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2015年12月08日

Trina Solar社の2015年3Qはモジュール出荷量が約1.7GW、営業利益はSolyndra社との和解費用(4500万ドル)で大幅減

Trina Solar社が11月23日に、20153Q2015/7-9)の業績を発表していました[1]。

その中から今回も、主な項目について、過去の数字(前回記事でまとめたもの)と合わせて表にしてみました。


業績

※1万ドル未満は四捨五入。
 またカッコ内は前年同期比。

売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
2013 1Q(1-3月)2億6022万ドル1.7%548万ドル4007万ドルの赤字
2Q(4-6月)4億4073万ドル11.6%409万ドル2386万ドルの赤字
3Q(7-9月)5億4839万ドル15.2%436万ドル603万ドル
4Q(10-12月)5億2564万ドル15.1%601万ドル1981万ドル
2014 1Q(1-3月)4億4481万ドル20.6%477万ドル3825万ドル
2Q(4-6月)5億1943万ドル15.4%515万ドル1570万ドル
3Q(7-9月)6億1680万ドル16.7%548万ドル3560万ドル
4Q(10-12月)7億504万ドル15.7%686万ドル3051万ドル
2015 1Q(1-3月)5億5809万ドル18.0%768万ドル2915万ドル
2Q(4-6月)7億2290万ドル
(39.2%増)
20.0%801万ドル6070万ドル
(286.5%増)
3Q(7-9月)7億9260万ドル
(28.5%増)
17.4%717万ドル580万ドル

売上高は2Qから更に伸びて、8億ドルに届かんとする規模であり、販売の際立った好調さが感じられます。

粗利益率の(前四半期からの)低下や、営業利益の急減などについては、後の項目(3Qの背景)で見ることにします。


モジュール出荷量

※カッコ内は前年同期比。

総出荷量出荷先
外部顧客自社の
下流事業
2013 1Q(1-3月)392.6MW
2Q(4-6月)646.6MW
4Q(10-12月)770.1MW
2014 1Q(1-3月)558.0MW534.2MW23.8MW
2Q(4-6月)943.3MW794.6MW148.7MW
3Q(7-9月)1063.8MW936.8MW127.0MW
4Q(10-12月)1098.8MW1070.5MW28.3MW
2015 1Q(1-3月)1026.2MW891.7MW134.5MW
2Q(4-6月)1231.6MW1000.7MW230.9MW
3Q(7-9月)1703.2MW
(60.1%増)
1353.2MW350.0MW
  • 中国・米国向けの出荷量は、記録を更新した。
  • 新規・新興市場(タイ、インド等)は、過去2四半期に渡り、第三の出荷目的地となっている。
  • 創業以来の累積出荷量は、15GWを超えた。

3Qのモジュール出荷量は1.7GWを超えており、1四半期(3ヶ月間)のみでこの規模に達していることには驚きました。

出荷先別でも、外部顧客向け・自社下流事業向けの両方が大きく伸びており、総じてモジュール需要が旺盛だったことが伺えます。


2015/3Qの背景

  • 売上高とモジュール出荷量の増加
    前年同期比・前四半期比での大幅な伸びは、大部分が
    • 中国
    • 米国
    • 新興市場
    の需要成長による。
  • 粗利益率
    前四半期比での低下は、
    • 主要市場の大部分における、平均販売価格の低下(自社での生産コスト低減のスピードを上回った)
    • 販売地域構成の変化(中国や新興市場(インド等)向けが拡大)
    が主因。
    いっぽう前年同期比での上昇は、
    • 規模の経済の拡大
    • 運用効率の向上
    により、生産コストの低下(素材コストと人件費を低減)が、平均販売価格の上昇ペースを上回ったことが主因だった。
  • 売電事業
    下流事業の売電による売上高は、1350万ドル。
    また、粗利益率は66.9%。
  • 研究開発
    • p型多結晶シリコンセルで、変換効率21.3%を達成
    • HJ(多接合)シリコンセルで、研究所での変換効率22.0%を達成
    • 高温・乾燥地域向けの「Desert Double Glass」モジュールの製品化(2015年末までには量産の準備が整う予定)
    等の成果を得ている。
  • 営業利益
    今回は、米Solyndra社による訴訟(Solyndra settlement provision)における支払い額4500万ドルが、営業費用に加わっている。
    (※Solyndra社は2012年10月に、中国の太陽電池パネルメーカー(Trina社含む)を相手に、反トラスト等の訴訟を起こしていた。
     Trina社は2015年11月17日に、この件についてSolyndra社と和解し、同年末までに計4500万ドルを支払うことで合意している。)

