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2016年07月18日

日本環境テクノ社が太陽光発電施設でエミューを飼育、雑草除去だけでなく畜産も狙う

2016年7月14日付の佐賀新聞ウェブサイトの記事[1]で、

  • 県内企業の「日本環境テクノ」が、自社の太陽光発電施設で大型鳥「エミュー」を飼育している。
と報じられていました[1]。

取組みの概要は次の通り。


  • 背景・経緯
    同社社長の方が、訪問した大分県の太陽光発電施設で、エミューが敷地内で飼育されている様子を見学した。
    その後2016年5月に、北海道のエミュー牧場からエミュー5羽を購入して、自社発電所での飼育を開始した。
  • 飼育による効果
    エミューが雑草を食べることで、雑草除去の手間が省けている。
    また、害獣避けにもなっている。
  • 今後の方針
    今後1年以内に飼育頭数を50羽まで増やし、食肉・卵や、羽を使ったグッズ等の販売を計画している。

該当発電所の詳細は記載されていませんが、日本環境テクノ社のサイト[2]の情報から、パナソニック製パネルを用いた計約168kWの「神埼発電所」と思われます。

今回の取組みについて、通常イメージしやすい4つ足の草食動物(ヤギ等)ではなく、大型の鳥ということにかなり驚きましたが、既に大分県内では、2013年からエミューを飼育している発電所がある[2]とのことでした。(これが見学された太陽光発電所でしょうか?)

このエミューは飼育しやすい動物[3]とのことなので、太陽光発電所との相性(設備を傷めない等)も、意外に良いのかもしれません。

そしてそれと関係すると思われますが、もう一つ今回は、単に雑草除去だけに留まらず、同時に畜産が志向されていることにも強く驚きました。

国内で太陽光発電の事業環境が厳しさを増す中で、今回の取組みが、ソーラーシェアリングの新しいかたちを産み出すことを、強く期待したいと思います。


※参照資料:
[1]太陽光発電所にエミュー 日本環境テクノ(佐賀新聞)
http://www.saga-s.co.jp/column/economy/22901/333600
[2]自社発電所(日本環境テクノ)
http://jetc2000.com/hatsuden
[3]メガソーラーを救う草食動物たち 雑草モグモグ…発電量維持と経費削減に貢献(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/gallery/news/131020/gll1310200701002-n4.htm
[4]エミュー(ウィキペディア)
[5]箘床で育つエミュー&ソーラーシェアリング(日本環境テクノ)
http://jetc2000.com/news/2459.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 農業

香川県が「ため池を活用した太陽光発電施設実証実験」の結果を公表、フロート3種に個性あり

香川県2016年7月8日に、県内で行ってきた「ため池を活用した太陽光発電施設実証実験」の結果を発表していました[1]。

まず、実験の概要は次の通り。


  • 実験開始日2014年11月20日
    (※今回の結果は、2015年11月末までの約1年間のもの)
  • 実施場所:善通寺市の「吉原大池」
  • 発電設備(フロートの種類別)
    ※太陽電池パネルの出力は、いずれも6.12kW(パネル24枚)。
    樹脂製中空
    (仏シエル・テール社製)
    発泡スチロール製発泡スチロール充填の塩ビパイプ
    面積約129m2
    (16.6m×7.8m)
    約78m2
    (16.6m×5.0m)
    約56m2
    (9.2m×6.1m)
    係留方法地中アンカー(池の底)にワイヤーロープで係留碇(コンクリブロック)に繊維ロープで係留左に同じ
    太陽電池パネルの角度12度左に同じ5度・12度・30度
    (各々2.04kW)
    パワコンの出力5.9kW左に同じ各角度とも1.96kW
    事業費用約450万円約410万円約440万〜540万円
    (角度が大きくなるほど高い)

そして実験結果の中から、興味深いと思ったものを抜き出してみました。


  • 設備全体の発電電力量:試算値より4.8%多い。
    ※期間中の全天日射量は、年平均(1981〜2010年の30年間での数値)の98.3%だった。
  • 発電電力量の差:
    • パネル角度による違い:
      設置角度試算値に対する
      パーセンテージ
      5度を1とした比率
      5度89.8%1.0
      12度103.2%1.19
      30度109.0%1.30
      ※ただし30度の場合は、影の発生を考慮して、パネル間の距離を広くとる必要がある。
    • フロートの種類による違い:
      樹脂製中空を1とする。
      フロートの種類比率
      樹脂製中空1.0
      発泡スチロール製1.0
      発泡スチロール充填パイプ1.03
  • フロートの上下移動量
    風速0.5m/s〜11.4m/sでの数値。
    フロートの種類上下動の大きさ
    樹脂製中空2〜18mm
    発泡スチロール製2〜8mm
    発泡スチロール充填パイプ2〜15mm
    ※瞬間最大風速は25.9m/s(7月17日の台風11号時)だったが、これによる異常は確認されていない。
  • 水上と地上の気温差: 水上のほうが、全期間ではセ氏0.81度、夏季(5〜8月)では1.22度低かった。
  • トラブルの発生
    フロートの種類トラブル
    樹脂製中空パネルとフロート接続レールの間に、ズレが発生(波の影響)
    発泡スチロール製・フロート連結ユニットのボルトが欠落・損傷し、ユニットが分断(連結ボルトの施工ミス)
    ・フロート位置表示のブイ係留ロープが切断
    ・フロート固定ボルトの緩みや外れ、ボードのひび割れ
    発泡スチロール充填パイプ設置角度5度で、鳥のフンが付着
    (ただし、その後の降雨で改善)

実施場所である吉原大池は、300年以上前に築かれた[3][4]とのことで、そのような歴史ある溜め池を有効利用できるのは、水上太陽光発電の大きな利点という気がします。

そして今回の発表結果からは、同じ発電容量でもフロートの種類により、必要な面積や事業費用などに結構な差が見受けられ、ひとくちに「水上太陽光発電」と言っても、用いる設備によって小さくない違いが生じることが伺えます。

発泡スチロール製フロートは、経済性(設置コストと発電電力量を考慮)では最も優れていますが、その一方で、1年間の運用だけで、(軽微とはいえ)各種の破損が生じているのは気になるところです。

フロートに用いられている発泡スチロールは、分厚い板状のものと見受けられますが、(幅が小さいとはいえ)波による上下動を絶えず受けることに加えて、上に設置しているパネル架台が金属製であれば、夏場の温度変化による変形(膨張・収縮)も、フロートに影響するものと推測します。

また、フロートの種類による発電電力量の違いでは、発泡スチロール充填パイプだけが3%ほど高くなっていますが、これは(資料の写真を見る限り)パネル真下に水面が露出していることから、それによる冷却効果が得られているのでは・・・と想像します。

やはり、ため池と言っても水上であることから、各種の条件は(地上設置よりも)複雑になり、事業化においてはそれら条件の(トレードオフ的な)関係をよく考慮することが必要、ということかもしれません。


※参照資料:
[1]ため池を活用した太陽光発電施設実証実験結果をお知らせします(香川県)
http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir6/dir6_3/dir6_3_8/wh77t3160705112953.shtml
[2]ため池で太陽光発電、全国一の密度を誇る香川県が実証実験へ(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/09/news020.html
[3]吉原大池(香川県)
http://www.pref.kagawa.lg.jp/tochikai/midori/monogatari/pdf/30.pdf
[4]大池改修記念碑(ウェブサイト「香川県善通寺市吉原町」さん内)
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/9180/yosihara/hkatay60.htm

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内