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2015年07月01日

環境省が「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分の推進に向けた検討結果」を公表、リユース産業の確立は今後の課題

環境省が2015年6月23日に、再エネ発電設備リサイクル・再利用などに関する検討の結果を、公表していました[1]。

これは、再エネの普及が進むに伴い予想される、廃棄設備の排出量の急拡大に対応するための方向性について、経済産業省と共同で行ってきた検討内容を、まとめたものとのことです。

ここではその中から「太陽光発電設備」について、管理人が特に関心のある「リユース」に関する内容を中心に、抜き出してまとめてみました。


太陽電池モジュールの排出量予想

※寿命を25年とした場合の推計値。

  • 2020年:852トン
  • 2025年:8940トン
  • 2030年:2万8508トン
  • 2035年:6万2830トン
  • 2039年:79万8338トン

使用済み設備の排出ルート

  • 現状では排出量は「太陽光発電設備メーカー」(モジュールメーカー、変電設備メーカー等)からのルートが、最も多いと思われる。(※ただしこのルートでの排出品は、初期不良品が主体)
    一方で、建築解体業者や取り外しを行った施工業者からのルートは、かなり少ないと推察される。
  • ただし将来、設備寿命が到来した場合には、メーカー以外からの排出量が激増すると予想される。

資源価値

太陽電池モジュールの資源価値は、現状では殆ど「」のみで決定されている。


太陽電池モジュールのリユースビジネス

  • 国内向け販売
    • 事業者:ビジネスとして手がけているのは、現状では1社のみ。
    • 調達先
      メーカーの型落ち品(新古品)が多い。
      また、2014年2月の大雪での取替え時に不要となったモジュール(それ自体に支障は無いものの、保険対象であるため総取り替えされた)も、引き合いがあった。
    • 販売先
      研究用途(リサイクルの実証試験、性能評価、自然劣化など)がメイン。
      一般家庭向けのオフグリッドソーラーは、ごく少数。
    • ビジネスの現状
      現状では販売先が無く、今後はその開拓が課題となる。
      またメンテナンス機材の初期費用も
      ・絶縁検査:数万
      ・出力検査:1000万円程度
      ・ELカメラ検査:100〜200円程度
      ・バイパスダイオード検査:数万
      と高く、参入のハードルは高い。
      一方で調達については、現状でも一定量が発生しており、効率化すれば数量の確保は可能。
  • 海外向け販売
    • 事業者:一定規模のビジネスとして行っているのは2社程度。
    • 調達先
      メーカー、工事業者、保険会社、リース・レンタル会社など。
    • 輸出先
      ・バングラディシュ
      ・ミャンマー
      ・ドバイ
      ・マレーシア
      等で、独立電源としての使用が多い。
    • 実績
      最近の2年間で、モジュール8万枚を回収している。
      うち半数程度は、2014年2月の大雪時に排出されたもので、残りは初期不良や施工不良などによるもの。
    • 処理方法
      破損していないモジュールは、中国の系列工場で検査を実施後、リユース品として中国から輸出している。
      (破損により明らかにリユース不可のものは、国内でリサイクルに回す)
  • その他
    • 輸出に関する法令
      環境省は2012年に「使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準」を策定。
      これにより、リユースに不適な設備が、リユースを名目に輸出・処分されることを防止している。
      太陽光発電設備は、同基準では明示されていないが、輸出時にはこれに従うことが望ましいと考えられる。
    • メンテナンス向けの可能性
      今後急増が予想されるメンテナンスでの機器交換において、リユース品のニーズが発生する可能性がある。
      また部品によっては、メーカー・型番等の管理が必要と考えられる

現在のモジュール排出量は不明ですが、今回示されている予想値では、2020年からの20年間で実に1000倍近くにも膨らんでいます。

太陽光発電の急速な導入拡大、そして(電源としての役割を安定的に担うために)導入量の維持も必要になると考えれば、(モジュール以外も含めて)使用済み設備の効率的な処理方法の確立は、確かに必須だと思われます。

ただ、廃棄モジュールを販売製品として再生し流通させる場合には、リユース品の性能がどの程度か(例えば発電能力が、新品時の定格出力の何割相当なのか)というのを、判りやすく明示する必要があると思われ、そのために検査方法の低コスト化や高効率化を進めること、また性能表記の基準を確立することも、今後の必須課題になるものと考えます。

また今回の排出量予想値では、リユース可能なモジュールと不可なモジュールの割合がどの程度になるのか、という予想は示されていません。

リユースするにしろリサイクルするにしろ、事業者側の調達量見通しという点では甚だ不透明ですが、これは実際に大量排出が現実化したときでないと、(需要側の状況を含めて)見通しが立たないということなのかもしれません。

使用済み設備の大量排出は、まだ当面先のことであり、現状では不確定な部分も大きいと思われますが、再エネの導入・利用拡大に伴い、廃棄設備の処理方法にも本腰を入れて取り組む必要があることは、意識しておくべきだと考えます。

個人的には独立電源のDIY用に、若干性能が落ちたモジュールが安価で手軽に入手できる時代が来ることを、強く期待したいものです。


※参照資料:
[1]太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分の推進に向けた検討結果について(お知らせ)(環境省)
http://www.env.go.jp/press/101130.html

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)
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