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2019年05月27日

エクソル社が単結晶モジュールの新製品3種(最大325W)を発表、12本のバスバー・PERC構造・フレーム角の水切り加工を採用

XSOL(エクソル)社が2019年5月9日に、

  • シリコン単結晶型太陽電池モジュールの新製品3(260〜325W)
を発表していました[1][2]。

製品の概要は次の通り。


<特徴>

  • マルチバスバー技術
    エクソルブランドでは初。
    セル1枚のバスバー本数を12にしている。
    これにより、下記の点が向上した。
    • 公称最大出力(同サイズの自社従来製品から5%アップ)
    • 耐久性(バスバー断線の影響を低減)
    • 意匠性(バスバーが細くなったことによる)
  • 水切り加工
    フレームの角に切欠きを施した。
    これにより、通常はフレーム済みにたまりやすい汚れを、雨水とともに流れ落ちやすくしている。
  • PERC構造
    セルの裏面にPERC構造を用い、光エネルギーを効率的に電気エネルギーに変換する。

<主な仕様>

品番XLM60-325XXLM50-270XXLM48-260X
公称最大出力325W270W260W
モジュール変換効率20.0%19.9%19.8%
サイズ1640×992×35mm1640×826×35mm1324×992×35mm
フレーム色ブラック
希望小売価格19万5000円16万2000円15万6000円
その他新システム
ジャストコンパクト
の標準モデル。


3つの特徴のうち水切り加工とPERC構造については、既存製品[3]の中にも採用しているものがありますが、12本ものバスバーは今回が初です。

12本バスバーのモジュールと言えば、約1年前にYingli Green Energy社が発表しており、そして同社はエクソル社のモジュール調達先の一つになっています[3]。

しかしエクソル社は現在、(Yingli社を含め)国内外複数のメーカーの太陽電池モジュールを取り扱っています[3]が、今回の新製品3種は、それらではなく自社ブランドのものです。

そのため、今回の新製品とYingli社の関係は不明です。


思い返すと約7年前には、当時主流となっていた3本バスバーについて京セラ社が特許を取得し、オリジナルの技術であることをアピールしていましたが、それももはや隔世の感があります。

日本の太陽光発電市場がかつての勢いを失い、国内メーカーの研究開発の停滞も指摘されている[4]現状ですが、その中で、よりユーザーに近い立場の(設備の導入・設置やアフターサービス等を手がける)企業から、今回のように先進的な製品がリリースされているのは、興味深いことです。


※参照・参考資料:
[1]高出力単結晶太陽電池モジュール3種の販売を開始 マルチバスバー技術、水切り加工を採用(XSOL社、2019/5/9)
https://www.xsol.co.jp/news/2019/05/20923/
[2]PDFのプレスリリース(同上、上記ページ内にリンクあり)
https://www.xsol.co.jp/wp-content/uploads/2019/05/20190509_XLM_MBB_PRESSRELEASE_2.pdf
[3]製品ラインアップ(XSOL社)
https://www.xsol.co.jp/product/lineup/
[4]土俵際の国内太陽電池メーカー、起死回生託す“最後のとりで(ニュースイッチ、2019/4/5)
https://newswitch.jp/p/17139

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の国内メーカー

2019年05月16日

パナソニック社が中国GS-Solar社との協業で合意、マレーシア工場の譲渡や、研究開発機能の新会社化(共同で出資・運営)など

パナソニック社が2019年5月9日に、

  • 中国の「GS-Solar」社と、太陽電池事業で協業することで合意した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


<背景・目的>

  • パナソニック社とGS-Solar社はともに、ヘテロ接合型太陽電池を手がけている。
  • 今回は、2社が互いの
    • 技術
    • 生産ノウハウ
    を活用して高付加価値な製品を開発することで、ヘテロ接合型の更なる発展が可能になる、と判断した。

<パナソニック社の方針>

  • ソーラー事業の開発・生産体制の最適化
    • マレーシア工場(HITウエハー〜モジュールを一貫生産)を、GS-Solar社に譲渡する。
      ただし同工場で生産する太陽電池モジュールは、今後も調達・販売する。
    • 太陽電池の研究開発機能を分離し、GS-Solar社と共同で出資・運営する新会社を設立する。
      (出資比率はGS-Solar:パナ=9:1
      この新会社で、ヘテロ接合技術を更に進化・発展させる。
  • エネルギーソリューション事業への転換
    上記により創出したリソースで、
    • HEMS
    • 太陽電池モジュール
    • 蓄電池
    • エコキュート
    • EV充電
    等を組み合わせるエネルギーソリューション事業に転換し、
    • ZEH
    • FIT後の電力マネージメント
    • 自然災害に備える非常用電源
    の普及・拡大に努める。
  • 他の生産拠点は継続
    • 日本
      • 二色の浜工場(車載モジュール)
      • 島根工場(セル、周辺機器)
      • 福島工場(時計・電卓用太陽電池)
    • 米国
      • バッファロー工場(セル、モジュール)
    の生産は継続する。


パナソニック社のHIT太陽電池は高い技術と発電性能を誇っているだけに、マレーシア生産拠点の譲渡に加えて、研究開発機能すらも分離して共同出資・運営に移行する、ということには非常に驚きました。

ただ思い当たることとして、最近の報道[3]の中で

  • 「日本の技術は2世代遅れの印象。残念ながら研究・開発への投資をほとんどしていないのでは」
という、外資系企業による非常に厳しい指摘がありました。

また、パナ社の最新の業績発表[4]の中で、太陽電池事業に関する記述は極めて乏しく、その存在感の希薄さを、感じざるを得ません。

(パナ社に限らず)日本メーカーの競争力は、生産だけでなく研究開発においても低下しており、太陽電池単体での事業はもはや立ち行かなくなってきている、ということかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]パナソニックと中国・GS ソーラーが太陽電池事業で協業(パナソニック社、2019/5/9)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/05/jn190509-3/jn190509-3.html
[2]HDT Solar Cell (GS-Solar社)
http://www.gs-solar.com/en/product-Details.php
[3]土俵際の国内太陽電池メーカー、起死回生託す“最後のとりで(ニュースイッチ、2019/4/5)
https://newswitch.jp/p/17139
[4]2018年度(パナソニック社)
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html#2018

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:パナソニック

2019年05月09日

中国LONGi社の2018年のセル・モジュール出荷量は計約7GW、モジュール生産能力は2019年末までに16GWの計画

中国のLONGi社が2019年4月30日に、

  • 2018年年次報告書と2019年第1四半期決算
を発表したとのことです[1]。

その中から、太陽電池モジュールに関する数字をまとめてみました。


2018出荷量 太陽電池セルとモジュールの合計で7.072GW(前年比50%増)。
モジュール生産能力の計画
  • 2019年末まで:16GW
  • 2020年末まで:25GW
  • 2021年末まで:30GW


2018年にはJinkoSolar社が11.4GW、Canadian Solar社が6615MWのモジュールを出荷しており、今回のLONGi社の数字(セルとモジュール合わせて7.072GW)はまだそれに及びません。

とは言え、前年の1.5倍というのは急激な伸びであり、またモジュール生産能力の拡大計画の規模にも、驚かされます。

中国メーカーの生産規模拡大というと、かつてモジュールの供給過剰を引き起こし、2012年頃には軒並み苦境に陥っていたことが思い出されますが、太陽光発電の導入が新興国にも広がっている現在では、モジュール需要の成長の度合いも異なる、ということなのかもしれません。

ただLONGi Solar社は、今年3月にハンファQセルズ社からPERC太陽電池に関する特許侵害訴訟を起こされており、そちらにどう対処していくか、というのも気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]LONGiの容量計画、2021年末までに単結晶ウエハー65GW、単結晶モジュール30GW(共同通信PR Wire、2019/5/3)
https://kyodonewsprwire.jp/release/201905066004

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2019年05月08日

神奈川県が住宅用太陽光発電の導入費用の回収見込み期間を提示、4kWの設備(約100万円)は10年

神奈川県が2019年4月26日に、

  • 太陽光発電設備の共同購入事業を開始する。
と発表していました[1]。

今回はこの事業の説明サイトの中[2][3]で示されている、住宅用太陽光発電の導入コスト等に関する数字をまとめてみました。


太陽光発電システムの導入費用 25万円/kW([2]より)
太陽光発電の発電コスト 25円/kWh([2]より)
※1kWの設備が年間約1000kWhを発電し、稼動期間を10年と仮定。
購入費用の回収年数の見込み 4kWの設備の場合、10。([3]より)
※試算の条件は、
  • 設備の導入価格:100万
  • 昼間の発電電力量のうち、30%を自家消費・70%を売電
  • 売電価格:24円/kWh(2019年度のFITでの価格)
  • 電力会社からの電気の購入価格:29円/kWh


経産省の調達価格等算定委員会では、2018年設置の住宅用のシステム費用は平均34.1万円/kWとされていました。

そのため、今回神奈川県が示している金額(約25万円/kW)の低さに驚きましたが、それだけ地域により導入費用の差が大きい、ということなのかもしれません。

そして現状の諸々の条件においても、約10年で導入費用を回収可能、という試算の結果にも驚かされました。

ここから共同購入により、導入費用を果たしてどの程度下げ得るものなのか、というのは非常に気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電設備の共同購入事業がスタートします!(神奈川県、2019/4/26)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/e3g/pub/images/r3882262.html
[2]買うとお得な太陽光発電(上記事業の説明サイト内)
https://www.chiikiminna.jp/solar/kanagawa/info/how-much-can-i-save
[3]購入費用の回収が可能!(同上)
https://www.chiikiminna.jp/solar/kanagawa/info/payback-period