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2018年05月14日

米カリフォルニア州で2020年から新築住宅への太陽光発電設置が義務化、他の要件とともに初期費用は9500ドル増加も、エネルギー費用などは30年間で計1万9000ドル削減の見込み

米カリフォルニア州の「California Energy Commission(CEC)」が2018年5月9日に、

  • 2020から州内の新築住宅への太陽光発電設置を義務化する、新しい建築基準「2019 Building Energy Efficiency Standards」を採択した。
と発表していました[1]。

今回は他の資料[2][3]と合わせて、上記の義務化が含まれる「residential(住宅)」向けの建築基準の概要を、まとめてみました。


特徴
  • 米国で初めて、太陽光発電システムの設置を要件に入れた。
  • 家庭の電力網からの電力需要を縮小し、エネルギー料金とCO2排出量を削減できる。
  • 温室効果ガスの削減と、建設コストの上昇抑制の、バランスをとるよう配慮した。
要件(※オプション含む)
  • 太陽光発電システムの設置
    • スマートインバーター
    • 蓄電池(※オプション)
    を含む。
  • デマンドレスポンス(※オプション)
    • ピークシフト用の蓄電池
    • ヒートポンプの給湯器
    を奨励する。
  • 建物の外装
    屋根裏・壁・窓の断熱材を強化し、快適性とエネルギー節約を改善する。(夏は熱を逃がし、冬は暖気を保つ)
  • 換気設備
    • 住宅外や調理からの有害粒子を捕らえる、高効率フィルター
    • 改善されたキッチン換気システム
    を使用可能にすることで、住宅の内外に空気を流しつつ、アレルゲンや他の粒子を濾過する。
住宅購入者のコスト CECによる推計値。
  • 初期費用:約9500ドルの増加
  • エネルギーとメンテナンスの費用:30年以上で計1万9000ドルの節約
また30年の住宅ローンをベースにすると、
  • 増加:約40ドル/月
  • 減少:約80ドル/月(冷暖房費、照明料金の削減)
の見込み。
エネルギーの削減効果 2016年基準の住宅と比べて、53%削減できる見込み。
適用開始日 2020年1月1日


カリフォルニア州は、1990年代での電気自動車の導入政策開始[5]など、以前から先陣を切って環境政策を進めており、その点では、今回の新築住宅における住宅用PVの義務化も、それほど驚きはしませんでした。

とは言え、高額な設備であったはずの太陽光発電導入が(事業者ではなく)一般消費者向けでいよいよ義務化されること、しかも長期的なコストメリットも明記していることには、やはり時代と状況の急速な変化を、強く感じます。

例えば太陽電池パネルの価格は、世界的に直近の8年間で80%も下落した[4]とのことであり、このような初期コストの急速な低下が、今回の住宅向け義務化が実現された、最大の要因だと考えます。

その意味では、賛否両論を巻き起こしてきた日本のFITも、コストダウン推進への貢献という点で、今回のカリフォルニア州の決定に(間接的に)寄与したのではないでしょうか。


またカリフォルニア州では、「net energy metering(NEM)」ルールで、一般住宅から生じた余剰電力は小売料金より大幅に安く買い取るよう定めており、これにより住宅用PVによる電力網への影響の抑制が見込まれる(住宅内での自家消費を促す)[2]、とのこと。

この点は非常に興味深く、電力網への接続限界が強調される日本でも、参考にできるところがあるのでは、と考えます。


※参照・参考資料:
[1]Energy Commission Adopts Standards Requiring Solar Systems for New Homes, First in Nation (California Energy Commission、2018/5/9)
http://www.energy.ca.gov/releases/2018_releases/2018-05-09_building_standards_adopted_nr.html
[2]frequently asked questions(上記ページから参照可能)
http://www.energy.ca.gov/title24/2019standards/documents/2018_Title_24_2019_Building_Standards_FAQ.pdf
[3]infographics for residential(同上)
http://www.energy.ca.gov/title24/2019standards/documents/2018_Title_24_2019_Residential_Standards.pdf
[4]Supporters React to Adoption of 2019 Building Energy Efficiency Standards Requiring Solar in New Homes(CECの公式ブログ、2018/5/9)
http://calenergycommission.blogspot.jp/2018/05/supporters-react-to-adoption-of-2019.html
[5]誰が電気自動車を殺したか?(ウィキペディア)
[6]太陽光パネル、新築住宅の屋根に設置義務づけへ:カリフォルニア州(ロイター、2018/5/9)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-09/P8H6ZL6VDKHS01

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米
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