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2018年05月29日

シャープ・パナソニックの2017年度通期業績で太陽電池事業の存在感なし、京セラでは「生活・環境」セグメントの減収減益の主因に

今回は、シャープ・パナソニック・京セラ2017年度通期2017/4-2018/3)業績の発表資料[1][2][3]から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。(※「太陽電池」と明記の無いものを含む)


<シャープ>

  • 「スマートホーム」セグメント内の「エネルギーソリューション事業」では、海外EPC事業などが堅調だった。
    ([1]のp6)

<パナソニック>

  • 「ソーラー事業」では、従来からの太陽電池モジュール販売に加えて、セル単体のデバイス販売を開始した。
    またモジュール生産体制では、滋賀工場の生産終息などの見直しを行った。
    ([2]のp12)

<京セラ>

  • 「生活・環境」セグメントの業績([3]のp4):
    • 売上高:約1122億円(前年度比24.8%
    • セグメント利益:約550億円の赤字(前年度は約13億円の黒字)
  • ソーラーエネルギー事業」の状況([3]のp3):
    • 米国事業の縮小
    • 主要市場である日本国内での売上減
    により、同事業を含む「生活・環境」セグメントは売上減となった。
    また同事業において、ポリシリコン原材料の長期購入契約等に係る引当損失(約502億円)を計上したことが主因で、セグメント損失となった。


シャープとパナソニックは、全体の業績がかなりの増収増益となっていますが、太陽電池事業による寄与については全く言及されていません。
そのため、セグメント業績は今回は書き出しませんでした。

少なくとも業績の数字においては、太陽電池事業の存在感が極めて小さくなっていることを感じます。


その中でシャープは、海外でのEPC事業が堅調とのことですが、これに関しては、ニュースイッチ(日刊工業新聞)の4月の記事[4]の内容が、ちょうど該当していると思われます。

ただ、日本政府の「二国間クレジット」による導入費用補助を利用しての成果ということであれば、海外メーカーと価格競争の直接勝負で渡り合っている訳ではなく、手放しで堅調とは言えないようにも思われます。


パナソニックの今回の業績発表における記述は、昨年(2017年)9月に発表されたソーラー事業の構造改革の内容と同じであり、同事業の具体的な状況(国内外での販売状況など)がどうだったのかは、残念ながら不明です。

米Tesla社との協業は、2017年夏に開始の予定だった筈ですが、こちらもその後どうなっているのかが気になるところです。


そして京セラは唯一、「ソーラーエネルギー事業」の状況が詳しく書かれていますが、同事業の低迷がセグメント業績の減収減益の主因となっており、プラスの要素が全く無いところに、現在の同事業の状況の厳しさが伺えます。


全体として、JikoSolarCanadian Solarといった海外の大手メーカーの2017年業績と比べると、その勢いに極めて大きな差がついてしまっている印象です。


※参照・参考資料:
[1]2018年(平成30年)3月期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/4/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2018/1/1803_4pre_nt.pdf
(※http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/内)
[2]2017年度 説明会資料(ノート付き)(パナソニック社、2018/5/10)
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/2017_full/financial_results_note_j.pdf
(※https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html内)
[3]2018年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2018/4/26)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY184Q_tanshin.pdf
[4]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

※関連記事:

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2018年05月25日

四国電力管内で2018/5/5の12-13時に、太陽光発電の出力が電力需要の80%に到達

四国電力が2018年5月21日に、

  • 太陽光発電の出力が電力需要に占める割合が、最大で80%に達した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


該当の日・時間帯 2018年5月5日12〜13
太陽光発電の最大出力 177万kW
電力需要に占める割合 80
対処
  • 火力電源の抑制
  • 揚水発電所の揚水運転
  • 連系線の活用
により、電力の需給バランスを維持した。


