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2018年10月15日

九州電力が本土で再エネの出力制御を実施、好天+需要減少により再エネの10%前後を制御

九州電力20181013日(土)・14日(日)に、

  • 九州本土での再エネ発電の出力制御
を実施したとのことです[1][2]。

概要は次の通り。


<背景>

  • 該当の両日において
    • 九州一円での好天(太陽光発電の出力増加)
    • 電力需要の減少(気温が低めで推移するため)
    等が見込まれたことから、2018年10月11日に再エネ発電の出力制御見通しを発表した。

<実績の主な数値>

2018/10/13(土)2018/10/14(日)
予想需要
(※エリア需要+
蓄電池充電・揚水運転
+域外送電)
1250万kW1158万kW
供給力全体1293万kW1229万kW
再エネ出力595万kW542万kW
出力制御量
(再エネ全体に対する割合)
43万kW(7%)71万kW(12%)
実施期間9時〜16時
最大余剰電力発生時刻12時〜12時半11時〜11時半


個人的にはまず、両日ともに、再エネの供給力が全体の半分近くまで達していることに驚きました。

その再エネの内訳は記載されていませんが、例えば本日(10/14)の「電力使用状況の推移」のグラフ([3]内)では、太陽光発電実績が10〜14時に渡って全体の半分前後を占めていました。

そのため今回の出力制御の対象も、殆どが太陽光発電だと思われますが、これは(当然ですが)燃料を消費せずに得られる電力です。

それだけに、その供給力の1割前後を、わざわざ止めなければならなかったというのは、非常に勿体無く残念です。


先月の北海道の地震(胆振東部地震)では、北海道全域が約2日間停電しましたが、その中で「自立運転した太陽光発電が役に立った」という話を、地元紙でちらほらと見かけます。

太陽光発電は確かに出力が「不安定」ですが、一般家庭では、例え日照のある間しか電力供給がされなくとも、それだけでも停電時の利便性や安心感が全く違うものです。

そのように、必ずしも「高品質」な電力のみに需要が有るわけではないので、太陽光発電を既存の電力系統に連系する(=強制的に止められる場合が有る)ことは、実は合理性に欠けるところが大きい(多少不安定でも供給があれば助かる、という現実のニーズに対応できない)ようにも思われます。

その意味で今後は、蓄電池の併設なども含めて、(電力系統の状況に関係なく稼動できる)独立電源を指向する動きがますます高まってくるのでは、と考えるものです。


※参照・参考資料:
[1]再生可能エネルギーの出力制御見通し(10月11日 17時発表分)について補足します(九州電力、2018/10/11)
http://www.kyuden.co.jp/notice_181011.html
[2]H30年度指示内容(九州本土:10月14日更新)(九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/power_usages/pdf/kyushu/H30%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%8C%87%E7%A4%BA%E5%86%85%E5%AE%B9%EF%BC%88%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%9C%AC%E5%9C%9F%EF%BC%9A10%E6%9C%8814%E6%97%A5%E6%9B%B4%E6%96%B0%EF%BC%89.pdf?dt=20181014153010
(※「http://www.kyuden.co.jp/power_usages/pc.html#saiene」内。)
[3]でんき予報(電力のご使用状況)(同上)
http://www.kyuden.co.jp/power_usages/pc.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 電力供給の実績

2018年10月10日

JA Solar社が日本で両面PERC太陽電池技術の特許を取得、また2018年上半期には日本市場でのモジュール出荷量トップに

もう1ヶ月以上前ですが、JA Solar社が2018年9月7日に、

  • 日本において、両面PERC太陽電池技術特許を取得した。
と発表していました[1]。

その中から、同技術に関する情報をまとめてみました。


<両面PERC太陽電池の歩み>

  • 2013年の初め
    中国の知的財産局に
    • 「A Bifacial Light-Absorbing Solar Cell with Localized AI-BSF and the Method of Making It」
      (局在化AI-BSFを用いた光吸収型太陽電池とその製造方法)
    の発明開示を行った。
  • 20163:上記技術に特許が与えられた。
  • 20171Q
    ダブルガラスの両面PERC太陽電池モジュールの生産を開始
  • 2018
    日本の特許庁により、PERCセル・モジュール技術の知的財産権を保護する特許出願が認められた。

