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2015年01月20日

第16回「調達価格等算定委員会」の配布資料が公表、システム費用の低下が進むも、産業用では土地確保がネックに

経済産業省が年1月15日に、第16回調達価格等算定委員会」の配布資料を公表していました[1]。

その中から、2014年の太陽光発電のコストに関わる数字を抜き出してみました。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)


住宅用(10kW未満)

  • システム費用の平均値(2014年10-12月):37万円/kW(前年同期から3万9000円ダウン
    新築・既築別では、
    • 新築設置:36万4000円/kW(同6万2000円ダウン
    • 既築設置:40万1000円/kW(同2万5000円ダウン
  • 運転維持費の相場:前年から変動無し
    • 定期点検:1回2万円を、4年ごとに1回以上(20年間で5回)
    • パワコンの交換:20年に1回(20万円)

非住宅(10kW以上)

  • システム費用運転開始済みの平均値、2014年10-12月):
    • 10kW以上50kW未満:32万2000円/kW(前年同期から4万3000円ダウン
    • 50kW以上500kW未満:31万9000円(同4000円ダウン
    • 500kW以上1000kW未満:28万4000円/kW(同1万6000円ダウン
    • 1000kW以上:28万6000円/kW(同1万7000円ダウン
  • 設備利用率(2013年10月〜2014年9月):14.0%(2012年11月〜2013年10月は13.0%)
    うち1000kW以上では15.0%(同13.6%)。
  • 土地造成費(2014年1-3月期〜10-12月期):平均値3600円/kW、中央値0円/kW
    • 平均値は、2014年度の調達価格算定での想定額(4000円/kW)と、大きく変わっていない。
    • 500kW未満ではかからない案件が多い。
  • 接続費用(2014年1-3月期〜10-12月期):平均値6900円/kW、中央値3100円/kW
    • 規模別では、10〜50kW未満(7000円/kW)が最も高い。
    • 2014年度の調達価格算定での想定額(13500円/kW)を大幅に下回る数値。
      ただし今回の数値は、接続保留問題の発生(2014年9月)より前に接続した案件が9割以上を占めているため、今後は上昇が懸念される。
  • 運転維持費(2014年1-3月期〜10-12月期):平均値6000円/kW、中央値3000円/kW
    • 平均値は、一部の高額な案件に引き上げられている。
    • 規模が大きいほど高くなる傾向にある。
    • 2014年度の調達価格算定での想定額は8000円/m2/年。
  • 土地賃貸料(2014年1-3月期〜10-12月期):平均値219円/m2/年、中央値152円/m2/年
    • 平均値は、一部の高額な案件に引き上げられている。
    • 2014年度の調達価格算定での想定額は150円/m2/年。
  • 事業の断念を巡る状況
    • 断念案件と運転開始案件のシステム費用(平均値)の差
      ・10kW以上50kW未満:7000円/kW
      ・50kW以上500kW未満:マイナス2万4000円(※断念案件のほうが低い)
      ・500kW以上1000kW未満:3万8000円/kW
      ・1000kW以上:1万5000円/kW
    • 断念した理由
      費用以外では、「土地の確保・許認可」が283件中165件(58%)。
      更に、土地の確保・許認可が得られなかった要因では、土地所有者と調整がつかなかった案件が164件中99件(60%)。

システム費用は住宅用・非住宅ともに、現在も順調に低下しているようですが、特に小規模設備でコストダウンが著しくなっていることが伺えます。

ただし住宅用では、新築向けの減少幅が既築向けの2倍以上であり、後付けとなる既築住宅の不利さを改めて感じる数字です。

一方で非住宅・50kW以上のシステム費用は、対照的に減り幅がかなり小さいですが、ここ1〜2年の円安が、海外製モジュールの価格にどの程度影響を及ぼしているのか、というのは気になるところです。

また、機器以外の初期費用である土地造成費は横ばい、また接続費用も上昇への転換が懸念されており、既にコストダウンの余地が乏しい印象ですが、他方で稼動開始後の運用においては、設備利用率の上昇と運転維持費の下降から、運営・メンテナンスサービスの品質向上が進んでいることも推測されます。

事業断念を巡るデータでは、一部で断念案件のシステム費用が(稼動が実現した案件より)安くなっていることに驚きますが、それだけ土地の調達が困難になってきている、ということかもしれません。

それに加えて最近では、接続上限の顕在化やFITの制度変更予定(出力抑制の無補償期間の無制限化)といった状況もあり、断念される事業の更なる増加が懸念されます。


※参照資料:
[1]調達価格等算定委員会(第16回)‐配布資料(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/016_haifu.html
[2]資料1 最近の再生可能エネルギー市場の動向について(同上)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/016_01_00.pdf

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