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2018年11月20日

京セラの2018/4-9のソーラーエネルギー事業は売上減、昭和シェルの2018/1-9のモジュール出荷量は前年同期比90%程度

今回は、

  • シャープ
  • 京セラ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
の最近の業績発表[1]〜[5]から、太陽電池・太陽光発電に関わる情報をまとめてみました。


シャープ
2018年度上期
(2018/4-9)
エネルギーソリューション事業では、海外EPC事業が堅調だった。([1]の7p)
(※「太陽電池」「太陽光発電」の語句は全く無し。)
京セラ
2018年度上期
(2018/4-9)
ソーラーエネルギー事業売上は減少した。([2]の5p)
昭和シェル石油
2019年3月期3Q累計
(2018/1-9)
  • 太陽電池事業では、国富工場(2017年末から生産集約)において、
    • 製品高出力化の推進
    • 原材料コストの更なる低減
    を進めている。
    営業面では
    • FIT案件への確実な納入
    • 住宅市場シェアの向上
    • 低圧・産業用における新しい販売手法の推進
    • 商品・サービス戦略の強化
    に取り組んでいる。([3]の4p)
  • 3Qの太陽電池パネル出荷数量は、ほぼ前年同期並み。
    3Q累計期間では、前年同期比90%程度
    国内にフォーカスした販売を継続している。
    パネル製造での一部のコスト低減策に遅れが生じているが、太陽電池事業の赤字額は、3Qまでの累計では前年同期比で縮小した。([4]の12p)
カネカ
平成31年3月期2Q累計
(2018/4-9)
PV & Energy management」事業では、高効率太陽電池の新製品販売が拡大した。
これと構造改革の進展により、収益力が改善した。
窓・壁との一体型太陽電池を、住宅・ビル向け素材として展開しており、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく方針。([5]の4p)


シャープと京セラは、今回も記述が極めて乏しく、具体的な数値も全く無しであり、太陽電池事業の厳しさが変っていないことが伺えます。


いっぽう昭和シェル石油は、モジュール出荷量は3Q累計では前年同期比10%程度のマイナスも、3Q単独ではほぼ横ばいとのことで、まだプラスになってこそいないものの、改善の雰囲気が感じられます。

国内モジュール出荷量の減少が際立つ現状では、(コスト削減の取組みを含めて)かなりの健闘なのではないでしょうか。

また意外だったのは、「国内にフォーカス」としながら、再エネによる海外EPC事業への参入を検討中([4]の15p)とあることです。

ソーラーフロンティア社はちょうど1年前(2017年11月)に、経営資源を主に国内市場に集中する方針を発表していましたが、やはり縮小が続く日本市場のみでは、限界があるということかもしれません。


カネカについては、今回の4社のうち唯一「販売が拡大」と明記されています。

ただ、例えば同社の瓦一体型の高効率太陽電池は2年前(2016年)に市場投入されたばかりであり、まだ結晶シリコン型の販売規模が小さいためと思われます。


ちなみにパナソニックについては、今回[6]は太陽電池に関する言及が全く無し。

同社は最近、7月に海外重視への転換方針が報じられ、9月に日本でのモジュール生産終了を発表と、事業方針や体制の大幅変更が相次いでいました。

太陽電池事業についての報告が無かったのは、事業再編の真っ最中である故かと思われますが、それが果たしてどのような効果・結果をもたらすのか、今後の業績発表に引き続き注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/10/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/3/1903_2pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内。)
[2]2019年3月期 第2四半期 決算短信(京セラ社、2018/10/30)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_2Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]2018年度 第3四半期決算(2018年1月1日〜2018年9月30日)(昭和シェル石油、2018/11/14)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.html」内)
[4]2018年度(2018年1月〜2019年3月) 第3四半期決算説明資料(同上)
http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material_2018c.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material.html」内。)
[5]2019年3月期 第2四半期決算短信(カネカ社、2018/11/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2018/11/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F-%E7%AC%AC2%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1.pdf
[6]2018年度 第2四半期 連結決算短信・補足資料(パナソニック社、2018/10/31)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2018/10/jn181031-3/jn181031-3.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内

2018年11月19日

ハンファQセルズ社が英ロンドン市の住宅用PV普及策向けに太陽電池モジュールを供給、「一括購入」により1パッケージ(モジュール10枚)あたり約1400ポンドを削減

もう1ヵ月半ほど前になりますが、ハンファQセルズ社が2018年10月5日

  • 英「Solarcentury」社と提携し、ロンドン市による住宅用太陽光発電の普及促進策向けに、市場価格から平均35%引き太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1]。
(※オリジナルの海外向けリリースは、更に2週間ほど前の2018年9月21日に発表)

その概要は次の通り。


背景 今回の英ロンドン市のプロジェクト「Solar Together London」は、エネルギー政策「Energy for Londoners Programme」の一環であり、同市における
  • 全土の電気代削減
  • 太陽光発電導入目標(2030年までに1GW)の実現に向けた加速
が目的である。
入札方式 最安価格の提案者を選択する「リバース・オークション制度」を用いた。
対象となる住宅保有者 市内自治区のうちブレント区・イーリング区・キングストン区・マートン区・サットン区に居住し、太陽光発電の屋根設置に関心を持つ600世帯
設置規模 計約1.5MWの見込み
採択された事業者 Solarcentury社とイケア社が共同。
提案したパッケージ ※モジュール以外のパワコン・架台などについては記述無し。
  • 太陽電池モジュール:
    Q.PEAK DUO-G5」ハーフセル太陽電池モジュールを10枚セット
  • コスト:
    モジュールの一括購入により、1400ポンドの削減に成功した。
    設置時のモジュール枚数に応じて、市場価格の10〜41%引き(平均35%引き)の価格が適用される予定。


オリジナルの英文リリースは約2ヶ月前と、かなり時間が経っている発表ではあります。

しかし、最近は太陽光発電に関する報道・発表じたいがめっきり少なくなっていること、また本件では具体的な規模や数字がある程度示されていることから、今回取り上げた次第です。


600世帯で1.5MW(1500kW)ということなので、単純計算では1世帯あたり2.5kW。

日本の平均(2013年度には既築住宅が4.81kW)を下回る規模なのが意外でしたが、景観への配慮(今回の採用モジュールは景観に調和するデザインとのこと)と、既築住宅の屋根強度を考慮して、無理の無い規模にしているものと想像します。


また、団体購入による1パッケージの削減コスト(約1400ポンド)は、日本円で約20万円(2018/11/18時点で1ポンド=約145円[3])。

実際の設備設置における正確な適用は不明ですが、仮に2.5kWでこの値引き額とすれば、10年前(2008年度)の日本の住宅向け導入補助金(1kWあたり7万円)さえも上回る金額であり、団体購入による値引きの威力に驚かされます。

日本では住宅用のモジュール出荷量も減少が著しい状況ですが、たとえFITの買取価格が下がっているとしても、政府または自治体が積極姿勢で「Solar Together London」のような施策を講じれば、住宅用太陽光発電の導入促進はまだまだ可能なのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズ、 ロンドンの1.5MW住宅用太陽光発電プロジェクトで 「ソーラーセンチュリー社」と提携(ハンファQセルズ社、2018/10/5)
http://www.hanwha-japan.com/news/news-letter/2018/1005/
[2]Solar Together London(ロンドン市)
https://www.london.gov.uk/what-we-do/environment/energy/solar-together-london
[3]イギリス ポンド(Yahoo!ファイナンス)
https://m.finance.yahoo.co.jp/stock?code=GBPJPY=X