Yingli Solar社が2018年6月7日に、
- 「PANDA BIFACIAL」モジュールが、同日にTUV Rheinlandの認証を取得し、両面太陽電池モジュールとして世界で初めて
- China General Certification Centre(2016年末に取得)
- UL(2018年5月に取得)
- TUV Rheinland
その中から、同モジュールの発電能力に関する内容を、まとめてみました。
最大出力 | 60セルのモジュール(前面の標準出力285W)は、ULとTUV Rheinlandのテストにおいて、最大出力315Wに到達した。
(※前面の標準出力比で約11%プラス) |
発電電力量 | 最新の統計によると、「PANDA BIFACIAL」モジュールを用いている山西省・大同(Datong)でのプロジェクトでは、月間の発電量が、従来の多結晶型による同容量のプロジェクト比で、最大で19.02%上回った。 |
裏・表の両面で発電できる太陽電池モジュール自体は、過去にも既に、幾つかの日本や海外メーカーが製品化していました。(例えば関連記事)
しかしその発電能力が、通常モジュール(片面のみで発電)と比べて実際にどの程度優れているのか、という点については、私はこれまで具体的な情報(数値など)を殆ど見たことがありませんでした。
そのため、今回のYingli社による発表は、非常に興味深いです。
まず、認証機関が測定した最大出力が、前面のみの場合と比べて約11%増というのは、正直思ったほど高くないと思いました。
いっぽう実際の大規模発電所においては、月間発電量で(最大で)2割に近いプラスとのこと。
比較対象が単結晶型でなく多結晶型(※「PANDA BIFACIAL」はn型単結晶)という点が、少し残念ですが、それでも両面モジュールの明確な優位性は、感じられる気がします。
両面モジュールについては、裏面でも発電できることから、積雪の白さで地面からの反射光が強くなる冬期間に、それ以外の時期と比べて(前面への積雪によるマイナスとの差し引きで)発電電力量が最終的にどう違ってくるのか、という点も、今後明らかになってくることを期待したいです。
- [1]Yingli's PANDA BIFACIAL Module Became the World's First Bifacial Module Certified by CGC, UL, and TUV Rheinland(Yingli Solar社、2018/6/7)
- http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2353651
- [2]単結晶モジュール (同上)
- http://www.yinglisolar.com/jp/products/monocrystalline/
- [3]PANDA BIFACIAL 60CF(同上)
- http://www.yinglisolar.com/en/products/monocrystalline/panda-bifacial-60cf/
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