【現在位置】トップページ > 2019 年01 月

(スポンサード リンク)

2019年01月23日

2018年設置のシステム費用の平均値は、事業用28.6万円/kW・住宅用34.1万円/kW(調達価格等算定委員会での提示)

経済産業省が2019年1月9日に、「第44回 調達価格等算定委員会」を開催していました。

今回はその資料[1]の中から、太陽光発電の「システム費用」(太陽電池パネル、パワコン、工事費など)に関する数値を抜き出してみました。(※p〜は参照ページ)


<2018年設置のシステム費用>

平均値前年比その他
事業用
(10kW以上)
(p21)
28.6万円/kW
(※中央値は27.4万円/kW)
1.4万円/kW(4.7%)の減 6年間(2012年比)で13.5万円/kW(32%)の減。(p9)
また平均値の内訳は、
  • 太陽光パネル:約50
  • 工事費:約20%
(p21)
住宅用(p28)新築32.2万円/kW
(※中央値は31.2万円/kW)
2.2万円/kW(6.4%)の減。 平均値の内訳は、
  • 太陽光パネル:約60
  • 工事費:約20%
(p28)
既築35.8万円/kW1.5万円/kWの減
全体34.1万円/kW2.0万円/kWの減 6年前(2012)から12.4万円/kW(27%)の減。(12p)

<価格目標>

事業用
(p9)
発電コストシステム費用の水準
14円/kWh20万円/kW
7円/kWh10万円/kW

住宅用
(p12)
売電価格システム費用の水準
家庭用電気料金並み30万円/kW
卸電力価格並み20万円/kW


システム費用は、事業用・住宅用の両方とも、6年間(2012年比)で3割前後の低減となっており、FIT開始後のコストダウンのスピードが伺えます。
また前年比の減少幅を見ると、コスト低下のペースは、まだまだ鈍っていない印象です。

システム費用の内訳では、太陽電池モジュールが半分超を占めており、海外で価格下落が急激に進んだとはいえ、やはり中心的な機器として、システム価格のカギを握っていることに変わりは無いようです。


価格目標との比較では、事業用が「14円/kWh」の必要水準にまだ距離がある一方で、住宅用が既に「家庭用電気料金並み」の必要水準にかなり近くなっているのが意外でした。

近年の太陽電池モジュール出荷量メーカーの業績発表などには、国内市場の縮小ぶりが強く現れていますが、いち消費者として今回の資料の数字を見ると、初期コストの低減によって太陽光発電の魅力が大きく高まっていることも感じます。

この状況が、需要の喚起・市場の活性化に少しでも繋がれば、と思うものです。


※参照・参考資料:
[1]資料2 平成31年度以降の調達価格等に関する意見(案)(経済産業省、2019/1/9)
http://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/044_02_00.pdf
(※「http://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/044.html」内)

※関連記事:

2019年01月21日

独SolarWorld Industriesが、全ての事業活動を停止

1ヶ月以上前になりますが、ヨーロッパソーラーイノベーション(ESI)社が2018年12月13日に、

  • 独「SolarWorld Industries GmbH」が全ての事業活動停止したことが、確認された。
と発表していました[1]。


ちなみにSolarWorld社の公式ウェブサイトは、「www.solarworld.de」も「http://www.solarworld-global.com/」も表示できなくなっており、少なくともウェブ上では、事業活動停止に関するメーカー直々の発表・情報を確認することはできないようです。



かつて専門誌上で、ESI社の社長の方が「ソーラーワールドのモジュールこそ世界最高のモジュール」[2]と極めて高く評価していたことで、私もSolarWorld社の動向に関心を持つようになりました。

しかし一方で同社は、太陽電池モジュール価格の急激な下落との戦いを続けており、

と様々な手を講じてきたものの、最終的にメーカーとして復活することができなかったのは、極めて残念です。


ちなみに米国子会社の「SolarWorld Americas」については、同じ米国のSunPower社が買収することで2018年4月に合意し[3]、特定の資産(Hillsboroの施設、200人超の労働者など)が取得されたとのこと[4]。

