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2016年06月27日

軽井沢の「白樺堂」が、PV電力のみで皮を焼く「太陽のどら焼つぶつぶプリン生どら」を製品化

2016年6月22日付のニュース記事[1]で、

  • 長野県・軽井沢の菓子メーカー「白樺堂」が、太陽光発電の電力のみで皮を焼き上げるどら焼を開発した。
と報じられていました。

主な内容は次の通り。


製造設備

  • 設置の経緯
    副社長の方が2015年夏に、太陽光発電の電力による菓子作りを着想した。
    当初は電力供給の不安定さ等を指摘されたが、その後に
    • 蓄電池
    • 電磁誘導加熱式の業務用どら焼き機
    と組み合わせることで、製造を実現。
    2016年5月中旬には、どら焼きの試作品を完成させた。
  • 設置場所
    太陽光発電システムと蓄電池、どら焼き機は、いずれも自社工場に設置している。
  • 製造能力
    好天時の1日充電で、500〜750個分の皮を焼くことができる。

新製品のどら焼き

  • 名称:「太陽のどら焼つぶつぶプリン生どら
  • 特徴
    既存の売れ筋商品を基にしており、
    • つぶつぶのプリン
    • ゼリー状のカラメル
    が入った生クリームを挟んでいる。
  • 発売開始日2016年6月29日の予定
  • 価格:1個270円(税込み)
  • 販売店舗:軽井沢町内の店舗など。

個人的には昔から、電気から熱への変換は(用途が暖房にしろ何にしろ)とにかく効率が悪い・・・というイメージが強かったですが、調理器具を直接発熱させる電磁調理器の場合、熱効率は83%(※通常のガスコンロでは通常約60〜70%)[2]とのこと。

今回の新どら焼きの製品化においては、蓄電池だけでなく、この高効率な方式の調理機器を導入できたことも、実現に大きく寄与したものと推測します。

新製品は1個300円近くと、なかなか高級などら焼きですが、白樺堂さんのサイト[3]を見ると、同社のどら焼きは中の餡やクリームがたっぷりであり、新製品もこれに則ったものであれば、納得が行きます。

また「太陽光発電の電力だけで焼き上げた」という点も面白く、太陽光発電システムや蓄電池の初期コストが今後更に下がっていけば、お菓子・食品製造において、太陽光発電使用をブランド作りやPRポイントに利用するケースが増えていくのかも・・・と考えます。


※参照資料:
[1]太陽光発電でどら焼きの皮 軽井沢の菓子工場、着想1年の成果(信毎Web)
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160622/KT160621GLI090006000.php
[2]熱効率(ウィキペディア「電磁調理器」内)
[3]軽井沢 ジャム&菓房 白樺堂
http://www.shirakabado.com/

First Solar等がザンビアでの大規模プロジェクト(約48MW)を受注、発電コストは0.06ドル/kWh

First Solar社が2016年6月10日に、

  • フランスの再エネ企業「Neoen S.A.S.」との共同で、アフリカ・ザンビアにおける大規模メガソーラープロジェクト47.5MWAC)を入札した。
と発表していました[1]。

事業の概要は次の通り。


  • 建設場所:「Lusaka South Multi-Facility Economic Zone」内。
  • 発電所の名称:「West Lunga National Park」にちなんで名づけられている。
    (※ただし[1]内に名称の明記は無し。)
  • 敷地面積:約129エーカー
    サッカー場の約73面分に相当する。
  • 太陽電池モジュールの設置枚数:約45万枚
    ザンビアの環境においては、通常の結晶シリコン型に比べて、得られるエネルギー量が最大6%多くなる見込み。
  • 発電コスト0.06ドル/kWh
    サハラ以南のアフリカでは、最も低い額。
  • 発電電力の用途
    25年間のPPAに基づき、ザンビア国営の電力会社「ZESCO」に供給する予定。
  • 完成時期2017年中頃の予定。
  • その他
    • 世界銀行の「Scaling Solar」プロジェクトにおける初の事業となる。
    • ザンビアの産業開発公社が、本事業の株式の20%を保有する予定。
    • 従来型の発電と比べて、水の必要量を1億2500万リットル節約できる見込み。