前四半期(2Q)比では、モジュール出荷量の伸び(約4割増)に対し、売上高の伸び(約1割増)は明らかに小さいですが、粗利益率の低下と合わせて、販売価格が低い中国や新興国への出荷割合が増えたため、ということのようです。

Trina社は新興国市場を新たな主要市場と捉え、拡販に注力しているとのことなので、今後も出荷量が伸びる一方で、この傾向(売上の伸びの鈍化、粗利益率の低下)は続くものと予想します。

その中で、自社保有の太陽光発電設備による売電事業は、利益率こそ驚異的であるものの、売上高に占める割合は1/60程度であり、設備の保有規模が急速に伸びているとはいえ、業績を支える重要部門になるには、まだ程遠いと思われます。

R&Dの費用は、売上高の1%前後で推移していますが、今回挙げられている成果の例を見ると、競争力アップに確実な効果をもたらしていると感じられます。

もうひとつ見逃せないのが営業利益の急減ですが、その要因として、4年前(2011年)に経営破綻したSolyndra社の名前を見ることになるとは、全く思いもしませんでした。

その破綻発表時には「中国メーカーが手厚い政府補助を受けている」との指摘があり、これが後の反ダンピング関税・相殺関税の適用にもつながったものと思われますが、それから数年が経過した現在でも中国大手メーカーが高い競争力を維持していることについて、米国政府や同国PV産業がどう考えているのか、というのは非常に気になるところです。


下流事業

当該四半期
に系統連係
内訳
分散型(DG)大規模発電所(utility)
2015 1Q(1-3月)55MW
2Q(4-6月)121.3MW(全て中国)31.3MW90MW
3Q(7-9月)251.9MW(全て中国)213.0MW38.9MW
  • 自社保有のプロジェクトは、計610.4MWに到達。
    その内訳は、
    中国:588.2MW(utilityが513.0MW、DGが75.2MW)
    米国:4.2MW
    欧州:18.0MW

3Qの量は2Qの2倍以上に達しており、1Q以降に、保有プロジェクトの完成が加速していることが伺えます。

売電事業は66.9%という驚異的な粗利益率を叩き出しているだけに、今後しばらくは、この増加の勢いが続くと予想します。

ただし地域別では、現状あくまで自国内が殆どであり、他地域でも同様の利益率を得られるのか、というのは疑問です。


太陽電池モジュールの生産能力

生産能力
2014 3月末時点約3.0GW
6月末時点約3.6GW
9月末時点約3.6GW
2015 3月末時点約4.0GW
6月末時点約4.4GW
9月末時点約4.7GW

今年は四半期ごとのモジュール出荷量が急激に伸びており、1Q時には年産4GWで十分と思われた生産能力も、もはや完全に不足になりつつあると思われます。

ただ数年前には、中国メーカーの過剰な生産能力が、大幅な供給過剰(そして長期に渡る赤字)を引き起こしただけに、当時の教訓を生かして、Trina社が今回の状況にどう対応するのか(自社の生産能力を増強するのか、OEM調達を拡大するのか)、というのは強く関心を引かれるところです。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces Third Quarter 2015 Results(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2114607

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 中国メーカー
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