[1]に掲載されている当該日の需給バランスのグラフを見ると、最大出力の瞬間に限らず、日照のある時間帯の大部分で、太陽光発電の出力が(電力需要に対して)かなり大きな割合を占めており、既に太陽光発電が電源として大きな存在となっていることを感じます。

そしてその分だけ火力発電での化石燃料の消費が減る筈なので、本来これは大いに歓迎すべき状況だと思いますが、少なくとも今回の発表では、電力会社がこの状況をポジティブに捉えている雰囲気が全く感じられないのが、残念です。

いち消費者としては、ただ「需給が不安定になって大変です」「お客様のご負担が増えます」というのではなく、再エネ導入の国内における先進地域を目指すぐらいの、意欲的・野心的な姿勢を見たいものではあります。
(もっともこの点は、他の電力会社や政府についても全く同様ですが)


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電の普及拡大に伴う今春の需給への影響について(四国電力、2018/5/21)
http://www.yonden.co.jp/press/re1805/data/pr009.pdf

※関連記事:

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2018年05月22日

JinkoSolar社がP型太陽電池モジュールでピーク出力370Wp、N型モジュールで同378.6Wを達成

JinkoSolar社が2018年5月18日に、

  • 60PバージョンのP型N型の各太陽電池モジュールで、ピーク出力の記録を更新した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


モジュール出力の記録
  • P型:370W
  • N型:378.6W
認証機関 TUV Rheinland (Shanghai) Co., Ltd.
用いた技術
  • P型:
    • 自社の高効率セル
    • 低電力損失技術(モジュールの内部抵抗を低減、曲線因子を改善)
    が組み合わされている。
  • N型:
    両面ガラスモジュールで、パッシベーティングコンタクト技術の向上によって効率が高まり、前面のピーク電力が378.6Wに到達した。


記録を達成したモジュールの「60P version」がどういう意味なのか、残念ながら今回の発表だけでは判断しかねました。

セル枚数とすると、今回到達した出力は、現行の「Eagle PERC 60」モジュール(最大315Wp[2])を約2割上回り、更にセル72枚の「Eagle PERC 72」(同360Wp[3])さえも超えています。

個人的には俄かに信じ難いですが、(量産段階ではなく)研究開発段階であれば達成し得る数字、ということなんでしょうか。

セル枚数を増やさずに、将来的に400W到達も有り得るのかどうか、今後の発表にも注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Breaks World Records for both P-type and N-type PV Module Power(JinkoSolar社、2018/5/18)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-breaks-world-records-both-p-type-and-n-type-pv-module
[2]Eagle PERC 60(同上)
https://www.jinkosolar.com/product_detail_274.html?lan=en
[3]Eagle PERC 72(同上)
https://www.jinkosolar.com/product_detail_279.html?lan=en

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2018年05月21日

アスクル社が物流施設4つにネクストエナジー社の電力プラン「グリーナでんき」を導入予定、グループ全体の電力使用量の約25%が再エネに

3週間ほど前になりますが、ネクストエナジー・アンド・リソース社とアスクル社が2018年5月1日に、

  • ネクストエナジー社提供の電力プラン「グリーナでんき」を、同日からアスクル社の物流センター「大阪DMC」に導入する。
と発表していました[1][2]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

アスクル社は2016年7月に、

  • 事業所から排出するCO2配送に関わるCO2を、2030年までにゼロにする。
との目標「2030年CO2ゼロチャレンジ」を発表。
そして2017年11月には、この取組みを進めるため「RE100」「EV100」への加盟を発表した。
(※「RE100」には、
  • 100%再エネによる事業運営
を目標とする世界の企業が参加している)


<「グリーナでんき」の導入計画>

GREENa RE100 プラン」(グリーン電力証書の活用により、100%自然エネルギーの電力を提供する)を、下記4つの物流センターに導入していく。

  • 2018年5月1日:大阪市の「大阪DMC
  • 6月1日:宮城県の「仙台DMC」と、愛知県の「名古屋センター
  • 7月1日:福岡県の「ASKUL Logi PARK 福岡

