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2018年04月26日

Canadian Solar社がアルゼンチンで97.6MWp、ブラジルで計364MWpの太陽光発電プロジェクトを落札、JinkoSolar社はメキシコの754MWプロジェクトに太陽電池モジュールを供給予定

今回は、今年(2018年)のこれまでに発表された海外の大規模太陽光発電プロジェクトに関する情報から、個人的に目に付いたものをまとめてみました。


<Canadian Solar社>

  • 2018/1/29発表[1]:
    豪州での5プロジェクト(1.14GWp)を共同開発することで、Photon Energy社と合意した。
  • 2018/3/29発表[2]:
    アルゼンチンのSalta州での「Cafayate Project」(97.6MWp)を落札した。
    • PPSの契約価格:56.28米ドル/MWh
    • 運転開始時期:2019年2Qの予定
    • 発電電力量:23万5777MWh/年の見込み
  • 2018/4/10発表[3]:
    4月4日に、ブラジルのMinas Gerais州とCeara州での、3プロジェクト(364MWp)を落札した。
    • PPSの契約価格:平均約35.58米ドル/MWh
    • 運転開始時期:2022年までに開始の予定
    • 発電電力量:70万6056MWh/年の見込み
  • 2018/4/16発表[4]:
    ブラジルでの「Guimarania solar energy project」(0.6MWp)の権利を、Global Power Generation(スペイン「Gas Natural Fenosa」グループの子会社)に売却した。
    • 運転開始時期:2018年4Qの予定
    • 発電電力量:16万2471MWh/年の見込み

<JinkoSolar社>

  • 2018/4/5発表[5]:
    メキシコでの754MWのプロジェクトに、太陽電池モジュールを供給する契約を結んだ。
    • 運転開始時期:2018年下半期の予定
    • 発電電力量:1700GWh/年の見込み


今回チェックしたのは、プレスリリースが判りやすかったCanadian SolarとJinkoSolarの2社のみですが、それだけでも中南米で数十〜数百MWのプロジェクトが一気に動き出していることに驚きました。

Canadian Solar社がブラジル市場に参入したのは2017年[4]であり、これらの市場の活性化が極めて最近であることが伺えますが、この点はやはり、2016年の中国メーカーによる供給過剰に端を発した、太陽電池モジュールの価格低下の加速が、最大の要因だと推測します。


また、今回チェックした中南米のプロジェクトはいずれも、発電電力量の見込みは、日本での目安(発電容量×1000)の実に2倍前後です。

この発電条件の優位さも、大規模プロジェクトの強い後押しになっているものと考えます。


そして中南米だけでなく、豪州でも計1GW超のプロジェクトが進行中であること、またそこまで大規模なプロジェクトではないものの、日本のパナソニックとシャープも、アジア・中東への進出を強めている[6]とのことであり、産業用太陽光発電市場の世界的な拡大ペースは、私がこれまで持っていたイメージを、大きく超えているようです。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar to Partner with Photon Energy for Co-development of 1.14 GWp Solar Projects in Australia(Canadian Solar社、2018/1/29)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2328812
[2]Canadian Solar Acquires a 97.6 MWp Solar Power Project in Argentina(同上、2018/3/29)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2340311
[3]Canadian Solar Awarded 364 MWp Solar Projects in Brazil(同上、2018/4/10)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2341759
[4]Canadian Solar completed sale of 80.6 MWp solar energy project in Brazil to Global Power Generation(同上、2018/4/16)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2342641
[5]JinkoSolar Supplies Modules for America's Largest Solar PV Plant in Mexico(JinkoSolar社、2018/4/5)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-supplies-modules-americas-largest-solar-pv-plant
[6]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/)
https://newswitch.jp/p/12595

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 海外のメガソーラー

2018年04月08日

ソーラーフロンティア社のCIS薄膜太陽電池が累計出荷量5GWを突破、今後も国内住宅向けを重視

ソーラーフロンティア社が2018年4月4日に、

  • 自社のCIS薄膜太陽電池累計出荷量が、5GWを達成した。
と発表していました[1]。

その中から、個人的に気になった内容をまとめてみました。


<CIS薄膜太陽電池の出荷量>

2007の商業生産開始から、累計で5GWを超えた


<今後の方針>

  • 重点市場:
    自社では
    • 電力自給自足への、消費者の関心の高まり
    • 政府が進めている、2020年のZEH標準化政策
    を受けて、国内住宅市場重要なターゲットと位置づけている。
  • 2018年:
    戦略商品「SmaCIS」の新ラインナップ「SmaCIS(Sタイプ)」を、1月に発売している。
    国内住宅向け市場の開拓を、更に進めていく。


商業生産を開始した2007年(※当時の社名は「昭和シェルソーラー」)から、約11年で累計5GWに到達、ということになります。

いっぽう海外大手メーカーでは

と、2017年の1年間だけで、優に5GWを超えるケースが現れています。

そのため、少なくとも出荷量の点では、極めて大きな差がついていると感じざるを得ません。


ただしソーラーフロンティア社は、昨年(2017年)から、国内市場に注力する姿勢を鮮明にしていました。

そして今回の発表では、世界市場で広く大規模に展開していく海外大手メーカーとは、はっきりと異なる事業路線を採ることを、更に強調しているように感じられます。

ソーラーフロンティア社は住宅向け以外にも、事業者向けの「初期投資ゼロ円」事業を開始しており、企業の倒産増加など停滞する日本国内市場に、少しでも新しい動きをもたらすことを、期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、累計出荷量5GWを達成(ソーラーフロンティア社、2018/4/4)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0404_press.html

※関連記事:

2018年04月07日

シャープ社が6インチの単結晶シリコンセルで変換効率25.09%を達成、「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を採用

シャープ社が2018年3月27日に、

  • 6インチ単結晶シリコン太陽電池セルで、変換効率の記録を達成した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


セルの種類 単結晶シリコン型
採用技術
  • 自社モジュール「BLACKSOLAR」のバックコンタクト構造
  • 表面にアモルファスシリコン膜を形成するヘテロ接合技術
を融合した「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた。
セルの大きさ 6インチ
セル変換効率 25.09
電気安全環境研究所(JET)が測定した。
開発の背景 NEDOのプロジェクト「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の一環として、シャープ社が開発した。


2015年の発表[2]によると、シャープ社は2014年時点で、同じ「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた単結晶シリコンセルで、変換効率25.1%を達成していました。

この数値は今回発表[1]を既に上回っていますが、ただしこの2014年の達成記録においては、セルの大きさが不明です。
(※これはNEDOの発表[3]でも同様、他社の成果ではセルサイズが明記されている)

その点、今回は「6インチサイズ」と明記されており、4年前よりも量産段階に近い条件で、達成されたセル変換効率かと思われます。


今回発表の前月(2018年2月)には、中国のTrina Solar社が、6インチのn型単結晶シリコン・裏面電極型セルで、変換効率25.04%を達成したと発表していました。

今回のシャープ社の発表は、そのTrina社の数値を上回っており、太陽電池メーカーとしてのライバル意識が、感じられる気がします。

奇しくも?測定した機関(JET)も同じなので、数値の比較としてはインパクトがあります。


ただしTrina社の発表では、「低コストな量産化に優れたIBCプロセス」を用いたと明記されています[4]が、シャープ社の発表のほうでは、「BLACKSOLAR」の名称以外に、量産技術と具体的に結びつく記述は有りません。

その点で量産化への距離は、Trina社のほうが近いのでは、という印象を受けてしまいます。


今回のセル開発が行われているNEDOのプロジェクトの機関は、2019年度まで[2]とのこと。

そのため、シャープが「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた太陽電池を製品化するのは、まだ先のことになりそうですが、それまでにどこまで性能を向上できるのか、今後の成果発表にも注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて世界最高の変換効率25.09%を達成(シャープ社、2018/3/27)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180327-a.html
[2]当社の高効率バックコンタクト型太陽電池の実用化に向けたテーマがNEDOに採択(同上、2015/6/16)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150626-a.html
[3]太陽光発電分野の技術開発成果を発表(NEDO、2015/10/26)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100476.html
[4]トリナ・ソーラー 大面積IBC単結晶シリコン太陽電池セルで 変換効率25.04%の世界新記録(Trina Solar社、2018/2/14)
http://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/wed-02142018-1800

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2018年04月04日

Canadian Solar社の2017年通期の太陽電池モジュール出荷量は過去最高の6828MW、進行中の大規模発電所プロジェクトでは新興国が目立つ

Canadian Solar社が2018年3月19日に、2017年4Qと同年通期の業績を発表していました[1]。

その中から2017年通期について、個人的に目に付いた数字などを抜き出してみました。


太陽電池モジュールの出荷量 過去最高の6828MW。(※前年は5232MW)
中国・インド・欧州・米国の強い需要に支えられた。
大規模発電所プロジェクトの
パイプライン
のうち、
後期段階のもの
(主に2〜4年以内に建設予定)
計約2.0GWp。
地域別では、
  • 米国:459MWp
  • メキシコ:435.7MWp
  • 中国:410MWp
  • 日本:362.2MWp
  • ブラジル:215.6MWp
  • インド:59MWp
  • 豪州:24.2MWp
  • チリ:18.4MWp
  • 英国:8.2MWp


太陽電池モジュールの出荷量は、7GWが目前という規模であり、JinkoSolar社の同期実績(9807MW)と同様に、世界の太陽電池需要の旺盛な伸びが、強く感じられます。

ただしモジュールの出荷先に関して、新興国に特段の言及が無い点は、「成長の最大の原動力」という表現があったJinkoSolar社とは異なっており、この点は販売展開の違いかと思われます。


もっとも、後期段階の大規模発電所プロジェクトの内訳を見ると、メキシコ・ブラジルが米・中・日に並ぶ・または次ぐ規模となっています。

加えてCanadian Solar社は、先月の末にも、アルゼンチンで97.6MWpのプロジェクトを獲得したことを、発表していました[2]。

こうして見ると、メーカー毎の状況は異なるものの、新興国での太陽光発電の導入が、過去に無いペースと地域的広がりとなりつつあること自体は、もはや間違い無いものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2017 Results(Canadian Solar社、2018/3/19)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2338614
[2]Canadian Solar Acquires a 97.6 MWp Solar Power Project in Argentina(同上、2018/3/29)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2340311

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー