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2016年05月30日

シャープが化合物3接合型モジュール(968cm2)で変換効率31.17%を達成、今後は地上用も視野

シャープ社が2016年5月19日に、

  • 化合物3接合型太陽電池において、モジュール変換効率の記録を更新した。
と発表していました[1]。

主な内容は次の通り。


  • 達成したモジュール変換効率31.17
    産総研が確認した数値。
  • 該当モジュールの大きさ968cm2
  • 今後の方針
    高効率化と低コスト化を追求し、地上での用途開拓(各種移動体の電源など)に取り組む。
    (※現在の化合物3接合型は、主に人工衛星などに用いられている。)

最近では複数の国内メーカー(シャープ含む)において、高効率の太陽電池として、ヘテロ接合の結晶シリコン型の開発が進められていますが、その変換効率は

であり、流石に数値の上では、シャープの化合物3接合型の優位さが際立っています。

しかしその非常に限定された用途(宇宙用がメイン)から、生産コストは結晶シリコン型より遥かに高いと推測され、一般の住宅用・産業用としては(少なくとも現状では)全く向かないものと思われます。

そのため今回の発表の中で、「地上での用途開拓」にはっきり言及されているのは意外であり、新たな道として今後の展開が楽しみでもあります。


※参照資料:
[1]太陽電池モジュールで世界最高の変換効率31.17%を達成(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160519-a.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2016年05月23日

メキシコ・Sonora州での住宅向け・農地向けPVプロジェクト(Enilso社による)で、ソーラーフロンティア製のCISパネルが採用

ソーラーフロンティア社が2016年5月上旬に、

  • メキシコ・Sonora(ソノラ)州での住宅向け・農地向け太陽光発電プロジェクト(同国のEnilso社が手がける)に、自社のCIS薄膜太陽電池パネルが採用された。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。


背景

  • Sonora州は農業(アスパラガス、葡萄、メロン等)が盛んだが、現在そこでは、スマートエネルギーへの投資による農業経営の安定化が図られている。(エネルギーコストの削減による、農機具購入費用の確保など)
  • Enilso社の創業家は農業を営んできたが、太陽光発電をその本業に役立たせることを考え、2010年に小規模の太陽光発電プロジェクトに参入。
    その後はサービス内容を拡大させていき、現在は住宅用・商業用で成長を続けている。

該当プロジェクトの内容

  • 場所:Sonora州と周辺地域
  • 規模、発電電力の用途
    • 住宅向け5〜10kW規模
      ユーザーにおける、毎月の大幅な電気代削減につながる見込み。
    • 農地向け200〜500kW規模
      発電電力は
      ・作物用の灌漑ポンプ
      ・農産物の冷却・冷凍・産業用処理
      等で自家使用される。
  • 完工時期:2016年第3四半期までに終わる予定。

またYouTubeには、Enilso社による動画が投稿されており、その風光明媚さが目を引きます。


個人的には正直、中南米地域での太陽光発電市場についてはイメージが乏しく、そのためメキシコにおける今回のプロジェクトには、かなり新鮮な印象を受けました。

もっとも、今回のプロジェクトの展開地域であるSonora州は、その大半を、日本の本州が入る面積を持つ「ソノラ砂漠」が占めている[5]とのことで、気候的な条件(雨雲の発生が著しく少ない)は、太陽光発電に非常に向いているものと思われます。

実際、今回の発表で示されている住宅用設備の規模は、日本の平均的な設備(2013年度の新規設置で4.55kW)を大きく上回っていますが、これには発電条件の有利さ(=発電電力量がより多く、経済的に有利)が働いていると推測します。

太陽光発電の導入コストの低減が、近年急速に進んでいることもあり、今回のように、日照条件が良い新興国でのPV活用は、今後更に進んでいくのかもしれません。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池、メキシコの農地向け太陽光発電所に採用(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2016/C055175.html
[2]Solar Frontier Modules Selected For Enilso Solar Projects In Mexico(同上)
http://www.solar-frontier.com/eng/news/2016/C055173.html
[3]Enilso
http://www.enilso.com.mx/
[4]ソノラ州(ウィキペディア)
[5]ソノラ砂漠(同上)

