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2018年07月25日

大規模太陽光発電所による電力網の安定機能に関する研究(First Solar社やNREL等が実施)が、「InterSolar EU」で「Outstanding Project Award」を受賞、大規模PVのゲームチェンジャーと評価

First Solar社が2018年7月12日に、

  • 大規模太陽光発電所により電力網安定のための各種サービスを行う研究が、「InterSolar EU」(独ミュンヘンで本リリース発表の前週に開催)で「Smarter E Awards program」の「Outstanding Project Award」を受賞した。
と発表していました[1]。

今回は、その概要をまとめてみました。


研究の体制
  • NREL(National Renewable Energy Laboratory)
  • CAISO(California Independent System Operator)
との共同。
研究の内容・成果
  • 300MWの大規模太陽光発電所(米カリフォルニア州)において、様々なタイプの有効電力・無効電力制御を行い、
    • 運転予備力(spinning reserves)
    • 負荷追従(load following)
    • 電圧支援(voltage support)
    • 出力変化(ramping)
    • 周波数応答(frequency response)
    • 変動の円滑化(variability smoothing)
    • 周波数調整(frequency regulation)
    • 電力品質の改善(improved power quality)
    を含むサービスを行った。
  • これらの制御により、太陽光発電所が
    • 周波数調整に関するグリッド信号に、素早く反応できる。
    • 従来の発電(熱、水力、ガスタービン等)よりも正確に反応し、タイトに調整できる。
    ということが示された。
「Smarter E Awards program」の審査員による評価
  • この研究は、
    • 太陽光発電所は、炭素排出源の必要性を低減するだけでなく、システム性能を改善し、極めて高いレベルで変動する発電方式とともに運用することもできる。
    という、ゲームチェンジャーとしての大規模太陽光発電所のコンセプトを、証明するものである。
  • 今回のプロジェクトの成果は、
    • 大規模太陽光発電所が、電力網の信頼性と安定性に貢献でき、重要なグリッドサービス(従来の発電方式に付属しているもの)を提供できる。
    ということを、利害関係者に確信させるためのドアを開くものとして、用いることができる。
研究の当事者による評価
  • 今回の賞は、ソーラー業界の全ての人にとっての賞である。
    この研究は、より多くの太陽光発電が電力網に接続でき、また太陽光発電産業の更なる成長が可能であることを、証明している。
    (First Solar社のシステム開発担当副社長)


この研究について詳しく解説しているレポート(70ページ弱)[4]が、NRELのサイト[3]に掲載されており、私も一通り読んでから記事を書くつもりでしたが、私の英語力+理解力では、半分ほどを読むのがやっとでした。

そのため、検証されたグリッドサービスの具体的な性能(従来の水力・火力による調整能力との比較)までは判りませんが、とりあえず「Advanced Inverter」([4]の5p)等を用い、短い時間周期(例えば4秒ごと)での情報収集と制御を行うことで、応答の速さや正確性が実現されたようです。


例えば電力系統の周波数が低下した際、従来の火力や水力発電では、発電用タービンと機械的に連動するガバナ(調速機)により、タービンに流入する水や蒸気の量を自動的に増やすことで発電出力を上げ、周波数を調整する筈です。(少なくとも私が電検三種で学んだときはそうだった)

この出力増加を、太陽光発電設備の電子制御(パワーエレクトロニクス)で行う場合、機械的な動作が無い分、応答速度や正確さが高まるというのは、確かに考えられることです。


