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2020年06月25日

2017〜2019年度の日本における太陽電池モジュール出荷量は堅調な伸び、しかし日本企業のシェアは縮小が続く

今回は、JPEA(太陽光発電協会)が公表している太陽電池出荷統計から、出荷量が下げ止まった2017年度以降の太陽電池モジュール出荷量[1]〜[3]について、私の個人的な観点で数値を抜き出し、まとめてみました。

(※全ての項目において、表を作成後に、元資料との数値の照会または検算を1回行った。)


<総出荷量と、出荷先別・生産地別の出荷量>

(※各資料の数値の1000W未満を四捨五入し、MW表記とした。)

日本における
太陽電池モジュール
出荷量[MW]
総出荷量国内出荷海外出荷
国内生産海外生産国内生産海外生産
2017年度
([3]の7枚めより)
56705246424
16553591227197
2018年度
([2]の6枚めより)
59145507407
12174290107300
2019年度
([1]の6枚めより)
64306113317
1111500220242
日本企業」における
太陽電池モジュール
出荷量[MW]
2017年度
([3]の7枚めより)
33932968424
16471322227197
2018年度
([2]の6枚めより)
31782822357
12131608107250
2019年度
([1]の6枚めより)
30162709307
1111159820287

まず「総出荷量」では、「日本における」総出荷量は年々伸びていますが、「日本企業における」総出荷量は逆に年々減っており、国内メーカーと海外メーカーの差が伺えます。

次に「国内出荷」では、「日本における」出荷量で「国内生産」が年々減っている一方、「海外生産」は増加の一途。
これは「日本企業における」出荷量もほぼ同じ傾向であり、日本国内での太陽電池モジュール生産が縮小を続けている一方で、海外メーカーの製品のシェア拡大が続いており、また国内メーカーも国内拠点での生産の比重を減らしつつあることが、伺えます。

そして最後の「海外出荷」は、日本メーカー製が全てを占めている「国内生産」では、減少のペースが特に顕著です。
日本メーカーが、日本国内で生産する太陽電池モジュールの海外販売を、もはや諦めているとも感じられる数字です。


<前項の出荷量において、日本企業が占める割合>

総出荷量国内出荷海外出荷
国内生産海外生産国内生産海外生産
2017年度59.8%56.6%100%
99.5%36.8%100%100%
2018年度53.7%51.2%87.7%
99.7%37.5%100%83.3%
2019年度46.9%44.3%96.8%
100%31.9%100%

次に「日本における」各出荷量について、日本国内企業が占める割合を計算してみました。
(※前項の数値から「『日本企業における出荷量』÷『日本における出荷量』×100」で計算。)
ただし2019年度の「海外出荷」の「海外生産」については、「日本における出荷量」のほうで数値に矛盾があった(20+242は317にならない)ので、空欄にしています。

「総出荷量」に占める割合は年々低下し、2019年度には50%を割り込んでいます。
パナソニック社は2020年9月に米バッファロー工場でのセル・モジュール生産から撤退する予定であり、これで同社自身によるモジュール生産が無くなるので、次の2020年度も、日本メーカーの割合は更に下がるものと予想します。

「国内生産」での日本企業のシェアは、「国内出荷」「海外出荷」ともにほぼ100%で、これは当然と言えば当然かもしれません。
ただし2017年度・2018年度の「国内出荷」においては、外資系の日本拠点での生産が僅かにあったことが偲ばれますが、それも2019年度にはゼロとなっており、日本国内で生産することのメリットがいよいよ無くなった、ということかと思われます。

「国内出荷」の「海外生産」は、2017・2018年度はおおむね横ばいですが、2019年度は明らかに減少。
「日本における」同項目の出荷量は、毎年1GW前後の伸びだっただけに、ここでも(国内メーカーと比較しての)海外メーカーの勢いの強さが感じられます。


<出荷量の前年度比>

日本における
太陽電池モジュール
出荷量の前年度比
総出荷量国内出荷海外出荷
国内生産海外生産国内生産海外生産
2018年度104.3%105.0%96.0%
73.5%119.5%47.1%152.3%
2019年度108.7%111.0%77.9%
91.3%116.6%18.7%
日本企業」における
太陽電池モジュール
出荷量の前年度比
2018年度93.7%95.1%84.2%
73.6%121.6%47.1%126.9%
2019年度94.9%96.0%86.0%
91.6%99.4%18.7%114.8%

