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2014年10月02日

北海道・東北・四国電力が再エネ発電の接続回答保留を発表、関西電力も一部地域で保留、沖縄電力は8月8日以降の申請分が接続不可に

国内の電力会社5社が2014年9月30日に、再生エネ発電接続申込への回答を保留する方針を、一斉に発表していました[1]〜[5]。

各社の発表の概要は下記の通り。

北海道電力

  • 背景
    • 北海道内での(FITにおける)太陽光発電の認定容量は、2014年5月末時点で300万kW程度に達している。(※最小需要270万kW程度)
    • これまで500kW以上の太陽光発電については、受入れに条件(30日超える出力抑制への無補償)を付加してきた。
      しかし条件が無い500kW未満についても、認定容量が80万kW程度に到達しており、このまま申請受入を続けた場合、需要が低い時期を中心に、電力供給量が需要を上回る可能性がある。
      このため今回、再生エネの受入れ能力を検討する期間を設けるために、新規の系統連系と申込への回答を保留する。
  • 措置
    • 回答保留の対象2014年10月1日以降に申込される、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス発電
      ※低圧10kW未満の太陽光発電(住宅用など)や、条件を承諾した500kW以上の太陽光発電は、当面対象外とする。(従来通りの受け付け)
    • 回答保留の期間数ヶ月

東北電力

  • 背景
    自社管内の太陽光発電の設備認定量は、現在1000万kWを超えており、受付上限200万kWの風力と合わせると1200万kW超に達する。
    これは自社管内の電力需要量を上回る規模であり、全てを接続した場合、電力の安定供給に支障をきたす可能性がある。
    今回は、再エネ発電設備の受入可能性や今後の受付方法などを検討するため、回答を一時的に保留する。
  • 措置
    • 回答保留の対象
      太陽光・水力・地熱・バイオマス発電2014年10月1日以降の申込分。
      風力発電
       ・既に連系している案件
       ・既に連系が確定している案件
       の連系量の合計が200万kWに到達した時点以降に、申し込まれたもの。
      ※低圧連系の設備(住宅用太陽光発電など)は、当面は申込受付・回答を継続する。
       ただし、今後再エネの連系量が増えた場合には、対策を講じる可能性がある。
    • 回答保留の期間数ヶ月程度の予定

四国電力

  • 背景
    自社系統での太陽光発電設備の容量(接続済み・契約申込み済み)は、2014年8月末時点で約190万kWに到達している。
    これと
    ・風力発電の受付枠(60万kW、現在受付中)
    ・自社保有の発電設備
    を合わせると、電力供給量が早晩に軽負荷期の需要(2014年5月実績で250万kW程度)を上回る可能性がある。
    このため今回は、新規申込への回答を保留し、
    ・自社発電設備などの運用方法
    ・導入拡大策
    等を検討して、再エネの接続可能量を早急に取りまとめる。
  • 措置
    • 回答保留の対象2014年10月1日以降に契約申込みを受付する再エネ発電設備
      ※自社系統から送電している、関西電力管内の淡路島南部も含む。  
      ※10kW未満の太陽光発電(住宅用など)は、当面は回答保留を行わない。(従来どおりの取扱)
    • 回答保留の期間:記載無し

関西電力

一部地域で連系制約が行われている。

  • 和歌山県・奈良県・三重県(公表時期は不明):
    • 対象地域
      ・和歌山県:新宮市、田辺市、東牟婁郡、西牟婁郡すさみ町の一部
      ・奈良県:吉野郡上北山村の一部、下北山村、十津川村の一部
      ・三重県:熊野市の一部、南牟婁郡
    • 対象設備:逆潮流が発生する10kW以上の設備(発電方式を問わない
      ※10kW未満については当面、受入れ可能。
    • 今後の予定
      現在対応策を検討しており、その結果は改めて発表する。
  • 兵庫県2014年9月30日に情報掲載):
    • 対象地域:淡路島南部(南あわじ市、洲本市、淡路市の一部)
      ※四国電力の系統から電力供給を受けている地域。
    • 対象設備と措置
      2014年10月1日以降に受け付ける再生エネ発電設備について、一時的に回答を保留する。
      ※10kW未満の太陽光発電設備については当面、従来どおりに取り扱う。

沖縄電力

  • 背景
    300kW未満の再エネ発電設備(住宅用太陽光発電含む)の接続状況を取りまとめた結果、2014年8月7日までの申込受付分は、系統連系できる見込みとなった。
    ただしこれにより、再エネの設備量は接続可能量の上限(310MW程度)を超える。
  • 接続不可の対象2014年8月8日以降に申込みされた再エネ発電設備
    ただし
    • 特定期間の出力調整(発電停止など)
    • 蓄電池の併設による出力調整(昼間の全量充電、夜間の放電)
    のいずれかを行える案件の場合は、個別の相談が可能。
    (しかしこの場合も、追加できる接続容量は、前者が19MW程度・後者が59MW程度)

ちなみに上記5社と九州電力以外の電力会社については、当記事の作成時点で回答保留の発表はされていませんでした。


東北電力と四国電力の回答保留については、つい先日に報道があったのでやはり、という感じですが、北海道電力もほぼ同様の措置を行うことになるとは思いませんでした。

沖縄電力も既に限界に達し、関西電力はまだ一部地域のみに留まるとはいえ、これで日本のかなりの地域で数ヶ月間の回答保留・または接続不可となり、6ヶ月ルールに加えてこの状況となると、産業用太陽光発電の導入拡大には一気に赤信号が点った、と見ざるを得ません。