これにより、アスクル社のグループ全体の電力使用量(本社、物流センター、子会社含む)の25%が、再エネになる。



海外では、日本国内での想像を遥かに超えて、企業における再エネの導入・利用が進んでいるようで、例えばアップル社では今年4月に、世界の全事業所の事業電力が、100%再エネになったとのこと[4]。

そのアップル社は、2016年に「RE100」に加盟しており[5]、再エネの導入・利用が、ここ数年のうちに急激に、世界の趨勢となってきたことを感じます。


アスクル社での再エネ100%達成の目標時期は、まだ10年以上先ですが、日本企業の中では、極めて積極的な姿勢と取組みだと思います。

同社の埼玉県の倉庫で昨年2月に発生した火災では、屋根の太陽電池モジュールが消火活動の妨げとなっており、大規模な太陽光発電設備の直接導入によるマイナス点の一つが、浮き彫りとなった印象でした。

今回の「グリーナでんき」導入では、その心配は無く、このようなかたちでの再エネ利用は、企業にとって合理性が高いのかもしれません。

その意味で、同様のケースが今後増えていくのであれば、再エネ発電の電力を確保するべく、停滞している国内での太陽光発電の導入拡大に、(太陽光発電の急速なコスト低下も追い風として)再び弾みが付く可能性もあると考えます。


※参照・参考資料:
[1]5月1日よりアスクルにグリーナでんきを供給開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/5/1)
https://www.nextenergy.jp/info/2018/info20180501.php
[2]アスクル、ネクストエナジー社の「グリーナでんき」を本日より導入開始(アスクル社、2018/5/1)
http://pdf.irpocket.com/C0032/axM2/kXcE/pJ1Z.pdf
[3]電力小売/グリーン電力証書(ネクストエナジー社)
https://www.nextenergy.jp/service/green_electricity.php
[4]【アメリカ】アップル、世界全事業所で再エネ100%達成。サプライヤー9社も100%宣言(Sustainable Japan、2018/4/10)
https://sustainablejapan.jp/2018/04/10/apple-100-percent-renewable/31413
[5]アップルが“再生可能エネルギー100%クラブ”へ、部品メーカーにも要求(スマートジャパン、2016/9/21)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/21/news025.html

※関連記事:

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2018年05月17日

シャープが新しい「住宅用『クラウド蓄電池システム』」を発表、急速充電で充電時間を半減、自立運転の出力も2.0kWに拡大

シャープ社が2018年5月10日に、

  • 住宅用クラウド蓄電池システム JH-WBP67A/JH-WBP70A
を発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


特徴
  • 急速充電に対応
    満充電の所要時間を、2.5時間従来機比1/2)に短縮した。
    (※入力電力4.0kWで充電した場合。実際は電力使用量や天候などにより変動する)
    これにより、晴れ間が短い場合でも、効率よく蓄電できる。
  • 自立運転時の出力を拡大
    「ハイブリッドパワーコンディショナ JH-42JT2/JH-55JT3」では、自立運転時の出力(従来機種1.5kW)を、最大2.0kWに拡大した。
    これにより停電時には、生活必需機器(照明、冷蔵庫など)の他に、電気ケトルや扇風機なども同時に使用できる。
公称容量 8.4kWh
希望小売価格 291万円(税別)
※リチウムイオン蓄電池「JH-WB1821」、ハイブリッドパワコン「JH-42JT2」、モニタ、電力センサ、ケーブル等を含めた価格。
機器の組み合わせにより価格は異なる。
大きさ・質量
大きさ質量
蓄電池
「JH-WB1821」
幅700mm×奥行360mm×高さ605mm
(突起部含む)
約135kg
パワコン
「JH-42JT2」
「JH-42JT3」
幅666mm×奥行201mm×高さ429mm
(取付金具含む)
約24kg
発売日 2018年7月6日より順次。
月産台数 250台


