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2014年11月25日

日本市場参入企業の2014年7-9月のモジュール出荷量は約2.6GW(前年同期比21%増)、国内向け出荷での海外メーカーシェアは今回も約3割

太陽光発電協会が11月20日に、2014年度第2四半期(2014年7-9月)の太陽電池出荷統計を発表していました[1][2]。

この中からモジュールについて、第1四半期[3]と比較しつつ、特に気になった状況をまとめてみました。


総出荷量は2割増、単結晶型の伸び幅が拡大

第2四半期第1四半期
総出荷量約2567MW(前年同期比21%増)約2008MW(前年同期比21%増)
海外出荷分約180MW(総出荷量の約7%)約126MW(総出荷量の約6%)


シリコン単結晶約952MW(前年同期比40%増)約778MW(前年同期比31%増)
シリコン多結晶約1396MW(同16%増)約975MW(同10%増)
その他約219MW(同3%減)約256MW(同38%増)

総出荷量の伸びは、奇しくも第1四半期と同じでしたが、種類別では意外にも、Q2には単結晶型の伸び率が多結晶型を上回っています。
しかし、出荷量では多結晶型がまだ大幅に上回っており(単結晶の約1.5倍)、多結晶型の優位性が揺らいだと見るのは、早計かもしれません。

海外出荷分は、総出荷量に対する割合はQ1とほぼ同程度(微増)であり、国内向け出荷が殆どを占める状況は、依然変わり無いようです。


「その他」モジュールは不調も、海外向けの割合が増加

好調な結晶シリコン型モジュールと対照的に、「その他」は前年同期比減に転じており、特に国内向け出荷量(約156MW)は同28%の大幅減。
ただし一方で「海外出荷」分は約63MWで、「その他」全体(約219MW)の1/3超に達しており、前四半期(同約1/6)から供給先に変化が生じていることが伺えます。

特に、日本企業の「その他」の海外向け出荷量は前年同期の4倍超、更にそのうち海外生産分は同6倍超。
そして仕向け先別では、欧州向けが前年同期の6.4倍に急増していることから、日本メーカーの海外の薄膜型生産拠点で、欧州市場向けの供給が大幅に増加したことが推測されます。

とはいえ、その(日本メーカーによる)欧州向けの「その他」モジュール出荷量は32MW程度であり、あくまで一時的な(しかも小規模な)需要増に留まっているとも思われます。

また、シャープがスペインでの薄膜モジュール製造の合弁事業から手を引くことを7月に発表していることもあるので、今後は「その他」の海外生産・海外向け出荷量が伸びることは難しいと考えます。


海外メーカー製品

モジュールの国内出荷量について、全体[1]から日本企業[2]を差し引いた数値が、海外メーカー製品の出荷量に当たると考えられるので、計算して表にしてみました。 (※%は前年同期比ではなく、[1]の同項目の数値に対する(=全体の数値に占める)割合)
種類国内生産海外生産国内出荷量
シリコン単結晶2744kW(0.6%)8万1645kW(16.7%)8万4389kW(9.3%)
シリコン多結晶313kW(0.09%)60万8788kW(61.3%)60万9101kW(45.9%)
その他0kW(0%)20kW(100%)20kW(0.01%)
合計3057kW(0.3%)69万0453kW(46.7%)69万3510kW(29%)

全ての種類において、日本国内で生産を行っている海外企業は、ごくごく僅かに留まっていることが伺えます。

種類別では、まず単結晶型は、海外生産品の割合も意外に小さく(2割に満たない)、変換効率が高い単結晶型では、日本メーカーの優位性が大きいことが伺えます。

いっぽう多結晶型は、海外メーカーによる海外生産が6割超にのぼっており、海外メーカーにおける日本向け製品の主流の座は、当面揺るがないように思われます。

「その他」はほぼゼロに近い水準であり、海外メーカーの薄膜型は現状で殆ど日本市場に入っていないことが伺えますが、First Solarは今年7月に日本市場へのCdTe型供給を発表しているので、第3四半期以降には変化が生じる可能性が考えられます。

そして国内向けモジュール出荷量の全体において、海外メーカーが占める割合は約3割。
これは前四半期とほぼ同じ水準であり、海外メーカーのシェア拡大が思うように進まない状況が伺えます。

例えばTrina Solar社は、日本市場でのシェア(OEM含む)を少しづつ伸ばしているものの、日本向け出荷量ではメガソーラー向けが半分以上[4]とのことです。
産業用の多結晶型の供給が現状のメインと見受けられる海外メーカーが、今後シェアを拡大するには、(屋根設置への抵抗感が十分なくなるだけの)ブランドイメージの浸透と改善を進めることが、急務になるのではないでしょうか。


産業用は2割増も、住宅用は微減

  • 住宅用:約529MW(前年同期比2%減)
  • 非住宅:約1857MW(同21%増)
    • 発電事業(売電目的の500kW以上):830MW(同11%増)
    • 一般事業(商業・公共施設の建物、また500kW未満の地上設置も含む):1027MW(同31%増)

用途別では、まず住宅用微減ですが、第1四半期(前年同期比12%減)よりは減少幅が小さくなっており、現在は久しぶりに復調傾向にあるのかもしれません。

いっぽう非住宅は2割増とはいえ、第1四半期(同62%増)より伸び幅が明らかに小さくなっており、FITでの認定分と稼動分のギャップがいまだ巨大である中で、非常に意外です。
電力会社数社が系統接続の回答保留を正式発表したのは10月であり、今回(7-9月期)の出荷統計への影響はほぼ無いと思っていましたが、事前の情報や憶測などがモジュール需要に影響したんでしょうか?


※参照・参考資料:
[1]2014年度第2四半期 日本における太陽電池の出荷量(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h262q.pdf
[2]2014年度第2四半期 日本企業における太陽電池の出荷量(同上)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_co_pv_forward_h262q.pdf
[3]第1四半期の出荷量(同上)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h261q.pdf
[4]太陽電池で世界席巻、中国トリナの対日戦略(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/54043?page=2

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posted by 管理人 at 02:49 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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