【現在位置】トップページ > 2017 年01 月

(スポンサード リンク)

2017年01月30日

Jinko Solar社が日本の住宅用太陽光発電市場への参入を表明、2017年は出荷量100〜120MWを目標

3週間近く前になりますが、Jinko Solar社が2017年1月12日

  • 日本住宅用太陽光発電市場に参入する方針
を発表していました[1]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


  • Jinko Solar社は2017年に、日本向け出荷量500〜600MWを目指す。
    このうち20%を、住宅向けで占めることを目標とする。
  • 2016年12月開催の高性能住宅に関する展示会では、独SMA社製の新パワコンと組み合わせた住宅用太陽光発電システムを、参考出展した。


この内容からすると、Jinko Solar社による2017年の日本の住宅向けの出荷量目標は、100〜120MWということになります。

いっぽうJPEAの資料[2]から計算すると、2015年度の海外企業による日本国内での住宅向けモジュール出荷量は

  • 住宅用の合計出荷量154万7317[kW]−日本企業による住宅用出荷量131万3923[kW]=23万3394[kW]
つまり約233MWであり、数字の点から見ると、Jinko Solar社が掲げている目標は、相当にハードルが高いと思わざるを得ません。

ただ同社は現在、モジュール出荷量で世界トップクラスに達しており、その成長力は決して無視できないとも考えます。

モジュール出荷量に占める海外企業の割合が、いまだ10%前後に留まっている国内住宅用において、Jinko Solar社がどのような展開を行っていくのか、今後に注目したいと思います。


※参照資料:
[1]出荷量世界一のジンコソーラー 日本住宅市場参入(ドリームニュース)
http://www.dreamnews.jp/press/0000145619/
[2]2015年度の太陽電池モジュール出荷量(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/summary_h27.pdf

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

エム・セテック社が相馬市のポリシリコン工場の閉鎖を検討中、との報道

太陽電池用の単結晶シリコンウエハーの製造企業「エム・セテック」について、「福島民友」の記事(2017/1/23付)[1]で、

  • 同社が相馬市内に構えているポリシリコン工場が、撤退する方向で検討されている。
と報じられていました[1]。

ただしこれは同社の正式発表ではなく、「複数の関係者への取材」によるものとのことです。

この記事の中から、主な情報を抜き出してみました。


  • エム・セテック社の相馬工場は2007年設立で、国内最大規模のポリシリコン工場だった。
  • 同社の業績は、一時は世界トップクラスだったが、その後は安価な海外製品との競争が厳しく、業績は悪化。
    2011年には仙台工場を閉鎖しており、その従業員を相馬工場で受け入れていたが、利益確保の見通しが立たなかった
  • 相馬工場は現在、生産を停止しており、従業員(最盛期には200人以上)の人員整理も既に進んでいる。
  • 同工場は2017年夏にも閉鎖する見通し。
    ただしエム・セテック社はこの件について、福島民友新聞社の取材に対し「答えられない」としている。

最近の太陽光発電のコストは、当ブログでチェックしている範囲でも

と、海外での低下が際立っています。

そのため太陽電池モジュールの部品についても、価格引き下げの圧力が非常に厳しいことが想像され、今回のエム・セテック社の件も、まだ正式発表が無いとはいえ(残念ですが)納得が行くものです。

ただその一方で、奇しくも東北(福島県を含む)の研究機関などが、低コストな単結晶シリコンインゴットの製造方法の開発を進めています。

成熟しているイメージのある結晶シリコン型太陽電池ですが、実際にはその原材料の段階においても、まだまだ大きな変動の途上にある、ということなのかもしれません。


※参照資料:
[1]エム・セテック相馬工場、今夏にも撤退へ 太陽光発電の部品製造(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170123-143427.php
[2]太陽光発電用シリコンウエハー(エム・セテック社)
http://www.msetek.com/jp/products/index.html
[3]会社案内(同上)
http://www.msetek.com/jp/profile/index.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | シリコンウエハー

2017年01月23日

Trina Solarが日本の景観条例に対応する黒色モジュールを発表、既存の「Honey M Plus」のバックシートを変更し、明度2.0・彩度0.5を実現

Trina Solar社が2017年1月11日に、日本の景観条例に対応できる単結晶モジュールの新製品「Honey M Plus (DD05A.05(II)」を発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 日本において、市町村が景観に関する条例・規定を施行するケースが、年々増えている。
    その中で太陽電池モジュールに対しては、だけでなく、明度・彩度の要求も多くなっている。
  • 景観条例を施行している自治体は
    • 観光地
    • 歴史的な建物・景観を守っている都市
    限定されている。
    そのためか、規定に対応する黒色モジュールを提供しているメーカーも、限られている。

製品の特徴

  • 日本市場向けに開発したモジュール。
  • 既存モジュールを改良
    既存の「Honey M Plus」のバックシート黒に変更し、
    • 明度2.0
    • 彩度0.5
    の黒色モジュールを実現した。
    (※「Honey M Plus」は元々、
    • 黒色フレーム
    • 高透過・反射防止強化ガラス
    を採用している)
  • 高性能
    幾つかの革新的テクノロジー(「PERC技術」を含む)を統合しており、高出力・高効率を実現している。

主な仕様

寸法650mm×992mm×35mm
重量18.6kg
出力275−295W
最大変換効率18.0%


出力・変換効率は通常の「Honey M plus」[2]と変わらないようですが、バックシートを黒くしたことで(表側から見たときの)セル間も黒くなり、外観の統一性が格段に増したと感じます。

現在の日本の太陽光発電市場は、FITに湧いた数年前と比べると

といった状況があり、減速感が際立ちます。

その中で景観条例への対応製品となると、更に需要量が限られると考えられるので、海外大手メーカーによる今回の製品の発表は、非常に意外でした。

もっともそれだけに、日本市場において自社ブランドの浸透を進めようという、Trina Solar社の積極的な姿勢も伺えるものです。


※参照資料:
[1]トリナ・ソーラー 景観条例に適合するブラックモジュール『Honey M Plus』を発表 (Trina Solar社)
http://2016.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_1201.html
[2]Honey M plus DD05A.08(II) モジュール(同上)
http://2016.trinasolar.com/jp/product/Mo_Honey-II.html
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[4]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[5]景観条例(ウィキペディア)
[6]景観法(同上)

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2017年01月16日

産総研・東北大学・FTB研究所が「溌液るつぼ」による単結晶シリコン製造法を開発、太陽電池の変換効率アップ等のメリットあり

  • 産総研の福島再生可能エネルギー研究所
  • 東北大学の金属材料研究所
  • 千葉県の「FTB研究所

が、シリコン融液をはじく「溌液(はつえき)るつぼ」を用いる、低コスト・高品質な単結晶シリコンインゴットの製造方法を共同開発したとのことです[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 従来の単結晶シリコン製造法では「石英るつぼ」(石英ガラス製)を用いるが、これには
    • 熱によりルツボの内壁表面が溶けて不純物(酸素、重金属など)が発生し、シリコン融液に混じる(=シリコンの品質が低下する)
    という欠点がある。

新しい製造法

  • 溌液るつぼ
    耐熱性ガラス製容器の内壁表面に、シリコン融液をはじく特殊処理を施している。
  • メリット
    • 太陽電池の変換効率を向上
      この方法による単結晶シリコンを用いた太陽電池は、従来方法によるシリコンを用いた太陽電池より、変換効率が最大で1.03に高まったことが、確認されている。
    • 製造機器の劣化を抑制
      石英ルツボよりも蒸発する酸素が少ないため、製造用機器の劣化を抑制できる。
      加熱用のヒーターは、従来方法ではインゴット10本程度の製造ごとに交換されているが、今回の製造法ではインゴット20本程度の製造が可能になる。
  • 今後の展開など:
    • 太陽電池の変換効率を更に高めるための研究を、推進中。
    • 国内外の企業が、この製造法に関心を持っており、早ければ2017年度の実用化が期待される。

ニュース記事[1]はつい最近のものですが、この手法自体は、東北大学のサイトでは約1年前(2016年3月)に発表されており[2]、今日まで継続的な研究が積み重ねられていることが伺えます。

またFTB研究所のサイト[3]では、「溌液状態」の例として「里芋の葉の表面」が紹介されており、自然界に既に存在している構造であることに驚かされます。

太陽電池の変換効率(おそらくセル変換効率)は、従来手法によるシリコンの「1.03倍」とのことで、単純に発電電力量が同じ条件下で3%増えると考えると、これはかなり大きなメリットだと感じます。

また、機器(ルツボ自体やヒーター)の長寿命化は、シリコン製造コストの引き下げにも繋がることが期待されるので、本手法の商業生産ラインでの実用化が実現できれば、厳しい価格競争に晒されているシリコンメーカー〜太陽電池メーカーにとっても、追い風となるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]高品質シリコン...低コストで製造 「太陽電池」基板で郡山・産総研(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170108-139885.php
[2]高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発−結晶シリコン太陽電池の発電コスト低減に寄与−(東北大学、2016年3月23日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/03/press20160323-02.html
[3]溌液坩堝のご紹介(FTB研究所)
http://www.ftbi.co.jp/Requinert%20crucible-1.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | シリコン:その他

東京商工リサーチが2016年の「太陽光関連事業者」倒産状況を発表、件数(65件)は過去最多

東京商工リサーチが2017年1月12日に、

  • 2016年通年での「太陽光関連事業者」の倒産状況
を発表していました[1]。

その中から、主な数字を抜き出してみました。


  • 倒産件数の推移:
    2016年は上半期30件・下半期35件。
    また12月(10件)は、単月で過去最多だった。
    件数
    2014年以前28件以下
    2015年54件
    2016年65
  • 負債額別の状況:
    負債額件数前年比
    1000万円以上5000万円未満23件53.3%増
    5000万円以上1億円未満13件
    1億円以上5億円未満22件
    10億円以上25.0%
  • 倒産の原因
    件数の上位件数(構成比)前年比
    「販売不振」35件(53.8%)66.7%増
    「事業上の失敗」11件(16.9%)83.3%増
    「運転資金の欠乏」8件(12.3%)60.0%増

倒産件数は2015年に急に跳ね上がっていますが、今回(2016年)はそれを更に上回っており、国内市場が時間の経過につれて厳しさを増していることが伺えます。

発表では「経営環境の激変」の理由が、「度重なる固定買い取り価格の引き下げ」「企業の相次ぐ新規参入」などとされていますが、個人的にはそれよりも、まず2014年秋に電力会社5社が発表した、接続申し込みへの回答保留で、多くの発電事業者が(そしてそれに伴い販売・施工業者も)梯子を外されたかたちになったこと。

そして2015年1月の「指定ルール」の導入(出力制御の上限撤廃)により、発電事業の収益見通しが不透明になったことが、倒産が増えている最大の原因と考えます。


その中で「負債額別」では、唯一「10億円以上」で、倒産件数が前年比マイナスとなっています。

これに関して、そう言えばJPEAによる最新のモジュール出荷統計(2016年7-9月期)[2]で、用途別では「非住宅」の「発電事業」(500kW以上)のみが、前年同期比プラス(10%増)でした。

このことから、大規模発電事業においてはFIT認定分の消化が進んでいると考えられ、それが倒産件数の抑制にも繋がってしているのかもしれません。


※参照資料:
[1]2016年「太陽光関連事業者」倒産状況(東京商工リサーチ)
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170112_01.html
[2]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2017年01月09日

中国「Chint Solar」社が日本法人を新設、日本へのモジュール出荷量増加を受けてサポート体制を強化

1ヶ月以上前になりますが、中国の太陽電池モジュールメーカー「Chint Solar」が2016年11月28日に、

  • 日本法人「Chint Solar Japan」の新設
を発表していたとのことです[1]。

日本法人設立の背景は次の通り。


  • Chint Solar社は従来から、日本市場には中国本社から製品を出荷していた。
  • その出荷量が増加していることから、サポート体制を強化するために、今回日本法人を設立した。

また同記事では、日本法人の代表取締役の方による

  • 「日本市場は縮小気味と見られがちだが、オフグリッドや離島での需要などまだまだチャンスはある」
とのコメントも紹介されています。


「Chint Solar」の名前は、私は正直なところ今回初めて知りましたが、モジュール約50MWを調達済み(※2014年時点)の日本の事業者があること、またネクストエナジー・アンド・リソース社が同年時点で代理店になっている[3]ことから、日本市場で既に一定の位置を確保していることが推測されます。

日本国内ではモジュール出荷量の減少が続いており[5]、FITの新規認定量でも「非住宅」の伸びは毎月100MW前後の水準。

その厳しい状況の中で、今回の海外メーカーによる日本での事業体制拡充は意外でしたが、それだけに日本法人代表の方によるコメントは興味深いです。

現在(当記事の作成時点)のところ、Chint Solar社のサイト[2]では、「オフグリッド」用製品の情報は掲載されていません。

ただ、例えばサハラ以南のアフリカでは13ヶ国が、電化率向上を目的にオフグリッドソリューションの導入計画を明示している[7]とのことであり、コスト面の優位性が強い中国メーカーとして、既に対応製品を備えている(または開発を進めている)可能性は考えられます。

その意味で、Chint Solar社が日本市場で今後、どのような商品展開を行っていくのかは、興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]中国の太陽光発電メーカー、日本市場に参入 「まだまだチャンスはある」(「環境ビジネス」の記事)
https://www.kankyo-business.jp/news/014060.php
[2]Solar Power Generation System(Chint Solar社)
http://en.chint.com/solution/detail?classid=144396663052566528
[3]Chint Solar 社工場視察報告書(「旭電業」社)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/img/p549d2894e10e1.pdf
[4]新エネルギー・省エネルギー(省電力)システム(同上)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/solar.html
[5]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[6]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[7]Press Release: With new pledges and new projects, developing countries take clean energy lead globally(「Climatescope」のプレスリリース)
http://global-climatescope.org/en/blog/2016/12/15/Climatescope2016-launch/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

新興国における2016年の太陽光発電導入コストは平均165万ドル/MW、発電電力の価格はチリで29.10ドル/MWhを記録

Bloombergの記事(2016年12月15日付)[1]で、新興国における2016再エネ発電のコストが示されていました。

他の記事[2]と合わせて、その中から太陽光発電に関する主な数字を抜き出してみました。


  • 新しい太陽光発電設備の平均コスト
    「Bloomberg New Energy Finance」によるデータ、新興国58ヶ国が対象。
    • 2010年:552万ドル/MW
    • 2016年:165万ドル/MW
    (※管理人注:明記は無いが、導入コストと思われる。)
  • 太陽光発電による発電電力の安値記録
    民間企業が参加するオークションによる価格。
    • 2016年1月:インドで64ドル/MWh
    • 同8月:チリ29.10ドル/MWh
      ※石炭火力の約半額。

まずMWあたりの「平均コスト」が、2016年は1MWあたり2億円を切る水準であることに、強く驚かされました。

当ブログでチェックしてきた限り(また私が知る限り)では、日本国内で2016年に発表されたメガソーラー計画で、1MWあたり3億円を下回るケースは一つもありませんでした。

新興国と日本では、太陽光発電の導入に関わる条件(日照量、新規の発電設備に対する需要の強さ、電力価格の決定方法など)が大きく異なるとは思いますが、それを考えても、導入費用の低減において、大きく水を開けられてしまった印象です。


そして発電電力の価格についても、チリの29.10ドル/MWh(=約0.03ドル/kWh)は、驚異的な水準という他ありません。

記事[1]の本文では詳細が無いですが、記事の副題には

  • 「thanks to cheap panels」
との文言があり、中国メーカーを中心とする太陽電池モジュールの激しい価格競争が、初期費用や電力価格の想像以上の低減を支える大きな要因となっていることが、推測されます。

そう言えば、米First Solar社などによるザンビアでのプロジェクト(2016年6月発表)でも、発電コストは0.06ドル/kWhであり、新興国での大規模太陽光発電は、このような価格水準が当たり前になっているのかもしれません。


BNEFが関わるウェブサイト「Climatescope」の同日のプレスリリース[3]では、2016年の再エネ導入量は

  • 新興国:計69.8GW
  • OECD加盟国:計59.2GW
と、新興国が先進国を上回ったことが示されていますが、これだけ低コスト化が実際に進んでいるのであれば、発電設備が十分に無い地域において、再エネ(特に太陽光発電)が第一の選択肢となっていくことは、当然かと思われます。

ただし強く気になるのは、コストに関するこれらの記述において、電力需給の安定化に必要なコストについては、全く言及されていないことであり、今後はその点も、再エネの導入コスト・電力価格において、考慮に入れる必要が出てくるものと考えます。


※参照資料:
[1]World Energy Hits a Turning Point: Solar That's Cheaper Than Wind(「Bloomberg」の記事)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-12-15/world-energy-hits-a-turning-point-solar-that-s-cheaper-than-wind
[2]BNEF: 最も安価なエネルギー源は太陽光発電・単価は石炭火力の半額(「BusinessNewsline」の記事)
http://business.newsln.jp/news/201612171206200000.html
[3]Press Release: With new pledges and new projects, developing countries take clean energy lead globally(「Climatescope」のプレスリリース)
http://global-climatescope.org/en/blog/2016/12/15/Climatescope2016-launch/

米SEIAのレポート「Solar Market Insight 2016 Q4」で、2016年3QのUtilityのPPA価格は35〜60ドル/MWh、システム価格は住宅2.98ドル/W・非住宅2ドル/W未満

SEIA(Solar Energy Industries Association)が、20163Q2016/7-9)の米国太陽光発電市場に関するレポート「Solar Market Insight 2016 Q4」を公表しています[1]。

その中から、導入コストや売電価格に関する数字を抜き出してみました。



大規模事業用(Utility)のPPAの価格

  • 2016年3Qは、35〜60ドル/MWh。
  • 更に、最近では35〜50ドル/MWhで契約されている。

太陽光発電システムの平均価格

  • 住宅2.98ドル/Wdc
  • 非住宅フラット屋根では1.69ドル/Wdc
    他の市場と同じく、モジュール・インバーター・架台の価格低下が、主な要因だった。
    ハードウェアとソフトの内訳は、
    • ハードウェア0.80ドル/Wdc
    • ソフト0.89/Wdc
  • Utility
    • 固定傾斜1.09ドル/Wdc
    • 一軸追尾1.21ドル/Wdc

太陽電池モジュールの平均価格

  • 中国製は、0.47ドル/W(10MW超の注文)〜0.49ドル/W(1MW未満の注文)の範囲。
  • 米国市場における過去数年間のモジュール価格は、中国メーカーに対する反ダンピングと相殺関税により、大きく左右されてきた。
    しかし最近では、需要の不均衡が価格変動の主因となっており、価格が急速に下落し続けている。

先にチェックした新興国における2016年のデータ(BNEFによる調査結果)では

  • 導入コスト:平均165万ドル/MW(=1.65ドル/W)
  • 売電契約の安値記録:チリで29.10ドル/MWh
とありましたが、先進国である今回の米国のデータが、その新興国にかなり近い水準となっていることには、非常に驚きました。

そう言えば昨年9月には、米国市場が、中国国内で供給過剰になったモジュールの行き場となっていることが報じられていました。

いち消費者としては、太陽光発電の初期コストや、発電電力の価格の低下が進むこと自体は、歓迎すべきことではあります。

しかし、それがモジュールの歪な需給バランス(しかも、ごく一部の地域・市場の動向に起因するもの)に大きく依存しているとするならば、太陽光発電産業・市場の継続的な成長・発展に結びつくのかどうか、一抹の不安も感じます。

また、このように低価格化が急速に進んでいる状況は、輸出を増やしている日本のモジュールメーカー[3]にも、対応すべき大きな課題となっていると推測します。

例えばパナソニック社は、つい先日にTesla社と共同でのモジュールの現地生産計画を発表していましたが、現地・米国市場での価格競争にどう対応していくのか、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1] Solar Market Insight Report 2016 Q4(社)
http://www.seia.org/research-resources/solar-market-insight-report-2016-q4
[2]米太陽光市場、2016年は日本を抜き世界2位に(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/122200039/
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf

※関連記事:

2017年01月02日

パナソニックと米Tesla社が米バッファロー工場での太陽電池生産で合意、2019年までに年産能力1GWまで拡大する予定

パナソニックと米Tesla社が2016年12月27日に、

  • Tesla社のバッファロー工場(ニューヨーク州)において、パナソニック製の太陽電池セルとモジュール生産することで合意した。
と発表していました[1][2]。

主な内容は次の通り。


生産品の用途
  • Solar Roof」用のガラスタイル(Tesla社が生産、パナ製セルを使用)
  • 「Solar Roof」以外の製品向けの太陽電池パネル
(※上記の製品は、Tesla社のエネルギーストレージ製品「パワーウォール」「パワーパック」とシームレスな統合が可能)
生産の開始時期 2017年夏
生産能力 2019年までに、1GWに拡大する予定。
その他の協力 パナ社はTesla社と協力し、カリフォルニア州フリーモントにあるSolarCity社の施設で、次世代の太陽電池技術の開発に取り組む。
(※管理人注:SolarCity社はTesla社により買収済み[5])

昨年10月の合意では「法的拘束力の無い意向表明書」の締結でしたが、それから約2ヶ月で今回の具体的な発表であり、両社とも当初から、太陽電池生産について非常に前向きな姿勢だったことが推測されます。

示されている生産能力目標(2019年までに1GW/年)が、

  • セル・モジュールの合計
  • セル・モジュールのどちらか単独
のいずれに当てはまるのかは不明ですが、仮にセル・モジュールで半分づつ(各500MW/年)だとしても、国内市場の不振が響く日本メーカーによる新規生産設備として、他に類を見ない規模と思われます。
(※例えば、2011年から稼動しているソーラーフロンティア社の九州・国富工場が、2014年時点で年産900MW

それだけパナ社としても、SolarCity社を子会社化し、また「Solar Roof」「Power Wall」といった新製品も打ち出しているTesla社の販売能力に対して、強い期待を持っていることが伺えるものです。

中国製モジュールは米国市場で価格40〜55セント/Wとのことで、販売競争も相当に厳しいと思われますが、その中でパナ社+Tesla社のタッグがどれだけ販売を拡大できるのか、今後に強く注目したいと思います。


※参照資料:
[1]パナソニックとテスラ、ニューヨークのバッファロー工場で太陽電池セルとモジュールの生産開始へ(パナソニック社)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/12/jn161227-5/jn161227-5.html
[2]同上(Tesla社)
https://www.tesla.com/jp/blog/tesla-and-panasonic-will-begin-manufacturing-solar-cells-modules-in-buffalo-ny
[3]Solar Roof(SolarCity社)
http://www.solarcity.com/residential/solar-roof
[4]パワーウォール2(Tesla社)
https://www.tesla.com/jp/powerwall
[5]Tesla’s Acquisition of SolarCity Receives Shareholder Approval(同上)
https://www.tesla.com/jp/blog/teslas-acquisition-of-solarcity-receives-shareholder-approval

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:パナソニック