SolarWorld社の技術や知的財産がどうなるのかは不明ですが、優れた資産が少しでも残って生きていくことを、願うものです。



※参照・参考資料:
[1]SolarWorld Industries GmbH 破産に関する情報(ESI社、2018/12/13)
https://www.e-solar.co.jp/news/news181213.html
[2]独ソーラーワールドが創り上げた”長期信頼性”モジュールの魅力(PVeye誌 2014年3月号32p )
[3]SolarWorld Americas implements pre-integration management transition(SolarWorld Americas、2018/5/14)
http://www.solarworld-usa.com/newsroom/news-releases/news/2018/solarworld-americas-implements-pre-integration-management-transition
[4]SunPower Begins A New Chapter in American Solar Manufacturing(SunPower社、2018/10/1)
https://newsroom.sunpower.com/2018-10-01-SunPower-Begins-A-New-Chapter-in-American-Solar-Manufacturing
[5]SolarWorld(Wikipedia)

※SolarWorldの関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2019年01月04日

ネクストエナジー社が、重量25%減と直流1500V対応の太陽電池モジュール(計4機種)を相次ぎ発表

ネクストエナジー社が2018年12月に、太陽電池モジュールの新機種として

  • 軽量化・低価格化した「LW660M-305PR」「LW660P-275」
  • 直流1500V対応の「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」
を、相次いで発表していました[1][2]。

各機種の概要は次の通り。


<軽量モジュール「LW660M-305PR」「LW660P-275」>

  • 特徴:
    • 軽量化・低価格化
      モジュール変換効率と品質は維持しつつ、軽量化かつ汎用性のある部材を採用し、モジュール重量を25%低減(同社従来製品比)した。
      これにより、
      ・従来は強度的に難しかった場所への設置
      ・設置作業の負担軽減
      が可能になる。
      また、価格も従来製品より引き下げている。
    • 高出力
      従来製品の
      PERC技術(※単結晶型の「LW660M-305PR」のみ)
      5本バスバー
      を引き続き採用。
  • 想定用途:
    • 設計段階で太陽電池モジュールを搭載荷重に見込んでいない建築物
    • 地震や雪が少ないベトナム等の東南アジア地域
  • 主な仕様:
    「LW660M-305PR」「LW660P-275」
    セルの種類単結晶PERC多結晶
    公称最大出力305W275W
    モジュール変換効率18.7%16.9%
    最大システム電圧1000VDC
    公称質量13.7kg
    公称サイズW992mm×H1640mm×D25mm
    セルの枚数60枚
    機械的耐荷重
    • 積雪荷重:3600Pa(表面、風圧荷重含む)
    • 風圧荷重:2400Pa(裏面)
    多雪地域への設置不可
    (設置可能な積雪量は50cm以下
  • 発売日:2018/12/13

<直流1500V対応モジュール「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」>

  • 特徴:
    • 直流1500Vに対応
      モジュールの耐電圧を、従来の1000VDCから強化。
      太陽電池モジュールの直列接続枚数が増えることで、
      ・初期投資の削減、維持管理費用の低減(接続箱の台数や送電ケーブルの本数などを削減)
      ・発電設備の発電能力の向上
      ができ、発電所の費用対効果の向上につながる。
    • 高い発電性能
      ・5本バスバー
      ・単結晶PERCセル(※「NER672M365-15V」のみ)
      を採用している。
  • 主な仕様:
    「NER672M365-15V」「NERP-CS6612P-330W-15V」
    セルの種類単結晶PERC多結晶
    公称最大出力365W330W
    モジュール変換効率18.8%17.0%
    最大システム電圧1500VDC
    公称質量23.0kg
    公称サイズW991mm×H1956mm×D45mm
    セルの枚数72枚
    機械的耐荷重
    • 積雪荷重:5400Pa(表面、風圧荷重含む)
    • 風圧荷重:2400Pa(裏面)
  • 発売日:2018/12/18


ネクストエナジー社はこれまでもユニークな太陽電池モジュールを発表してきました(下記関連記事)が、今回の新機種も、単結晶PERCと5本バスバーで高い発電性能を維持しつつ、各々はっきり異なる特徴と想定用途を持っています。

太陽光発電設備の低コスト化の需要に応えるためにも、このような太陽電池モジュール機種の(用途に応じた)細分化は、これからメーカーを問わず進んでいくのかもしれません。

ただその際には、ユーザー側が想定している設置環境を明確に確認して、適するモジュールを判断して購入することが、今迄以上に重要になってくると考えます。

特に今回の軽量モジュールは、多雪地域では(耐加重の低さから)設置不可とのことなので、同様に用途を絞った製品が将来的に増えていった場合には、購入時の判断の慎重さも、より求められることになりそうです。

またメーカー側・販売側にも、判りやすい表示などに配慮していただくことを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]軽量太陽電池モジュール LW660M-305PR/LW660P-275 を12月13日(木)に販売開始(ネクストエナジー社、2018/12/13)
https://www.nextenergy.jp/information/20181213/
[2]太陽光発電設備の高効率化に対応した高電圧対応の太陽電池モジュールを12月18日(火)に販売開始(同上、2018/12/18)
https://www.nextenergy.jp/information/20181218/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の国内メーカー

2019年01月03日

東電と北電が「太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」を共同開催、一般公募で予測精度の向上を目指す

東京電力北海道電力2018年12月20日に、

  • 太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」を共同開催する。
と発表していました[1]〜[3]。

概要は次の通り。


<背景・目的>

  • 太陽光発電の発電量は気象条件に左右され、その発電量の正確な予測が、供給力として有効活用するために必要である。
  • これについて北海道電力と東京電力では、気象データ等に基づく予測手法を開発・導入し、実業務に活用している。
    しかし
    • 局所的な天候の変化
    • 冬季の太陽電池パネルへの降積雪
    が予測精度低下の要因となっており、更なる精度向上の取り組みが必要と考えている。
  • 今回は
    • 積雪寒冷な気象
    • 再エネ導入量の急拡大
    との条件がある北海道で、太陽光発電の発電量予測をテーマとするコンテストを行うことを決定した。
    優秀な提案は、実業務に取り入れることを目指している。

<コンテストの内容>

  • 課題:
    北海道エリア内の指定の太陽光発電所(15ヶ所・計407.3MW)について、発電量の合計値を予測する。
    (※指定の太陽光発電所は、
    • 発電出力が比較的大規模
    • 一定期間運転を継続している
    等を条件に選定。)
  • 予測する数値:
    対象期間(2018年1月1日0時〜2019年1月31日23時30分の13ヶ月分)の発電出力(MW)の平均値を、30分単位で予測する。
    前日((d-1)日)18:00までに入手可能なデータを組み合わせて、d日の発電量を求める。
  • 使用できるデータ:
    下記から自由に選択できる。
    (※ただし、極力少ないデータで予測できることは、実用性の評価に大きなメリットとなる。)
    • 主催者が提供:
      ・過去の発電量実績
      ・定格出力と設置位置、方位角と傾斜角
      ・独自に計測した全天日射量と計測位置
    • 参加者が各自で入手した情報(※ルールあり)
  • 審査の対象:
    • 予測精度
    • 予測手法の説明(レポート)
    • プレゼンテーション(5分以内のビデオ)
  • スケジュール:
    • エントリー:2018/12/20〜2019/2/8
    • 1次審査:
      ・提出物の提出:2019/2/12〜3/15
      ・結果の連絡:同4/15〜26
    • 最終審査:
      ・提出物の提出:同5/7〜5/24
      ・審査:同6月上旬の予定。
      ・入賞者の連絡・掲示:2019年6月下旬の予定。
  • 賞金:総額300万円


このような予測手法の研究というと、あくまで大学や電力会社が専門に行うものだと思っていたので、今回のコンテスト形式による一般公募は、かなり意外に感じました。

それだけに、降雪・積雪まで考慮しての太陽光発電の出力予測については、海外を含めても研究開発がまだまだ不十分、ということなのかもしれません。

在野からの申し込みが果たしてどの程度あるのかは判りませんが、ともかく発電量の予測精度が高まれば、電源としての太陽光発電の信頼性を高め、ひいては普及・導入の積極推進にも寄与していくと考えられます。

積雪地域では、雪雲と降雪による日照量の減少だけでなく、太陽電池モジュールへの積雪(更には晴天時・気温上昇時の落雪)による影響も大と思われるので、(雪が無い地域と比べて)予測の条件はより厳しいものと思われますが、そのあたりを打開する予測手法が登場するのかどうか、是非とも注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]「太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」の共同開催について(東京電力、2018/12/20)
http://www.tepco.co.jp/press/release/2018/1511781_8707.html
[3]同上(北海道電力、2018/12/20)
http://www.hepco.co.jp/info/2018/1234321_1753.html
[2]太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』(「TEPCO CUUSOO」内、2018/12/20)
https://cuusoo.com/projects/50369

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 発電量予測

2019年01月02日

国内の各電力会社が、FIT満了後の太陽光発電電力(主に住宅用)に関する大まかな方針を発表、新たな買取価格などは2019年4〜6月に公表予定

日本国内の電力会社が昨年(2018年)11月〜12月にかけて、

  • 固定価格買取制度(FIT制度)満了後2019年11月以降)の、太陽光発電(主に住宅用)電力の大まかな取扱方針
を発表していました[1]〜[9]。

その概要は次のとおり。


FIT満了後の方針 詳細の発表予定時期
北海道電力
  • 太陽光発電の余剰電力は、再エネを積極的に活用する観点から、引き続き買取する。
  • 買取以外の、顧客の要望に応えるサービスについても検討中。
2019年6月を目処
東北電力
  • 余剰電力の自家消費(蓄電・蓄熱機器を利用)
  • 売電先を自ら選択し、余剰電力を販売
等の顧客ニーズに応えるため、
  • 家庭用太陽光発電からの電力購入
  • 関連する新たなサービス
を開始する。
2019年6月頃を目処
中部電力 顧客参加型取引サービス「これからデンキ」(※2018年8月に開始済み)において、新たな買取プランを導入する。 2019年4月を目処
北陸電力 顧客の再エネ設備からの電力買取を継続する。
現在、顧客ニーズを踏まえたサービスを検討中。
2019年4月頃
関西電力 引き続き買取りを行う。
また、顧客に様々な選択肢を用意できるよう、検討を進める。
中国電力 再エネ電気の買取を続ける
電力買取に関連する新たなサービスも検討中。
22019年4月を目処
四国電力
  • 買取期間満了後も、新たな買取単価で電力購入を続ける。
  • 電力購入以外の多様なニーズに対応できる関連する新たなサービスを開始する。
九州電力 買取期間満了の再エネ電気を、新たなプランで引き続き購入する。 2019年5〜6月を目途
沖縄電力 買取期間満了後も、希望する顧客については、新たな買取条件(単価等)で買取りを行う。 2019年6月

ただし東京電力については、同様の発表は見あたりませんでした。



国内の電力会社については、2014年秋にいっせいに起こった接続回答保留、そして2018年10月にはとうとう九州本土での出力制御の実施と、太陽光発電の普及拡大に対しては極めて後ろ向き、という印象を受けていました。

そのため今回の発表全てにおいて、電力買取を続ける方針となっているのは非常に意外でしたが、電力自由化で新電力との競争が激しくなっている現状で、電力会社としては(消費者としての)顧客維持につなげたい狙いもあるものと想像します。

ただ、新しい買取価格などの詳細が全く不明な現時点では、どの電力会社の発表も、当たり障りのない「横並び」という印象であり、このぶんだと今年4月以降の詳細発表も、国内太陽光発電市場に大きなプラスの影響を与えるような、革新的なものは期待薄と考えます。

とはいえ、大手電力会社が示す新たな買取条件(価格など)は、今後本格化していく「FIT後」の太陽光発電の取扱を方向付ける、重要な先例になるとも思われるので、数ヵ月〜半年後の正式発表は、忘れずに注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]買取期間満了後の太陽光発電の電力買取について(北海道電力、2018/12/14)
http://www.hepco.co.jp/info/2018/1234021_1753.html
[2]FIT期間満了となる家庭用太陽光発電設備からの電力購入および関連サービスについて(東北電力、2018/11/29)
http://www.tohoku-epco.co.jp/information/1198972_821.html
[3]固定価格買取制度の買取期間満了後の新たな買取プランの概要と公表時期について(中部電力、2018/12/26)
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_oshirase/topics/3269571_21498.html
[4]再生可能エネルギー固定価格買取制度の買取期間満了後のお客さまからの電気の継続購入について(北陸電力、2018/11/15)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/18111502.pdf
(※「http://www.rikuden.co.jp/press/2018.html」内。)
[5]買取期間が終了する太陽光発電からの電力買取について(関西電力、2018/11/26)
https://www.kepco.co.jp/corporate/notice/20181126_1.html
[6]「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による買取期間終了後の再生可能エネルギー電気の買取りについて(中国電力、2018/11/26)
http://www.energia.co.jp/info/2018/11522.html
[7]再生可能エネルギーの固定価格買取期間が満了する住宅用太陽光発電からの継続購入について(四国電力、2018/12/12)
http://www.yonden.co.jp/press/re1812/data/pr005.pdf
(※「http://www.yonden.co.jp/press/page_30.html」内。)
[8]FIT制度の買取期間満了後も新たなプランで購入します−買取単価は2019年5〜6月に公表−(九州電力、2018/12/3)
http://www.kyuden.co.jp/press_h181203-1.html
[9]再生可能エネルギー固定価格買取制度の買取期間満了後の対応について(沖縄電力、2018/11/30)
http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2018/181130.pdf
(※「http://www.okiden.co.jp/press/index.html」内。)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 国内の電力買取制度