<両面PERCモジュールの長所>

  • 両面発電
    モジュールの表・裏両方で発電できる。
  • 高い耐久性
    耐摩耗性・耐摩耗性・耐腐食性に優れる。
  • 厳しい環境での大規模設備に向く
    上記2点の長所により、特に
    • 沿岸地域
    • 気候的に困難な環境
    における事業規模の発電設備に対して、長期安定性を提供できる。

また、JA Solar社CTOのWei Shan博士によるコメントの中で

  • 高いセル・モジュール技術が製品の品質とパフォーマンスを保証し、2018年上半期には、JA Solar社が日本でモジュール出荷量トップとなった。
との旨の説明があります。



発表からかなり時間が経っているプレスリリースですが、日本市場での太陽電池モジュール出荷量の順位に関する記述があったので、今回取り上げました。

日本市場では、2017年(通年)にはハンファQセルズ社がモジュール出荷量のシェア1位でしたが、その翌年(2018年)の上半期は別メーカーのJA Solarがトップとのことで、(日本メーカーを含めて)メーカー間の出荷量の差は、現状ではまだそれほど開いてはいないものと推測します。

ただいずれにしても、海外メーカーの存在感が以前よりも増し、日本市場で足場を固めていることは確かだと思われます。

そして海外メーカーの技術力や品質が、日本でも評価されつつあるとすれば、これまでは日本メーカーが長く強みを持っていた国内太陽光発電市場も、変化が続きそうです。


※参照・参考資料:
[1]JA Solar’s IP on Bifacial PERC Technology Patented in Japan(JA Solar社、2018/9/7)
http://www.jasolar.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=40

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年10月02日

シャープ社がモンゴルで16.5MWのメガソーラーを完成、ベトナムでは49MW×2ヶ所の建設を受注

シャープ社が2018年9月に、

  • モンゴルでのメガソーラー完成
  • ベトナムでのメガソーラー建設の受注
を相次いで発表していました[1]。

各々の主な情報は下記の通り。


<モンゴル>

場所 ドルノゴビ県ザミンウード市
太陽電池モジュールの容量 16.5MWdc
発電電力量 約3万1162MWh/年の見込み。
スケジュール
  • 2018年9月中旬:運転開始の予定
建設の背景
  • モンゴル政府は、
    • 2020までに、発電電力量に占める再エネの構成比25に引き上げる。
    との目標を掲げている。
  • シャープ社は2016年12月に、重光商事などとの共同で、同国初の太陽光発電所(約10MWdc)を建設している。
    今回の発電所は、
    • 重光商事
    • モンゴルのエネルギー関連企業「Solar Tech LLC」
    と共同で建設した。

<ベトナム>

場所ビントゥアン省ロンアン省
太陽電池モジュールの容量49MWdc49MWdc
発電電力量約7万6920MWh/年の見込み約7万2820MWh/年の見込み
スケジュール
  • 2018年8月:着工
  • 2019年4月:完工・運転開始の予定
  • 2018年9月:着工
  • 2019年5月:完工・運転開始の予定
建設の背景
  • ベトナム政府は、再エネ普及のため、2017年6月FIT(固定価格買取制度)を導入した。
    また、太陽光発電の施設容量
    • 2020年:850MW
    • 20301万2000MW
    とする計画を掲げている。
  • 今回の2事業は、不動産・エネルギー・農業・教育などの複合企業「Thanh Thanh Cong Group」から受注した。


今回の3事業については、(インドネシアでのメガソーラーのように)二国間クレジットを利用しているかは不明です。

ただそれはともかく、シャープ社は2017年度の業績発表で海外EPC事業が堅調と記述しており、今回の2つの発表からは、同事業に現在も継続して取り組んでいることが伺えます。