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 発展途上国での導入

2016年05月16日

田淵電機が2015年度の業績を発表、国内PV市場は縮小が続くも、大型案件の消化は2〜3年続くと予想

田淵電機社が5月11日に、2015年度2015年4月〜2016年3月)の業績を発表していました[1][2]。

今回はその中から、太陽光発電用パワコンに関係する内容を抜き出してみました。


「電源機器事業」セグメントの業績

  • 売上高:299億4500万円(前期比32.2
  • 営業利益:50億2900万円(同51.3
  • 背景
    日本国内の太陽光発電市場の縮小により、パワコンの販売が不調だったことが響いた。

太陽光発電市場の状況

  • 国内市場
    • 2015年度
      これまで牽引役だった低圧連系市場(10〜50kW)が停滞した。(※この分野は、田淵電機のシェアが高い)
      その一方で大規模案件(メガソーラー等)では、残余の設置が着実に進んだ。
      またセントラル型(パワコン1台を使用)ではなく、分散型パワコンの採用が増加している。
    • 今後の見通し
      全体として市場は縮小していくが、500kW以上(工期が長い)では、今後2〜3年程度をかけて、残っている案件の消化が進むと予想される。
  • 北米市場
    • InvestmentTaxCredit」の延長(2015年12月に米国連邦議会で可決)
    • 「デマンドチャージ」に伴うピークカット・ピークシフト需要の拡大
    との成長要因がある。

いちメーカーにおける業績ではあるものの、「電源機器事業」での売上・利益の減少幅には、国内市場の縮小の度合いが強く感じられます。

その中で大型案件については、そう言えば当ブログで4月以降にチェックした限りでも

と、立て続けに大規模プロジェクト推進の発表・報道があり(※採用されているパワコンのメーカーは不明)、国内で大型案件の消化が進んでいるというのは、確かなのかもしれません。

ただしあくまで「産業用(10kW以上)」の認定量は減少が続いており、今年1月末時点でも、1ヶ月前と比べて130MWのマイナス[3]。

このため、メガソーラーの認定分の消化が数年間続くとしても、その後は非常に厳しい状況が待っていると考えざるを得ません。

いっぽう北米市場に関しては、米国で導入のピーク時期が過ぎたとする調査レポートが3月に発表されていましたが、今後それを覆す状況となり得るかどうかは、強く注目したいところです。


※参照資料:
[1]平成28年3月期 決算短信(田淵電機)
http://www.zbr.co.jp/ir/news/docs/tanshin_m160511.pdf
[2]2016年3月期 決算ご説明資料(同上)
http://www.zbr.co.jp/ir/news/docs/tanshin_e160511.pdf
[3]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | パワーコンディショナー

2016年05月02日

米SunEdison社が、連邦破産法11条の適用を申請

SunEdison社が2016年4月21日に、

  • 連邦破産法11条の適用を申請した。
と発表していました[1]。

ただし、同社は300万ドルの資金調達の合意を確保しており、その資金により

  • 現在進行中のプロジェクト(米国内外)の推進
  • 従業員への給与の支払い
  • 顧客へのサービス提供

等は継続する方針とのことです。

また日経新聞の記事[2]では、次の状況・数字が示されています。

  • 背景
    • 積極的なM&Aによる負債の増大
    • 火力発電のコスト競争力アップ(原油価格の下落による)
  • 負債総額:2015年9月末時点で161億ドル

私もSunEdison社の名前は良く目にする機会があったので、今回の破産申請(しかも1兆円以上という負債規模)には非常に驚きました。

ただ、解散が命じられた中国のLDK Solar社の場合とは違い、あくまで事業の継続・経営再建を前提としていることが伺えます。

個人的にはSunEdison社に関しては、

が印象深いので、これらの取組みがどうなるのかは、かなり気になるところです。


※参照資料:
[1]SunEdison Undertakes Chapter 11 Reorganization(SunEdison社)
http://investors.sunedison.com/phoenix.zhtml?c=106680&p=irol-newsArticle&ID=2159218
[2]太陽光発電の米サンエジソン、破産法申請(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN21H2K_S6A420C1000000/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

