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2019年02月25日

2018/4-12の京セラ「ソーラーエネルギー事業」は減収に赤字急拡大、昭和シェルの2018/10-12「太陽電池事業」も赤字拡大。いっぽうシャープは海外EPC事業が「大きく伸張」、カネカは高効率製品が好調で増産も準備中

今回は、

  • 京セラ
  • シャープ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
最新の四半期2018/10-12)の業績発表[1]〜[6]から、太陽電池・太陽光発電に関する状況をまとめてみました。

京セラ
生活・環境」セグメントの
2018/4-12(3Q累計)
(※[1]の5枚目より)
  • 業績:
    • 売上高:約585億円(前年同期比28.6%)
    • 事業損失:約639億円(前年同期は約26億円)
  • 背景:
    • 売上高の減少は、ソーラーエネルギー事業の売上減による。
    • 事業損失は、減収と
      • ポリシリコン原材料に関する長期購入契約の和解費用等(約523億円)の計上
      による。
シャープ
「スマートホーム」セグメント
2018/10-12(3Q単独)
(※[3]の8枚目より)
  • エネルギーソリューションの海外EPC事業大きく伸張した。
昭和シェル石油
太陽電池事業
2018/10-12
(※[4]の4枚目より)
  • 状況:
    国内市場では需要が伸び悩む中、価格競争一段と激化している。
    その中で
    • 旧製品在庫の整理に伴う、平均販売単価の下落
    • 特定案件における製品保証を引き当てたこと
    により、前年度比で赤字幅が拡大した。
  • 今後の方針:
    • 更なるコスト削減の推進
    • 電力事業との連携強化エネルギーソリューションの商品ラインナップ拡充
カネカ
PV & Energy management
2018/10-12
(※[5]の4枚目、[6]の7枚目より)
  • 状況:
    • 高効率太陽電池の市場評価が高く、販売は順調に伸びており、フル稼働だった。
      現在は需要拡大に対応すべく、増産の準備を進めている。
      構造改革の進展と合わせて、収益力が改善している。
    • 窓や壁が発電する太陽電池が、住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システム素材として注目を集めている。
  • 今後の方針:
    上記の建材一体型を、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく。


京セラは今回、全体での営業利益が約606億円、税引き前利益が約1041億円([1]の1枚目)。

それを考えると、米Hemlock社とのポリシリコン和解への出費(約523億円)が、如何に巨大な規模であるかが感じられます。

それでもこの出費は、あくまで一時的なものですが、一方でソーラーエネルギー事業の国内市場での売上減は、通期業績予想の引き下げの一因として挙げられています([2]の13p)。

実際「生活・環境」セグメントは、前期(2018年3月期)の売上高実績が約1122億円でしたが、今期(2019年3月期)の予想は690億円であり、日本の太陽光発電市場の縮小の深刻さが、端的に浮き彫りになっていると考えます。


いっぽうシャープは、今回も「太陽電池」の文言さえ有りませんが、「海外EPC事業」が(前回(2018年9月末時点)の「堅調」から)「大きく伸張」と、上向きの表現に変化したのが意外でした。

ただ、「二国間クレジット」に依存する状況[7]が果たして改善しているのか、というのは気になるところです。


昭和シェルは、前回はモジュール出荷量が横ばい・赤字幅が(前年同期比で)縮小でしたが、今回は赤字が拡大。

京セラのほうと合わせて、やはり国内市場の状況悪化が(歯止めどころか)更に進んでいることが感じられるものです。

このままだと、日本国内の太陽光発電市場は一体どうなってしまうのか、非常に暗い気持になります。


ただしカネカだけは今回、販売の伸びに増産準備中と、はっきり明るさのある内容。

もっともこれは、元々の販売・出荷の規模がどの程度だったか、ということにもよるとは思います。

それでも、高効率タイプに住宅屋根材との一体型[8]、公共・産業用のシースルータイプ[9]と、ユニークな製品の需要が伸びている・注目を集めている点は、新しい動きとして今後に期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第3四半期 決算短信(京セラ、2019/2/1)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2019.html」内)
[2]カンファレンスコール資料(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_cp.pdf
[3]2019年3月期 第3四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ、2019/1/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/2/1903_3pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内)
[4]2018年度 第4四半期決算(昭和シェル、2019/2/13)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.html」内)
[5]2019年3月期 第3四半期決算説明資料(カネカ、2019/2/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F_%E7%AC%AC3%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
[6]2019年3月期 第3四半期決算短信(同上)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B4%EF%BC%93%E6%9C%88%E6%9C%9F%E3%80%80%E7%AC%AC%EF%BC%93%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%80%95%E9%80%A3%E7%B5%90-.pdf
[7]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[8]宅用太陽光発電システム(カネカ)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_001.html
[9]公共・産業用太陽電池(同上)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_002.html

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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