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2018年06月13日

JPEA発表の2018年1-3月の太陽電池モジュール出荷量は前年同期比26%マイナス、シリコン単結晶以外は40%以上の減少、用途別では「発電事業」でも国内企業が海外企業を上回る

3週間ほど前になりますが、太陽光発電協会が2018年5月22日に、

  • 2017年度第4四半期2018/1-3
  • 同年度通期2017/4-2018/3
太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池モジュールの出荷量について、個人的に気になった項目を幾つかまとめてみました。

※出荷量のうちkWのものは、当ブログ管理人が四捨五入し、MWに換算しました。
※前年同期比(カッコ内)は、管理人により増減の値に変換しました。



<太陽電池モジュールの総出荷量>

※[1]の4pの記述、5p・7pの表から。

種類2017年度4Q
(2018/1-3)
2017年度通期
(2017/4-2018/3)
シリコン単結晶 628MW(23%)2020MW
シリコン多結晶 741MW(43%)3014MW
その他 81MW(43%)636MW
合計 1450MW(26%)5670MW(17%)

2018年度4Qは、「多結晶」「その他」が極めて大きな減少幅(約4割マイナス)であることに、強く驚きました。

いちおう「単結晶」が2割超の増加だったことで、「合計」の減少幅は抑えられたようです。

ただし、国内企業のみだと「単結晶」も含む全ての種類で減少しており([1]の6p)、日本メーカーは極めて厳しい状況に置かれていると思われます。



<2018/1-3のモジュールの国内出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 594MW(26%)
シリコン多結晶 718MW(44%)
その他 63MW(48%)
合計 1376MW(26%)

前年同期比の増減は、前項の総出荷量と非常に近い数値であり、全体として、国内需要の急速な縮小ぶりが伺えます。

シリコン単結晶のみ伸びたのは、後述する用途別において、中小規模の設備向けの一部が伸びたことと、対応しているものと推測します。



<2018/1-3のモジュールの海外出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 34MW(15%)
シリコン多結晶 24MW(25%)
その他 17MW(11%)
合計 75MW(17%)

海外向けの出荷量は、国内向けの僅か1/20〜1/30程度に留まっています。

ちなみに[1]の5p・6pの比較から、海外出荷量は全てが、日本企業による生産です。


太陽光発電の導入が、(コストダウンの進展を背景に)新興国にも急速に広がりつつある<中で、海外大手メーカーは出荷量を大きく伸ばしており、JinkoSolar社に至っては、2017年通期は10GWが目前という勢いでした。

そのいっぽうで日本メーカーは、日本国内以外での競争力をほぼ失ってしまったのではないか、とさえ感じてしまう、今回の数字です。


ただ、上記表には書き出しませんでしたが、「日本企業」における「海外出荷」のうち「国内生産」で、多結晶型は前年同期比2511%増という、極めて大きな伸びとなっています([1]の6p)。

この点は、日本政府の「二国間クレジット」を背景とした海外事業[2]向けに、低コストな多結晶型を出荷した結果では、と想像します。



<2018/1-3のモジュールの用途別国内出荷量>

※[1]の3p・5pの表から。

用途日本企業海外企業合計
住宅188MW(25%)86MW(8%)274MW(18%)
非住宅発電事業355MW(24%)334MW(44%)689MW(35%)
一般事業241MW(36%)172MW(76%)413MW(13%)
その他0.4MW(67%)
合計784MW(28%)592MW(24%)1376MW(26%)

非住宅の「発電事業」「一般事業」の両方で、出荷量は国内企業が海外企業を上回っています。

「一般事業」はともかくとして、大規模設備を含む「発電事業」においては、前年度(2016年度)通期に海外メーカーがシェア6割近くに達していたので、今回、同カテゴリで日本企業の出荷量が逆転したのは、非常に意外でした。

ただし、「発電事業」の合計出荷量じたいが35%ものマイナスとなっているので、国内の大規模事業でのモジュール需要が、急激にしぼんでいることが推測されます。


FITにおいて、例えば2015年6月末時点では、導入量は認定量の約1/5という、低い水準でした。

もっともこのギャップの大きさ(=導入見込み量の大きさ)は、国内でFITの新規認定が急激に減速した中で、暫くの間、国内市場にプラス方向の影響を及ぼしてきた筈です。

その効果がいよいよ無くなってきたとなれば、国内の太陽光発電産業は更に厳しい状況になっていくのでは、と強い懸念が浮かびます。


ちなみに上記表では、海外企業による「住宅」「一般事業」が、前年同期比増となっています。

これらのカテゴリにおいては、(設置面積が限られるため)発電能力の高いモジュールが通常要求されると考えられるので、先の項目(国内出荷量)における、単結晶型の国内出荷量増加分と対応しているのでは・・・と推測するものです。


※参照・参考資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(JPEA、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
[2]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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