モンゴルでは2000年以降に、政府が伝統的な住居(ゲル)への、約10万台の小型太陽光発電の供給を実施

更に現在では、具体的な再エネの導入目標(エネルギー構成比25%)も掲げているとのことから、今後はメガソーラーの建設も、更に増えていくものと考えます。


ベトナム国内におけるメガソーラー事業については、先月(8月)には

との、海外大手メーカーによる太陽電池モジュール供給予定が、相次いで発表されていました。

そして更に、今回のシャープ社による建設受注ですが、ベトナム政府による太陽光発電の導入目標の大きさ(2030年には2020年の約15倍)を考えると、これらの活況ぶりも納得できます。

そのためベトナムも今後しばらく、太陽光発電市場の急成長が見込まれるものと考えます。


これまでとは異なる新興国市場の成長については、JinkoSolar社の2017年業績の中で言及されていました。

今回のシャープ社の発表も、そのような世界市場に起こっている流れを示す、一つの事例なのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]モンゴル国ザミンウード市に太陽光発電所(メガソーラー)を建設(シャープ社、2018/9/14)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180914-a.html
[2]ベトナムのビントゥアン省とロンアン省において太陽光発電所(メガソーラー)の建設を受注(同上、2018/9/21)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180921-a.html
[3]ザミンウード(ウィキペディア)
[4]ビントゥアン省(同上)
[5]ロンアン省(同上)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 海外のメガソーラー

2018年10月01日

ハンファQセルズ社が日本で6ヶ所目の営業拠点「岡山営業所」を開設、販売ネットワークの強化・顧客ニーズへのいち早い対応を図る

ハンファQセルズ社が2018年9月18日に、

  • 日本で6ヶ所目の営業拠点となる「岡山営業所」を開設した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


<背景>

  • ハンファQセルズ社は2017年に、太陽電池モジュールの日本国内出荷シェア第1位を獲得した。(外資系メーカーで初)
    また、日本国内の販売店は850(2018年8月末)に達している。
  • 今回は、営業拠点(従来5ヶ所)を増やすことで、顧客ニーズへのいち早い対応を実現するため、既存の福岡支店・大阪支店の中間である岡山市に拠点を設置した。

<日本国内での販売ネットワーク>

下記の16拠点が、密接に連携を取りながら販売インフラネットワークを築いている。

  • 営業拠点:下記の計6ヶ所。
    仙台支店・東京本社・名古屋支店・大阪支店・岡山営業所・福岡支店
  • 物流拠点:北海道〜沖縄まで計9ヶ所。
  • 技術センター1ヶ所(つくば技術センター)


日本の太陽光発電市場は、FIT開始2014年度前半までの活況から、電力会社による接続申込への回答保留を契機として同年度下半期に反転が始まり、現在も減速ぶりが際立つ状況が続いています。

その中でもハンファQセルズ社は、外資系メーカーでありながら、日本での事業体制を縮小せず、むしろ出荷シェアの拡大を実現。

日本市場におけるシェア拡大には、かつてハンファ社幹部が「密林の真ん中で“太陽光の皇帝”を発見したようだ」[2]と評されたほどの、買収した旧・独Qセルズ社の高い品質・技術が、根本にあるとは思われます。

しかしそれだけでなく、ハンファQセルズ社は日本国内での販売インフラの継続的な強化に努めてきたようで、更に今回は営業拠点1ヶ所を新設。

文字通り「日本に根差した」メーカーになろうという、同社の強い姿勢が感じられます。

日本メーカーの元気が無い一方で、海外企業のハンファQセルズ社が更に日本市場で勢力を増していくことになるのか、続けて注目していきたいところです。


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズジャパン、 6か所目の営業拠点「岡山営業所」を開設 中国・四国地方の営業体制強化へ(ハンファQセルズ社、2018/9/18)
http://www.q-cells.jp/press/0918
[2]「太陽電池、ライバル企業より20%高くても注文増加」…韓国のハンファQセルズ(中央日報、2013/9/16)
http://japanese.joins.com/article/195/176195.html?servcode=300§code=320

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