また、太陽光発電設備の制御能力を高めることで、昼間の発電余剰分が大きいほどグリッドの調整能力も大きくなる、という記述([4]の4p)も、非常に興味深いです。

これが本当であれば、出力の変動が大きく電力系統の厄介者、と捉えられている感のある太陽光発電にとっては、文字通りの「ゲームチェンジャー」になると思われます。

そのため、今回の研究対象となった技術については、是非とも早期の幅広い実用化を、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Receives Outstanding Project Award at InterSolar EU(First Solar社、2018/7/12)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-receives-outstanding-project-award-intersolar-eu
[2]Energy Systems Integration Newsletter June 2018(NREL)
(※記事の3項目めが「NREL Collaboration with First Solar, CAISO Receives Outstanding Project Award」)
https://www.nrel.gov/esif/esi-news-201806.html
[3]NREL, California Independent System Operator, and First Solar Demonstrate Essential Reliability Services with Utility-Scale Solar(NREL)
https://www.nrel.gov/esif/partnerships-caiso-first-solar.html
[4]Technical Report: Demonstration of Essential Reliability Services by a 300-MW Solar Photovoltaic Power Plant(同上、上記ページ内)
https://www.nrel.gov/docs/fy17osti/67799.pdf
[5]spinning reserve(weblio)
https://ejje.weblio.jp/content/spinning+reserve

2018年07月16日

ソーラーフロンティア社が、初期費用実質ゼロの住宅用設置モデル「ソーラーエネカリ」でTEPCOホームテック社と協働開始、CISモジュールの拡販に期待

ソーラーフロンティア社と「TEPCOホームテック」社が2018年7月9日に、

  • 初期費用が実質ゼロの太陽光発電システム設置モデル「ソーラーエネカリ」の販売で、協働を開始した。
と発表していました[1][2]。

今回は、その概要をまとめてみました。


「ソーラーエネカリ」の仕組み・メリット
  • このサービスでは、太陽光発電による発電電力の自家消費により、住宅オーナーの電気料金を削減する。
    そして住宅オーナーは、その削減分を用いて、ソーラーエネカリの利用料を(電気料金と一緒に、TEPCOホームテックに)支払う。
  • これにより住宅オーナーは、初期費用が実質ゼロで、太陽光発電の搭載が可能となる。
    またその太陽光発電設備は、ソーラーエネカリの利用契約の満了時点(※10年程度を想定)で、住宅オーナーに原則無償で譲渡される。
  • 一方でハウスメーカーやパワービルダーは、太陽光発電の設置費用を、住宅ローンの計算枠から切り離せる。(金利負担の軽減にも繋がる)
    また、付加価値を(太陽光発電の設置により)高めた住宅として、顧客に提案可能になる。
協働の背景・目的
  • TEPCOホームテック社では「ソーラーエネカリ」を、太陽光発電+省エネ機器の戦略商品として位置づけている。
    今回は具体的な商品ラインナップとして、ソーラーフロンティア社からCIS太陽電池モジュールを調達する。
  • ソーラーフロンティア社は現在、国内住宅市場に注力しており、FITの買取単価が下がる中で、住宅オーナーへの自家消費提案を強化している。
    東京電力グループであるTEPCOホームテックとの今回の協働は、CISモジュールの販売拡大に繋がると見込んでいる。
CISモジュールの供給開始時期 2018年7月


ソーラーフロンティア社は、昨年(2017年)11月の事業再編の発表で、国内市場に一層注力する方針を鮮明にしており、今回のTEPCOホームテック社との協働も、その具体的な取組みの一つと思われます。

また、ソーラーフロンティア社が進めてきたCISモジュールの製造コスト削減が、初期費用実質ゼロをうたう「ソーラーエネカリ」での協働実現につながったものと推測します。


国内での住宅向けモジュール出荷量は、2018年1-3月が前年同期比18%減と、(残念ながら)市場の縮小が際立っています。

それだけに、大手電力会社のグループ企業による新サービスである「ソーラーエネカリ」は、メーカーにとって貴重な供給先であり、またモジュール需要の喚起手段としても期待されているものと想像します。


ただ、個人的にこの手のサービスで気になるのは、やはり収支の辻褄です。

まず、経済産業省の「調達価格等算定委員会」の資料([5]の4p)では、新築住宅における太陽光発電(※2017年1月以降に設置完了)のシステム費用は、平均約35万円/kWとなっています。

