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2015年05月30日

2014年度通期のシャープの「エネルギーソリューション事業」は、売上高38%減で営業赤字626億円、今後は地域ニーズへの対応で巻き返しを図る

シャープが5月14日に、2014年度通期の業績を発表していました。

今回はその公表資料[1]〜[4]の中から、太陽電池を含む「エネルギーソリューション事業」の状況を、抜き出してまとめてみました。

まず、業績とその背景は下記の通り。


業績

  • 2014年度通期
    • 売上高2708億円(前年度比38.3
    • 営業利益:626億円の赤字(前年同期は324億円の黒字)
  • 四半期ごと
    ※金額の単位は円。
    1Q2Q3Q4Q
    売上高690億739億536億742億
    (前年同期比54.2%減)
    営業利益+1億-4億-16億-607億
    (前年同期は+165億)
    営業利益率+0.3%-0.6%-3.0%-81.8%
    (前年同期は+16.5%)

背景

  • 売上減の減少
    太陽電池の販売減少が響いた。
  • 利益減少の要因
    • 米国太陽光発電182億円の損失
      ※Recurrent Energy社の売却は、同社が手掛ける太陽光発電プラントの開発・販売事業が
       ・開発の初期費用に、多額の資金が必要
       ・収益の変動性が大きい
       ことが理由。
    • 欧州事業(3Sun)の構造改革関連143億円の損失
    • ポリシリコンの長期契約単価差引当587億円の損失
      材料コストの負担が、慢性的な赤字体質につながっている。
    • 堺工場の減損処理92億円の損失
      収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった。

(これまでの業績発表では明示されていた)太陽電池モジュールの販売量は、今回は何処にも全く記載が有りませんでした。

売上高の約4割という減少幅、また国内住宅用PVのシェアトップをパナソニックに奪われた[5]ことを合わせると、モジュールの販売量減少が、相当に深刻であることが想像されます。

これに関することとして、ポリシリコンの不足感が強い時期に結んだ長期契約が、利益の圧迫にかなり尾を引いているようで、単なるモジュール販売だけで大手他社に張り合っていくのは、現状ではもはや無理なのかもしれません。

その状況の打開策だと思いますが、中期経営計画では、全社の事業が5つの社内カンパニーに再編されており、「エネルギーソリューション」もそのカンパニーの一つ。

そして、同カンパニーでは方針として「地域のニーズに合わせたソリューション事業への転換」が掲げられており、地域別の方針は下記の通り。


日本国内

PVと蓄電池をベースに、

  • HEMS
  • エコキュート
  • 省エネ家電
等を、クラウドで繋ぐソリューションを提案していく。


海外

下記のソリューションを展開していく。

  • アジア
    ・EPC事業
    PVディーゼルハイブリッド事業(ディーゼル発電機との組み合わせ)
  • 米国
    ピークカットシステム(需要ピーク時の電力消費を削減)
  • 欧州
    PVサーマルシステム(太陽熱も活用)

そしてこれにより、2017年度時点で

  • 海外事業の比率:3
  • ソリューション事業の比率:5
の達成を目指すとのことです。


ソリューション事業への注力については、ここ1年ほどの業績発表の中で毎回提示されていたものの、具体的な姿(他社とどう違うのか等)は良く見えませんでしたが、今回はかなり興味深い方針が示されたと感じます。

そう言えば米Recurrent Energy社の売却理由となった要因(プロジェクトで多額の初期費用が必要、収益の変動が大きい)は、大規模発電所で先攻するFirst Solar社やSunPower社の業績でも、良く伺えるものです。

個人的にはこれまで、シャープがソリューション事業の強化を掲げながら、Recurrent社を売却したことが腑に落ちませんでした。

しかし、自社グループの強みを生かそうとする今回の中期経営計画の内容を見ると、シャープとしてはRecurrent社の売却により、大規模発電所の分野で(先攻する大手他社と)正面から競争することを避ける選択をしたのでは・・・と感じられます。

自社の得意な分野に集中して活路を見出す、という意味では、屋根設置に注力するパナソニックと、実は同じ姿勢なのかもしれません。

今回示されている地域ごとの展開内容が、実際にどれだけ成功するのかは、勿論まだ判りませんが、日本メーカーの雄の一社であるシャープが、市場への強い対応能力を発揮してしたたかに生き残っていくことを、強く願いたいものです。


※参照資料:
[1]平成27年3月期 決算短信(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4pre.pdf
[3]特別損失の計上に関するお知らせ(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2015/150514-7.pdf
[4]2015〜2017年度中期経営計画(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/event/policy_meeting/pdf/shar150514_1_nt.pdf
[5]シャープの突き放しにかかるパナソニック、まずは太陽電池に新規投資(産経関西)
http://www.sankei.com/west/news/150519/wst1505190012-n1.html

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | メーカー:シャープ
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