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2015年08月17日

JA Solar社の2015年2Qは、中国需要の強さに支えられた

JA Solar社が8月10日に、2015年第2四半期(2015/4-6の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、幾つかの項目について、前四半期[2]のデータと合わせて見てみました。


業績と背景

※カッコ内は前年同期比。
また2014年については、逆算が簡単な粗利益率だけを記載しました。

売上高粗利益率営業利益
2014/1-316.7%
2014/4-615.2%
2014/10-1215.5%
2015/1-33億8770万ドル(+5.6%)16.1%2414万ドル
2015/4-64億3679万ドル(+11.8%)16.4%2518万ドル
  • 出荷量
    幾つかのキー市場で需要が強かったことが、事前の予想を上回る出荷量につながった。
    特に今回は、中国需要に依るところが大きく、同国については、下半期も産業用での強い需要の継続を期待している。
  • 生産能力の増強
    マレーシアでは、新しいセル工場の設立に向けた取組みを続けている。
  • 今後の展開
    現在は、新興市場での展開(特にインドと米州)に注力している。
    • 市場シェアの拡大
    • 下流事業でのプロジェクトの開発継続
    は、今後の数四半期の間、成長の主要な原動力になると見込まれる。

売上高は、前四半期比・前年同期比ともに1割以上伸びていますが、中国経済には不安材料が少なくない(成長スピードの減速、公共投資の停滞、最近起こった株価の暴落など)だけに、中国需要に支えられたままでは、リスクが大きいと考えざるを得ません。

また日本市場も、FITの制度変更などで今後の需要拡大は考え難いだけに、他市場(新興市場)での需要獲得は、喫緊で最重要の課題なのかもしれません。

粗利益率は、モジュールの価格競争が激しい中にも関わらず、少しづつ向上が続いており、生産コスト削減の努力が推測されます。

一つ気になるのは、マレーシアでのセル工場新設ですが、同国では中国メーカーに対する目が厳しくなっている節があるだけに、モジュールではなくセルの生産拠点とはいえ、新設には時間がかかる可能性があると考えます。


出荷量(合計と製品別)

まずは、合計と製品別の出荷量です。
※単位はMW。また、数値は1MW未満を四捨五入しています。

合計
(モジュール+セル)
内訳
モジュールセル
2014/1-3638388250
2014/4-6682446236
2014/10-1295388073
2015/1-368258497
2015/4-679171773

[1][2]の掲載数字のみを抜き出したため、2014/7-9のデータは記載していません。

そのため、セル出荷量がどの四半期に激減に転じたかは不明ですが、2014年12月には米商務省が中国製・台湾製の結晶シリコン太陽電池における、ダンピング幅・補助金幅の最終調査結果を発表しており、これを前にして何らかの大きな動きが起こったものと推測します。

いっぽうでモジュール出荷量は、四半期ごとにほぼ順調に増加しており、大手中国メーカーの一社として高い競争力を維持・向上していることが感じられるものです。


出荷量(地域別)

※数値の単位はMWで、一部(著しく小さい場合)を除き、1MW未満を四捨五入しています。
またカッコ内は、合計出荷量に占める割合です。

中国アジア太平洋
(中国除く)
欧州米州その他
2014/1-3166(26.0%)337(52.8%)94(14.8%)26(4.1%)15(2.3%)
2014/4-6177(26.0%)321(47.1%)95(13.9%)76(11.2%)12(1.8%)
2014/10-12391(41.0%)355(37.3%)122(12.8%)42(4.4%)43(4.5%)
2015/1-3146(21.4%)368(53.9%)154(22.6%)6.8(1.0%)7.5(1.1%)
2015/4-6358(45.3%)252(31.9%)117(14.8%)4.7(0.6%)59(7.4%)

業績発表で記載されているのは各地域の割合(%)だけだったので、ここでは見通しを良くするべく、管理人が具体的な出荷量の数字(MW)に換算しました。

先述の通り2014年3Qは不明ですが、少なくとも同年4Qには中国向けが一気に伸びており、下半期に中国需要が急激に拡大したことが伺えます。

ただしその後、2015年に入ってからは出荷量は増えておらず、今後の(維持はともかくとして)成長の余地という点では、中国市場には思ったほど期待できない雰囲気もあるので、その点でもやはり、他の新興市場が重視されていることには納得が行きます。

ちなみに2015年1Qについては、春節(旧正月)[3]を含む期間であり、これが中国での需要減の季節的要因になっていると推測されます。

中国以外の「アジア太平洋」は、今回(2015年2Q)は以前より30%程度(100MW前後)も減少。

この地域では日本が主要市場だと思われますが、一メーカーでの出荷量減少とはいえ、4月に伸び幅が拡大した日本国内のPV導入量に、今後どう影響してくるのか、というのはちょっと気になるところです。

成長市場であるはずの米州向けは、今年に入り激減していますが、これはやはり、米国でのアンチダンピング税・相殺関税が大きく響いているものと推測します。

欧州向けは増減はあるものの、一定の規模(100MW前後)をキープしており、主要市場の一つとして存在感は失われていないことが伺えます。

今後についてはやはり、中国需要が好調なうちに、同市場への依存をどれだけ縮小できるか(=他の市場の開拓)が、最も重要な課題になるものと考えます。


※参照資料:
[1]JA Solar Announces Second Quarter 2015 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2078667
[2]JA Solar Announces First Quarter 2015 Results(同上)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2048979
[3]春節(ウィキペディア)

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー
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