導入ピーク時期が過ぎたという指摘は意外でした。

ただ同国のエネルギー省は今年1月に、太陽光発電の受入れ能力増強を狙った研究開発の促進[4]を発表。

中国についても、電力系統の現状に手をこまねいたままとは思われないので、長い目で見れば両市場はまだまだ成長していくものと考えますが、技術開発と実際の設備・システムの更新は、そうそう直ぐに出来るものではなく、短期的(1〜2年)にはやはり、市場の急減速が起こるのかもしれません。

一部地域の市場への高い依存度、そして供給能力の過剰・・・といった構図は、つい数年前に経験していた筈ですが、またそれをむざむざと繰り返すことになるのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]TrendForce Reports PV Cell Prices Are Falling Faster Than Expected Due to Cooling Demand(TrendForce社)
http://press.trendforce.com/press/20160310-2370.html
[2]太陽電池の価格が予想以上のペースで下落、台湾の調査会社が発表(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/031401074/
[3]中国通威が太陽電池部門IPO計画−再生エネルギー需要増で生産増強(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O42FPW6K50Y101.html
[4]Energy Department Announces $18 Million to Develop Solar Energy Storage Solutions, Boost Grid Resiliency(米エネルギー省)
http://energy.gov/articles/energy-department-announces-18-million-develop-solar-energy-storage-solutions-boost-grid-0
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)

2016年03月15日

パナ社がHITモジュールで変換効率23.8%(※研究開発レベル)を達成、バックコンタクトセルを採用

パナソニック社が2016年3月2日に、

  • HIT太陽電池モジュールにおいて、研究開発レベルモジュール変換効率23.8%(開口部面積)を達成した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • 評価を行った機関:産業技術総合研究所
  • モジュールの開口部面積:1万1562cm2
  • 記録達成の技術的な要因
    • ヘテロ接合型太陽電池セル化技術と高出力モジュール化技術をより進化させた。
    • バックコンタクト型セル構造を適用。

研究開発段階とはいえ、開口部面積と[1]の掲載写真から、製品と同等サイズのモジュールで達成された記録と推測されます。

パナ社の現在の住宅用モジュールの市販品[2]では、モジュール変換効率は18.1〜19.5%であり、今回の記録はそれらを4〜5ポイント以上も上回っていることに驚かされます。

もし今回の成果が、そのまま製品に適用可能となったと仮定すると、同じ面積のモジュールで発電容量が約2割もアップすると考えられるので、早期の実用化の実現をぜひ期待したいものです。


※参照資料:
[1]シリコン系太陽電池のモジュール変換効率で研究開発レベルとして世界最高の23.8%を達成(パナソニック社)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/03/jn160302-1/jn160302-1.html
[2]商品ラインアップ(同上)
http://sumai.panasonic.jp/solar/lineup.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:パナソニック

2016年03月14日

「ワタミファーム&エナジー」がメガソーラー事業に関わる子会社2社の保有株式を全て売却、今後は売電に集中する方針

ワタミ社が2016年3月9日に、

  • 子会社「ワタミファーム&エナジー」(WF&E)の子会社2社
    • コミュニティソーラー
    • 北海道ソーラーマネジメント
    について、WF&Eが保有する株式(両社とも50%)の全てを、CSS社に売却することを決定した。
と発表していました[1]。

主な背景は下記の通り。


  • ワタミ社は2011年から国内で再エネ事業を展開しており、現在は
    • 風力発電:3基
    • メガソーラー:2基
    • 工場屋根置きソーラー:6工場
    を保有。
    また2014年5月には特定規模電気事業者(新電力)に登録し、電力小売事業にも参入している。
  • 今回はグループの事業領域を見直した結果、2016年4月の電力自由化を見据え、環境セグメントの主要な事業領域を、地域への売電に集中することとした。
  • 今回株式が売却される2社は、メガソーラー事業に係る企画・開発・運営などを手がけている。
    また売却先であるCSS社は、ワタミ社が再エネ事業に参入した当初から、協力関係にある。

また株式譲渡の実行日は、2016年3月10日とのことです。


国内では昨年1月に、北海道・東北・九州電力が指定電気事業者制度の適用となっており、更に先月には四国電力も出力上限に到達。

その一方で、指定電気事業者の管内で見込まれる年間の出力制御時間については、いまだ不透明なままです。

加えて次年度には、「太陽光(10kW以上)」の電力買取価格が3円または5円/kWh引き下げられる見込みであり[2]、業績が伸び悩んでいる[3]ワタミ社としては、メガソーラー開発から身を引く今回の決定は、自然なことだったのかもしれません。

ただ各社固有の事情もあるとはいえ、今回のワタミ社の発表は、FIT導入当初に急激に盛り上がった国内太陽光発電市場の減速を、象徴しているようにも思われます。


※参照資料:
[1]株式会社コミュニティソーラー及び株式会社北海道ソーラーマネジメントの株式の譲渡(非連結子会社化)に関するお知らせ(ワタミ社)
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1335579&code=7522&ln=ja&disp=simple
[2]調達価格等算定委員会‐「平成28年度調達価格及び調達期間に関する意見」について(同上)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/report_005.html
[3]当社の近況について(ワタミ社)
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1335791&code=7522&ln=ja&disp=simple
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内