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2019年09月25日

中国JinkoSolar社の2019/4-6の太陽電池モジュール出荷量は3386MW(前年同期比21.2%増)、中国市場や海外新興市場が活況

3週間以上前になりますが、中国のJinkoSolar社が2019年8月30日に、2019年第2四半期2019/4-6)の業績を発表していました[1]。

今回はその中から

  • 太陽電池モジュール出荷量
  • 太陽電池市場の状況
に関する数字や内容を、抜き出してまとめてみました。


太陽電池モジュールの出荷量 3386MW(前年同期比21.2%増)
市場の状況
  • グリッドパリティに急速に近づくにつれて、2019年は世界の太陽光発電産業のマイルストーンとなる見込み。
  • 海外の新興市場の多くは、太陽光発電の発電コスト低下につれて、GWレベルに急速に到達しつつある。
  • 中国国家エネルギー局は2019年5月に、風力発電と太陽光発電のグリッドパリティプロジェクトの、最初のバッチについて発表。
    続いて7月には、2019年の政府補助金が確保された承認済み太陽光発電プロジェクトのリストが発表された。
    中国では現在、40GWの太陽光発電プロジェクトが、今年末までに系統連系される見込み。


世界トップクラスの規模とは言え、いちメーカーの四半期単独のモジュール出荷量が約3.4GWに到達し、しかも前年同期から2割以上も伸びていることに驚きました。

政府補助を背景に大規模導入が計画される地元・中国の需要と、急拡大する海外新興市場の需要を、しっかり捕らえているものと思われますが、それにしても近年日本メーカーが退潮し、また2年前には老舗の独SolarWorld社が経営破綻したいっぽうで、なぜこうも好調を続けることができているのか、(今更ですが)やはり強い疑念を抱かざるを得ません。


太陽電池ではなく液晶ディスプレイの話ですが、最近の「中央日報」の記事[1]で、中国メーカー「BOE」が受けた政府支援について、下記の数字が示されていました。

  • 安徽省合肥の第10.5世代工場への投資額:600億元(約9151億円)
    しかし内訳は、
    • BOE社の独自調達分:5%程度
    • 地方政府が発行した公共ファンド:50%
    • 国策銀行による貸付:40%
  • 製品(液晶パネル)の出荷価格:
    上記の結果、韓国企業より約20%安い。

投資額の規模(日本円で1兆円に迫る)と、政府支援の割合(9割)、そしてそれらにより実現された価格競争力と、非常に興味深いデータです。

また続く記事[2]では、かつて韓国のディスプレイメーカーが、やはり大規模な政府支援を背景に、2000年代半ばに日本メーカーから世界シェアトップを奪ったことが記されており、こちらも政府による巨額支援の効果の絶大さが伺えます。

(もちろんいずれのケースも、その支援をメーカーがしっかり生かして努力したことは、確かだと思いますが)


中国政府による自国内太陽電池メーカーへの(公にならない)支援の規模については、2013年に欧州委員会が、売上高の11.5%相当との調査結果を公表していました。

当時はこれがどの程度妥当なのか全く判りませんでしたが、上述の(ディスプレイ分野の)事例を知ったうえだと、十分に有り得るという印象です。
(※JinkoSolar社の2019年2Q単独の売上高は、約69億人民元(約10億米ドル)[1]。)


ともかくこのような状況下では、日本の政府や産業界はもう、原子力発電に拘り続けている場合ではなく、再エネの導入・普及や再エネ産業の振興について、一刻も早く明確かつ強力な姿勢を示すべきだと考えます。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Second Quarter 2019 Financial Results(JinkoSolar社、2019/8/30)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-announces-second-quarter-2019-financial-results
[2]韓国ディスプレー最後の砦、有機EL…サムスン・LGに残された時間は3年(1)(中央日報、2019/9/18)
https://japanese.joins.com/article/730/257730.html
[3]同(2)(同上)
https://japanese.joins.com/article/731/257731.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー

2019年09月18日

ハンファQセルズ社が新築戸建住宅向けの「初期費用ゼロ円」導入サービス「ソーラーメイト」を発表、電力会社はユーザーが自由に選択可能

ハンファQセルズ社が2019年9月2日に、

  • 初期費用ゼロ円」で、新築戸建住宅での太陽光発電システムの設置・利用を可能にするサービス 「ソーラーメイト」を展開する。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


サービス
の内容
  • 無償で設置し、発電電力をユーザーに販売
    「レネックス電力合同会社」(ハンファQセルズ社が新設)が、新築戸建住宅の屋根に太陽光発電システムを無償で設置する。
    この太陽光発電システムの発電電力をユーザー宅に供給し、レネックス社が料金の支払いを受ける。)
  • 自律運転は無料
    停電時はパワコンの自立運転機能により、発電電力を無料で利用できる。
  • 保証が付帯
    契約期間中は、太陽光発電システムの機器保証・施工保証などが付く。
  • 電力会社の選択は自由
    このサービスは、ハンファQセルズ社が単独で展開する。
    そのため電力会社や契約プランは、ユーザーが自由に選択できる。
    (※余剰電力の売電収入は、レネックス社が受け取る[2])
  • 10年後には無償譲渡
    契約の満了後(10年後)には、太陽光発電システムがユーザーに無償譲渡される。
対象エリア 日本全国(※設置には審査が必要)
電力料金 全国一律の24.9円/kWh(税別)
今後の
予定
  • 2019年9月上旬:サービス取扱希望のハウスメーカー・ホームビルダー・工務店を募集開始する。
  • 同年10月以降:サービス取扱希望の法人向けに、全国の主要都市で説明会を開催していく。


「ソーラーメイト」の公式サイト[2]では、対象地域は「鹿児島県、宮崎県内」と書かれており(※2019/9/16時点)、日照が豊富な一部地域での先行実施を経て、今回全国展開を決定したものと思われます。

「初期費用ゼロ円」の導入サービスは、日本国内メーカーでは専ら大手電力会社との共同事業となっていますが、今回のハンファQセルズのサービスではその縛りが無し。

更に対象地域も全国、太陽光発電の電力料金も全国一律と、外資系ならではの型に嵌らない姿勢が伺えます。

このように海外メーカーも参入してくるとなると、今後、「FIT後」を狙う同様のサービス(そして参入事業者)が果たしてどこまで増えるか、というのも気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]Qセルズ、新築戸建住宅向け「初期費用ゼロ円」 太陽光発電システム設置・利用サービス 「ソーラーメイト」を展開開始(ハンファQセルズ社、2019/9/2)
http://www.hanwha-japan.com/news/press-release/domestic-press-release/2019/0902/
[2]ソーラーメイト
https://solar-mate.jp/

※関連記事:

2019年09月12日

千葉県の「山倉水上メガソーラー太陽光発電所」で「台風15号」後に火災が発生、太陽電池パネルが吹き寄せられ折り重なった箇所から出火

千葉県市原市の「山倉水上メガソーラー太陽光発電所」で2019年9月9日に、火災が発生していたとのことです。

各種の報道・発表[1]〜[7]から、主な状況は次の通り。


  • 経緯:
    • 2019年9月9日の午後1時頃:火災が119番通報される。
      消防車7台が出動[1]。
    • 同日午後5時20分:消防の消火活動により鎮火した。[1]
  • 現場の状況:
    湖面に敷き詰められていた太陽電池パネルが、「台風15号」の強風により一方向に吹き寄せられたとみられ、その一部で
    • フロートごと水面からのめくれ
      ([1]にアップ、[4]に上空からの遠景の写真)
    • パネルの折り重なり([2][3]の写真)
    が生じていた。
    火災は、湖岸近くの太陽電池パネルが折り重なった部分で発生し、黒煙と炎が上がった。
  • 被害の規模:不明[1]
    延焼した太陽電池パネルの枚数は「数十枚以上」[3]、「少なくとも約50枚」[2]
    (※発電所全体のパネル数は約5万枚)


私が写真を最初に見たのは[4]の記事でしたが、「めくれ」や「皺」を含めて、湖面の太陽電池パネル群があたかも「薄い膜」のように見え、発電設備の規模の巨大さがひしひし感じらました。

そのような大規模設備(燃えたのはごく一部ですが)で、しかも(燃えやすい建物屋根などでなく)「水の上」の設備で起こった火災だけに、インパクトも強かったです。


火災の原因は不明ですが、[2]のアップ写真からはやはり(フロートではなく)太陽電池パネル自体がメインで燃えているようです。

そのため発火の原因としては、台風の強風による無理・急激な移動でケーブルが断線し、その状態でパネルが発電を継続したためにアーク(直流のため消え難い)が発生して、バックシートや封止材に引火した・・・ということだと推測します。


それにしても水上太陽光発電所の場合、浮かべたフロート(+太陽電池パネル)が風で流されないような措置(湖底や湖岸からのワイヤーによる係留)が施されている筈です。
(しかも今回の発電所の設計・施工などは、京セラが担当

それにも関わらず吹き寄せられてしまったというところに、台風15号の凄まじさが想定を超えたものであったことが伺えますが、それだけに今回の火災から得られる知見が、他の水上発電所の安全確保に生かされることを願います。


また、自然災害の多い日本国内で今回のような火災が実際に起こったことから、その備え・対策として、火災発生時に各パネル毎に出力を自動停止する機能(例えばTigo Energy社のソリューション)の普及も、いよいよ本格的に進める必要があるのではないでしょうか。

それが、太陽光発電に対する「制御不能」「怖い」というイメージを払拭するためにも、必要なことだと考えます。


最後に、昨年の北海道・胆振東部地震での停電を経験したものとして、現在千葉県で停電にあわれている方々が、無事に苦境を乗り越えられることを、祈っております。

このような事態において、はっきりと社会を支え得るだけのインフラに、太陽光発電をはじめとする再エネが、(電力系統などの課題解決も含めて)成長・発展していってほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]水上メガソーラー焼ける 市原の山倉ダム(千葉日報、2019/9/10)
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/625796
[2]ダム水面の太陽光パネルが数十枚燃える 千葉・市原(朝日新聞、2019/9/9)
https://www.asahi.com/articles/ASM994V27M99UDCB01M.html
[3]鉄塔倒壊、パネルから火災も=「最強級」の爪痕深く−台風15号(時事ドットコム、2019/9/9)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090900907&g=soc
[4]強風の影響か 千葉のメガソーラー発電所で火災(2019年9月9日)(BIGLOBEニュース)
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0909/abt_190909_5983522241.html
[5]令和元年台風第15号による被害・対応状況について(9月11日(水)6時30分時点)(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2019/09/20190911002/20190911002.html
[6]空撮:台風の影響か ダム水面上の太陽光パネルが火災 千葉・市原(YouTube、アカウント「毎日新聞」の投稿動画)
https://www.youtube.com/watch?v=jzvYnmuzYII
[7]電柱倒れパネル炎上も・・・首都圏襲った台風15号の爪痕(19/09/09)(YouTube、アカウント「ANNnewsCH」の投稿動画
https://www.youtube.com/watch?v=jzvYnmuzYII

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内