【現在位置】トップページ > 市場・業界の動向:欧米 > 当記事

(スポンサード リンク)

2015年04月08日

米国が「Solar Ready Vets」プログラムで、退役軍人のPV業界への就職を推進

米国のオバマ大統領が2015年4月3日に、「Hill Air Force Base」(ユタ州)で行った演説で

  • 退役軍人の太陽光発電業界への就職を進める訓練プログラム「Solar Ready Vets」について、実施拠点を国内の10基地まで拡大する。
との方針を発表したとのことです[1][2]。

これとDOEのサイト[3][4]から、同プログラムの概要をまとめてみました。


背景

  • 米軍では今後数年間で、最低19万人が退役する見込みである。
    退役軍人が市民生活に戻るうえでは、職を見つけることが最大の課題の一つになっており、その対策として、国防総省(DOD)は「SkillBridge Initiative」に取り組んでいる。
  • 太陽光発電業界は、
    • 累計発電容量:2014年末時点で推定20GW。(2008年(1.2GW)の17倍
    • 雇用
      過去4年間86%増加。
      2014年には、国内の新規雇用78件につき1件が同業界によるものだった。
      また現在では、フルタイムの労働者は17万4000人近くに達している。
    と、米国で最も急成長している産業の一つになっている。
  • これらの状況を受けて、エネルギー省(DOE)と国防総省が共同で、2014年9月に「Solar Ready Vets program」を立ち上げた。
    これは「SunShot Initiative」及び「SkillBridge Initiative」の一環として、軍人が再エネ分野に就職するためのトレーニングを提供するものである。

プログラムの概要

  • 訓練内容
    受講者は
    • 太陽電池パネルのサイズ選定と設置
    • 電力系統への接続
    • 地域の建築基準法の解釈と準拠
    の方法などを学習。
    太陽光発電システムの
    • 設置者
    • 営業担当者
    • システム検査官
    等、PV業界のキャリアの広範囲をカバーする。
  • 指導者
    「Solar Instructor Training Network(SITN)」(SunShot Initiativeの取り組みの一つ)のマスタートレーナーが担当する。
  • 実施場所
    初期は
    • Camp Pendleton(カリフォルニア州)
    • Fort Carson(コロラド州)
    • Naval Station Norfolk(ヴァージニア州)
    • Hill Air Force Base(※2015年秋に開講予定)
    の4拠点でスタートし、今後10拠点まで拡充する予定。
    (※残り6拠点は現在未定で、
    • 退役軍人の人数
    • 周辺地域の太陽光発電市場の強さ
    • SITNの受入れ能力
     を考慮して決定する)
  • 企業の協力
    • Solar City
    • Vivint Solar
    • Sunrun
    • SunEdison
    • SunPower
    等、国内大手のPV関連企業が、就職に向けた卒業生との面接を行うことで同意している。
    (※企業側に卒業生を雇用する義務は無いが、2015年2月の卒業生(最初のクラスの20名)は、全員が就職のオファーを受けた。)
  • 受講対象者:数ヶ月以内に退役予定の軍人。
  • 訓練期間4〜6週間
  • 受講費用:無料。

カリフォルニア州のように日射量が豊富な(=発電電力量が多くなる)地域があること、また導入促進策がFITメインで無い[5]ことが、市場の不安定さを軽減していると推測され、その点で日本が安易に真似ることはできないとは思います。

そして「Solar Ready Vets」自体も、まだ端緒についたばかりですが、それでも世界最大の大国・米国において、太陽光発電産業が、退役軍人の有望な就職先の一つとして認められつつある、ということには驚かされます。

元軍人とPVという組み合わせも一見ユニークですが、例えば日本の自衛隊でも、在任中に多様な資格(溶接や重機の運転など)の取得機会が多いと聞いており、その意味では軍で身につける職業的なスキルと、分散型電源を幅広く設置していくPV産業は、意外に相性が良いのかもしれません。

もう一つ、([1]で言及されている)PV導入が国の「防衛」(エネルギーの安全保障の向上)につながる、という考え方は、First Solar社の日本市場参入時の発表[6]にもあったもので、これは日本も見習うべきだと考えます。


※参照資料:
[1]Solar Ready Vets: Preparing Our Veterans to Join the Growing Solar Workforce(米エネルギー省)
http://energy.gov/articles/solar-ready-vets-preparing-our-veterans-join-growing-solar-workforce-0
[2]米、退役軍人の太陽光発電業界就職を後押し(WSJ)
http://jp.wsj.com/articles/SB12451244521881693796604580561233902428118
[3]Solar Ready Vets(米エネルギー省)
http://energy.gov/eere/sunshot/solar-ready-vets
[4]Frequently Asked Questions About Solar Ready Vets(同上)
http://energy.gov/eere/sunshot/frequently-asked-questions-about-solar-ready-vets
[5]再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の見直しは可能か(国際環境経済研究所)
http://ieei.or.jp/2013/09/special201204036/
[6]First Solar to Invest $100 Million in Japan(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=707290&filekey=61e79562-418a-44c8-99bc-6103adce24e2&filename=First_Solar_to_Invest_in_Japan-_FINAL_JP11122013.pdf

(スポンサード リンク)


posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米
この記事へのコメント
コメントを書く

※SEO目的のコメントはお断りします。

お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。