いっぽう「ソーラーエネカリ」では、太陽光発電設備の無償引渡しまでの期間が10年程度ですが、ソーラーフロンティア社が産業用で(今年3月に)開始した同種のサービスでは、契約期間が17年でした。

それだけに、「ソーラーエネカリ」における設置費用が、仮に(平均より低めの)30万円/kWとしても、自家消費による電気料金の削減分のみで、本当に10年で賄えるものなのか、というのは気になるところです。


もうひとつ、今回の発表では「余剰電力の売電」に全く言及されていないのが、かなり意外でした。

この点は、TEPCOホームテックが東京電力グループということで、太陽光発電の電力は(電力網に流すより)自家消費を促進したい、という電力会社の意思が、伺える気がします。

もっとも完全な自家消費の実現には、蓄電設備の利用も必須となる筈なので、TEPCOホームテック社が今後そのあたりをどう展開していくのか、というのも興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、TEPCOホームテックの実質初期費用0円の太陽光発電システム設置モデル:「ソーラーエネカリ」に納入開始(ソーラーフロンティア社、2018/7/9)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0709_press.html
[2]ソーラーエネカリ、協働開始!(TEPCOホームテック社、2018/7/9)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2018/07/%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%80%81%e5%8d%94%e5%83%8d%e9%96%8b%e5%a7%8b%ef%bc%81/
[3]ソーラーエネカリ始動!(同上、2018/6/12)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2018/06/%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%82%ab%e3%83%aa%e5%a7%8b%e5%8b%95%ef%bc%81/
[4]エネカリサービスに関して(同上)
https://www.tepco-ht.co.jp/enekari/imgs/enekari.pdf
(※https://www.tepco-ht.co.jp/enekari/内。)
[5]調達価格等算定委員会(第36回) 資料2 平成30年度以降の調達価格等に関する意見(案)(経済産業省、2018/2/7)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/036_02_00.pdf
(※http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/036_haifu.html内。)

※関連記事:

2018年07月09日

コロンビアの大規模太陽光発電所(86MWDC)は、水力発電メインの同国(=乾季に課題あり)に適する見込み

JinkoSolar社が2018年7月5日に、

  • 南米コロンビアの大規模太陽光発電所に、太陽電池モジュール86MWDCを供給する予定。
と発表していました[1]。

今回は、その発電所の概要をまとめてみました。


背景 コロンビア市場は、主に水力発電に依存しており、乾季に問題となる可能性が有る。
太陽光発電は、同国のエネルギーマトリックスの集約において、良いソリューションとなる見込みである。
場所 Colombia北部のCesar県。
太陽電池モジュール
  • メーカー:JinkoSolar
  • 種類:単結晶シリコン型
  • 供給量:86MWDC
  • 1枚の出力:345W
  • 使用枚数:25万枚
システム電圧 1500V
発電電力量 平均176GWh/年の見込み。


ウィキペディア[2]を読むと、降水量の多さと、急峻な山岳地域の存在が、コロンビアの水力発電を支えていると見受けられます。

そうなると、雨が減る乾季は確かにネックになりますが、他方で乾季は日照量が増えることから、太陽光発電がカウンターバランスとして期待されるのは、合点が行きます。

またこの点は、2010〜2017年で約7割ダウンという、太陽光発電の低コスト化の大幅な進展が、現実性を高めたものと思われます。

ただ今後、もし太陽光発電を大規模導入するとしても、(日照が無い)夜間の電力供給はどうするのか、という課題は残りますが、山岳地域を生かして、揚水発電所を十分に設けることが、一つの有効策になるのでは・・・と考えます。

その意味で、コロンビアがこれからどのように太陽光発電を導入し、電力供給の体制を整備していくのか、というのは、興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar will supply 86 MWdc of Solar Modules for the largest PV plant in Colombia(JinkoSolar社、2018/7/5)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-will-supply-86-mwdc-solar-modules-largest-pv-plant
[2]コロンビア(ウィキペディア)
セサール県(同上)