ここでは、出荷量の年度ごとの変化を掴みやすくする狙いで、各数値の前年度比を計算しました。
(※前々項の表から、「『当該年度の出荷量』÷『前年度の出荷量』×100」で計算。

「日本における」総出荷量が堅調に伸びている中で、日本企業の総出荷量と「国内生産」がマイナス続きの一方、「海外生産」はおおむね堅調に伸びていることが見て取れます。


<国内・用途別の出荷量>

※各資料の数値の1000W未満を四捨五入し、MW表記とした。
ただし「その他」のみ、数値が小さいため、小数点一ケタまで記載した。

日本における
太陽電池モジュール
出荷量[MW]
住宅用非住宅用その他
全体>500kW
2017年度
([3]の7枚めより)
1079415727199.6
2018年度
([2]の6枚めより)
1007449826821.8
2019年度
([1]の6枚めより)
1013509732412.4
日本企業」における
太陽電池モジュール
出荷量[MW]
2017年度
([3]の7枚めより)
795217212111.5
2018年度
([2]の6枚めより)
763205710971.8
2019年度
([1]の6枚めより)
771193610992.4

今度は、国内における「用途別」の出荷量をまとめてみました。

「住宅用」は、「日本における」「日本企業における」の両方で、おおむね横ばい。

しかし「非住宅」では、「日本における」出荷量で「全体」「500kW超」が堅調に伸びている一方、「日本企業」の出荷量は減少傾向。
やはり住宅用よりも規模が大きい設備向けでは、海外メーカー製の価格競争力が優位、ということだと思われます。

「その他」は、2017年度には海外メーカーの出荷量がありましたが、2018・2019年度は完全に日本企業のみとなっています。
ただ、そもそも全体の出荷量じたいが2017年度から激減しており、省エネ意識が高まっている筈の中で、小型機器(電卓、時計など)向けの太陽電池の需要が一体どうなっているのかが、気になるところです。


<用途別出荷量において、日本企業が占める割合>

住宅用非住宅用その他
全体>500kW
2017年度73.7%52.2%44.5%15.6%
2018年度75.8%45.7%40.9%100%
2019年度76.1%38.0%33.9%100%

次に、用途別出荷量における日本企業のシェアを計算しました。
(※上記表の数値を用い、「『日本企業における出荷量』÷『日本における出荷量』×100」で計算。)

やはり「住宅用」では概ね横ばいをキープしている一方で、「非住宅」での継続的なシェア縮小が目立ちます。


<用途別出荷量の前年度比>

日本における
太陽電池モジュール
出荷量の前年度比
住宅非住宅その他
全体>500kW
2018年度93.3%108.2%98.6%18.8%
2019年度100.6%113.3%120.8%133.3%
日本企業」における
太陽電池モジュール
出荷量の前年度比
2018年度96.0%94.7%90.6%120%
2019年度101.0%94.1%100.2%133.3%

そして当記事の最後として、用途別出荷量の前年度比を計算しました。
(※これも前々項の表の数値を用い、「『当該年度の出荷量』÷『前年度の出荷量』×100」で計算。)

「住宅用」は、2018年度がマイナスだったものの、翌2019年度はほぼ横ばいとなっており、需要はある程度の水準を保っている(大きく伸びもしなければ、大きく減りもしていない)ものと推測します。

「非住宅」は、「日本における」では堅調な伸びを継続。
いっぽう「日本企業における」のほうは、「全体」で前年度比マイナスが続いており、やはり日本メーカー製モジュールがシェアを縮小し続けていることが伺えます。
ただし「500kW超」では、2019年度が前年度とほぼ同水準をキープ。
これには、100MWの「鹿屋大崎ソーラーヒルズ太陽光発電所」(2019年11月に本体工事完了)への京セラ社によるモジュール供給も、寄与したものと想像します。
また同社は、480MWの「宇久島メガソーラー事業」 (2023年6月末に建設完了予定)にもモジュールを供給する予定であり、日本メーカーも海外勢にただ押され続けているわけではないようです。


※参照・参考資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2019年度第4四半期及び2019年度(JPEA、2020/5/27)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h314q.pdf
(※「http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html」内、以下同じ。)
[2]同 2018年度第4四半期及び2018年度(同上、2019/5/24)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h304q.pdf
[3]同 2017年度第4四半期及び2017年度(同上、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf

※太陽電池出荷量に関する過去記事:

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posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 市場・業界の動向:国内
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