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2017年06月06日

2016年度4Qの日本における太陽電池モジュール出荷量は約1959MW(前年同期比9%減)、「住宅」向けの日本企業シェアは75%に低下

太陽光発電協会が2017年5月24日に、

  • 2016年度4Q2017/1-3)の太陽電池出荷量
を発表していました[1]。

今回は「太陽電池モジュール」の出荷量の中から、気になった項目・数字を抜き出してみました。

※出荷量の四捨五入や、一部数値の計算は、当ブログ管理人による。


<モジュール出荷量>

※カッコ内は前年同期比。

総出荷量出荷先別
国内海外
全体 1959MW(9%)1869MW(6%)90MW(50%)
日本企業出荷量 1181MW(19%)1095MW(14%)87MW(52%)
シェア60.3%58.6%96.3%

総出荷量の減少幅は、「全体」(9%減)に比べて「日本企業」(19%減)のほうが10ポイントも大きくなっています。

「国内」向けもほぼ同様の数字であり、日本メーカーの出荷量減少が、海外メーカーより顕著であることが伺えます。

また「海外」向け出荷(※殆ど日本企業による輸出)は、実に前年の1/2にまで減少している点も、目を引きます。

その正確な原因は不明ですが、

により、日本メーカーが大きく販売量を減らしたか、または割に合わない海外市場から手を引きつつあるのでは、と想像します。


<用途別の出荷量>

※カッコ内は前年同期比。

住宅非住宅 非住宅の内訳その他
(電卓、時計、
街灯など
「電力応用商品」)
発電事業
(500kW以上)
一般事業
(500kW未満)
全体 333MW
(9%)
1536MW
(3%)
1061MW
(4%)
475MW
(増減無し)
0.2MW
(99%)
日本企業出荷量 253MW
(15%)
842MW
(14%)
465MW
(23%)
377MW
(2%)
0.2MW
(249%)
シェア76.0%54.8%43.8%79.4%99.5%

まず「住宅」では、日本企業のシェアが、とうとう80%未満に。

当ブログでこれまでチェックしてきた範囲(2014年度1Q〜2016年度2Q)では、日本企業の「住宅」向けでのシェアは、常に90%前後だったので、海外メーカーが着実にシェアを拡大してきていることが伺えます。

「住宅」全体の出荷量が約1割も減った(=市場の縮小が続く)いっぽうで、更にシェアまで落としつつあるとなると、同分野で強みを持っていた筈の日本メーカーは(幾らか利益改善の傾向が出ていたものの)今後ますます苦しくなっていくのでは、と懸念が募ります。


いっぽう「非住宅」は、全体の出荷量は3%減に留まっており、これはFIT認定分の消化が、まだ進んでいることによると思われます。

その中で日本企業は、やはり規模の大きい「発電事業」では出荷量を落としています。

しかし「一般事業」では微増であり、またシェアも8割近くまで上昇と、意外な堅調さです。

この点は、設置面積が小さい「住宅」で培ってきた国内メーカーの強みが、優位性につながっているものと想像します。

この「一般事業」での日本企業の出荷量は、「住宅」を上回っており、当面は「住宅」での退潮を補い、日本メーカーの業績を支えるカテゴリとなるのかもしれません。


また「その他」は、全体の出荷量が99%も減った一方で、日本企業のシェアがほぼ100%に達しており、2016年度4Qには海外メーカー製品が殆ど入ってこなかったことが伺えます。

ここで何が起こっていたのかは、非常に気になるところです。


<日本企業のモジュール輸出先>

地域出荷量(前年同期比)
北米4.5MW(78%)
欧州17.3MW(60%)
その他8.2MW(77%)
合計30MW(76%)
※「国内生産」の「海外出荷」
と同じ数字。

輸出では、全ての地域が大きく減少。

やはり、特に昨年来の急激な価格下落が、海外市場での日本メーカーの販売減少や撤退(?)につながっているのではないでしょうか。


<日本企業による「その他」モジュールの出荷量>

※カッコ内は前年同期比。

総出荷量出荷先別
国内海外
約142MW(42%)約123MW(9%)約19MW(82%)

最後は実のところ、ソーラーフロンティア社のCISモジュールの出荷状況を推測するために、抜き出したものです。

同社については今年2月に、国内市場に注力する方針への転換が報じられており[2]、実際に国内住宅向けの戦略商品「SmaCIS」の展開も始まっています。

そして本項「その他」モジュールの「海外」向け出荷量は、前年同期比で8割以上も減っており、これはソーラーフロンティア社の方針転換が強く反映されているのでは、と推測するものです。

ただし現在は、(先述の通り)国内住宅向けの市場自体で縮小が顕著であり、それに伴ってか、本項の「国内」向けも1割近くのマイナスです。

かなり苦しい状況だとは思いますが、主流モジュール(結晶シリコン型)と異なる製品を手がけ、国内メーカーとしては積極的な事業展開が目立ってきたソーラーフロンティア社が、果たしてどう盛り返し得るかというのは、強く興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]日本における太陽電池出荷量2016年度第4四半期(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h284q.pdf
[2]昭和シェル石油 太陽電池、国内販売に特化(化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/02/21-28278.html

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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