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2017年06月29日

NEDOが太陽光発電のBOSコスト低減・システム効率向上のため、新たな研究開発テーマ4つを採択、住宅の建材一体型や非住宅の壁面設置など

NEDO2017年6月26日に、

  • 太陽光発電における
    • BOSコスト(太陽電池モジュール以外の初期コスト)の低減
    • システム効率向上(発電量を増加させる)
    を目的とした、計4テーマの研究開発を実施する。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


<背景>

  • 太陽光発電のコストの更なる低減が求められている中で、経産省の「調達価格等算定委員会」は
    • 2019年度(平成31年度)の10kW未満(住宅用):
      ・調達価格の目標:24円/kWh
      ・上記の実現に必要なシステム価格の想定値30.8万円/kW(2016年12月に提示)
    等の目標数値を示している。
  • NEDOは、5年計画(2014〜2018年)で「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」を進めている。
    その中で、上記の目標値を追加した公募を行った結果、今回の4テーマを採択した。

<研究開発のテーマ・内容など>

実施期間は2年。

  • BOSコストの低減
    下記のシステム価格を実現する技術を開発する。
    • 住宅用(10kW未満):2019年に30.8万円/kW以下
    • 非住宅用(10kW以上):2020年に20.0万円/kW以下
    テーマ内容委託先
    長寿命モジュール対応の低コスト太陽光発電システムの開発、実証 住宅屋根設置用の建材一体型を志向した、長寿命モジュールを開発する。
    そしてこのモジュール向けに、低コストの架台施工技術を開発する。
    三洋電機
    新建材一体型モジュール+高耐久化によるBOSコストの削減 記載無し カネカ社

  • システム効率の向上(発電量の増加)
    現状のBOSコストで、システム全体の発電量10%以上アップする技術を開発する。
    テーマ内容委託先
    内部反射型効率向上・規格化壁面設置太陽光発電システムの開発 壁面設置型垂直設置、両面発電)のモジュール向けに
    • 太陽光の効果的な入射
    • 建築物の内外壁面への、低コストでの設置
    を可能にする工法を開発する。
    カネカ社
    多雪地域用非常電源機能付き太陽光発電システムの高効率化・低コスト化 記載無し 「公害技術センター」社


「三洋電機」の名前にはちょっと驚きましたが、検索してみたところ、金属のプレス加工などを手がけている同名の企業様[3]がありました。

そのため流石に委託先は、パナソニックに吸収された(HIT型太陽電池を手がけていた)三洋電機のほうではないと思われます。

もっとも[3]の企業様は、主事業が自動車向け部品の製作などであり、今回の委託先かどうかは確認していません。

しかし保有技術の点では、太陽電池モジュール用架台の開発・製造とも、適合するように見受けられます。


また「公害技術センター」様のサイト[4]もありましたが、同社が今回の委託先企業と同じかどうかは、やはり未確認です。

ただ[4]の企業の本社・支店は、降雪地域である長野県内であり、また環境関連の事業を手がけておられることから、こちらも「多雪地域用」太陽光発電というテーマとは、合っているように感じます。


それはひとまず置いて、「BOSコスト低減」のシステム価格の目標値と、昨年度・今年度のシステム価格(調達価格等算定委員会の発表資料[2]内)を照らし合わせると

住宅用
(10kW未満)
非住宅用
(10kW以上)
2016年度35.3万円/kW25.1万円/kW
2017年度33.6万円/kW24.4万円/kW
2019年度
の目標値
30.8万円/kW
以下
2020年度
の目標値
20.0万円/kW
以下
となります。

住宅用は(2016年度・2017年度比で)約3万〜4万円/kWのダウン、非住宅は4〜5万円のダウンであり、これはかなり大きな引き下げ目標という印象です。

しかし今回の研究テーマは、

  • 建材一体型の住宅屋根設置
  • 非住宅の壁面・垂直設置
  • 多雪地域向けの非常電源付き
と、適用範囲がかなり限られており、これで上記のコスト引き下げ幅を実現できるものなのか、個人的には疑問を抱きます。


また今回は、(個人的に最も関心がある)既築住宅への導入コスト引き下げの取組みが、全く入っていないのは残念でした。

もっともNEDOは以前から、太陽光発電の進歩に向けた取組みを幅広く手がけており(関連記事)、今回の新テーマもあくまでその大きな流れの一部、ということだとは思われます。


※参照資料:
[1]太陽光発電コストのさらなる削減を目指す研究開発4テーマを新たに開始(NEDO、2017/6/26発表)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100785.html
[2]調達価格等算定委員会(第28回)‐配布資料(経産省、2016年12月13日更新)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/028_haifu.html
[3]技術と製品(三洋電機)
http://www.sanyo-dss.co.jp/page4.html
[4]株式会社公害技術センター
http://www.kotec.jp/index.html

※関連記事:

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 研究・開発の動向
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