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2011年01月24日

フランスでのFITを巡るいびつな状況を解説している、「SankeiBiz」の記事

下記URL先ページでは、フランスでの太陽光発電対象のFIT(固定価格買い取り制度)において、赤字が拡大している状況が解説されています。

(ニュース記事)
・仏電力会社に時限爆弾 太陽光バブル、買い取り制度で赤字拡大 (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110124/mcb1101240502006-n1.htm

具体的には、

・太陽光発電システムの導入状況:
 ・FIT導入後に大ブームとなり、農家が太陽電池パネル設置のためだけに納屋を建てる場合も有る。
  発電能力は、2年で10倍に拡大した。
 ・電力を買い取っている「フランス電力(EDF)」では、2010年末に、配電網への太陽電池パネル接続申請を、1日に3,000件受領した。
  (※2008年の接続数は、1年で7,100件)
  この全申請が実行された場合、2011年末までに、2020年度の目標(太陽光発電能力5,400MW)が達成されてしまう可能性がある。

・太陽光発電電力の買取価格:
 仏エネルギー規制当局の試算では、2011年の買取価格は平均546ユーロ/MWhで、再生可能エネルギー源の中では最高値となる見込み。
 (※電力スポット価格は55ユーロ)

・FITに関する収支の状況:
 2009年のフランスでの買取総額は、欧州1位となった。
 一方、電力買い取りの原資として電気料金に上乗せされる税収が、過去2年間で普及率に追いつかず、赤字の状態となっている。
 そのためEDFでは、毎年10億ユーロ(約1,100億円)超の負担を強いられている。

・仏政府による対策:
 ・2010年には、買取価格の下方見直しを2回行っている。
 ・「投機的バブル」を潰す目的で、2010年12月10日から、太陽光発電のFITを3カ月間凍結。
  その間に新制度(導入の上限設定、買い取り価格の減額など)を考案する方針。
 ・2011年1月から、「公共電力サービス拠出金(CSPE)」を7.50ユーロ/MWh(2004〜2010年末までは4.50ユーロ/MWh)に引き上げた。 
  このCSPE(消費者が負担する)から、FITによる電力購入義務で発生した追加費用(買取原価とスポット価格との差額)が支払われることになる。
  ただし、「エネルギー規制委員会(CRE)」は、2011年1月の報告の中で、
  ・CSPEが7.50ユーロ/MWhの場合、EDFが抱える不足額は、2011年末30億ユーロに拡大すると予想される。
  ・この不足額を2011年内に解消するためには、12.90ユーロ/MWhまで引き上げる必要がある。
  と発表している。

等の状況が紹介されています。

また記事では、

(ドイツの大手銀行「ドイチェ・バンク」のアナリストのベルトラン・ルクール氏)
・「(FITにより被っている赤字について)これは、EDFが一刻も早く解除すべき時限爆弾だ」

(フランソワ=ミシェル・ゴノー国民議会議員)
・「(FITを巡る投機的動きについて)予想外だった」
・「今年控えている案件数は想像を絶する。
  農家は納屋の屋根にパネルを設置すれば畜産をやめても大丈夫といわれてそうしたようだ」

(「オーレルBGC」のアナリストのルイ・ブジャール氏)
・政府がバブルを鎮めたとしても、CSPEを更に引き上げない限り、EDFの赤字は2017年まで続くと予想する。
・「EDFが国の再生可能エネルギー促進費を賄うのはおかしい」

(エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅大臣のモリゼ氏)
・フランス国内に設置された太陽電池パネルは大半が中国製。
 そのCO2排出も、極めて問題がある。
・「(政策は)中国産業の助成ではなく、国内の雇用を創出すべきだ」

(EDFのCEOのプログリオ氏)
・「EDFに非重要・地域産業の銀行家となるよう頼まれても無理だ」

等のコメントも紹介されています。


FITによる問題については、昨年10月にも>スペインのケースを「Bloomberg.co.jp」が報じていましたが、今回のフランスの状況とは、収支の赤字拡大の他に、国内産業の育成につながっていない点も、良く似ていると感じます。

政策による優遇での普及促進は、やはり度が行き過ぎると歪が大きくなり、このように産業・市場としては正常ではない状況が続けば、現在の世界的な太陽電池需要の拡大も、近いうちに「バブル」のように弾けてしまう可能性が高いのでは、とも思われます。

ただ他方では、環境保護やエネルギー問題(石油資源の枯渇)にも早急に対応していく必要があり、太陽光発電における根本的な技術革新(発電能力のアップ、パネルのコストダウン等を大きく進めるもの)が喫緊の課題となっていると感じます。


※参考
・[1]EDF - France
 http://france.edf.com/france-45634.html

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posted by 管理人 at 18:42 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米
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