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2014年09月03日

2014年4-6月の日本での太陽電池モジュール出荷量は約2GW(前年同期比21%増)、国内住宅向けは14%減・非住宅は62%増

太陽光発電協会(JPEA)が9月1日に、2014年度第1四半期2014年4-6月)の、日本での太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

この中から、個人的に気になった項目・数字をまとめてみました。(※四捨五入や一部数字の計算は、管理人による)


総出荷量

  • モジュール:約2008MW(前年同期比21%増、前四半期比31
    うち、日本企業は約1390MW(前年同期比8%増、総出荷量の約69%)。
  • セル:約832MW(前年同期比50%増)
    うち、日本企業は約832MW(前年同期比20、総出荷量のほぼ全量)。

今回の統計から、日本企業の数字(全体の統計と同じ項目)も合わせて公表されており、結果として、海外メーカーの日本市場での出荷状況も(以前に比べて)はっきり浮かび上がっているように思われます。

消費税率アップの反動があった中で、モジュール出荷量は意外にも前年同期比2割増の堅調な伸びですが、それに比して日本企業の伸び幅は小さく、海外メーカーの伸びが上回ったことが推測されます。

とは言えそれでも、全出荷量に占める割合は約3割に留まっており、日本市場での海外メーカーのシェア獲得が(以前と同様に)なかなか進んでいない状況も伺えます。

セルのほうは、今回は総出荷量と日本企業による出荷量が同じ数字ですが、総出荷量が50%増の一方、日本企業は20%減となっており、これがどういうことなのかは判りません。


シリコン多結晶型の出荷量

  • モジュール
    • 国内出荷:約935MW(前年同期比6%増)
      うち国内生産品:約213MW(同22
    • 海外出荷:約40MW
      うち国内生産品:約19MW(同784%増)
  • セル
    • 国内出荷:約369MW(同34%増)
      うち国内生産品:約143MW(同25
    • 海外出荷:約77MW
      うち国内生産品0.8MW(同31%増)

多結晶型は昨年に伸びが大きかったので、今回もどのようなものか注目してみましたが、一転して伸びがかなり小さくなっているのは非常に意外でした。

国内出荷においては、セル・モジュール共に「国内生産品」が2割以上の減少ですが、一方で海外出荷では、逆に「国内生産品」の伸びが大きくなっています(特にモジュールは約9倍もの伸び)。

ただ「国内生産品」の出荷量の割合は、モジュールでは国内出荷全体の1/10以下、セルに至っては1%以下に留まっており、国内がメインの供給先であることは変わりないようです。

ただ、国内向けの減少・海外向けの増加という今回の傾向が今後も続くのか、という点は、世界市場の変化を伺う意味でも、次回の統計で引き続いてチェックしたいと思います。


日本企業のセルの海外出荷量

  • 単結晶:約76MW(前年同期比67
  • 多結晶:約77MW(同74
    ただし、国内生産品0.8MW(同31%増)。

前記の項目と被るところもありますが、減り幅が特に目立つ項目だったので、ここに抜き出してみました。

海外向け出荷は単結晶・多結晶ともに大幅な減少であり、国内向けの比重が更に高まったことが推測されます。

ただし多結晶型セルの国内生産品のみは、海外向け出荷量が増えているという特異な状況です。


仕向け先別の輸出量

  • セル
    • 北米22kW(前年同期比の数字無し)
    • 欧州20kW(前年同期と同じ
    • その他5152kW(前年同期比180%増)
  • モジュール
    • 北米2515kW(前年同期比44
    • 欧州2万6278kW(同844%増)
    • その他8640kW(同224%増)

地域別の輸出量では、今回は全体と日本企業の数字が全く同じですが、海外メーカーが日本に一旦持ち込んでから他国に出荷する、というのが合理的とは思えないので、妥当なことかもしれません。

セルは「その他」向けが2.8倍まで伸びており、これは恐らく(前項で取り上げた)多結晶型の伸びによるものと思われますが、具体的な供給先(国、企業)が何処なのかが、非常に気になるところです。

いっぽうモジュールは、「その他」もさることながら、欧州向けが9倍以上と爆発的な伸び。

欧州市場の縮小は続いているはずですが、今回は唯一急成長している英国市場向けの供給によるものと推測します。

対照的に北米向けは4割以上の大幅減ですが、中国・台湾製品へのペナルティー措置により、太陽光発電市場全体に減速が生じているのでは・・・と懸念します。


用途別のモジュール国内出荷量

全体日本企業
住宅493MW(前年同期比14441kW(全体の約89%)
非住宅1388MW(同62%増)
  • 発電事業(売電目的の出力500kW以上):約657MW(同45%増)
  • 一般事業(商業・公共施設、500kW未満の地上設備など):約731MW(同71%増)
  • その他(小型機器、街灯などの応用商品):245kW(同57
858MW(全体の約62%)
  • 発電事業:約50MW(同約77%)
  • 一般事業:約355MW(同約49%)
  • その他245kW

最後は用途別ですが、非住宅が今回も大きく伸びた一方で、住宅は1割以上も減少しており、最近の住宅用太陽光発電の減少傾向に、消費税増税の反動と、不利な条件が重なったことによる影響がうかがえます。

日本企業の出荷割合が高いのは、住宅(約9割)に「発電事業」(8割近く)と、規模的に奇しくも対照的な用途ですが、個人消費者においては日本ブランドへの根強い信頼感、また大規模発電事業者においても、長期の性能維持やアフターサービスに対する期待から、日本メーカー製品が選ばれるケースが多いものと推測します。

一方で「一般事業」では、日本メーカー製のシェアが約半分に留まっていますが、こちらは比較的規模が小さく参入者が多いことから、導入の初期負担軽減(=価格の安さ)に対する需要が、より強いのかもしれません。

その点は、国内生産の多結晶モジュールの国内出荷量が減少し、対照的に(価格競争力に優れる)海外製品が出荷量を伸ばしていることと、辻褄が合っているように思われます。


※参照・参考サイト:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2014年度第1四半期(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h261q.pdf
[2]太陽電池の出荷14%増、4〜6月 海外製品、初の3割超(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HBB_R00C14A9TJ1000/?n_cid=TPRN0004

※過去の出荷統計に関する記事:

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posted by 管理人 at 02:19 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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