住友商事などが2016年5月下旬に、福島県・南相馬市における大規模メガソーラー事業の計画を発表していました[1]〜[3]。
事業の概要は次の通り。
- 建設場所:南相馬市の右田・海老地区と真野地区
市が所有する、東日本大震災の被災地(約110ha)に建設する。 - 発電容量:59.9MW
- 発電電力の用途:
FITにより、小売電気事業者に供給する。 - 総事業費:約220億円
- 企業の担当:
- 事業会社:ソーラーパワー南相馬・鹿島株式会社
- 出資:住友商事
- プロジェクトファイナンスの組成:みずほ銀行
- EPC:東芝、大成建設
※大成建設は架台基礎向けの簡易斜杭基礎工法(T-Root工法)を開発済みであり、工期短縮・コスト縮減を図る。
- スケジュール:
- 2016年5月:着工
- 2018年3月:商業運転開始の予定
最近は4月以降だけでも
と、10MW超のメガソーラーの着工や事業計画の発表が相次いでいますが、これまで大量に積み重なってきたFITの認定分の消化が、2016年に入って本格化しているということであれば、非常に好ましいことだと思います。また昨年(2015年)の夏には、太陽光発電が供給予備率アップに寄与した可能性が見受けられたので、現在建設が進むこのような大規模発電所が完成・稼動することで、国内の電力需給に更に余裕を産み出せるか、という点も非常に楽しみです。
ただ、上記プロジェクトの事業費用(※明記があるもののみ)を見ると
- 石川県での27MW:100億円
- 静岡県での計20MW:総額約79億円
- 北海道千歳での28MW:1130億ウォン(約109億円)
- 今回の南相馬市での59.9MW:約220億円
と、いずれもかつての目安だった1MWあたり3億円を、明らかに上回っています。
「T-Root工法」の開発のように、太陽光発電所の初期コストは、年月の経過(技術の進歩、製品価格の低下)とともに下がっていくものとばかり思っていたので、それに反して大規模事業での事業費用が下がっていない理由は、非常に気になるところです。
- [1]南相馬市における太陽光発電事業について(住友商事)
- http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=29341?tc=bx
- [2]同上(東芝)
- http://www.toshiba.co.jp/about/press/2016_05/pr_j2001.htm
- [3]同上(大成建設)
- http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2016/1439213825886.html
- [4]簡易斜杭基礎『T-Root』を開発(同上)
- http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2015/1424245636098.html
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