Trina SolarとGE EFSが宮城県石巻市で、14MWのメガソーラーを建設予定

Trina Solar社が2016年4月25日に、

  • 日本の宮城県・石巻市において、14MWのメガソーラーを建設・運営することで、「GE Energy Financial Services」(GE EFS)社と合意した。
と発表していました[1]。

事業の概要は次の通り。


  • 建設場所:宮城県の石巻市内
  • 発電容量:14MWDC
  • 発電電力の用途
    全量を東北電力に売電する。
    (売電単価は36円/kWh)
  • スケジュール
    • 着工:2016年4月末
    • 稼動開始:2017年6月までに稼動する予定
  • その他
    • Trina Solarの完全子会社「Trina Solar Japan Energy」が、EPCM(設計・調達・施工管理)を担当する。
    • GE EFSが、本事業の持分の85%を占める予定。

先月着工した韓国企業による北海道千歳でのメガソーラー事業(24MW)と同様に、2015年度から指定ルールが適用済みの地域における大規模案件です。

ただし、電力買取価格は3年前(2013年度)のものであり、やはり買取条件が有利な過去年度の認定案件であることが、海外事業者がこれから建設を進める事業において、非常に重要な点になるものと思われます。

事業者は全く別ですが、九州・宇久島での400MW超のメガソーラー計画についても、昨年11月に400MWの系統連系承諾が得られた[2]とのことであり、日本国内での大規模メガソーラー建設は、(新規認定分の減速とは裏腹に)当面は続くのかもしれません。


※参照資料:
[1]Trina Solar Partners with GE Energy Financial Services to Deliver Clean Energy to Miyagi Prefecture in Japan(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2160865
[2]宇久島メガソーラーパーク事業、遂に系統連系承諾 (PVDP社)
http://pvdp.eu/ja/%E5%AE%87%E4%B9%85%E5%B3%B6%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%80%81%E9%81%82%E3%81%AB%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E9%80%A3%E7%B3%BB%E6%89%BF/
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー

韓国電力・LS産電などが、北海道千歳で28MWのメガソーラーを建設開始

2016年4月20日付けのニュース記事[1]で、

  • 韓国電力などが同日(4月20日)に、日本の北海道・千歳メガソーラー28MW)の建設を着工した。
と報じられていました。

発電所に関する主なデータは次の通り。


  • 建設場所:「新千歳空港」の近く
  • 敷地面積:109万m2
  • 発電容量:28MW
    太陽電池パネル約13万枚を設置する。
  • 事業費用:1130億ウォン(約109億円)
    うち900億ウォンは、複数の韓国の金融会社(産業銀行など)から調達する。
  • 発電電力の用途
    竣工後の25年間、北海道電力に売電する。
    売電額は3174億ウォン(307億円)の見込み。
  • 着工までの経緯
    韓国電力は2015年に、日本の再エネ企業と共同事業協約を締結。
    本プロジェクトの着工までには、調査などで1年を経ている。
  • その他
    発電所の建設・運転・保守は、LS産電が担当する。

北海道では、FITの開始初期にメガソーラー事業の計画が集中し、とうとう2014年秋には北海道電力が接続回答の保留を発表する事態に。

そして2015年度からは指定ルール(年間の出力制御時間が無制限)が適用されているので、今になって28MWという大規模発電所の建設が始まるとは、思いもしませんでした。

もっとも売電単価(kWhあたり)を大雑把に計算すると、307億円÷(28000[kW]×1000[h/年]×25[年])=約44円/kWhなので、今回のプロジェクトは、恐らく2012年度(買取価格42円/kWh)の認定案件を、韓国電力などが入手して事業化したものかと思われます。
(※ただし売電期間が、FITの買取期間である20年ではなく、25年とされている理由は不明。記事の間違いか?)

電力買取価格は今年度(2016年度)には24円/kWhまで下がっていますが、買取価格が高い過去の認定案件を確保できれば、海外の事業者にも参入のメリットはまだ十二分にある、ということなのかもしれません。


※参照資料:
[1]韓国電力、北海道に太陽光発電所を建設(ハンギョレ)
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/23930.html
[2]新千歳空港(ウィキペディア)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー