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2017年12月26日

太陽光発電協会が「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」を公表、鉛・カドミウム・ヒ素・セレンについて、含有状況のメーカーサイトへの掲載を促す

太陽光発電協会2017年12月11日に、

  • 廃棄される太陽電池モジュールの処理に関する、「情報提供のガイドライン
を発表していました[1]。

その中から、主な内容をまとめてみました。


目的 太陽電池モジュールの製造/輸入販売事業者に、含有化学物質の情報を予め提供することを促す。
これにより、排出事業者(撤去業者など)が処理業者に対して、適正処理のための必要情報を提供する際の、参考に供する。
(※「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、
  • 産業廃棄物の排出事業者は、適正処理のために必要な情報を、処理業者に提供すること
とされている)
適用範囲 日本国内向けに出荷される太陽電池モジュール。
セルの種類は問わない
部位の区分
  • フレーム」:
    モジュール四辺に組まれている枠。
  • ネジ」:
    フレームの組み付け(縦フレームと横フレームの連結部分)に用いられる。
  • ケーブル」:
    モジュール背面の端子箱に接続されている。
  • ラミネート部」:
    太陽電池モジュールから、上記の「フレーム」「ネジ」「ケーブル」を外したもの。端子箱を含む。
※分解の容易さや資産価値などを考慮し、この4区分が現実的と判断した。
対象物質と含有率基準値
  • 0.1wt%
  • カドミウム0.1wt%
  • ヒ素0.1wt%
  • セレン0.1wt%
※環境への影響の可能性と、モジュールの含有の可能性を考慮し、この4物質とした。
含有率の計算式 各部位について、{(対象化学物質の含有量)/(部位の全質量)}×100
情報提供の方法 適切な分別・処理が行われるよう、使用者・撤去者・処理従事者などが、含有情報を容易に認識できるようにする。
  • 表示場所個社のウェブサイト
    • 新製品:ウェブサイト掲載時に表示することを、基本とする。
    • 過去の製品:少なくとも2012年度以降の出荷製品については、基準値を超えている場合、表示が望ましい。
  • 表示の方法
    製品の形式名を記載し、対象物質が含有基準値以上の場合、その「対象物質」と「含有部位」を表示する。
  • 安全製品データシート(SDS)」:
    表示対象製品の部材のSDSは、個社内で保存することが望ましい。
その他 これらの対象物質・含有率基準値・表示方法などは、実態に即して効果が上がるよう、都度見直しを行う。


上記には入れませんでしたが、総務省の調査(2017年9月)では、地方自治体・排出事業者・産業廃棄物処理業者において、必要情報のウェブでの提供に対するニーズが多かったというのが、個人的に興味深い点です。

スマートフォンやタブレット端末が普及している現在では、製品への添付書類などよりも、ウェブサイト上に掲載してもらうほうが、いつでも・どこでも簡単に参照・確認できる、ということなのかもしれません。


ただ、今回のガイドラインで気になるのは、掲載場所が個々のメーカーや販売事業者のウェブサイトということです。

メーカーが経営破綻し、最悪そのウェブサイトも消滅した場合は、データを参照できなくなることが懸念されます。

そのため将来的には、何処かの省庁のウェブサイト(例えば環境省)に、国内に出荷されている全メーカーの対象商品の情報を(データベース的に)まとめて掲載することが、必要になってくるのではと考えます。


今回のガイドラインは、法的な強制力は無いものですが、それでも太陽電池モジュールに含まれる有害物質について、公開されるべき情報の一つの基準を示したことで、一般の消費者にとっても、太陽光発電設備に対する安心感を高めるものになると考えます。

その意味で、国内・海外を問わず、広く各メーカーがこのガイドラインを利用することを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」の公表について(太陽光発電協会、2017/12/11)
http://www.jpea.gr.jp/topics/171211.html
[2]廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(環境省)
http://www.env.go.jp/recycle/waste/laws.html
[3]質量パーセント濃度(質量分率)(ウィキペディア「濃度」内)

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2017年12月25日

中国の高速道路に「太陽光発電道路」が敷設、透明コンクリート・太陽電池・絶縁層の3層構造

「Record China」が2017年12月17日に、

  • 中国高速道路における、「太陽光発電道路」の敷設
を報じていました[1]。

その主なデータを抜き出してみました。


場所 「済南繞城高速道路」の南部区間
敷設距離 2km
構造
  • 表面(保護層):透明コンクリート
  • 中間層:太陽電池
  • 低層:絶縁層(地面の湿気を隔絶)
今後の予定 2017年末の前後に、竣工・開通の予定。


道路の(法面や柵の側面ではなく)路面そのものに太陽電池を埋め込む試みとしては、当ブログで過去にチェックしていた限りでは

がありましたが、今回の中国のケースは、更に条件がハードな「高速道路」であることに驚きました。


日本では、年末のあちこちでの道路工事が恒例となっている感がありますが、私が身近で見聞きや経験している限りでも、道路はとかく、経年につれて生じる

  • アスファルトに穴が開き、へこむ
  • 地盤が緩い場合に沈み、歪む
等の劣化が大きいものです。

そのような環境に、わざわざ太陽電池を設置すること(しかも今回は高速道路の路面)の合理性があるとは、私にはどうしても思えませんが、今回の中国での試みで、実際にどのような知見が得られることになるのか、非常に興味を惹かれることは確かです。


※参照・参考資料:
[1]世界初の太陽光発電高速道路、年末に竣工・開通予定―中国(Record China、2017/12/17)
http://sp.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=231258

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2017年12月24日

EDF(フランス電力)が、2035年までにフランス国内で計30GWの太陽光発電建設を目指す、と発表

10日ほど前になりますが、2017年12月12日に、複数のメディアで

  • EDFフランス電力)が2017年12月11日に、
    • 国内で、30GWの太陽光発電の建設を計画している。
    ことを発表した。
と報じられていました。

その中の記事[1][2]から、主な数字を抜き出してみました。


建設規模 30GW
※2017年6月末時点の導入済み容量は、7.4GW。
期間 2020〜2035
投資額 最大250億ユーロの見通し

ただしEDFのサイト[3]では、この件について

  • パリ気候サミットにおいて、積極的な太陽光発電計画「Plan Solaire」を立ち上げた。
    この計画では、
    • EDFグループを、2035年までに世界のソーラーのリーダーの1つにする。
    との野望を掲げている。
との内容の簡単な記述は有るものの、それ以上の詳しい情報・発表は(2017/12/23時点で)掲載されていません。



日本の導入済み太陽光発電容量は、2016年11月末時点(※[4]で参照可能な最新データ)で

  • 住宅:4.46GW
  • 非住宅:27.09GW
の計31.56GWであり、今回のEDFの計画は(導入済み分と合わせて)これを上回る規模となります。

ただし計画の対象期間が長い(15〜16年)ため、(日本のFIT導入後の数年間のように)急激に市場が拡大することは無いと思いますが、それでも計画が実際に遂行されれば、一定の新規需要が一定期間継続することになると考えられます。


振り返ると、フランスもかつては太陽光発電のFITを実施していましたが、高い買取価格を目当てに、導入量があまりにも急激に増加し、EDFが赤字に陥った苦い経験がありました。

今回の計画の対象期間が長いのは、その経験を踏まえてのことだと思われますが、具体的にどのような導入促進策を採っていくのかは、興味を惹かれるところです。


それにしても、([1][2]でも言及されていますが)「原発大国」であるフランスが、再び太陽光発電の大規模導入に取り組むというのは、非常に興味深いと感じます。

現在は、台湾でも、再エネ発電の割合を2025年までに20%まで高めるという政策が掲げられているとのこと。

太陽電池モジュールパワコンの価格下落が進んでいる(=太陽光発電の経済的メリットが急速に高まっている)ことが、その主因になっているとすれば、今後この動き(各国政府による太陽光発電の導入促進)は、更に世界的に拡大していくものと考えます。


※参照・参考資料:
[1]フランス、太陽光発電に3兆円(共同通信、2017/12/12)
https://this.kiji.is/313098345885353057
[2]仏、太陽光発電に3兆円 原発依存率引き下げへ(産経ニュース、2017/12/12)
http://www.sankei.com/smp/economy/news/171212/ecn1712120018-s1.html
[3]Plan Solaire(EDF)
https://www.edf.fr/plan-solaire
[4]再生可能エネルギー発電設備の導入状況等 (資源エネルギー庁)
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

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2017年12月14日

三井住友建設が、自社の水上太陽光発電用フロートシステム「PuKaTTo」の海外展開を強化するため、台湾に現地法人「SMCC Taiwan」を設立

三井住友建設」社が2017年12月6日に、

  • 自社の水上太陽光発電用フロートシステム「PuKaTTo」の海外販売を強化するため、台湾現地法人を設立した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

  • 台湾は
    • 再エネ発電の割合を、2025年までに20
    というエネルギー政策を掲げている。
    そして台湾市場では現在、
    • 多数の農業用ため池
    • 広大な面積の塩田跡地
    を活用する水上太陽光発電の検討が、急速に活発化している。
  • 水上太陽光発電事業はこれまで、日本で先行して事業化されてきた。
    (三井住友建設も、自社開発の「PuKaTTo」を用い、事業を拡大してきた)
    近年は、日本での成功を踏まえて
    • 中国
    • インド
    • タイ
    • シンガポール
    • 台湾
    等で、政府などにより積極的に、水上太陽光発電の普及が進められている。
    中でも台湾(日本同様にため池が多い)では、FIT制度も整い、急速に市場が活性化し始めている。

<現地法人>

  • 名称:「台湾三住建股フン有限公司」(SMCC Taiwan Co., Ltd.
  • 事業内容:
    ・水上太陽光発電用フロートシステムの製造販売事業
    ・上記の付帯事業(係留設計・施工、フロート組立・電気工事、その他計画・設計・パネル調達支援)
  • 資本金:2億円(三井住友建設90%、現地資本10%)

<今後の方針>

  • 台湾市場での展開を足掛かりに、「PuKaTTo」を東南アジア全域に広めていく。


水上太陽光発電というと、個人的には韓国フランスが先行しているものと思い込んでいたので、「日本で先行して事業化されてきました」という今回の発表の記述は、かなり意外に感じました。

しかし、当ブログの過去記事を見返す限りでも、日本国内での水上太陽光発電事業の事例は結構な数であり、世界的に見ても事業化が先行しているというのは、確かにその通りなのかもしれません。

ちょうど今月の初め頃には、NEDO等による太陽光発電設備の水没実験(実際の設備を池に沈める)が実行されていましたが、降水量が多い日本の環境的な特性が、水上設備や水没実験を促進する、大きな要因となっていると考えます。


「PuKaTTo」のフロートについては、中空型の内部に発泡スチロールを充填した方式とのことで、香川県で行われた検証実験の3種のどれにも該当しないタイプです。

その点で、世界的にも珍しい方式と思われますが、日本企業によるこのユニークな方式が、海外市場でどのように受け入れられるのかは、注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]水上太陽光発電用フロートシステム販売強化に向け、台湾に現地法人を設立 ─海外での再生可能エネルギー事業展開を開始─(三井住友建設、2017/12/6)
http://www.smcon.co.jp/2017/120620541/
[2]水上太陽光フロートシステム(三井住友建設)
http://pv-float.com/

※水上太陽光発電の過去記事:

※三井住友建設に関する過去記事:

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2017年12月12日

NEDO等が太陽光発電システムの水没実験を実施、実際の使用に近い発電設備を組んで、池に水没

NEDO等2017年12月4日に、

  • 実際の設備に近い太陽光発電システムを用いて、池での水没実験を行った。
と発表していました[1]〜[3]。

実験の概要は下記の通り。


背景・目的
  • 国内ではFIT導入(2012年7月)により、太陽光発電システムの導入が増加している。
    その一方で、自然災害(台風、大雨など)により、太陽光発電システムが水没する事象も発生している。
    太陽光発電システムが水没した場合、絶縁性能の低下などが起こり、感電の危険性がある。
  • 今回の実験は、水害時の太陽光発電システムの感電リスク等を把握することを、狙いとしている。
実施場所 山梨県の「北杜サイト太陽光発電所」横の調整池
水没させた設備 太陽電池モジュール・接続箱・パワコン等を、実際の使用に近い状態(太陽電池アレイ)に組んだ。
実験方法 水没時発電が継続した場合を想定。
上記の設備を、クレーンによって調整池に水没させ、
  • 漏電状況の測定(感電リスクの把握)
  • 水没後の状態の測定
等、定量的な調査を行った。
(※この実験の前に、小規模での事前確認として、太陽電池モジュールや接続箱などを水槽に水没させ、漏電状態の計測を行っている)
実施者
  • NEDO
  • JPEA
  • 奥地建産
実施期間 2017/11/28〜12/1
今後の予定・方針 実験から得られた知見に基づき、2017年度末までに、水害時における
  • 点検・撤去の安全性の確保
  • 点検用の装備や対策
指針の策定を目指す。
また引き続き、感電防止のための啓発活動を行っていく。


実験時の写真を見ると、単管パイプの架台に太陽電池モジュールを20枚以上設置したものを、そのまま池に水没させており、かなり大胆な取組みです。

太陽光発電設備の水没については、特に、昨年(2016年)の九州での水害時に顕在化した(例えば[4])印象であり、災害時の安全性の確保が待った無しとなっていることが、今回の実験を後押ししたものと推測します。


今回は淡水における水没実験と思われますが、津波の際には(より導電性の高い)海水に漬かるので、将来的にはそのような場合の実験・検証も必要になるのでは、と考えます。


火災発生時の出力停止機能については、米国が先んじているようですが、水没時の対策に関しては、(自然災害の多い環境を逆に生かして)日本が先導役となれれば、面白いと思います。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電システムの水没実験を実施(NEDO、2017/12/4)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100881.html
[2]同上(JPEA、2017/12/4)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/t171204.pdf
[3]同上(奥地建産、2017/12/4)
http://www.okuji.co.jp/pv/docs/submerge_exp.pdf
[4]河川氾濫でパネル約2850枚を交換!川南町の太陽光に見る水害の教訓(日経テクノロジーonline、2017/8/3)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/080200057/

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2017年12月08日

First Solar社が新モジュール「Series 6」の展開予定を発表、サイズ約2m×1.2mで出力420〜445W、2018年2Qに商用生産を開始予定

First Solar社が2017年12月5日に、

  • 新しい太陽電池モジュール「Series 6」の展開予定
等を発表していました[1]。

主な内容は下記の通り。


<「Series 6」の展開>

  • 種類:CdTe型
  • 予定される特徴・仕様
    • 構造:
      glass-on-glass」モジュール。
      under-mount frame」を採用し、現場でのシンプル・高速な設置を可能にする。
    • 出力:420〜445W
    • 変換効率:17%以上
    • サイズ:約21.2m
    • 用途:商業市場向け。
      あらゆる地上設置型システムに導入できる。
  • 生産開始の時期
    米Perrysburg工場で、20182Qの早期に、商用生産(フル稼働時に年600MWDC)を開始する予定。
    (※同工場では1年前から再整備を進めており、約1億7700万ドルを投資している)

<モジュール生産体制>

  • ベトナム拠点:生産能力を、初期サイトの2に拡張する。(現在建設中)
    フル稼働時の生産能力は、年2.4GWDCとなる予定。
  • 「Series 6」の生産能力
    米Perrysburg工場・マレーシア工場・ベトナム工場の組み合わせにより、2020年までに年約5.4GWDCとする予定。
    (投資額は約14億ドル)
  • 「Series 4」製品の生産
    世界的に需要がある限り、マレーシア工場での生産を続ける。


「Series 6」でまず驚いたのは、1枚400W以上という出力ですが、モジュールのサイズを既存製品と比べると

  • 「Series 6」:2m×1.2m=2.4m2
  • 「Series 4」:1.2m×0.6m=0.72m2[2]
であり、「Series 6」は「4」の、実に約3.3倍です。

そして「4」の出力は110W〜122.5Wなので、「Series 6」の高出力化には、この大面積化が最も寄与していると考えられます。

モジュール変換効率については、2017年3Qの平均が既に17.0%[3]となっていますが、First Solar社は四半期ごとに平均変換効率を着実に伸ばしているだけに、「Series 6」の量産品でも、どの程度まで数値を伸ばすのかに、興味を惹かれるところです。


「Series 6」の生産能力予定(2020年までに5.4GW)は、2017年3Qのモジュール生産実績(527.3MW)を上回る規模であり、「Series 6」を完全に主力としていく姿勢が伺えます。

その一方で、既存の「Series 4」も当面は生産を続けることから、First Solar社全体でのモジュール生産能力は、大きく拡大されると考えられます。

同社のCdTe薄膜型は、今年9月にUSITCが「国内太陽電池製造業に重大なダメージを与えている」と判断した輸入太陽電池の種類(結晶シリコン型)から外れており、この点が、ベトナム生産拠点の大幅拡張を決めた要因の一つと推測します。


ただ今回の発表では、昨年7月にマレーシア拠点での生産移行が発表されていた「Series 5」についての言及が全くありません。

日本版サイトの製品紹介ページにも「Series 5」は全く無く、同製品が現在どのような扱いになっているのかは、ちょっと気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Presents First Functional Series 6 Module(First Solar社、2017/12/5)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-presents-first-functional-series-6-module
[2]シリーズ4(First Solar社)
http://www.firstsolar.com/ja-JP/Modules/Series-4
[3]Q317 Earnings Presentation
http://investor.firstsolar.com/static-files/1457c0f1-1aa6-4a32-b6af-0cfc865f951f

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2017年12月01日

「国連薬物犯罪事務所」が2017年のアフガニスタンでのケシ栽培が急拡大と発表、灌漑などへの太陽光発電導入で収穫効率が高まったとのこと

国連薬物犯罪事務所UNDOC)」が2017年11月15日に、アフガニスタンにおける「芥子」(麻薬の原料となる)の栽培に関する調査結果を発表しており、その中で太陽光発電との関連が述べられていたとのことです[1]。

その記事[1]から、主な数字や背景を抜き出してみました。


<芥子の栽培状況の変化>

2017前年(2016年)比2000年との比較
栽培面積32万8000ha(推定)63%増4
収穫量9000t(見込み)87%増2.75

<栽培増の要因>

地方での増加 反政府勢力の取り締まりは大都市中心に行われため、反政府勢力が地方で伸長した。
太陽光発電の利用 2017年は、栽培に必要な施設(灌漑など)に、太陽光発電の導入が広がり、収穫効率が上がった。
これが、安価で質の高い麻薬生産につながった。

ちなみにUNDOCのサイトに掲載されているプレスリリース[2]では、内容を絞っているためなのか、太陽光発電に関する記述はありませんでした。



栽培面積や収穫量の、今年(2017年)1年と過去17年での伸び幅を比べると、今年の急激さは際立っています。

そこには何か特殊なプラス要因があったと考えられますが、その一つが太陽光発電利用のハードルの低下、ということなのかもしれません。


前年2016年には、中国製の余剰な太陽電池モジュールが米国市場などに大量流入し、急激な価格下落が起こった年であり、その後も(私が知る限りでは少なくとも今年の春〜初夏まで)米国でのモジュール価格低下は続いていました。

もちろんこれは米国の状況ですが、モジュールが余っていた以上は、他の地域(中東など)にも低価格モジュールが出回り、それらのうちの一部がアフガニスタンで芥子栽培に利用されたとしても、何らおかしいことは無いとは思います。


とは言え、(大げさな言い方をすれば)人類にとっての希望の一つと思われる太陽光発電が、そのコストダウンにより、麻薬原料の栽培拡大に寄与しているとなれば、極めて皮肉なことだと感じざるを得ません。

太陽光発電もあくまで「技術」であり、その善悪は使い方によって決まる、ということだとは思いますが、今回の件は何とも複雑な気分になります。

今後も、太陽光発電の進歩(発電性能の向上や、機器のコストダウン)が進むほど、反社会的なものに利用される可能性も高まる、ということは、留意しておく必要があるのかもしれません。


ただ前向きな見方をすると、今回のケースは、太陽光発電が中東地域での農業生産の拡大に貢献しうる、ということの一つの証明とも考えられるので、別のまっとうな作物の栽培で太陽光発電利用がどんどん進むことも、期待したいものです。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電で麻薬原料の収穫率向上 アフガン過去最大に(朝日新聞、2017/11/26)
http://www.asahi.com/articles/ASKCS5DCPKCSUHBI00S.html
[2]Afghan opium production jumps to record level, up 87 per cent: Survey(UNDOC、2017/11/15)
https://www.unodc.org/unodc/en/press/releases/2017/November/afghan-opium-production-jumps-to-record-level--up-87-per-cent_-survey.html
[3]ケシ(ウィキペディア)

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