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2018年07月08日

JinkoSolarの日本子会社が、53億円のシンジケートローン(三井住友銀行が主導)の契約を締結、日本での事業拡大や運転資金に充てる予定

JinkoSolar社が2018年7月2日に、

  • 子会社「JinkoSolar Japan」が、日本の銀行コンソーシアムとの間で、53億シンジケートローン契約を締結した。
と発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


締結の相手 三井住友銀行が主導する銀行コンソーシアム。
契約の内容 最長2年間の、53億円のシンジケートローン契約。
融資資金の用途
  • 日本における事業の拡大
  • JinkoSolar Japanの運転資金
に使う予定。


最新の太陽電池モジュール出荷統計では、出荷量の減少が顕著であり、日本の太陽光発電市場の縮小ぶりが強く感じられます。

いっぽうでJinkoSolar社は、2017年通期のモジュール出荷量が10GW近くと、世界でトップ規模の太陽電池メーカーになっています。

そのため今回、JinkoSolar社が日本で53億円の資金調達を行ったというのは、かなり意外に感じました。

もっとも、メガソーラーの建設費用が1MWあたり3億円とすると、53億円は17〜18MW相当なので、それほど大きな金額ではないのかもしれませんが・・・。

ともかく、世界トップクラスの大手メーカー(の日本子会社)が、縮小が続く日本国内で、今後どのように事業を運営・拡大していくのか、興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Signs JPY5.3 Billion Syndicated Loan Agreement with Japanese Bank Consortium Led by SMBC(JinkoSolar社、2018/7/2)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-signs-jpy53-billion-syndicated-loan-agreement
[2]シンジケートローン(三井住友銀行)
http://www.smbc.co.jp/hojin/financing/syndicate.html

※関連記事:

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2018年07月07日

シャープ社がインドネシアの複合競技施設「ジャカバリン・スポーツシティ」内にメガソーラー(約1.6MW-dc)を完成、二国間クレジット制度を利用

シャープ社が2018年7月2日に、

  • インドネシアの複合競技施設「ジャカバリン・スポーツシティ」の敷地内で、メガソーラーを竣工した。
と発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


背景 日本の環境省による「二国間クレジット制度に基づく設備補助事業」の採択を受け、現地企業「Perusahaan Daerah Pertambangan Dan Energi」と共同で建設した。
設置場所 南スマトラ州パレンバン市
太陽電池モジュール容量 1.6MW
予想される発電電力量 約1922MWh/年
スケジュール
  • 運転開始日:2018年4月10日
  • 竣工式:同年6月30日


二国間クレジットを利用しての、日本メーカーによる新興国での太陽光発電関連事業については、今年4月の日刊工業新聞の記事[2]で紹介されていましたが、今回のメガソーラー建設も、それにズバリ当てはまるものと思われます。

2017年度通期の業績で、シャープは海外EPC事業が堅調としていたので、今回のメガソーラーも、「エネルギーソリューション事業」の収益に寄与するのではないでしょうか。

とりあえず、海外メーカーの勢いが強い中で、シャープ社が(二国間クレジットという条件付きの中とは言え)EPC事業をしっかり続けていることが伺え、何かホッとする発表でした。


※参照・参考資料:
[1]インドネシア共和国の複合競技施設「ジャカバリン・スポーツシティ」に太陽光発電所(メガソーラー)を建設、竣工式を開催(シャープ社、2018/7/2)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180702-a.html
[2]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年07月06日

ネクストエナジー社がセル50枚のPERC単結晶太陽電池モジュール「NER650M250/255」を発表、日本の狭い屋根で設置容量を拡大可能

ネクストエナジー・アンド・リソース社が2018年7月4日に、

  • セル枚数を少なくした、狭小屋根向PERC単結晶太陽電池モジュール「NER650M250/255
を発表していました[1]。

その特徴などをまとめてみました。


特徴
  • 面積を縮小:
    セル枚数50としており、従来の60枚モジュールよりも、短辺幅が16%縮小した。
    これにより、日本の狭い屋根でも、設置容量を増やすことができる。
  • 高出力:
    • PERC技術
    • 5本バスバー
    を採用。
    セル枚数を減らしながらも、高いモジュール出力(250W・255W)を実現している。
    モジュール変換効率は、255Wモジュールが18.7%。
サイズ・重さ
  • 公称サイズ:幅826×高さ1650×厚さ40mm
  • 公称質量:15.5kg
保証
  • 製品保証:10年
  • リニア出力保証:25年
  • 経済損失補償:10年
スケジュール
  • 販売開始日:2018年7月6日
  • 納入開始時期:同年8月中旬