3年前の資源エネ庁の資料[2]によると、2004年時点の日本における新設電源の発電コストは

  • 原子力発電:5.9円/kWh
  • 石炭火力:5.7円/kWh
  • LNG火力:6.2円/kWh
であり、今回の0.06ドル/kWhは、明らかにこれらと並ぶ水準です。

また当ブログの過去記事ですが、他国でのコストを見ると

であり、(3年前の数値とはいえ)これらも大幅に下回っています。

日本とザンビアの日射量の違いは不明ですが、年降水量は

  • ザンビア:500〜1500mm[3]
  • 日本:1718mm[4]
であり、この差は発電コストに大きく影響していると考えられます。

加えてザンビアは「後期開発途上国」とのことで、その点でも特に、発電コスト低減の要求・必要性が強かったと推測されますが、それにしても現時点で驚異的な低コストであることは、間違いないと思います。

ただ[1]では、この低コストを実現できた背景(技術的要因など)は全く書かれておらず、今回の件が無理をした特例である可能性も考えられますが、その点は、First Solar社が今後発表する発電所開発プロジェクトを見ていきたいと思います。


※参照資料:
[1]Neoen, First Solar To Deliver Lowest Cost Solar Electricity in Sub-Saharan Africa(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=975936
[2]エネルギーコストと経済影響について 平成25年8月(資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/002/pdf/002_001.pdf
[3]ザンビア(ウィキペディア)
[4]水の循環と水資源(経済産業省)
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/junkan/index-4/11/11-1.html

2016年06月20日

新型「プリウスPHV」(2016年秋発売予定)は「ソーラー充電システム」を搭載、太陽光発電のみで最大5km走行の見込み

トヨタ自動車が「スマートコミュニティJapan 2016」(2016/6/15〜17、東京ビッグサイト)に、プリウスPHV新モデル(日本仕様、2016年秋に発売予定)を出展したとのこと[1]。

今回はニュース記事[2][3]から、同車両が搭載する「ソーラー充電システム」の概要を抜き出してみました。


  • 太陽電池パネル
    • 出力180W
      2009年発売のプリウスでの搭載パネル(「ソーラーベンチレーションシステム」用)から倍増。
    • 種類:非公開
      ※[2][3]の掲載写真を見る限りでは、3本バスバーの単結晶シリコン型か。
    • その他
      ・曲面ルーフへの搭載
      ・軽量かつ出力増加
      が可能なパネルを、専用で開発した。
  • 発電電力の使用方法
    太陽電池パネルによる発電電力は「ソーラーバッテリー」(12Vのニッケル水素電池)に一時貯蔵する。
    この電力を、状況に応じて
    • 停車中:駆動用バッテリーに供給
    • 走行中:始動用バッテリー(12V)に供給
    と、「ソーラーECU」(DC/DCコンバータ内蔵)を介して供給する。
  • 太陽光発電の電力のみでの走行可能距離
    • 最高(晴天時・好条件な場所に車両を1日置いた場合):約5km
    • 平均2.7km

今回の新型プリウスでは、太陽光発電の一時蓄電用を含めて、バッテリーを計3個搭載するとのことで、一見すると複雑そうで、わざわざこうしなければならなかったのか、という疑問も浮かびます。

ただ2009年の「ソーラーベンチレーションシステム」の時点では、プリウスの走行用バッテリーは電圧が高い(200V超)ことから、万が一の太陽電池パネルへの逆流が懸念され、走行用バッテリーの充電は不可とされていました。

それから7年を経た今回、給電制御用のECUとPV用バッテリーの搭載により、上記の課題解決に漕ぎ着けた、ということだと思われます。

そして、あくまで理想的な条件での試算数値だとは思いますが、量産車において、太陽光発電だけでも数kmを走行できるということには驚きました。

発売後に実際の使用環境でどのような評価を受けることになるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]トヨタ自動車、「スマートコミュニティJapan 2016」に出展(トヨタ自動車)
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/12211694/
[2]新型「プリウスPHV」は太陽光発電能力が倍増、1日で5km走れる(MONOist)
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1606/16/news033.html
[3]ソーラー充電が可能な「プリウスPHV」、太陽光でどこまで走るか(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1606/16/news043_2.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 自動車

2016年06月13日

仙台市が小型の太陽光発電機器向けの補助金制度を開始、パナソニックの「コンパクトソーラーライト」等が対象

宮城県の仙台市2016年5月26日に、小型太陽光発電(+蓄電)機器を対象とする補助金制度を発表していました[1]。

制度の概要は次の通り。


  • 制度の名前:『みんなで備えるMy発電』補助金
  • 目的
    • 平常時における「3E(省エネ・創エネ・蓄エネ)」
    • 災害時における非常用電源の確保
    を推進する。
  • 制度利用の流れ
    1. 交付を申請
      購入予定の機器・店舗を指定して申請する。
      (※事前に登録されている機器・市内のショップのみが対象)
    2. 交付が決定
      市が申請書を受理してから、概ね20日以内に可否が決定され通知される。
    3. 委任通知の提出:
      交付決定通知に同封される「委任の通知」を、申請した購入店舗に提出する。
    4. 機器の購入
      補助金相当額を差し引いた金額で、機器を購入できる。
  • 補助金額1000〜1万
    太陽電池の出力により、3段階に区分されている。(標準販売価格の1/5以内)
  • 対象機器の例
    • パナソニックの「コンパクトソーラーライト BG-BL01G-W」(太陽電池パネル1W)
    • 「タイニーライト・ナノ発電所セット」(40W)
    • アンドーデンキ社の「エネ・プット」(1.15〜40W)
    • クマザキエイム社の「ソーラー発電システム SL-12H」(30W)
    • 「Sun Pad」(40W)
  • 制度利用者の条件(一部)
    • 仙台市内に居住
    • 市税を滞納していない
    • 暴力団などとの関係が無い
    • 一世帯あたり一回のみの利用。
  • 申請期間2016年6月7日〜2017年1月31日
    ※購入前の申請が必要。(購入済みの機器は対象外
    ※ただし、予算額の上限に達した場合には終了する。

太陽光発電への補助金というと、これまでは住宅用設備のような高額なもののみが対象だったので、今回は仙台市独自の取組みとはいえ、手の届きやすい小型機器が明確に対象になったことは、かなり新鮮でした。

その背景として、まず東北地方が、東日本大震災で甚大な被害を直接受けた地域であること。
それに加えてごく最近に、九州で相当規模の群発地震が非常に多く起こったことが、強い注意喚起となり、非常時の最低限(通信機器など用)の電源確保を狙いとした、今回の補助制度実施につながったものと推測します。

また対象機器の指定はともかく、購入先のショップも市内の登録店舗に限定しているのは、制度利用の自由度は低くなりますが、補助金制度を市内経済の活性化に少しでも繋げたい・・・という市の意図も伺え、その点では共感できるものです。

いっぽうで個人的に気になったのは、制度自体についてではなく、補助対象となっている機器の内訳です。

当ブログの過去記事の範囲で、それらの発売時期を見直すと

といずれも数年前。

またニュースリリースをチェックしていても、ここ最近の数年は、より性能を高めた新製品の登場がストップしていると感じざるを得ません。

例えばパナのBG-BL01G-Wは私も購入して使用していますが、晴れた日でなければ太陽電池での発電・充電ができず、正直実用性に難を感じているので、まさしく平常時・災害時の両方で、十分に且つ気軽に使える機器が開発・発売されることを、期待したいものです。


※参照資料:
[1]「みんなで備えるMy発電」補助金を開始します(仙台市)
http://www.city.sendai.jp/report/2016/1222408_3051.html
[2]みんなで備えるMy発電補助金に係る申請(同上)
http://www.city.sendai.jp/dl/b/d/1222023_1985.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 導入補助制度

2016年06月06日

韓国Samsung SDIが中国・無錫で太陽電池用ペーストを生産開始、40t/月からスタート

Samsung SDI社が2016年5月24日に、

  • 中国工場で同年6月に、太陽電池用ペーストの生産を開始する。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • 工場の場所:中国江蘇省の無錫
  • 背景・目的
    • Samsung SDIの無錫工場では、2015年9月に
      ・太陽電池用の偏光フィルム
      ・同・ペースト
      の生産ラインの設置を開始。
      このうち、ペーストの生産ラインは最近完成していた。
    • 中国には、世界の太陽電池モジュールメーカーの7割が位置している。
      今回の無錫工場でのペースト生産開始は、同国内での需要急増に対応狙いがある。
      また将来的には、近いうちに急成長が予想される東南アジア市場(タイ、マレーシア、インド等)向けも、この無錫工場でカバーする方針。
  • 生産品:「8800シリーズ
    「SNEC PV Power EXPO」で2016年5月24日に発表された新製品。
    この製品を用いたセルの変換効率は18〜20%。
  • 生産量
    40t/月から開始し、将来は100t/月まで拡大する予定。

日本企業における結晶シリコン型モジュールの出荷量は、2015年度1Q(2016年1-3月)には

  • 単結晶型:前年同期比32
  • 多結晶型:同28
であり[2]、FITで湧いた数年前から一転して、減速が際立っています。

一方で中国メーカーについては、今回Samsung SDIによる導電ペーストの供給拠点が新設されたことからも、モジュール生産・出荷の勢いが(日本メーカーとは)全く対照的であることが伺えます。

また太陽電池用の銀ペーストに関しては、2013年の報道で、日本の「DOWAエレクトロニクス」社が銀粉の世界シェア6〜7割を占めており、また同年には500t/年に増産する方針、とされていました。

この銀粉は樹脂と混合することで銀ペーストになるとのことなので、今回のSamsung SDI社の発表数値(ペーストの生産量)と単純に比較はできませんが、それでも将来的に100t/月(=1200t/月)が実現した場合は、Samsung SDIが世界シェアのトップに躍り出る可能性が、十分にあるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]Samsung SDI Targets China with Key Photovoltaic Material - To Start Operation of PV Paste Plant in Wuxi, China in June(Samsung SDI社)
http://www.samsungsdi.com/sdi-news/1462.html?idx=1462#
[2]日本における太陽電池出荷量2015年度第4四半期及び2015年度(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h274q.pdf
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 電子ペースト

2016年06月01日

福島県南相馬市で約60MWのメガソーラー事業計画、住友商事・東芝などが関わる

住友商事など2016年5月下旬に、福島県・南相馬市における大規模メガソーラー事業の計画を発表していました[1]〜[3]。

事業の概要は次の通り。


  • 建設場所:南相馬市の右田・海老地区と真野地区
    市が所有する、東日本大震災の被災地(約110ha)に建設する。
  • 発電容量59.9MW
  • 発電電力の用途
    FITにより、小売電気事業者に供給する。
  • 総事業費:約220億
  • 企業の担当
    • 事業会社:ソーラーパワー南相馬・鹿島株式会社
    • 出資:住友商事
    • プロジェクトファイナンスの組成:みずほ銀行
    • EPC:東芝、大成建設
      ※大成建設は架台基礎向けの簡易斜杭基礎工法T-Root工法)を開発済みであり、工期短縮・コスト縮減を図る。
  • スケジュール
    • 2016年5月:着工
    • 2018年3月:商業運転開始の予定

最近は4月以降だけでも

と、10MW超のメガソーラーの着工や事業計画の発表が相次いでいますが、これまで大量に積み重なってきたFITの認定分の消化が、2016年に入って本格化しているということであれば、非常に好ましいことだと思います。

また昨年(2015年)の夏には、太陽光発電が供給予備率アップに寄与した可能性が見受けられたので、現在建設が進むこのような大規模発電所が完成・稼動することで、国内の電力需給に更に余裕を産み出せるか、という点も非常に楽しみです。

ただ、上記プロジェクトの事業費用(※明記があるもののみ)を見ると

  • 石川県での27MW:100億
  • 静岡県での計20MW:総額約79億
  • 北海道千歳での28MW:1130億ウォン(約109億円)
  • 今回の南相馬市での59.9MW:約220億

と、いずれもかつての目安だった1MWあたり3億円を、明らかに上回っています。

「T-Root工法」の開発のように、太陽光発電所の初期コストは、年月の経過(技術の進歩、製品価格の低下)とともに下がっていくものとばかり思っていたので、それに反して大規模事業での事業費用が下がっていない理由は、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]南相馬市における太陽光発電事業について(住友商事)
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=29341?tc=bx
[2]同上(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2016_05/pr_j2001.htm
[3]同上(大成建設)
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2016/1439213825886.html
[4]簡易斜杭基礎『T-Root』を開発(同上)
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2015/1424245636098.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内のメガソーラー