【現在位置】トップページ > 市場・業界の動向:国内 > 当記事

(スポンサード リンク)

2014年10月01日

NEDOが新指針「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を発表、大量導入社会を見据えた包括的な方策を示す

NEDO2014年9月30日に、太陽光発電の技術開発についての新しい指針「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を発表していました[1]。

その概要は下記の通り。

背景

  • NEDOはこれまで、「太陽光発電ロードマップ(PV2030、PV2030+)」に基づいて技術開発を推進してきた。
    しかし2009年(「PV2030+」の策定)以後には、
    ・太陽電池モジュール価格の大幅下落
    ・新興国(中国など)メーカーのシェア拡大
    ・日本国内での(FITによる)導入加速
    等、状況が大きく変化している。
    今回の新指針では、これらの状況変化を踏まえて、近づきつつある大量導入社会の実現における課題を整理し、それらを解決するための技術的方策についてまとめている。

策定における留意点

  • 太陽光発電普及後の社会を支える戦略として検討する。(普及推進を目的とする戦略ではない)
  • 太陽光発電の大量導入の実現、また実現後の社会における
    • 国民負担の増大(FITによる賦課金の増加)
    • 発電能力の長期的・安定的な維持(設備のO&M、PID対策など)
    • 立地制約の顕在化(平坦な土地の枯渇、系統接続の制約など)
    • 廃棄物の大量発生への対応(大量導入から20年後に大量廃棄が予想される)
    • 世界的な市場競争の激化(新規参入企業の増加、セル・モジュール生産販売の限界)
    といった解決すべき課題を、包括的に検討する。(発電コストの削減のみに留まらない)
  • 日本の太陽光発電産業の基盤を強化する、という視点を盛り込む。

具体的なポイント


大量導入社会実現と産業基盤強化を狙いとして、下記5つの方策を示している。
  • 発電コストの低減
    • 設備利用率(定格出力で運転した場合の発電電力量に対する、実際の発電電力量の割合)の向上
    • 変換効率の向上(セル、モジュールの性能アップ)
    • システム単価の低減(BOS、施工コスト含む)
    • 稼動年数の伸張(モジュール、パワコンの長寿命化など)
    • 運転維持費の低減(遠隔監視による不具合発見、パワコンの部品交換の容易化など)
    を進めることで、2020年に14円/kWh(業務用電力価格と同等)、2030年に7円/kWh(従来の火力発電と同等)の達成を目指す。
  • 信頼性の向上
    • 日射データの有効利用
    • システム設計の最適化
    • モジュールの長寿命化・劣化抑制
    • システムのO&M・不具合検出
    • 火災の防止・発生時の対策
    • 塩害や降灰に対しての信頼性評価
    等の技術開発に取り組む。
  • 立地制約の解消
    • 「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」による未利用分野への導入拡大
    • 上記による差別化技術の創出(低コストでの設置技術、高付加価値機能)
    に取り組む。
  • リサイクルシステムの確立
    従来進めてきた汎用処理用のリサイクル技術(モジュールの種類を問わない)に加えて、更なる処理コストの低減を目指し、対象モジュールの種類を限定する処理技術の開発なども進める。
  • 産業の高付加価値化
    • 川下分野での展開拡大
    • 意匠性の向上(有機系太陽電池の技術開発など)
    • 太陽光と熱のハイブリッド化
    等を進める。

太陽光発電においては、(NEDOの指針に限らず)これまでは何よりも「初期コストの低減(特にモジュール価格の引き下げ)」が第一とされてきた感がありますが、今回の新指針からは、世界的な競争激化によるモジュールの急速な低価格化、そして海外・国内双方での導入加速により、次の段階をより広い視野で考える必要に迫られていることが、強く感じられます。

ただ新指針では、太陽光発電の大量導入社会が近い将来に実現するとみているようですが、現時点で既に、電力系統の能力の限界により電力会社が再生エネの接続を保留する動きが出ており、このままでは今後の導入推進自体が危うくなっているように思われます。

系統接続の限界については、指針の中でも言及されてはいるものの、太陽光発電側としての具体的な対応策は示されておらず、その点は喫緊の課題として、今後早急に内容が拡充される必要があると考えます。
(もっともそれは電力系統全体の課題なので、本指針のみでカバーできるものではないとも思いますが)


※参照・参考資料:
[1]「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を策定(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100318.html

※関連記事:

(スポンサード リンク)


posted by 管理人 at 13:54 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
この記事へのコメント
コメントを書く

※SEO目的のコメントはお断りします。

お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。