最近は

と、海外メーカーで高出力モジュールの発表が相次いでいました。

その中で今回のネクストエナジー社の新製品は、逆にセル枚数を減らしていますが、[1]に記載されている寄棟屋根への設置イメージでは、300Wモジュールに比べて設置容量が約48%増加。

あくまでイメージとはいえ、5割近くという設置容量拡大の効果に驚きましたが、同時に「単にモジュール1枚の出力を大きくすれば良いわけでは無い」ということも、今回の製品は明示しているように感じます。


また、手持の過去の資料[2]を見直したところ、250W・255Wというモジュール出力は、当時(2013年)の60枚セルモジュールと同等であることにも驚きました。

この点は、この約5年間における、結晶シリコン型での技術の大きな進化(PERCや5本バスバー等)、ということだと思われます。


※参照・参考資料:
[1]50直列高効率単結晶太陽電池モジュールを販売開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/7/4)
https://nextenergy.jp/blog/50%e7%9b%b4%e5%88%97%e9%ab%98%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8d%98%e7%b5%90%e6%99%b6%e5%a4%aa%e9%99%bd%e9%9b%bb%e6%b1%a0%e3%83%a2%e3%82%b8%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%82%92%e8%b2%a9%e5%a3%b2%e9%96%8b%e5%a7%8b/
[2]月刊ソルビスト PVJapan 2013 特別配布号 保存版/太陽光発電重要機器総覧

※関連記事:

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2018年07月04日

Yingli Green Energy社の米国預託証券がニューヨーク証券取引所で取引停止+上場廃止措置を開始、平均時価総額や株主資本が基準を満たさず

Yingli Green Energy社が2018年6月29日に、

  • ニューヨーク証券取引所NYSE)が、Yingli社の米国預託証券ADS)の上場廃止措置を開始することを決定した。
と発表していました[1]。

今回は、投資に関する各種用語を調べつつ[2]〜[6]、発表の概要をまとめてみました。


背景・経緯
  • Yingli社のADSは、連続する取引日30日間
    • 平均時価総額5000万ドル以上の維持に失敗
    • 株主資本(純資産)が5000万ドル未満
    という状況だった。
    これが、NYSE上場企業マニュアルの802.01Bセクションにおける基準を満たさなかった。
  • Yingli社はNYSEに対し、この件について上訴するつもりは無いことを伝えた。
    そしてNYSEは直ちに、ADSの取引を停止。
    また上場廃止のために、証券取引委員会(SEC)に申請すると述べた。
NYSEからの通知日 2018年6月28日
今後の予定
  • Yingli社のADSは、2018年7月2日OTCピンクで取引を開始する。(シンボルは「YGEHY」)
    この移行は、ADS保有者の法的権利や、Yingli社の通常の事業運営に、影響を及ぼさないと予想している。
  • また移行後も、Yingli社はSECの公的報告要件(外国の民間発行体に適用)の対象であり、Yingli社はそれに応える。
  • ただし、定期的な四半期決算発表中止する。


Yingli社は、この発表の約3週間前には「PANDA BIFACIAL」モジュールのTUV Rheinlandの認証取得を発表しており、事業は健在な印象でしたが、証券市場での評価を取り戻すには至らなかったようです。

