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2017年02月27日

アスクルの倉庫火災の長期化は屋上の太陽電池モジュールが一因、感電の危険性で放水の妨げに

通販企業「アスクル」の倉庫火災についての記事[1](2017/2/20付)の中で、

  • 屋上に設置された太陽電池モジュールが、消防活動が長期化する一因になっている。
との旨が報じられていました。

まずその記事から、火災の概要を抜き出してみました。


建物

場所 埼玉県内
階数 3階建
延べ床面積 約7万2000m2
構造、保管品
  • 1階:トラックの商品積み込みスペース、通用口
  • 2階・3階:商品の大部分を保管
    ※商品の種類は約7万種類(コピー用紙、文房具など)。

消防活動の経緯(※2/20まで)

2月16日
  • 午前中に通報があり、消防が火災を覚知。
    出火場所は1階の段ボール
  • 消火活動の開始後、早い段階で、1階・2階の天井の一部が崩壊。
    火が建物全体に燃え広がった。
    更に、屋上の太陽電池モジュールにも引火した。
2月17日 2階・3階に窓が殆ど無いため、重機により穴を開け、内部への放水を開始。
2月18日 夜には一旦、2階の火を消化できた。
2月19日 日付が変わった直後に、3階で爆発が2回発生。
(スプレー缶に引火したとみられる)
これにより、火が再び強まった。
2月20日時点 約4万5000m2(全体の6割以上)が焼けた。
ただ、火は徐々に収まっているようで、消防隊員が様子を確認しつつ内部に進入し、消火活動を行っている。

※その後24日時点で、まだ完全な鎮火に至っていない[3]。


消火活動が長期化した理由

  • 放水が困難
    • が2階・3階に殆ど無く、外からの放水が難しい。
    • 屋上に太陽電池モジュールがあり、水をかけると消防隊員が感電する危険性がある。
      このため、屋上に直接放水することができなかった。
  • 建物内部の高温化
    内部の温度は、一時500度に達した。
    この熱で壁の歪み等が起き、倒壊の危険性が生じたため、慎重に活動する必要があった。

私が見た新聞記事では、倉庫上空からの写真が掲載されており、穴が開いて大きく歪んだ屋上に、確かに太陽電池モジュールらしきものが並んでいましたが、我ながら能天気なことに、実際に放水の妨げになっていたとは夢にも思いませんでした。

消防活動における感電の危険性は、産業用の施設(倉庫など)だけでなく、住宅の屋根設置においても、変わらないことなのではないでしょうか。

2011年のFIT導入以降、国内で太陽光発電の導入が飛躍的に進んだことから、設備規模の大小はともかく、今後も同様の問題(火災時に消防活動の障害になること)は、幾つも起こってくるものと予想します。

そのため、まず既存設備で安全に消火活動が出来る手段・方策(モジュール表面を何かで覆いつくし、発電を停止させる等)を、早急に確立・普及する必要があると考えます。

また、今後屋根に設置する設備においては(特に今回のような規模の建物では)、モジュール各々が非常時に出力を停止できる機能(例えばTigo Energy社の「TS4プラットフォーム」)を付加することを、義務付ける必要があるのかもしれません。

個人的にそのような方策は、屋根設置設備だけでなく、津波の到来が予想される場所の野立て設備にも必要と考えますが、とにかく太陽電池モジュールの価格低下が進む中で、災害時にモジュールを取り扱わざるを得ない人間の安全を確保することも、十分に考慮する必要があるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]アスクル倉庫火災 再び爆発 消火活動難航 鎮火めど立たず(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170220/k10010883451000.html
[2]アスクルの倉庫火災と、太陽光発電システムにおける災害リスク(ブロゴス)
http://lite.blogos.com/article/211311/
[3]アスクル火災、3階でまだ炎…残り火に放水続行(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170224-OYT1T50203.html
[4]月刊「Solvisto」誌 2014年4月号30-32p「日本太陽エネルギー学会 『太陽光発電システムの火災リスク』セミナー開催」

※関連記事:

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | その他
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