蓄電池の充電時間の半減に、自立運転時の出力を約1.3倍に拡大という2点が、やはり個人的に最もインパクトがありました。

家庭用の電源として、平常時・非常時ともに、使い勝手の大幅な向上を図ったことが伺えます。

ただし一方で、希望小売価格は(組み合わせの一例とは言え)一式で300万円近くであり、まだまだ購入者を選ぶ、高額な商品だと感じざるを得ません。

生産ペースは、1年で3000台ということになりますが、現在の日本国内で実際にどの程度の需要が有るものなのかは、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用「クラウド蓄電池システム」ほかを発売(シャープ社、2018/5/10)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180510-b.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ

2018年05月14日

米カリフォルニア州で2020年から新築住宅への太陽光発電設置が義務化、他の要件とともに初期費用は9500ドル増加も、エネルギー費用などは30年間で計1万9000ドル削減の見込み

米カリフォルニア州の「California Energy Commission(CEC)」が2018年5月9日に、

  • 2020から州内の新築住宅への太陽光発電設置を義務化する、新しい建築基準「2019 Building Energy Efficiency Standards」を採択した。
と発表していました[1]。

今回は他の資料[2][3]と合わせて、上記の義務化が含まれる「residential(住宅)」向けの建築基準の概要を、まとめてみました。


特徴
  • 米国で初めて、太陽光発電システムの設置を要件に入れた。
  • 家庭の電力網からの電力需要を縮小し、エネルギー料金とCO2排出量を削減できる。
  • 温室効果ガスの削減と、建設コストの上昇抑制の、バランスをとるよう配慮した。
要件(※オプション含む)
  • 太陽光発電システムの設置
    • スマートインバーター
    • 蓄電池(※オプション)
    を含む。
  • デマンドレスポンス(※オプション)
    • ピークシフト用の蓄電池
    • ヒートポンプの給湯器
    を奨励する。
  • 建物の外装
    屋根裏・壁・窓の断熱材を強化し、快適性とエネルギー節約を改善する。(夏は熱を逃がし、冬は暖気を保つ)
  • 換気設備
    • 住宅外や調理からの有害粒子を捕らえる、高効率フィルター
    • 改善されたキッチン換気システム
    を使用可能にすることで、住宅の内外に空気を流しつつ、アレルゲンや他の粒子を濾過する。
住宅購入者のコスト CECによる推計値。
  • 初期費用:約9500ドルの増加
  • エネルギーとメンテナンスの費用:30年以上で計1万9000ドルの節約
また30年の住宅ローンをベースにすると、
  • 増加:約40ドル/月
  • 減少:約80ドル/月(冷暖房費、照明料金の削減)
の見込み。
エネルギーの削減効果 2016年基準の住宅と比べて、53%削減できる見込み。
適用開始日 2020年1月1日


カリフォルニア州は、1990年代での電気自動車の導入政策開始[5]など、以前から先陣を切って環境政策を進めており、その点では、今回の新築住宅における住宅用PVの義務化も、それほど驚きはしませんでした。

とは言え、高額な設備であったはずの太陽光発電導入が(事業者ではなく)一般消費者向けでいよいよ義務化されること、しかも長期的なコストメリットも明記していることには、やはり時代と状況の急速な変化を、強く感じます。

例えば太陽電池パネルの価格は、世界的に直近の8年間で80%も下落した[4]とのことであり、このような初期コストの急速な低下が、今回の住宅向け義務化が実現された、最大の要因だと考えます。

その意味では、賛否両論を巻き起こしてきた日本のFITも、コストダウン推進への貢献という点で、今回のカリフォルニア州の決定に(間接的に)寄与したのではないでしょうか。


またカリフォルニア州では、「net energy metering(NEM)」ルールで、一般住宅から生じた余剰電力は小売料金より大幅に安く買い取るよう定めており、これにより住宅用PVによる電力網への影響の抑制が見込まれる(住宅内での自家消費を促す)[2]、とのこと。

この点は非常に興味深く、電力網への接続限界が強調される日本でも、参考にできるところがあるのでは、と考えます。


※参照・参考資料:
[1]Energy Commission Adopts Standards Requiring Solar Systems for New Homes, First in Nation (California Energy Commission、2018/5/9)
http://www.energy.ca.gov/releases/2018_releases/2018-05-09_building_standards_adopted_nr.html
[2]frequently asked questions(上記ページから参照可能)
http://www.energy.ca.gov/title24/2019standards/documents/2018_Title_24_2019_Building_Standards_FAQ.pdf
[3]infographics for residential(同上)
http://www.energy.ca.gov/title24/2019standards/documents/2018_Title_24_2019_Residential_Standards.pdf
[4]Supporters React to Adoption of 2019 Building Energy Efficiency Standards Requiring Solar in New Homes(CECの公式ブログ、2018/5/9)
http://calenergycommission.blogspot.jp/2018/05/supporters-react-to-adoption-of-2019.html
[5]誰が電気自動車を殺したか?(ウィキペディア)
[6]太陽光パネル、新築住宅の屋根に設置義務づけへ:カリフォルニア州(ロイター、2018/5/9)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-09/P8H6ZL6VDKHS01

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2018年05月10日

First Solar社が米Ohio州に年産能力1.2GWの太陽電池モジュール工場を新設予定、最先端の「Series 6」モジュールを生産

First Solar社が2018年4月26日に、

  • 米国内で、年産能力1.2GWの太陽電池モジュール工場を新設する。
との計画を発表していました[1]。

その中から、新工場に関する主な情報をまとめてみました。


建設場所 Ohio州のLake Township
※同州Perrysburgにある、既存の旗艦工場(年産能力600MW)の近く。
生産品 先端技術の「Series 6」モジュール。
生産能力 1.2GW/年
※これにより、米国内での生産能力は計1.8GW/年になる。
投資額 4億ドルの見込み。
従業員数 500
背景
  • First Solar社は設立(1999年)以来、Ohio州では約30億ドルを投資している。
    2017年には、Perrysburg工場で「Series 6」モジュールを生産可能にするため、1億7500万ドルを投じて改修した。
    (※同工場では2018年4月に、停止していた「Series 4」モジュールの生産を、継続需要に応えるため再開している)
  • 米国内における
    • 先端技術に対する強い需要
    • 最近の法人税制の変更
    が、同国内での生産拡大決定を後押しした。
スケジュール予定
  • 2018年中頃:建設着工
  • 2019年後半:フル生産を開始


トランプ米大統領が今年(2018年)1月に承認した輸入太陽電池のセーフガード関税では、結晶シリコン型のみが対象と思われ、その点に限れば、CdTe型を手がけるFirst Solar社としては、米国内での生産・調達の拡大を、特に急ぐ必要は無かったはずです。

にも関わらず、今回の投資額(4億ドル)は1件だけで、同社のオハイオ州における過去約19年間(1999〜2018)の累計投資額(30億ドル)の、約13%に相当する規模ですが、それだけ米国が実施した法人税の減税[2]が、First Solar社にとっても非常に大きな恩恵となった、ということだと思われます。


加えて、高性能な太陽電池モジュールに対する米国内での需要が、急速に高まっていることも伺えます。

実際、First Solar社の2018年1Q業績[3]によると、「Series 6」モジュール(※昨年(2017年)12月に発表)の受注量は、既に3.3GWDCに到達しており、これは新工場+Perrysburg工場の年産能力を、大きく上回っています。

もっとも、この3.3GWDCの受注のうち、米国内のものがどれだけなのかは不明ではありますが、それでも(今回の発表[1]の中でも言及されていますが)今後の受注ペース如何によって、更なる国内生産能力の増強も有りそうです。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Announces New U.S. Manufacturing Plant(First Solar社、2018/4/26)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-announces-new-us-manufacturing-plant
[2]トランプ減税の恩恵、自社株買いより設備投資の伸びを後押し(Bloomberg、2018/4/27)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-04-27/P7TW9H6K50XU01
[3]First Solar, Inc. Announces First Quarter 2018 Financial Results(First Solar社、2018/4/26)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-inc-announces-first-quarter-2018-financial-results

※関連記事:

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2018年05月06日

JPEA「太陽電池モジュールの月次出荷速報」で、2015-2018年の1-3月は、大部分が前年同月比2ケタ%のマイナス

今回は、太陽光発電協会が発表している「太陽電池モジュールの月次出荷速報」[1]から、2015-2018年の1-3の数字を、抜き出してまとめてみました。

※数値は見やすくするため、四捨五入してMWに換算。
また前年同月比(カッコ内)は、当ブログ管理人が計算しました。


1月2月3月
2015年738MW863MW1240MW
2016年 598MW(19%) 653MW(24%) 873MW(30%)
2017年 544MW(9%) 566MW(13%) 833MW(5%)
2018年 344MW(37%) 413MW(27%) 686MW(18%)


今回は、2018年の数値がある1-3月だけをピックアップしてみましたが、とにかく減少一辺倒であり、しかもその幅が、大部分で2ケタ%減という大きさです。

2017年の世界のパワコン出荷量では、日本が2位[2]なので、FIT認定分の消化(=国内での太陽光発電設備の施工)は、まだかなりのペースを保っているものと思っていました。

そして「非住宅(10kW以上)」において、導入量は認定量のまだ半分程度であり、発電設備の施工は、今後もますます進まなければならない筈です。

加えて、JPEAの発表数字(月次出荷量)は海外への輸出分も含んでいる筈ですが、最近は一部の国内メーカーが海外市場へのシフトを進めている[3]ので、モジュール輸出量も幾分かは伸びていると思われます。

それらの背景の中で、この減少一途であり、結局どういう状況なのか、いまいち判断がつきません。

ただ2017年の1年間に、海外メーカーのJinkoSolar社が9.8GWCanadian Solar社が6.8GWを出荷していたこと、また世界の太陽光発電設備の新設容量が100GWを突破した見込み[4]であることと比べると、日本メーカーの出荷量、また国内での太陽電池モジュール需要は、正反対の状況になっていると考えざるを得ません。


※参照・参考資料:
[1]太陽電池モジュールの月次出荷速報(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html#fig
[2]太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望(日経XTECH、2018/5/2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/050211063/
[3]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[4]太陽光の新設容量、2017年に初めて100GWに、欧団体が公表(日経XTECH、2017/11/17)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/111709874/

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2018年05月05日

産業用太陽光発電の直流1500V化でストリング数は30%減・BOSコストは平均37%減、Trina Solar社は次は「直流2000V」と予想

今回は日経XTECHの記事[1]から、Trina Solar社が2018年3月開催のイベントで発表した、太陽光発電設備の直流回路の高電圧化にまつわる数字などを、抜き出してみました。


<直流1500V化による効果>

太陽電池モジュール60枚あたりで見た数字。

  • ストリングの数:従来比30%減
  • BOSコスト:平均37%減
    項目別では、
    • 機器(接続箱など)の削減:12%減
    • 電線の総延長の短縮:22%減
    • 労務費の削減(施工時間の短縮による):10%減

<Trina Solar社の方針・見通し>

  • 産業用のシステム提案において、まずは、導入の始まっている直流回路1500V化普及を加速する。
  • 更に次の方向性として、「直流2000V」対応の機種が製品化され、メガソーラーの高電圧化がさらに進むとみている。


記事[1]では、1500V化での比較対象は記載されていませんが、一つ前の世代?の1000Vと思われます。


直流1500V化に関する当ブログでのチェックを振り返ると、まずFirst Solar社とGE社が、直流1500Vの太陽光発電所開発で提携したのが、約4年前の2014年3月でした。

ただし機器メーカーでは、2017年7月に東芝三菱電機産業システムが、米国市場向けのパワコン「SOLAR WARE 3200」を発売

また同年11月には、SMK社が太陽電池モジュール用コネクタ「PV-05シリーズ」を発表と、直流1500V化の本格推進は、かなり最近に(昨年から?)始まった印象を受けていました。

その点で、今回の記事[1]での「導入の始まっている直流回路1500V化」という記述は、合点の行くものでした。


そして、1500V化によるBOSのコストダウンの効果が、かなり大きいことに驚かされました。

最近の太陽光発電の急速なコストダウンは、2016年に発生した、中国メーカーによる太陽電池モジュールの供給過剰が原因と思っていましたが、どうやらそれだけでは無かったようです。

単純に太陽電池メーカーの極度な負担増によって、太陽光発電のコストダウンが支えられているということでは無い、という意味では、少し安堵しました。


そして今後も、直流回路の高電圧化が更に進むのならば、それに伴ってメガソーラーのコストダウンの余地も拡大していくと考えられます。

大規模事業用(utility-scale)の太陽光発電においては、発電電力のコスト・設備導入のコストの両方とも低下が著しく進みましたが、ここから更にどこまでコストダウンが進み得るのか、楽しみになりました。


※参照・参考資料:
[1]太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望(日経XTECH、2018/5/2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/050211063/

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2018年05月04日

2017年の世界のパワコン市場の規模は約88.4GW、メガソーラー向けが約74%を占める

日経XTECHの記事[1](2018年5月2日付)で、Trina Solar社が同年3月に開催したイベント(設立20周年記念+新戦略発表)での発表内容が報じられていました。

今回はその中から、2017年のパワコン市場に関する数字を抜き出してみました。


市場規模
(出力ベース)
88.4GW
出荷先地域の上位
  • 1位:中国
  • 2位:日本
  • 3位:米国
用途別の出荷割合
  • 出力1〜5MWの発電所向け:約14%
  • 5MW以上の発電所向け:約60%
(※1MW以上のメガソーラー向けが計約74%)


欧州の業界団体「SolarPower Europe」の発表(2017年10月)[2]では、同年の世界の太陽光発電の新設容量が、100GW到達の見込みとされていました。

今回のパワコンの約88GWという出荷量は、その新設容量見込みに近い数字ですが、パワコンのほうが1割ほど小さいのは、太陽電池モジュールを多く設置する「過積載」が、要因の一つになっているのではと想像します。


出荷先の地域別では、1位の中国はともかく、日本が米国を抜いて2位だったことが、非常に意外でした。

それだけまだ、FIT認定分と導入分のギャップの消化が、続いていたということだと思われます。

具体的な数字を見ると、2017年9月末時点では、「非住宅(10kW以上)」の認定量が6634.8万kW、導入量(FITでの認定分)が3173.2万kW[3]であり、導入量はまだ認定量の半分にも到達していません。

そのため当面は、日本での高いパワコン需要が、意外にも続くことになるのかもしれません。


Trina社の発表数字に戻ると、用途別ではメガソーラー向けが約3/4を占めたことから、世界的には、分散型よりも大規模発電所の設置が(少なくとも発電容量の点では)主流になっていることが伺えます。

例えばIRENAのレポート(2018年1月発表)では、大規模事業用(utility-scale)の2017年の導入コストは2010年比約68%減でした。

新興国での大規模事業が増えている(例えばCanadian Solar社関連)ことも考えると、大規模発電所のコストダウンが急速に進んできたことが、パワコンの用途別においても高い割合を占めつつある、最大の要因になっているものと推測します。


※参照・参考資料:
[1]太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望(日経XTECH、2018/5/2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/050211063/
[2]太陽光の新設容量、2017年に初めて100GWに、欧団体が公表(同上、2017/11/17)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/111709874/
[3]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfoSummary

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