中国メーカーのNYSEでの上場停止と言えば、個人的には、昨年のTrina Solar社の事例が強く記憶に残っています。

もっともTrina社のほうは、言わば自発的な決定であり、その点は今回のYingli社とは異なります。

それでももし、(下位市場への移行により)短期的な業績アップを迫る(株主からの)圧力が弱まるのであれば、NYSEでの上場廃止も、Yingli社にとって決して悪いことではないと考えます。


※参照・参考資料:
[1]Yingli Green Energy Announces Suspension of Trading and Commencement of NYSE Delisting Procedures; ADSs Expected to Begin Trading on the OTC Pink(Yingli Green Energy社、2018/6/29)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2356649
[2]証券用語解説集 ADS(えーでぃーえす)(野村證券)
https://www.nomura.co.jp/terms/english/a/ads.html
[3]ADR特集 ADRの仕組み〜ADRは株なの?(楽天証券)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/master_adr/master_adr_01.html
[4]Market capitalization(Wikipedia)
[5]純資産(ウィキペディア)
[6]OTC Pink(BC Consulting)
http://pinksheets.capital-consulting.info/pinksheets

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2018年07月02日

Sunpower社が「Mission SolarStratos」に参加、「Maxeon」太陽電池セル搭載の飛行機で、高度8万フィート以上の成層圏を目指す

Sunpower社が2018年6月20日に、

  • 太陽光発電飛行機成層圏到達を目指す「Mission SolarStratos」に参加した。
と発表していました[1]。

今回はその概要をまとめてみました。


目標 高度8万フィート以上の成層圏に到達する。
(※商業旅客機の典型的な巡航高度の、2倍の高度)
背景
  • SolarStratos社の社長(兼パイロット)の方は、冒険家であり、2012年には太陽光発電ボートPlanetSolar」で、世界中の海を航海した。
  • Sunpower社はこれまで、
    • 1993年に豪州「World Solar Challenge」に参加した、ホンダのソーラーカー(同大会で1位)
    • 太陽光発電ボート「PlanetSolar」
    • NASAの無人飛行機Helios solar plane」(高度9万6863フィートに到達)
    • 太陽光発電飛行機「Solar Impulse 2」(燃料ゼロで世界中を飛行)
    といったプロジェクトに関わってきた。
「SolarStratos」の主な仕様
  • 機体のサイズ:
    • 全長:8.5m
    • 全幅:24.8m
  • 重量:450kg
  • 乗員:2人
    ※機体軽量化のため、キャビンは加圧されない。
    このため乗員は、宇宙服(太陽光発電の電力で加圧される)を着る必要が有る。
  • エンジン:32kWの電気エンジン
    (電気自動車の約1/3のサイズ)
  • 太陽電池:SunPower社の「Maxeon」セル(変換効率22〜24%)を、22m2搭載する。
    (※同社の住宅用・商業用モジュールと同じセル)
  • バッテリー:20kWhのリチウムイオン電池1個
  • 自律性:12時間以上の電力供給を、太陽光発電によって自ら行える。
今後の予定
  • 2018年9月:「SolarStratos」の試作機で、高度3万3000フィート到達を目指す。
  • 2020年まで:目標達成が予想される。


1フィートが約0.3m[2]なので、8万フィートは約2万4000m(約24km)。

いっぽう成層圏は高度11〜50km[3]なので、今回の「SolarStratos」では、成層圏の厚みの真ん中より、少し下あたりが目標高度と見受けられます。

世界一周を達成した「Solar Impulse 2」(最大高度12km[4])よりも、遥かに高い高度を飛ぶことになるので、飛行機の機器が正常に動作し続けられるかが、気になるところです。

ただ、NASAの無人機が既に9万フィート以上を達成済みであることから、「SolarStratos」でもSunPower社が持つ技術と経験・知見が生かされることで、成功の確率は大幅に上がるのではないでしょうか。