産業用太陽光発電では、まだ認定分と実稼動分の巨大なギャップがあり、しばらくはその消化需要が見込まれるとはいえ、今回の各電力会社の措置が、対象地域の太陽光発電の販売会社・施工会社に一体どのような影響を及ぼすことになるのかが、非常に懸念されます。

これまでFITで湧いてきた国内の太陽光発電ですが、商用の電力系統に接続して売電する、という事業の前提について、根本的な見直しを唐突に突きつけられたとも感じられます。


※参照・参考資料:
[1]当社への再生可能エネルギー発電設備の系統連系申込みに対する回答保留について(北海道電力)
http://www.hepco.co.jp/info/2014/1189736_1635.html
[2]東北電力系統への再生可能エネルギー発電設備の連系申込み(特別高圧・高圧連系)に対する回答の保留について(東北電力)
http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1188271_1049.html
[3]再生可能エネルギー発電設備に対する契約申込みの取扱いについて(四国電力)
http://www.yonden.co.jp/press/re1409/1186924_2061.html
[4]流通設備建設計画・系統連系制約等について(関西電力)
http://www.kepco.co.jp/business/partner/takusou/06/index.html
[5]沖縄本島における再生可能エネルギーの接続について(沖縄電力)
http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2014/140930.pdf

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この記事へのコメント
いつも有益な情報ありがとうございます。
接続保留の件ですが、各太陽光発電設備には、ブレーカーもあり、パワコンには電圧上昇抑制設定もなされてますから、需要をオーバーすることはないのでは?と思うのですがいかがでしょうか。
Posted by 大宮直明 at 2014年10月02日 05:04
閲覧・コメントありがとうございます。
自分の知識の薄さを痛感しますが、自分なりの考えを書いてみます。

とりあえず

・PVeye誌最新号(10月号)の連系制約に関する記事
・「太陽光発電所ネットワーク」様のレポート(http://www.greenenergy.jp/press_release.html

を読み直してみましたが、パワコンの電圧上昇抑制が、電力系統の電力需給の状況に完全対応して働くものなのか?という点は疑問に感じました。

つまり、もし電力供給が需要を上回った際に、パワコンの電圧上昇抑制(逆潮流の停止)が常に完全に働くのであれば、確かに何の問題もないですが、実際にはそうなってはいないのでは(電力供給が需要を超えても、パワコンの電圧上昇抑制が起こるまで電力系統の電圧が上がらない場合が有り得るのでは)、と推測します。


もう一つ、出力調整用の火力発電は、出力を下げすぎていると急に上げることはできないとのことです。

仮に太陽光発電側の出力調整が完璧になされていたとしても、発電量が急減する日没時には火力発電の出力を一気に上げる必要があり、そのために火力発電は昼間(太陽光発電の出力ピーク時)も一定以上の出力をキープする必要があるので、今回の各電力会社の対応は、その点も考慮しているものと思われます。


あくまで、実務に携わっていない人間の推測なので、念のため。
Posted by 管理人 at 2014年10月03日 00:58
管理人様
お返事ありがとうございます。

そうですね、火力発電も急には出力を上げられませんね。
しかしドイツやスペインでは再生可能エネルギーが20%などと言われているのに、たった2%ちょっとでこれでは情けないですね。ネックの一つの送電網については、今の仕切りでは増強費用は発電事業者負担となっていてなかなか進まないでしょうから、再来年度に予定されている発送電分離を前倒しして、送電部門に公的資金を注入する必要があるかと思います。
Posted by 大宮直明 at 2014年10月04日 03:27
私事ですが学生時代に習った話で、日本の電力の品質(電圧と周波数の安定さ)は世界でトップクラスだが、そのぶん電気料金が高いので、ニーズに応じ、敢えて品質を少し落として料金を下げることも有りなのでは・・・という議論がなされていると聞いた記憶があります。

それはもう十数年前の話ですが、大量の認定設備が果たしていつ稼動するのか(そもそもどれだけが完成まで漕ぎ着けるのか)判らない現状で、今回のような判断を下すところには、電力会社側としては良くも悪くも、電力の品質維持に強力なこだわりを持っていることを、改めて感じるものです。

今回の保留決定は再生エネの導入においては間違いなくブレーキですが、一方では日本国内で、海外事例(下記リンク先)のような目立った大規模停電は(少なくとも私が物心ついてから30数年の間に)一度も起こっていないことも確かです。

・2006年ヨーロッパ、世界の大停電(ナショナルジオグラフィックニュース)
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012090602

とりあえず、電力供給について国民一般の関心をより高める(議論のきっかけと成り得る)という点では、今回の状況には大きな意味があるようにも感じます。

送電網増強への公的資金注入は、私も遅かれ早かれ必要になるものだと考えます。

ただその実行には、政府が日本の電力供給についてどのようなビジョンを持っており(原発の扱いや、再生エネの導入ペース・目標など)、それをどれだけリーダーシップを発揮して実行できるか、ということと深く関わっているように思われます。

原発を以前のように稼動させて主要なベース電源とする、というのであれば、極端な話、再生エネはこれ以上増やさず、送電網も現状のままで良し、ということにもなりかねないと危惧します。
Posted by 管理人 at 2014年10月05日 01:58
訂正です。発送電分離は2018年以降でした。失礼しました。
Posted by 大宮 at 2014年10月07日 19:26
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