再エネの可能性・実用性を図り示す、という意味でも、本プロジェクトの成功を期待するものです。


※参照・参考資料:
[1]SolarStratos Aims to Reach Stratosphere More Than 80,000 Feet Above Earth Using SunPower Solar Technology(SunPower社、2018/6/20)
http://newsroom.sunpower.com/2018-06-20-SolarStratos-Aims-to-Reach-Stratosphere-More-Than-80-000-Feet-Above-Earth-Using-SunPower-R-Solar-Technology
[2]フィート(ウィキペディア)
[3]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E5%B1%A4%E5%9C%8F(同上)
[4]ソーラー・インパルス(同上)

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2018年07月01日

SunPower社が住宅用の新モジュールを発表、出力370Wの「X-Series」と、革新的なセル構造の「P-19」

もう2週間近く前になりますが、SunPower社が2018年6月18日に、「Intersolar Europe 2018」(ドイツで6/20-22に開催)での出展予定を発表していました[1]。

その中から、住宅用太陽電池モジュールの新製品に関する情報をまとめてみました。


<370Wの「X-Series」>

特徴
  • 出力を大幅アップ
    同じ屋根面積の場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上にわたり、60%以上多い電力をもたらす。
    「X-Series」15枚で、従来型22枚と同等のエネルギーが得られる。
    (つまり同じ出力の場合、モジュールの枚数が少なく済む)
  • 高い耐久性
    第3世代の「Maxeon」セルは、堅固な金属基盤上に構築されており、腐食や割れを防止する。
    これが、25年の出力保証+製品保証を可能にしている。
出力 370W
変換効率 22.7%
想定市場 欧州など、高品質で実証済みの技術を期待する成熟市場

<「P-19」シリーズ>

特徴
  • 革新的なセル技術
    「P」シリーズ(変換効率17%)と同じセル技術を使用。
    同じ設置スペースの場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上に渡り、最大で32%多いエネルギーをもたらす。
  • 低コスト
    自社の「E-Series」「X-Series」よりも、コストが低い。
    (※25年の出力保証+製品保証は付く)
セルの種類 PERC単結晶型
変換効率 19%
想定市場 今年(2018年)は
  • EMEA
  • APACの一部
で、住宅用ソリューションへの適用を拡大している。
(※APAC市場の一部では、商業用で既に使用されている)


モジュール1枚あたりの出力としては、同じ欧州イベントで公開されたCanadian Solar社の「HiKu」モジュールが、390W〜405Wとされており、今回の新「X-Series」モジュール(370W)を上回っています。

ただし、「HiKu」は大規模発電事業用の製品であり、モジュールのサイズ(縦×横)は約2×1m。

いっぽう新「X-Series」モジュールは、正式なサイズは不明ですが、同シリーズの既存製品(出力345W)が約1.6×1m[2]。

新製品もこれと同等とすれば、「HiKu」モジュールの約8割の面積で、出力の差は(多く見ても)10%未満であり、やはり高性能製品であることが伺えます。


「P-19」シリーズの革新的なセル技術については、発表[1]には「shingle」とあるのみですが、「Pシリーズ」の紹介ページ[3]では、ずばり解説されています。

具体的には、短冊状セルを特殊技術で貼り合わせ(これにより半田付けリボンが不要化)、長い帯状にしたものを、並行に複数本並べるというものであり、想像以上にユニークな方式でした。

これは、セルの帯の太さや数こそ全く異なりますが、化合物型のCISモジュール[4]に似ており、それによるメリットの一つ(部分的な影に強い)も共通しています。

既に成熟しているイメージが強い結晶シリコン型モジュールに、このように極めてユニークな(しかも他の種類の太陽電池に似ている)形式が現れていることは、非常に興味深く感じます。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Introduces its Record-Breaking Efficiency Solar Panel for Residential Customers During Intersolar Europe 2018(SunPower社、2018/6/18)
http://newsroom.sunpower.com/2018-06-18-SunPower-Introduces-its-Record-Breaking-Efficiency-Solar-Panel-for-Residential-Customers-During-Intersolar-Europe-2018
[2]Xシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/x-series-solar-panels/
[3]Pシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/p-series-solar-panels/
[4]「実発電量」が高いCIS太陽電池(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/features/cis/index.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー